JP3776335B2 - 油中の塩素及び窒素の同時除去方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は油中の塩素及び窒素の除去方法に関わり、特に廃プラスチックを熱分解及び/又は接触分解して液化した分解油中に含まれる塩素と窒素を効果的に除去して良質の分解生成油とするための、油中塩素及び窒素の除去方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在の廃プラスチック分解油化方法による分解生成油は原料廃プラスチックの種類に応じて、例えば、50〜1000ppm程度の有機塩素又は/及び無機塩素と800〜2000ppm程度の有機窒素又は/及び無機窒素が含まれており、これらは燃焼時にHClやダイオキシン及びNOXを発生させる原因となる。従って、同分解油を脱塩素、脱窒素する技術の開発は重要な課題となっている。
このような分解油中に含まれる塩素や窒素を除く方法としてはこれまでに、例えば、酸化鉄又はその水化物と高温で接触させて脱塩素処理する方法(特開平10−180759号公報)、Fe3O4を主成分とする酸化鉄/炭素複合体と高温で接触させて脱塩素処理する方法(特開2000−80380号公報)、ポリエチレン/ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン/ポリ塩化ビニル、及びポリスチレン/ポリ塩化ビニル混合プラスチックの熱分解で得られた燃料油をFeOOHやFe3O4と接触させて脱塩素処理する方法[Ind Eng.Chem.Res.38,1406‐1410(1999)]、シリカ・アルミナ固体酸触媒を用い、常圧、400℃処理により有機窒素を低減させる方法(プラスチック化学リサイクル研究会,第3回討論会,1998,岡山,2P16「都市分別廃プラスチック熱分解油の接触改質」)等が知られている。
しかし、これら従来の技術では油中塩素濃度は10〜30ppm程度に、また油中窒素濃度は300〜400ppm程度にまでしか低減できなかった。一方、廃プラスチック分解油を燃料として活用する場合、油中塩素濃度は10ppm以下に、油中窒素濃度は100ppm以下に低減することが環境の観点から望ましい。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記した如き現状に鑑みなされたもので、油中、特に廃プラスチックを熱分解及び/又は接触分解して液化した分解油中に含まれる塩素と窒素をそれぞれ10ppm以下、及び100ppm以下にして良質の分解生成油とするための、油中塩素及び窒素の除去方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、塩素及び窒素を含有する油を密閉容器中、250℃以上で水と接触させるか、又は200℃以上でpHが7以上のアルカリ金属化合物又はアルカリ土類金属化合物の水溶液と接触させて、前記油中の塩素及び窒素を水又は前記水溶液と反応させ、反応後、油と水相を液液分離することを特徴とする、油中塩素及び窒素の同時除去方法に関する。
【0005】
また、本発明は、廃プラスチックを熱分解及び/又は接触分解して得られた分解油を密閉容器中、250℃以上で水と接触させるか、又は200℃以上でpHが7以上のアルカリ金属化合物又はアルカリ土類金属化合物の水溶液と接触させて、前記油中の塩素及び窒素を水又は前記水溶液と反応させ、反応後、油と水相を液液分離することにより油中塩素及び窒素を除去してなる分解生成油に関する。
【0006】
更に、本発明は、塩素と窒素の含有量が、それぞれ10ppm以下、及び100ppm以下である廃プラスチック分解油に関する。
【0007】
更にまた、本発明は、廃プラスチックを熱分解及び/又は接触分解して得られた分解油を密閉容器中、250℃以上で水と接触させるか、又は200℃以上でpHが7以上のアルカリ金属化合物又はアルカリ土類金属化合物の水溶液と接触させて、前記油中の塩素及び窒素を水又は前記水溶液と反応させ、反応後、油と水相を液液分離することを特徴とする、該分解油の改質方法に関する。
【0008】
