JPH11160825A - ハロゲン化銀写真感光材料の処理方法 - Google Patents

ハロゲン化銀写真感光材料の処理方法

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Publication number
JPH11160825A
JPH11160825A JP32251397A JP32251397A JPH11160825A JP H11160825 A JPH11160825 A JP H11160825A JP 32251397 A JP32251397 A JP 32251397A JP 32251397 A JP32251397 A JP 32251397A JP H11160825 A JPH11160825 A JP H11160825A
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JP
Japan
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group
silver halide
processing
fixing
same meaning
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Application number
JP32251397A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Yanagisawa
宏幸 柳澤
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Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
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Publication date
Application filed by Konica Minolta Inc filed Critical Konica Minolta Inc
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Publication of JPH11160825A publication Critical patent/JPH11160825A/ja
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  • Silver Salt Photography Or Processing Solution Therefor (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 低補充迅速処理した際にも現像銀の色調が純
黒調で優れ、感度低下がなく、処理後のフィルムの画像
保存性(銀色調、濃度)が優れたハロゲン化銀写真感光
材料の処理方法の提供。 【解決手段】 白黒ハロゲン化銀乳剤層がセレン及び
/又はテルル化合物で化学増感され、かつ定着処理液中
に一般式(1)で表される化合物の少なくとも1種を含
有する。 白黒ハロゲン化銀乳剤層側の親水性層中に、一般式
(2)で表される化合物の少なくとも1種を含有し、か
つ定着処理液中に一般式(1)で表される化合物の少な
くとも1種を含有する。 Zは5〜6員の含窒素複素環を形成、Rは水素原子又は
アルカリ金属原子を表す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はハロゲン化銀感光材
料の処理方法に関し、詳しくは迅速低補充処理でも感度
低下が起こらず銀色調性に優れ、更に画像保存性の優れ
たハロゲン化銀写真感光材料の処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ハロゲン化銀写真感光材料(以
下、単に感光材料ともいう)の処理方法においては、環
境保全の為に低補充化による処理廃液の減少化を達成し
つつあるが、さらなる要望として処理の迅速化が求めら
れており、特に医療用感光材料の場合、緊急診断の必要
からその要請は強い。
【0003】しかしながら、低補充で迅速処理化する
と、フィルムの感度低下や銀色調の劣化、更には経時で
の画像保存性劣化(銀色調の劣化や濃度低下)を生じる
という問題が発生した。
【0004】医療用X線フィルムの場合、観察者が直接
銀画像を目で判読するために処理後の銀画像の色調は見
やすいことが必要で、例えば黄色味を帯びた銀色調は判
読しにくく、かつ観察者に不快な感じを与えるために嫌
われている。
【0005】また診察に使用した処理済みフィルムは一
定期間(通常5年程度)保管されるが、高温、多湿度の
場所に長期間保管された場合には銀色調が劣化し、濃度
が大きく低下するという問題があった。
【0006】従来、銀色調を改良する技術として、例え
ば1−フェニル−メルカプトテトラゾールなどのメルカ
プト化合物を感光材料又は現像処理液に用いることがよ
く知られている。しかし該技術は効果を得られる添加量
域では感度低下と残色汚染を招く問題を有し、医療用高
感度感光材料には不適当であった。
【0007】その他の改良手段として、硬膜度を上げ現
像銀のフィラメントの伸びを抑制する方法も知られてい
るが、これは処理性を劣化させてしまう欠点がある。
【0008】更にこれらの改良手段では処理直後の銀色
調をある程度改良する効果は認められるが、経時保存後
の色調変化の改善は全く認められなかった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明の目的
は、低補充で迅速処理した際にも現像銀の色調が純黒調
で優れ、感度低下がなく、処理後のフィルムの画像保存
性(銀色調、濃度)が優れたハロゲン化銀写真感光材料
の処理方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は下記によ
り達成された。
【0011】支持体上に少なくとも1層のハロゲン化
銀乳剤層と親水性コロイド層を有する白黒ハロゲン化銀
写真感光材料を、像様露光後、現像、定着処理工程を少
なくとも含む処理方法において、該ハロゲン化銀乳剤層
がセレン及び/又はテルル化合物で化学増感され、かつ
該定着処理液中に下記一般式(1)で表される化合物の
少なくとも1種を含有することを特徴とするハロゲン化
銀写真感光材料の処理方法。
【0012】
【化6】
【0013】式中、Zは5〜6員の含窒素複素環を形成
するに必要な原子群を表し、Rは水素原子又はアルカリ
金属原子を表す。
【0014】支持体上に少なくとも1層のハロゲン化
銀乳剤層と親水性コロイド層を有する白黒ハロゲン化銀
写真感光材料を、像様露光後、現像、定着処理工程を少
なくとも含む処理方法において、該ハロゲン化銀乳剤層
側の親水性コロイド層中に、下記一般式(2)で表され
る化合物の少なくとも1種を含有し、かつ該定着処理液
中に上記一般式(1)で表される化合物の少なくとも1
種を含有することを特徴とするハロゲン化銀写真感光材
料の処理方法。
【0015】
【化7】
【0016】式中、P、Q、Yは、それぞれ窒素原子又
は=CH−基を表し、P、Q、Yのうちの少なくとも一
つは窒素原子である。Aはヒドロキシ基、アシルアミノ
基、カルボキシル基又はその塩、スルホ基又はその塩、
スルホアミノ基又はその塩を表す。nは1〜2の整数を
表す。
【0017】支持体上に少なくとも1層のハロゲン化
銀乳剤層と親水性コロイド層を有する白黒ハロゲン化銀
写真感光材料を、像様露光後、現像、定着処理工程を少
なくとも含む処理方法において、該ハロゲン化銀乳剤層
側の親水性コロイド層中に、下記一般式(3)で表され
るロイコ化合物の少なくとも1種を含有し、かつ該定着
処理液中に上記一般式(1)で表される化合物の少なく
とも1種を含有することを特徴とするハロゲン化銀写真
感光材料の処理方法。
【0018】
【化8】
【0019】〔式中、Wは−NR12、−OH又は−O
Zを表し、R1及びR2はそれぞれアルキル基又はアリー
ル基を表し、Zはアルカリ金属イオン又は第四級アンモ
ニウムイオンを表す。R3は水素原子、ハロゲン原子又
は1価の置換基を表し、nは1〜3の整数を表す。Z1
及びZ2はそれぞれ窒素原子又は=C(R4)−を表す。
XはZ1、Z2及びそれに隣接する炭素原子とともに5〜
6員の芳香族ヘテロ環を構築するのに必要な原子群を表
す。R4は水素原子、アシル基、スルホニル基、カルバ
モイル基、スルホ基、スルファモイル基、アルコキシカ
ルボニル基又はアリールオキシカルボニル基を表す。R
は脂肪族基又は芳香族基を表す。pは0〜2の整数を表
す。CPは以下の基を表す。〕
【0020】
【化9】
【0021】
