JP3776335B2 - 油中の塩素及び窒素の同時除去方法 - Google Patents

油中の塩素及び窒素の同時除去方法 Download PDF

Info

Publication number
JP3776335B2
JP3776335B2 JP2001224205A JP2001224205A JP3776335B2 JP 3776335 B2 JP3776335 B2 JP 3776335B2 JP 2001224205 A JP2001224205 A JP 2001224205A JP 2001224205 A JP2001224205 A JP 2001224205A JP 3776335 B2 JP3776335 B2 JP 3776335B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
oil
water
nitrogen
temperature
pressure
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2001224205A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2003034794A (ja
Inventor
正道 秋元
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Japan Science and Technology Agency
National Institute of Japan Science and Technology Agency
Original Assignee
Japan Science and Technology Agency
National Institute of Japan Science and Technology Agency
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Japan Science and Technology Agency, National Institute of Japan Science and Technology Agency filed Critical Japan Science and Technology Agency
Priority to JP2001224205A priority Critical patent/JP3776335B2/ja
Publication of JP2003034794A publication Critical patent/JP2003034794A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3776335B2 publication Critical patent/JP3776335B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は油中の塩素及び窒素の除去方法に関わり、特に廃プラスチックを熱分解及び/又は接触分解して液化した分解油中に含まれる塩素と窒素を効果的に除去して良質の分解生成油とするための、油中塩素及び窒素の除去方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在の廃プラスチック分解油化方法による分解生成油は原料廃プラスチックの種類に応じて、例えば、50〜1000ppm程度の有機塩素又は/及び無機塩素と800〜2000ppm程度の有機窒素又は/及び無機窒素が含まれており、これらは燃焼時にHClやダイオキシン及びNOを発生させる原因となる。従って、同分解油を脱塩素、脱窒素する技術の開発は重要な課題となっている。
このような分解油中に含まれる塩素や窒素を除く方法としてはこれまでに、例えば、酸化鉄又はその水化物と高温で接触させて脱塩素処理する方法(特開平10−180759号公報)、Feを主成分とする酸化鉄/炭素複合体と高温で接触させて脱塩素処理する方法(特開2000−80380号公報)、ポリエチレン/ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン/ポリ塩化ビニル、及びポリスチレン/ポリ塩化ビニル混合プラスチックの熱分解で得られた燃料油をFeOOHやFeと接触させて脱塩素処理する方法[Ind Eng.Chem.Res.38,1406‐1410(1999)]、シリカ・アルミナ固体酸触媒を用い、常圧、400℃処理により有機窒素を低減させる方法(プラスチック化学リサイクル研究会,第3回討論会,1998,岡山,2P16「都市分別廃プラスチック熱分解油の接触改質」)等が知られている。
しかし、これら従来の技術では油中塩素濃度は10〜30ppm程度に、また油中窒素濃度は300〜400ppm程度にまでしか低減できなかった。一方、廃プラスチック分解油を燃料として活用する場合、油中塩素濃度は10ppm以下に、油中窒素濃度は100ppm以下に低減することが環境の観点から望ましい。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記した如き現状に鑑みなされたもので、油中、特に廃プラスチックを熱分解及び/又は接触分解して液化した分解油中に含まれる塩素と窒素をそれぞれ10ppm以下、及び100ppm以下にして良質の分解生成油とするための、油中塩素及び窒素の除去方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、塩素及び窒素を含有する油を密閉容器中、250℃以上で水と接触させるか、又は200℃以上でpHが7以上のアルカリ金属化合物又はアルカリ土類金属化合物の水溶液と接触させて、前記油中の塩素及び窒素を水又は前記水溶液と反応させ、反応後、油と水相を液液分離することを特徴とする、油中塩素及び窒素の同時除去方法に関する。
