JP3770320B2 - ボルト及びそのボルトとナットの締結システム、及びそのボルトの製造方法 - Google Patents
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Description
【0001】
本発明は、並目螺子部と細目螺子部を備えた弛み防止機能を有するボルト及びそのボルトとナットの締結システム、及びそのボルトの製造方法に関する。
背景技術
【0002】
近年、弛み防止機能を有する種々のボルト及びその製造方法等が研究・開発されている。
従来の技術として、例えば、特開平11−51033号公報(以下、イ号公報という)には、「ねじ山の山頂に沿ってねじ山の両側のフランクを分断するスリットが設けられ、ねじ山の谷底近傍がフランクの延長面から内側にえぐり取られた形状の広底凹部として成形されたセルフロックねじ」が開示されている。
また、特開平11-254072号公報(以下、ロ号公報という)には、「平板の表面に、相互に交差する右ねじと左ねじを平面状に展開した平面状ねじ山を形成し、前記表面を内側に向けて平行に相対する1対の平板の間に円柱状材料を挿入し、該円柱状材料を狭圧しながら少なくとも一方の前記平板を移動して、前記円柱状材料の外周面に相互に交差する右、左ねじを螺設することを特徴とする右、左ねじの転造方法」が開示されている。
【0003】
しかしながら上記従来のボルトやその製造方法等では、以下のような課題を有していた。
(1)イ号公報に記載の技術は、ねじ山の山頂に沿ってスリットが形成され、かつねじ山の谷底近傍がえぐり取られた形状であるのでねじ山が薄肉化しており、剪断応力に欠けるとともに、耐久性に欠けるという問題点を有していた。
(2)イ号公報に記載の技術は、ナットが締結された際は、ねじ山が常に弾性変形された状態であり経時的に機械的強度が減少するので、圧縮応力に欠けると共に、耐久性に欠けると共に安全性に欠けるという問題点を有していた。
(3)ロ号公報に記載の技術は、右ねじ及び左ねじのピッチの大きさの相違によって生じる螺子部の耐久性や強度、螺子山の同期性等の関係が考慮されていない。このため、一方のねじの螺子山に対して他方のねじの谷が無作為に螺設されて、螺子山がつぶれる部分もあり圧縮応力や剪弾力に弱く耐久性に欠けると共に締結力が低下し、また、製造された右、左ねじの螺子山の同期性が崩れ、螺子山の分断部分が多く、機械的強度が低下しており、更に目視で製品の不良を発見することが困難であるという課題を有していた。
(4)ボルトに先に装着される第1のナットに螺着する螺子部のリード角が後に装着される第2のナットに螺着する螺子部のリード角より小さい場合は、同角度の回転に対して、第1のナットの移動距離より、第2のナットの移動距離の方が大きいので、弛みやすく、締結力に欠けるとともに安全性に欠けるという課題を有していた。
(5)細目螺子部のピッチを並目螺子部のピッチより単に小さくしただけでは、並目螺子部上に細目螺子部が不規則に形成され、また、並目螺子部の螺子山が極端に切削される箇所もあり、並目螺子部の1ピッチ毎に重ねて形成される細目螺子部のパターンに規則性が表れず、ボルトの外径にウェーブの模様ができて製品にならず、高い螺子山と低い螺子山ができ、機械的強度の損失が標準螺子に比べて大きいことが分かった。
【0004】
本発明は上記従来の課題を解決するもので、低原価で量産可能であり、螺子山の同期性に優れると共に圧縮強度や剪断強度に優れ、大きな振動荷重を受けても螺合しているナットが弛みにくく締結力に優れたボルトの提供、及び機械的強度に優れると共に常時大きな振動荷重を受けても弛むことがなく締結力に優れたボルトを低原価で量産することのできるボルトの製造方法を提供することを目的とする。
発明の開示
【0005】
上記課題を解決するために本発明のボルト及びそのボルトとナットの締結システム、及びそのボルトの製造方法は、以下の構成を有している。
本発明の請求項1に記載のボルトは、ボルト軸部の先端部から所定部まで形成されたピッチPの並目螺子部と、前記ボルト軸部の前記並目螺子部の全長若しくは先端部から前記並目螺子部の所定部まで前記並目螺子部に重ねて前記並目螺子部と同一の巻き方向に形成されたピッチpがp=P/n(nは2以上の整数)の細目螺子部と、を備え、
前記並目螺子部に螺合される並目ナットの谷の径と前記細目螺子部に螺合される細目ナットの谷の径が同一となるようにし、前記並目螺子部の谷の径D(前記ボルト軸部と同軸で谷底に接する仮想的な円筒の直径)が、前記細目螺子部の谷の径dより小さく形成された構成を有している。
この構成により、以下のような作用が得られる。
(1)並目螺子部のピッチPが細目螺子部のピッチpの2以上の整数倍となるので、並目螺子部の1山毎に細目螺子部の同じパターンが形成されて、このパターンの繰り返しによる周期性が確保される。これによって、並目螺子部の山部における細目螺子部の形成によって縮減される部分が周期的に存在するので、並目螺子部の山部が局所的に薄肉化されることによる機械的強度の低下や、並目螺子部の山部に不規則に細目螺子部の谷部が形成されることによる応力集中等を効果的に防止して、ボルトの耐久性を維持させることができる。
(2)ボルトの並目螺子部に並目ナットを螺合させた後、細目螺子部に細目ナットをこの並目ナットに重ねて螺合させて、ボルト及び両ナット間を締結させることができる。この際、細目ナットと並目ナットのピッチが異なるので両者が一体になって回転すると両ナット間の接触面(座面)に反発力や摩擦力が働き、バックラッシを補正し並目ナットが弛み方向に回転するのを防止でき、ボルトが適用される装置等の信頼性を高めることができる。
(3)ボルト螺子部に周期性を持った凹凸のパターンが形成されるので、生産が容易で歩留まりが高く、また、このパターンを観察して不良品の目視検査を行ったり、テレビカメラ等により撮影したボルト画像の解析により周期性の有無を簡単に判定したりすることができ、品質管理が容易で高品質のボルトを低原価で大量に製造できる。
(4)並目螺子部の山部における細目螺子部の谷部(並目螺子部の山部の内、細目螺子部の谷部が形成される際に切除される部分)が、ボルト軸部の軸方向に規則的に存在するので、外観に優れるとともに目視による検査が容易で、ボルトとしての商品価値を高めることができる。
(5)並目螺子部の山部における細目螺子部の谷部が、ボルト軸部の軸方向に規則的に存在するので、ナットで締め付ける際の圧力を均等に加えることができ、これにより、螺子山がつぶれたり、欠け落ちたりするようなことがなく、しかも締め付けや取り外しの操作を円滑に行うことができ利便性に優れる。