【化10】
【0022】式中、R5〜R8はそれぞれ水素原子、ハロ
ゲン原子及びベンゼン環に置換可能な置換基を表す。ま
たR5とR6及びR7とR8は互いに結合して5〜7員の環
を形成しても良い。R9は一般式(3)のR4と同義であ
る。R10及びR11はそれぞれアルキル基、アリール基又
はヘテロ環基を表す。R12はR4と同義である。R13
びR14はR10及びR11と同義である。R15はR12と同義
である。R16はアルキル基、アリール基、スルホニル
基、トリフルオロメチル基、カルボキシ基、アリールオ
キシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモ
イル基又はシアノ基を表す。R17はR4と同義である。
18は一般式(3)のR3と同義であり、mは1〜3の
整数を表す。Y1は2つの窒素原子とともに5及び6員
の単環又は縮合環の含窒素ヘテロ環を構築するのに必要
な原子群を表す。R19及びR20はアルキル基又はアリー
ル基を表す。R21はR4と同義である。R22及びR23
19及びR20と同義である。R24はR21と同義である。
25、R27及びR28は水素原子又は置換基を表す。R26
はR4と同義である。R29、R31及びR32はR25、R27
及びR28と同義である。R30はR26と同義である。
34、R35及びR36はR25、R27及びR28と同義であ
る。R33はR26と同義である。R38、R39及びR40はR
25、R27及びR28と同義である。R37はR26と同義であ
る。R41、R42及びR43はR25、R27及びR28と同義で
ある。R44はR26と同義である。★は一般式(3)にお
けるCPと他の部分構造との結合点を表す。
【0023】前記定着処理液中に下記一般式(4)で
表される化合物の少なくとも1種を含有することを特徴
とする〜の何れか1項に記載のハロゲン化銀写真感
光材料の処理方法。
【0024】 一般式(4) A−(R1−S)n−R2−S−R3−B 〔式中R1、R2及びR3はアルキレン基を表す。これらの
アルキレン基はエーテル結合を有してもよい。R1
2、R1とR3、R2とR3とで環を形成してもよい。A
及びBは同一でも異なっていてもよく、水素原子、アル
キル基、アミノ基、アンモニオ基、ヒドロキシ基、カル
ボキシ基、スルホ基、アミノカルボニル基又はアミノス
ルホニル基を表し、AとBとで環を形成してもよい。n
は0から10の整数を表す。〕 前記現像、定着処理工程における現像開始液及び現像
補充液の供給、及び前記定着処理における定着開始液及
び定着補充液の供給が、固体処理剤として供給されるこ
とを特徴とする〜の何れか1項に記載のハロゲン化
銀写真感光材料の処理方法。
【0025】前記現像、定着処理工程における現像補
充量及び定着補充量がハロゲン化銀写真感光材料1m2
当たり40〜350mlであることを特徴とする請求項
〜の何れか1項に記載のハロゲン化銀写真感光材料
の処理方法。
【0026】以下、本発明を詳述する。
【0027】本発明のハロゲン化銀写真感光材料の処理
方法に於いて、使用されるハロゲン化銀写真感光材料
は、支持体上に少なくとも1層の感光性ハロゲン化銀乳
剤層と少なくとも1層の親水性コロイド層を有する。こ
れらの層は支持体の片面だけでもよく、また両面に塗布
されていてもよい。
【0028】本発明のハロゲン化銀写真感光材料は、乳
剤層がセレン化合物及び/又はテルル化合物で化学増感
されたハロゲン化銀粒子を含有する。
【0029】化学増感が施されたハロゲン化銀写真感光
材料は、像様露光後、現像工程、定着工程、水洗工程、
安定化処理工程などの現像処理がなされて銀画像を得
る。
【0030】本発明においては、少なくとも現像工程、
定着工程を含む処理工程のうちの定着処理液中に、前記
一般式(1)で表される化合物の少なくとも1種が含有
される。
【0031】前記一般式(1)において式中のZは、不
飽和環が縮合しているものも含む5〜6員の含窒素複素
環で、Rは水素原子又はアルカリ金属原子(例えばN
a、Kなど)を表す。以下、一般式(1)で表される化
合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるも
のではない。
【0032】
【化11】
【0033】
【化12】
【0034】
【化13】
【0035】
【化14】
【0036】上記一般式(1)で表される化合物は、市
販品として入手可能である。また、「新実験化学講座
(丸善株式会社)」第14巻、III、p1699〜171
3及び他の文献に記載されている方法によっても合成す
ることが出来る。
【0037】本発明の一般式(1)で表される化合物の
定着液への添加量は、5×10-5〜10-1モル/リット
ルが好ましく、より好ましくは10-4〜5×10-2モル
/リットル、更に好ましくは10-3〜10-2モル/リッ
トルである。
【0038】本発明に係る定着液は、定着剤としてチオ
硫酸塩を含む水溶液であり、pH3.8以上が好まし
く、より好ましくは4.2〜7.0を有する。更に好ま
しくはpH4.5〜5.5である。定着剤としてはチオ
硫酸ナトリウム、チオ硫酸アンモニウム等があるが、定
着速度の点からチオ硫酸アンモニウムが特に好ましい。
定着剤の使用量は一般には0.1〜6モル/リットルで
ある。
【0039】定着液には硬膜剤として作用する水溶性ア
ルミニウム塩を含んでもよく、例えば塩化アルミニウ
ム、硫酸アルミニウム、カリミョウバン等がある。
【0040】定着液には酒石酸、クエン酸、グルコン酸
或いはそれらの誘導体を単独で或いは2種以上併用する
ことが出来る。これらの化合物は定着液1リットル当た
り0.005モル以上含むのが有効で、特に0.01〜
0.03モルが特に有効である。
【0041】定着液には所望により保恒剤(例えば亜硫
酸、重亜硫酸)、pH緩衝剤(例えば酢酸、硼酸、β−
アラニン)、pH調整剤(例えば硫酸)、硬水軟化能の
あるキレート剤などを含有することが出来る。
【0042】次に本発明のセレン化合物及び/又はテル
ル化合物について述べる。本発明に用いられるセレン増
感剤は広範な種類のセレン化合物を含む。
【0043】有用なセレン増感剤としてはコロイドセレ
ン金属、イソセレノシアネート類(例えばアリルイソセ
レノシアネート等)、セレノ尿素類(例えばN,N−ジ
メチルセレノ尿素、トリエチルN,N,N′−セレノ尿
素、N,N,N′−トリメチル−N′−ヘプタフルオロ
セレノ尿素、N,N,N′−トリメチル−N′−ヘプタ
フルオロプロピルカルボニルセレノ尿素、N,N,N′
−トリメチル−N′−4−ニトロフェニルカルボニルセ
レノ尿素等)、セレノケトン類(例えばセレノアセト
ン、セレノアセトフェノン等)、セレノアミド類(例え
ばセレノアセトアミド、N,N−ジメチルセレノベンズ
アミド等)、セレノカルボン酸類及びセレノエステル類
(例えば2−セレノプロピオン酸、メチル−3−セレノ
ブチレート等)、セレノフォスフェート類(例えばトリ
−p−トリセレノフォスフェート等)、セレナイド類
(例えばトリフェニルフォスフィンセレナイド、ジエチ
ルセレナイド、ジエチルジセレナイド等)が挙げられ
る。特に好ましいセレン増感剤はセレナイド類、セレノ
尿素類、セレノアミド類、及びセレンケトン類である。
【0044】セレン増感剤の使用量は使用するセレン化
合物、ハロゲン化銀粒子、化学熟成条件等により変わる
が、一般にはハロゲン化銀1モル当たり10-8〜10-4
モルを用いる。
【0045】セレン増感剤を用いる化学熟成の温度は4
0〜90℃の範囲が好ましく、より好ましくは45℃〜
80℃である。また乳剤pHは4〜9、pAgは6.0
〜9.5の範囲が好ましい。以下、本発明のセレン増感
剤の具体例を示すが本発明はこれらに限定されるもので
はない。
【0046】
【化15】
【0047】
【化16】
【0048】
【化17】
【0049】本発明の化学増感において、テルル増感剤
として有用な例としては、テルロ尿素類(例えばN,N
−ジメチルテルロ尿素、テトラメチルテルロ尿素、N−
カルボキシエチル−N,N′−ジメチルテルロ尿素、
N,N′−ジメチル−N′フェニルテルロ尿素)、ホス
フィンテルリド類(例えばトリブチルホスフィンテルリ
ド、トリシクロヘキシルホスフィンテルリド、トリイソ
プロピルホスフィンテルリド、ブチル−ジイソプロピル
ホスフィンテルリド、ジブチルフェニルホスフィンテル
リド)、テルロアミド類(例えばテルロアセトアミド、
N,N−ジメチルテルロベンズアミド)、テルロケトン
類、テルロエステル類、イソテルロシアナート類などが
挙げられる。
【0050】テルル増感剤の使用技術はセレン増感剤の
使用技術に準じる。本発明ではセレン増感とテルル増感
を組み合わせて化学増感してもよい。