【0005】
また、本発明は、廃プラスチックを熱分解及び/又は接触分解して得られた分解油を密閉容器中、250℃以上で水と接触させるか、又は200℃以上でpHが7以上のアルカリ金属化合物又はアルカリ土類金属化合物の水溶液と接触させて、前記油中の塩素及び窒素を水又は前記水溶液と反応させ、反応後、油と水相を液液分離することにより油中塩素及び窒素を除去してなる分解生成油に関する。
【0006】
更に、本発明は、塩素と窒素の含有量が、それぞれ10ppm以下、及び100ppm以下である廃プラスチック分解油に関する。
【0007】
更にまた、本発明は、廃プラスチックを熱分解及び/又は接触分解して得られた分解油を密閉容器中、250℃以上で水と接触させるか、又は200℃以上でpHが7以上のアルカリ金属化合物又はアルカリ土類金属化合物の水溶液と接触させて、前記油中の塩素及び窒素を水又は前記水溶液と反応させ、反応後、油と水相を液液分離することを特徴とする、該分解油の改質方法に関する。
【0008】
即ち、本発明は従来の発明とは全く異なる技術的背景に基づく廃プラスチック分解油の脱塩素及び脱窒素処理方法に関するものであり、廃プラスチック分解油化法で製造された分解生成油を密閉容器中、要すれば、Nガス等の不活性ガス雰囲気下、250℃以上、好ましくは350℃以上、より好ましくは400℃以上で水と接触させるか、又は200℃以上、好ましくは250℃以上、より好ましくは300℃以上で、pHが7以上のアルカリ金属化合物又はアルカリ土類金属化合物の水溶液と接触させて、油中の塩素化合物及び窒素化合物と反応させた後、油と水又は金属化合物水溶液を液液分離することにより油中の塩素と窒素を同時に除去する方法を提供するものである。
【0009】
本発明に係る、油中塩素及び窒素の同時除去方法に適用可能な油としては、塩素及び窒素を含有する油で有ればどのような油でもよいが、特に、廃プラスチックを熱分解及び/又は接触分解して得られた分解油に該方法を適用するのがより効果的である。
即ち、本発明の方法によれば、廃プラスチックを熱分解及び/又は接触分解して得られた分解油中に含まれる塩素と窒素を効果的に除去し、良質の分解生成油を回収することができるので、廃プラスチックを燃料油にリサイクルする方法として実用性が極めて高い。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明において用いられる、pHが7以上のアルカリ金属化合物又はアルカリ土類金属化合物の水溶液としては、特にこれらに限定されるものではないが、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム等のアルカリ金属類や、例えば、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム等のアルカリ土類金属類の水酸化物、酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩、塩基性炭酸塩、脂肪酸塩、燐酸塩及び燐酸水素塩等が好ましいものとして挙げられる。
【0011】
本発明の改質方法、除去方法において、脱塩素反応、脱窒素反応に用いられる密閉容器としては、回分式反応器及び流通式充填層管型反応器が挙げられる。
【0012】
改質反応(脱塩素反応、脱窒素反応)の反応条件としては、塩素及び窒素を含有する油を密閉容器中、要すれば、Nガス等の不活性ガス雰囲気下、250℃以上で水と接触させるか、又は200℃以上でpHが7以上のアルカリ金属化合物又はアルカリ土類金属化合物の水溶液と接触させて、前記油中の塩素及び窒素を水又は前記水溶液と反応させるわけであるが、このように、水を使用した密閉容器中高温下の反応においては、必然的に系内の圧力は上昇し、反応温度によって内圧は40MPa付近まで上昇する。
従って、回分式反応では、水の亜臨界条件下[気液共存状態(水の分圧は水の飽和蒸気圧にほぼ等しい)]〜超臨界条件下[なお、内容積4.0cmの反応器を使用した場合、油の体積を無視すると、水の分圧は水1g使用時で22MPa(375℃),28MPa(400℃),33MPa(425℃)にほぼ等しい。]で反応が行われる。
また、流通式反応では、亜臨界条件下(全圧は水の飽和蒸気圧+0.5MPa、故に反応はほぼ完全な液相反応。)で反応が行われる。
(因みに、水の臨界定数は、臨界温度374.2℃、臨界圧力22.12MPaである。)
反応終了後は、油相と水相を分離して、燃料用等にリサイクルし得る油相を分取すればよい。
【0013】
本発明の方法を流通式充填層管型反応器を用いて実施する場合の油の処理装置の一例を図1に模式図で示す。
【0014】
本発明の方法により得られた改質油の分析方法としては、例えば、以下の如き方法が挙げられる。
(i)回分式反応の場合
反応終了→室温に冷却→反応生成物を水とエチルエーテルで洗い出し→0.025または0.50mol/L硫酸で中性〜微酸性化→油相+水相1→油相を水で洗浄→油相+水相2→油相を無水NaSOで乾燥→室温でのエーテル減圧留去→改質油
改質油Cl含有量:水相1+水相2→水相 :イオンクロマトグラフ法でCl濃度測定
改質油N含有量:元素分析法
(ii)流通式反応の場合
