JP3775641B2 - 突入電流抑制回路 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、スイッチングレギュレータ電源装置に使用する突入電流抑制回路に関する。
【0002】
【従来技術】
一般にスイッチングレギュレータ電源装置は、コンデンサ入力形を使用しているため、交流入力を印加した瞬間に入力コンデンサに充電電流が流れるので、この充電電流に対する回路保護のために突入電流抑制回路を設けている。
【0003】
従来、この種の突入電流抑制回路としては、例えば図5に示すものがある。図5において、交流入力が印加される入力端子2a,2bに続いてスタック素子1A,1Bを用いた全波整流回路が設けられる。
【0004】
スタック素子1AはダイオードD5〜D8をブリッジ接続し、またスタック素子1BはダイオードD9〜D12をブリッジ接続し、単なるダイオードブリッジに比べ電流容量の小さいダイオードを使用して大きな整流電流を得ることができる。
【0005】
スタック素子1A,1Bのプラス側の整流出力とマイナス側の整流出力は各々の共通接続され、昇圧コンバータに整流出力を印加する。昇圧コンバータは、メイン巻線N1と駆動用巻線N2を備えた昇圧チョークコイルL1、MOS−FET等を用いスイッチング素子S1、整流ダイオードD14及び平滑コンデンサC3で構成され、制御回路5により出力電圧を一定に保つようにスイッチング素子S1をオン、オフ制御する。
【0006】
スタック素子1A,1Bのプラス側ラインには、突入電流制限抵抗R1,R2が挿入接続され、突入電流制限抵抗R1,R2にサイリスタSCR1,SCR2のアノードとカソードを並列接続している。サイリスタSCR1,SCR2のゲートには、昇圧チョークコイルL1の駆動用巻線N2の誘起電圧をダイオードD13で整流した制御電圧がV1,V2として印加される。
【0007】
即ち、駆動用巻線N2による制御電圧のマイナス側を例えばサイリスタSCR2のカソード側に接続し、整流ダイオードD13のプラス側を抵抗R10,R11を介してサイリスタSCR1,SCR2のゲートに接続している。またサイリスタSCR1,SCR2のゲートとカソード間には、コンデンサC1,C2と抵抗R3,R4のゲートバイアス回路を設けている。
【0008】
次に図5の動作を説明する。入力端子2a,2bに交流入力が印加されると、サイリスタSCR1,SCR2はオフしているため、整流電流は突入電流制限抵抗R1,R2で制限されながら流れ、平滑コンデンサC3を充電する。
【0009】
平滑コンデンサC3が充電されると制御回路5が動作してスイッチング素子S1のオン、オフ動作を開始する。このため昇圧用チョークコイルL1の駆動用巻線N2に電圧が誘起され、ダイオードD13で整流された制御電圧V1,V2がサイリスタSCR1,SCR2のゲート・カソード間に印加され、サイリスタSCR1,SCR2がターン・オンし、突入電流制限抵抗R1,R2を短絡することで電流制限を解除し、突入電流制限抵抗R1,R2による損失を防ぐ。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の突入電流抑制回路にあっては、突入電流制限抵抗R1,R2と並列接続したサイリスタSCR1,SCR2のカソード側(整流出力側)が配線または印刷基板上で接続されているために、配線または印刷基板パターンのインダクタンス成分L3,L4で発生した電圧V3,V4によって、サイリスタSCR1のゲート・カソード間に印加される制御電圧V1が、サイリスタSCR2のゲート・カソード間に印加される制御電圧V2に対して異なった値になり、誤動作するという問題がある。
【0011】
即ち、サイリスタSCR1の制御電圧V1は、
V1=V2−V3−V4
となり、配線または印刷基板のパターンのインダクタンス成分L3,L4で発生した電圧V3,V4だけ低い電圧となり、サイリスタSCR1がターンオンせず、突入電流制限抵抗R1に継続的に電流が流れて損失が増加する誤動作を起こす。
【0012】