【0051】本発明に於いては還元増感を併用すること
も好ましい。還元増感はハロゲン化銀粒子の成長途中に
施すのが好ましい。成長途中に施す方法としては、ハロ
ゲン化銀粒子が成長しつつある状態で還元増感を施す方
法だけでなく、ハロゲン化銀粒子の成長を中断した状態
で還元増感を施し、その後に還元増感されたハロゲン化
銀粒子を成長せしめる方法をも含む。
【0052】本発明においては、硫黄化合物や金塩のご
とき貴金属塩による増感もでき、これらの増感法に上記
の増感法を組み合わせて化学増感することができる。
【0053】本発明に適用できる硫黄増感剤の具体例と
してはチオ硫酸ナトリウム塩などのチオ硫酸塩、1,3
−ジフェニルチオ尿素、トリエチルチオ尿素、1−エチ
ル−3−(2−チアゾリル)チオ尿素などのチオ尿素誘
導体、ローダニン誘導体、ジチアカルバミン酸類、ポリ
スルフィド有機化合物、硫黄単体などが好ましい例とし
て挙げられる。尚、硫黄単体としては、斜方晶系に属す
るα−硫黄が好ましい。
【0054】金増感剤としては塩化金酸、チオ硫酸金、
チオシアン酸金等の他に、チオ尿素類、ローダニン類、
その他各種化合物の金錯体を挙げることができる。
【0055】硫黄増感剤及び金増感剤の使用量は、ハロ
ゲン化銀乳剤の種類、使用する化合物の種類、熟成条件
などによって一様ではないが、通常は、ハロゲン化銀1
モル当たり、1×10-5〜1×10-9モルであることが
好ましい。更に好ましくは1×10-4〜1×10-8モル
である。
【0056】硫黄増感剤及び金増感剤の添加方法は、水
或いはアルコール類、その他無機或いは有機溶媒に溶解
し、溶液の形態で添加しても良く、水に不溶性の溶媒或
いは、ゼラチンのような媒体を利用して、乳化分散させ
て得られる分散物の形態で添加しても良い。硫黄増感及
び金増感の両者を同時に施しても良く、また、別々にか
つ段階的に施しても良い。後者の場合、硫黄増感を適度
に施した後に、或いはその途中に於いて、金増感を施す
と好ましい結果が得られることがある。
【0057】還元増感はハロゲン化銀乳剤のハロゲン化
銀粒子の成長中に行われるように、ハロゲン化銀乳剤に
還元剤及び/又は水溶性銀塩を添加することによって成
される。還元剤の好ましい例としては、二酸化チオ尿素
及びアスコルビン酸及びそれらの誘導体が挙げられる。
また別の好ましい還元剤としては、ヒドラジン、ジエチ
レントリアミンのごときポリアミン類、ジメチルアミノ
ボラン類、亜硫酸塩類等が挙げられる。
【0058】本発明に係る感光材料のハロゲン化銀乳剤
層側の親水性コロイド層中には、前記一般式(2)で表
される化合物の少なくとも1種が含有される。
【0059】前記一般式(2)において式中のP、Q、
Yは窒素原子又は=CH−基を表し、P、Q、Yのうち
の少なくとも一つは窒素原子である。具体的な複素環と
してはテトラゾール、トリアゾール、イミダゾール及び
ピラゾールなどが挙げられる、好ましくはテトラゾール
環である。
【0060】Aはヒドロキシ基、アシルアミノ基、カル
ボキシル基又はその塩、スルホ基又はその塩、スルホア
ミノ基又はその塩を表す。ここで言う塩とはアルカリ金
属(例えばNa、Kなど)である。nは1〜2の整数を
表す。
【0061】以下、本発明の一般式(2)で表される化
合物の具体例を示すが本発明はこれらに限定されない。
【0062】
【化18】
【0063】上記の化合物類は写真用カブリ抑制剤とし
て公知の化合物で、例えばイソチオシアネートを出発原
料として容易に合成することができるものである。
【0064】本発明の上記一般式(2)で表される化合
物の添加量は任意であるが通常、ハロゲン化銀1モル当
たり1×10-8〜1×10-2モルでよく、より好ましく
は1×10-7〜1×10-3モルである。上記化合物の添
加時期は本発明の感光材料を調製する工程の何れの時期
に添加しても良いが、好ましくはハロゲン化銀乳剤の化
学熟成直前から乳剤塗布液調製までの任意の時期でよ
い。
【0065】添加に際して水又は親水性溶媒、例えばメ
タノール、エタノールなどに溶解して添加してよく、或
いは微粒子状に固体分散して添加しても良い。
【0066】本発明の上記一般式(2)で表される化合
物は単独又は複数で使用してもよく、両者を組み合わせ
て使用しても良い。更に本発明外の公知のカブリ抑制剤
と組み合わせても良い。
【0067】本発明に係る感光材料のハロゲン化銀乳剤
層側の親水性コロイド層中には、前記一般式(3)で表
されるロイコ化合物の少なくとも1種が含有される。
【0068】本発明でいうロイコ化合物とは、現像液中
で現像主薬の酸化体と反応して発色する化合物であり、
前記一般式(3)で表されるものである。
【0069】前記一般式(3)で表される化合物は、更
に下記一般式(3′)で表される化合物であることが好
ましい。
【0070】
【化19】
【0071】〔式中、CPとR1、R2、R3及びR4は一
般式(3)と同義である。又、R、n及びpも同義を表
す。〕 一般式(3)又は(3′)において、R1及びR2で表さ
れるアルキル基としては、好ましくはメチル基、エチル
基、プロピル基、ブチル基等が挙げられる。これらは更
に置換されていてもよく好ましい置換基としてヒドロキ
シル基、スルホンアミド基が挙げられる。R1及びR2
表されるアリール基として好ましくはフェニル基が挙げ
られる。
【0072】R3で挙げられる1価の置換基としてはア
ルキル基(例えばメチル基、エチル基、イソプロピル
基、ヒドロキシエチル基、メトキシメチル基、トリフル
オロメチル基、t−ブチル基等)、シクロアルキル基
(例えばシクロペンチル基、シクロヘキシル基等)、ア
ラルキル基(例えばベンジル基、2−フェネチル基
等)、アリール基(例えばフェニル基、ナフチル基、p
−トリル基、p−クロロフェニル基等)、アルコキシル
基(例えばメトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ
基、n−ブトキシ基等)、アリールオキシ基(例えばフ
ェノキシ基等)、シアノ基、アシルアミノ基(例えばア
セチルアミノ基、プロピオニルアミノ基等)、アルキル
チオ基(例えばメチルチオ基、エチルチオ基、n−ブチ
ルチオ基等)、アリールチオ基(例えばフェニルチオ基
等)、スルホニルアミノ基(例えばメタンスルホニルア
ミノ基、ベンゼンスルホニルアミノ基等)、ウレイド基
(例えば3−メチルウレイド基、3,3−ジメチルウレ
イド基、1,3−ジメチルウレイド基等)、スルファモ
イルアミノ基(ジメチルスルファモイルアミノ基等)、
カルバモイル基(例えばメチルカルバモイル基、エチル
カルバモイル基、ジメチルカルバモイル基等)、スルフ
ァモイル基(例えばエチルスルファモイル基、ジメチル
スルファモイル基等)、アルコキシカルボニル基(例え
ばメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等)、
アリールオキシカルボニル基(例えばフェノキシカルボ
ニル基等)、スルホニル基(例えばメタンスルホニル
基、ブタンスルホニル基、フェニルスルホニル基等)、
アシル基(例えばアセチル基、プロパノイル基、ブチロ
イル基等)、アミノ基(メチルアミノ基、エチルアミノ
基、ジメチルアミノ基等)、ヒドロキシル基、ニトロ
基、イミド基(例えばフタルイミド基等)、ヘテロ環基
(例えば、ピリジル基、ベンズイミダゾリル基、ベンズ
チアゾリル基、ベンズオキサゾリル基等)が挙げられ
る。
【0073】R4で表されるアシル基として好ましく
は、アセチル基、トリフルオロアセチル基、ベンゾイル
基等が挙げられる。スルホニル基として好ましくは、メ
タンスルホニル基、ベンゼンスルホニル基等が挙げられ
る。カルバモイル基として好ましくは、ジエチルカルバ
モイル基、フェニルカルバモイル基等が挙げられる。ス
ルファモイル基として好ましくは、ジエチルスルファモ
イル基等が挙げられる。アルコキシカルボニル基として
好ましくは、メトキシカルボニルオキシ基、エトキシカ
ルボニルオキシ基が挙げられる。アリールオキシカルボ
ニル基として好ましくは、フェノキシカルボニルオキシ
基等が挙げられる。
【0074】一般式(3)におけるZで表されるアルカ
リ金属としてはナトリウム、カリウム等が挙げられる。
第四級アンモニウムとしては、トリメチルベンジルアン
モニウム、テトラブチルアンモニウム、テトラデシルア
ンモニウム等の炭素総数が8以上のアンモニウムが挙げ
られる。
【0075】X、Z1、Z2及びそれに隣接する炭素原子
で構築される5〜6員の芳香族炭素環、又は芳香族ヘテ
ロ環としてはベンゼン環、ナフタレン環、又はピリジン
環、ピリミジン環、ピリダジン環、ピラジン環、トリア
ジン環、テトラジン環、ピロール環、フラン環、チオフ
ェン環、チアゾール環、オキサゾール環、イミダゾール