反応生成物 →0.50mol/L 硫酸で中性〜微酸性化→油の一部をとり、エチルエーテルに溶解→水で洗浄→油相→無水のNaSOで乾燥→室温でのエーテル減圧留去→改質油
改質油Cl含有量:0.5N NaOHと375℃、30分反応→中和後水相のCl濃度をイオンクロマトグラフ法で測定
改質油N含有量:元素分析法
【0015】
【実施例】
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。
【0016】
実施例1
原料の廃プラスチック熱分解油として、新潟プラスチック油化センター:歴世礦油(株)製分留塔中段油[A重油相当留分。元素分析値(w%) C:86.5、H:11.8、O:0.2、N:0.115、S:0.0043、Cl:62ppm(無機Cl:8ppm,有機Cl:54ppm)]を用いた。
反応は、外径1/2吋,肉厚2mm,長さ6.7cmのSUS316製管の両端をcap型ユニオンで密閉した封管(内容積4.0cm)(回分式反応器)を用い、N雰囲気下、温度:室温〜425℃(坩堝炉)、反応時間15−60分で実施した。
反応原料組成は熱分解油1.0g+水又はアルカリ水溶液1.0gとした。
反応終了後、内容物をエチルエーテルと水で洗浄・抽出し、油相と水相を分離した。油相は無水NaSOで乾燥後、室温でエーテルを減圧留去して生成油を得、元素分析法で残留窒素濃度を決定した。水相は0.025mol/L HSOで中和後、イオンクロマトグラフ法で塩化物イオン濃度を測定し、生成油中の残留塩素濃度を決定した。
【0017】
(1)水による燃料油(廃プラスチック熱分解油)の改質(温度の影響)
結果を表1及び図2に示す。但し、反応時間は何れも30分である。
【0018】
【表1】
Figure 0003776335
【0019】
但し、図2中、●は生成油中の塩素含有量を示し、○は生成油中の窒素含有量を示す。
表1及び図2から明らかな如く、反応温度は、350℃よりも375℃、375℃よりも400℃、400℃よりも425℃と高いほど明らかに良い結果が得られている。
【0020】
(2)アルカリ金属及びアルカリ土類金属水酸化物水溶液による燃料油の改質
結果を表2及び図3に示す。但し、水溶液濃度:0.05N、反応温度:350℃、反応時間:30分。
【0021】
【表2】
Figure 0003776335
【0022】
表2及び図3から明らかな如く、アルカリ土類金属水酸化物よりもアルカリ金属水酸化物の方が一般的に効果が大きいようである。
(3)その他のアルカリ金属及びアルカリ土類金属化合物の水溶液による燃料油の改質
結果を表3に示す。但し、水溶液濃度:0.05N又は金属イオン濃度として0.05M、反応温度:350℃、反応時間:30分。
【0023】
【表3】
Figure 0003776335
【0024】
(4)0.05N NaOH水溶液による燃料油の改質(温度の影響)
結果を表4及び図4に示す。但し、反応時間は何れも30分である。
【0025】
【表4】
Figure 0003776335
【0026】
但し、図4中、●は生成油中の塩素含有量を示し、○は生成油中の窒素含有量を示す。
表4及び図4から明らかな如く、この場合も、反応温度は、300℃よりも325℃、325℃よりも350℃、350℃よりも375℃、375℃よりも400℃と高いほど明らかに良い結果が得られている。
【0027】
(5)燃料油の改質に及ぼす反応時間の影響
結果を表5及び図5に示す。
【0028】
【表5】
Figure 0003776335
【0029】
但し、図5中、○はHO,425℃の、□は0.05N NaOH,350℃の、△は0.10N NaOH,375℃の場合の結果をそれぞれ示す。
表5及び図5から明らかな如く、反応時間は、15分より30分、30分より45分、45分より60分と、長い方が明らかによい結果がでている。
【0030】
(6)燃料油の改質に及ぼす原料質量比の影響
結果を表6及び図6に示す。但し、熱分解油:1.0g使用、反応温度:350℃、反応時間:30分。
【0031】
【表6】
Figure 0003776335
【0032】
但し、図6中、○及び●は0.05N NaOHを用いた場合の、また、△及び▲は0.10N NaOHを用いた場合の結果をそれぞれ示す。
表6及び図6から明らかな如く、原料質量比(NaOHsoln/Oil)は、0.25より0.50、0.50より0.75、0.75より1.00と大きいほど明らかによい結果がでている。
【0033】
(7)燃料油の改質に及ぼすアルカリ濃度の影響
結果を表7に示す。
但し、反応温度:300℃、反応時間:30分。
【0034】
【表7】
Figure 0003776335
【0035】
表7から明らかな如く、アルカリ濃度は、0.05Nよりも0.10N、0.10Nよりも0.20Nと、高いほど明らかによい結果がでている。
【0036】
実施例2
原料として、実施例1と同じ廃プラスチック熱分解油を用い、反応器として、流通式充填層管型反応器[外径1/2吋,肉厚2mm,長さ16.7cmのSUS316製管(内容積10.0cm)の内部に3mmラシヒリングを充填したものを1本(内容積6.2cm )又は2本(内容積11.6cm)を直列に接続したもの]を使用して、改質反応を実施した。
【0037】
(1)燃料油の改質に及ぼす反応管内流体線速度の影響
結果を表8に示す。但し、反応原料供給比:0.05N NaOH/燃料油=1/1(w/w)、反応温度:275℃、圧力:6.5MPa、滞留時間:2.75分。
【0038】
【表8】
Figure 0003776335
【0039】
