JP3778403B2 - 柔軟ノンハロゲン電線ケーブル - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、オレフィン系樹脂からなる絶縁体を被覆してなる絶縁導体を2本合わせた上に、又は該絶縁導体を複数本撚り合わせ介在物を介在させて成型し最外層としてノンハロゲン難燃シースを被覆してなるノンハロゲン電線ケーブルに係り、特に柔軟性を持たせ、取扱い性や施工性を向上することのできる柔軟ノンハロゲン電線ケーブルに関する。
【0002】
【従来の技術】
熱可塑性樹脂組成物は、電気的性質にすぐれ誘電率が小さく誘電損が少ないため、絶縁体やシースとして導体や絶縁電線の上に被覆して形成される絶縁電力ケーブル等に用いられている。そして、熱可塑性樹脂組成物として、耐電圧及び絶縁抵抗が比較的高く、生産コストが低く、単独で難燃性に優れているところから従来よりポリ塩化ビニル樹脂組成物(ハロゲン化物)が多く用いられている。ところが、このようなポリ塩化ビニル樹脂組成物を用いた従来の熱可塑性樹脂組成物にあっては、例えば、焼却廃却処分するために電線・ケーブルを燃焼すると、ポリ塩化ビニル樹脂組成物から腐食性を有する塩化水素ガスが発生する。
そこで、近年、ハロゲン化物を用いない絶縁体やシースとしてポリエチレン等のオレフィン系樹脂組成物を自動車のワイヤハーネス、屋内配線等の高温を発する箇所の電線・ケーブルの絶縁体・シースに用いる試みがなされている。このオレフィン系樹脂組成物は、単独では難燃性を有しておらず、所定の難燃性を持たせるために、水酸化マグネシウム等の金属水酸化物を混合している。
【0003】
すなわち、従来の絶縁電力ケーブルには、図3に示す如く、軟銅線で構成される導体1にポリ塩化ビニル樹脂又は架橋ポリエチレンによって構成される絶縁体2を被覆した絶縁導体3を2本合わせ、この上にノンハロ難燃ポリオレフィンによって構成されるシース4を被覆して構成される絶縁電力ケーブル5(例えば、VVFケーブル)がある。
また、従来の絶縁電力ケーブルには、図4に示す如く、軟銅線で構成される導体1にポリ塩化ビニル樹脂又は架橋ポリエチレンによって構成される絶縁体2を被覆した絶縁導体3を複数本(図4では、3本)撚り合わせ、介在6を介在させて丸形に成形し、押え巻きテープ7を巻き付け、この上にノンハロ難燃ポリオレフィンによって構成されるシース4を被覆して構成される絶縁電力ケーブル8
(例えば、VVRケーブル)がある。
そして、この絶縁電力ケーブル5及び絶縁電力ケーブル8の最外層になるシース4を構成するノンハロゲン難燃シースは、押出して被覆される。
【0004】
このような最外層シースにノンハロゲン難燃シースが用いられた電線・ケーブルを配線するに当たっては、配線工事をする者によって電線・ケーブルの分岐接続を行ったり、電線・ケーブルを端子等に接続するために、電線・ケーブルの端末処理が行われる。電気配線工事者によるこの端末処理を行うに当たっては、電線・ケーブルのシースを剥離除去して、絶縁導体を露出する作業が行われる。この絶縁導体の露出作業では、2本の絶縁導体を分けるように2本の絶縁導体の間のシースにカッターナイフを切り入れ、シースを導体長手方向に切り裂き、しかる後、シースを剥離している。
しかしながら、このような環境対策や防災対策のため電線・ケーブルのシースにポリエチレン等のオレフィン系樹脂組成物などの非ハロゲン化物を用いた場合は、PVC(ポリ塩化ビニル樹脂)を用いた場合に比して、引き裂き荷重や屈曲荷重が大きく硬く、柔軟性に劣るため、シースを剥離して電線・ケーブルを布設配線する際、シースを引き裂いたり、電線・ケーブルを曲げたりするのが容易にできず電線・ケーブルの取扱い性、施工性が悪くなっている。
そこで、非ハロゲン化物をシースに用いた電線・ケーブルの場合、従来、メタセロン触媒系のオレフィン樹脂を用いたり、EPM(エチレンプロピレン共重合体、以下同じ)やNBR(ブタジエンアクリロニトリルゴム、以下同じ)などのエラストマー成分を用いたり、比較的柔軟なエチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)を使用して、柔軟性を持たせている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このようにシース材料にメタセロン触媒系のオレフィン樹脂を用いたり、EPM(エチレンプロピレン共重合体、以下同じ)やNBR(ブタジエンアクリロニトリルゴム、以下同じ)などのエラストマー成分を用いたり、比較的柔軟なエチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)を使用した場合、シースに柔軟性を持たせることはできるが、例えば2本の絶縁導体を分けるように2本の絶縁導体の間にカッターナイフを切り入れ、シースを導体長手方向に切り裂いて剥離しようとすると、シースが一定方向に引き裂かれず、引き裂き性が極端に悪いという問題がある。
【0006】
本発明の目的は、ハロゲン化物を含まないオレフィン系樹脂を主成分とし、引き裂き荷重及び屈曲荷重を抑制し、所定の引き裂き荷重及び所定の屈曲荷重を持たせ、引き裂き性を向上し取扱い性、施工性を向上させることができるようにすることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の柔軟ノンハロゲン電線ケーブルは、導体の上にポリ塩化ビニル樹脂又はオレフィン系樹脂からなる絶縁体を被覆してなる絶縁導体を2本合わせ、該2本合わせてなる絶縁導体の上に、少なくともオレフィン系樹脂100重量部に、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤によるカップリング処理、又はステアリン酸、オレイン酸による表面処理を行って分散性や防湿性を向上させた難燃剤を50〜200重量部、有機化学発泡剤を0.2〜5重量部配合し、5〜20%の発泡率に発泡させ、引張強度が10MPa以上、引裂強度が70N以下、硬度が90以下のノンハロゲン難燃シースを被覆して構成したものである。
ノンハロゲン難燃シースは、絶縁導体を2本合わせた上に被覆される場合(例えば、VVFケーブル)、絶縁導体を複数本(例えば、3本)撚り合わせ介在物を介在して丸形に成形した上に被覆する場合(例えば、VVRケーブル)とがある。このノンハロゲン難燃シースは、絶縁体を押出し被覆した導体を2本合わせた上に押出して、あるいは絶縁体を押出し被覆した導体を3本撚り合わせ介在物を介在させて丸形に成形した上に押出して被覆される。