(6)細目螺子部の谷底部(並目螺子部の山部の切除される部分)が浅く、並目螺子部の山部に細目螺子部の谷底部が重なっても並目螺子部の山部の削り量が少ないので、機械的強度の低下を防止でき、耐圧縮性や耐剪断性に優れ、並目螺子部の締結力を大きい状態で保つことができ、何度も再使用が可能である。
【0006】
ここで、ボルトとしては、ボルト頭部を有するものとして、六角ボルト、四角ボルト、アイボルト、角根丸頭ボルト、さらボルト、ちょうボルト、基礎ボルト、六角穴付きボルト等が、また、両端に螺子部が形成されボルト頭部を有さないものとして、植込みボルトやUボルト等が用いられる。
また、並目螺子部及び細目螺子部の条数は1乃至複数のものが用いられるが、細目螺子部の条数が並目螺子部の条数以下である場合は、細目螺子部のリード角が並目螺子部のリード角より小さくなり、並目螺子部に並目ナットを螺合させた後、細目螺子部に細目ナットを螺合させた場合、並目ナットは細目ナットに常に弛み方向への回転を抑制された状態となり、弛みにくいので、好ましい。
螺子部の螺子山の断面形状としては、三角螺子、台形螺子、角螺子、のこ刃螺子、丸螺子等が挙げられる。
【0007】
本発明の請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のボルトであって、前記細目螺子部の前記ピッチpが、前記並目螺子部の前記ピッチPの1/2倍である構成を有している。
この構成により、請求項1の作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)細目螺子部のピッチpが並目螺子部のピッチPの1/2倍未満(例えば、1/3倍や1/4倍)である場合に比べて、細目螺子部に細目ナットを螺合させた際、細目螺子部の雄螺子部に接する細目ナットの雌螺子部の表面積を大きくすることができ、これにより、細目螺子部と細目ナットの締結力を大きい状態で保つことができるとともに、細目螺子部の谷数が少ないので、締め付けや取り外しの作業を円滑に行うことができ作業性に優れる。
【0008】
本発明の請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のボルトであって、前記細目螺子部のリード角βが、前記並目螺子部のリード角αより小さい構成を有している。
この構成により、請求項1又は2の作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)並目螺子部に並目ナットを螺合させた後、細目螺子部に細目ナットを螺合させた場合、細目螺子部のリード角βが並目螺子部のリード角αより小さいので、同一回転角度に対する細目ナットの移動距離は並目ナットのそれより小さくなる。よって、並目ナットが弛み方向に回転し、被締結体から離れようとしても、細目ナットは同一回転角度で並目ナット以上の距離を移動することができない。よって、並目ナットは細目ナットに常に弛み方向への回転を抑制された状態となり、弛みにくい。
【0009】
本発明の請求項4に記載のボルトとナットの締結システムは、請求項1乃至3の内何れか一項に記載のボルトと、前記ボルトに締結されたピッチPの並目ナットと、前記並目ナットの後部に締結されたピッチpがp=P/n(但し、nは2以上の整数)の細目ナットと、を備えた構成を有している。
この構成により、以下のような作用が得られる。
(1)ボルトの並目螺子部に並目ナットを螺合させた後、細目螺子部に細目ナットをこの並目ナットに重ねて螺合させて、ボルト及び両ナット間を締結させることができる。このとき、細目ナットと並目ナットのピッチが異なるので両者が一体になって回転すると両ナット間の接触面(座面)に反発力や摩擦力が働き、並目ナットが弛み方向に回転するのを防止でき、ボルトが適用される装置等の信頼性を高めることができる。
(2)細目螺子部のリード角が並目螺子部のリード角より小さいので、同一回転角度に対する細目ナットの移動距離は並目ナットのそれより小さくなる。よって、並目ナットが弛み方向に回転し、第1の被締結体から離れようとしても、細目ナットは並目ナットより速く移動することができないので、並目ナットは細目ナットに常に弛み方向への回転を抑制された状態となり、弛みにくい。
(3)細目螺子部の谷底部(並目螺子部の螺子山部の切除される部分、切除部)が並目螺子部の谷底部に比べて浅く、並目螺子部の山部に細目螺子部の谷底部が重なっても並目螺子部の山部が削られて削減する部分が少ないので、耐久性に優れ、並目螺子部の締結力を大きい状態で保つことができ、何度も再使用が可能である。
【0010】
本発明の請求項5に記載の発明は、請求項4に記載のボルトとナットの締結システムであって、前記細目螺子部がピッチpがp=P/2で前記ボルト軸部の先端部から前記並目螺子部の所定部まで形成され、前記細目ナットのピッチpがp=P/2に形成された構成を有している。
この構成により、請求項4の作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)細目螺子部及び細目ナットのピッチpが並目螺子部及び並目ナットのピッチPの1/2なので、細目螺子部のピッチpが並目螺子部のピッチPの1/2倍未満(例えば、1/3倍や1/4倍)である場合に比べて、細目螺子部に細目ナットを螺合させた際、細目螺子部の雄螺子部に接する細目ナットの雌螺子部の表面積が大きい。これにより、細目螺子部と細目ナットの締結力を大きい状態で保つことができるとともに、細目螺子部の谷数が少ないので、締め付けや取り外しの操作を円滑に行うことができ利便性に優れる。
【0011】
本発明の請求項6に記載のボルトの製造方法は、ボルト軸部の先端部から所定部まで切削又は転造によりピッチPの並目螺子部を形成する並目螺子部形成工程と、前記ボルト軸部の前記並目螺子部の全長若しくは前記ボルト軸部の先端部から前記並目螺子部の所定部まで前記並目螺子部に重ねて前記並目螺子部と同一の巻き方向に、ピッチp(p=P/n,nは2以上の整数)の細目螺子部を切削又は転造により形成する細目螺子部形成工程と、を備え、前記並目螺子部に螺合される並目ナットの谷の径と前記細目螺子部に螺合される細目ナットの谷の径が同一となるようにし、前記並目螺子部形成工程において形成される前記並目螺子部の谷の径D(前記ボルト軸部と同軸で谷底に接する仮想的な円筒の直径)を、前記細目螺子部形成工程において形成される前記細目螺子部の谷の径dより小さく形成する構成を有している。
この構成により、以下のような作用が得られる。
(1)二工程(並目螺子部形成工程及び細目螺子部形成工程)のみで並目螺子部及び細目螺子部が形成されるので、低原価で量産可能であり、生産性に優れる。
