JP3769087B2 - プーリ式変速機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プーリ式変速機の改良技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、農業機械等においては、エンジンの動力を変速して駆動車輪或いは各種の作業装置に伝達するために、ベルト伝動を利用したプーリ式の変速機が多用されている。このベルト伝動を利用したプーリ式変速機の一例として、従来、例えば実開昭57―164352号公報に示されるように、互いに平行に配置された1対の回転軸の各々に、回転軸の各々に対して回転一体にかつ摺動不能に固定された固定シーブと、各回転軸に固定シーブとの間に断面略V字状のベルト溝を形成するように対向配置されて回転一体にかつ摺動自在に支持された可動シーブとからなり、一方の可動シーブの固定シーブへの向きと他方の可動シーブの固定シーブへの向きとが互いに逆向きに設定された1対の変速プーリを設けるとともに、これら両変速プーリのベルト溝間に伝動ベルトを巻き掛け、上記各変速プーリの可動シーブ背面側に、各々、回転軸回りに回動可能な回動カムと固定体に連結されて回動不能な固定カムとからなり回動カムの固定カムに対する回動により可動シーブを固定シーブに接離するように移動させるカム機構を配設し、両カム機構の回動カムをロッド及び変速軸で連結することにより、一方の変速プーリの可動シーブがそれに対向する固定シーブに接近すると、他方の変速プーリの可動シーブがそれと対向する固定シーブから離れるように上記両カム機構の回動カムを互いに連係して回動させ、各変速プーリの伝動ベルトに対する有効半径(プーリ径)を変化させて両回転軸間の変速比を変化させるようにした変速プーリ式のものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このように変速プーリの可動シーブをカム機構等の押圧機構によって軸方向に移動させてベルト推力を発生させる場合に、そのベルトのスリップが発生し難くなるように押圧機構による押圧力を設定せねばならず、大きな押圧力とするときにはベルトの初張力を増大させたり或いは押圧機構を大形化したりする必要があった。
【0004】
本発明は斯かる点に鑑みてなされたもので、その目的は、上記変速プーリの可動シーブを駆動するカム機構等の押圧機構の構造を改良することで、ベルトの初張力の増大や押圧機構の大形化を要することなく、変速プーリでのベルトのスリップを可及的に低減できるようにすることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、この発明では、各プーリの可動シーブ背面側に押圧機構を備えたプーリ式変速機に対し、その押圧機構によるベルト出口部での荷重分担率をベルト入口部での荷重分担率よりも大きくするか、又は押圧機構としてベルト出口部のみを押圧するようにした。
【0006】
具体的には、請求項1の発明では、互いに平行に配置された1対の回転軸と、この各回転軸上にそれぞれ設けられ、各々、回転軸に回転一体にかつ軸方向に移動不能に固定支持された固定シーブ、及び該固定シーブとの間に断面略V字状のベルト溝を形成するように上記固定シーブに対向して設けられ、かつ背面側に軸方向に延びるボス部を有し、該ボス部にて回転軸に回転一体にかつ軸方向に移動可能に外嵌支持された可動シーブからなり、一方の可動シーブの固定シーブへの向きと他方の可動シーブの固定シーブへの向きとが互いに逆向きに設定された駆動及び従動プーリと、これら駆動及び従動プーリのベルト溝間に巻き掛けられたベルトと、上記駆動及び従動プーリの各可動シーブ背面側にそれぞれ配置され、かつプーリのベルト入口側及び出口側にそれぞれ位置するベルト入口側及び出口側押圧部を有し、上記両押圧部の双方でそれぞれ可動シーブを固定シーブ側に向けて押すことで、可動シーブを固定シーブに対して接離させるように軸方向に移動させて上記各プーリの有効半径を変化させる駆動プーリ側及び従動プーリ側押圧機構と、上記駆動及び従動プーリの一方の可動シーブが、対向する固定シーブに接近すると他方の可動シーブが対向する固定シーブから離れるように上記両押圧機構を作動させることで上記両回転軸間の変速比を変化させる変速切換機構と、上記駆動及び従動プーリ間に配置され、両プーリ間に巻き掛けられるベルトの緩み側スパンを該ベルトが各プーリのベルト溝に食い込むように押圧して、ベルトへの推力を発生させるテンション機構とを備え、上記駆動プーリ側及び従動プーリ側押圧機構におけるプーリのベルト出口側押圧部の荷重分担率をベルト入口側押圧部の荷重分担率よりも大とする。
【0007】
このように、押圧機構における各プーリのベルト出口側押圧部の荷重分担率がベルト入口側押圧部の荷重分担率よりも大であるので、各プーリの可動シーブがベルト出口側で出口側押圧部により背面側から押圧規制された状態となり、ベルトが各プーリの入口側から出口側に回行移動した際にベルト出口側押圧部により可動シーブから押されることで面圧が高くなる。このことで、そのベルトはプーリに巻き付いたときの、固定及び可動シーブ間のベルト溝によるいわゆる楔効果が得られるばかりでなく、プーリの入口側から出口側に向かうに連れて次第に両シーブ間に食い込むようになり、これらの相乗効果によってベルトのスリップを有効に抑制することができる。つまり、ベルトの初張力を増大させたり押圧機構を大形化したりすることなく、ベルトのスリップの低減を図ることができる。
【0008】
請求項2の発明では、上記各押圧機構はカム機構とする。すなわち、このカム機構は、各々、互いにカム接触する第1カムと第2カムとからなり、上記第1及び第2カムの一方が可動シーブのボス部上にベアリングを介して軸方向に可動シーブと共に移動一体にかつ相対回転可能に支持され、他方が回転軸に軸方向に移動不能にかつ回転軸に対して相対回転可能に設けられ、両カムの一方は回転軸回りに回動可能な回動カムとされる一方、他方は回動不能な固定カムとされ、上記回動カムと固定カムとの相対回転により可動シーブを固定シーブに対して接離させるように軸方向に移動させて上記各プーリの有効半径を変化させるものとする。
【0009】
そして、押圧部は、上記各カム機構における第1カム及び第2カムの対向端部の少なくとも一方に形成された傾斜カム面を備えているものとする。
【0010】
この発明では、両回転軸間の変速比を切り換える場合、駆動プーリ側又は従動プーリ側カム機構の一方の回動カム(第1又は第2カムの一方)を固定カム(第1又は第2カムの他方)に対し相対回転させると、該カム機構側のプーリの可動シーブが軸方向に移動して固定シーブに接近し、該プーリが閉じる。これに対し、上記駆動及び従動プーリ側カム機構における回動カム同士は変速切換機構により連動するように連結されているので、駆動プーリ側又は従動プーリ側カム機構の他方の回動カムも固定カムに対し相対回転し、該カム機構側のプーリの可動シーブが軸方向に移動して固定シーブから離れ、該プーリが開く。こうして両プーリは、各々の可動シーブの固定シーブに対する接離動作が逆方向になり、この両可動シーブの逆方向の移動によって両回転軸間の変速比が切換変更される。
【0011】
そして、上記駆動及び従動の両プーリ間に巻き掛けられるベルトの緩み側スパンがテンション機構により押圧されて、ベルトは各プーリのベルト溝に食い込み、そのときの楔効果によりベルト推力が発生し、このベルト推力により回転軸間で動力が伝達される。
【0012】
