JP2005268036A - ノンハロゲン難燃電線・ケーブル - Google Patents
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Abstract
【課題】 機械的強度や可とう性に優れ、かつ環境に優しいノンハロゲン難燃電線・ケーブルを提供する。
【解決手段】 ポリオレフィンと、無水マレイン酸で変性したエチレン系コポリマとのブレンドポリマに対し、金属水酸化物を混和してなる樹脂組成物3,6を被覆したノンハロゲン難燃電線1・ケーブル10において、上記無水マレイン酸で変性したエチレン系コポリマがマレイン酸変性エチレン−プロピレンコポリマ、もしくはマレイン酸変性エチレン−ブテンコポリマである。
【選択図】 図1
【解決手段】 ポリオレフィンと、無水マレイン酸で変性したエチレン系コポリマとのブレンドポリマに対し、金属水酸化物を混和してなる樹脂組成物3,6を被覆したノンハロゲン難燃電線1・ケーブル10において、上記無水マレイン酸で変性したエチレン系コポリマがマレイン酸変性エチレン−プロピレンコポリマ、もしくはマレイン酸変性エチレン−ブテンコポリマである。
【選択図】 図1
Description
本発明は、ノンハロゲン難燃電線・ケーブルに係り、特に、可とう性の向上を図った環境配慮型のノンハロゲン難燃電線・ケーブルに関するものである。
近年、ポリ塩化ビニルやハロゲン系難燃剤を使用しない環境負荷の小さなノンハロゲン難燃電線・ケーブルは、いわゆるエコ電線・ケーブルとして急速に普及している。これらのノンハロゲン難燃電線・ケーブルでは、電線の絶縁体やケーブルのシースとして、ポリオレフィンに水酸化マグネシウムをはじめとするノンハロゲン難燃剤を多量に混和した樹脂組成物を用いたものが一般的である。
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、次のものがある。
しかしながら、水酸化マグネシウムをはじめとするノンハロゲン難燃剤で電線・ケーブルを難燃化するためには、多量のノンハロゲン難燃剤を混和する必要があり、このため、電線・ケーブルの機械的強度や可とう性が大幅に低下するという問題がある。
一方、電線・ケーブルの機械的強度や可とう性の低下を抑えるために、赤リンなどの難燃助剤を加え、ノンハロゲン難燃剤を減量する方法もあるが、赤リンは燃焼時に有害なホスフィンを発生したり、廃却時にはリン酸を生成するおそれがある。このリン酸が土壌に浸透すると、地下水脈を汚染するおそれがあることから、最近では赤リンなどの使用を控える傾向にある。
これらのことから、難燃性に優れた無リンノンハロゲン難燃電線・ケーブルの開発が要求されている。
そこで、本発明の目的は、機械的強度や可とう性に優れ、かつ環境に優しいノンハロゲン難燃電線・ケーブルを提供することにある。
本発明は上記目的を達成するために創案されたものであり、請求項1の発明は、ポリオレフィンと、無水マレイン酸で変性したエチレン系コポリマとのブレンドポリマに対し、金属水酸化物を混和してなる樹脂組成物を被覆したノンハロゲン難燃電線・ケーブルにおいて、上記無水マレイン酸で変性したエチレン系コポリマがマレイン酸変性エチレン−プロピレンコポリマ、もしくはマレイン酸変性エチレン−ブテンコポリマであるノンハロゲン難燃電線・ケーブルである。
請求項2の発明は、上記樹脂組成物は、上記ポリオレフィン40〜95wt%と、上記マレイン酸変性エチレン−プロピレンコポリマ、もしくは上記マレイン酸変性エチレン−ブテンコポリマ60〜5wt%とのブレンドポリマ100重量部に対し、金属水酸化物を50〜300重量部混和してなる請求項1記載のノンハロゲン難燃電線・ケーブルである。
請求項3の発明は、上記金属水酸化物が、シランカップリング剤、もしくはステアリン酸により表面処理されている請求項1または2記載のノンハロゲン難燃電線・ケーブルである。
請求項4の発明は、上記樹脂組成物を被覆して非架橋で作製した請求項1〜3いずれかに記載のノンハロゲン難燃電線・ケーブルである。
請求項5の発明は、10%モジュラスが3MPa以下である請求項1〜4いずれかに記載のノンハロゲン難燃電線・ケーブルである。