即ち、本発明は従来の発明とは全く異なる技術的背景に基づく廃プラスチック分解油の脱塩素及び脱窒素処理方法に関するものであり、廃プラスチック分解油化法で製造された分解生成油を密閉容器中、要すれば、N2ガス等の不活性ガス雰囲気下、250℃以上、好ましくは350℃以上、より好ましくは400℃以上で水と接触させるか、又は200℃以上、好ましくは250℃以上、より好ましくは300℃以上で、pHが7以上のアルカリ金属化合物又はアルカリ土類金属化合物の水溶液と接触させて、油中の塩素化合物及び窒素化合物と反応させた後、油と水又は金属化合物水溶液を液液分離することにより油中の塩素と窒素を同時に除去する方法を提供するものである。
【0009】
本発明に係る、油中塩素及び窒素の同時除去方法に適用可能な油としては、塩素及び窒素を含有する油で有ればどのような油でもよいが、特に、廃プラスチックを熱分解及び/又は接触分解して得られた分解油に該方法を適用するのがより効果的である。
即ち、本発明の方法によれば、廃プラスチックを熱分解及び/又は接触分解して得られた分解油中に含まれる塩素と窒素を効果的に除去し、良質の分解生成油を回収することができるので、廃プラスチックを燃料油にリサイクルする方法として実用性が極めて高い。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明において用いられる、pHが7以上のアルカリ金属化合物又はアルカリ土類金属化合物の水溶液としては、特にこれらに限定されるものではないが、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム等のアルカリ金属類や、例えば、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム等のアルカリ土類金属類の水酸化物、酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩、塩基性炭酸塩、脂肪酸塩、燐酸塩及び燐酸水素塩等が好ましいものとして挙げられる。
【0011】
本発明の改質方法、除去方法において、脱塩素反応、脱窒素反応に用いられる密閉容器としては、回分式反応器及び流通式充填層管型反応器が挙げられる。
【0012】
改質反応(脱塩素反応、脱窒素反応)の反応条件としては、塩素及び窒素を含有する油を密閉容器中、要すれば、N2ガス等の不活性ガス雰囲気下、250℃以上で水と接触させるか、又は200℃以上でpHが7以上のアルカリ金属化合物又はアルカリ土類金属化合物の水溶液と接触させて、前記油中の塩素及び窒素を水又は前記水溶液と反応させるわけであるが、このように、水を使用した密閉容器中高温下の反応においては、必然的に系内の圧力は上昇し、反応温度によって内圧は40MPa付近まで上昇する。
従って、回分式反応では、水の亜臨界条件下[気液共存状態(水の分圧は水の飽和蒸気圧にほぼ等しい)]〜超臨界条件下[なお、内容積4.0cm3の反応器を使用した場合、油の体積を無視すると、水の分圧は水1g使用時で22MPa(375℃),28MPa(400℃),33MPa(425℃)にほぼ等しい。]で反応が行われる。
また、流通式反応では、亜臨界条件下(全圧は水の飽和蒸気圧+0.5MPa、故に反応はほぼ完全な液相反応。)で反応が行われる。
(因みに、水の臨界定数は、臨界温度374.2℃、臨界圧力22.12MPaである。)
反応終了後は、油相と水相を分離して、燃料用等にリサイクルし得る油相を分取すればよい。
【0013】
本発明の方法を流通式充填層管型反応器を用いて実施する場合の油の処理装置の一例を図1に模式図で示す。
【0014】
本発明の方法により得られた改質油の分析方法としては、例えば、以下の如き方法が挙げられる。
(i)回分式反応の場合
反応終了→室温に冷却→反応生成物を水とエチルエーテルで洗い出し→0.025または0.50mol/L硫酸で中性〜微酸性化→油相+水相1→油相を水で洗浄→油相+水相2→油相を無水Na2SO4で乾燥→室温でのエーテル減圧留去→改質油
改質油Cl含有量:水相1+水相2→水相 :イオンクロマトグラフ法でCl−濃度測定
改質油N含有量:元素分析法
(ii)流通式反応の場合
反応生成物 →0.50mol/L 硫酸で中性〜微酸性化→油の一部をとり、エチルエーテルに溶解→水で洗浄→油相→無水のNa2SO4で乾燥→室温でのエーテル減圧留去→改質油
改質油Cl含有量:0.5N NaOHと375℃、30分反応→中和後水相のCl−濃度をイオンクロマトグラフ法で測定