また交流電源が投入された瞬間のノイズが直接制御電圧V1,V2としてサイリスタSCR1,SCR2に加わるため、ノイズによりサイリスタSCR1,SCR1が誤動作してオン状態に至ってしまうと、突入電流抑制抵抗R1,R2が短絡された状態で交流電流を投入した場合と等価な動作をするので、多大な突入電流が流れ、電源装置内部の入力整流ダイオードを損傷したり、ユーザ側のスイッチング素子S1を損傷したりするなどの不具合が発生するという問題点がある。
【0013】
このような問題を無くすために、図6のように、昇圧用チョークコイルL1に2個の駆動用巻線N2,N3を用意するという手法もある。しかし、これはサイリスタSCR1,SCR2の駆動回路が2つ必要になることで、部品点数が増加し、構成が複雑化するという欠点がある。
【0014】
本発明は、単一の駆動回路により突入電流制限抵抗を短絡するサイリスタ等の制御スイッチをを確実に動作し、交流電源投入時のノイズにより誤動作することのないスイッチング電源装置の突入電流抑制回路を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するため本発明は次のように構成する。まず本発明は、交流入力を全波整流して出力する全波整流回路の整流出力側の2つの経路の各々に第1及び第2の突入電流制限抵抗を挿入すると共に、第1及び第2の突入電流制限抵抗と並列に入力端子、出力端子および制御端子をもつ第1及び第2の制御スイッチを接続し、単一の駆動回路により交流電源投入による平滑コンデンサの充電後に前記第1及び第2の制御スイッチをオンして突入電流制限抵抗を短絡する突入電流抑制回路を対象とする。
【0016】
このような突入電流駆動回路につき本発明にあっては、制御スイッチの駆動回路として、一対の制御信号ラインの各々を第1の制御スイッチの出力端子と制御端子に接続すると共にそれぞれの制御信号ラインにインピーダンス素子を接続し、且つ一対の制御信号ラインに対し分岐接続した他の一対の制御信号ラインの各々を第2の制御スイッチの出力端子と制御端子に接続すると共にそれぞれの制御信号ラインにインピーダンス素子を接続したことを特徴とする。
【0017】
例えば第1及び第2の制御スイッチは第1及び第2のサイリスタであり、一対の制御信号ラインの各々を第1のサイリスタのカソードとゲートに接続すると共にそれぞれの制御信号ラインにインピーダンス素子を接続し、且つ一対の制御信号ラインに対し分岐接続した他の一対の制御信号ラインの各々を第2のサイリスタのカソードとゲートに接続すると共にそれぞれの制御信号ラインにインピーダンス素子を接続したことを特徴とする。制御スイッチとしてトライアックを使用した場合も同様である。
【0018】
このような本発明の突入電流抑制回路によれば、配線や印刷基板のパターンでインダクタンス成分が生ずる整流出力側とは独立した制御ラインによって単一の駆動回路をサイリスタ等の制御スイッチに接続したことで、整流ラインにおける配線や印刷基板パターンのインダクタンス成分による制御電圧の変動がなく、サイリスタがオンできないような誤動作を確実に防止する。
【0019】
また単一の駆動回路からサイリスタ等の制御スイッチに対する制御ラインの各々にインピーダンス素子を接続したことで、交流電源が投入された瞬間のノイズによるサイリスタ等の制御スイッチの誤動作によるオンを防止し、電流抑制機能が喪失するような誤動作を確実に防止する。
【0020】
また本発明の突入電流抑制回路は、第1及び第2の突入電流制限抵抗と第1及び第2の制御スイッチとの並列回路を、全波整流回路のプラス側またはマイナス側に接続する。更に、駆動街路はフォトカプラを介して第2の制御スイッチを駆動することで、ノイズによる誤動作より確実に防止する。
【0021】
【発明の実施の形態】
図1(A)は本発明による突入電流抑制回路の基本構成を示した回路図である。
【0022】
図1(A)において、交流入力が印加される入力端子2a,2bに続いては全波整流回路1が設けられる。全波整流回路1はダイオードD1,D2,D3,D4を持ち、ダイオードブリッジを構成している。
【0023】
即ちダイオードD1,D2の間、及びダイオードD3,D4の間に交流入力となる入力端子2a,2bを接続し、ダイオードD1,D3のカソード側を共通接続して出力端子3aに接続し、またダイオードD2,D4のアノード側を共通接続して出力端子3bに共通接続している。