(2)フライス盤や旋盤等を使用して切削により細目螺子部及び並目螺子部を形成する場合は、ピッチPがピッチpの整数倍なので、ダイスやボルト基材の送り速度の計算や設定を容易に行うことができ生産性に優れる。
(3)転造盤等を使用して転造により細目螺子部及び並目螺子部を形成する場合は、ピッチPがピッチpの整数倍なので、使用する転造用ダイスのピッチを容易に決定することができ、生産性に優れる。
(4)転造盤等を使用して転造により細目螺子部を形成する場合は、ピッチPがピッチpの整数倍なので、局所的に並目螺子部の山部が大きくつぶされてこの山部に隣接する谷部に侵入することがなく、歩留まりを向上させることができるとともに生産性に優れる。
(5)転造や切削によって形成された並目螺子部に重ねて手回し式のダイスで細目螺子部を形成する場合は、ピッチPがピッチpの整数倍なので、使用する手回し式ダイスのピッチを容易に決定することができ、生産性に優れる。
(6)ピッチPがピッチpの整数倍なので、並目螺子部における細目螺子部の切削位置が同一線状に同一間隔毎に現われるので、ダイス等の傷の発見を容易に行うことができ、品質管理が簡単で生産性に優れるとともに歩留まりを向上させることができる。
(7)ボルトのサイズを変えても、ボルトのサイズに関係なく並目螺子部のピッチと細目螺子部のピッチの関係が、整数倍であるので、細目ピッチが規則的に表れ、機械的強度に優れる。
(8)並目螺子部のピッチPが細目螺子部のピッチpの2以上の整数倍となるので、並目螺子部の1山毎に細目螺子部の同じパターンが形成されて、このパターンの繰り返しによる周期性が確保される。これによって、並目螺子部の山部における細目螺子部の形成によって縮減される部分が周期的に存在するので、並目螺子部の山部が局所的に薄肉化されることによる機械的強度の低下や、並目螺子部の山部に不規則に細目螺子部の谷部が形成されることによる応力集中等を効果的に防止して、ボルトの耐久性を維持させることができるボルトを製造できる。
(9)ボルトの並目螺子部に並目ナットを螺合させた後、細目螺子部に細目ナットをこの並目ナットに重ねて螺合させて、ボルト及び両ナット間を締結させることができる。このとき、細目ナットと並目ナットのピッチが異なるので両者が一体になって回転すると両ナット間の接触面(座面)に反発力や摩擦力が働き、並目ナットが弛み方向に回転するのを防止でき、ボルトが適用される装置等の信頼性を高めることができるボルトを製造できる。
(10)ボルト螺子部に周期性を持った凹凸のパターンが形成されるので、このパターンを観察して不良品の目視検査を行ったり、テレビカメラ等により撮影したボルト画像の解析により周期性の有無を判定したりすることができ、大量に製造されるボルトの検査を効率的に処理できるボルトを製造できる。
(11)並目螺子部の山部における細目螺子部の谷部(並目螺子部の山部の内、細目螺子部の谷部が形成される際に切除される部分)が、ボルト軸部の軸方向に規則的に存在するので、外観に優れ見栄えがよく、ボルトとしての商品価値を高めることができるボルトを製造できる。
(12)並目螺子部の山部における細目螺子部の谷部(並目螺子部の山部の内、細目螺子部の谷部が形成される際に切除される部分)が、ボルト軸部の軸方向に規則的に存在するので、ナットで締め付ける際の圧力が均等に付加される。これにより、螺子山がつぶれたり、欠け落ちたりするようなことがなく、しかも締め付けや取り外しの操作を円滑に行うことができ利便性に優れるボルトを製造できる。
(13)細目螺子部の谷底部(並目螺子部の山部の切除される部分)を浅くできるので、切削量を少なくでき、量産性や作業性に優れる。
(14)細目螺子部の谷底部(並目螺子部の山部の切除される部分)が浅く、並目螺子部の山部に細目螺子部の谷底部が重なっても並目螺子部の山部が削られて削減する部分が少ないので、耐久性に優れ、並目螺子部の締結力を大きい状態で保つことができ、何度も再使用が可能なボルトを製造できる。
【0012】
ここで、並目螺子部や細目螺子部を形成する手段として、転造装置や旋盤装置、フライス盤装置、機械回し式や手回し式のダイス等が用いられる。
【0013】
本発明の請求項7に記載のボルトの製造方法は、ボルト軸部の先端部から所定部まで形成されるピッチPの並目螺子部と、前記ボルト軸部の前記並目螺子部の全長若しくは先端部から前記並目螺子部の所定部まで前記並目螺子部に重ねて前記並目螺子部と同一の巻き方向に形成されるピッチp(p=P/n,nは2以上の整数)の細目螺子部とを転造により同時に形成する転造工程を備え、前記並目螺子部に螺合される並目ナットの谷の径と前記細目螺子部に螺合される細目ナットの谷の径が同一となり、前記転造工程において形成される前記並目螺子部の谷の径D(前記ボルト軸部と同軸で谷底に接する仮想的な円筒の直径)を、前記転造工程において形成される前記細目螺子部の谷の径dより小さく形成する構成を有している。
この構成により、請求項7の(6)乃至(14)の作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)一工程(転造工程)のみで並目螺子部及び細目螺子部が同時に形成されるので、低原価で量産可能であり、生産性に優れる。
(2)ピッチPがピッチpの整数倍なので、転造用ダイスの設計や製作を容易に行うことができる。
【0014】
ここで、転造の方法としては、平ダイスを用いる方法、ロールダイスを用いる方法等が用いられる。
平ダイス及びロールダイスの形状としては、対向して配設されたダイスの一方に並目螺子部が形成され他方に細目螺子部が形成された形状、対向して配設されたダイスの両方に並目螺子部及び細目螺子部が一体に形成された形状などが用いられる。
【0015】
本発明の請求項8に記載の発明は、請求項6又は7に記載のボルトの製造方法であって、前記細目螺子部形成工程又は前記転造工程において形成される前記細目螺子部のピッチpを、前記並目螺子部形成工程又は前記転造工程において形成される前記並目螺子部のピッチPの1/2倍に形成する構成を有している。
この構成により、請求項6又は7の作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)細目螺子部のピッチpが並目螺子部のピッチPの1/2倍未満(例えば、1/3倍や1/4倍)である場合に比べて、細目螺子部に細目ナットを螺合させた際、細目螺子部の雄螺子部に接する細目ナットの雌螺子部の表面積が大きく、細目螺子部と細目ナットの締結力を大きい状態で保つことができるとともに、細目螺子部の谷数が少ないので、締め付けや取り外しの操作を円滑に行うことができ利便性に優れるボルトを製造することができる。