改質油N含有量:元素分析法
【0015】
【実施例】
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。
【0016】
実施例1
原料の廃プラスチック熱分解油として、新潟プラスチック油化センター:歴世礦油(株)製分留塔中段油[A重油相当留分。元素分析値(w%) C:86.5、H:11.8、O:0.2、N:0.115、S:0.0043、Cl:62ppm(無機Cl:8ppm,有機Cl:54ppm)]を用いた。
反応は、外径1/2吋,肉厚2mm,長さ6.7cmのSUS316製管の両端をcap型ユニオンで密閉した封管(内容積4.0cm3)(回分式反応器)を用い、N2雰囲気下、温度:室温〜425℃(坩堝炉)、反応時間15−60分で実施した。
反応原料組成は熱分解油1.0g+水又はアルカリ水溶液1.0gとした。
反応終了後、内容物をエチルエーテルと水で洗浄・抽出し、油相と水相を分離した。油相は無水Na2SO4で乾燥後、室温でエーテルを減圧留去して生成油を得、元素分析法で残留窒素濃度を決定した。水相は0.025mol/L H2SO4で中和後、イオンクロマトグラフ法で塩化物イオン濃度を測定し、生成油中の残留塩素濃度を決定した。
【0017】
(1)水による燃料油(廃プラスチック熱分解油)の改質(温度の影響)
結果を表1及び図2に示す。但し、反応時間は何れも30分である。
【0018】
【表1】
【0019】
但し、図2中、●は生成油中の塩素含有量を示し、○は生成油中の窒素含有量を示す。
表1及び図2から明らかな如く、反応温度は、350℃よりも375℃、375℃よりも400℃、400℃よりも425℃と高いほど明らかに良い結果が得られている。
【0020】
(2)アルカリ金属及びアルカリ土類金属水酸化物水溶液による燃料油の改質
結果を表2及び図3に示す。但し、水溶液濃度:0.05N、反応温度:350℃、反応時間:30分。
【0021】
【表2】
【0022】
表2及び図3から明らかな如く、アルカリ土類金属水酸化物よりもアルカリ金属水酸化物の方が一般的に効果が大きいようである。
(3)その他のアルカリ金属及びアルカリ土類金属化合物の水溶液による燃料油の改質
結果を表3に示す。但し、水溶液濃度:0.05N又は金属イオン濃度として0.05M、反応温度:350℃、反応時間:30分。
【0023】
【表3】
【0024】
(4)0.05N NaOH水溶液による燃料油の改質(温度の影響)
結果を表4及び図4に示す。但し、反応時間は何れも30分である。
【0025】
【表4】
【0026】
但し、図4中、●は生成油中の塩素含有量を示し、○は生成油中の窒素含有量を示す。
表4及び図4から明らかな如く、この場合も、反応温度は、300℃よりも325℃、325℃よりも350℃、350℃よりも375℃、375℃よりも400℃と高いほど明らかに良い結果が得られている。
【0027】
(5)燃料油の改質に及ぼす反応時間の影響
結果を表5及び図5に示す。
【0028】
【表5】
【0029】
但し、図5中、○はH2O,425℃の、□は0.05N NaOH,350℃の、△は0.10N NaOH,375℃の場合の結果をそれぞれ示す。
表5及び図5から明らかな如く、反応時間は、15分より30分、30分より45分、45分より60分と、長い方が明らかによい結果がでている。
【0030】
(6)燃料油の改質に及ぼす原料質量比の影響
結果を表6及び図6に示す。但し、熱分解油:1.0g使用、反応温度:350℃、反応時間:30分。
【0031】
【表6】
【0032】
但し、図6中、○及び●は0.05N NaOHを用いた場合の、また、△及び▲は0.10N NaOHを用いた場合の結果をそれぞれ示す。
表6及び図6から明らかな如く、原料質量比(NaOHsoln/Oil)は、0.25より0.50、0.50より0.75、0.75より1.00と大きいほど明らかによい結果がでている。
【0033】
(7)燃料油の改質に及ぼすアルカリ濃度の影響
結果を表7に示す。
但し、反応温度:300℃、反応時間:30分。
【0034】
【表7】
【0035】
表7から明らかな如く、アルカリ濃度は、0.05Nよりも0.10N、0.10Nよりも0.20Nと、高いほど明らかによい結果がでている。
【0036】
実施例2