また、こうしてベルトへの推力はその緩み側スパンの押圧により発生し、両回転軸間の変速切換時には上記変速切換機構により駆動及び従動プーリ側カム機構における回動カムが連動して、両プーリが互いに同期して開閉するため、駆動及び従動プーリの開閉の挙動は逆になり、両プーリ間の開閉推力が部分的に相殺し合い、その残りが変速操作力となる。すなわち、一般に、ベルトに作用する初張力は、駆動プーリに入力される回転トルクにより張り側及び緩み側張力に分れ、この両張力の差により駆動プーリから従動プーリに動力伝達が行われるが、各プーリに発生する推力(ベルトをプーリが推す力)は、プーリが回転しない静的状態、或いは回転していても伝動負荷の小さい軽負荷状態では略同じとなる。これに対し、伝動負荷が大きくなると、ベルトにおける張力分布の変化により、駆動プーリ側の推力が常に従動プーリ側の推力よりも大きくなり、両推力に差が生じる。そして、この発明では、各プーリの可動シーブの背面側にカム機構が配置され、これらはいずれも第1カムと第2カムとの相対回転により可動シーブを軸方向に移動させるものであるため、両プーリに発生する推力は互いに相殺され、両推力の差よりも大きな外力を与えることで、変速操作することができる。従って、このように変速操作力は、両プーリに発生する推力の差を越えた操作力でよいので、軽負荷時には勿論のこと高負荷時であっても変速操作力を大幅に軽減することができる。
【0013】
しかも、そのとき、一方のプーリに発生する推力を他方のプーリに推力として伝達するのを、各プーリの可動シーブ背面側に配置したカム機構で行っているので、各プーリの推力を効率よく該プーリ側カム機構の両カムを相対回転させるためのトルクに転換でき、また、その間の動力伝達経路が短くて摺動抵抗が極めて小さくなり、変速操作力をより一層軽減することができる。
【0014】
そのとき、上記プーリの推力から転換された、第1及び第2カムを相対回転させるためのトルクにより、両カムにはそれぞれカム回転反力が生じる。そして、可動シーブのボス部上にベアリングを介して支持されている一方のカムに生じるカム回転反力は、該カムを支持している可動シーブのボス部を押圧するように作用する。つまり、このボス部に対するカム回転反力は、ボス部と回転軸との摺動部分におけるクリアランスによって可動シーブがベルトから推力を受けたときに可動シーブを回転軸に対して傾倒させる方向に働くモーメントとは逆方向のモーメントが生じるように作用し、この逆方向のモーメントにより上記ボス部が回転軸に対して略平行度を保つようになるとともに、上記カム回転反力による押圧力は所定幅のベアリングを介して上記ボス部に作用するので、可動シーブのボス部内周の回転軸外周に対する面圧分布が軸方向に分散して大きなピークがなくなり、その結果、ボス部の摺動抵抗が小さくなる。この摺動抵抗が小さくなった分だけ、ベルト発生推力が従来よりも大きな取出推力としてカム機構に伝達されることとなる。
【0015】
そして、変速機は、両プーリ間の開閉力が逆になって両プーリ間の開閉力が部分的に互いに相殺し合うように両カム機構の回動カム同士が変速切換機構で連結され、一方のカム機構の取出推力を他方のカム機構のベルト推力に利用するようにしていることから、この関係をシーソーに譬えた場合、変速比が一定で変速切換えを行わないときには、上記取出推力自体は本発明の場合が従来の場合よりも大きくなるものの、駆動側及び従動側で取出推力は同じとなり、これらが互いに釣り合って推力の取出効率は従来の場合と同じである。
【0016】
ところが、変速比を変化させるときには、ベルト発生推力と取出推力との差が変速操作に必要な荷重(操作力)であるので、従来の場合では、取出推力が小さい分だけ残りの操作力が大きくなるのに対し、この発明では、取出推力が大きいことから、その分、逆に操作力が小さくて済むこととなる。その結果、両回転軸間の変速切換えが小さな操作力で敏速に行われる。
そして、この発明の構成によると、押圧機構の望ましい構造が得られる。
【0017】
このカム機構の場合において、請求項3の発明では、さらに、カムにおけるプーリのベルト出口側にある傾斜カム面をベルト入口側にある傾斜カム面よりも、対向するカム面側に突出させる。こうすると、プーリのベルト出口側にある傾斜カム面が、それに接触する対向カム面側に突出している分だけ、その荷重分担率が高くなり、可動シーブのベルト出口側及び入口側をそれぞれ押圧する押圧部の荷重分担率を互いに異ならせる構造が具体的かつ容易に得られる。
【0018】
請求項4の発明では、請求項1のプーリ式変速機において、各押圧機構は上記請求項2の発明と同様のカム機構とし、押圧部は、各カム機構における第1カム及び第2カムの一方の他方カムとの対向端部に形成された傾斜カム面と、他方の対向端部に設けられ、上記傾斜カム面に転動しながら接触する転動体とを備えているものとする。この発明でも押圧機構の望ましい構造が得られる。
【0019】
その場合、請求項5の発明では、カムにおけるプーリのベルト出口側にある傾斜カム面をベルト入口側にある傾斜カム面よりも、対向する転動体側に突出させる。
【0020】
一方、請求項6の発明では、上記請求項4のプーリ式変速機において、逆に、カムにおけるプーリのベルト出口側にある転動体をベルト入口側にある転動体よりも、対向する傾斜カム面側に突出させる。
【0021】
また、請求項7の発明では、請求項5のプーリ式変速機において、請求項6の発明と同様に、カムにおけるプーリのベルト出口側にある転動体をベルト入口側にある転動体よりも、対向する傾斜カム面側に突出させる。つまり、ベルト出口側では傾斜カム面及び転動体の双方を突出させる。
【0022】
これら請求項5〜7の発明では、プーリのベルト出口側にある傾斜カム面又は転動体の少なくとも一方の突出構造により、その荷重分担率が高くなり、プーリのベルト出口側及び入口側をそれぞれ押圧する押圧部の荷重分担率を異ならせる構造が具体的かつ容易に得られる。
【0023】
請求項8の発明では、上記請求項3又は5のプーリ式変速機において、各カムは、カム本体と、このカム本体に取付固定され、カム面を有するカムチップとを備えてなる構成とし、プーリのベルト出口側にあるカムチップとカム本体との間に所定厚さのシムを介在させる。
【0024】
この構成により、プーリのベルト出口側にあるカムチップがカム本体に対し両者間に介在されるシムにより、プーリのベルト入口側にあるカムチップのカム面よりも突出して、そのカム面の高さが高くなり、よって、プーリのベルト出口側及び入口側をそれぞれ押圧する押圧部の荷重分担率を異ならせる構造がさらに容易に得られる。
【0025】
請求項9の発明では、請求項1の発明と同様に、1対の回転軸、駆動及び従動プーリ、ベルト、駆動プーリ側及び従動プーリ側押圧機構、変速切換機構及びテンション機構を備えたプーリ式変速機において、上記駆動プーリ側及び従動プーリ側押圧機構のみを請求項1の発明と異なる構成とし、その他の要素は請求項1の発明と同じとする。つまり、駆動プーリ側及び従動プーリ側押圧機構は、駆動及び従動プーリの各々のベルト出口側に位置するベルト出口側押圧部のみを有し、該ベルト出口側押圧部で可動シーブを固定シーブ側に向けて押すことで、可動シーブを固定シーブに対して接離させるように軸方向に移動させて各プーリの有効半径を変化させる構成とする。
【0026】
この発明では、各プーリのベルト出口側のみにベルト出口側押圧部が設けられていて、このベルト出口側押圧部により可動シーブが固定シーブ側に向けて押される。この場合でも、上記請求項1の発明と同様の作用効果が得られる。
【0027】
請求項10の発明では、請求項9のプーリ式変速機において、各押圧機構は上記請求項2の発明と同様のカム機構とし、押圧部は、各カム機構における第1カム及び第2カムの対向端部の少なくとも一方に形成された傾斜カム面を備えているものとする。この発明でも請求項2の発明と同様の作用効果を奏することができる。
【0028】
請求項11の発明では、請求項9のプーリ式変速機において、各押圧機構は請求項2の発明と同様のカム機構とし、押圧部は、請求項4の発明と同様に、各カム機構における第1カム及び第2カムの一方の他方カムとの対向端部に形成された傾斜カム面と、他方の対向端部に設けられ、上記傾斜カム面に転動しながら接触する転動体とを備えているものとする。この発明でも請求項4の発明と同様の作用効果を奏することができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図9及び図10は本発明の実施形態に係るプーリ式無段変速機Tの全体構成を示し、この変速機Tは、図示しないが走行型の農業機械においてエンジンと駆動車輪との間の動力伝達経路に配設されている。
【0030】