表8から明らかな如く、流通式反応における反応管内流体線速度は、6.07cm/minと11.30cm/minとで、結果に大差なく、反応に影響がないようである。即ち、改質反応は、これらの反応管内流体線速度において、拡散律速でなく、反応律速で進行している。
【0040】
(2)燃料油の改質に及ぼす反応温度の影響
結果を表9及び図7に示す。但し、反応原料供給比:水又は水溶液/燃料油=1/1(w/w)、反応管内流体線速度:6.07cm/min、反応圧力:4.5MPa(250℃),6.5MPa(275℃),9.0MPa(300℃),12.5MPa(325℃)。
【0041】
【表9】
Figure 0003776335
【0042】
但し、図7中、△はHO(滞留時間2.75分)の、○は0.05N NaOH(2.75分)の、□は0.05N NaOH(5.50分)の、◇は0.10N NaOH(5.50分)の場合の結果をそれぞれ示す。
表9及び図7から明らかな如く、流通式反応の場合も、反応温度は高いほど、また、アルカリ濃度も高いほど明らかによい結果が得られることが判る。更に、回分式反応における反応時間に相当する滞留時間も当然のことながら長い方がよい結果が得られている。
【0043】
(3)燃料油の改質に及ぼす反応原料供給比の影響
結果を表10及び図8に示す。但し、NaOH水溶液濃度:0.10N、滞留時間:5.50分、反応管内流体線速度:6.07cm/min。
【0044】
【表10】
Figure 0003776335
【0045】
但し、図8中、○は300℃,9.0MPaの場合の、また、△は325℃、12.5MPaの場合の結果をそれぞれ示す。
表10及び図8から明らかな如く、流通式反応の場合も、原料供給比(NaOHsoln/Oil)は、0.25より0.50、0.50より0.75、0.75より1.00と大きいほど明らかによい結果がでている。また、この実験においても、反応温度300℃に比べて反応温度325℃の方が明らかによい結果が得られている。
【0046】
以上の結果をまとめると、
▲1▼水を使用する場合も、アルカリ金属化合物或いはアルカリ土類金属化合物の水溶液(以下、単に、アルカリ水溶液と略す。)を使用する場合も、反応温度は高いほどよい。
▲2▼反応時間(滞留時間)は長いほどよい。
▲3▼アルカリ水溶液を使用する場合のアルカリの濃度は高いほどよい。
▲4▼アルカリ金属化合物とアルカリ土類金属化合物とでは、アルカリ金属化合物の方がより効果的である。
▲5▼原料質量比(原料供給比)(アルカリ水溶液/Oil)は大きいほどよい。と言うことになる。
なお、この結論は、回分式反応の場合にも、流通式反応の場合にも当てはまる。
上記結論を踏まえて、状況に合わせて、また、所用設備の容量、能力、ユーティリティー等を考慮して、好ましい条件を適宜選択することにより、目的に適った改質油を必要に応じて随時得ることが出来る。
【0047】
なお、特に有効な処理条件としては、例えば、
(i)流通式充填層管型反応器を使用し、0.10N NaOH水溶液を熱分解油1重量に対して1重量用い、反応温度300℃(9.0MPa)乃至それ以上で、滞留時間5.50分間。
(ii)流通式充填層管型反応器を使用し、0.10N NaOH水溶液を熱分解油1重量に対して0.50重量乃至それ以上用い、反応温度325℃(12.5MPa)乃至それ以上で、滞留時間5.50分間。
(iii)回分式反応器を使用し、0.10N NaOH水溶液を熱分解油1重量に対して1重量用い、反応温度375℃乃至それ以上で、反応時間15分間乃至それ以上。
(iv)回分式反応器を使用し、0.05N NaOH水溶液を熱分解油1重量に対して1重量用い、反応温度375℃乃至それ以上で、反応時間30分間乃至それ以上。
(v)回分式反応器を使用し、水を熱分解油1重量に対して1重量用い、反応温度425℃乃至それ以上で、反応時間45分間乃至それ以上。
等が挙げられる。
なお、上記(i)〜(v)の条件下においては、何れの場合も塩素含有量10ppm以下で、且つ窒素含有量100ppm以下の分解油が得られる。
【0048】
【発明の効果】
本発明は油中、特に廃プラスチックを熱分解及び/又は接触分解して液化した分解油中に含まれる塩素と窒素を効果的に除去して良質の分解生成油とするための、油中塩素及び窒素の除去方法に関するもので、本発明の方法によれば、このような分解油中の塩素濃度を10ppm以下、油中窒素濃度を100ppm以下とすることが出来る点に格別顕著な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の方法を流通式充填層管型反応器を用いて実施する場合の油の処理装置の一例を模式図で示したものである。
【図2】図2は、回分式反応器を使用した場合における、水による燃料油(廃プラスチック熱分解油)の改質(温度の影響)について調べたものである。
【図3】図3は、回分式反応器を使用した場合における、アルカリ金属及びアルカリ土類金属水酸化物水溶液による燃料油の改質について調べたものである。
【図4】図4は、回分式反応器を使用した場合における、0.05N NaOH水溶液による燃料油の改質(温度の影響)について調べたものである。
【図5】図5は、回分式反応器を使用した場合における、燃料油の改質に及ぼす反応時間の影響について調べたものである。
【図6】図6は、回分式反応器を使用した場合における、燃料油の改質に及ぼす原料質量比の影響について調べたものである。
【図7】図7は、流通式充填層管型反応器を使用した場合における、燃料油の改質に及ぼす反応温度の影響について調べたものである。
【図8】図8は、流通式充填層管型反応器を使用した場合における、燃料油の改質に及ぼす反応原料供給比の影響について調べたものである。