原料として、実施例1と同じ廃プラスチック熱分解油を用い、反応器として、流通式充填層管型反応器[外径1/2吋,肉厚2mm,長さ16.7cmのSUS316製管(内容積10.0cm3)の内部に3mmラシヒリングを充填したものを1本(内容積6.2cm3 )又は2本(内容積11.6cm3)を直列に接続したもの]を使用して、改質反応を実施した。
【0037】
(1)燃料油の改質に及ぼす反応管内流体線速度の影響
結果を表8に示す。但し、反応原料供給比:0.05N NaOH/燃料油=1/1(w/w)、反応温度:275℃、圧力:6.5MPa、滞留時間:2.75分。
【0038】
【表8】
【0039】
表8から明らかな如く、流通式反応における反応管内流体線速度は、6.07cm/minと11.30cm/minとで、結果に大差なく、反応に影響がないようである。即ち、改質反応は、これらの反応管内流体線速度において、拡散律速でなく、反応律速で進行している。
【0040】
(2)燃料油の改質に及ぼす反応温度の影響
結果を表9及び図7に示す。但し、反応原料供給比:水又は水溶液/燃料油=1/1(w/w)、反応管内流体線速度:6.07cm/min、反応圧力:4.5MPa(250℃),6.5MPa(275℃),9.0MPa(300℃),12.5MPa(325℃)。
【0041】
【表9】
【0042】
但し、図7中、△はH2O(滞留時間2.75分)の、○は0.05N NaOH(2.75分)の、□は0.05N NaOH(5.50分)の、◇は0.10N NaOH(5.50分)の場合の結果をそれぞれ示す。
表9及び図7から明らかな如く、流通式反応の場合も、反応温度は高いほど、また、アルカリ濃度も高いほど明らかによい結果が得られることが判る。更に、回分式反応における反応時間に相当する滞留時間も当然のことながら長い方がよい結果が得られている。
【0043】
(3)燃料油の改質に及ぼす反応原料供給比の影響
結果を表10及び図8に示す。但し、NaOH水溶液濃度:0.10N、滞留時間:5.50分、反応管内流体線速度:6.07cm/min。
【0044】
【表10】
【0045】
但し、図8中、○は300℃,9.0MPaの場合の、また、△は325℃、12.5MPaの場合の結果をそれぞれ示す。
表10及び図8から明らかな如く、流通式反応の場合も、原料供給比(NaOHsoln/Oil)は、0.25より0.50、0.50より0.75、0.75より1.00と大きいほど明らかによい結果がでている。また、この実験においても、反応温度300℃に比べて反応温度325℃の方が明らかによい結果が得られている。
【0046】
以上の結果をまとめると、
▲1▼水を使用する場合も、アルカリ金属化合物或いはアルカリ土類金属化合物の水溶液(以下、単に、アルカリ水溶液と略す。)を使用する場合も、反応温度は高いほどよい。
▲2▼反応時間(滞留時間)は長いほどよい。
▲3▼アルカリ水溶液を使用する場合のアルカリの濃度は高いほどよい。
▲4▼アルカリ金属化合物とアルカリ土類金属化合物とでは、アルカリ金属化合物の方がより効果的である。
▲5▼原料質量比(原料供給比)(アルカリ水溶液/Oil)は大きいほどよい。と言うことになる。
なお、この結論は、回分式反応の場合にも、流通式反応の場合にも当てはまる。
上記結論を踏まえて、状況に合わせて、また、所用設備の容量、能力、ユーティリティー等を考慮して、好ましい条件を適宜選択することにより、目的に適った改質油を必要に応じて随時得ることが出来る。
【0047】
なお、特に有効な処理条件としては、例えば、
(i)流通式充填層管型反応器を使用し、0.10N NaOH水溶液を熱分解油1重量に対して1重量用い、反応温度300℃(9.0MPa)乃至それ以上で、滞留時間5.50分間。
(ii)流通式充填層管型反応器を使用し、0.10N NaOH水溶液を熱分解油1重量に対して0.50重量乃至それ以上用い、反応温度325℃(12.5MPa)乃至それ以上で、滞留時間5.50分間。
(iii)回分式反応器を使用し、0.10N NaOH水溶液を熱分解油1重量に対して1重量用い、反応温度375℃乃至それ以上で、反応時間15分間乃至それ以上。
(iv)回分式反応器を使用し、0.05N NaOH水溶液を熱分解油1重量に対して1重量用い、反応温度375℃乃至それ以上で、反応時間30分間乃至それ以上。