本発明によれば、非常に柔軟で可とう性に優れ、かつ環境に優しいノンハロゲン難燃電線・ケーブルを得ることができる、という優れた効果を発揮する。
以下、本発明の好適実施の形態を添付図面にしたがって説明する。
図1は、本発明の好適実施の形態であるノンハロゲン難燃電線・ケーブルの一例を示す横断面図である。
図1に示すように、本実施の形態に係るノンハロゲン難燃電線(絶縁電線)1は、導体2の上(外周)に、後述するノンハロゲン難燃樹脂組成物からなる絶縁体3を被覆し、非架橋で作製したものである。
また、本実施の形態に係るノンハロゲン難燃ケーブル10は、2本並列の絶縁電線1を介在4と共に対撚りして構成されるコア5の外周に、後述するノンハロゲン難燃樹脂組成物からなるシース6を被覆し、非架橋で作製したものである。通常、絶縁体3に用いる樹脂組成物の配合と、シース6に用いる樹脂組成物の配合とは若干異なるが、詳細は後述する。
このケーブル10は、例えば、エレベータ用ケーブル、キャブタイヤケーブルとして使用される。導体2としては、例えば、CuあるいはCu合金の撚り線、CuあるいはCu合金の単線を使用する。介在4としては、例えばポリプロピレンを使用する。
さて、本実施の形態に係るノンハロゲン難燃樹脂組成物は、ポリオレフィン40〜95wt%と、無水マレイン酸で変性したエチレン系コポリマ(マレイン酸変性エチレン系コポリマ)60〜5wt%とのブレンドポリマ100重量部に対し、難燃剤としての金属水酸化物を50〜300重量部混和してなる。
ポリオレフィンとしては、
高、中、低密度ポリエチレン、
ポリプロピレン、
エチレン・プロピレン・コポリマ、
エチレン・プロピレン・ジエンターポリマ、
エチレン・メチルアクリレートコポリマ、
エチレン・エチルアクリレートコポリマ、
直鎖状低密度ポリエチレン、
超低密度ポリエチレン、
エチレン・酢酸ビニルコポリマ、
エチレン・ブテンコポリマ、
エチレン・メチルメタアクリレートコポリマ、
エチレン・オクテンコポリマ
等を使用する。電線1やケーブル10に優れた可とう性を付与するには、ポリオレフィンとしてエチレン・プロピレン・コポリマ、エチレン・プロピレン・ジエンターポリマ、エチレン・ブテンコポリマ、エチレン・オクテンコポリマが特に望ましい。
高、中、低密度ポリエチレン、
ポリプロピレン、
エチレン・プロピレン・コポリマ、
エチレン・プロピレン・ジエンターポリマ、
エチレン・メチルアクリレートコポリマ、
エチレン・エチルアクリレートコポリマ、
直鎖状低密度ポリエチレン、
超低密度ポリエチレン、
エチレン・酢酸ビニルコポリマ、
エチレン・ブテンコポリマ、
エチレン・メチルメタアクリレートコポリマ、
エチレン・オクテンコポリマ
等を使用する。電線1やケーブル10に優れた可とう性を付与するには、ポリオレフィンとしてエチレン・プロピレン・コポリマ、エチレン・プロピレン・ジエンターポリマ、エチレン・ブテンコポリマ、エチレン・オクテンコポリマが特に望ましい。
一方、マレイン酸変性エチレン系コポリマとしては、エチレン・プロピレンコポリマ、もしくはエチレン・ブテンコポリマを無水マレイン酸で変性したもの(マレイン酸変性エチレン−プロピレンコポリマ、もしくはマレイン酸変性エチレン−ブテンコポリマ)を用いる。これらマレイン酸変性エチレン−プロピレンコポリマと、マレイン酸変性エチレン−ブテンコポリマとは、従来のポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・エチルアクリレートコポリマ、エチレン・酢酸ビニルコポリマのマレイン酸変性タイプに比べて非常に柔軟性に優れていることを特長としている。
ポリオレフィンのブレンド比率を40〜95wt%とし、マレイン酸変性エチレン系コポリマのブレンド比率を60〜5wt%としたのは、マレイン酸変性エチレン系コポリマのブレンド比率が5wt%未満では、ポリオレフィンと金属水酸化物との接着が弱く、電線1やケーブル10の機械的強度が十分に得られないからである。また、マレイン酸変性エチレン系コポリマのブレンド比率が60wt%を超えると、電線1やケーブル10の伸びが大幅に低下するからである。
金属水酸化物としては、水酸化マグネシウム(Mg(OH)2 )、水酸化アルミニウム(Al(OH)3 )、ハイドロタルサイト、カルシウムアルミネート水和物、水酸化カルシウム、水酸化バリウム等を使用する。水酸化マグネシウムとしては、合成水酸化マグネシウム、天然鉱石を粉砕した天然水酸化マグネシウム、Niなど他の元素と固溶体となったものなどを用いる。