Claims (7)

  1. 窒素を含有する油と水とを、250℃〜水の臨界温度未満の温度ならびに水の飽和蒸気圧〜水の臨界圧力未満の圧力の下で密閉容器中において反応させるか、又は窒素を含有する油とpHが7以上のアルカリ金属化合物又はアルカリ土類金属化合物の水溶液とを、200℃〜水の臨界温度未満の温度ならびに水の飽和蒸気圧〜水の臨界圧力未満の圧力の下で密閉容器中において反応させた後、油相と水相を分離することを特徴とする、油中窒素の除去方法。
  2. 圧力が水の飽和蒸気圧〜水の飽和蒸気圧+0.5MPaである、請求項1に記載の除去方法。
  3. 窒素を含有する油とpHが7以上のアルカリ金属化合物又はアルカリ土類金属化合物の水溶液との反応温度が250℃〜水の臨界温度未満の温度である、請求項1または2に記載の油中窒素の除去方法。
  4. 窒素を含有する油とpHが7以上のアルカリ金属化合物又はアルカリ土類金属化合物の水溶液との反応温度が300℃〜水の臨界温度未満の温度である、請求項に記載の油中窒素の除去方法。
  5. アルカリ金属化合物又はアルカリ土類金属化合物が、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物、酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩、塩基性炭酸塩、脂肪酸塩、燐酸塩及び燐酸水素塩から選ばれた1種以上である、請求項1〜4の何れかに記載の油中窒素の除去方法。
  6. 窒素を含有する油が廃プラスチックを熱分解及び/又は接触分解して得られた分解油である、請求項1〜5の何れかに記載の油中窒素の除去方法。
  7. 廃プラスチックを熱分解及び/又は接触分解して得られた分解油と水とを、250℃〜水の臨界温度未満の温度ならびに水の飽和蒸気圧〜水の臨界圧力未満の圧力の下で密閉容器中において反応させるか、又は廃プラスチックを熱分解及び/又は接触分解して得られた分解油とpHが7以上のアルカリ金属化合物又はアルカリ土類金属化合物の水溶液とを、200℃〜水の臨界温度未満の温度ならびに水の飽和蒸気圧〜水の臨界圧力未満の圧力の下で密閉容器中において反応させた後、油相と水相を分離することを特徴とする、該分解油の改質方法。
JP2001224205A 2001-07-25 2001-07-25 油中の塩素及び窒素の同時除去方法 Expired - Fee Related JP3776335B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001224205A JP3776335B2 (ja) 2001-07-25 2001-07-25 油中の塩素及び窒素の同時除去方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001224205A JP3776335B2 (ja) 2001-07-25 2001-07-25 油中の塩素及び窒素の同時除去方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003034794A JP2003034794A (ja) 2003-02-07
JP3776335B2 true JP3776335B2 (ja) 2006-05-17