図9及び図10において、1は変速機Tのケースで、この変速機ケース1は図9の左側にある前ケース2と、右側の後ケース3とに2分割されている。前ケース2は、図9で右側に開放された皿状のもので、その図9で上部にはボス状(円筒状)の入力軸受孔2aが貫通形成され、また下部には同形状の出力軸受穴2bが凹陥形成されている。また、後ケース3は、図9で左側に開放された皿状のもので、その図9で上部にはボス状の入力軸受孔3aが上記前ケース2の入力軸受孔2aに対応して、また下部には同様の出力軸受孔3bが前ケース2の出力軸受孔3bに対応してそれぞれ貫通形成されている。そして、前ケース2の開口縁部にはフランジ2cが形成され、このフランジ2cには複数のねじ孔4,4,…が開口されている。一方、後ケース3の開口縁部には上記前ケース2のフランジ2cと接合されるフランジ3cが形成され、このフランジ3cには前ケース2のねじ孔4,4,…に対応して複数のボルト挿通孔5,5,…が設けられており、前後ケース2,3の組付時に両フランジ2c,3cを当接させて後ケース3の各ボルト挿通孔5にそれぞれ組付ボルト6を挿通し、この各組付ボルト6の先端部を前ケース2の対応するねじ孔4に螺合締結することで、両ケース2,3を一体に組み付けるようにしている。
【0031】
上記前ケース2における複数のねじ孔4,4,…のうち、後述するテンションプーリ41の近傍に位置するねじ孔4(図10上端左側のもの)と、該ねじ孔4に対してテンションプーリ41と略反対側にあるねじ孔4(図10下端右側のもの)との1対にはそれぞれカラー7,7がノックピンとして嵌挿されており、このカラー7,7によって前後ケース2,3の組付時の芯出しを行うようになっている。
【0032】
尚、図10に示す如く、変速機ケース1下部の左右中間部は、変速機Tの下側を農業機械の前後方向に延びるプロペラシャフト113と干渉しないように部分的に凹陥されている。
【0033】
変速機ケース1には、互いに平行に配置した入力軸9(回転軸)及び出力軸13が前後ケース2,3に亘って回転可能に支承されている。尚、入力軸9及び出力軸13は図10で反時計回り方向に回転する。入力軸9の前端部(図9の左端部)は前ケース2の入力軸受孔2aにベアリング10を介して、また後端部は後ケース3の入力軸受孔3aにベアリング11を介してそれぞれ回転可能に支持されている。入力軸9の前端(図9の左端)はケース1から外部に突出し、この端部に図外のエンジンの出力軸が駆動連結される。
【0034】
一方、出力軸13の前端部(図9の左端部)には小径部13aが形成され、この小径部13aにて出力軸13が前ケース2の出力軸受穴2bにベアリング14を介して回転可能に支持されている。一方、出力軸13の後端部は後ケース3の出力軸受孔3bにベアリング15を介して回転可能に支持され、この出力軸13の後端はケース1外に突出していて、図外の駆動車輪に駆動連結されている。そして、出力軸13の中間部にはスリーブ16(この実施形態ではスリーブ16と出力軸13とで本発明でいう回転軸が構成される)が相対回転可能に外嵌合されている。このスリーブ16の前端部内径は他の部分よりも大径とされて大径部16aが形成され、この大径部16aと、出力軸13前端の小径部13aで上記ベアリング14の位置よりも後側部分との間にはベアリング17がその内輪17aを出力軸13の小径部13aに、また外輪17bをスリーブ16にそれぞれ係合せしめて介設されている。
【0035】
変速機ケース1内には、上記入力軸9及び出力軸13をVベルト30によって変速可能に駆動連結する変速プーリ機構20が収容されている。この変速プーリ機構20は、入力軸9上に配置された変速プーリからなる駆動プーリ21を有する。この駆動プーリ21は、入力軸9上に回転一体にかつ摺動不能にキー結合されたフランジ状の固定シーブ22と、入力軸9上に固定シーブ22に対向するようにボス部23aにて摺動可能にかつ相対回転可能に支持されたフランジ状の可動シーブ23とからなり、これら両シーブ22,23間に断面略V字状のベルト溝24が形成されている。上記固定シーブ22の背面には、円周方向に等間隔をあけて放射状に配置された送風冷却用の複数のフィン22a,22a,…が一体に形成されている。
【0036】
一方、出力軸13に外嵌合されているスリーブ16上には駆動プーリ21と同径の変速プーリからなる従動プーリ26が設けられている。この従動プーリ26は、上記駆動プーリ21と同様の構成であり、出力軸13のスリーブ16上に回転一体にかつ摺動不能にキー結合されたフランジ状の固定シーブ27と、スリーブ16(出力軸13)に、固定シーブ27に対し上記駆動プーリ21における固定シーブ22に対する可動シーブ23の対向方向と逆方向でもって対向するようにボス部28aにて摺動可能にかつ相対回転可能に結合されたフランジ状の可動シーブ28とからなり、これら両シーブ27,28間には断面略V字状のベルト溝29が形成されている。この従動プーリ26における固定シーブ27の背面にも、円周方向に等間隔をあけて放射状に配置された送風冷却用の複数のフィン27a,27a,…が一体に形成されており、この各固定シーブ22,27のフィン22a,27aによってケース1内に空気流を生成して発熱部分を冷却するようにしている。
【0037】
上記駆動プーリ21の可動シーブ23の入力軸9に対する摺動構造、及び従動プーリ26の可動シーブ28のスリーブ16(出力軸13)に対する摺動構造はいずれも同じであり、ここでは、従動プーリ26について説明することとし、駆動プーリ21側については同じ符号を付して詳細な説明は省略する。すなわち、図11にも示すように、従動プーリ26における可動シーブ28のボス部28a内周面には、その直径方向に対向する位置に、ボス部28aの固定シーブ27側端から固定シーブ27と反対側端に至る全体に亘って軸方向に延びる断面略矩形状の1対の係合溝31,31がブローチ加工によって形成されている。
【0038】
一方、スリーブ16(駆動プーリ21側では入力軸9)の外周面には直径方向に対向する位置に、スリーブ16外周面の軸方向の一部を部分的に接線方向と平行に所定深さだけ切り欠いてなる切欠き32,32が形成されている。また、スリーブ16及び出力軸13(回転軸)には両者を直径方向に貫通するピン33がスリーブ16に対し圧入により固定支持され(駆動プーリ21側では入力軸9に対し圧入固定)、このピン33の両端部は上記各切欠き32から所定寸法だけ突出している。図11に示すように、このピン33は出力軸13においてピン33の外径よりも大きい長径を有する長孔36に挿通されていて、出力軸13と所定角度だけ相対回転可能とされている。そして、ピン33両端の突出部にそれぞれベアリング34,34が1対となって各々の内輪34bにて支持されており、この各ベアリング34はそれぞれ上記可動シーブ28のボス部28a内周における係合溝31に係合されて、外輪34aが係合溝31の側面に当接して転動するようになっている。また、各ベアリング34の外径(外輪34aの外径)はスリーブ16(入力軸9)の外径の1/2.5以上とされている。
【0039】
そして、上記駆動プーリ21のベルト溝24と従動プーリ26のベルト溝29との間には例えばブロックベルト等からなる上記Vベルト30が巻き掛けられており、両プーリ21,26の各可動シーブ23,28をそれぞれ固定シーブ22,27に対して接離させて各プーリ21,26のベルト巻付け径を変更する。例えば駆動プーリ21の可動シーブ23を固定シーブ22に接近させ、かつ従動プーリ26の可動シーブ28を固定シーブ27から離隔させたときには、駆動プーリ21のベルト巻付け径を従動プーリ26よりも大きくすることにより、入力軸9の回転を出力軸13に増速して伝達する高速状態とする。一方、逆に、駆動プーリ21の可動シーブ23を固定シーブ22から離隔させ、かつ従動プーリ26の可動シーブ28を固定シーブ27に接近させたときには、駆動プーリ21のベルト巻付け径を小にし、従動プーリ26のベルト巻付け径を大きくすることにより、入力軸9の回転を減速して出力軸13に伝える低速状態とするようになされている。
【0040】