環、チアジアゾール環、オキサジアゾール環等が挙げら
れる。好ましくはベンゼン環又はピリジン環である。
【0076】R5〜R8で表されるベンゼン環に置換可能
な置換基としては上述のR3で挙げられる1価の置換基
と同義の基を挙げることができる。好ましくはアルキル
基、アシルアミノ基である。
【0077】R5とR6及びR7とR8が互いに結合して形
成する5〜7員の環としては、芳香族炭素環及び複素環
が挙げられるが、好ましくはベンゼン環を挙げることが
できる。
【0078】R10及びR11で表されるアルキル基として
はメチル、エチル、プロピル、ブチル基等が挙げられ、
アリール基としてはフェニル基、ナフチル基等が挙げら
れ、ヘテロ環基としてはO、S、及びN原子の少なくと
も1種を環内に有する5〜6員の芳香族複素環(例え
ば、ピリジン、ピラジン、ピリミジン環等の6員環アジ
ン及びそのベンゼローグ:ピロール、チオフェン、フラ
ン及びそのベンゼローグ:イミダゾール、ピラゾール、
トリアゾール、テトラゾール、チアゾール、オキサゾー
ル、チアジアゾール、オキサジアゾール等の5員環アゾ
ール及びそのベンゼローグ等)が挙げられる。R10及び
11として好ましくはフェニル基、ピラゾリル基、ピリ
ジル基等が挙げられる。
【0079】R16で表されるアルキル基としてはメチル
基、イソプロピル基、ペンチル基、t−ブチル基等が挙
げられる。アリール基としてはフェニル基、ナフチル基
等が挙げられる。スルホニル基としてはメタンスルホニ
ル基、ベンゼンスルホニル基等が挙げられる。アリール
オキシカルボニル基としてはフェノキシカルボニル基等
が挙げられる。アルコキシカルボニル基としてはエトキ
シカルボニル基等が挙げられる。カルバモイル基として
はジエチルアミノカルバモイル基等が挙げられる。
【0080】Y1で表される含窒素ヘテロ環としてはイ
ミダゾール、トリアゾール、テトラゾール等の各環及び
そのベンゾ縮合環を挙げることができる。
【0081】R19及びR20で表されるアルキル基として
はメチル基、ペンチル基、t−ブチル基等が挙げられ
る。アリール基としてフェニル基、ナフチル基等が挙げ
られる。R25、R27及びR28で表される置換基として
は、フェニル基、メチル基、ベンゾイル基、フェノキシ
基、エトキシ基等が挙げられる。
【0082】Rで表される脂肪族基としては、ヘキシル
基、ドデシル基等が挙げられる。芳香族基としては、p
−トルイル基、ドデシルフェニル基等が好ましく挙げら
れる。pは0又は1であることが好ましい。
【0083】以下、一般式(3)又は(3′)で表され
る化合物を具体的に説明する。
【0084】
【化20】
【0085】
【化21】
【0086】
【化22】
【0087】
【化23】
【0088】
【化24】
【0089】
【化25】
【0090】
【化26】
【0091】
【化27】
【0092】
【化28】
【0093】
【化29】
【0094】
【化30】
【0095】下記に一般式(3)又は(3′)で表され
る化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定され
ない。
【0096】
【化31】
【0097】これらの化合物は常法により容易に合成す
ることができる。
【0098】本発明の一般式(3)又は(3′)で表さ
れる化合物の添加量としては医用感光材料においては銀
1モル当たり1×10-6〜5×10-1モル含有すること
が本発明の効果の発現には好ましく、これ以下では銀色
調の改良効果が小さく、これ以上では画像全体が暗く感
じられ好ましくない。特に銀1モル当たり5×10-5
5×10-2モル含有するのが好ましく、更に好ましくは
5×10-4〜1×10-2モルである。
【0099】本発明において、一般式(3)又は
(3′)で表される化合物の添加方法はそれぞれの化合
物の性質によって任意の方法が用いられる。例えば固体
微粒子分散体として添加する方法、高沸点溶媒に溶解し
上記分散を行った後添加する方法、水混和性有機溶媒
(例えばメタノール、エタノール、アセトン等)に溶解
し添加する方法等が挙げられる。好ましい方法として
は、固体微粒子分散体として添加する方法又は水混和性
有機溶媒(例えばメタノール、エタノール、アセトン
等)に溶解し添加する方法である。固体微粒子分散体と
して添加する場合、分散方法は酸析出法、ボールミル、
ジェットミル或いはインペラー分散法等の公知の方法が
適用でき、これら固体分散されている染料微粒子の平均
粒径は任意の値を取り得るが、好ましくは0.01〜2
0μmであり、より好ましくは0.03〜2μmであ
る。
【0100】本発明の一般式(3)又は(3′)で表さ
れる化合物のRSO3Hの数(P)は、0〜3の整数で
あることが好ましい。
【0101】本発明の一般式(3)又は(3′)で表さ
れる化合物は写真構成層中の任意の層に含有することが
できる。
【0102】本発明の処理方法では、前記一般式(4)
で表される化合物を含有する定着液を用いることが好ま
しい。以下に、一般式(4)で表される化合物について
説明する。
【0103】前記一般式(4)においてR1、R2及びR
3で表されるアルキレン基としては炭素数1〜10が好
ましく、1〜6が特に好ましい。例えば−CH2CH
2−、−(CH23−、−(CH24−、−(CH22
O−(CH22−、−CH2−CH(OH)−CH2−等
が挙げられる。
【0104】A及びBで表される水素原子、アルキル
基、アミノ基、アンモニア基、ヒドロキシ基、カルボキ
シ基、スルホ基、アミノカルボニル基又はアミノスルホ
ニル基において、水素原子の他に炭素数1から10のア
ルキル基(ここでアルキル基は置換基を有するものも含
む。例えばメチル基、エチル基等)、アミノ基(ここで
アミノ基は置換基を有するものを含む。例えばジメチル
アミノ基、ジエチルアミノ基、−N(CH2CH2CN)
2、−N(CH2CH(OH)CH2OH)2、−NH2
モルフォリノ基等)、アンモニア基(ここでアンモニア
基は置換基を有するものを含む。例えばトリメチルアン
モニア基等)、アミノカルボニル基(ここでアミノカル
ボニル基は置換基を有するものを含む。例えばジメチル
アミノカルボニル基等)、又はアミノスルホニル基(こ
こでアミノスルホニル基は置換基を有するものを含む。
例えばジメチルアミノスルホニル基等)が好ましい。特
に水素原子、ヒドロキシ基、スルホニル基が好ましい。
nは1〜10の整数を表し、1〜4が好ましい。
【0105】また一般式(4)で表される化合物の塩と
しては、無機又は有機酸の塩の形をとってもよい。無機
及び有機酸の塩の好ましい例としては塩酸、硫酸、硝
酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、過塩素酸、pートルエ
ンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸が挙げら
れる。
【0106】一般式(4)で表される化合物の使用量
は、定着液1リットル当たり通常0.005〜0.5モ
ルでよく、好ましくは0.01〜0.1モルである。
【0107】以下に、一般式(4)の化合物又はその塩
の具体例を示すが本発明はこれらの化合物にのみ限定さ
れるものではない。
【0108】
【化32】
【0109】
【化33】
【0110】
【化34】
【0111】本発明に係るハロゲン化銀写真感光材料の
ハロゲン化銀粒子の平均粒径は0.15〜5.0μmで
あることが好ましく、0.2〜3.0μmであることが
より好ましく、最も好ましくは0.2〜2.0μmであ
る。
【0112】ハロゲン化銀粒子の晶癖は立方体、8面
体、双晶面を持つものなど、どのような晶癖のものでも
よいが、好ましくは平板状ハロゲン化銀粒子である。
【0113】平板状ハロゲン化銀粒子とは、二つの対向
する平行な主平面を有する粒子をいい、本発明に用いら
れ得るものは(111)面を主平面としたものでも(1
00)面を主平面としたものでもどちらでもよい。
【0114】本発明に好ましく用いられる平板状ハロゲ
ン化銀粒子は、粒子厚さに対する粒径の比(以下アスペ
クト比と称す)は2以上であるが、好ましくは2.0〜
15.0である。特に3〜10が好ましい。ここで粒径
とは平均投影面積径(以下、粒径と記す)のことで、該
平板状ハロゲン化銀粒子の投影面積の円相当直径(該ハ
ロゲン化銀粒子と同じ投影面積を有する円の直径)で示
され、厚さとは平板状ハロゲン化銀粒子を形成する2つ
の平行な主平面間の距離を示す。
【0115】平板状ハロゲン化銀粒子を用いる場合、平
均粒子厚さは0.01〜1.0μmであることが好まし
く、より好ましくは0.02〜0.60μm、更に好ま
しくは0.05〜0.50μmである。平均粒径は0.
15〜5.0μmであることが好ましく、0.4〜3.