このノンハロゲン難燃シースには、発泡剤が配合してあり、押出し被覆すると押出し被覆熱によって被覆されたシースが発泡する。
有機化学発泡剤によるシースの発泡率は、5〜20%でその有効性を発揮し、理想的には、7〜15%である。このシースの発泡率を5〜20%としたのは、シースの発泡率が5%を下回ると引き裂き性の向上が期待できないからであり、シースの発泡率が20%を超えると引張強度が必要とする強度以上に低下してしまうからである。理想的な発泡率として7〜15%としてあるのは、シースにカッターナイフを切り入れ、絶縁導体を持って左右に開くようにしてシースを容易に引き裂くことができるように引き裂き性を向上することができ、十分な引張強度を得られ、最も有効性を発揮することができるからである。
【0008】
このように構成することにより請求項1に記載の発明によれば、ハロゲン化物を含まないオレフィン系樹脂を主成分とし、引き裂き荷重及び屈曲荷重を抑制し、所定の引き裂き荷重及び所定の屈曲荷重を持たせ、引き裂き性を向上し取扱い性、施工性を向上させることができる。
【0009】
上記目的を達成するために、請求項2に記載の柔軟ノンハロゲン電線ケーブルは、導体の上にポリ塩化ビニル樹脂又はオレフィン系樹脂からなる絶縁体を被覆してなる絶縁導体を複数本撚り合わせ介在物を介在して成形した上に、少なくともオレフィン系樹脂100重量部に、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤によるカップリング処理、又はステアリン酸、オレイン酸による表面処理を行って分散性や防湿性を向上させた難燃剤を50〜200重量部、有機化学発泡剤を0.2〜5重量部配合し、5〜20%の発泡率に発泡させ、引張強度が10MPa以上、引裂強度が70N以下、硬度が90以下のノンハロゲン難燃シースを被覆して構成したものである。
【0012】
難燃剤は、ノンハロゲン難燃シースのベース樹脂であるオレフィン系樹脂に難燃性を持たせるためのもので、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化ジルコニウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、硼酸亜鉛、メタ硼酸亜鉛、炭酸カルシウム、酸化モリブテン、赤燐、燐酸エステル、ポリリン酸アンモニウム、チタン酸カリウムのいずれか1種又は2種以上で構成されている。
特に、金属水酸化物は、オレフィン系樹脂に用いられる無機系難燃剤で、オレフィン系樹脂組成物に難燃作用を持たせるものであり、この金属水酸化物がオレフィン系樹脂に配合されないで加熱加工成形されたオレフィン系樹脂組成物は、難燃性を全く示さないものとなる。この金属水酸化物としては、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム等が用いられる。この金属水酸化物をオレフィン系樹脂に配合することによってオレフィン系樹脂が燃焼し難くなり、燃焼した際に燃え殻を炭化させ保形性を持たせる作用を有している。これらの金属水酸化物は、1種類(例えば、水酸化マグネシウム)を選択して配合することも、2種類以上(例えば、水酸化マグネシウムと水酸化アルミニウム)選択して配合することもできる。
【0013】
このような難燃剤は、オレフィン系樹脂100重量部に対して、50〜200重量部配合される。この難燃剤の配合量をオレフィン系樹脂100重量部に対して50〜200重量部としたのは、難燃剤の配合量がオレフィン系樹脂100重量部に対して50重量部より少ないと所定の難燃性を得られないからであり、難燃剤の配合量がオレフィン系樹脂100重量部に対して200重量部を超えて配合してもそれ以上の難燃性を得られないばかりか、200重量部を超えて配合すると機械的衝撃に対する耐摩耗性が低下してしまうからである。
【0014】
また、有機化学発泡剤は、ノンハロゲン難燃シースのベース樹脂であるオレフィン系樹脂を発泡させるためのものであり、オレフィン系樹脂に有機化学発泡剤を配合して押出し機で押出し被覆すると、押出したときの熱によって有機化学発泡剤が作用してオレフィン系樹脂が発泡する。この有機化学発泡剤をオレフィン系樹脂に配合してオレフィン系樹脂を発泡させる発泡率は、5〜20%であり、理想的には7〜15%である。この有機化学発泡剤配合によるオレフィン系樹脂の発泡率を5〜20%としたのは、発泡率が5%を下回ると、十分な引裂き性が得られないからであり、発泡率が20%を超えると引裂き性は向上するが引き裂き荷重が低くなり過ぎて所定の物理的特性が得られなくなるからである。
また、オレフィン系樹脂の理想的な発泡率を7〜15%としたのは、発泡率が7%であれば容易に引き裂くことができ、発泡率が15%を超えると物理的特性の低下が大きく変化し始めてくるからである。
【0015】
このような有機化学発泡剤は、オレフィン系樹脂100重量部に対して、0.2〜5重量部配合される。この有機化学発泡剤の配合量をオレフィン系樹脂100重量部に対して0.2〜5重量部としたのは、有機化学発泡剤の配合量がオレフィン系樹脂100重量部に対して0.2重量部を下回ると、オレフィン系樹脂の発砲率が5%を下回ってしまい十分な引裂き性が得られないからであり、有機化学発泡剤の配合量がオレフィン系樹脂100重量部に対して5重量部を超えて配合すると、オレフィン系樹脂の発砲率が20%を超えて発泡するため引裂き性は向上するが引き裂き荷重が低くなり過ぎて所定の物理的特性が得られなくなるからである。
【0022】
カップリング剤は、複合材料の強化材と樹脂母材の両方と反応し界面において強い結合を形成するかまたはそれを助長することのできる化学物質で、オレフィン系樹脂の分子間を橋渡すものである。
そしてシランカップリング剤には、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリブトキシシラン、ノルマルヘキシルトリメトキシシラン等がある。これらビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリブトキシシラン、ノルマルヘキシルトリメトキシシラン等の各種シランカップリング剤は、1種類(例えば、ビニルトリメトキシシラン)のみを配合することも、2種類(例えば、ビニルトリメトキシシランとビニルトリエトキシシラン)以上を配合することもできる。