【0024】
このような全波整流回路1におけるダイオードD1,D3のアノードからプラス側の出力端子3aへの2つの経路のそれぞれには、突入電流制限抵抗R1,R2を接続している。この突入電流制限抵抗R1,R2にはサイリスタSCR1,SCR2が、そのアノード(入力側)とカソード(出力側)によって並列に接続されている。
【0025】
電流制限抵抗R1,R2のそれぞれに並列接続されたサイリスタSCR1,SCR2は、単一のSCR駆動回路4により制御される。SCR駆動回路4は整流信号出力端子4a,4bを持ち、プラス側の制御信号出力端子4aを制御信号ライン6aによってサイリスタSCR1のゲートに接続し、またマイナス側の制御信号出力端子4bを制御信号ライン6bによってサイリスタSCR1のカソードに接続している。このSCR駆動回路4からサイリスタSCR1に対する制御信号ライン6a,6bのそれぞれにはインピーダンス素子Z1,Z2が接続されている。
【0026】
SCR駆動回路4からサイリスタSCR2に対しても同様に、プラス側の制御信号出力端子4aからの制御信号ライン6aを分岐した制御信号ライン7aをサイリスタSCR2のゲートに接続し、マイナス側となる制御信号出力端子4bの制御信号ライン6aを分岐した制御信号ライン7bをサイリスタSCR2のカソードに接続している。この場合にも制御信号ライン7a,7bのそれぞれには、インピーダンス素子Z3,Z4が接続されている。
【0027】
SCR駆動回路4は、交流電源が投入された瞬間にあっては制御信号を出力せずにサイリスタSCR1,SCR2をオフ状態とし、全波整流回路1のダイオードD1,D3の各整流出力を、突入電流制限抵抗R1,R2を通して出力端子3a,3bよりスイッチング電源装置側の図示しない平滑コンデンサに流して充電し、平滑コンデンサの充電が完了した後のスイッチング電源装置の動作による入力を受けてSCR駆動回路4は制御電圧を発生し、サイリスタSCR1,SCR2をオンし、電流制限抵抗R1,R2を短絡することで、その損失をなくすようにする。
【0028】
図1(B)は図1(A)の基本構成の回路図について、配線や印刷基板パターンによる整流出力ラインのインダクタンス成分を考慮した場合の回路図である。即ち、全波整流回路1のダイオードD1及びD3からの整流出力ラインは配線または印刷基板パターンによって接続されているため、それぞれのインダクタンス成分L3,L4によって電圧V3,V4が発生している。
【0029】
しかしながら、本発明の基本構成の回路にあっては、SCR駆動回路4からのサイリスタSCR1,SCR2のゲート・カソード間に対する制御信号ライン6a,6b及び7a,7bのそれぞれは、このインダクタンス成分L3,L4が生ずる整流出力ラインからは完全に切り離された独立した制御信号ラインとなっており、サイリスタSCR1,SCR2のゲート・カソード間に加えられる制御電圧V1,V2は整流ラインのインダクタンスL3,L4に生じた電圧V3,V4により変動を受けることはない。
【0030】
このため、出力端子3a,3bからの整流出力でスイッチング電源装置側の平滑コンデンサの充電完了した後の正常動作時にSCR駆動回路4から制御電圧が出力されると、整流出力ラインのインダクタンスL3,L4による電圧V3,V4の影響を受けることなく、サイリスタSCR1,SCR2をターン・オンし、突入電流制限抵抗R1,R2を短絡して定常動作時の損失を防ぐ。
【0031】
また交流電源が投入された瞬間のノイズによってSCR駆動回路4よりノイズが出力されたとしても、サイリスタSCR1に対する制御信号ライン6a,6b及びサイリスタSCR2に対する制御信号ライン7a,7bのそれぞれにインピーダンス素子Z1,Z2及びZ3,Z4がそれぞれ接続されているため、ノイズ成分が加わってもゲート電流はほとんど流れることがなく、交流電源が投入された瞬間のノイズによってサイリスタSCR1,SCR2が誤動作してオン状態となり、多大な突入電流が流れてスイッチング電源装置内部の整流ダイオードやスイッチング素子などを破損してしまう不具合を確実に防止できる。