(2)ピッチPがピッチpの2倍なので、使用するダイスの決定やダイスやボルト基材の送り速度の計算や設定、転造用ダイスの設計や製作、傷の発見等をさらに容易に行うことができ、品質管理が簡単で生産性に優れるとともに歩留まりを向上させることができる。
【0016】
本発明の請求項9に記載の発明は、請求項6乃至8の内何れか一項に記載のボルトの製造方法であって、前記細目螺子部形成工程又は前記転造工程において形成される前記細目螺子部のリード角βを、前記並目螺子部形成工程又は前記転造工程において形成される前記並目螺子部のリード角αより小さく形成する構成を有している。
この構成により、請求項6乃至8の内何れか一項の作用に加え、以下のような作用が得られる。
(1)並目螺子部に並目ナットを螺合させた後、細目螺子部に細目ナットを螺合させた場合、細目螺子部のリード角βが並目螺子部のリード角αより小さいので、同一回転角度に対する細目ナットの移動距離は並目ナットのそれより小さくなる。よって、並目ナットが弛み方向に回転し、被締結体から離れようとしても、細目ナットは同一回転角度で並目ナット以上の距離を移動することができない。よって、並目ナットは細目ナットに常に弛み方向への回転を抑制された状態となり、弛みにくいボルトを製造することができる。
発明を実施するための最良の形態
【0017】
本発明の実施の形態におけるボルト及びその製造方法について、以下図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
第1図は本発明の実施の形態1におけるボルトの要部側面図であり、第2図はボルト軸部の要部拡大図であり、第3図はボルトの使用状態を示す要部側面図である。
第1図乃至第3図において、1は本実施の形態1におけるボルト、2はボルト1のボルト軸部、3は冷間鍛造等により形成されたボルト1のボルト頭部、4は切削又は転造によりボルト軸部2の先端部から所定部までピッチP,リード角α,谷の径D(ボルト軸部2と同軸で谷底部に接する仮想的な円筒の直径),条数1で形成された並目螺子部、4aは並目螺子部4の螺子山の頂部、4bは並目螺子部4の谷底部、4cは並目螺子部4のフランク、5はボルト軸部2の先端部から並目螺子部4の所定部まで切削又は転造によりピッチp,リード角β,谷の径d,条数1で形成された細目螺子部、5aは細目螺子部5の谷底部である。ここで、ピッチpはピッチPの1/2倍であり、リード角βはリード角αより小さく、谷の径Dは谷の径dより小さい。
6は第1の被締結体、7は第1の被締結体6にボルト1によって締結された第2の被締結体であり、ボルト1は第1の被締結体6及び第2の被締結体7のボルト孔6a,7aに貫挿されている。8はボルト1の先端部側がボルト孔8aに貫挿され第1の被締結体6に当接した座金、9はボルト1の並目螺子部4に螺合されピッチPの雌螺子が形成された並目ナット、10はボルト1の細目螺子部5に螺合されピッチpのめねじが形成された細目ナットである。
【0018】
第4(a)図は第3図におけるA部の要部拡大図であり、第4(b)図は第3図におけるB部の要部拡大図である。
第4図において、2はボルト軸部、4は細目螺子部が形成されていない部分の並目螺子部、4aは並目螺子部4の螺子山の頂部、4bは並目螺子部4の谷底部、4cは並目螺子部4のフランク、5は並目螺子部4に重ねて形成された細目螺子部、5aは細目螺子部5の谷底部、9は並目ナット、10は細目ナット、Pは並目螺子部4のピッチ、pは細目螺子部5のピッチであり、これらは第1図乃至第3図と同様なものなので同一の符号を付してその説明を省略する。
11は細目螺子部5を形成するために、並目螺子部4の一部が転造装置や旋盤装置,フライス盤装置,手回し式のダイス等により切除された切除部である。
【0019】
以上のように構成された本発明の実施の形態1のボルトについて、以下その製造方法を、図面を参照しながら説明する。
第5(a)図は並目螺子部が切削により形成されていく状態を示した説明図であり、第5(b)図は細目螺子部が切削により形成されていく状態を示した説明図である。
第5図において、2はボルト軸部、4は並目螺子部、4aは並目螺子部の頂部、4bは並目螺子部の谷底部、4cは並目螺子部のフランク、5は細目螺子部、5aは細目螺子部の谷底部であり、これらは第4図と同様のものなので同一の符号を付してその説明を省略する。
12は旋盤装置(図示せず)に取り付けられた並目螺子部切削用バイト、13は旋盤装置に取り付けられた細目螺子部切削用バイトである。
ボルト1を製造するには、まず、ボルト軸部2を旋盤装置に取り付け、ボルト軸部2を回転させながら軸方向に移動させる。これにより、ボルト軸部2の側面が並目螺子部切削用バイト12により切削され並目螺子部4が形成される(並目螺子部形成工程)。次いで、旋盤装置に細目螺子部切削用バイト13を取り付け、並目螺子部4が形成された円柱状材料を回転させながら軸方向に移動させる。これにより、並目螺子部4から切除部11(第4図参照)が取り除かれ、細目螺子部5が形成されボルト1が製造される(細目螺子部形成工程)。
【0020】
以上のように本実施の形態1におけるボルト及びその製造方法は構成されているので、以下のような作用を有する。
(1)並目螺子部4のピッチPが細目螺子部5のピッチpの2倍となるので、並目螺子部4の山部に1ピッチ毎に細目螺子部5の同じパターンが形成されて、このパターンの繰り返しによる周期性が確保される。これによって、並目螺子部4の山部における細目螺子部5の形成によって切削される部分が周期的に存在するので、並目螺子部4の山部が局所的に薄肉化されることによる機械的強度の低下や、並目螺子部4の山部に不規則に細目螺子部5の谷部が形成されることによる応力集中等を効果的に防止して、ボルト1の耐久性を維持させることができる。
(2)ボルト1の並目螺子部4に並目ナット9を螺合させた後、細目螺子部5に細目ナット10をこの並目ナット9に重ねて螺合させて、ボルト1及び両ナット9,10間を締結させることができる。このとき、細目ナット10と並目ナット9のピッチが異なるので両者が一体になって回転すると両ナット9,10間の接触面(座面)に反発力や摩擦力が働き、並目ナット9が弛み方向に回転するのを防止でき、ボルト1が適用される装置等の信頼性を高めることができる。
(3)ボルト軸部2に周期性を持った凹凸のパターンが形成されるので、このパターンを観察して不良品の目視検査を行ったり、テレビカメラ等により撮影したボルト画像の解析により周期性の有無を判定したりすることができ、大量に製造されるボルト1の検査を効率的に処理できる。