0μmであることが更に好ましく、最も好ましくは0.
4〜2.0μmである。平板状ハロゲン化銀粒子は粒径
分布の狭い単分散乳剤が好ましく、具体的には (粒径の標準偏差/平均粒径)×100=粒径分布の広
さ(%) によって分布の広さを定義したとき25%以下のものが
好ましく、更に好ましくは20%以下のものであり、特
に好ましくは15%以下である。
【0116】平板状ハロゲン化銀粒子を用いる場合、米
国特許5,320,938号記載の方法で作成すること
もできる。(100)面を形成しやすい条件としては、
沃度イオンの存在下、低pClで核形成させることが好
ましい。核形成後は、オストワルド熟成及び/又は成長
を行い、所望の粒径、分布を有する平板状ハロゲン化銀
粒子を得ることができる。
【0117】平板状ハロゲン化銀粒子は、粒子を形成す
る過程及び/又は成長させる過程で、カドミウム塩、亜
鉛塩、鉛塩、タリウム塩、イリジウム塩(錯塩を含
む)、ロジウム塩(錯塩を含む)、及び鉄塩(錯塩を含
む)から選ばれる少なくとも1種を用いて金属イオンを
添加し、粒子内部及び/又は粒子表面にこれらの金属元
素を含有させることもできる。
【0118】平板状ハロゲン化銀粒子は、メチン色素類
その他によって分光増感されていることが好ましい。本
発明の感光材料に用いられる増感色素はシアニン、メロ
シアニン、複合シアニン、複合メロシアニン、ホロポー
ラー、ヘミシアニン、スチリル色素及びヘミオキソノー
ル色素などを使用することができる。特に有用な色素は
シアニン、メロシアニン及び複合メロシアニンに属する
色素である。
【0119】これらの色素類は通常利用されている核の
何れをも適用できる。即ち、ピロリン核、オキサゾリン
核、チアゾリン核、ピロール核、オキサゾール核、チア
ゾール核、セレナゾール核、イミダゾール核、テトラゾ
ール核、ピリジン核などで、これらの核に脂肪式炭化水
素環が融合した核、即ちインドレニン核、ベンズインド
レニン核、インドール核、ベンズオキサゾール核、ナフ
トオキサゾール核、ベンゾチアゾール核、ナフトチアゾ
ール核、ベンゾセレナゾール核、ベンズイミダゾール
核、キノリン核などが適用できる。これらの核は炭素原
子上に置換基を有していてもよい。
【0120】メロシアニン又は複合メロシアニンにはケ
トメチン構造を有する核として、ピラゾリン−5−オン
核、チオヒダントイン核、2−チオオキサゾリジン−
2,4−ジオン核、チアゾリン−2,4−ジオン核、ロ
ーダニン核、チオバルビツル酸核などの5〜6員異節環
核を適用することができる。
【0121】これらの増感色素は単独又は組み合わせて
用いてもよく組み合わせは特に強色増感の目的でしばし
ば用いられる。また、増感色素とともにそれ自身、分光
増感性を持たない色素或いは可視光を実質的に吸収しな
い物質であって、強色増感作用を示す物質を乳剤層中に
含有してもよい。例えば含窒素異節環核基であって置換
されたアミノスチルベン化合物、芳香族有機酸ホルムア
ルデヒド縮合物、カドミウム塩、アザインデン化合物な
どを含有してもよい。
【0122】なお、分光増感色素を有機溶媒の溶液とし
て添加するよりも、固体微粒子状の分散物として添加す
ることが好ましい。特に実質的に有機溶媒又は界面活性
剤が存在しない水系中に分散させ、実質的に水に難溶性
の固体微粒子分散物の状態で添加することが好ましい。
分散後の粒径は1μm以下が好ましい。
【0123】本発明のハロゲン化銀写真感光材料に用い
られる乳剤は、物理熟成又は化学熟成前後の工程で各種
の写真用添加剤を用いることができる。
【0124】このような工程で使用される化合物として
は例えば、リサーチ・ディスクロージャー(RD)N
o.17643(1978年12月)、同No.187
16(1979年11月)及びNo.308119(1
989年12月)に記載されている各種の化合物を用い
ることができる。これら3つの(RD)に記載されてい
る化合物の種類と記載箇所を下記に掲載する。
【0125】
【表1】
【0126】本発明のハロゲン化銀写真感光材料に用い
られる支持体としては、上記のRDに記載されているも
のが挙げられ、適当な支持体としてはポリエチレンテレ
フタレートフィルムなどで、支持体表面は塗布層の接着
性をよくするために下引き層を設けたりコロナ放電や紫
外線照射などが施されてもよい。
【0127】本発明の処理方法は、自動現像機で処理さ
れ、現像から乾燥までの工程を15秒〜120秒で完了
されることが好ましい。即ち、感光材料の先端が現像液
に浸漬され始める時点から、処理工程を経て同先端が乾
燥ゾーンを出てくるまでの時間(いわゆるDry to
Dryの時間)が15秒〜120秒であることが好ま
しく、より好ましくは15秒〜90秒である。
【0128】現像時間は通常3〜40秒で、より好まし
くは6〜20秒である。現像温度は通常25〜50℃
で、より好ましくは30〜40℃である。定着温度は通
常20〜40℃で、29〜37℃が好ましく、定着時間
は通常3〜30秒で、好ましくは4〜20秒である。
【0129】乾燥工程は通常35〜100℃、好ましく
は40〜80℃の熱風を吹き付けたり、遠赤外線による
加熱手段が設けられた乾燥ゾーンが自動現像機に設置さ
れていてもよい。
【0130】自動現像機には現像、定着、水洗の各工程
の間に、感光材料に水又は定着能を持たない酸性溶液の
リンス液を付与する機構を備えた自動現像機(特開平3
−264953号)を用いてもよい。更に現像液や定着
液を調液できる装置を内蔵していてもよい。
【0131】本発明の処理方法では、現像液と定着液の
補充量はそれぞれ感光材料1m2当たり350ml以下
で処理されることが好ましく、更に好ましくは40〜1
60ml/m2で、特に40〜100ml/m2で処理さ
れるのが好ましい。
【0132】本発明の処理方法では、現像開始液、現像
補充液及び定着開始液、定着補充液が固体処理剤として
供給されることが好ましい。写真処理剤を固体化するに
は、濃厚液又は微粉ないし粒状写真処理剤と水溶性結着
剤を混練し成型するか、仮成型した写真処理剤の表面に
水溶性結着剤を噴霧したりすることで被覆層を形成する
等、任意の手段が採用できる(特開平4−29136
号、同4−85535号、同4−85536号、同4−
85533号、同4−85534号、同4−17234
1号参照)。
【0133】好ましい錠剤の製造法としては粉末状の固
体処理剤を造粒した後打錠工程を行い形成する方法であ
る。単に固体処理剤成分を混合し打錠工程により形成さ
れた固体処理剤より溶解性や保存性が改良され結果とし
て写真性能も安定になるという利点がある。
【0134】本発明のハロゲン化銀写真感光材料の処理
方法に於いて、用いられる現像主薬としては一般的に用
いられるものならどれでもよいが、好ましくはレダクト
ン類を主薬として含む現像液が挙げられる。保恒剤とし
て亜硫酸塩の他、有機還元剤を保恒剤として用いること
ができる。その他にキレート剤や硬膜剤の重亜硫酸塩付
加物を用いることができる。また銀スラッジ防止剤を添
加することも好ましい。シクロデキストリン化合物の添
加も好ましく、特開平1−124853号記載の化合物
が特に好ましい。現像液にはアミン化合物を添加するこ
ともでき、例えば米国特許4,269,929号記載の
化合物が特に好ましい。
【0135】本発明の処理方法に於ける現像剤には、緩
衝剤を用いてもよく、緩衝剤としては炭酸ナトリウム、
炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、リ
ン酸三ナトリウム、リン酸三カリウム、リン酸二カリウ
ム、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、四ホウ酸ナト
リウム(ホウ酸)、四ホウ酸カリウム、o−ヒドロキシ
安息香酸ナトリウム(サリチル酸ナトリウム)、o−ヒ
ドロキシ安息香酸カリウム、5−スルホ−2−ヒドロキ
シ安息香酸ナトリウム(5−スルホサリチル酸ナトリウ
ム)、5−スルホ−2−ヒドロキシ安息香酸カリウム
(5−スルホサリチル酸カリウム)等を挙げることがで
きる。
【0136】また現像促進剤として例えばチオエーテル
系化合物、p−フェニレンジアミン系化合物、4級アン
モニウム塩類、p−アミノフェノール類、アミン系化合
物、ポリアルキレンオキサイド、その他1−フェニル−
3−ピラゾリドン類、ヒドラジン類、メソイオン型化合
物、イオン型化合物、イミダゾール類、等を必要に応じ
て添加することができる。
【0137】カブリ防止剤としては沃化カリウムの如き
アルカリ金属ハロゲン化物及び有機カブリ防止剤が使用
できる。有機カブリ防止剤としては、例えば、ベンゾト
リアゾール、6−ニトロベンズイミダゾール、5−ニト
ロイソインダゾール、5−メチルベンゾトリアゾール、
5−ニトロベンゾトリアゾール、5−クロロ−ベンゾト
リアゾール、2−チアゾリル−ベンズイミダゾール、2
−チアゾリルメチル−ベンズイミダゾール、インダゾー
ル、ヒドロキシアザインドリジン、アデニンの如き含窒
素ヘテロ環化合物を代表例1−フェニル−5−メルカプ
トテトラゾールを例として挙げることができる。
【0138】更に、本発明に用いられる現像剤組成物に
は、必要に応じてメチルセロソルブ、メタノール、アセ
トン、ジメチルホルムアミド、シクロデキストリン化合
物等を現像主薬の溶解度を上げるための有機溶剤として
使用することができる。更にステイン防止剤、スラッジ
防止剤、重層効果促進剤等各種添加剤を用いることがで
きる。
【0139】本発明に使用される定着剤は定着剤として
公知の化合物を添加できる。定着主薬やキレート剤、p
H緩衝剤、硬膜剤、保恒剤などが添加でき、これらは例
えば特開平4−242246号(4頁)や特開平5−1
13632号(2〜4頁)記載のものが使用できる。そ
の他に硬膜剤として特願平4−586323号(20
頁)記載のキレート剤や同(21頁)記載の硬膜剤の重
亜硫酸塩付加物や公知の定着促進剤も用いることができ
る。
【0140】処理に先立ち、スターターを添加すること
も好ましく、スターターを固形化して添加することも好
ましい。スターターとしてはポリカルボン酸化合物の如
き有機酸の他にKBrの如きアルカリ土類金属のハロゲ
ン化物や有機抑制剤、現像促進剤が用いられる。
【0141】
【実施例】以下、本発明を実施例にて詳細に説明する
が、本発明はこれによって限定されるものではない。
【0142】 実施例1 (種乳剤EM−Tの調製) 〈溶液A〉 オセインゼラチン 37.5g KI 0.625g NaCl 16.5g 蒸留水で 7500mlとする 〈溶液B〉 硝酸銀 1500g 蒸留水で 2500mlとする 〈溶液C〉 KI 4g NaCl 140g 蒸留水で 684mlとする 〈溶液D〉 NaCl 375g 蒸留水で 1816mlとする 40℃において、特公昭58−58288号記載の混合
攪拌機中の溶液Aに、溶液Bの684mlと溶液Cの全
量を1分間かけて添加した。EAgを149mVに調整
し、20分間オストワルド熟成した後に溶液Aの残り全
量と溶液Dの全量を40分かけて添加した。その間、E
Agは149mVに制御した。
【0143】添加終了後、直ちに脱塩、水洗を行い平板
状種乳剤EM−Tとした。得られた種乳剤はハロゲン化
銀粒子の全投影面積の60%以上が(100)面を主平
面とする平板状粒子よりなり、平均厚さ0.07μm、
平均直径は0.5μm、変動係数は25%であることが
電子顕微鏡観察により判明した。
【0144】(高塩化銀乳剤EM−1の調製)以下の4
種類の溶液を用いて平板状高塩化銀乳剤EM−1を調製
した。
【0145】 〈溶液A〉 オセインゼラチン 29.4g HO(CH2CH2O)n(CH[CH3]CH2O)17(CH2CH2O)mH (n+m=5〜7)10%メタノール水溶液 1.25ml 種乳剤EM−T 0.98モル相当 蒸留水で 3000mlとする 〈溶液B〉 3.50N AgNO3水溶液 2240ml 〈溶液C〉 NaCl 455g 蒸留水で 2240mlにする 〈溶液D〉 1.75N NaCl水溶液 下記銀電位制御量 40℃において、特公昭58−58288号記載の混合
攪拌機を用いて、溶液Aに溶液B及び溶液Cの全量を同
時混合法(ダブルジェット法)により添加終了時の流速
が添加開始時の流速の3倍になるように110分の時間
を要し添加成長を行った。
【0146】この間の銀電位は溶液Dを用いて+120
mVになるように制御した。添加終了後、過剰な塩類を
除去するため以下に示す方法で沈澱脱塩を行った。
【0147】混合終了した反応液を40℃にして、フ
ェニルカルバモイル基で変性された(置換率90%)変
性ゼラチンを20g/AgX1モル加え、56wt%酢
酸を加えてpHを4.30まで落とし、静置しデカンテ
ーションを行う。
【0148】40℃の純水1.8リットル/AgX1
モルを加え、10分間攪拌させた後、静置、デカンテー
ションを行う。
【0149】上記2の工程をもう1回繰り返す。
【0150】次いで、後ゼラチン15g/AgX1モ
ルと炭酸ナトリウム、水を加え、pH6.0にして分散
させ、450ml/AgX1モルに仕上げる。
【0151】得られた乳剤EM−1のハロゲン化銀粒子
約3000個を電子顕微鏡により観察・測定し形状を分
析したところ、全投影面積の80%以上が(100)面
を主平面とする、平均直径1.17μm、平均厚さ0.
12μmの平板状粒子であり、変動係数は24%であっ
た。
【0152】(乳剤の化学増感)引き続き、この高塩化
銀乳剤EM−1を55℃にした。次いで下記に示すよう
に沃化銀微粒子の所定量、及び分光増感色素(1)、
(2)を固体微粒子状の分散物として添加した。その後
更に、硫黄増感剤、セレン増感剤及び金増感剤を加えて
総計90分間の熟成を施し、熟成終了時に安定剤として
4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テト
ラザインデン(TAI)を加えた。
【0153】 沃化銀微粒子乳剤(*) 5mmol相当 分光増感色素(1) 300mg 分光増感色素(2) 30mg 硫黄増感剤 2.0mg 金増感剤 1.0mg セレン増感剤(トリフェニルフォスフィンセレナイド) 1.0mg 安定剤(TAI) 50mg (*)0.06モルの沃化カリウムを含む5.0重量%
のゼラチン水溶液6.64リットルに7.06モルの硝
酸銀と7.06モルの沃化カリウムを含む水溶液のそれ
ぞれ2リットルを、10分間かけて添加した。微粒子形
成中のpHは硝酸を用いて2.0に、温度は40℃に制
御した。粒子形成後に、炭酸ナトリウム水溶液を用いて
pHを6.0に調整した。
【0154】
【化35】
【0155】分光増感色素は固体微粒子状分散物として
特開平5−297496号に記載の方法に準じて調製し
た。即ち分光増感色素の所定量を予め27℃に調温した
水に加え高速攪拌機(ディゾルバー)で3,500rp
mにて30〜120分間にわたって攪拌することによっ
て得た。
【0156】上記のセレン増感剤の分散液は次のように
調製した。即ち、トリフェニルフォスフィンセレナイド
120gを50℃の酢酸エチル30kg中に添加、攪拌
し完全に溶解した。他方で写真用ゼラチン3.8kgを
純水38kgに溶解し、これにドデシルベンゼンスルフ
ォン酸ナトリウム25wt%水溶液93gを添加した。
次いでこれらの2液を混合して直径10cmのディゾル
バーを有する高速攪拌型分散機により50℃下において
分散翼周速40m/秒で30分間分散を行った。その後
速やかに減圧下で、酢酸エチルの残留濃度が0.3wt
%以下になるまで攪拌を行いつつ、酢酸エチルを除去し
た。その後、この分散液を純水で希釈して80kgに仕
上げた。このようにして得られた分散液の一部を分取し
て上記実験に使用した。
【0157】(塗布液の調製と塗布)次に濃度0.15
に青色着色したX線用のポリエチレンテレフタレートフ
ィルムベース(厚みが175μm)の両面に、下記第1
層のクロスオーバーカット層が予め塗設された支持体を
用い、その両面に下から下記の乳剤層と保護層を下記の
所定の塗布量になるように同時重層塗布、乾燥し塗布試
料を得た。各々塗布液に用いた添加剤は次のとおりであ
る。添加量は感光材料片面1m2当たりの量で示す。
【0158】 第1層(クロスオーバーカット層) 固体微粒子分散体染料(AH) 180mg/m2 ゼラチン 0.2g/m2 ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 5mg/m2 化合物(I) 5mg/m2 2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−1,3,5−トリアジンナトリウム塩 5mg/m2 コロイダルシリカ(平均粒径0.014μm) 10mg/m 第2層(ハロゲン化銀乳剤層)上記で得た乳剤に下記の
各種添加剤を加えた。
【0159】 化合物(G) 0.5mg/m2 2,6−ビス(ヒドロキシアミノ)−4−ジエチルアミノ−1,3,5 −トリアジン 5mg/m2 t−ブチル−カテコール 130mg/m2 ポリビニルピロリドン(分子量10,000) 35mg/m2 スチレン−無水マレイン酸共重合体 80mg/m2 ポリスチレンスルホン酸ナトリウム 80mg/m2 トリメチロールプロパン 350mg/m2 ジエチレングリコール 50mg/m2 ニトロフェニル−トリフェニル−ホスホニウムクロリド 20mg/m2 1,3−ジヒドロキシベンゼン−4−スルホン酸アンモニウム 500mg/m2 2−メルカプトベンツイミダゾール−5−スルホン酸ナトリウム 5mg/m2 化合物(H) 0.5mg/m2 n−C49OCH2CH(OH)CH2N(CH2COOH)2 350mg/m2 化合物(M) 5mg/m2 化合物(N) 5mg/m2 化合物(P) 0.2g/m2 化合物(Q) 0.2g/m2 平板状シリカ又は比較用ラテックス 表2記載量 但し、ゼラチンとしては0.8g/m2になるように調
整した。
【0160】 第3層(保護層) ゼラチン 0.6g/m ポリメチルメタクリレートからなるマット剤(面積平均粒径7.0μm) 50mg/m2 ホルムアルデヒド 20mg/m2 2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−1,3,5−トリアジンナトリウム塩 10mg/m2 ビス−ビニルスルホニルメチルエーテル 36mg/m2 ポリアクリルアミド(平均分子量10000) 0.1g/m2 ポリアクリル酸ナトリウム 30mg/m2 ポリシロキサン(SI) 20mg/m2 化合物(I) 12mg/m2 化合物(J) 2mg/m2 化合物(S−1) 7mg/m2 化合物(K) 15mg/m2 化合物(O) 50mg/m2 化合物(S−2) 5mg/m2919O(CH2CH2O)11H 3mg/m2817SO2N−(C37)(CH2CH2O)15H 2mg/m2817SO2N−(C37)(CH2CH2O)4(CH24SO3Na 1mg/m2 硬膜剤(B) 60mg/m
【0161】
【化36】
【0162】
【化37】
【0163】
【化38】
【0164】
【化39】
【0165】なお、上記素材の付き量は片面分であり、
乳剤層の塗布銀量は片面分で1.3g/mになるよう
調整して塗布した。上記載によって得られた試料をフィ
ルムAとした。
【0166】実施例2 実施例1の化学増感においてセレン化合物を用いずに化
学増感を行った。得られた乳剤に本発明の一般式(2)
で表される化合物の例示2−1を1.0×10-5モル/
2添加した後、実施例1と同様の方法により試料を作
成し、フィルムBとした。
【0167】実施例3 実施例1の化学増感においてセレン化合物を用いずに化
学増感を行った。得られた乳剤に本発明の一般式(3)
で表されるロイコ化合物の例示No.8をを1.0×1
-4モル/m2添加した後、実施例1と同様の方法によ
り試料を作成し、フィルムCとした。
【0168】〈比較用試料の作成〉実施例1の化学増感
においてセレン化合物を用いずに化学増感を行った。そ
の後、実施例1と同様の方法により試料を作成し、フィ
ルムDとした。
【0169】(現像処理剤の調製)以下の操作(A〜
D)に従って固体処理剤として現像補充用錠剤、定着用
補充用錠剤を調製した。
【0170】操作(A) 現像主薬としてエリソルビン酸ナトリウム13000g
を市販のバンタムミル中で平均粒径10μmになるまで
粉砕する。この微粉に、亜硫酸ナトリウム4877g、
フェニドン975g、DTPA(ジエチレントリアミン
ペンタアセチックアシド)1635gを加え、ミル中
で30分間混合して市販の撹拌造粒機中で室温にて約1
0分間、30mlの水を添加することにより造粒した
後、造粒物を流動層乾燥機で40℃にて2時間乾燥して
造粒物の水分をほぼ完全に除去する。このようにして、
調製した造粒物にD−マンニトール2167gを25
℃、40%RH以下に調湿された部屋で混合機を用いて
10分間均一に混合した後、得られた混合物を菊水製作
所(株)製タフプレストコレクト1527HUを改造し
た打錠機により1錠当たりの充填量を8.715gにし
て圧縮打錠を行い、2500個の現像補充用錠剤A剤を
作成した。
【0171】操作(B) 炭酸カリウム19500g、1−フェニル−5−メルカ
プトテトラゾール8.15g、炭酸水素ナトリウム3.
25g、グルタルアルデヒド亜硫酸付加物650g、ポ
リエチレングリコール#6000を1354gを操作
(A)と同様、粉砕、造粒する。水の添加量は30.0
mlとし、造粒後、50℃で30分間乾燥して造粒物の
水分をほぼ完全に除去する。このようにして得られた混
合物を上記と同様の打錠機により1錠当たりの充填量を
9.90gにして圧縮打錠を行い、2500個の現像補
充用錠剤B剤を作成した。
【0172】操作(C) チオ硫酸アンモニウム18560g、亜硫酸ナトリウム
1392g、水酸化ナトリウム580g、エチレンジア
ミン4酢酸2ナトリウム2.32gを操作(A)と同様
に粉砕、造粒する。水の添加量は500mlとし、造粒
後、造粒物を60℃で30分間乾燥して造粒物の水分を
ほぼ完全に除去する。このようにして、得られた混合物
を上記の打錠機により1錠当たりの充填量を8.214
gにして圧縮打錠を行い、2500個の定着補充用錠剤
C剤を作成した。
【0173】操作(D) ほう酸1860g、硫酸アルミニウム・18水塩650
0g、氷酢酸1860g、硫酸(50重量%)925
g、本発明の一般式(1)で表される化合物の例示1−
1を2790g、本発明の一般式(4)で表される化合
物の例示4−1を13020gを操作(A)と同様、粉
砕、造粒する。水の添加量は100mlとし、造粒後、
50℃で30分間乾燥して造粒物の水分をほぼ完全に除
去する。このようにして得られた混合物を上記の打錠機
により1錠当たりの充填量を4.459gにして圧縮打
錠を行い、2500個の定着補充用錠剤D剤を作成し
た。
【0174】調製した現像補充用錠剤を希釈水で希釈し
て調製した下記組成のpH10.70の現像液16.5
lにスターター330mlを添加して、pH10.45
として現像開始液とした。
【0175】 〈現像液組成〉 炭酸カリウム 120.0g/l エリソルビン酸ナトリウム 40.0g/l DTPA 5.0g/l 1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール 0.05g/l 炭酸水素ナトリウム 20.0g/l フェニドン 3.0g/l 亜硫酸ナトリウム 15.0g/l D−マンニトール 15.0g/l グルタルアルデヒド亜硫酸付加物 4.0g/l 〈現像液スターター〉氷酢酸210g、KBr530g
に水を加えて1lとしたもの。
【0176】定着補充用錠剤を希釈水で希釈して調製し
下記組成の定着開始液とした。
【0177】 〈定着開始液組成〉 チオ硫酸アンモニウム 160.0g/l 亜硫酸ナトリウム 12.0g/l ほう酸 1.0g/l 本発明の一般式(1)の例示化合物1−9 1.5g/l 本発明の一般式(4)の例示化合物4−8 7.0g/l 水酸化ナトリウム 5.0g/l 氷酢酸 10.0g/l 硫酸アルミニウム・18水塩 35.0g/l 硫酸(50重量%) 5.0g/l エチレンジアミン4酢酸2ナトリウム・2水塩 0.02g/l 上記により得られた定着組成液を定着液(イ)とする。
【0178】比較用定着液 本発明の一般式(1)の例示化合物1−9及び本発明の
一般式(4)の例示化合物4−8を添加しない以外は、
上記定着処理剤と同様の方法で作成した定着液を比較用
定着液(ロ)とした。
【0179】評価 (感度の評価)得られたフィルム試料を、それぞれ2枚
の蛍光増感紙KO−250(コニカ〔株〕製)で挟み、
ペネトロメータB型(コニカメディカル〔株〕製)を介
してX線照射後、SRX−502(コニカ〔株〕製)自
動現像機に固体処理剤投入部材を搭載したものを用いて
以下の処理時間になるように改造して下記処理剤にて現
像温度が36℃で処理を行った。また四つ切りサイズの
フィルム試料が処理されるごとに現像及び定着処理槽に
14mlの現像液及び定着液が補充されるようにした。
【0180】感度は試料No.1が最低濃度+1.0の
濃度を得るのに必要なX線露光量の逆数を100とした
場合の相対感度値で示した。
【0181】処理条件 現 像 36℃ 6.6秒 定 着 36℃ 4.0秒 水 洗 常 温 3.6秒 スクイズ 1.3秒 乾 燥 50℃ 4.5秒 計 20.0秒 (銀色調の評価)銀色調の評価は、各試料を濃度が1.
2±0.5になるようにX線露光し、上記と同様の処理
を行って得られた試料について下記の基準で目視評価し
た。
【0182】 A:純黒調 B:僅かに黄色味が感じられる C:黄色味が感じられる (経時保存後の銀色調の評価)経時保存後の銀色調の劣
化の程度を求めるための代用試験として、評価フィルム
を温度60℃、湿度80%のサーモ機中で24時間保存
し、上記と同様の評価基準で目視評価した。この代用試
験により温度25℃、湿度60%で5年間保存された状
態が再現される。
【0183】(経時保存後の濃度低下の評価)経時保存
後の銀色調の評価を行ったサーモ機保存のフィルムと未
保存のフィルムの反射濃度を写真濃度計PDA−65
(コニカ〔株〕製)で測定し、これらのフィルムの反射
濃度の差を求めた。反射濃度の差が小さいほど好まし
い。
【0184】作成したフィルム試料(A)から(D)
を、処理液(イ)及び(ロ)で処理し、上記の評価を行
った。その結果を下記表2にまとめた。
【0185】
【表2】
【0186】表2から明らかなように本発明による試料
は、銀色調は純黒調で感度低下が見られず、かつ長期保
存(代用試験による5年保存レベル)での銀色調の劣化
や濃度低下が殆ど見られない高感度のハロゲン化銀写真
感光材料を得られた。
【0187】
【発明の効果】本発明によれば、低補充で迅速処理して
も感度低下がなく、かつ画像の色調が優れ、画像保存性
(銀色調、濃度)の劣化がない処理方法を得られた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G03C 5/38 G03C 5/38 5/395 5/395

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に少なくとも1層のハロゲン化
    銀乳剤層と親水性コロイド層を有する白黒ハロゲン化銀
    写真感光材料を、像様露光後、現像、定着処理工程を少
    なくとも含む処理方法において、該ハロゲン化銀乳剤層
    がセレン及び/又はテルル化合物で化学増感され、かつ
    該定着処理液中に下記一般式(1)で表される化合物の
    少なくとも1種を含有することを特徴とするハロゲン化
    銀写真感光材料の処理方法。 【化1】 式中、Zは5〜6員の含窒素複素環を形成するに必要な
    原子群を表し、Rは水素原子又はアルカリ金属原子を表
    す。
  2. 【請求項2】 支持体上に少なくとも1層のハロゲン化
    銀乳剤層と親水性コロイド層を有する白黒ハロゲン化銀
    写真感光材料を、像様露光後、現像、定着処理工程を少
    なくとも含む処理方法において、該ハロゲン化銀乳剤層
    側の親水性コロイド層中に、下記一般式(2)で表され
    る化合物の少なくとも1種を含有し、かつ該定着処理液
    中に上記一般式(1)で表される化合物の少なくとも1
    種を含有することを特徴とするハロゲン化銀写真感光材
    料の処理方法。 【化2】 式中、P、Q、Yは、それぞれ窒素原子又は=CH−基
    を表し、P、Q、Yのうちの少なくとも一つは窒素原子
    である。Aはヒドロキシ基、アシルアミノ基、カルボキ
    シル基又はその塩、スルホ基又はその塩、スルホアミノ
    基又はその塩を表す。nは1〜2の整数を表す。
  3. 【請求項3】 支持体上に少なくとも1層のハロゲン化
    銀乳剤層と親水性コロイド層を有する白黒ハロゲン化銀
    写真感光材料を、像様露光後、現像、定着処理工程を少
    なくとも含む処理方法において、該ハロゲン化銀乳剤層
    側の親水性コロイド層中に、下記一般式(3)で表され
    るロイコ化合物の少なくとも1種を含有し、かつ該定着
    処理液中に上記一般式(1)で表される化合物の少なく
    とも1種を含有することを特徴とするハロゲン化銀写真
    感光材料の処理方法。 【化3】 〔式中、Wは−NR12、−OH又は−OZを表し、R
    1及びR2はそれぞれアルキル基又はアリール基を表し、
    Zはアルカリ金属イオン又は第四級アンモニウムイオン
    を表す。R3は水素原子、ハロゲン原子又は1価の置換
    基を表し、nは1〜3の整数を表す。Z1及びZ2はそれ
    ぞれ窒素原子又は=C(R4)−を表す。XはZ1、Z2
    及びそれに隣接する炭素原子とともに5〜6員の芳香族
    ヘテロ環を構築するのに必要な原子群を表す。R4は水
    素原子、アシル基、スルホニル基、カルバモイル基、ス
    ルホ基、スルファモイル基、アルコキシカルボニル基又
    はアリールオキシカルボニル基を表す。Rは脂肪族基又
    は芳香族基を表す。pは0〜2の整数を表す。CPは以
    下の基を表す。〕 【化4】 【化5】 式中、R5〜R8はそれぞれ水素原子、ハロゲン原子及び
    ベンゼン環に置換可能な置換基を表す。またR5とR6
    びR7とR8は互いに結合して5〜7員の環を形成しても
    良い。R9は一般式(3)のR4と同義である。R10及び
    11はそれぞれアルキル基、アリール基又はヘテロ環基
    を表す。R12はR4と同義である。R13及びR14はR10
    及びR11と同義である。R15はR12と同義である。R16
    はアルキル基、アリール基、スルホニル基、トリフルオ
    ロメチル基、カルボキシ基、アリールオキシカルボニル
    基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基又はシア
    ノ基を表す。R17はR4と同義である。R18は一般式
    (3)のR3と同義であり、mは1〜3の整数を表す。
    Y1は2つの窒素原子とともに5及び6員の単環又は縮
    合環の含窒素ヘテロ環を構築するのに必要な原子群を表
    す。R19及びR20はアルキル基又はアリール基を表す。
    21はR4と同義である。R22及びR23はR19及びR20
    と同義である。R24はR21と同義である。R25、R27
    びR28は水素原子又は置換基を表す。R26はR4と同義
    である。R29、R31及びR32はR25、R27及びR28と同
    義である。R30はR26と同義である。R34、R35及びR
    36はR25、R27及びR28と同義である。R33はR26と同
    義である。R38、R39及びR40はR25、R27及びR28
    同義である。R37はR26と同義である。R41、R42及び
    43はR25、R27及びR28と同義である。R44はR26
    同義である。★は一般式(3)におけるCPと他の部分
    構造との結合点を表す。
  4. 【請求項4】 前記定着処理液中に下記一般式(4)で
    表される化合物の少なくとも1種を含有することを特徴
    とする請求項1〜3の何れか1項に記載のハロゲン化銀
    写真感光材料の処理方法。 一般式(4) A−(R1−S)n−R2−S−R3−B 〔式中R1、R2及びR3はアルキレン基を表す。これらの
    アルキレン基はエーテル結合を有してもよい。R1
    2、R1とR3、R2とR3とで環を形成してもよい。A
    及びBは同一でも異なっていてもよく、水素原子、アル
    キル基、アミノ基、アンモニオ基、ヒドロキシ基、カル
    ボキシ基、スルホ基、アミノカルボニル基又はアミノス
    ルホニル基を表し、AとBとで環を形成してもよい。n
    は0から10の整数を表す。〕
  5. 【請求項5】 前記現像、定着処理工程における現像開
    始液及び現像補充液の供給、及び前記定着処理における
    定着開始液及び定着補充液の供給が、固体処理剤として
    供給されることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項
    に記載のハロゲン化銀写真感光材料の処理方法。
  6. 【請求項6】 前記現像、定着処理工程における現像補
    充量及び定着補充量がハロゲン化銀写真感光材料1m2
    当たり40〜350mlであることを特徴とする請求項
    1〜5の何れか1項に記載のハロゲン化銀写真感光材料
    の処理方法。
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