【0023】
このようなカップリング剤で、オレフィン系樹脂の分子間を橋かけするのを開始させるためのものが架橋剤である。
この架橋剤による化学架橋は、ジクミルパーオキサイド(DCP)などの架橋剤を配合し、加熱することによって架橋するもので、架橋剤を配合したオレフィン系樹脂を加熱すると、まず、加熱することによって架橋剤が分解し、遊離基ができ、この遊離基とポリマーが反応してポリマーを活性化し、ポリマー遊離基を生成し、このポリマー遊離基同士が結合してポリマー架橋を形成する。絶縁体の上に押出し被覆されるシースは、押出し被覆する際の熱によって、押出し被覆されると同時に発泡され、発泡の直後に空気中の水分の存在によって架橋反応が起き、架橋される。
ビニルシランによる水架橋は、ポリマーであるオレフィン系樹脂に、遊離ラジカル発生剤(架橋剤)であるジクミルパーオキサイド(DCP)、ビニルトリメトキシシラン(VTMS)等のシラン化合物(カップリング剤)、ジブチル錫ジラウレート等のシラーノ縮合触媒(シロキサン縮合触媒)を配合して加熱することによって行われる。すなわち、ポリマー(オレフィン系樹脂)、架橋剤(ジクミルパーオキサイド)、シラン化合物(ビニルトリメトキシシラン)、シラーノ縮合触媒(ジブチル錫ジラウレート)を配合し、外部から熱を加えると、架橋剤が分解され遊離基ができる。この遊離基とポリマーが反応してポリマーを活性化し、ポリマー遊離基を生成し、このポリマー遊離基とシラン化合物(ビニルトリメトキシシラン)とが反応してグラフトマーが生成される。そして、このグラフトマーに錫系の触媒(ジブチル錫ジラウレート)が作用し、水の存在によって、遊離基にシランカップリング剤のビニルトリメトキシシランのビニルのところがとれて結合する。すなわち、ポリマー(オレフィン系樹脂)分子にSi(シラン)が入った状態で鎖がつくられ、もう一方のポリマー(オレフィン系樹脂)分子にも同じような現象が起きて2つのポリマー(オレフィン系樹脂)分子が、Si(シラン)を中にして酸素(O)を真ん中にした形で架橋反応(シラン架橋)が行われ、2つのポリマー(オレフィン系樹脂)分子が繋がって架橋状態を形成している。
【0024】
さらに、架橋触媒は、オレフィン系樹脂の分子間にカップリング剤を介在させる架橋現象を促進させるためのもので、この架橋触媒としては、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジオクタエート等がある。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る塗料の実施の形態について説明する。
図1には、本発明に係る柔軟ノンハロゲン電線ケーブルの一実施の形態が示されている。
図1において、1は軟銅線によって構成される導体で、この導体1の上にはポリ塩化ビニル樹脂又は架橋ポリエチレンによって構成される絶縁体2が被覆されており、絶縁導体3が構成されている。この絶縁導体3を2本合わせ、この上にシース9が被覆され絶縁電力ケーブル10(例えば、VVFケーブル)が構成されている。このシース9は、オレフィン系樹脂を発泡させたノンハロゲン難燃シースで構成されている。すなわち、このシース9は、少なくともオレフィン系樹脂に難燃剤、有機化学発泡剤を配合すると共に、その他必要に応じて加工助剤、酸化防止剤を配合し、5〜20%の発泡率に発泡させて構成されている。さらに、このシース9を構成するノンハロゲン難燃シースは、シランカップリング剤、架橋剤、架橋触媒を配合して架橋して構成してもよい。
【0029】
図2には、本発明に係る柔軟ノンハロゲン電線ケーブルの他の実施の形態が示されている。
図2において、1は軟銅線によって構成される導体で、この導体1の上にはポリ塩化ビニル樹脂又は架橋ポリエチレンによって構成される絶縁体2が被覆されており、絶縁導体3が構成されている。この絶縁導体3を複数本(図2では、3本)撚り合わせ、介在6を介在させて丸形に成形し、押え巻きテープ7を巻き付け、この押え巻きテープ7の上にシース9が被覆されて絶縁電力ケーブル11
(例えば、VVRケーブル)が構成されている。このシース9は、オレフィン系樹脂を発泡させたノンハロゲン難燃シースで構成されている。すなわち、このシース9は、少なくともオレフィン系樹脂に難燃剤、有機化学発泡剤を配合すると共に、その他必要に応じて加工助剤、酸化防止剤を配合し、5〜20%の発泡率に発泡させて構成されている。さらに、このシース9を構成するノンハロゲン難燃シースは、シランカップリング剤、架橋剤、架橋触媒を配合して架橋して構成してもよい。
【0030】
【実施例】
以下、本発明に係る柔軟ノンハロゲン電線ケーブルのシースを構成するノンハロゲン難燃シースの具体的実施例について従来例と比較して説明する。
【0031】
実施例1
実施例1は、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE、具体的には、日本ユニカー株式会社製 NUCG5651)を70重量%、エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA、具体的には、日本ユニカー株式会社製 NUC−6070)を30重量%の混合ベース樹脂100重量部に対し、水酸化マグネシウム
(具体的には、協和化学株式会社製 キスマPH)を100重量部、発泡剤NO1(アゾジカルボンアミド)を1重量部配合したものである。
【0032】
実施例2
実施例2は、エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA、具体的には、日本ユニカー株式会社製 NUC−6070)を100重量部に対し、水酸化マグネシウム(具体的には、協和化学株式会社製 キスマPH)を100重量部、発泡剤NO1(アゾジカルボンアミド)を3重量部配合したものである。
【0033】
実施例3
実施例3は、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE、具体的には、日本ユニカー株式会社製 NUCG5651)を40重量%、メタロセン系直鎖状低密度ポリエチレン(メタロセン系LLPDE、具体的には、デュポンダウエラストマー EG−8440)を60重量%の混合ベース樹脂100重量部に対し、水酸化マグネシウム(具体的には、協和化学株式会社製 キスマPH)を120重量部、発泡剤NO1(アゾジカルボンアミド)を0.2重量部、発泡剤NO2(アゾビスイソブチロニトリル)を0.2重量部配合したものである。
【0034】
実施例4
実施例4は、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE、具体的には、日本ユニカー株式会社製 NUCG5651)を50重量%、エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA、具体的には、日本ユニカー株式会社製 NUC−6070)を50重量%の混合ベース樹脂100重量部に対し、水酸化アルミニウム
(具体的には、 ハイジライト421)を80重量部、発泡剤NO1(アゾジカルボンアミド)を0.5重量部配合したものである。
【0035】
実施例5
実施例5は、エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA、具体的には、日本ユニカー株式会社製 NUC−6070)を90重量%、ポリプロピレン
(PP、具体的には、JPO株式会社製 J630G)を10重量%の混合ベース樹脂100重量部に対し、水酸化マグネシウム(具体的には、協和化学株式会社製 キスマPH)を50重量部、発泡剤NO1(アゾジカルボンアミド)を5重量部配合したものである。
【0036】
実施例6
実施例6は、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA、具体的には、日本ユニカー株式会社製 NUC−3185)を40重量%、メタロセン系直鎖状低密度ポリエチレン(メタロセン系LLPDE、具体的には、デュポンダウエラストマーEG−8440)を60重量%の混合ベース樹脂100重量部に対し、水酸化マグネシウム(具体的には、協和化学株式会社製 キスマPH)を120重量部、シランカップリング剤(ビニルトリメトキシシラン(VTMS)、具体的には、東レダウコーニングシリコーン SZ6300)を2重量部、架橋剤(ジクミルパーオキサイト(DCP)、具体的には、三井石油化学株式会社製 三井DCP)を0.1重量部、触媒(ジブチル錫ジラウレート、具体的には、旭電化工業株式会社製 BT−11)を0.1重量部、加工助剤(ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、具体的には、三菱レイヨン株式会社製 L−1000)を1重量部、発泡剤NO1(アゾジカルボンアミド)を0.2重量部配合したものである。
【0037】
実施例7
実施例7は、エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA、具体的には、日本ユニカー株式会社製 NUC−6070)100重量部に対し、水酸化マグネシウム(具体的には、協和化学株式会社製 キスマPH)を200重量部、シランカップリング剤(ビニルトリメトキシシラン(VTMS)、具体的には、東レダウコーニングシリコーン SZ6300)を3重量部、架橋剤(ジクミルパーオキサイト(DCP)、具体的には、三井石油化学株式会社製 三井DCP)を0.2重量部、触媒(ジブチル錫ジラウレート、具体的には、旭電化工業株式会社製 BT−11)を0.2重量部、加工助剤(ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、具体的には、三菱レイヨン株式会社製 L−1000)を5重量部、発泡剤NO1(アゾジカルボンアミド)を0.1重量部、発泡剤NO2(アゾビスイソブチロニトリル)を0.1重量部配合したものである。
【0038】
従来例1
従来例1は、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE、具体的には、日本ユニカー株式会社製 NUCG5651)を70重量%、エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA、具体的には、日本ユニカー株式会社製 NUC−6070)を30重量%の混合ベース樹脂100重量部に対し、水酸化マグネシウム
(具体的には、協和化学株式会社製 キスマPH)を100重量部配合したものである。
【0039】
従来例2
従来例2は、エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA、具体的には、日本ユニカー株式会社製 NUC−6070)を100重量部に対し、水酸化マグネシウム(具体的には、協和化学株式会社製 キスマPH)を100重量部配合したものである。
【0040】
従来例3
従来例3は、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA、具体的には、日本ユニカー株式会社製 NUC−3185)を40重量%、メタロセン系直鎖状低密度ポリエチレン(メタロセン系LLPDE、具体的には、デュポンダウエラストマーEG−8440)を60重量%の混合ベース樹脂100重量部に対し、水酸化マグネシウム(具体的には、協和化学株式会社製 キスマPH)を120重量部配合したものである。
【0041】
従来例4
従来例4は、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE、具体的には、日本ユニカー株式会社製 NUCG5651)を50重量%、エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA、具体的には、日本ユニカー株式会社製 NUC−6070)を20重量%、エチレン−プロピレン共重合体(EPM、具体的には、JSR株式会社製 EP−02P)を30重量%の混合ベース樹脂100重量部に対し、水酸化アルミニウム(具体的には、 ハイジライト421)を80重量部配合したものである。
【0042】
従来例5
従来例5は、エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA、具体的には、日本ユニカー株式会社製 NUC−6070)を90重量%、ポリプロピレン
(PP、具体的には、JPO株式会社製 J630G)を10重量%の混合ベース樹脂100重量部に対し、水酸化マグネシウム(具体的には、協和化学株式会社製 キスマPH)を50重量部配合したものである。