(4)並目螺子部4の山部における細目螺子部5の谷部(並目螺子部4の山部の内、細目螺子部5の谷部が形成される際に切除される部分)が、ボルト軸部2の軸方向に規則的に存在するので、外観に優れ見栄えがよく、ボルト1としての商品価値を高めることができる。
(5)並目螺子部4の山部における細目螺子部5の谷部(並目螺子部4の山部の内、細目螺子部5の谷部が形成される際に切除される部分)が、ボルト軸部2の軸方向に規則的に存在するので、ナットで締め付ける際の圧力が均等に付加される。これにより、螺子山がつぶれたり、欠け落ちたりするようなことがなく、しかも締め付けや取り外しの操作を円滑に行うことができ利便性に優れる。
(6)細目螺子部5のピッチpが並目螺子部4のピッチPの1/2倍未満(例えば、1/3倍や1/4倍)である場合に比べて、細目螺子部5に細目ナット10を螺合させた際、細目螺子部5の雄螺子部に接する細目ナット10の雌螺子部の表面積が大きい。これにより、細目螺子部5と細目ナット10の締結力を大きい状態で保つことができるとともに、細目螺子部5の谷数が少ないので、締め付けや取り外しの操作を円滑に行うことができ利便性に優れる。
(7)細目螺子部5のリード角βが並目螺子部4のリード角αより小さいので、同一回転角度に対する細目ナット10の移動距離は並目ナット9のそれより小さくなる。よって、並目ナット9が弛み方向に回転し、第1の被締結体6から離れようとしても、細目ナット10は並目ナット9より速く移動することができないので、並目ナット9は細目ナット10に常に弛み方向への回転を抑制された状態となり、弛みにくい。
(8)細目螺子部5の谷底部5a(並目螺子部4の螺子山部の切除される部分、切除部11)が並目螺子部4の谷底部4bに比べて浅く、並目螺子部4の山部に細目螺子部5の谷底部5aが重なっても並目螺子部4の山部が削られて削減する部分が少ないので、耐久性に優れ、並目螺子部の締結力を大きい状態で保つことができ、何度も再使用が可能である。
(9)二工程(並目螺子部形成工程及び細目螺子部形成工程)のみで並目螺子部4及び細目螺子部5が形成されるので、低原価で量産可能であり、作業性に優れる。
(10)ピッチPがピッチpの2倍なので、使用するダイスの決定やダイスやボルト基材の送り速度の計算や設定、転造用ダイスの設計や製作、傷の発見等をさらに容易に行うことができ、品質管理が簡単で生産性に優れるとともに歩留まりを向上させることができる。
【0021】
尚、本実施の形態1においては、旋盤装置を用いてボルト1を製造したが、フライス盤を用いても同様に実施可能である。
また、本実施の形態1においては、細目螺子部5をボルト軸部2の先端部から並目螺子部4の所定部まで形成したが、並目螺子部4の全長に渡って形成した場合は細目ナット10を螺合させる箇所が制限されないので好ましい。
また、本実施の形態1においては、並目螺子部4と細目螺子部5の両方を1条螺子としたが、細目螺子部5の条数が並目螺子部4の条数以下であれば、同様に実施可能である。
また、本実施の形態1においては、螺子山の断面形状としては、三角螺子を用いたが、台形螺子、角螺子、のこ刃螺子、丸螺子等を用いても同様に実施可能であることが分かった。
また、本実施の形態1においては、並目螺子部4と細目螺子部5の巻き方向が同一であるボルトの製造方法について説明したが、各々の巻き方向が異なるボルトを製造する場合もある。この場合は、細目螺子部に螺合するナットの弛み方向(回転方向)は、並目螺子部に螺合するナットの弛み方向(回転方向)と異なるので、弛みにくく締結力が強く安全性に優れる。
また、本実施の形態1においては、六角ボルトを製造する場合について説明したが、四角ボルトやアイボルト、角根丸頭ボルト、さらボルト、ちょうボルト、基礎ボルト、六角穴付きボルト、植込みボルト、Uボルト等を製造する場合も同様に実施可能である。
【0022】
(実施の形態2)
第6図は本発明の実施の形態2におけるボルトの製造方法を示す説明図であり、第7(a)図は並目平ダイスの並目螺子部側から視た平面図であり、第7(b)図は第7(a)図のC−C線における矢視要部断面図であり、第8(a)図は細目平ダイスの細目螺子部側から視た平面図であり、第8(b)図は第8(a)図のD−D線における矢視要部断面図である。
尚、製造されるボルトは実施の形態1と同様のものであるので、その説明を省略する。
第6図乃至第8図において、2はボルト軸部であり、これは実施の形態1と同様のものであるので、その説明を省略する。
21は平板状の表面に並目螺子山21aが形成された並目平ダイス、22は並目平ダイス21に一定間隔を挟んで対向して配設され平板状の表面に細目螺子山22aが形成された細目平ダイスである。並目平ダイス21と細目平ダイス22とは一方を固定し他方を平行移動可能に配設するか、又は、相互に反対方向に平行移動可能に配設する。
ボルト1を製造するには、第6図において、並目平ダイス21と細目平ダイス22との間にボルト軸部2を入れ、並目平ダイス21を矢印E方向に平行移動させると(又は、並目平ダイス21と細目平ダイス22とを相互に反対方向に移動させると)、ボルト軸部2は、並目平ダイス21及び細目平ダイス22に挟圧され並目螺子部及び細目螺子部を転造されながら、並目平ダイス21と同方向に転動する(転造工程)。これにより、ボルト軸部2は塑性変形し、外周面に並目螺子部及び細目螺子部が形成されたボルトが製造される。
【0023】
以上のように本実施の形態2におけるボルトの製造方法は構成されているので、実施の形態1のボルトの製造方法で得られる作用に加え、以下のような作用を有する。
(1)並目平ダイス21の並目螺子山21aと細目平ダイス22の細目螺子山22aとが、同時にボルト軸部2に転写される。よって、一工程(転造工程)のみで並目螺子部及び細目螺子部を形成することができ、低原価で量産可能であり、作業性に優れる。
尚、本実施の形態2においては、並目螺子山21aと細目螺子山22aが各々別のダイスに形成されているものを用いたが、並目螺子山と細目螺子山が一体に形成されたダイスを用いて転造を行っても同様に実施可能である。
【0024】
(実施の形態3)
第9図は本発明の実施の形態3におけるボルトの製造方法を示す説明図である。
尚、製造されるボルトは実施の形態1と同様のものであるので、その説明を省略する。
第9図において、2はボルト軸部であり、これは実施の形態1と同様のものであるので、同一の符号を付してその説明を省略する。