また、変速機ケース1内には、駆動及び従動プーリ21,26間に張られたVベルト30の1対のスパン30a,30bのうちの緩み側スパン30bをその内面から外方に押圧してベルト30に張力を与えることでベルト推力を発生するテンション機構38が設けられている。このテンション機構38は、図12にも示すように、前ケース2における出力軸受穴2b周囲のボス状部分に基端側のボス部39aにて回動可能に外嵌合支持されたテンションアーム39を有し、このテンションアーム39のボス部39aは、テンションアーム39の本体に一体的に溶接されている。テンションアーム39の先端部には出力軸13(入力軸9)と平行に後方に延びるテンション軸40が一体に溶接され、このテンション軸40の先端部は各プーリ21,26におけるベルト溝24,29部分に位置し、この先端部には、Vベルト30の緩み側スパン30bを内面から押圧可能なテンションプーリ41がベアリング42を介して回転可能に支持されている。このテンションプーリ41の位置は、変速に伴うVベルト30の軸方向の移動に拘らず、常にテンションプーリ41がベルト30内面の一部に接触してそれを押圧可能な位置に設定されている。尚、テンションプーリ41の断面形状の両側面は各プーリ21,26のベルト溝24,29側面に平行な角度とされ、このことでテンションプーリ41側面の傾斜角度はベルト溝24,29の断面角度に一致し、テンションプーリ41外周面の軸方向長さはベルト30外面側の幅よりも小さくされている。
【0041】
そして、上記テンションアーム39にはその先端から基端側に向かう方向(テンション軸40と略反対側)に延長されてなるばね取付アーム部43が一体形成され、このばね取付アーム部43の先端部は前側に折り曲げられていて、その折曲げ部には凹部からなるばね係止部44が形成されている。一方、図10及び図13に示す如く、前ケース2の一方の内側面には、リング状のテンション用カラー46が出力軸13(入力軸9)と平行に延びる取付ボルト47により取付固定され、このテンション用カラー46には引張ばねからなるテンションスプリング48の一端部が外嵌合状態で係止され、このスプリング48の他端部は上記テンションアーム39のばね取付アーム部43のばね係止部44に係止されており、このテンションスプリング48のばね力によりテンションアーム39を図10で反時計回り方向に回動付勢して、テンションプーリ41にVベルト30の緩み側スパン30bの内面を押圧させる。そして、テンションスプリング48のテンションアーム39に対する回動付勢力は、テンションプーリ41がベルト30の緩み側スパン30bを該緩み側スパン30bに発生する最大張力よりも大きい張力で押圧するように設定されており、この張力によりベルト推力を発生させるようにしている。
【0042】
上記入力軸9上には駆動プーリ21における可動シーブ23背面側に、該可動シーブ23を固定シーブ22に対して接離させるための駆動プーリ側押圧機構としての駆動プーリ側カム機構50が設けられている。このカム機構50は例えばアルミニウム合金製の円筒状のカム本体52を有する回動カム51を備え、該回動カム51は、可動シーブ23のボス部23a上にベアリング57を介して入力軸9回りに相対回転可能にかつ軸方向に移動一体に外嵌合支持されている。カム本体52の駆動プーリ21と反対側端面には、上記ベアリング57よりも半径方向外側でかつ円周方向に等角度間隔(180°間隔)をあけた上下位置に、図3〜図5に示すように1対の焼結金属からなる円弧板状のカムチップ53,53が、タッピングねじ54を各カムチップ53に形成したボルト挿通孔53aに挿通してカム本体52に螺合締結することで取付固定され、この各カムチップ53の表面にはそれぞれ所定角度に傾斜した傾斜カム面55が形成されている。
【0043】
上記カム本体52の外周には上記両カムチップ53,53を通る線に沿って下方に延びる回動レバー56(図10参照。図9では説明のために出力軸13と反対側に延びるように記載している)が回動一体に突設されている。
【0044】
また、上記回動カム51の背面側には上記各カムチップ53と対応した位置に、各カムチップ53のカム面55とカム接触する固定カムとしての1対のカム受けベアリング59,59が配置され、この各カム受けベアリング59は、前ケース2の内面に入力軸9の半径方向に沿って配置固定した支持軸60に支持されている。すなわち、図6に拡大して示す如く、前ケース2の内面には所定位置に、入力軸9の半径方向に並んだ1対の軸受部61,63が突設され、この一方の軸受部61には入力軸9と平行な方向つまり前ケース2の内面から開口に向かう方向に延びる有底状のねじ孔62が形成されている。また、他方の軸受部63の先端には断面略半円状の凹部64が形成されている。そして、支持軸60の一端部は平板状とされて貫通状のボルト孔60aが形成されており、支持軸60の他端部を上記他方の軸受部63の凹部64に密嵌合した状態で、取付ボルト65を支持軸60一端部のボルト孔60aを挿通して一方の軸受部61のねじ孔62に螺合締結することで、カム受けベアリング59を支持軸60により前ケース2内面に固定支持するようになっている。
【0045】
そして、上記各カムチップ53とそのカム面55上を転動する各カム受けベアリング59との双方によりそれぞれ上下1対の押圧部66,66が形成され、下側の押圧部66は駆動プーリ21のベルト入口側に配置されていてベルト入口側押圧部に、また上側の押圧部66は同ベルト出口側に配置されていてベルト出口側押圧部にそれぞれ構成されている。
【0046】
一方、出力軸13上には、従動プーリ26における可動シーブ28の背面側に、該可動シーブ28を固定シーブ27に対して接離させる従動プーリ側押圧機構としての従動プーリ側カム機構67が設けられている。この従動プーリ側カム機構67は、上記駆動プーリ側カム機構50と同様の構成で、可動シーブ28のボス部28aに外嵌合したベアリング用カラー68上にベアリング74を介して出力軸13回りに相対回転可能にかつ軸方向に移動一体に外嵌合支持された回動カム69を有する。この回動カム69はカム本体70と、その従動プーリ26と反対側端面でベアリング74よりも出力軸13の半径方向外側でかつ円周方向に等角度間隔をあけた上下位置に取付固定され、各々傾斜カム面72を有する1対の焼結金属からなるカムチップ71,71とからなり、この各カムチップ71は、上記駆動プーリ側カム機構50の回動カム51と同様に(尚、この回動カム51と同じ図3〜図5に基づいて説明する)、タッピングねじ54をカムチップ71のボルト挿通孔71aに挿通してカム本体70に螺合締結することで固定されている。また、このカム本体70の外周には、上記両カムチップ71,71を通る線に沿って下方、つまり上記駆動プーリ側カム機構50の回動レバー56と同じ方向に延びる回動レバー73(図9では説明のために入力軸9と反対側に延びるように記載している)が回動一体に突設されている。
【0047】
また、回動カム69の背面側には、上記各カムチップ71とカム接触する固定カムとしての1対のカム受けベアリング76,76がカムチップ71,71と対応して配置され、この各カム受けベアリング76は、後ケース3の内面に出力軸13の半径方向に沿って配置固定した支持軸77上に支持されている。このカム受けベアリング76の支持構造は上記駆動プーリ側カム機構50のものと同じであるので(図6参照)、図6と同じ部分については同じ符号を付してその説明は省略する。
【0048】
上記各カムチップ71とそのカム面72上を転動する各カム受けベアリング76との双方により上下1対の押圧部78,78が形成され、上側の押圧部78は従動プーリ26のベルト入口側に配置されるベルト入口側押圧部に、また下側の押圧部78は同ベルト出口側に配置されるベルト出口側押圧部にそれぞれ構成されている。
【0049】