【0032】
図2は図1の本発明の基本構成に基づく第1実施形態の回路図である。図2において、交流入力が印加される2a,2bに続いてはスタック素子1A,1Bを接続している。このスタック素子1AはダイオードD5〜D8をブリッジ接続しており、図1の全波整流回路1に設けているダイオードD1,D2に相当する。
【0033】
またスタック素子1BはダイオードD9〜D12をブリッジ接続しており、図1の全波整流回路1に設けたダイオードD3,D4に相当する。スタック素子1Aのプラス側の出力には突入電流制限抵抗R1が接続され、これと並列にサイリスタSCR1を接続している。
【0034】
またスタック素子1Bのプラス側のラインには突入電流制限抵抗R2が接続され、これと並列にサイリスタSCR2を接続している。電流制限抵抗R1,R2からのラインは共通接続された後、整流出力を昇圧コンバータに供給している。
【0035】
昇圧コンバータは、入力チョークコイルL1、MOS−FETを用いたスイッチング素子S1、整流ダイオードD4、平滑コンデンサC3、更に制御回路5で構成される。入力チョークコイルL1はメイン巻線N1とSCR駆動用の駆動用巻線N2を備えており、駆動用巻線N2に誘起された電圧をダイオードD13で整流し、制御信号ライン6a,6b及び7a,7bによりサイリスタSCR1,SCR2のゲート・カソード間にそれぞれ接続している。
【0036】
サイリスタSCR1,SCR2のゲート・ソース間にはコンデンサC1,C2及び抵抗R3,R4によるゲートバイアス回路が設けられている。更に本発明にあっては、サイリスタSCR1のゲートとカソードに対する制御信号ライン6a,6bのそれぞれにインピーダンス素子Z1,Z2を接続し、またサイリスタSCR2のゲートとカソードに対する制御信号ライン7a,7bのそれぞれにもインピーダンス素子Z3,Z4を接続している。このインピーダンス素子Z1〜Z4としては、例えば抵抗を使用する。
【0037】
次に図2の第1実施形態の動作を説明する。入力端子2a,2bに交流入力が電源投入により印加されると、このときサイリスタSCR1,SCR2はオフであることから、スタック素子1A,1Bによる整流出力は突入電流制限抵抗R1,R2を通って制限されながら、昇圧コンバータに設けている平滑コンデンサC3を充電する。
【0038】
平滑コンデンサC3の充電が完了して出力端子3a,3bの直流電圧が規定電圧に上昇すると、制御回路5が動作し、出力電圧を一定電圧に保つようにスイッチング素子S1のオン・オフ動作を行う。
【0039】
このスイッチング素子S1のオン・オフ動作に伴って、入力チョークコイルのメイン巻線N1にスイッチング素子N1のオン・タイミングで入力電流が流れ、2次巻線となる駆動用コイルN2に電圧が誘起され、ダイオードD13による整流で制御電圧を制御信号出力端子4a,4bに発生する。
【0040】
この制御電圧は制御信号ライン6a,6b及び制御信号ライン7a,7bにより並列的にサイリスタSCR1,SCR2のゲート・カソード間に印加されてゲート電流が流れ、サイリスタSCR1,SCR2がターン・オンする。このサイリスタSCR1,SCR2のオンにより突入電流制限抵抗R1,R2が短絡されて、整流電流はオン状態にあるサイリスタSCR1,SCR2を流れるようになり、突入電流制限抵抗R1,R2による損失をなくす。
【0041】
この第2実施形態にあっても、スタック素子1A,1Bから昇圧コンバータの入力チョークコイルL1に至るプラス側の整流出力ラインに、配線や印刷基板パターンによるインダクタンス成分L3,L4が図1(B)のように存在して電圧V3,V4が発生するが、SCR駆動回路4からサイリスタSCR1,SCR2に対する制御信号ライン6a,6b及び7a,7bはインダクタンス成分L3,L4が存在する整流ラインからは独立しているため、インダクタンス成分で発生した電圧によって制御電圧V1,V2は影響を受けず、サイリスタSCR1,SCR2を誤動作することなく確実にオン制御できる。
【0042】