31は並目螺子山31aが円柱状の表面に形成された並目ロールダイス、32は細目螺子山32aが円柱状の表面に形成された細目ロールダイス、33は並目ロールダイス31及び細目ロールダイス32の間に配設されたボルト軸部支持部であり、ボルト軸部2が支持される。
ボルト1を製造するには、ボルト軸部2をボルト軸部支持部33に配置し、並目ロールダイス31と細目ロールダイス32とにボルト軸部2を挟圧させ、並目ロールダイス31及び細目ロールダイス32を回転駆動させる。これにより、ボルト軸部2は並目ロールダイス31及び細目ロールダイス32に挟圧され並目螺子部4及び細目螺子部5を転造されながら転動する(転造工程)。転造されたボルト軸部2は塑性変形し、外周面に並目螺子部及び細目螺子部が形成されボルトが製造される。
【0025】
以上のように本実施の形態3におけるボルトの製造方法は構成されているので、実施の形態1のボルトの製造方法で得られる作用に加え、以下のような作用を有する。
(1)並目ロールダイス31の並目螺子山31aと細目ロールダイス32の細目螺子山32aとが、同時にボルト軸部2に転写される。よって、一工程(転造工程)のみで並目螺子部及び細目螺子部が同時に形成されるので、低原価で量産可能であり、作業性に優れる。
尚、本実施の形態3においては、並目螺子山31aと細目螺子山32aが各々別のダイスに形成されているものを用いたが、並目螺子山と細目螺子山が一体に形成されたダイスを用いても同様に実施可能である。
【0026】
(実施例)
以下、本発明を実施例を用いて具体的に説明する。尚、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
外径12mm、ピッチP=1.75mmの並目螺子部を有するボルトにピッチp=0.875mm(p=P/2)の細目螺子部を手回し式のダイスで螺子切りした。
第10図は、実施例1において製造されたボルトの要部側面図である。
第10図において、51は本実施例1において製造されたボルト、52はボルト51の並目螺子部、53は螺子切りされた細目螺子部である。
第10図に示すように、並目螺子部52上に細目螺子部53(の谷底部)が整然と形成されており、見栄えが良いことが明らかとなった。
次に、ボルトのサイズを種々変えてみたが、ボルトのサイズに関係なく並目螺子部のピッチと細目螺子部のピッチの関係が、整数倍であれば、細目ピッチが規則的に表れ、機械的強度に優れていることがわかった。
【0027】
(比較例1)
次に、外形12mm、ピッチP=1.75mmの並目螺子部を有するボルトにピッチp=1.0mmの細目螺子部を手回し式のダイスで螺子切りした。
第11図は、比較例1において製造されたボルトの要部側面図である。
第11図において、61は本比較例1において製造されたボルト、62はボルト61の並目螺子部、63は螺子切りされた細目螺子部である。
第11図に示すように、並目螺子部62上に細目螺子部63が不規則に形成されており、また、並目螺子部62の螺子山が極端に切削されている箇所もあり、本比較例1のように細目螺子部63のピッチpを並目螺子部のピッチPより単に小さくしただけでは、並目螺子部62の1ピッチ毎に重ねて形成される細目螺子部63のパターンに規則性が表れずボルトの外径にウェーブの模様ができて製品にならないことが分かった。高い螺子山と低い螺子山ができ、強度試験を行った場合、機械的強度の損失が標準螺子に比べて大きいことが分かった。
産業上の利用可能性
【0028】
以上のように本発明におけるボルト及びそのボルトとナットの締結システム、及びそのボルトの製造方法によれば、以下のような有利な効果を得ることができる。
請求項1に記載の発明によれば、
(1)並目螺子部のピッチPが細目螺子部のピッチpの2以上の整数倍となるので、並目螺子部の1山毎に細目螺子部の同じパターンが形成されて、このパターンの繰り返しによる周期性が確保される。これによって、並目螺子部の山部における細目螺子部の形成によって縮減される部分が周期的に存在するので、並目螺子部の山部が局所的に薄肉化されることによる機械的強度の低下や、並目螺子部の山部に不規則に細目螺子部の谷部が形成されることによる応力集中等を効果的に防止して、ボルトの耐久性を維持させることができる。
(2)ボルトの並目螺子部に並目ナットを螺合させた後、細目螺子部に細目ナットをこの並目ナットに重ねて螺合させて、ボルト及び両ナット間を締結させることができる。この際、細目ナットと並目ナットのピッチが異なるので両者が一体になって回転すると両ナット間の接触面(座面)に反発力や摩擦力が働き、バックラッシを補正し並目ナットが弛み方向に回転するのを防止でき、ボルトが適用される装置等の信頼性を高めることができる。
(3)ボルト螺子部に周期性を持った凹凸のパターンが形成されるので、生産が容易で歩留まりが高く、また、このパターンを観察して不良品の目視検査を行ったり、テレビカメラ等により撮影したボルト画像の解析により周期性の有無を簡単に判定したりすることができ、品質管理が容易で高品質のボルトを低原価で大量に製造できる。
(4)並目螺子部の山部における細目螺子部の谷部(並目螺子部の山部の内、細目螺子部の谷部が形成される際に切除される部分)が、ボルト軸部の軸方向に規則的に存在するので、外観に優れるとともに目視による検査が容易で、ボルトとしての商品価値を高めることができる。
(5)並目螺子部の山部における細目螺子部の谷部が、ボルト軸部の軸方向に規則的に存在するので、ナットで締め付ける際の圧力を均等に加えることができ、これにより、螺子山がつぶれたり、欠け落ちたりするようなことがなく、しかも締め付けや取り外しの操作を円滑に行うことができ利便性に優れる。
(6)細目螺子部の谷底部(並目螺子部の山部の切除される部分)が浅く、並目螺子部の山部に細目螺子部の谷底部が重なっても並目螺子部の山部の削り量が少ないので、機械的強度の低下を防止でき、耐圧縮性や耐剪断性に優れ、並目螺子部の締結力を大きい状態で保つことができ、何度も再使用が可能である。
【0029】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1の効果に加え、
(1)細目螺子部のピッチpが並目螺子部のピッチPの1/2倍未満(例えば、1/3倍や1/4倍)である場合に比べて、細目螺子部に細目ナットを螺合させた際、細目螺子部の雄螺子部に接する細目ナットの雌螺子部の表面積が大きくすることができ、これにより、細目螺子部と細目ナットの締結力を大きい状態で保つことができるとともに、細目螺子部の谷数が少ないので、締め付けや取り外しの作業を円滑に行うことができ作業性に優れる。
【0030】
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は2の効果に加え、