そして、本発明の特徴として、図3に仮想線にて示すように、上記各カム機構50,67において駆動及び従動プーリ21,26の各々のベルト出口側(駆動プーリ21側では上側、従動プーリ26側では下側)にあるベルト出口側押圧部66,78についてのみ、そのカムチップ53,71とカム本体52,70との間に所定厚さ(例えば0.2mm)のシム84が介在されていて、該ベルト出口側にあるカムチップ53,71がベルト入口側にあるカムチップ53,71に比べカム本体52,70から突出していて、前者のカム面55,72のカム本体52,70からの高さが後者のカム面55,72よりも大に設定されており、このことにより、図1に示す如く、各プーリ21,26のベルト出口側押圧部66,78の荷重分担率がベルト入口側押圧部66,78の荷重分担率よりも大とされている。
【0050】
図7及び図8にも示す如く、上記駆動プーリ側カム機構50におけるカム51外周の回動レバー56先端部と、従動プーリ側カム機構67のカム69外周の回動レバー73先端部とは互いに連係して回動するようにリンクバー79により連結されている。このリンクバー79は略細長い三角形の板材からなり、その中間部は上記変速機ケース1下部の凹部(図10参照)と干渉しないように上側に折り曲げられ、その前縁にはリブ状のフランジ79aが一体形成されている。リンクバー79の一端部(三角形の3頂点の1つをなす部分)にはピン孔80が、また駆動プーリ側カム機構50の回動レバー56先端部には上記ピン孔80よりも小径のピン孔81がそれぞれ入力軸9と平行に貫通形成され、両ピン孔80,81を合致させかつリンクバー79のピン孔80に焼結金属からなるブッシュ82を嵌挿した状態でリンクピン83を両ピン孔80,81に挿通して抜き止めすることで、リンクバー79と回動レバー56先端部とがリンクピン83により揺動可能に連結されている。
【0051】
一方、リンクバー79の他端部における後端部(三角形の残りの2頂点の1つをなす部分)にもピン孔85が、また従動プーリ側カム機構67の回動レバー73先端部にも上記ピン孔85よりも小径のピン孔86がそれぞれ出力軸13と平行に貫通形成され、両ピン孔85,86を合致させかつリンクバー79のピン孔85に焼結金属製ブッシュ87を嵌挿した状態でリンクピン88を両ピン孔85,86に挿通して抜き止めすることで、リンクバー79と回動レバー73の先端部とがリンクピン88により揺動可能に連結されている。そして、上記回動レバー56,73、リンクピン83,88及びリンクバー79により変速切換機構89が構成されており、この変速切換機構89により、各カム機構50,67における回動カム51,69を互いに連係して可動シーブ23,28のボス部23a,28a回りに回動させ、その各カムチップ53,71のカム面55,72上でカム受けベアリング59,76を転動させることにより、各プーリ21,26の可動シーブ23,28を軸方向に移動させて固定シーブ22,27に対し互いに相反して接離させ、そのベルト溝24,29の有効半径つまり各プーリ21,26でのベルト巻付け径を可変とし、両プーリ21,26間のプーリ比つまり変速機Tの変速比を変化させるようにしている。
【0052】
上記従動プーリ26側には、伝動トルクが作用して可動シーブ28と出力軸13とが相対回転したときにその可動シーブ28を軸方向に移動させてベルト推力を発生させるトルクカム機構91が設けられている。このトルクカム機構91は、図11にも示すように、可動シーブ28のボス部28aにおける直径方向に対向した位置(上記両係合溝31,31と90°ずれた位置)に、出力軸13の軸線方向に向かって円周方向に向かうように傾斜しかつボス部28aの内外面に亘り貫通する1対のカム孔92,92を備えている。また、出力軸13において上記スリーブ16により覆われていない部位の外周面には直径方向に対向する位置に、出力軸13外周面の軸方向の一部を部分的に接線方向と平行に所定深さだけ切り欠いてなる切欠き93,93が形成されている。そして、出力軸13には直径方向に貫通するピン94が圧入により固定支持され、該ピン94の両端部は上記切欠き93,93から所定寸法だけ突出し、このピン94両端の突出部にはそれぞれ、上記可動シーブ28のボス部28aにおけるカム孔92に係合して外輪95aをカム孔92側面に当接して転動させるベアリング95が支持されており、従動プーリ26に伝動トルクが作用したとき、カム孔92とベアリング95とのカム効果により可動シーブ28を軸方向に移動させてベルト推力を発生させるようにしている。
【0053】
さらに、前ケース2の前壁部には、略入力軸9及び出力軸13間でかつ両軸9,13の各軸心を通る平面上の位置にボス状の軸挿通孔97が貫通形成され、この軸挿通孔97には入力軸9(出力軸13)と平行方向に延びる操作軸98がベアリング99によって回転可能に支持され、この操作軸98の一端は変速機ケース1外に延びていて断面四角形状とされ、その端部に図外の操作レバーが回動一体に取り付けられる。
【0054】
図7、図8及び図10に示すように、操作軸98の他端は変速機ケース1内に位置し、その他端部にはクランクアーム100の基端が回転一体に溶接固定されている。このクランクアーム100は略く字形状に彎曲した板材からなり、その先端部には連結ロッド102の一端部が連結されている。この連結ロッド102は、各々先端部に直交方向の軸部101aが回動可能に支持された1対のリンクボール101,101を軸部101a,101aが逆向きに配置されるよう結合してなるもので、クランクアーム100の先端部に連結ロッド102の一方のリンクボール101がその軸部101aにて連結されている。この連結ロッド102の他端部つまり他方のリンクボール101の軸部101aは、上記リンクバー79において駆動プーリ側カム機構50の回動レバー56近傍に連結されている。そして、操作軸98を操作レバーによりLo位置及びHi位置の間で回動切換操作することで、変速切換機構89を作動させて、各回動カム51,69に突設されている各回動アーム56,73をLo及びHi位置間で回動させ、変速プーリ機構20のプーリ比を変えることで、上記出力軸13を入力軸9に対し減速状態又は増速状態に切り換えて変速するようになされている。
また、107は入力軸9、出力軸13及び操作軸98周りに配置されたダストシールである。
【0055】
次に、上記実施形態に係る変速機の作動について説明する。
農業機械に搭載したエンジンが変速機Tの入力軸9に駆動連結され、その出力軸13が駆動車輪に駆動連結されているので、エンジンの回転動力は変速機Tで変速された後、駆動車輪に伝達される。そして、駆動及び従動プーリ側カム機構50,67における回動レバー56,73同士がリンクバー79により連係されているため、操作軸98の切換操作により変速プーリ機構20のプーリ比が変えられて変速機Tの変速比が切り換えられる。
【0056】
(低速状態)
具体的には、変速機Tの変速比を下げて低速状態(Lo状態)とするとき、操作軸98が操作レバーにより回動切換操作されてLo位置に位置付けられる。すなわち、操作軸98の内端にはクランクアーム100の基端部が一体に固定され、このクランクアーム100の先端部は連結ロッド102を介してリンクバー79に連結され、このリンクバー79は、駆動プーリ側カム機構50における回動カム51外周の回動レバー56と、従動プーリ側カム機構67における回動カム69外周の回動レバー73とを連結しているので、操作軸98の回動に伴ってクランクアーム100が回動して両回動レバー56,73が回動する。そして、上記操作軸98のLo位置への切換状態では、上記従動プーリ側カム機構67の回動カム69がそのカムチップ71,71のカム面72,72上でそれぞれカム受けベアリング76,76を転動させながら従動プーリ26における可動シーブ28のボス部28a回りに一方向に回動する。この回動により、上記各カム面72がカム受けベアリング76に押されて回動カム69が出力軸13周囲のスリーブ16上を移動し、該カム69にベアリング74を介して移動一体の可動シーブ28が同方向に移動して固定シーブ27に接近する。このことにより従動プーリ26が閉じてそのベルト巻付け径が増大し、このベルト巻付け径の増大によりVベルト30が従動プーリ26側に引き寄せられる。
【0057】