また交流電源が投入された瞬間のノイズが入力チョークコイルL1の2次側の駆動用巻線N2に加わってSCR駆動回路4よりノイズ電圧が発生しても、サイリスタSCR1,SCR2に対する制御信号ライン6a,6b及び7a,7bのそれぞれにインピーダンス素子Z1,Z2及びZ3,Z4が接続されているため、ノイズによるゲート電流はほとんど流れることがなく、交流電源が投入された瞬間のノイズによってサイリスタSCR1,SCR2が誤動作によりターン・オンし、電流制限機能が失われてしまうことを確実に防止できる。
【0043】
図3は本発明の第2実施形態の回路図であり、この第2実施形態にあってはスタック素子1a,1bに対するマイナス側の整流出力ラインに電流制限抵抗R1,R2とサイリスタSCR1,SCR2の並列回路を設けるようにしたことを特徴とする。
【0044】
この図3の第2実施形態にあっても、スタック素子1a,1bのマイナス側の整流ラインに設けたサイリスタSCR1,SCR2に対しては、単一のSCR駆動回路4に設けている入力チョークコイルL1の駆動用巻線N2とダイオードD13より整流された制御電圧が、独立した制御信号ライン6a,6b及び7a,7bにより加えられ、且つそれぞれの制御信号ラインにインピーダンスZ1,Z2及びZ3,Z4が挿入されている。
【0045】
このため図1(B)のように、全波整流のプラス側のラインのインダクタンスL3,L4による電圧V3,V4によってサイリスタSCR1,SCR2に対するSCR駆動回路4からの制御電圧が変動することはなく、交流電源投入時のサイリスタSCR1,SCR2のオフ状態で突入電流制限抵抗R1,R2を通して電流制限を行った平滑コンデンサC3の充電後に、制御回路5による昇圧コンバータの動作でSCR駆動回路4より出力される制御電圧V1,V2によりサイリスタSCR1,SCR2を確実にオンすることができる。また交流電源が投入された瞬間のノイズによるサイリスタSCR1,SCR2の誤動作によるターン・オンも確実に防止できる。
【0046】
図4は本発明の第3実施形態の回路図であり、この第3実施形態にあっては、SCR駆動回路からの制御電圧の供給にフォトカプラを使用したことを特徴とする。
【0047】
図4において、SCR駆動回路4は図2の第1実施形態と同様、昇圧コンバータに設けている入力チョークコイルL2の2次側の駆動用巻線N2の誘起電圧をダイオードD13で整流して整流電圧を入力しており、この整流電圧に基づいて制御信号を制御信号ライン6a,6b及び7a,7bにより、サイリスタSCR1,SCR2のゲート・カソード間に加えている。
【0048】
このSCR駆動回路4からの制御信号ラインにはフォトカプラ8が設けられている。即ちSCR駆動回路4の制御信号出力端子4a,4b間にフォトカプラ8の発光素子8aを接続し、SCR1,SCR2側の制御信号ライン6a,6b,7a,7bの並列接続間にフォトカプラ8の受光側となるフォトトランジスタ8bを接続している。これ以外の点は図2の第1実施形態と同じである。
【0049】
このようにSCR駆動回路4からの制御信号をフォトカプラ8を通して電気的に分離することで、整流出力ラインのインダクタンス成分による制御電圧の変動と交流電源が投入された瞬間のノイズによる誤動作を、より一層確実に防止することができる。
【0050】
尚、上記の実施形態は突入電流制限抵抗R1,R2を短絡する制御スイッチとしてサイリスタSCR1,SCR2を使用する場合を例にとるものであったが、サイリスタSCR1,SCR2の代わりに交流信号のスイッチングに使用するトライアックを使用してもよい。
【0051】
トライアックを使用した場合にも上記の各実施形態と同様にして、その駆動回路により制御信号ライン6a,6b及び7a,7bをトライアックのゲートとカソード間に接続し、且つ制御信号ラインのそれそれにインピーダンス素子Z1,Z2及びZ3,Z4を接続すればよい。
【0052】
また上記の実施形態にあっては、スイッチング電源装置として昇圧コンバータを例にとるものであったが、これ以外のスイッチング電源装置であってもよいことはもちろんである。更に本発明は上記の実施形態に限定されず、その目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含む。
【0053】