(1)並目螺子部に並目ナットを螺合させた後、細目螺子部に細目ナットを螺合させた場合、細目螺子部のリード角βが並目螺子部のリード角αより小さいので、同一回転角度に対する細目ナットの移動距離は並目ナットのそれより小さくなる。よって、並目ナットが弛み方向に回転し、被締結体から離れようとしても、細目ナットは同一回転角度で並目ナット以上の距離を移動することができない。よって、並目ナットは細目ナットに常に弛み方向への回転を抑制された状態となり、弛みにくい。
【0031】
請求項4に記載の発明によれば、
(1)細目ナットと並目ナットのピッチが異なるので両者が一体になって回転すると両ナット間の接触面(座面)に反発力や摩擦力が働き、並目ナットが弛み方向に回転するのを防止でき、ボルトが適用される装置等の信頼性を高めることができる。
(2)細目螺子部のリード角が並目螺子部のリード角より小さいので、同一回転角度に対する細目ナットの移動距離は並目ナットのそれより小さくなる。よって、並目ナットが弛み方向に回転し、第1の被締結体から離れようとしても、細目ナットは並目ナットより速く移動することができないので、並目ナットは細目ナットに常に弛み方向への回転を抑制された状態となり、弛みにくい。
(3)細目螺子部の谷底部が並目螺子部の谷底部に比べて浅く、並目螺子部の山部に細目螺子部の谷底部が重なっても並目螺子部の山部が削られて削減する部分が少ないので、耐久性に優れ、並目螺子部の締結力を大きい状態で保つことができ、何度も再使用が可能である。
【0032】
請求項5に記載の発明によれば、請求項4の効果に加え、
(1)細目螺子部及び細目ナットのピッチpが並目螺子部及び並目ナットのピッチPの1/2なので、細目螺子部のピッチpが並目螺子部のピッチPの1/2倍未満(例えば、1/3倍や1/4倍)である場合に比べて、細目螺子部に細目ナットを螺合させた際、細目螺子部の雄螺子部に接する細目ナットの雌螺子部の表面積が大きい。これにより、細目螺子部と細目ナットの締結力を大きい状態で保つことができるとともに、細目螺子部の谷数が少ないので、締め付けや取り外しの操作を円滑に行うことができ利便性に優れる。
【0033】
請求項6に記載の発明によれば、
(1)二工程(並目螺子部形成工程及び細目螺子部形成工程)のみで並目螺子部及び細目螺子部が形成されるので、低原価で量産可能であり、生産性に優れる。
(2)フライス盤や旋盤等を使用して切削により細目螺子部及び並目螺子部を形成する場合は、ピッチPがピッチpの整数倍なので、ダイスやボルト基材の送り速度の計算や設定を容易に行うことができ生産性に優れる。
(3)転造盤等を使用して転造により細目螺子部及び並目螺子部を形成する場合は、ピッチPがピッチpの整数倍なので、使用する転造用ダイスのピッチを容易に決定することができ、生産性に優れる。
(4)転造盤等を使用して転造により細目螺子部を形成する場合は、ピッチPがピッチpの整数倍なので、局所的に並目螺子部の山部が大きくつぶされてこの山部に隣接する谷部に侵入することがなく、歩留まりを向上させることができるとともに生産性に優れる。
(5)転造や切削によって形成された並目螺子部に重ねて手回し式のダイスで細目螺子部を形成する場合は、ピッチPがピッチpの整数倍なので、使用する手回し式ダイスのピッチを容易に決定することができ、生産性に優れる。
(6)ピッチPがピッチpの整数倍なので、並目螺子部における細目螺子部の切削位置が同一線状に同一間隔毎に現われるので、ダイス等の傷の発見を容易に行うことができ、品質管理が簡単で生産性に優れるとともに歩留まりを向上させることができる。
(7)ボルトのサイズを変えても、ボルトのサイズに関係なく並目螺子部のピッチと細目螺子部のピッチの関係が、整数倍であるので、細目ピッチが規則的に表れ、機械的強度に優れる。
(8)並目螺子部のピッチPが細目螺子部のピッチpの2以上の整数倍となるので、並目螺子部の1山毎に細目螺子部の同じパターンが形成されて、このパターンの繰り返しによる周期性が確保される。これによって、並目螺子部の山部における細目螺子部の形成によって縮減される部分が周期的に存在するので、並目螺子部の山部が局所的に薄肉化されることによる機械的強度の低下や、並目螺子部の山部に不規則に細目螺子部の谷部が形成されることによる応力集中等を効果的に防止して、ボルトの耐久性を維持させることができるボルトを製造できる。
(9)ボルトの並目螺子部に並目ナットを螺合させた後、細目螺子部に細目ナットをこの並目ナットに重ねて螺合させて、ボルト及び両ナット間を締結させることができる。このとき、細目ナットと並目ナットのピッチが異なるので両者が一体になって回転すると両ナット間の接触面(座面)に反発力や摩擦力が働き、並目ナットが弛み方向に回転するのを防止でき、ボルトが適用される装置等の信頼性を高めることができるボルトを製造できる。
(10)ボルト螺子部に周期性を持った凹凸のパターンが形成されるので、このパターンを観察して不良品の目視検査を行ったり、テレビカメラ等により撮影したボルト画像の解析により周期性の有無を判定したりすることができ、大量に製造されるボルトの検査を効率的に処理できるボルトを製造できる。
(11)並目螺子部の山部における細目螺子部の谷部(並目螺子部の山部の内、細目螺子部の谷部が形成される際に切除される部分)が、ボルト軸部の軸方向に規則的に存在するので、外観に優れ見栄えがよく、ボルトとしての商品価値を高めることができるボルトを製造できる。
(12)並目螺子部の山部における細目螺子部の谷部(並目螺子部の山部の内、細目螺子部の谷部が形成される際に切除される部分)が、ボルト軸部の軸方向に規則的に存在するので、ナットで締め付ける際の圧力が均等に付加される。これにより、螺子山がつぶれたり、欠け落ちたりするようなことがなく、しかも締め付けや取り外しの操作を円滑に行うことができ利便性に優れるボルトを製造できる。
(13)細目螺子部の谷底部(並目螺子部の山部の切除される部分)を浅くできるので、切削量を少なくでき、量産性や作業性に優れる。
(14)細目螺子部の谷底部(並目螺子部の山部の切除される部分)が浅く、並目螺子部の山部に細目螺子部の谷底部が重なっても並目螺子部の山部が削られて削減する部分が少ないので、耐久性に優れ、並目螺子部の締結力を大きい状態で保つことができ、何度も再使用が可能なボルトを製造できる。
【0034】
請求項7に記載の発明によれば、請求項7の(6)乃至(14)の効果に加え、
(1)一工程(転造工程)のみで並目螺子部及び細目螺子部が同時に形成されるので、低原価で量産可能であり、生産性に優れる。