Family

ID=19057413

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001224205A Expired - Fee Related JP3776335B2 (ja) 2001-07-25 2001-07-25 油中の塩素及び窒素の同時除去方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3776335B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR3122433A1 (fr) 2021-05-03 2022-11-04 Total Raffinage Chimie Procédé de purification de charge hydrocarbonée et utilisation
FR3122432A1 (fr) 2021-05-03 2022-11-04 Total Raffinage Chimie Procédé de purification de charge hydrocarbonée en présence d’un solvant et utilisation
FR3126710A1 (fr) 2021-09-08 2023-03-10 Totalenergies Raffinage Chimie Procédé de purification de charge hydrocarbonée en milieu aqueux et utilisation
WO2024023444A1 (fr) 2022-07-29 2024-02-01 Totalenergies Onetech Procédé de purification d'une composition d'huile de liquéfaction de plastique par cavitation et utilisation
FR3141182A1 (fr) 2022-10-25 2024-04-26 Totalenergies Onetech Procédé de purification d’une composition d’huile de liquéfaction de plastique
FR3141696A1 (fr) 2023-03-02 2024-05-10 Totalenergies Onetech Procédé de purification de charge hydrocarbonée par traitement en présence d’une base forte concentrée et utilisation

Families Citing this family (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4724524B2 (ja) * 2005-10-17 2011-07-13 新日本製鐵株式会社 燃料油の中和方法
US20140246301A1 (en) * 2011-10-19 2014-09-04 Blest Co., Ltd. Liquefying apparatus
FI128115B2 (en) 2018-07-20 2024-08-20 Neste Oyj Cleaning of recycled and renewable organic material
FI128069B2 (en) * 2018-07-20 2024-04-24 Neste Oyj Cleaning of recycled and renewable organic material
FI128174B (en) 2018-07-20 2019-11-29 Neste Oyj Purification of recycled and renewable organic material
FI128121B (en) 2018-07-20 2019-10-15 Neste Oyj Production of hydrocarbons from recycled or renewable organic material
FI128911B (en) 2018-07-20 2021-03-15 Neste Oyj Purification of recycled and renewable organic material
FI20195446A1 (en) 2019-05-28 2020-11-29 Neste Oyj Alkali-enhanced hydrothermal purification of plastic pyrolysis oils
FI128848B (en) 2019-11-29 2021-01-29 Neste Oyj Two-step process for converting liquid plastic waste into steam cracking feed
FI129981B (en) * 2019-11-29 2022-12-15 Neste Oyj Procedure for processing liquid plastic waste
KR20230071424A (ko) 2021-11-16 2023-05-23 에스케이이노베이션 주식회사 황 공급원(sulfur source)과 몰리브덴계 수소화 촉매를 이용한 폐플라스틱 열분해유의 정제 방법및 이의 연속 운전 방법
WO2024175435A1 (en) * 2023-02-21 2024-08-29 Shell Internationale Research Maatschappij B.V. Process for removing contaminants from waste plastics oil
KR102583281B1 (ko) * 2023-03-02 2023-09-26 에이치디현대오일뱅크 주식회사 열분해유의 정제방법 및 그 방법에 의해 생성된 정제 열분해유
US12031093B1 (en) 2023-07-31 2024-07-09 Sk Innovation Co., Ltd. Method of producing pyrolysis oil with reduced impurities