また、これと同時に、上記操作軸98のLo位置への切換えに伴い、上記従動プーリ26の可動シーブ28の動きに同期して、駆動プーリ側カム機構50の回動カム51が入力軸9上を上記従動プーリ側カム機構67のカム69と同じ一方向に回動する。このカム51の回動によりその各カムチップ53のカム面55のカム受けベアリング59に対する押圧がなくなる。このため、上記従動プーリ26側に移動するベルト30の張力により、カム51及びそれにベアリング57を介して連結されている可動シーブ23は固定シーブ22から離れる方向に入力軸9上を移動し、この両シーブ22,23の離隔により駆動プーリ21が開いてベルト巻付け径が減少する。これらの結果、従動プーリ26のベルト巻付け径が駆動プーリ21よりも大きくなり、入力軸9の回転が減速されて出力軸13に伝達される。このことで変速機TはLo状態になり、エンジンの回転が減速されて駆動車輪に伝達される。
【0058】
尚、テンション機構38のテンションスプリング48の付勢力によりテンションアーム39が図10で時計回り方向に回動付勢され、その先端のテンションプーリ41がベルト30の緩み側スパン30b内面を押圧し、この押圧によりベルト30に張力が付与される。このとき、この張力は緩み側スパン30bに発生する最大張力よりも大きいため、このベルト張力によりベルト30のプーリ21,26に対する楔効果が生じて推力が発生し、この推力により両プーリ21,26間でベルト30を介して動力が伝達される。
【0059】
(高速状態)
一方、上記操作軸98をHi位置に位置付けると、このHi位置への切換状態では、上記駆動プーリ側カム機構50のカム51がその各カムチップ53のカム面55上でカム受けベアリング59を転動させながら駆動プーリ21における可動シーブ23のボス部23a回りに他方向に回動する。このことにより、上記カム面55がカム受けベアリング59に押されてカム51が入力軸9上を移動し、該カム51に移動一体の可動シーブ23が同方向に移動して固定シーブ22に接近する。このことにより駆動プーリ21が閉じてそのベルト巻付け径が増大し、このベルト巻付け径の増大によりVベルト30が駆動プーリ21側に引き寄せられる。
【0060】
また、これと同時に、上記従動プーリ側カム機構67のカム69がスリーブ16上で上記駆動プーリ側カム機構50のカム51と同じ他方向に回動する。このカム69の回動によりカム受けベアリング76に対する押圧がなくなる。このため、上記駆動プーリ21側に移動するベルト30の張力により、カム69及びそれにベアリング74を介して連結されている可動シーブ28は固定シーブ27から離れる方向にスリーブ16上を移動し、この両シーブ27,28の離隔により従動プーリ26が開いてベルト巻付け径が減少する。これらの結果、駆動プーリ21のベルト巻付け径が従動プーリ26よりも大きくなり、入力軸9の回転が増速されて出力軸13に伝達される。この結果、変速機TはHi状態になり、エンジンの回転が増速されて駆動車輪に伝達される。
【0061】
この実施形態の場合、変速プーリ機構20の各プーリ21,26における可動シーブ23,28のボス部23a,28a上に各カム機構50,67の回動カム51,69がベアリング57,74を介して支持され、これら両回動カム51,69外周の回動レバー56,73同士が1つのリンクバー79で連結されているので、上記変速プーリ機構20の変速切換時に、前ケース2及び後ケース3にそれぞれ支持されたカム受けベアリング59,76から回動カム51,69におけるカムチップ53,71のカム面55,72に力が該カム面55,72と直角方向に作用し、この力の入力軸9及び出力軸13に直交方向の直角分力が入力軸9及び出力軸13の軸心とリンクバー79への連結点とを結ぶ線と直角に作用したとき、入力軸9及び出力軸13の軸心とリンクバー79への連結点とを結ぶ線に対しプーリ比の変化に拘らず直角でかつ上記直角分力と逆向きのカム回転反力が生じ、このカム回転反力は、回動カムが支持されている可動シーブ23,28のボス部23a,28aに対し、プーリ21,26のベルト30が巻き掛けられている範囲の中央位置においてボス部23a,28aを押圧するように作用する。つまり、このボス部23a,28aに対するカム回転反力は、ボス部23a,28aと入力軸9及び出力軸13との摺動部分におけるクリアランスで、可動シーブ23,28がベルト30から推力を受けたときに可動シーブ23,28を入力軸9及び出力軸13に対し傾倒させる方向に働くモーメントとは逆方向のモーメントが生じるように作用し、このモーメントにより元のモーメントが相殺されて小さくなり、可動シーブ23,28のボス部23a,28a内周の入力軸9及び出力軸13外周に対する面圧分布が軸心方向に分散し、ボス部23a,28aの摺動抵抗が小さくなる。この摺動抵抗が小さくなった分だけ、ベルト発生推力の回動カム51,69による固定点に与える荷重(つまり取出推力)が大きくなり、換言すれば、ベルト発生推力が大きな抵抗なく回動カム51,69に取出推力として伝達されることとなる。そして、プーリ比を変化させるときには、ベルト発生推力と取出推力との差が変速操作に必要な荷重(操作力)であるので、取出推力が大きい分だけ、逆に操作力が小さくて済むこととになる。その結果、上記変速プーリ機構20における両変速プーリ21,26間のベルト30の推力バランスにより変速操作力を低減することができる。
【0062】
そして、この実施形態では、上記の如きベルト伝動時に駆動及び従動プーリ21,26間でVベルト30が走行するとき、両プーリ21,26間の1対のベルトスパン30a,30bのうち、張り側スパン30aのベルト張力は緩み側スパン30bよりも大きいため、その張力分布を示すと図2のようになる(図2では矢印の大きさで張力の大きさを示している)。上記駆動プーリ側及び従動プーリ側カム機構50,67におけるプーリ21,26のベルト出口側(駆動プーリ21側では上側、従動プーリ26側では下側)にある押圧部66,78のカムチップ53,71とカム本体52,70との間にそれぞれシム84,84が介在されていて、該ベルト出口側にあるカムチップ53,71の傾斜カム面55,72がベルト入口側にあるカムチップ53,71の傾斜カム面55,72よりもカム本体52,70から高く突出し、プーリ21,26のベルト出口側押圧部66,78の荷重分担率がベルト入口側押圧部66,78の荷重分担率よりも大であるので、各可動シーブ23,28はベルト出口側でその押圧部66,78により位置規制された状態となり、ベルト30がプーリ21,26の入口側部から出口側部に回行移動したときには、ベルト30がベルト出口側押圧部66,78により可動シーブ23,28から押されることによって面圧が高くなり、ベルト張力が増大する。すなわち、ベルト30はプーリ21(又は26)に巻き付いたときに固定及び可動シーブ22,23(又は27,28)間のベルト溝24,29による楔効果が得られるばかりでなく、プーリ21(又は26)の入口側から出口側に向かうに連れて次第に両シーブ22,23(又は27,28)間に食い込むようになるので、そのスリップを抑制することができる。従って、ベルト30の初張力を増大させたり、かム機構50,67を大形化したりすることなく、ベルト30のスリップの低減を図ることができる。
【0063】
尚、上記実施形態では、各カム機構50,67における回動カム51,69のベルト出口側のカムチップ53,71をシム84の介在によりカム本体52,70から突出させることで、そのカムチップ53,71の傾斜カム面55,72のカム本体52,70からの高さをベルト出口側にあるカムチップ53,71よりも高くしているが、両カムチップ53,71の傾斜カム面55,72のカム本体52,70からの高さは互いに同じとし、その代り、1対のカム受けベアリング59,76のケース2,3からの突出量をベルト出口側でベルト入口側よりも大きくなるように異ならせてもよい。さらにはカムチップ53,71の傾斜カム面55,72の高さとカム受けベアリング59,76の高さとの双方をベルト出口側で入口側に比べ大きくするようにすることもできる。要は、プーリ21,26のベルト出口側押圧部66,78の荷重分担率をベルト入口側押圧部66,78の荷重分担率よりも大とすればよく、その他の構造を採用することができる。