(2)ピッチPがピッチpの整数倍なので、転造用ダイスの設計や製作を容易に行うことができる。
【0035】
請求項8に記載の発明によれば、請求項6又は7の効果に加え、
(1)細目螺子部のピッチpが並目螺子部のピッチPの1/2倍未満(例えば、1/3倍や1/4倍)である場合に比べて、細目螺子部に細目ナットを螺合させた際、細目螺子部の雄螺子部に接する細目ナットの雌螺子部の表面積が大きく、細目螺子部と細目ナットの締結力を大きい状態で保つことができるとともに、細目螺子部の谷数が少ないので、締め付けや取り外しの操作を円滑に行うことができ利便性に優れるボルトを製造することができる。
(2)ピッチPがピッチpの2倍なので、使用するダイスの決定やダイスやボルト基材の送り速度の計算や設定、転造用ダイスの設計や製作、傷の発見等をさらに容易に行うことができ、品質管理が簡単で生産性に優れるとともに歩留まりを向上させることができる。
【0036】
請求項9に記載の発明によれば、請求項6乃至8の内何れか一項の効果に加え、
(1)並目螺子部に並目ナットを螺合させた後、細目螺子部に細目ナットを螺合させた場合、細目螺子部のリード角βが並目螺子部のリード角αより小さいので、同一回転角度に対する細目ナットの移動距離は並目ナットのそれより小さくなる。よって、並目ナットが弛み方向に回転し、被締結体から離れようとしても、細目ナットは同一回転角度で並目ナット以上の距離を移動することができない。よって、並目ナットは細目ナットに常に弛み方向への回転を抑制された状態となり、弛みにくいボルトを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
第1図は、本発明の実施の形態1におけるボルトの要部側面図である。
第2図は、本発明の実施の形態1におけるボルト軸部の要部拡大図である。
第3図は、本発明の実施の形態1におけるボルトの使用状態を示す要部側面図である。
第4(a)図は、第1図におけるA部の拡大図である。
第4(b)図は、第1図におけるB部の拡大図である。
第5(a)図は、並目螺子部が切削により形成されていく状態を示した説明図である。
第5(b)図は、細目螺子部が切削により形成されていく状態を示した説明図である。
第6図は、本発明の実施の形態2におけるボルトの製造方法を示す説明図である。
第7(a)図は、並目平ダイスの並目螺子部側から視た平面図である。
第7(b)図は、第7(a)図のC−C線における矢視要部断面図である。
第8(a)図は、細目平ダイスの細目螺子部側から視た平面図である。
第8(b)図は、第8(a)図のD−D線における矢視要部断面図である。
第9図は、本発明の実施の形態3におけるボルトの製造方法を示す説明図である。
第10図は、実施例1において製造されたボルトの要部側面図である。
第11図は、比較例1において製造されたボルトの要部側面図である。
Claims (9)
- ボルト軸部の先端部から所定部まで形成されたピッチPの並目螺子部と、少なくとも前記ボルト軸部の前記並目螺子部の全長若しくは先端部から前記並目螺子部の所定部まで前記並目螺子部に重ねて前記並目螺子部と同一の巻き方向に形成されたピッチpがp=P/n(nは2以上の整数)の細目螺子部と、を備え、前記並目螺子部に螺合される並目ナットの谷の径と前記細目螺子部に螺合される細目ナットの谷の径が同一となるようにし、前記並目螺子部の谷の径D(前記ボルト軸部と同軸で谷底に接する仮想的な円筒の直径)が、前記細目螺子部の谷の径dより小さく形成されたことを特徴とするボルト。
- 前記細目螺子部の前記ピッチpが、前記並目螺子部の前記ピッチPの1/2倍であることを特徴とする請求項1に記載のボルト。
- 前記細目螺子部のリード角βが、前記並目螺子部のリード角αより小さいことを特徴とする請求項1又は2に記載のボルト。
- 請求項1乃至3の内何れか一項に記載のボルトと、前記ボルトに締結されたピッチPの並目ナットと、前記並目ナットの後部に締結されたピッチpがp=P/n(但し、nは2以上の整数)の細目ナットと、を備えたことを特徴とするボルトとナットの締結システム。
- 前記細目螺子部がピッチpがp=P/2で前記ボルト軸部の先端部から前記並目螺子部の所定部まで形成され、前記細目ナットのピッチpがp=P/2に形成されたことを特徴とする請求項4に記載のボルトとナットの締結システム。
- ボルト軸部の先端部から所定部まで切削又は転造によりピッチPの並目螺子部を形成する並目螺子部形成工程と、
前記ボルト軸部の前記並目螺子部の全長若しくは前記ボルト軸部の先端部から前記並目螺子部の所定部まで前記並目螺子部に重ねて前記並目螺子部と同一の巻き方向に、ピッチp(p=P/n,nは2以上の整数)の細目螺子部を切削又は転造により形成する細目螺子部形成工程と、を備え、
前記並目螺子部に螺合される並目ナットの谷の径と前記細目螺子部に螺合される細目ナットの谷の径が同一となるようにし、前記並目螺子部形成工程において形成される前記並目螺子部の谷の径D(前記ボルト軸部と同軸で谷底に接する仮想的な円筒の直径)を、前記細目螺子部形成工程において形成される前記細目螺子部の谷の径dより小さく形成することを特徴とするボルトの製造方法。 - ボルト軸部の先端部から所定部まで形成されるピッチPの並目螺子部と、前記ボルト軸部の前記並目螺子部の全長若しくは先端部から前記並目螺子部の所定部まで前記並目螺子部に重ねて前記並目螺子部と同一の巻き方向に形成されるピッチp(p=P/n,nは2以上の整数)の細目螺子部とを転造により同時に形成する転造工程を備え、前記並目螺子部に螺合される並目ナットの谷の径と前記細目螺子部に螺合される細目ナットの谷の径が同一となり、前記転造工程において形成される前記並目螺子部の谷の径D(前記ボルト軸部と同軸で谷底に接する仮想的な円筒の直径)を、前記転造工程において形成される前記細目螺子部の谷の径dより小さく形成することを特徴とするボルトの製造方法。
- 前記細目螺子部形成工程又は前記転造工程において形成される前記細目螺子部のピッチpを、前記並目螺子部形成工程又は前記転造工程において形成される前記並目螺子部のピッチPの1/2倍に形成することを特徴とする請求項6又は7に記載のボルトの製造方法。
- 前記細目螺子部形成工程又は前記転造工程において形成される前記細目螺子部のリード角βを、前記並目螺子部形成工程又は前記転造工程において形成される前記並目螺子部のリード角αより小さく形成することを特徴とする請求項6乃至8の内何れか一項に記載のボルトの製造方法。
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