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR3122433A1 (fr) 2021-05-03 2022-11-04 Total Raffinage Chimie Procédé de purification de charge hydrocarbonée et utilisation
FR3122432A1 (fr) 2021-05-03 2022-11-04 Total Raffinage Chimie Procédé de purification de charge hydrocarbonée en présence d’un solvant et utilisation
FR3126710A1 (fr) 2021-09-08 2023-03-10 Totalenergies Raffinage Chimie Procédé de purification de charge hydrocarbonée en milieu aqueux et utilisation
WO2023037059A1 (fr) 2021-09-08 2023-03-16 Totalenergies Onetech Procede de purification de charge hydrocarbonee en milieu aqueux et utilisation
WO2024023444A1 (fr) 2022-07-29 2024-02-01 Totalenergies Onetech Procédé de purification d'une composition d'huile de liquéfaction de plastique par cavitation et utilisation
FR3138441A1 (fr) 2022-07-29 2024-02-02 Totalenergies Onetech Procédé de purification d’une composition d’huile de liquéfaction de plastique par cavitation et utilisation
FR3141182A1 (fr) 2022-10-25 2024-04-26 Totalenergies Onetech Procédé de purification d’une composition d’huile de liquéfaction de plastique
WO2024089319A1 (fr) 2022-10-25 2024-05-02 Totalenergies Onetech Procede de purification d'une composition d'huile de liquefaction de plastique
FR3141696A1 (fr) 2023-03-02 2024-05-10 Totalenergies Onetech Procédé de purification de charge hydrocarbonée par traitement en présence d’une base forte concentrée et utilisation

Also Published As

Publication number Publication date
JP2003034794A (ja) 2003-02-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3776335B2 (ja) 油中の塩素及び窒素の同時除去方法
US4230486A (en) Process for removal and recovery of mercury from liquids
US5660807A (en) Process for the removal of HCN from gas mixtures
JP2544391B2 (ja) クロルビフエニル等で汚染された鉱油の水素化処理法
US7955578B2 (en) Method and apparatus for treating gas containing flourine-containing compounds
US2979384A (en) Process for production of hydrogen and sulfur
US7807040B2 (en) Recovery process
US4281200A (en) Catalytic process for converting oxazolidinones to their corresponding aminoalcohols
JP3989540B2 (ja) ハロゲン化炭素の炭化法
US4039646A (en) Process for preparing sulphur hexafluoride
US4329323A (en) Process for removing ethylene and vinyl chloride from gas stream
US4039613A (en) Process for production of hydrogen and sulfur from hydrogen sulfide as raw material
US4541907A (en) Process for decomposing chlorinated hydrocarbon compounds
PL128579B1 (en) Method of regenerating rhodium catalyst poisoned with sulphur
JP2022024050A (ja) 2,3,3,3-テトラフルオロプロペン中の3,3,3-トリフルオロプロピンを減少させる方法
JPS62298540A (ja) 塩化メチル中のジメチルエ−テルを除去する方法
JP2000511506A (ja) プロセスストリームから不純物水素を分離し選択的に除去する方法
JP3847632B2 (ja) 超臨界水を用いた低レベル放射性廃棄物の処理方法
JPH0776688A (ja) プラスチックの油化処理方法
JP2004131358A (ja) 混合溶融塩による水素製造方法ならびにその装置
JP4120717B2 (ja) 一酸化炭素及び水素の混合ガスの製造方法
US4108967A (en) Process for preparing sulphur hexafluoride
RU2170699C2 (ru) Способ очистки гексафторида серы
JP2002173302A (ja) 一酸化炭素および水素の混合ガスの製造方法
WO2024145203A1 (en) A process for simultaneously converting hydrogen halides to halogens and carbon to hydrocarbons

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20041213

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050104

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050221

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060221

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060222

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100303

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110303

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130303

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140303

Year of fee payment: 8

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees