JP3534117B1 - 螺子転造ダイスの製造方法 - Google Patents

螺子転造ダイスの製造方法

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JP3534117B1
JP3534117B1 JP2003352625A JP2003352625A JP3534117B1 JP 3534117 B1 JP3534117 B1 JP 3534117B1 JP 2003352625 A JP2003352625 A JP 2003352625A JP 2003352625 A JP2003352625 A JP 2003352625A JP 3534117 B1 JP3534117 B1 JP 3534117B1
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光家 竹増
洋 宮原
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B21MECHANICAL METAL-WORKING WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
    • B21HMAKING PARTICULAR METAL OBJECTS BY ROLLING, e.g. SCREWS, WHEELS, RINGS, BARRELS, BALLS
    • B21H3/00Making helical bodies or bodies having parts of helical shape
    • B21H3/02Making helical bodies or bodies having parts of helical shape external screw-threads ; Making dies for thread rolling

Abstract

【要約】 【課題】 緩み防止機能を有する、いわゆる二重螺子ボ
ルトのような多重螺子ボルトの製造に用いられる螺子転
造ダイスの製造方法の提供。 【解決手段】 螺子転造ダイス材料30に、並目螺子山
の山頂部を平坦にした形状を有する第1の切削工具10
を、細目螺子を展開した細目螺子山と並目螺子を展開し
た並目螺子山との位相ずれに応じて並目螺子山の谷部に
周期的に形成する細目螺子山の一部である突起6の最大
高さ以下の位置まで送り込み、螺子転造ダイス材料30
の一部分を切削することにより、螺子転造ダイス上の並
目螺子山の一部分を形成し、さらに、細目螺子山の形状
を有する第2の切削工具25を、螺子転造ダイス上に形
成した並目螺子山の一部分の谷部5aから突起6の形状
に合わせて送り込み、螺子転造ダイス材料30を切削す
ることにより、螺子転造ダイスの並目螺子山の一部の残
りの部分および突起6を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】 【技術分野】
【0001】本発明は、緩み防止機能を有するボルトの
製造に用いられる螺子転造ダイスの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】近年、緩み防止機能を有する種々のボルト
およびその製造方法が研究・開発されている。例えば、
特許文献1に記載のボルトは、ボルト軸部の先端部から
所定部まで形成されたピッチPの並目螺子部と、少なく
ともボルト軸部の並目螺子部の全長もしくは先端部から
並目螺子部の所定部まで並目螺子部に重ねて形成された
ピッチp(p=P/n,nは2以上の整数)の細目螺子
部とを備える構成である。
【0003】このボルト(いわゆる二重螺子ボルト)で
は、ボルトの並目螺子部に並目ナットを螺合させた後、
細目螺子部に細目ナットをこの並目ナットに重ねて螺合
させて、ボルトおよび両ナット間を締結させることがで
きる。この際、細目ナットと並目ナットのピッチが異な
るので、両者が一体になって同一方向に回転すると、両
ナット間の接触面(座面)に反発力が働き、並目ナット
が緩み方向に回転するのを防止することができる。
【0004】ところで、本発明者らは、特願2003−
81247の出願明細書において、特許文献1に記載の
ような、いわゆる二重螺子ボルトを、より低単価で大量
生産することが可能なボルトの製造方法および製造装置
並びにこれに用いる螺子転造ダイスを提案している。こ
の螺子転造ダイスは、並目螺子を展開した並目螺子山の
一部と、細目螺子を展開した細目螺子山と前記並目螺子
山との位相ずれに応じて前記並目螺子山の谷部に周期的
に形成された細目螺子山の一部とを備える。
【0005】
【特許文献1】国際公開第02/077466号パンフ
レット
【発明の開示】 【発明が解決しようとする課題】
【0006】通常の螺子転造ダイスであれば、ダイス材
料に切削によって螺子山を形成することにより製造す
る。上記特願2003−81247の螺子転造ダイス
も、通常の螺子転造ダイスと同様に、ダイス材料に螺子
山の切削を、単純に並目と細目の2回行えばよいのでは
ないかと思われるが、そうではない。この螺子転造ダイ
スは、一見、並目螺子山と細目螺子山とが一体に形成さ
れたダイスのように思われるが、実際は並目螺子山と細
目螺子山とを一つのダイス上に一体に形成したものでは
ないからである。
【0007】そこで、本発明においては、上記のような
緩み防止機能を有する、いわゆる二重螺子ボルトのよう
な多重螺子ボルトの製造に用いられる螺子転造ダイスの
製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】本発明の螺子転造ダイスの製造方法は、並
目螺子を展開した並目螺子山の一部と、細目螺子を展開
した細目螺子山と並目螺子山との位相ずれに応じて並目
螺子山の谷部に周期的に形成された細目螺子山の一部と
を備えた螺子転造ダイスの製造方法であって、螺子転造
ダイス材料に、並目螺子山の山頂部を平坦にした形状を
有する第1の切削工具を、細目螺子山の一部の最大高さ
以下の位置まで送り込み、螺子転造ダイス材料の一部分
を切削することにより、螺子転造ダイス上の並目螺子山
の一部分を形成する工程と、切削後の螺子転造ダイス材
料に、細目螺子山の形状を有する第2の切削工具を、螺
子転造ダイス上の並目螺子山の一部分の谷部から細目螺
子山の一部の形状に合わせて送り込み、螺子転造ダイス
材料を切削することにより、螺子転造ダイスの並目螺子
山の残りの部分および細目螺子山の一部を形成する工程
とを含む。
【0009】本発明の螺子転造ダイスの製造方法では、
螺子転造ダイス材料に、並目螺子山の山頂部を平坦にし
た形状を有する第1の切削工具を、細目螺子を展開した
細目螺子山と並目螺子を展開した並目螺子山との位相ず
れに応じて並目螺子山の谷部に周期的に形成される細目
螺子山の一部の最大高さ以下の位置まで送り込み、螺子
転造ダイス材料の一部分を切削することにより、螺子転
造ダイス上の並目螺子山の一部分を形成する。さらに、
この切削後の螺子転造ダイス材料に、細目螺子山の形状
を有する第2の切削工具を、螺子転造ダイス上に形成し
た並目螺子山の一部分の谷部から細目螺子山の一部の形
状に合わせて送り込み、螺子転造ダイス材料を切削する
ことにより、螺子転造ダイスの並目螺子山の残りの部分
および細目螺子山の一部を形成する。これにより、並目
螺子を展開した並目螺子山の一部と、細目螺子を展開し
た細目螺子山と並目螺子山との位相ずれに応じて並目螺
子山の谷部に周期的に形成された細目螺子山の一部とを
備えた螺子転造ダイスが得られる。
【0010】なお、螺子転造ダイスとしての丸ダイスを
製造する際には、第1及び第2の切削工具としてバイト
を用いるとよい。また、螺子転造ダイスとしての平ダイ
スを製造する際には、第1および第2の切削工具として
フライスカッタを用いるとよい。なお、本明細書中にお
いて切削とは、広義の切削をいい、研削など砥粒による
加工も含むものである。
【0011】あるいは、単一の切削工具を用いて螺子転
造ダイスを製造する場合、本発明の螺子転造ダイスの製
造方法は、螺子転造ダイス材料に並目螺子を展開した並
目螺子山を切削するに際し、細目螺子を展開した細目螺
子山と並目螺子山との位相ずれに応じて並目螺子山の谷
部に周期的に形成された細目螺子山の一部を残して切削
することを特徴とする。
【0012】本発明の螺子転造ダイスの製造方法によれ
ば、並目螺子を展開した並目螺子山の一部と、細目螺子
を展開した細目螺子山と並目螺子山との位相ずれに応じ
て並目螺子山の谷部に周期的に形成された細目螺子山の
一部とを備えた螺子転造ダイスが得られる。
【0013】ここで、並目螺子とは、直径とピッチとの
組み合わせが一般的で最も普通に使用されている螺子を
いう。また、細目螺子とは、並目螺子に比べて直径に対
するピッチの割合が細かく、谷が浅い螺子をいう。本発
明の螺子転造ダイスの製造方法に係る細目螺子山のピッ
チは、並目螺子山のピッチ以下であればよい。また、そ
れぞれの螺子山の形状は、三角螺子、台形螺子、角螺
子、鋸歯螺子、丸螺子、ポール螺子やその他の特殊螺子
などのいずれでもよく、任意に組み合わせることも可能
である。
【0014】なお、本明細書中においては、つる巻き線
の方向は一致するが、ピッチの異なる二つ以上の螺子山
を同軸上に持つ、円筒体または円錐体のことを多重螺子
という。多重螺子は、ピッチの異なる螺子山の数が2の
場合、二重螺子、3の場合、三重螺子、4の場合、四重
螺子、・・・、nの場合、n重螺子と呼ぶ。多重螺子
は、その最も大きなピッチの螺子山と最も小さなピッチ
の螺子山の比をa対nとするとき(aとnは最小の整数
比)、大きなピッチの螺子山のピッチaごとにその多重
螺子の螺子山の形状は周期的に変化する。
【0015】この場合、本発明の螺子転造ダイスの製造
方法は、螺子転造ダイス材料に並目螺子を展開した並目
螺子山を切削するに際し、並目螺子山の谷部に並目螺子
と同一方向のつる巻き線を持ち並目螺子よりもピッチの
小さい細目螺子(但し、並目螺子と細目螺子のピッチの
比はa対bであり、aとbは最小の整数比である。)を
展開したときに並目螺子山との位相ずれに応じて並目螺
子山のb巻きごとに周期的に現れる細目螺子山の一部を
残して切削することを特徴とする。これにより、二重螺
子ボルト用の螺子転造ダイスが得られる。
【0016】また、螺子転造ダイス材料に並目螺子を展
開した並目螺子山を切削するに際し、並目螺子山の谷部
に並目螺子と同一方向のつる巻き線を持ち並目螺子より
もピッチの小さい細目螺子(但し、並目螺子と細目螺子
のピッチの比はa対bであり、aとbは最小の整数比で
ある。)を展開したときに並目螺子山との位相ずれに応
じて並目螺子山のb巻きごとに周期的に現れる細目螺子
山の一部と、並目螺子山の一部および細目螺子山の一部
により形成される谷部に並目螺子と同一方向のつる巻き
線を持ち細目螺子よりもさらにピッチの小さい最細目螺
子(但し、並目螺子と細目螺子と最細目螺子のピッチの
比はa対b対cであり、aとbとcは最小の整数比であ
る。)を展開したときに並目螺子山の一部および細目螺
子山の一部との位相ずれに応じて前記並目螺子山のc巻
きごとに周期的に現れる最細目螺子山の一部とを残して
切削することを特徴とする螺子転造ダイスの製造方法に
より、三重螺子ボルト用の螺子転造ダイスが得られる。
【0017】同様に、螺子転造ダイス材料に並目螺子を
展開した並目螺子山を切削するに際し、並目螺子山の谷
部に並目螺子と同一方向のつる巻き線を持ち並目螺子よ
りもピッチが小さくかつピッチが異なる一つまたは複数
の細目螺子(但し、並目螺子と一つまたは複数の細目螺
子のピッチの比はa対・・・対nであり、a,・・・,
nは最小の整数比である。)をそれぞれ展開したときに
並目螺子山との位相ずれに応じて並目螺子山のn巻きご
とに周期的に現れるそれぞれの細目螺子山の一部を残し
て切削することを特徴とする螺子転造ダイスの製造方法
により、n重螺子ボルト用の螺子転造ダイスが得られ
る。
【0018】ここで、細目螺子山のうち最もピッチの小
さい細目螺子山の一部が、細目螺子を展開したときの谷
底が並目螺子山の谷底よりも高い位置となるように細目
螺子を展開したときに、並目螺子山との位相ずれに応じ
て並目螺子山のn巻きごとに周期的に現れるものとすれ
ば、この螺子転造ダイスにより多重螺子ボルトを転造す
る際、転がりピッチ円径が、細目螺子を展開したときの
谷底部分において谷底を高くした分の約半分ボルト材料
の内側に移動する。これにより、加工終期における転が
りピッチ円径の変動が減少し、ボルト材料の回転中心位
置の変動が軽減される。
【0019】また、このとき、細目螺子を展開したとき
の谷底は、並目螺子山の谷底よりも標準規格の細目螺子
山高さの5〜50%高い位置とするのが望ましい。この
範囲であれば、加工中のびびり振動および騒音を有効に
減少することができる。なお、5%より小さい場合、谷
底高さを変化させたことによるびびり振動および騒音の
改善はほとんど見られない。一方、50%を超えると、
転造により製造された多重螺子ボルトの細目螺子山の高
さが、標準規格の細目螺子山の有効径よりも小さくなっ
てしまうため、この多重螺子ボルトの細目螺子山への掛
かりが小さくなる。
【0020】また、螺子転造ダイスが、細目螺子山の一
部の谷底にさらに切り込んだ深い溝を備えたものとする
ことで、この螺子転造ダイスにより多重螺子ボルトを転
造する際、この深い溝がダッシュポットの役目を果た
し、螺子転造ダイスの溝部へボルト材料が完全に充填さ
れなくても、標準規格の細目螺子寸法を有する多重螺子
ボルトを製造することができる。また、完全充填されな
いことによって、完全充填が一つの要因となって発生す
る加工終期のびびり振動を抑制することができる。
【0021】また、このとき、溝は、標準規格の細目螺
子山高さの3〜10%の深さとすることが望ましい。こ
の範囲であれば、ダッシュポットの役目を十分に発揮す
ることができ、完全な形状の細目螺子山を有する多重螺
子ボルトを製造することができるとともに、加工終期の
びびり振動を十分に抑制することができる。なお、3%
より小さい場合、溝を設けたことによる改善はほとんど
見られない。一方、10%を超えると、溝が深すぎて、
多重螺子ボルトの細目螺子山形状に影響を及ぼす可能性
がある。
【発明の効果】
【0022】(1)螺子転造ダイス材料に、並目螺子山
の山頂部を平坦にした形状を有する第1の切削工具を、
細目螺子を展開した細目螺子山と並目螺子を展開した並
目螺子山との位相ずれに応じて並目螺子山の谷部に周期
的に形成する細目螺子山の一部の最大高さ以下の位置ま
で送り込み、螺子転造ダイス材料の一部分を切削するこ
とにより、螺子転造ダイス上の並目螺子山の一部分を形
成し、切削後の螺子転造ダイス材料に、細目螺子山の形
状を有する第2の切削工具を、螺子転造ダイス上の並目
螺子山の一部分の谷部から細目螺子山の一部の形状に合
わせて送り込み、螺子転造ダイス材料を切削することに
より、螺子転造ダイスの並目螺子山の残りの部分および
細目螺子山の一部を形成し、並目螺子を展開した並目螺
子山と、細目螺子を展開した細目螺子山と並目螺子山と
の位相ずれに応じて並目螺子山の谷部に周期的に形成さ
れた細目螺子山の一部とを備えた、いわゆる二重螺子ボ
ルトの製造に好適な螺子転造ダイスが得られる。
【0023】(2)螺子転造ダイス材料に並目螺子を展
開した並目螺子山を切削するに際し、細目螺子を展開し
た細目螺子山と並目螺子山との位相ずれに応じて並目螺
子山の谷部に周期的に形成された細目螺子山の一部を残
して切削することにより、並目螺子を展開した並目螺子
山と、細目螺子を展開した細目螺子山と並目螺子山との
位相ずれに応じて並目螺子山の谷部に周期的に形成され
た細目螺子山の一部とを備えた、二重螺子ボルトの製造
に好適な螺子転造ダイスが得られる。
【0024】(3)、螺子転造ダイス材料に並目螺子を
展開した並目螺子山を切削するに際し、並目螺子山の谷
部に並目螺子と同一方向のつる巻き線を持ち並目螺子よ
りもピッチの小さい細目螺子(但し、並目螺子と細目螺
子のピッチの比はa対bであり、aとbは最小の整数比
である。)を展開したときに並目螺子山との位相ずれに
応じて並目螺子山のb巻きごとに周期的に現れる細目螺
子山の一部を残して切削することにより、二重螺子ボル
トの製造に好適な螺子転造ダイスが得られる。
【0025】(4)螺子転造ダイス材料に並目螺子を展
開した並目螺子山を切削するに際し、並目螺子山の谷部
に並目螺子と同一方向のつる巻き線を持ち並目螺子より
もピッチの小さい細目螺子(但し、並目螺子と細目螺子
のピッチの比はa対bであり、aとbは最小の整数比で
ある。)を展開したときに並目螺子山との位相ずれに応
じて並目螺子山のb巻きごとに周期的に現れる細目螺子
山の一部と、並目螺子山の一部および細目螺子山の一部
により形成される谷部に並目螺子と同一方向のつる巻き
線を持ち細目螺子よりもさらにピッチの小さい最細目螺
子(但し、並目螺子と細目螺子と最細目螺子のピッチの
比はa対b対cであり、aとbとcは最小の整数比であ
る。)を展開したときに並目螺子山の一部および細目螺
子山の一部との位相ずれに応じて並目螺子山のc巻きご
とに周期的に現れる最細目螺子山の一部とを残して切削
することにより、三重螺子ボルトの製造に好適な螺子転
造ダイスが得られる。
【0026】(5)螺子転造ダイス材料に並目螺子を展
開した並目螺子山を切削するに際し、並目螺子山の谷部
に並目螺子と同一方向のつる巻き線を持ち並目螺子より
もピッチが小さくかつピッチが異なる一つまたは複数の
細目螺子(但し、並目螺子と一つまたは複数の細目螺子
のピッチの比はa対・・・対nであり、a,・・・,n
は最小の整数比である。)をそれぞれ展開したときに並
目螺子山との位相ずれに応じて並目螺子山のn巻きごと
に周期的に現れるそれぞれの細目螺子山の一部を残して
切削することにより、n重螺子ボルトの製造に好適な螺
子転造ダイスが得られる。
【0027】(6)細目螺子山のうち最もピッチの小さ
い細目螺子山の一部が、細目螺子を展開したときの谷底
が並目螺子山の谷底よりも高い位置となるように細目螺
子を展開したときに、並目螺子山との位相ずれに応じて
並目螺子山のn巻きごとに周期的に現れるものであるこ
とにより、この螺子転造ダイスにより多重螺子ボルトを
転造する際の加工終期における転がりピッチ円径の変動
が減少し、ボルト材料の回転中心位置の変動が軽減され
る。これにより、螺子転造ダイスの溝部への材料充填率
がより均等に近くなり、びびり振動を大幅に抑制するこ
とができるため、さらに多重螺子ボルトの製造に好適な
螺子転造ダイスが得られる。
【0028】(7)螺子転造ダイスが、細目螺子山の一
部の谷底にさらに切り込んだ深い溝を備えたことによ
り、この螺子転造ダイスにより多重螺子ボルトを転造す
る際、螺子転造ダイスの溝部へボルト材料が完全に充填
されなくても、螺子転造ダイスの細目螺子山高さの細目
螺子山を有する多重螺子ボルトを製造することができ
る。また、完全充填されないことによって、完全充填が
一つの要因となって発生する加工終期のびびり振動を抑
制することができるため、さらに多重螺子ボルトの製造
に好適な螺子転造ダイスが得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】(実施の形態1) 図1は本発明の第1実施形態における二重螺子ボルトの
製造装置を示す概略図、図2は図1の螺子転造ダイス1
を示す斜視図である。
【0030】図1に示すように、本実施形態における二
重螺子ボルトの製造装置は、所定間隔で対向配置した一
対の螺子転造ダイス1と、円柱状のボルト材料(以下、
「ワーク」と称す。)3を所定位置で支持するボルト支
持部2とを備える。また、図2に示すように、螺子転造
ダイス1は、円筒形のダイス(丸ダイス)の外周に二重
螺子ボルト形成用の転写パターン4を形成したものであ
る。
【0031】図3は図2の螺子転造ダイス1の外周の転
写パターン4の一部を平面に展開した図、図4の
(A)、(B)、(C)、(D)、(E)、(F)はそ
れぞれ図3のA−A線断面図、B−B線断面図、C−C
線断面図、D−D線断面図、E−E線断面図、F−F線
断面図である。
【0032】図3に示すように、螺子転造ダイス1の外
周には、製造する二重螺子ボルトに対応する転写パター
ン4が1周につき16個分繰り返して形成されている。
螺子転造ダイス1の外径は173.987mmであり、
二重螺子ボルトは呼び径M12で並目螺子ピッチ1.7
5mm、細目螺子ピッチ0.875mmである。したが
って、二重螺子ボルト1個分の転写パターン4は、螺子
転造ダイス1の外周1周360°のうち22.5°の範
囲に形成されていることになる。図3のA−A線、B−
B線、C−C線、D−D線、E−E線、F−F線は、そ
れぞれ3.75°間隔で設けたものである。
【0033】図4の(A)〜(F)に示すように、螺子
転造ダイス1の転写パターン4(図4に実線で示す。)
は、並目螺子を丸ダイスの表面に展開した基準の螺子山
となる並目螺子山の一部(以下、「並目螺子山部」と称
す。)5と、この並目螺子山の谷部5aに周期的に形成
された付加的な突起6とにより構成されている。突起6
は、展開した並目螺子山の元の並目螺子と同一方向のつ
る巻き線を持ち、並目螺子よりもピッチの小さい細目螺
子を展開した細目螺子山(図4に点線(想像線)6aで
示す。)と並目螺子山との位相ずれ7に応じて周期的な
形状に形成されたものである。
【0034】ここで、並目螺子と細目螺子のピッチの比
をa対b(但し、aとbは最小の整数比。図示例では2
対1としている。)とすると、突起6は、細目螺子を展
開したときに並目螺子山との位相ずれに応じて並目螺子
山のb巻き(図示例では1巻き)ごとに周期的に現れる
細目螺子山の一部となる。図4の(A)〜(F)に示す
ように、想像線6aで示す細目螺子山は、並目螺子山と
の位相ずれ7によって、この並目螺子山から突出した部
分のみが、付加的な突起6として現れている。すなわ
ち、突起6は、細目螺子山そのものではなく、位相ずれ
7に応じてずれた分だけ細目螺子山の想像線6aに対応
するように、並目螺子山5に対して付加的に突出させた
突起である。並目螺子山部5は、螺子転造ダイス1の表
面に現れている細目螺子山の一部(突起6の表面)を除
く部分である。
【0035】なお、通常の螺子転造ダイスであれば、そ
の表面に並目螺子山または細目螺子山のいずれか一方の
みが形成されているため、並目螺子ナットまたは細目螺
子ナットを嵌めることができる。しかし、本実施形態に
おける螺子転造ダイス1の場合、並目螺子ナットおよび
細目螺子ナットを嵌めようとしても嵌らない。螺子転造
ダイス1の表面に、特許文献1に記載のように従来の並
目螺子山と細目螺子山とが一体に形成されたもの(具体
的な構造は明らかでないが)ではなく、並目螺子山部5
とこの並目螺子山部5の元の並目螺子山の谷部5aに周
期的な形状の突起6とが形成されたものだからである。
【0036】ここで、この螺子転造ダイス1の製造方法
について説明する。図5は螺子転造ダイス1の製造手順
を示すフロー図、図6(a)は螺子転造ダイス1の製造
に用いる第1の切削工具を示す平面図、(b)は第2の
切削工具を示す平面図、図7は本実施形態における螺子
転造ダイス1の製造の並目螺子山加工工程を示す説明
図、図8は突起加工工程を示す説明図である。
【0037】まず、切削工具について説明する。図6
(a)に示すように、第1の切削工具20は、その先端
部(並目螺子山21の山頂部)22を平坦にした形状を
有するバイトである。なお、同図において破線23は、
通常の螺子転造ダイスに並目螺子山を形成する際に用い
られるバイトの形状を示す想像線である。破線23によ
って、本実施形態における第1の切削工具20は、通常
の並目螺子山の形状を有するバイトの先端部を、所要形
状(平坦)に切り欠いたものであることが分かる。
【0038】図6(b)に示すように、第2の切削工具
25は、細目螺子山26の形状を有するバイトである。
この第2の切削工具25の先端部(細目螺子山26の山
頂部)27には、必要に応じて曲面加工が施してある。
【0039】図5に示すように、螺子転造ダイス1の製
造に際して、まず、ワークとしての螺子転造ダイス材料
30(図7参照。)の旋削を行い(ステップS11)、
続いて並目螺子山加工工程(ステップS12)および突
起加工工程(ステップS13)を行う。
【0040】ステップS12の並目螺子山加工工程で
は、第1の切削工具20を用いる。図7に示すように、
並目螺子山加工工程では、螺子転造ダイス材料30に、
第1の切削工具20を、図4に示す突起6の最大高さ以
下の位置まで送り込み、並目螺子山のピッチで図6の矢
印で示す工具進行方向に進行させて、螺子転造ダイス材
料30の一部分を切削する。これにより、並目螺子山部
5の一部分が形成される。
【0041】ステップS13の突起加工工程では、第2
の切削工具25を用いる。図8の(a)〜(k)に示す
ように、突起加工工程では、第1切削工程において切削
した後の螺子転造ダイス材料30に、第2の切削工具2
5を、並目螺子山部5の一部分の谷部5aから図7に示
す突起6の形状に合わせて送り込み、細目螺子山のピッ
チで図8の矢印で示す工具進行方向に進行させて、螺子
転造ダイス材料30を切削する。これにより、並目螺子
山部5の残りの部分および突起6が形成される。
【0042】その後、(1)焼き入れ、(2)焼き戻し
の熱処理工程(ステップS14)および(1)内径研
削、(2)外径、端面研削の形状研削工程(ステップS
15)を行った後、(1)並目螺子山研削、(2)突起
研削の研削工程(ステップS16)を行う。なお、並目
螺子山研削工程では、第1の切削工具20と同様の形状
の研削工具を用い、突起研削工程では、第2の切削工具
25と同様の形状の研削工具を用いる。これにより、図
4に示す断面形状を有した螺子転造ダイス1が得られ
る。
【0043】なお、ピッチの大きな二重螺子ボルト(以
下、「大ピッチ二重螺子ボルト」と称す。)の製造に用
いる螺子転造ダイスを製造する際、ピッチの大きさによ
っては図9の(a)、(b)に示すように2回位相を変
えて第1の切削工具20により切削を行うと加工性が良
くなる。なお、図9の(a)の工程と(b)の工程の順
序はどちらでもよい。
【0044】また、本実施形態における螺子転造ダイス
は単一の切削工具を用いて製造することも可能である。
図10は単一の切削工具を用いて螺子転造ダイスを製造
する場合の製造工程を示す図である。
【0045】図10の例では、前述のように二つのバイ
トによる切削加工を行わずに単一の切削工具としての砥
石40を用いている。螺子転造ダイス1の製造に際し、
まず、螺子転造ダイス材料30を熱処理し、並目螺子山
部5および突起6以外の加工を終了した後、単一の砥石
40によって研削加工を行う。
【0046】研削加工は、砥石40を図10の(a)〜
(h)のそれぞれに示すように規則的に半径方向に送り
込みながら、指定された細目螺子山のピッチの進行速度
で螺子転造ダイス材料30の表面に沿って進行させるこ
とにより行う。こうして、螺子転造ダイス材料30に突
起6を残して並目螺子山部5を切削することにより、前
述の螺子転造ダイス1が得られる。
【0047】このように単一の砥石40を用いて加工を
行う場合、二つのバイトによる切削加工が不要であり、
この切削加工がないことによって位相合わせも不要とな
る。
【0048】ところで、図4の(A)〜(F)に示す例
では、基準となる並目螺子山の谷部5aの谷底5bと、
突起6に対応させた細目螺子山の想像線6aの谷底6b
との位置を一致させているが、これに限るものではな
い。
【0049】例えば、本実施形態における螺子転造ダイ
ス1により製造された二重螺子ボルト(図示せず。)の
並目螺子山に並目ナットを螺合させると、螺子転造ダイ
ス1の突起6の分だけ接触面積が減ることになるが、突
起6に対応させた細目螺子山の想像線6aの谷底6bの
位置を図4の下方へ移動させることにより、二重螺子ボ
ルトの並目螺子山と並目ナットとの接触面積を増やすこ
とができる。
【0050】上記構成の二重螺子ボルトの製造装置を用
いて二重螺子ボルトを製造するには、円柱状のワーク3
をボルト支持部2上に配置し、このワーク3を一対の螺
子転造ダイス1間に押圧させ、一対の螺子転造ダイス1
をそれぞれ同一方向(例えば、図1に矢印で示すように
右回り)に回転させる。これにより、ワーク3の外周表
面上に並目螺子山の一部および細目螺子山の一部が一工
程で一度に転写され、並目螺子部の一部と細目螺子部の
一部とが形成された二重螺子ボルトが得られる。
【0051】こうして得られた二重螺子ボルトの外周表
面には、図4の螺子転造ダイス1の転写パターン4の逆
パターンの溝(並目螺子山部5および突起6に相当する
溝)が形成されている。
【0052】得られた二重螺子ボルトは、従来の切削に
より形成した二重螺子ボルトと同様、並目螺子山が形成
されたうえで、細目螺子山がえぐり取られた状態のもの
となる。したがって、得られた二重螺子ボルトには並目
螺子ナットと細目螺子ナットとを嵌めることができる。
【0053】なお、二重螺子ボルトは、この二重螺子ボ
ルトの並目螺子山の谷部に並目螺子ナットの並目螺子山
の山部を嵌合させ、この二重螺子ボルトの並目螺子山の
山部に形成された細目螺子山の谷部に細目螺子ナットの
細目螺子の山部を嵌合させるものであるため、並目螺子
山の山頂の半径方向位置と細目螺子山の山頂の半径方向
位置とが常に一致するように形成するのが一般的であ
る。このような二重螺子ボルトを製造するための螺子転
造ダイスの突起は、細目螺子を展開したときの谷底の位
置が並目螺子山の谷底の位置と一致するように細目螺子
を展開し、並目螺子山との位相ずれに応じて並目螺子山
のb巻きごとに周期的に現れる細目螺子山の一部からな
る。以下、このような突起を有する螺子転造ダイスを
「標準ダイス」と称す。
【0054】図11は図4の(A)、(D)の一部拡大
図である。図11に示すように標準ダイスの周期的に変
化する溝の深さは、並目螺子山の谷底5bの位置と突起
6を形成するために展開した細目螺子の細目螺子山6a
の谷底6bの位置とが互いに最もよく重なり合う部分
(A−A線断面)で最も深く、両者の位置が最もずれて
いる部分(D−D線断面)で最も浅くなっている。この
ため、標準ダイスで二重螺子ボルトを転造する場合、加
工の最終段階における工具とワーク3の転がりピッチ
(工具とワーク3が転がり接触する位置)円の径は、ワ
ーク3からみるとA−A線断面部分で最も大きく、D−
D線断面部分で最も小さくなる。
【0055】この結果、その加工時点(すなわち加工の
最終なじみ段階)ではワーク3の回転中心位置は常に変
動し、激しいびびり振動、騒音の原因となる。このびび
り振動の程度によっては、精度不良を引き起こし、工具
寿命を著しく縮め、製造装置にも悪影響を及ぼす可能性
がある。また、この標準ダイスでは、各断面での溝部の
断面積が異なる(すなわち、A−A線断面で最も大き
く、D−D線断面で最も小さい。)ため、各断面におけ
る溝部への材料充填率に差が生じ、特に加工終期におい
ては、溝部への材料の充填率が高いため、余剰材料の逃
げ場がなくなる。これもびびり振動等の問題の原因とな
る。
【0056】そこで、本実施形態において、突起6は、
細目螺子を展開したときの谷底6bが並目螺子山の谷底
5bよりも高い位置となるように細目螺子を展開したと
きに、並目螺子山5との位相ずれに応じて並目螺子山の
b巻きごとに周期的に現れる細目螺子山6aの一部とし
たものであることが望ましい。このとき、図12に示す
ように、展開する細目螺子は、標準規格よりも5〜50
%谷深さの浅い細目螺子とし、この浅くした分dhだけ
この細目螺子を展開したときの谷底6bが並目螺子山の
谷底5bよりも高い位置となるようにする。
【0057】あるいは、図13に示すように、展開する
細目螺子は、並目螺子山の谷底5bの位置と突起6を形
成するために展開した細目螺子の細目螺子山6aの谷底
6bの位置とが互いに最もよく重なり合う部分(A−A
線断面)では標準規格よりも5〜50%谷深さの浅い細
目螺子となり、両者の位置が最もずれている部分(D−
D線断面)では標準規格の谷深さとなるように滑らかに
変化するものとする。
【0058】これらの修正を加えた螺子転造ダイスを用
いて二重螺子ボルトを転造した場合、標準ダイスを用い
て転造する場合と比べて、A−A線断面における転がり
ピッチ円径が、細目螺子を展開したときの谷底6bの深
さを浅くした分dhの約半分ワーク3の内側に移動し、
その分だけD−D線断面における転がりピッチ円径に近
づく。そのため、加工終期における転がりピッチ円径の
変動が減少し、ワーク3の回転中心位置の変動が軽減さ
れる。また、A−A線断面の溝部の断面積がD−D線断
面積の溝部の断面積に近づくため、各断面の溝部の材料
充填率がより均等に近くなり、びびり振動を大幅に抑制
することができる。
【0059】一方、このような修正を加えた螺子転造ダ
イスを用いて転造した二重螺子ボルトでは、当然ながら
細目螺子部の山高さが(特に、A−A線断面に相当する
部分で)標準規格のものより低くなる。しかしながら、
二重螺子ボルトはその並目螺子部で締め付け力のほとん
どを得るため、これにより静的強度や動的疲労強度が損
なわれることはほとんどなく、また十分な緩み止め効果
も発揮できる。
【0060】ところで、上記のように修正を加えた螺子
転造ダイスを用いて二重螺子ボルトを転造した場合、標
準ダイスを用いた転造におけるびびり振動等の問題は解
決できるが、製造された二重螺子ボルトは細目螺子部の
山高さが標準規格のものよりも低くなる。しかし、細目
螺子部の強度、細目螺子ナットの掛かり具合あるいは商
品性を考える場合、細目螺子部の山高さの完全性が求め
られる場合もある。
【0061】この場合、螺子転造ダイスは、図14に示
すように、突起6として現れた細目螺子山6aの一部の
谷底6bにさらに切り込んだ溝6cを備えたものとす
る。この溝6cの深さdvは、細目螺子山6aの高さの
3〜10%である。このような螺子転造ダイスにより二
重螺子ボルトを転造する場合、溝6cがダッシュポット
の役目を果たし、螺子転造ダイスの溝部へワーク3が完
全に充填されなくても、標準高さの細目螺子山を有する
二重螺子ボルトを製造することができる。これにより、
完全充填が一つの要因となって発生する加工終期のびび
り振動を抑制することもできる。
【0062】(実施の形態2) 図15は本発明の第2実施形態における二重螺子ボルト
の製造装置を示す概略図である。
【0063】図15に示すように、本実施形態における
二重螺子ボルトの製造装置は、所定間隔で対向配置した
一対の螺子転造ダイス8を備える。一対の螺子転造ダイ
ス8の一方を固定し他方を平行移動可能に配設するか、
または相互に反対方向に平行移動可能に配設する。
【0064】螺子転造ダイス8は、平板状のダイス(平
ダイス)の片面に二重螺子ボルト形成用の転写パターン
9を形成したものである。転写パターン9は、第1実施
形態における転写パターン4と同様のものを平面に展開
したものである。
【0065】このような螺子転造ダイス8を製造するに
は、第1実施形態において説明した図6の(a)、
(b)と同様の断面形状を有するフライスカッタを用い
て、図7および図8で説明したのと同様の工程により行
う。
【0066】このような二重螺子ボルトの製造装置を用
いて二重螺子ボルトを製造するには、一対の螺子転造ダ
イス8間に円柱状のワーク3を押圧させ、一方の螺子転
造ダイス8を他方の螺子転造ダイス8と平行を維持した
まま平行移動させるか、または互いに逆方向に平行移動
させる。これにより、第1実施形態と同様に、ワーク3
の外周表面上に並目螺子山の一部および細目螺子山の一
部が一工程で一度に転写され、並目螺子部の一部と細目
螺子部の一部とが形成された二重螺子ボルトが得られ
る。
【0067】あるいは、螺子転造ダイス8は、第1実施
形態と同様に単一の切削工具としての砥石40による研
削加工により製造することも可能である。
【0068】(実施の形態3) 図16は本発明の第3実施形態における三重螺子ボルト
用の螺子転造ダイス10の断面図である。螺子転造ダイ
ス10の外周には、製造する三重螺子ボルトに対応する
転写パターンが1周につき16個分繰り返して形成され
ており、図16の(A)、(B)、(C)、(D)、
(E)、(F)は螺子転造ダイス10の外周の断面を
3.75°間隔で示した図である。
【0069】図16に示すように三重螺子ボルト用の螺
子転造ダイス10では、さらに、並目螺子山部5および
突起6により形成される谷部11に、展開した並目螺子
山の元の並目螺子と同一方向のつる巻き線を持ち、突起
6を形成する元となった細目螺子よりもさらにピッチの
小さい最細目螺子(但し、並目螺子と細目螺子と最細目
螺子のピッチの比はa対b対cとし、aとbとcは最小
の整数比とする。図示例では4対2対1としている。)
を展開したときに、並目螺子山部5および突起6との位
相ずれに応じて並目螺子山のc巻き(図示例では1巻
き)ごとに周期的に現れる最細目螺子山(図10に点線
(想像線)12aで示す。)の一部からなる突起12を
有する。
【0070】図16の(A)〜(F)に示すように、細
目螺子山6aは並目螺子山から突出した部分のみが付加
的な突起6として現れている。さらに、この螺子転造ダ
イス10では、最細目螺子山12aが、この突起6から
突出した部分のみ付加的な突起12として現れている。
突起12は、最細目螺子山そのものではなく、並目螺子
山部5および突起6との位相ずれに応じてずれた分だけ
最細目螺子山の想像線12aに対応するように、並目螺
子山部5および突起6に対してさらに付加的に突出させ
た突起である。
【0071】このような三重螺子ボルト用の螺子転造ダ
イスを製造する際、切削工具としてバイトを用いる場合
は三つのバイトを用いる。三つのバイトのうち、第1の
バイトおよび第2のバイトは、第1の切削工具20と同
様に先端部を平坦にしたものであり、第3のバイトは、
第2の切削工具25と同様に最細目螺子山の形状を有す
るものである。これらの第1から第3のバイトを順次用
いて、前述と同様に加工を行う。
【0072】一方、切削工具として単一の砥石を用いる
場合、前述と同様に、砥石を規則的に半径方向に送り込
みながら、指定された最細目螺子山のピッチの進行速度
で螺子転造ダイス材料の表面に沿って進行させることに
より行う。こうして、螺子転造ダイス材料に突起12お
よび突起6を残して並目螺子山部5を切削する。
【0073】なお、図示していないが、n重螺子ボルト
を転造する場合には、並目螺子を展開した並目螺子山の
一部と、この並目螺子山の谷部に並目螺子と同一方向の
つる巻き線を持ち並目螺子よりもピッチが小さくかつピ
ッチが異なる一つまたは複数の細目螺子(但し、並目螺
子と一つまたは複数の細目螺子のピッチの比はa対・・
・対nとし、a,・・・,nは最小の整数比とする。)
をそれぞれ展開したときに並目螺子山との位相ずれに応
じて並目螺子山のn巻きごとに周期的に現れるそれぞれ
の細目螺子山の一部からなる突起とを有する螺子転造ダ
イスを用いればよい。
【0074】なお、このn重螺子ボルトを転造する螺子
転造ダイスにおいても、第1実施形態における螺子転造
ダイスと同様に修正を加えることが可能である。谷深さ
に修正を加える場合には、最もピッチの小さい細目螺子
を展開したときの谷底が並目螺子山の谷底よりも高い位
置となるように細目螺子を展開したときに、並目螺子山
との位相ずれに応じて並目螺子山のn巻きごとに周期的
に現れる細目螺子山の一部となるようにすればよい。
【0075】このようなn重螺子ボルト用の螺子転造ダ
イスを製造する際、切削工具としてバイトを用いる場合
はn個のバイトを用いる。n個のバイトのうち、第1,
・・・,n−1のバイトは、第1の切削工具20と同様
に先端部を平坦にしたものであり、第nのバイトは、第
2の切削工具25と同様に最もピッチの小さい細目螺子
山の形状を有するものである。これらの第1から第nの
バイトを順次用いて、前述と同様に加工を行う。
【0076】一方、切削工具として単一の砥石を用いる
場合、前述と同様に、砥石を規則的に半径方向に送り込
みながら、指定された最もピッチの小さい細目螺子山の
ピッチの進行速度で螺子転造ダイス材料の表面に沿って
進行させることにより行う。こうして、螺子転造ダイス
材料に、並目螺子山との位相ずれに応じて並目螺子山の
n巻きごとに周期的に現れる細目螺子山の一部を残して
並目螺子山部を切削する。
【実施例1】
【0077】上記本発明の第1実施形態における二重螺
子ボルトの製造装置を用いて二重螺子がボルトに転写さ
れるメカニズムについて解析した。図17、図18、図
19は、それぞれ図3のA−A線断面、B−B線断面、
D−D線断面での材料流動の様子を示した図である。な
お、図17〜図19において、(a)〜(h)は、一対
の螺子転造ダイス1を同一方向に回転させながら、互い
の間の距離を連続的に狭めていったときの様子を、約
0.1〜0.2mmステップで最終的に螺子転造ダイス
1がワーク3に約1mm押し込まれた状態まで示したも
のである。
【0078】図17〜図19に示すように、螺子転造ダ
イス1がワーク3に徐々に押し込まれるに連れて、ワー
ク3は、まず螺子転造ダイス1の並目螺子山部5の表面
に沿って塑性変形しながら並目螺子山の谷部5aを埋め
ていった。そして、途中まで埋めたところで、今度は並
目螺子山に付加的に突出した突起6の表面に沿って塑性
変形しながら、谷部5aを埋めていった。これにより、
並目螺子部の一部と細目螺子部の一部とが形成された二
重螺子ボルトが得られた。
【実施例2】
【0079】上記本発明の第1実施形態において修正を
加えた螺子転造ダイスと標準ダイスによる二重螺子ボル
ト製造の比較試験を行った。表1は、呼び径M12とM
16の二種類について、それぞれ細目螺子山の谷底6b
の深さを変化させた場合と溝6cの深さを変化させた場
合の加工中のびびり振動と騒音について測定した結果で
ある。なお、M12の二重螺子ボルトの製造に用いた螺
子転造ダイスのピッチ比は1.75対0.875、M1
6については2対1である。
【0080】
【表1】
【0081】表1から分かるように、細目螺子山の谷底
6bの深さを変化させて修正した螺子転造ダイスでは、
谷底6bの深さを標準規格の細目螺子山に対して5%か
ら40%まで浅くしたときに、浅くすればするほど加工
時のびびり振動および騒音が低減された。一方、溝6c
の深さを変化させて修正した螺子転造ダイスでは、溝6
cの深さを標準規格の細目螺子山高さの5%と10%と
した場合に、加工時のびびり振動および騒音の改善が確
認された。
【0082】なお、これらの螺子転造ダイスは、すべて
米国航空規格NAS3354振動試験法による緩み試験
に合格した。また、アムスラー式引張強度試験法による
静的強度試験および油圧サーボ式試験法による動的強度
試験において、標準螺子ボルトと同等の能力を備えてい
ることが確認できた。
【産業上の利用可能性】
【0083】本発明に係る螺子転造ダイスは、緩み防止
機能を有する多重螺子ボルトを転造により製造するダイ