【0043】
従来例6
従来例6は、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA、具体的には、日本ユニカー株式会社製 NUC−3185)を40重量%、メタロセン系直鎖状低密度ポリエチレン(メタロセン系LLPDE、具体的には、デュポンダウエラストマーEG−8440)を60重量%の混合ベース樹脂100重量部に対し、水酸化マグネシウム(具体的には、協和化学株式会社製 キスマPH)を120重量部、シランカップリング剤(ビニルトリメトキシシラン(VTMS)、具体的には、東レダウコーニングシリコーン SZ6300)を2重量部、架橋剤(ジクミルパーオキサイト(DCP)、具体的には、三井石油化学株式会社製 三井DCP)を0.1重量部、触媒(ジブチル錫ジラウレート、具体的には、旭電化工業株式会社製 BT−11)を0.1重量部、加工助剤(ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、具体的には、三菱レイヨン株式会社製 L−1000)を1重量部配合したものである。
【0044】
従来例7
従来例7は、エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA、具体的には、日本ユニカー株式会社製 NUC−6070)100重量部に対し、水酸化マグネシウム(具体的には、協和化学株式会社製 キスマPH)を200重量部、シランカップリング剤(ビニルトリメトキシシラン(VTMS)、具体的には、東レダウコーニングシリコーン SZ6300)を3重量部、架橋剤(ジクミルパーオキサイト(DCP)、具体的には、三井石油化学株式会社製 三井DCP)を0.2重量部、触媒(ジブチル錫ジラウレート、具体的には、旭電化工業株式会社製 BT−11)を0.2重量部、加工助剤(ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、具体的には、三菱レイヨン株式会社製 L−1000)を5重量部配合したものである。
【0045】
これらの実施例1〜実施例7に基づく各組成コンパウンドをシリンダー径20mmの押出機に投入し、1mm厚さで幅約30mmのヒモ状でサンプルを作成した。
【0046】
このサンプルについて、JIS−C3005に基づく引張試験によって、引張強度(MPa)を、JIS−K6301に基づく引裂抵抗試験によって、引裂強度(N)を、さらに、JIS−K6301のJISA硬度計を使用して硬度を測定を行った。その比較結果が表1、表2に示してある。
【0047】
表 1
表 2
この表1、表2中の引張強度(MPa)の測定は日本工業規格に定めるJIS−C3005に基づく引張試験に基づいて、引裂強度(N)の測定は日本工業規格に定めるJIS−K6301に基づく引裂抵抗試験に基づいて、硬度の測定は日本工業規格に定めるJIS−K6301のJISA硬度計を使用してそれぞれ行ったものである。
【0048】
表1、表2中の引張強度(MPa)は、どの程度の荷重(MPa)で引っ張ったときに引き千切れるかを示したもので、一定の強度を有することを目的として評価するもので、『10MPa以上』あることを目標としている。また、引裂強度(N)は、ヒモ状のサンプルを左右に引き裂き、この引き裂けたときの荷重、すなわち試験片の断面積(mm2 )当りの最大引裂荷重(N)で示したもので、施工時の引裂作業を人力によって簡単に行えることを目的として評価するもので、割りと簡単に引き裂くことが可能な数値である『70N以下』であることを目標としている。
さらに、硬度は、汎用のPVCシース並みの柔軟性(硬度90)を有することを良とするもので、日本工業規格に定めるJIS−K6301のJISA硬度計の値が『A90以下』であることを目標としている。
【0049】
表1に示される実施例1〜実施例5は、難燃剤(金属水酸化物)を配合したオレフィン系樹脂を、有機化学発泡剤で発泡したもので、実施例6〜実施例7は、難燃剤(金属水酸化物)を配合したオレフィン系樹脂に有機化学発泡剤を配合して発泡させると共に架橋させたものである。
これに対し、表2に示される従来例1〜従来例5は、オレフィン系樹脂に難燃剤(金属水酸化物)を配合したもので、従来例6〜従来例7は、難燃剤(金属水酸化物)を配合したオレフィン系樹脂を架橋させたものである。
【0050】
次に、表1、表2に示される実施例1〜7、従来例1〜7の各組成成分に基づいて行われたJIS−C3005に基づく引張試験、JIS−K6301に基づく引裂抵抗試験、さらに、日本工業規格に定めるJIS−K6301のJISA硬度計を使用して測定した硬度のそれぞれの試験結果について検討する。
【0051】
実施例1〜7の各組成成分は、従来例1〜7の各組成成分と近似しているので実施例1〜7と従来例1〜7とを1対1に対応させてそれぞれの試験結果について検討する。
【0052】
実施例1と従来例1は、共に直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)を70重量%、エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)を30重量%の割合で混合したベース樹脂100重量部に対して、水酸化マグネシウムを100重量部配合したもので、従来例1はそのままであるのに対し、実施例1は水酸化マグネシウムを含有するオレフィン系樹脂に発泡剤NO1(アゾジカルボンアミド)を1重量部配合して発泡率12%に発泡させたものである。
この実施例1と従来例1とを比較すると、引張強度は、従来例1の引張強度が15MPaであるのに対し、実施例1の引張強度が12MPaと従来例1よりも低下するも引張強度の目標値である『10MPa以上』を達成している。また、ヒモ状のサンプルを左右に引き裂く際に要する荷重を示す引裂強度(N)は、従来例1の引裂強度が125Nと引裂性が悪いのに対し、実施例1の引裂強度が63Nと引裂強度を低下させ、割りと簡単に引き裂くことが可能な数値である引裂強度の目標値『70N以下』を達成し、引裂性を向上することができる。さらに、硬度は、従来例1の硬度がA98と汎用のPVCシース並みの柔軟性を有していないのに対し、実施例1の硬度がA87と汎用のPVCシース並みの柔軟性(硬度90)を有している。