ブレンドポリマ100重量部に対し、難燃剤としての金属水酸化物の混和量を50〜300重量部としたのは、混和量が50重量部未満では、電線1やケーブル10の難燃性が不十分であり、混和量が300重量部を超えると、電線1やケーブル10の機械的特性が大幅に低下するからである。
金属水酸化物は、予めシランカップリング剤により表面処理されている。これは、金属水酸化物の表面を疎水化し、水との親和性を低下させると共に、逆にブレンドポリマとの親和性を高めることで、ブレンドポリマとの密着性を高めるためである。シランカップリング剤としては、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン等を使用する。これらを用いた周知の手法により、金属水酸化物を表面処理した後、ブレンドポリマに混和する。また、金属水酸化物の表面処理剤として、シランカップリング剤の代わりに、ステアリン酸を用いるようにしてもよい。
なお、本実施の形態に係る樹脂組成物においては、上述した成分に加えて、架橋助剤、難燃助剤、酸化防止剤、滑剤、安定剤、充填剤、着色剤、シリコーン等を適宜添加してもよい。
本実施の形態の作用を説明する。
電線1とケーブル10は、絶縁体3やシース6として、軟質の接着性ポリマであるマレイン酸変性エチレン−プロピレンコポリマ、もしくはマレイン酸変性エチレン−ブテンコポリマを配合した樹脂組成物を用いることにより、従来から使用されている硬質のマレイン酸変性ポリマ(ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・エチルアクリレートコポリマ、エチレン・酢酸ビニルコポリマのマレイン酸変性タイプ)を配合した従来の樹脂組成物を用いた電線やケーブルに比べ、優れた難燃性を有しながら非常に柔軟であり、可とう性を大幅に向上させることができる。
例えば、後述する実施例において、電線1やケーブル10は、可とう性の指標である10%モジュラス(10%伸びにおける引張強さ)がいずれも3MPa以下であった。
また、マレイン酸変性エチレン−プロピレンコポリマ、もしくはマレイン酸変性エチレン−ブテンコポリマを含むブレンドポリマに、難燃剤として、シランカップリング剤、もしくはステアリン酸で表面処理した金属水酸化物を混和することで、金属水酸化物とブレンドポリマとの密着性が高まるため、金属水酸化物を多量に混和しても、電線1やケーブル10の可とう性および機械的強度を維持させることができる。したがって、電線1とケーブル10は機械的強度にも優れている。
さらに、電線1とケーブル10は、本実施の形態に係る樹脂組成物を導体2やコア5に被覆して非架橋で作製され、樹脂組成物を架橋しないため、可とう性だけでなくリサイクル(再成形)が容易に可能であることも大きな特長である。
電線1とケーブル10は、ハロゲン元素やリンを含まないので、燃焼時にハロゲン化水素やホスフィンなどの有害ガスが発生せず、火災時の安全性が高い。しかも、電線1とケーブル10は、重金属を含まないので、焼却、埋立などの廃却時に環境汚染を起こすこともなく、環境に優しい。
(実施例(電線)1〜5)
表1に示したポリマ、酸化防止剤、難燃剤を100〜130℃に保持した混練器(8インチオープンロール)に投入して混練し、混練後の樹脂組成物を180℃に保持した40mm押出機(L/D=24)を用いて、断面積が2mm2 の銅撚り線(導体2)上に絶縁体3として厚さ1mmで押出被覆し、非架橋で図1の絶縁電線1を作製した。ブレンドポリマ中のポリオレフィンのブレンド比率は60〜95wt%とした。
表1に示したポリマ、酸化防止剤、難燃剤を100〜130℃に保持した混練器(8インチオープンロール)に投入して混練し、混練後の樹脂組成物を180℃に保持した40mm押出機(L/D=24)を用いて、断面積が2mm2 の銅撚り線(導体2)上に絶縁体3として厚さ1mmで押出被覆し、非架橋で図1の絶縁電線1を作製した。ブレンドポリマ中のポリオレフィンのブレンド比率は60〜95wt%とした。
(実施例(シース)11〜13)