【発明の効果】
以上説明してきたように本発明によれば、配線や印刷基板パターンでインダクタンス成分が生ずる整流出力ラインからは独立して、単一の駆動回路からの制御信号ラインをサイリスタなどの制御スイッチに接続したことで、配線や印刷基板パターンのインダクタンス成分による電圧でサイリスタなどの制御スイッチに対する制御電圧の変動がなく、突入電流を制限して、コンデンサを充電した後に確実にサイリスタなどの制御スイッチをオンし、電流制限を解除することができる。
【0054】
また単一の駆動回路の制御信号ラインにそれぞれインピーダンス素子を接続したことで、交流電源が投入された瞬間のノイズによるサイリスタなどの制御スイッチの誤動作によるオンを確実に防止し、電流抑制機能が失われるような誤動作を確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の基本構成を示した回路図
【図2】本発明の第1実施形態の回路図
【図3】本発明の第2実施形態の回路図
【図4】本発明の第3実施形態の回路図
【図5】従来例の回路図
【図6】駆動回路を2つ設けた従来例の回路図
【符号の説明】
1:全波整流回路
1A,1B:スタック素子
2a,2b:入力端子
3a,3b:出力端子
4:駆動回路
5:制御回路
6a,6b,7a,7b:制御信号ライン
R1,R2:突入電流制限抵抗
SCR1,SCR2:サイリスタ
Z1〜Z4:インピーダンス素子
L1:昇圧チョークコイル
N1:メイン巻線
N2:駆動用巻線
S1:スイッチング素子
D14:整流ダイオード
C3:平滑コンデンサ
8:フォトカプラ
Claims (5)
- 交流入力を全波整流して出力する全波整流回路の整流出力側の2つの経路の各々に第1及び第2の突入電流制限抵抗を挿入すると共に、前記第1及び第2の突入電流制限抵抗と並列に入力端子、出力端子および制御端子をもつ第1及び第2の制御スイッチを接続し、単一の駆動回路により交流電源投入による平滑コンデンサの電流制限による充電後に前記第1及び第2の制御スイッチをオンして突入電流制限抵抗を短絡する突入電流抑制回路に於いて、
前記駆動回路は、一対の制御信号ラインの各々を前記第1の制御スイッチの出力端子と制御端子に接続すると共にそれぞれの制御信号ラインにインピーダンス素子を接続し、且つ前記一対の制御信号ラインに対し分岐接続した他の一対の制御信号ラインの各々を前記第2の制御スイッチの出力端子と制御端子に接続すると共にそれぞれの制御信号ラインにインピーダンス素子を接続したことを特徴とする突入電流抑制回路。 - 請求項1記載の突入電流抑制回路に於いて、前記第1及び第2の制御スイッチは第1及び第2のサイリスタであり、一対の制御信号ラインの各々を前記第1のサイリスタのカソードとゲートに接続すると共にそれぞれの制御信号ラインにインピーダンス素子を接続し、且つ前記一対の制御信号ラインに対し分岐接続した他の一対の制御信号ラインの各々を前記第2のサイリスタのカソードとゲートに接続すると共にそれぞれの制御信号ラインにインピーダンス素子を接続したことを特徴とする突入電流抑制回路。
- 請求項1記載の突入電流抑制回路に於いて、前記第1及び第2の制御スイッチは第1及び第2のトライアックであり、一対の制御信号ラインの各々を前記第1のトライアックのカソードとゲートに接続すると共にそれぞれの制御信号ラインにインピーダンス素子を接続し、且つ前記一対の制御信号ラインに対し分岐接続した他の一対の制御信号ラインの各々を前記第2のトライアックのカソードとゲートに接続すると共にそれぞれの制御信号ラインにインピーダンス素子を接続したことを特徴とする突入電流抑制回路。
- 請求項1記載の突入電流抑制回路に於いて、前記第1及び第2の突入電流制限抵抗と第1及び第2の制御スイッチとの並列回路を、前記全波整流回路のプラス側またはマイナス側に接続したことを特徴とする突入電流抑制回路。
- 請求項1記載の突入電流抑制回路に於いて、前記駆動街路はフォトカプラを介して前記び第2の制御スイッチを駆動することを特徴とする突入電流抑制回路。
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