以上総合すると、従来例1は、引裂性が悪く、汎用のPVCシースよりも硬いという結果となり、引裂強度、硬度の2つの点で目標値を達成できない結果となっており、評価は『×』となっている。これに対し、実施例1は、十分な引張強度を備え、引裂性が良く、汎用のPVCシース同等の柔軟性を有する結果となり、引裂強度、硬度の2つの点で目標を十分に達成できる結果となっており評価としては『○』となっている。実施例1と従来例1の組成成分の比較から明らかなように、同質同量のオレフィン樹脂に同質同量の軟撚剤を配合しているにも拘らず、実施例1が所定硬度を確保し、引裂性の向上を図ることができたのは、水酸化マグネシウムを含有するオレフィン系樹脂を発泡させたことによるものであることが分かる。
【0053】
実施例2と従来例2は、共にエチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)を100重量部に対し、水酸化マグネシウムを100重量部配合したもので、従来例2はそのままであるのに対し、実施例2は水酸化マグネシウムを含有するオレフィン系樹脂に、発泡剤NO1(アゾジカルボンアミド)を3重量部配合して発泡率20%に発泡させたものである。
この実施例2と従来例2とを比較すると、引張強度は、従来例2の引張強度が16MPaであるのに対し、実施例2の引張強度が12MPaと従来例2よりも低下するも引張強度の目標値である『10MPa以上』を達成している。また、ヒモ状のサンプルを左右に引き裂く際に要する荷重を示す引裂強度(N)は、従来例2の引裂強度が118Nと引裂性が悪いのに対し、実施例2の引裂強度が45Nと引裂強度を低下させ、割りと簡単に引き裂くことが可能な数値である引裂強度の目標値『70N以下』を達成し、引裂性を飛躍的に向上することができる。さらに、硬度は、従来例2の硬度がA97と汎用のPVCシース並みの柔軟性を有していないのに対し、実施例2の硬度がA87と汎用のPVCシース並みの柔軟性(硬度90)を有している。
以上総合すると、従来例2は、引裂性が悪く、汎用のPVCシースよりも硬いという結果となり、引裂強度、硬度の2つの点で目標値を達成できない結果となっており、評価は『×』となっている。これに対し、実施例2は、十分な引張強度を備え、引裂性が良く、汎用のPVCシース同等の柔軟性を有する結果となり、引裂強度、硬度の2つの点で目標を十分に達成できる結果となっており評価としては『○』となっている。実施例2と従来例2の組成成分の比較から明らかなように、同質同量のオレフィン樹脂に同質同量の軟撚剤を配合しているにも拘らず、実施例2が所定硬度を確保し、引裂性の向上を図ることができたのは、水酸化マグネシウムを含有するオレフィン系樹脂を発泡させたことによるものであることが分かる。
【0054】
実施例3と従来例3とを比較すると、実施例3は、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)を40重量%、メタロセン系直鎖状低密度ポリエチレン(メタロセン系LLPDE)を60重量%の割合で混合したベース樹脂100重量部に対して、水酸化マグネシウムを120重量部配合したものに発泡剤NO1(アゾジカルボンアミド)と発泡剤NO2(アゾビスイソブチロニトリル)をそれぞれ0.2重量部づつ配合して発泡率7%に発泡させたものである。
また、従来例3は、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)を40重量%、メタロセン系直鎖状低密度ポリエチレン(メタロセン系LLPDE)を60重量%の割合で混合したベース樹脂100重量部に対して、水酸化マグネシウムを120重量部配合したものである。
【0055】
この実施例3と従来例3とを比較すると、ヒモ状のサンプルを左右に引き裂く際に要する荷重を示す引裂強度(N)は、従来例3の引裂強度が55Nと十分な引裂性を有しており、実施例3も引裂強度が53Nと引裂強度を低く下げ、割りと簡単に引き裂くことが可能な数値である引裂強度の目標値『70N以下』を共に達成し、引裂性を向上させている。また、硬度は、従来例3の硬度がA88と汎用のPVCシース並みの柔軟性(硬度90)を有しており、実施例3も硬度がA87と汎用のPVCシース並みの柔軟性(硬度90)を有している。
このように実施例3、従来例3共に引裂強度、硬度について目標値を満足するものとなっているが、引張強度については、実施例3の引張強度が11MPaと引張強度の目標値である『10MPa以上』を満足しているものの、従来例3の引張強度が8MPaと引張強度の目標値である『10MPa以上』を下回り、必要とする引張強度に欠ける結果となっている。
【0056】
したがって、総合すると、従来例3は、引裂性、汎用のPVCシース並みの柔軟性について満足するが、引張強度の点で目標値を達成できない結果となっており、評価は『×』となっている。これに対し、実施例3は、十分な引張強度を備え、引裂性が良く、汎用のPVCシース同等の柔軟性を有する結果となり、引裂強度、硬度の2つの点で目標を十分に達成できる結果となっており評価としては『○』となっている。
この従来例3の試験結果から明らかなように、引裂性を向上させ、汎用のPVCシース並みの柔軟性を持たせため、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)をベース樹脂に用いると引裂性や柔軟性を得ることはできるが、引張強度が低下してしまい、電線シースとしての引張強度を有し得なくなり電線シース材としては適当でなくなることが分かる。これに対し、実施例3は、所定の引張強度を持たせるために直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)を配合し、ベース樹脂を発泡させることによって、引裂性を向上させ、汎用のPVCシース並みの柔軟性を持たせられることが分かる。
【0057】
実施例4と従来例4とを比較すると、実施例4は、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)を50重量%、エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)を50重量%の割合で混合したベース樹脂100重量部に対して、水酸化アルミニウムを80重量部配合したものに発泡剤NO1(アゾジカルボンアミド)を0.5重量部配合して発泡率9%に発泡させたものである。
また、従来例4は、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)を50重量%、エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)を20重量%、エチレン−プロピレン共重合体(EPM)を30重量%の割合で混合したベース樹脂100重量部に対して、水酸化アルミニウムを80重量部配合したものである。
【0058】
この実施例4と従来例4とを比較すると、ヒモ状のサンプルを左右に引き裂く際に要する荷重を示す引裂強度(N)は、従来例3の引裂強度が60Nと十分な引裂性を有しており、実施例3も引裂強度が48Nと引裂強度を低く下げ、割りと簡単に引き裂くことが可能な数値である引裂強度の目標値『70N以下』を共に達成し、引裂性を向上させている。また、硬度は、従来例4の硬度がA94と汎用のPVCシース並みの柔軟性(硬度90)よりも硬く、実施例4の硬度がA89と汎用のPVCシース並みの柔軟性(硬度90)を有している。
このように従来例4は、引裂性が飛躍的に良くなっているが、硬度が高く引張強度が7MPaと脆さが出ている。これに対し、実施例4は、引裂性が飛躍的に良く、硬度も目標値『A90以下』を満足しており、引張強度も15MPaと脆さが全くないことがわかる。
したがって、総合すると、従来例4は、硬度、引張強度の点で目標値を達成できない結果となっており、評価は『×』となっている。これに対し、実施例4は、十分な引張強度を備え、引裂性が良く、汎用のPVCシース同等の柔軟性を有する結果となっており評価としては『○』となっている。
この従来例4と実施例4との試験結果から明らかなように、同質の軟撚剤を同量配合しているにも拘らず、実施例4が所定の引張強度を得、目標の硬度を得て、引裂性を向上するのは、ベース樹脂を発泡させることによるものであることが分かる。従来例4が引裂性を向上できたのは、エチレン−プロピレン共重合体(EPM)を配合したことによるもので、この引裂性の向上と引き替えに脆くなった(引張強度の低下)ものと考えられる。
【0059】
実施例5と従来例5は、共にエチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)を90重量%、ポリプロピレン(PP)を10重量%の割合で混合したベース樹脂100重量部に対して、水酸化マグネシウムを50重量部配合したもので、従来例5はそのままであるのに対し、実施例5は水酸化マグネシウムを含有するオレフィン系樹脂に発泡剤NO1(アゾジカルボンアミド)を5重量部配合して発泡率18%に発泡させたものである。
この実施例5と従来例5とを比較すると、引張強度は、従来例5の引張強度が18MPaであるのに対し、実施例5の引張強度が11MPaと従来例5よりも低下するも実施例5、従来例5共に引張強度の目標値である『10MPa以上』を達成している。また、ヒモ状のサンプルを左右に引き裂く際に要する荷重を示す引裂強度(N)は、従来例5の引裂強度が153Nと引裂性が悪いのに対し、実施例5の引裂強度が44Nと、割りと簡単に引き裂くことが可能な数値である引裂強度の目標値『70N以下』を大きく超え、引裂性を向上させている。さらに、硬度は、従来例5の硬度がA96と汎用のPVCシース並みの柔軟性を有していないのに対し、実施例5の硬度がA85と汎用のPVCシース並みの柔軟性(硬度90)を有している。
以上総合すると、従来例5は、引裂性が悪く、汎用のPVCシースよりも硬いという結果となり、引裂強度を満足するも引裂強度、硬度の2つの点で目標値を達成できない結果となっており、評価は『×』となっている。これに対し、実施例5は、十分な引張強度を備え、引裂性が良く、汎用のPVCシース同等の柔軟性を有する結果となり、引張強度に加え、引裂強度、硬度の2つの点で目標を十分に達成できる結果となっており評価としては『○』となっている。実施例5と従来例5の組成成分の比較から明らかなように、同質同量のオレフィン樹脂に同質同量の軟撚剤を配合しているにも拘らず、実施例5が所定硬度を確保し、引裂性の向上を図ることができたのは、水酸化マグネシウムを含有するオレフィン系樹脂を発泡させたことによるものであることが分かる。
【0060】
実施例6と従来例6は、共にエチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)を40重量%、メタロセン系直鎖状低密度ポリエチレン(メタロセン系LLPDE)を60重量%の割合で混合したベース樹脂100重量部に対して、水酸化マグネシウムを120重量部配合し、シランカップリング剤(ビニルトリメトキシシラン)を2重量部、ジクミルパーオキサイト(DCP)を0.1重量部、触媒(ジブチル錫ジラウレート)を0.1重量部、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)を1重量部配合して架橋したもので、従来例6はそのままであるのに対し、実施例6は水酸化マグネシウムを含有するオレフィン系樹脂に発泡剤NO1(アゾジカルボンアミド)を0.2重量部配合して発泡率6%に発泡させたものである。
この実施例6と従来例6とを比較すると、引張強度は、従来例6の引張強度が13MPaであるのに対し、実施例6の引張強度が11MPaと従来例6よりも低下するも実施例6、従来例6共に引張強度の目標値である『10MPa以上』を達成している。また、ヒモ状のサンプルを左右に引き裂く際に要する荷重を示す引裂強度(N)は、従来例6の引裂強度が98Nと引裂性が悪いのに対し、実施例6の引裂強度が55Nと、割りと簡単に引き裂くことが可能な数値である引裂強度の目標値『70N以下』を大きく超え、引裂性を向上させている。さらに、硬度は、従来例6の硬度がA93と汎用のPVCシース並みの柔軟性を有していないのに対し、実施例6の硬度がA87と汎用のPVCシース並みの柔軟性(硬度90)を有している。
以上総合すると、従来例6は、引裂性が悪く、汎用のPVCシースよりも硬いという結果となり、引裂強度を満足するも引裂強度、硬度の2つの点で目標値を達成できない結果となっており、評価は『×』となっている。これに対し、実施例6は、十分な引張強度を備え、引裂性が良く、汎用のPVCシース同等の柔軟性を有する結果となり、引張強度に加え、引裂強度、硬度の2つの点で目標を十分に達成できる結果となっており評価としては『○』となっている。実施例6と従来例6の組成成分の比較から明らかなように、同質同量のオレフィン樹脂に同質同量の軟撚剤を配合しているにも拘らず、実施例6が所定硬度を確保し、引裂性の向上を図ることができたのは、水酸化マグネシウムを含有するオレフィン系樹脂を発泡させたことによるものであることが分かる。