スとして有用である。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】本発明の第1実施形態における二重螺子ボルト
の製造装置を示す概略図である。
【図2】図1の螺子転造ダイスを示す斜視図である。
【図3】図2の螺子転造ダイスの外周の転写パターンの
一部を平面に展開した図である。
【図4】(A)、(B)、(C)、(D)、(E)、
(F)はそれぞれ図3のA−A線断面図、B−B線断面
図、C−C線断面図、D−D線断面図、E−E線断面
図、F−F線断面図である。
【図5】螺子転造ダイスの製造手順を示すフロー図であ
る。
【図6】(a)は螺子転造ダイスの製造に用いる第1の
切削工具を示す平面図、(b)は第2の切削工具を示す
平面図である。
【図7】本実施形態における螺子転造ダイス製造の並目
螺子山の一部の加工工程を示す説明図である。
【図8】本実施形態における螺子転造ダイス製造の突起
加工工程を示す説明図である。
【図9】大ピッチ二重螺子ボルト製造用の螺子転造ダイ
スの加工例を示す図である。
【図10】単一の切削工具を用いた螺子転造ダイスの製
造工程を示す図である。
【図11】図4の(A)、(D)の一部拡大図である。
【図12】修正を加えた螺子転造ダイスの図11に対応
する一部拡大図である。
【図13】修正を加えた螺子転造ダイスの図11に対応
する一部拡大図である。
【図14】修正を加えた螺子転造ダイスの図11に対応
する一部拡大図である。
【図15】本発明の第2実施形態における二重螺子ボル
トの製造装置を示す概略図である。
【図16】本発明の第3実施形態における三重螺子ボル
ト用の螺子転造ダイスの断面図である。
【図17】図3のA−A線断面での材料流動の様子を示
した図である。
【図18】図3のB−B線断面での材料流動の様子を示
した図である。
【図19】図3のD−D線断面での材料流動の様子を示
した図である。
【符号の説明】
【0085】 1,8,10 螺子転造ダイス 2 ボルト支持部 3 ワーク(ボルト材料) 4,9 転写パターン 5 並目螺子山部 5a 谷部 5b 谷底 6 突起 6a 細目螺子山の想像線 6b 谷底 6c 溝 20 第1の切削工具 25 第2の切削工具 30 螺子転造ダイス材料 40 砥石
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B21H 3/06 F16B 35/00 F16B 39/16 F16B 39/30

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 並目螺子を展開した並目螺子山の
    と、 細目螺子を展開した細目螺子山と前記並目螺子山との位
    相ずれに応じて前記並目螺子山の谷部に周期的に形成さ
    れた前記細目螺子山に対応する突起と を備えた螺子転造ダイスの製造方法であって、 螺子転造ダイス材料に、並目螺子山の山頂部を平坦にし
    た形状を有する第1の切削工具を、前記細目螺子山に対
    応する突起の最大高さ以下の位置まで送り込み、前記螺
    子転造ダイス材料の一部分を切削することにより、前記
    螺子転造ダイス上の並目螺子山の部分を形成する工程
    と、 前記切削後の螺子転造ダイス材料に、細目螺子山の形状
    を有する第2の切削工具を、前記螺子転造ダイス上の並
    目螺子山の部分の谷部から前記細目螺子山に対応する
    突起の形状に合わせて送り込み、前記螺子転造ダイス材
    料を切削することにより、前記螺子転造ダイスの並目螺
    子山の部分および前記細目螺子山に対応する突起を形
    成する工程とを含む螺子転造ダイスの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記第1および第2の切削工具としてバ
    イトを用いた請求項1記載の螺子転造ダイスの製造方
    法。
  3. 【請求項3】 前記第1および第2の切削工具としてフ
    ライスカッタを用いた請求項1記載の螺子転造ダイスの
    製造方法。
  4. 【請求項4】 螺子転造ダイス材料に並目螺子を展開し
    た並目螺子山を切削するに際し、前記並目螺子山の谷部
    に前記並目螺子と同一方向のつる巻き線を持ち前記並目
    螺子よりもピッチの小さい細目螺子(但し、前記並目螺
    子と前記細目螺子のピッチの比はa対bであり、aとb
    は最小の整数比である。)をその谷底が前記並目螺子山
    の谷底よりも高い位置となるように展開したときに前記
    並目螺子山との位相ずれに応じて前記並目螺子山のb巻
    きごとに周期的に現れる細目螺子山に対応する突起を残
    して切削することを特徴とする螺子転造ダイスの製造方
    法。
  5. 【請求項5】 螺子転造ダイス材料に並目螺子を展開し
    た並目螺子山を切削するに際し、前記並目螺子山の谷部
    に前記並目螺子と同一方向のつる巻き線を持ち前記並目
    螺子よりもピッチが小さくかつピッチが異なる一つまた
    は複数の細目螺子(但し、前記並目螺子と前記一つまた
    は複数の細目螺子のピッチの比はa対・・・対nであ
    り、a,・・・,nは最小の整数比である。)をそれぞ
    れ展開したとき(但し、最もピッチの小さい細目螺子に
    ついてはその谷底が前記並目螺子山の谷底よりも高い位
    置となるように展開したとき)に前記並目螺子山との位
    相ずれに応じて前記並目螺子山のn巻きごとに周期的に
    現れるそれぞれの細目螺子山に対応する突起を残して切
    削することを特徴とする螺子転造ダイスの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記細目螺子を展開したときの谷底は、
    前記並目螺子山の谷底よりも標準規格の細目螺子山高さ
    の5〜50%高い位置としたものであることを特徴とす
    る請求項4または5に記載の螺子転造ダイスの製造方
    法。
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