(v)回分式反応器を使用し、水を熱分解油1重量に対して1重量用い、反応温度425℃乃至それ以上で、反応時間45分間乃至それ以上。
等が挙げられる。
なお、上記(i)〜(v)の条件下においては、何れの場合も塩素含有量10ppm以下で、且つ窒素含有量100ppm以下の分解油が得られる。
【0048】
【発明の効果】
本発明は油中、特に廃プラスチックを熱分解及び/又は接触分解して液化した分解油中に含まれる塩素と窒素を効果的に除去して良質の分解生成油とするための、油中塩素及び窒素の除去方法に関するもので、本発明の方法によれば、このような分解油中の塩素濃度を10ppm以下、油中窒素濃度を100ppm以下とすることが出来る点に格別顕著な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の方法を流通式充填層管型反応器を用いて実施する場合の油の処理装置の一例を模式図で示したものである。
【図2】図2は、回分式反応器を使用した場合における、水による燃料油(廃プラスチック熱分解油)の改質(温度の影響)について調べたものである。
【図3】図3は、回分式反応器を使用した場合における、アルカリ金属及びアルカリ土類金属水酸化物水溶液による燃料油の改質について調べたものである。
【図4】図4は、回分式反応器を使用した場合における、0.05N NaOH水溶液による燃料油の改質(温度の影響)について調べたものである。
【図5】図5は、回分式反応器を使用した場合における、燃料油の改質に及ぼす反応時間の影響について調べたものである。
【図6】図6は、回分式反応器を使用した場合における、燃料油の改質に及ぼす原料質量比の影響について調べたものである。
【図7】図7は、流通式充填層管型反応器を使用した場合における、燃料油の改質に及ぼす反応温度の影響について調べたものである。
【図8】図8は、流通式充填層管型反応器を使用した場合における、燃料油の改質に及ぼす反応原料供給比の影響について調べたものである。
Claims (7)
- 窒素を含有する油と水とを、250℃〜水の臨界温度未満の温度ならびに水の飽和蒸気圧〜水の臨界圧力未満の圧力の下で密閉容器中において反応させるか、又は窒素を含有する油とpHが7以上のアルカリ金属化合物又はアルカリ土類金属化合物の水溶液とを、200℃〜水の臨界温度未満の温度ならびに水の飽和蒸気圧〜水の臨界圧力未満の圧力の下で密閉容器中において反応させた後、油相と水相を分離することを特徴とする、油中窒素の除去方法。
- 圧力が水の飽和蒸気圧〜水の飽和蒸気圧+0.5MPaである、請求項1に記載の除去方法。
- 窒素を含有する油とpHが7以上のアルカリ金属化合物又はアルカリ土類金属化合物の水溶液との反応温度が250℃〜水の臨界温度未満の温度である、請求項1または2に記載の油中窒素の除去方法。
- 窒素を含有する油とpHが7以上のアルカリ金属化合物又はアルカリ土類金属化合物の水溶液との反応温度が300℃〜水の臨界温度未満の温度である、請求項2に記載の油中窒素の除去方法。
- アルカリ金属化合物又はアルカリ土類金属化合物が、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物、酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩、塩基性炭酸塩、脂肪酸塩、燐酸塩及び燐酸水素塩から選ばれた1種以上である、請求項1〜4の何れかに記載の油中窒素の除去方法。
- 窒素を含有する油が廃プラスチックを熱分解及び/又は接触分解して得られた分解油である、請求項1〜5の何れかに記載の油中窒素の除去方法。
- 廃プラスチックを熱分解及び/又は接触分解して得られた分解油と水とを、250℃〜水の臨界温度未満の温度ならびに水の飽和蒸気圧〜水の臨界圧力未満の圧力の下で密閉容器中において反応させるか、又は廃プラスチックを熱分解及び/又は接触分解して得られた分解油とpHが7以上のアルカリ金属化合物又はアルカリ土類金属化合物の水溶液とを、200℃〜水の臨界温度未満の温度ならびに水の飽和蒸気圧〜水の臨界圧力未満の圧力の下で密閉容器中において反応させた後、油相と水相を分離することを特徴とする、該分解油の改質方法。
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