【0061】
従来例3と従来例6とは、同質同量のオレフィン樹脂に同質同量の軟撚剤を配合しているが、引張強度が従来例3の8MPaに対し従来例6の13MPa、引裂強度が従来例3の55Nに対し従来例6の98N、硬度が従来例3のA88に対し従来例6のA93と相違している。これは、従来例3のベース樹脂が架橋されていないのに比して従来例6のベース樹脂が架橋されていることによるものと理解される。一般にベース樹脂を架橋すると、そのベース樹脂の引張強度、硬度は増す。
【0062】
実施例7と従来例7は、共にエチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)を100重量部に対して、水酸化マグネシウムを200重量部配合し、シランカップリング剤(ビニルトリメトキシシラン)を3重量部、ジクミルパーオキサイト(DCP)を0.2重量部、触媒(ジブチル錫ジラウレート)を0.2重量部、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)を5重量部配合して架橋したもので、従来例7はそのままであるのに対し、実施例7は水酸化マグネシウムを含有するオレフィン系樹脂に発泡剤NO1(アゾジカルボンアミド)と発泡剤NO2(アゾビスイソブチロニトリル)をそれぞれ0.1重量部づつ配合して発泡率5%に発泡させたものである。
この実施例7と従来例7とを比較すると、引張強度は、従来例7の引張強度が12MPaであるのに対し、実施例7の引張強度が11MPaと従来例7よりも若干低下するも実施例7、従来例7共に引張強度の目標値である『10MPa以上』を達成している。また、ヒモ状のサンプルを左右に引き裂く際に要する荷重を示す引裂強度(N)は、従来例7の引裂強度が93Nと引裂性が悪いのに対し、実施例7の引裂強度が56Nと、割りと簡単に引き裂くことが可能な数値である引裂強度の目標値『70N以下』を大きく超え、引裂性を向上させている。さらに、硬度は、従来例7の硬度がA99と汎用のPVCシース並みの柔軟性を有していないのに対し、実施例7の硬度がA89と汎用のPVCシース並みの柔軟性(硬度90)を有している。
以上総合すると、従来例7は、引裂性が悪く、汎用のPVCシースよりも硬いという結果となり、引裂強度を満足するも引裂強度、硬度の2つの点で目標値を達成できない結果となっており、評価は『×』となっている。これに対し、実施例7は、十分な引張強度を備え、引裂性が良く、汎用のPVCシース同等の柔軟性を有する結果となり、引張強度に加え、引裂強度、硬度の2つの点で目標を十分に達成できる結果となっており評価としては『○』となっている。実施例7と従来例7の組成成分の比較から明らかなように、同質同量のオレフィン樹脂に同質同量の軟撚剤を配合しているにも拘らず、実施例7が所定硬度を確保し、引裂性の向上を図ることができたのは、水酸化マグネシウムを含有するオレフィン系樹脂を発泡させたことによるものであることが分かる。
【0063】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したように構成されているので、以下に記載されるような効果を奏する。
【0064】
請求項1に記載の発明によれば、ハロゲン化物を含まないオレフィン系樹脂を主成分とし、引き裂き荷重及び屈曲荷重を抑制し、所定の引き裂き荷重及び所定の屈曲荷重を持たせ、引き裂き性を向上し取扱い性、施工性を向上させることができる。
【0065】
請求項2に記載の発明によれば、ハロゲン化物を含まないオレフィン系樹脂を主成分とし、引き裂き荷重及び屈曲荷重を抑制し、所定の引き裂き荷重及び所定の屈曲荷重を持たせ、引き裂き性を向上し取扱い性、施工性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る2芯の絶縁電力ケーブルの実施の形態を示す断面図である。
【図2】本発明に係る多芯の絶縁電力ケーブルの実施の形態を示す断面図である。
【図3】従来の2芯の絶縁電力ケーブルの実施の形態を示す断面図である。
【図4】従来の多芯の絶縁電力ケーブルの実施の形態を示す断面図である。
【符号の説明】
1……………………………………………導体
2……………………………………………絶縁体
3……………………………………………絶縁導体
6……………………………………………介在
7……………………………………………押え巻きテープ
9……………………………………………シース
10,11…………………………………絶縁電力ケーブル
Claims (2)
- 導体の上にポリ塩化ビニル樹脂又はオレフィン系樹脂からなる絶縁体を被覆してなる絶縁導体を2本合わせ、該2本合わせてなる絶縁導体の上に、少なくともオレフィン系樹脂100重量部に、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤によるカップリング処理、又はステアリン酸、オレイン酸による表面処理を行って分散性や防湿性を向上させた難燃剤を50〜200重量部、有機化学発泡剤を0.2〜5重量部配合し、5〜20%の発泡率に発泡させ、引張強度が10MPa以上、引裂強度が70N以下、硬度が90以下のノンハロゲン難燃シースを被覆してなる柔軟ノンハロゲン電線ケーブル。
- 導体の上にポリ塩化ビニル樹脂又はオレフィン系樹脂からなる絶縁体を被覆してなる絶縁導体を複数本撚り合わせ介在物を介在して成形した上に、少なくともオレフィン系樹脂100重量部に、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤によるカップリング処理、又はステアリン酸、オレイン酸による表面処理を行って分散性や防湿性を向上させた難燃剤を50〜200重量部、有機化学発泡剤を0.2〜5重量部配合し、5〜20%の発泡率に発泡させ、引張強度が10MPa以上、引裂強度が70N以下、硬度が90以下のノンハロゲン難燃シースを被覆してなる柔軟ノンハロゲン電線ケーブル。
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