実施例3の絶縁電線1をポリプロピレン介在4と共に対撚りしたコア5の上に、180℃に保持した40mm押出機(L/D=24)を用いて、表1に示したポリマ、酸化防止剤、難燃剤からなる樹脂組成物をシース6として押出被覆し、非架橋で図1のケーブル10を作製した。ブレンドポリマ中のポリオレフィンのブレンド比率は40〜60wt%とした。
実施例3の絶縁電線1をポリプロピレン介在4と共に対撚りしたコア5の上に、180℃に保持した40mm押出機(L/D=24)を用いて、表1に示したポリマ、酸化防止剤、難燃剤からなる樹脂組成物をシース6として押出被覆し、非架橋で図1のケーブル10を作製した。ブレンドポリマ中のポリオレフィンのブレンド比率は40〜60wt%とした。
(比較例(電線)1〜5)
比較例1〜4は、表1に示した配合の樹脂組成物を用いて、実施例1〜5と同様にして絶縁電線を作製したものである。比較例5は、表1に示した配合の樹脂組成物を押出被覆した後、その樹脂組成物を電子線照射(照射量1Mrad)で架橋して絶縁電線を作製したものである。
比較例1〜4は、表1に示した配合の樹脂組成物を用いて、実施例1〜5と同様にして絶縁電線を作製したものである。比較例5は、表1に示した配合の樹脂組成物を押出被覆した後、その樹脂組成物を電子線照射(照射量1Mrad)で架橋して絶縁電線を作製したものである。
リサイクル性評価用試料は、上記各電線の絶縁体、もしくは各ケーブルのシースを剥ぎ取り、ペレタイザーを用いて2×2×1mmの各ペレットを作製し、これを上記各電線・ケーブルと同じ条件で押出被覆したものである。
各電線・ケーブルの評価方法は以下のようにして行った。
(1)引張特性および10%モジュラス
電線については、導体を抜き取って得られたチューブをJIS C3005に準拠して引張試験を行った。また、ケーブルについては、シースを剥ぎ取り、これをダンベル3号に切り抜き、JIS K6251に準拠して引張試験を行った。引張速度はいずれも200mm/minとした。引張強さと伸び、10%モジュラスの目標は、それぞれ12MPa以上、350%以上、3.0MPa以下とした。
電線については、導体を抜き取って得られたチューブをJIS C3005に準拠して引張試験を行った。また、ケーブルについては、シースを剥ぎ取り、これをダンベル3号に切り抜き、JIS K6251に準拠して引張試験を行った。引張速度はいずれも200mm/minとした。引張強さと伸び、10%モジュラスの目標は、それぞれ12MPa以上、350%以上、3.0MPa以下とした。
(2)可とう性
可とう性は、図2に示すように、固定台21に各電線・ケーブルの試料sを固定台21から250mm水平に突出するように固定し、試料sの先端におもりwを取り付け、所定の荷重で試料sを下方に曲げたときのたわみ量hを、汎用の塩化ビニル電線・ケーブルと比較し、これと同等以上のものを○(合格)、劣るものを不合格(×)と判定した。
可とう性は、図2に示すように、固定台21に各電線・ケーブルの試料sを固定台21から250mm水平に突出するように固定し、試料sの先端におもりwを取り付け、所定の荷重で試料sを下方に曲げたときのたわみ量hを、汎用の塩化ビニル電線・ケーブルと比較し、これと同等以上のものを○(合格)、劣るものを不合格(×)と判定した。
(3)難燃性
各電線およびケーブルをJIS C3005に準拠して60°傾斜における難燃性を評価した。評価の基準は、着火確認後、60秒以内に消火したものを合格、60秒を越えて燃焼するものを不合格とした。
各電線およびケーブルをJIS C3005に準拠して60°傾斜における難燃性を評価した。評価の基準は、着火確認後、60秒以内に消火したものを合格、60秒を越えて燃焼するものを不合格とした。
(4)リサイクル性
押出外観が初期ロットと同じものを○(合格)、外観荒れを生じているものを×(不合格)とした。
押出外観が初期ロットと同じものを○(合格)、外観荒れを生じているものを×(不合格)とした。
実施例1〜5、実施例11〜13、比較例1〜5の各電線・ケーブルの樹脂組成物の配合と、その評価結果を表1に示す。ポリマ、酸化防止剤はブレンドポリマ中のwt%、難燃剤はブレンドポリマ100重量部に対する重量部で示した。
表1に示すように、実施例1〜5は、ポリオレフィンのブレンド率が60〜95wt%と40〜95wt%の範囲内であり、軟質の接着性ポリマであるマレイン酸変性エチレン・ブテンコポリマ、もしくはマレイン酸変性エチレン・プロピレンコポリマのブレンド率が40〜5wt%と60〜5wt%の範囲内であり、難燃剤としての金属水酸化物の混和量が50〜300重量部なので、引張強さが12.2〜14.2MPa、伸びが380〜600%といずれも目標に達し、引張特性が良好であることがわかる。しかも、実施例1〜5は、10%モジュラスが1.4〜2.8MPaといずれも目標に達し、可とう性に優れるだけでなく、難燃性、リサイクル性にも優れていることがわかる。
また、実施例11〜13も、ポリオレフィンのブレンド率が40〜60wt%、マレイン酸変性エチレン・ブテンコポリマ、もしくはマレイン酸変性エチレン・プロピレンコポリマのブレンド率が60〜40wt%、難燃剤の混和量が50〜100重量部と50〜300重量部の範囲内なので、引張強さが13.2〜15.4MPa、伸びが480〜540%といずれも目標に達し、引張特性が良好であることがわかる。しかも、実施例11〜13は、10%モジュラスが1.3〜2MPaといずれも目標に達し、可とう性に優れるだけでなく、難燃性、リサイクル性にも優れていることがわかる。
一方、比較例1は、マレイン酸変性エチレン・プロピレンコポリマ、もしくはマレイン酸変性エチレン・ブテンコポリマを使用せず、また難燃剤が40重量部と50重量部未満なので、引張強さが低く、かつ難燃性が不合格となった。比較例2は、マレイン酸変性エチレン・プロピレンコポリマのブレンド率が65wt%と60wt%を超えるので、実施例に比べて可とう性が著しく低下した。比較例3は、硬質のマレイン酸変性ポリマであるマレイン酸変性エチレン・エチルアクリレートコポリマを使用しているので、実施例に比べて可とう性が劣った。また、比較例4は、難燃剤が350重量部と300重量部を超えるので、引張強さ、伸び、10%モジュラスが目標を満足せず、可とう性が不合格となった。比較例5は、照射線量が1Mradと非常に低いにもかかわらず、樹脂組成物を電子線照射で架橋しているので、可とう性とリサイクル性が不合格となった。
本実施の形態に係る樹脂組成物は、図1の電線1やケーブル10に限定されず、例えば、平型ケーブルのシース材料や、エスカレータのハンドレール、難燃フィルムとしても応用可能である。
1 ノンハロゲン難燃電線
2 導体
3 絶縁体(樹脂組成物)
6 シース(樹脂組成物)
10 ノンハロゲン難燃ケーブル
2 導体
3 絶縁体(樹脂組成物)
6 シース(樹脂組成物)
10 ノンハロゲン難燃ケーブル
Claims (5)
- ポリオレフィンと、無水マレイン酸で変性したエチレン系コポリマとのブレンドポリマに対し、金属水酸化物を混和してなる樹脂組成物を被覆したノンハロゲン難燃電線・ケーブルにおいて、上記無水マレイン酸で変性したエチレン系コポリマがマレイン酸変性エチレン−プロピレンコポリマ、もしくはマレイン酸変性エチレン−ブテンコポリマであることを特徴とするノンハロゲン難燃電線・ケーブル。
- 上記樹脂組成物は、上記ポリオレフィン40〜95wt%と、上記マレイン酸変性エチレン−プロピレンコポリマ、もしくは上記マレイン酸変性エチレン−ブテンコポリマ60〜5wt%とのブレンドポリマ100重量部に対し、金属水酸化物を50〜300重量部混和してなる請求項1記載のノンハロゲン難燃電線・ケーブル。
- 上記金属水酸化物が、シランカップリング剤、もしくはステアリン酸により表面処理されている請求項1または2記載のノンハロゲン難燃電線・ケーブル。
- 上記樹脂組成物を被覆して非架橋で作製した請求項1〜3いずれかに記載のノンハロゲン難燃電線・ケーブル。
- 10%モジュラスが3MPa以下である請求項1〜4いずれかに記載のノンハロゲン難燃電線・ケーブル。
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JP2004078604A JP2005268036A (ja) | 2004-03-18 | 2004-03-18 | ノンハロゲン難燃電線・ケーブル |
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