【0064】
また、上記実施形態では、回動カム51(又は69)に取り付けられた1対のカムチップ53,53(又は71,71)と、ケース1側に支持された1対のカム受けベアリング59,59(又は76,76)との双方によりそれぞれベルト入口側及び出口側の押圧部66,66(又は78,78)を形成し、ベルト出口側の押圧部66(又は78)の荷重分担率をベルト入口側押圧部66(又は78)よりも大きくしているが、回動カム51(又は69)に取り付けられるカムチップ53(又は71)と、ケース1側に支持されるカム受けベアリング59(又は76)とをそれぞれ1つとしてプーリ21(又は26)の出口部に配設することで、ベルト出口側押圧部のみを形成するようにしてもよい。その場合でも上記実施形態と同様の作用効果を奏することができる(この場合には、上記実施形態のように、カムチップ53,71とカム本体52,72との間にシム84を介在させる必要はない)。
【0065】
また、上記実施形態では、可動シーブ23,28を固定シーブ22,27側に押圧駆動する押圧機構として、回動カム51,69とカム受けベアリング59,76とを組み合わせたカム機構50,67を採用しているが、固定カム及び回動カムの傾斜カム面同士をカム接触させるようにしたカム機構や、カム機構以外の他の機構、例えばばね機構等を採用することもできる。
【0066】
さらに、本発明は、上記実施形態の如き農業機械用の無段変速機Tに限らず、一般産業用のプーリ式変速機にも適用できるのはいうまでもない。
【0067】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明では、互いに平行に配置された1対の回転軸上にそれぞれ設けられた変速プーリからなる駆動及び従動プーリと、この両プーリ間に巻き掛けられたベルトと、各プーリの可動シーブ背面側に配置され、プーリのベルト入口側及び出口側にそれぞれ位置する入口側及び出口側押圧部の双方で可動シーブを固定シーブ側に向けて押して、各プーリの有効半径を変化させる駆動プーリ側及び従動プーリ側押圧機構と、駆動及び従動プーリの一方の可動シーブが、対向する固定シーブに接近すると他方の可動シーブが対向する固定シーブから離れるように上記両押圧機構を作動させることで両回転軸間の変速比を変化させる変速切換機構と、両プーリ間に巻き掛けられるベルトの緩み側スパンを該ベルトが各プーリのベルト溝に食い込むように押圧して、ベルトへの推力を発生させるテンション機構とを備えたプーリ式変速機において、上記押圧機構におけるプーリのベルト出口側押圧部の荷重分担率をベルト入口側押圧部の荷重分担率よりも大とした。また、請求項9の発明では、上記と同様のプーリ式変速機において、押圧機構はプーリのベルト出口側に位置するベルト出口側押圧部のみを有するものとした。これらの発明によると、ベルトがプーリの入口側から出口側に回行移動した際の可動シーブからの面圧を高くして、プーリ入口側から出口側に向かうに連れて次第に両シーブ間に食い込むようにでき、ベルトの初張力の増大や押圧機構の大形化を招くことなく、ベルトのスリップの低減を図ることができる。
【0068】
請求項2又は10の発明では、各押圧機構は、各々、互いにカム接触する第1カムと第2カムとからなり、第1及び第2カムの一方が可動シーブのボス部上にベアリングを介して軸方向に可動シーブと共に移動一体にかつ相対回転可能に支持され、他方が回転軸に軸方向に移動不能にかつ回転軸に対して相対回転可能に設けられ、両カムの一方は回転軸回りに回動可能な回動カムとされる一方、他方は回動不能な固定カムとされ、上記回動カムと固定カムとの相対回転により可動シーブを固定シーブに対して接離させるように軸方向に移動させて上記各プーリの有効半径を変化させるカム機構とし、押圧部は、各カム機構における第1カム及び第2カムの対向端部の少なくとも一方に形成された傾斜カム面を備えているものとした。また、請求項4又は11の発明では、各押圧機構は上記と同様のカム機構とし、押圧部は、各カム機構における第1カム及び第2カムの一方の他方カムとの対向端部に形成された傾斜カム面と、他方の対向端部に設けられ、上記傾斜カム面に転動しながら接触する転動体とを備えているものとした。これらの発明によると、上記押圧機構の望ましい構造が得られる。
【0069】
請求項3の発明では、上記請求項2のベルト変速機において、カムにおけるプーリのベルト出口側にある傾斜カム面をベルト入口側にある傾斜カム面よりも、対向するカム面側に突出させた。また、請求項5の発明では、請求項4の発明において、カムにおけるプーリのベルト出口側にある傾斜カム面をベルト入口側にある傾斜カム面よりも、対向する転動体側に突出させた。一方、請求項6の発明では、逆にカムにおけるプーリのベルト出口側にある転動体をベルト入口側にある転動体よりも、対向する傾斜カム面側に突出させた。さらに、請求項7の発明では、請求項5のプーリ式変速機において、請求項6の発明と同様に、カムにおけるプーリのベルト出口側にある転動体をベルト入口側にある転動体よりも、対向する傾斜カム面側に突出させた。これらの発明によると、プーリのベルト入口側及びベルト出口側をそれぞれ押圧する押圧部の荷重分担率を異ならせる構造を具体的かつ容易に得ることができる。
【0070】
請求項8の発明によると、上記傾斜カム面と転動体とを接触させるカム機構を有するプーリ式変速機において、各カムは、カム本体と、このカム本体に取付固定され、カム面を有するカムチップとを備えてなる構成とし、プーリのベルト出口側にあるカムチップとカム本体との間に所定厚さのシムを介在させたことにより、プーリのベルト出口側にあるカムチップのカム面をシムによりカム本体に対しプーリのベルト入口側にあるカムチップのカム面よりも突出させることができ、押圧部の荷重分担率を異ならせる構造をより一層容易に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】駆動プーリにおいてベルト入口側及び出口側の各押圧部による可動シーブの押圧動作状態を示す模式説明図である。
【図2】駆動及び従動プーリ間に巻き掛けられるベルトの張力分布を示す模式説明図である。
【図3】カム本体に対するカムチップの取付構造を示す拡大展開図である。
【図4】カム本体に対するカムチップの取付構造を示す拡大正面図である。
【図5】カム本体に対するカムチップの取付構造を示す拡大断面図である。
【図6】ケースにおけるカム受けベアリング取付部の構造を示す拡大断面図である。
【図7】変速切換機構のリンクバー、連結ロッド、クランクアーム及び操作軸の連結構造を示す拡大正面図である。
【図8】変速切換機構のリンクバー、連結ロッド、クランクアーム及び操作軸の連結構造を示す拡大平面図である。
【図9】本発明の実施例に係るプーリ式変速機の水平断面図である。
【図10】プーリ式変速機をケースを開けた状態で示す正面図である。
【図11】図9のXI−XI線拡大断面図である。
【図12】テンションアームの拡大正面図である。
【図13】ケースにおけるスプリング取付部の構造を示す拡大断面図である。
【符号の説明】
T 変速機
1 変速機ケース
9 入力軸
13 出力軸
16 スリーブ
17 ベアリング
20 変速プーリ機構
21 駆動プーリ
26 従動プーリ
22,27 固定シーブ
23,28 可動シーブ
23a,28a ボス部
24,29 ベルト溝
30 Vベルト
30a 張り側スパン
30b 緩み側スパン
38 テンション機構
39 テンションアーム
41 テンションプーリ
48 テンションスプリング
50 駆動プーリ側カム機構
66,78 押圧部
67 従動プーリ側カム機構
51,69 回動カム
52,70 カム本体
53,71 カムチップ
55,72 傾斜カム面
56,73 回動レバー
57,74 ベアリング
59,76 カム受けベアリング
84 シム
79 リンクバー
83,88 リンクピン
89 変速切換機構
98 操作軸
102 連結ロッド

Claims (11)

  1. 互いに平行に配置された1対の回転軸と、
    上記各回転軸上にそれぞれ設けられ、各々、回転軸に回転一体にかつ軸方向に移動不能に固定支持された固定シーブと、該固定シーブとの間に断面略V字状のベルト溝を形成するように上記固定シーブに対向して設けられ、かつ背面側に軸方向に延びるボス部を有し、該ボス部にて回転軸に回転一体にかつ軸方向に移動可能に外嵌支持された可動シーブとからなり、一方の可動シーブの固定シーブへの向きと他方の可動シーブの固定シーブへの向きとが互いに逆向きに設定された駆動及び従動プーリと、
    上記駆動及び従動プーリのベルト溝間に巻き掛けられたベルトと、
    上記駆動及び従動プーリの各可動シーブ背面側にそれぞれ配置され、かつプーリのベルト入口側及び出口側にそれぞれ位置するベルト入口側及び出口側押圧部を有し、上記両押圧部の双方でそれぞれ可動シーブを固定シーブ側に向けて押すことで、可動シーブを固定シーブに対して接離させるように軸方向に移動させて上記各プーリの有効半径を変化させる駆動プーリ側及び従動プーリ側押圧機構と、
    上記駆動及び従動プーリの一方の可動シーブが、対向する固定シーブに接近すると他方の可動シーブが対向する固定シーブから離れるように上記両押圧機構を作動させることで上記両回転軸間の変速比を変化させる変速切換機構と、
    上記駆動及び従動プーリ間に配置され、両プーリ間に巻き掛けられるベルトの緩み側スパンを該ベルトが各プーリのベルト溝に食い込むように押圧して、ベルトへの推力を発生させるテンション機構とを備え、
    上記各押圧機構におけるプーリのベルト出口側押圧部の荷重分担率がベルト入口側押圧部の荷重分担率よりも大とされていることを特徴とするプーリ式変速機。
  2. 請求項1のプーリ式変速機において、
    各押圧機構は、各々、互いにカム接触する第1カムと第2カムとからなり、上記第1及び第2カムの一方が可動シーブのボス部上にベアリングを介して軸方向に可動シーブと共に移動一体にかつ相対回転可能に支持され、他方が回転軸に軸方向に移動不能にかつ回転軸に対して相対回転可能に設けられ、両カムの一方は回転軸回りに回動可能な回動カムとされる一方、他方は回動不能な固定カムとされ、上記回動カムと固定カムとの相対回転により可動シーブを固定シーブに対して接離させるように軸方向に移動させて上記各プーリの有効半径を変化させるカム機構であり、
    押圧部は、上記各カム機構における第1カム及び第2カムの対向端部の少なくとも一方に形成された傾斜カム面を備えていることを特徴とするプーリ式変速機。
  3. 請求項2のプーリ式変速機において、
    カムにおけるプーリのベルト出口側にある傾斜カム面がベルト入口側にある傾斜カム面よりも、対向するカム面側に突出していることを特徴とするプーリ式変速機。
  4. 請求項1のプーリ式変速機において、
    各押圧機構は、各々、互いにカム接触する第1カムと第2カムとからなり、上記第1及び第2カムの一方が可動シーブのボス部上にベアリングを介して軸方向に可動シーブと共に移動一体にかつ相対回転可能に支持され、他方が回転軸に軸方向に移動不能にかつ回転軸に対して相対回転可能に設けられ、両カムの一方は回転軸回りに回動可能な回動カムとされる一方、他方は回動不能な固定カムとされ、上記回動カムと固定カムとの相対回転により可動シーブを固定シーブに対して接離させるように軸方向に移動させて上記各プーリの有効半径を変化させるカム機構であり、
    押圧部は、上記各カム機構における第1カム及び第2カムの一方の他方カムとの対向端部に形成された傾斜カム面と、他方の対向端部に設けられ、上記傾斜カム面に転動しながら接触する転動体とを備えていることを特徴とするプーリ式変速機。
  5. 請求項4のプーリ式変速機において、
    カムにおけるプーリのベルト出口側にある傾斜カム面がベルト入口側にある傾斜カム面よりも、対向する転動体側に突出していることを特徴とするプーリ式変速機。
  6. 請求項4のプーリ式変速機において、
    カムにおけるプーリのベルト出口側にある転動体がベルト入口側にある転動体よりも、対向する傾斜カム面側に突出していることを特徴とするプーリ式変速機。
  7. 請求項5のプーリ式変速機において、
    カムにおけるプーリのベルト出口側にある転動体がベルト入口側にある転動体よりも、対向する傾斜カム面側に突出していることを特徴とするプーリ式変速機。
  8. 請求項3又は5のプーリ式変速機において、
    各カムは、カム本体と、
    上記カム本体に取付固定され、カム面を有するカムチップとを備えてなり、
    プーリのベルト出口側にあるカムチップとカム本体との間に所定厚さのシムが介在されていることを特徴とするプーリ式変速機。
  9. 互いに平行に配置された1対の回転軸と、
    上記各回転軸上にそれぞれ設けられ、各々、回転軸に回転一体にかつ軸方向に移動不能に固定支持された固定シーブと、該固定シーブとの間に断面略V字状のベルト溝を形成するように上記固定シーブに対向して設けられ、かつ背面側に軸方向に延びるボス部を有し、該ボス部にて回転軸に回転一体にかつ軸方向に移動可能に外嵌支持された可動シーブとからなり、一方の可動シーブの固定シーブへの向きと他方の可動シーブの固定シーブへの向きとが互いに逆向きに設定された駆動及び従動プーリと、
    上記駆動及び従動プーリのベルト溝間に巻き掛けられたベルトと、
    上記駆動及び従動プーリの各可動シーブ背面側にそれぞれ配置され、かつプーリのベルト出口側に位置するベルト出口側押圧部のみを有し、該ベルト出口側押圧部で可動シーブを固定シーブ側に向けて押すことで、可動シーブを固定シーブに対して接離させるように軸方向に移動させて上記各プーリの有効半径を変化させる駆動プーリ側及び従動プーリ側押圧機構と、
    上記駆動及び従動プーリの一方の可動シーブが、対向する固定シーブに接近すると他方の可動シーブが対向する固定シーブから離れるように上記両押圧機構を作動させることで上記両回転軸間の変速比を変化させる変速切換機構と、
    上記駆動及び従動プーリ間に配置され、両プーリ間に巻き掛けられるベルトの緩み側スパンを該ベルトが各プーリのベルト溝に食い込むように押圧して、ベルトへの推力を発生させるテンション機構とを備えていることを特徴とするプーリ式変速機。
  10. 請求項9のプーリ式変速機において、
    押圧機構は、各々、互いにカム接触する第1カムと第2カムとからなり、上記第1及び第2カムの一方が可動シーブのボス部上にベアリングを介して軸方向に可動シーブと共に移動一体にかつ相対回転可能に支持され、他方が回転軸に軸方向に移動不能にかつ回転軸に対して相対回転可能に設けられ、両カムの一方は回転軸回りに回動可能な回動カムとされる一方、他方は回動不能な固定カムとされ、上記回動カムと固定カムとの相対回転により可動シーブを固定シーブに対して接離させるように軸方向に移動させて上記各プーリの有効半径を変化させるカム機構であり、
    押圧部は、上記各カム機構における第1カム及び第2カムの対向端部の少なくとも一方に形成された傾斜カム面を備えていることを特徴とするプーリ式変速機。
  11. 請求項9のプーリ式変速機において、
    各押圧機構は、各々、互いにカム接触する第1カムと第2カムとからなり、上記第1及び第2カムの一方が可動シーブのボス部上にベアリングを介して軸方向に可動シーブと共に移動一体にかつ相対回転可能に支持され、他方が回転軸に軸方向に移動不能にかつ回転軸に対して相対回転可能に設けられ、両カムの一方は回転軸回りに回動可能な回動カムとされる一方、他方は回動不能な固定カムとされ、上記回動カムと固定カムとの相対回転により可動シーブを固定シーブに対して接離させるように軸方向に移動させて上記各プーリの有効半径を変化させるカム機構であり、
    押圧部は、上記各カム機構における第1カム及び第2カムの一方の他方カムとの対向端部に形成された傾斜カム面と、他方の対向端部に設けられ、上記傾斜カム面に転動しながら接触する転動体とを備えていることを特徴とするプーリ式変速機。
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