JP3073558B2 - 変速プーリのクラッチ装置 - Google Patents

変速プーリのクラッチ装置

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JP3073558B2
JP3073558B2 JP03196695A JP19669591A JP3073558B2 JP 3073558 B2 JP3073558 B2 JP 3073558B2 JP 03196695 A JP03196695 A JP 03196695A JP 19669591 A JP19669591 A JP 19669591A JP 3073558 B2 JP3073558 B2 JP 3073558B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プーリ径を可変とした
変速プーリにおいてベルト溝の底部に空転体が設けられ
たクラッチ装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、ベルト式無段変速機は、例え
ば農業機械や軽車両における変速機等、比較的低負荷の
動力伝達系に広く採用されている。この変速機は、回転
軸上に配設された固定及び可動シーブからなる変速プー
リを有し、可動シーブを固定シーブに対し接離させてプ
ーリ径(ベルト溝の有効半径)を変化させることによ
り、変速比を低速状態ないし高速状態に切り換えるよう
にしたものである。
【0003】このような変速機において、動力伝達を断
続するために、駆動側の変速プーリに内周クラッチと呼
ばれるクラッチを設けることがある。このクラッチは、
プーリのベルト溝底部に回転軸に対し回転自在な空転体
を支持しておき、可動シーブが固定シーブから離隔して
プーリが最大に開いたとき、ベルトが両シーブから空転
体に乗り移ることにより、プーリとベルトとの接続を切
り離し、プーリが回転している状態でベルトの走行を停
止させて伝動を遮断するようにしたものである。
【0004】しかし、実際には、ベルトが空転体に乗り
移ると、そのベルトによるプーリの推力がなくなり、可
動シーブがそれ以上後退しなくなるので、ベルトがプー
リに接触して連れ回りすることがあり、クラッチ切れ状
態が確実に得られないという問題があった。
【0005】そこで、従来、空転体の外周部をテーパ状
に形成し、その空転体に乗り上げたときにベルトを傾斜
させてプーリと接触し難くする方法や、或いはばねによ
り可動シーブを強制的に固定シーブから離隔させる方法
が知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前者の
ベルトを傾ける方法では、ベルトの傾き具合が不均一に
なることは避けられず、やはりベルトがプーリと接触を
起こして連れ回りが生じ、確実な解決策とは言い難い。
【0007】また、後者のばねを用いる方法では、ベル
トの連れ回りは防止できるが、反面、通常の変速操作力
がばね力により増大したり、ばねの取付スペース分だけ
プーリが大きくなり、さらにはコストアップしたりする
等の新たな問題が生じる。
【0008】本発明は斯かる点に鑑みてなされたもので
あり、その目的は、上記変速プーリの可動シーブを駆動
する機構の構造を改良することにより、変速操作力やコ
ストの増大、プーリの大型化を招くことなく、ベルトを
確実に空転体に乗り移らせてプーリとの連れ回りを防止
しようとすることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1の発明では、変速プーリを開閉する駆動機
構を、可動シーブに連結されたカムとそれに係合するカ
ムフォロワとからなり、カムの回転により可動シーブを
軸方向に移動させるカム機構とし、このカム機構におけ
るカムが回転軸の回転トルクを受けて回転しようとする
力を利用することで、ベルトが空転体に乗り移ってベル
ト推力がなくなったとき、可動シーブを固定シーブから
さらに離隔させるようにした。
【0010】具体的には、この発明では、回転軸に回転
一体にかつ軸方向に移動不能に固定された固定シーブ、
及び、回転軸に回転一体にかつ軸方向に移動可能に支持
され、上記固定シーブとの間に、伝動ベルトが巻き付け
られる断面V字状のベルト溝を形成する可動シーブから
なる変速プーリと、この変速プーリのベルト溝底部にお
ける回転軸上に回転自在に支持された空転体とを備え、
可動シーブの固定シーブからの離隔時に、ベルトを空転
体上に移動させてベルトと変速プーリとの伝動を遮断す
るようにした変速プーリのクラッチ装置が前提である。
【0011】そして、上記可動シーブにベアリングを介
して相対回転可能にかつ軸方向に一体移動可能に連結さ
れ、傾斜カム部が形成されたカムと、回転軸回りに回転
不能にかつ軸方向に移動不能に配置され、上記カムの傾
斜カム部に係合するカムフォロワとを有し、カムがカム
フォロワに対し回転軸と逆方向に回転したときに上記傾
斜カム部がカムフォロワに係合して可動シーブを固定シ
ーブに接近するように軸方向に移動させるカム機構を設
ける。
【0012】また、上記カムには、ベルトが空転体に乗
ったときに上記ベアリングの回転抵抗によるカムの回転
軸と同方向の回転により、上記傾斜カム部との係合が解
除されたカムフォロワと係合して可動シーブが固定シー
ブから離れるようにカムを軸方向に移動させる戻し側傾
斜カム部が備えられていることを特徴とする。
【0013】請求項2の発明では、上記カム機構をカム
フォロワの回転により可動シーブを軸方向に移動させる
構成とし、このカムフォロワが回転軸と共に回転しよう
とする力を利用して、ベルトが空転体に乗り移ったとき
に可動シーブを固定シーブから離隔させるようにした。
【0014】すなわち、この発明では、請求項1の発明
の前提と同様のクラッチ装置において、変速プーリの可
動シーブに相対回転可能にかつ軸方向に一体移動可能に
連結されるとともに、回転軸に対し回転不能に配置さ
れ、傾斜カム部が形成されたカムと、回転軸にベアリン
グを介して回転可能にかつ軸方向に移動不能に支持さ
れ、上記カムの傾斜カム部に係合するカムフォロワとを
有し、上記カムフォロワがカムに対し回転軸と逆方向に
回転したときに上記傾斜カム部がカムフォロワに係合し
可動シーブを固定シーブに接近するように軸方向に移
動させるカム機構を設ける。
【0015】そして、上記カムには、ベルトが空転体に
乗ったときに上記ベアリングの回転抵抗によるカムフォ
ロワの回転軸と同方向の回転により、上記傾斜カム部と
の係合が解除されたカムフォロワと係合して可動シーブ
が固定シーブから離れるようにカムを軸方向に移動させ
る戻し側傾斜カム部を設ける。
【0016】
【作用】上記の構成により、請求項1の発明では、通常
の変速時、カム機構におけるカムがカムフォロワに対し
回転軸と逆方向に回転したときに、カムの傾斜カム部が
カムフォロワに係合し該カムフォロワから押されて可動
シーブと共に固定シーブ側に移動し、可動シーブが固定
シーブに接近する。また、逆に、カムを回転軸の回転方
向に回転させると、ベルトによる推力によりプーリの可
動シーブが押されて固定シーブから離れる。従って、カ
ムの回転量を操作することで、プーリ径を増減させて変
速することができる。
【0017】これに対し、プーリとベルトとの接続を遮
断するためにクラッチをOFF状態にするときには、上
記のようにカムの回転軸と同方向への回転により可動シ
ーブを固定シーブから最大近くまで離隔させることで、
両シーブ間のベルト溝底部の空転体上にベルトが乗り上
げ、プーリとベルトとの接続が遮断される。このベルト
の空転体への移動によりベルトからプーリへの推力がな
くなるが、この状態ではベアリングの回転抵抗によりカ
ムを回転軸(可動シーブ)と同方向に回転させる力が働
いているので、この力によりカムが回転する。このカム
の回転により、その戻し側傾斜カム部が、傾斜カム部と
の係合が解除されたカムフォロワに係合し、この係合に
より可動シーブが固定シーブからさらに離隔される。こ
の可動シーブの移動によりプーリが最大に開かれて空転
体上のベルトと接触しなくなり、よってベルトの連れ回
りを防いで確実なクラッチ切れが得られる。
【0018】このとき、ベアリングの回転抵抗によるカ
ムの回転を利用してプーリをベルトからの推力がなくな
る位置からさらに開くので、変速操作力は通常のままで
増大しないとともに、ばねが不要でプーリのコンパクト
化及びコストダウン化を図ることができる。
【0019】請求項2の発明では、上記とは逆に、カム
が回転不能とされ、このカムに対しカムフォロワが回転
することで、可動シーブが軸方向に移動する。そして、
カムフォロワの回転軸と同方向の回転によりプーリが開
き、ベルトが空転体上に乗ってベルトからの推力がなく
なると、ベアリングの回転抵抗によりカムフォロワが回
転軸と同方向に回転し、カムの戻し側傾斜カム部がカム
フォロワと係合して可動シーブが固定シーブから離れる
ように移動する。このことでプーリが最大に開かれて空
転体上のベルトと接触しなくなり、ベルトの連れ回りを
防いで確実なクラッチ切れが得られる。よって請求項1
の発明と同様の作用効果が得られる。
【0020】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。
【0021】(実施例1) 図2〜図6は本発明の実施例1の全体構成を示し、1は
ベルト式無段変速機における駆動側の回転軸で、この回
転軸1は回転軸本体2と、その先端に配置された円筒状
のローラ取付台支持部3と、回転軸本体2とローラ取付
台支持部3との間に同心状に外嵌合された円筒状スリー
ブ4と、ローラ取付台支持部3を回転軸本体2に回転一
体に取り付けるボルト5とからなる。
【0022】上記回転軸1の先端部には変速プーリ6が
支持されている。この変速プーリ6は回転軸1上で互い
に対向するように配置されたフランジ状の固定及び可動
シーブ7,9を有し、固定シーブ7は回転軸本体2の基
端側にボス部7aにてキー8により回転一体にかつ摺動
不能に固定されている。一方、回転軸1の先端側に位置
するスリーブ4は上記キー8により回転不能に外嵌合さ
れ、このスリーブ4外周に可動シーブ9が、そのボス部
9a内周面に形成したキー溝10,10にそれぞれスリ
ーブ4外周に突設したピン11,11を嵌合させること
で軸方向に摺動可能にかつ回転軸1と回転一体に結合支
持されている。上記両シーブ7,9間には断面V字状の
ベルト溝12が形成され、このベルト溝12にはVベル
トBが巻き掛けられており、プーリ6の可動シーブ9を
固定シーブ7に対して接離させてプーリ径を変更するこ
とで、変速比を変えるようになっている。
【0023】上記両シーブ7,9間のスリーブ4上には
ベアリング14が取り付けられ、このベアリング14の
アウタレースにより、ベルト溝12底部に配置されてス
リーブ4(回転軸1)に対し回転自在な空転体15が構
成されており、図5に示すように、プーリ6が最大近く
まで開いたときに、この空転体15にベルトBを乗り移
らせることで、ベルトBとプーリ6との伝動を遮断する
ニュートラル状態とするようになっている。13はプー
リ6が閉じたときにベアリング14と干渉しないように
可動シーブ9のベルト溝12内周側に形成された凹部で
ある。
【0024】上記プーリ6における可動シーブ9の背面
側には、該可動シーブ9を固定シーブ7に対して接離さ
せるためのカム機構16が設けられている。このカム機
構16は、可動シーブ9のボス部9a外周にベアリング
17を介して相対回転可能にかつ軸方向に移動一体に外
嵌合支持された円筒カム18を有する。このカム18の
プーリ6と反対側の端面には1対のカム面19,19が
円周方向に等角度間隔(180°間隔)をあけて形成さ
れ、この各カム面19は、図1に示す如く回転軸1の回
転方向(図で矢印の方向)に向かってプーリ6から離れ
るように傾斜している。また、カム18の外周には回動
レバー20が回転一体に突設されており、この回動レバ
ー20の操作によりカム18が回転軸1回りに回転する
ようなっている。
【0025】また、上記回転軸1におけるローラ取付台
支持部3先端には円環状のローラ取付台21がベアリン
グ22を介して回転軸1に対し相対回転可能に支持され
ている。このローラ取付台21の外周には半径方向に延
びる固定アーム23が一体に固定され、この固定アーム
23の先端は図外の固定体(例えば変速機のケース等)
により締結されており、この構造によりローラ取付台2
1は回転軸1回りに回転不能にかつ軸方向に移動不能に
固定されている。ローラ取付台21の外周にはその半径
方向に延びる1対のピン24,24がそれぞれ上記円筒
カム18のカム面19,19に対応して一体的に取り付
けられている。該各ピン24のヘッド側はローラ取付台
21から突出していて、その突出部分に、カム18の各
カム面19に当接して転動するカム用ローラ25が回転
自在に支持されている。そして、上記回動レバー20に
より円筒カム18を回転軸1回りにその回転方向と逆方
向に回転させて、その各カム面19上でカム用ローラ2
5を転動させることにより、可動シーブ9を軸方向に移
動させて固定シーブ7に対し接近させ、そのベルト溝1
2の有効半径つまりプーリ6のプーリ径を大きくするよ
うに構成されている。
【0026】さらに、本発明の特徴として、上記カム1
8の端面には上記ローラ25,25とそれぞれ係合可能
な1対の戻し側カム面26,26が各カム面19に対応
して形成されている。すなわち、図1に示すように、カ
ム18の端面には該端面を各カム面19の回転軸回転方
向後側に延長して切り欠くことで切欠部27,27が形
成され、この各切欠部27のプーリ6側(図1で左側)
にはカム面19に同じ傾斜角度で面一状に連続する傾斜
面28が、またプーリ6と反対側(同右側)には上記傾
斜面28と平行な戻し側カム面26がそれぞれ互いに軸
方向に対向して設けられ、戻し側カム面26は上記ロー
ラ25とカム面19との係合が解除された時点でローラ
25と係合されるようになっている。そして、プーリ6
の可動シーブ9が固定シーブ7から離れてベルトBが空
転体15に乗ったときに、カム18がベアリング17の
回転抵抗により回転軸1と同方向に回転することで、そ
の戻し側カム面26とローラ25とを係合させ、ローラ
25による戻し側カム面26への押圧によりカム18を
所定量Sだけ軸方向に移動させて可動シーブ9を固定シ
ーブ7から離隔させるようになされている。
【0027】したがって、この実施例では、カム機構1
6における回動レバー20を操作して円筒カム18を回
転軸1回りに回転させることで、その端面のカム面1
9,19上をそれぞれローラ25,25が転動し、この
カム面19とローラ25とのカム接触により可動シーブ
9が軸方向に移動して固定シーブ7に接離し、プーリ6
のプーリ径が変更されて変速比が切り換えられる。
【0028】つまり、プーリ6を閉じてプーリ径を大き
くする高速状態にするには、回動レバー20を図3に示
すHi位置に向けて回転させる。このカム18の回転に
伴い、各カム面19がローラ25により押されること
で、カム18及びそれにベアリング17を介して連結さ
れている可動シーブ9が軸方向に移動して固定シーブ7
に接近し、Hi位置ではカム面19は回転軸方向前端で
ローラ25と接触し(図1では各ローラ25は下側の仮
想線位置に位置付けられる)、図6に示す如く可動シー
ブ9が固定シーブ7に最大に接近してプーリ6が閉じ、
高速状態となる。
【0029】また、プーリ6を開いてプーリ径を小さく
する低速状態にするには、回動レバー20を図3に示す
Lo位置に向けて回転させると、このカム18の回転に
より、各カム面19に対するローラ25の押圧力がなく
なり、ベルトBからの推力により可動シーブ9が軸方向
に移動して固定シーブ7から離れ、Lo位置ではカム面
19は回転軸方向後端近くでローラ25と接触し、可動
シーブ9が固定シーブ7に最大近くまで離隔してプーリ
6が開き、低速状態となる。
【0030】これに対し、プーリ6とベルトBとの接続
を遮断するためにクラッチをOFF状態にするときに
は、回動レバー20を図3に示すN位置(ニュートラル
位置)に位置付ける。この回転操作に伴い、図5に示す
如く可動シーブ9がベルトBからの推力により固定シー
ブ7からさらに離れて、ベルトBが両シーブ7,9間の
空転体15に乗り上げ、ベルトBとプーリ6との接続が
遮断されるニュートラル状態となる(図1では各ローラ
25は上側の仮想線位置に位置付けられる)。この状態
では、ベルトBからプーリ6への推力がないので、ベル
トBはプーリ6と接触して連れ回りが生じるが、上記カ
ム18はベアリング17を介して回転軸1上に支持され
ているため、そのベアリング17の回転抵抗によりカム
18が回転軸1の回転方向に回転する。この回転によ
り、カム18の各カム面19がローラ25と接触するの
に代えて戻し側カム面26がローラ25と係合するよう
になり、この戻し側カム面26がローラ25により押さ
れて可動シーブ9が固定シーブ7から図5の状態よりも
さらに所定量Sだけ離隔される(図1では各ローラ25
は実線の位置に位置付けられる)。この可動シーブ9の
移動により図4に示すようにプーリ6が最大に開かれ、
空転体15上のベルトBはプーリ6と接触しなくなり、
よってベルトBの連れ回りを防いで確実なクラッチ切れ
状態が得られる。
【0031】このように、ベアリング17の回転抵抗に
よるカム18の回転を利用してプーリ6をベルトBから
の推力がなくなる位置からさらに所定量Sだけ開くの
で、ばねで可動シーブを移動させる場合のように変速操
作力が増大することはなく、操作力を軽く保つことがで
きる。
【0032】また、ばねが不要でプーリ6をコンパクト
に保つことができるとともに、部品点数の増加がなく、
しかも戻し側カム面26は通常のカム面19と同時に加
工することができ、コストダウン化を図ることができ
る。
【0033】(実施例2) 図7は実施例2を示し、上記実施例1では、回転不能な
ローラ取付台21に対しカム18を回転させることで可
動シーブ9を軸方向に移動させるようにしているのに対
し、逆に、カム18を回転不能とし、ローラ取付台21
を回転させることで可動シーブ9を軸方向に移動させる
ようにしたものである。
【0034】すなわち、この実施例では、基本的な構造
は実施例1と同じであり、回転軸1の回転方向は実施例
1とは逆(図1での矢印と逆の方向)である。また、カ
ム機構16におけるカム18の外周に半径方向に延びる
固定アーム23が一体に固定され、この固定アーム23
の先端は図外の固定体に軸方向に移動可能に連結されて
おり、この構造によりカム18は回転軸1回りに回転不
能にかつ可動シーブ9と共に軸方向に移動可能とされて
いる。さらに、ローラ取付台21の外周には回動レバー
20が突設されており、この回動レバー20によりロー
ラ取付台21を回転軸1回りにその回転方向と逆方向に
回転させて、そのローラ25,25をカム18のカム面
19,19上で転動させることにより、可動シーブ9を
軸方向に移動させて固定シーブ7に対し接近させ、その
ベルト溝12の有効半径つまりプーリ6のプーリ径を大
きくするようになっている。
【0035】したがって、この実施例では、上記実施例
とは逆に、回動レバー20によりローラ取付台21を回
転不能なカム18に対し回転させることで、可動シーブ
9が軸方向に移動する。そして、ローラ取付台21の回
転軸1と同方向の回転によりプーリ6が開き、ベルトB
が空転体15上に乗ってベルトBからの推力がなくなる
と、ベアリング22の回転抵抗によりローラ取付台21
が回転軸1と同方向に回転し、カム18の戻し側カム面
26がローラ25と係合して可動シーブ9が固定シーブ
7から離れるように移動し、このことでプーリ6が最大
に開かれて空転体15上のベルトBと接触しなくなり、
ベルトBの連れ回りを防いで確実なクラッチ切れが得ら
れる。よって実施例1と同様の作用効果が得られる。
【0036】尚、本発明は、車両の補機類変速駆動用の
変速機以外に、農業機械やその他の機械における無段変
速機に適用することができるのは勿論のことである。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明で
は、変速プーリのベルト溝底部に、プーリの開時にベル
トを乗り移らせて空転させる空転体を設けたクラッチ装
置において、可動シーブにベアリングを介して移動一体
に連結されたカムと、それに係合するカムフォロワとか
らなり、カムの回転により可動シーブを軸方向に移動さ
せるカム機構を設けるとともに、そのカムに戻し側傾斜
カム部を設け、ベルトが空転体に乗り移ってベルト推力
がなくなったとき、カムがベアリングの回転抵抗により
回転軸と共にそれと同じ方向に回転しようとする力を利
用して、その戻し側傾斜カム部をカムフォロワに係合さ
せ、可動シーブを固定シーブからさらに離隔させるよう
にした。また、請求項2の発明では、カム機構における
カムは軸方向に移動可能のみとする一方、カムフォロワ
をベアリングを介して回転軸に回転可能に支持して、カ
ムフォロワの回転により可動シーブを駆動するように
し、ベルトが空転体に乗り移って推力がなくなったと
き、カムフォロワがベアリングの回転抵抗により回転軸
と共に同方向に回転しようとする力を利用して、カムの
戻し側傾斜カム部をカムフォロワに係合させ、可動シー
ブを固定シーブから離隔させるようにした。従って、こ
れらの発明によれば、変速操作力を小さく保持し、かつ
プーリのコンパクト化を保ちながら、クラッチOFF時
にベルトがプーリに接触して連れ回りするのを安定して
防止でき、内周クラッチ装置における確実なクラッチ切
れを得ることができるという実用上優れた効果を有す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1におけるカムの要部展開図で
ある。
【図2】変速プーリ及びカム機構の正面図である。
【図3】図2のIII 方向矢視図である。
【図4】クラッチOFF時の安定状態を示す変速プーリ
及びカム機構の断面図である。
【図5】クラッチOFF時にベルトが空転体に乗った過
渡状態を示す変速プーリ及びカム機構の断面図である。
【図6】高速状態を示す変速プーリ及びカム機構の断面
図である。
【図7】本発明の実施例2を示す図2相当図である。
【符号の説明】
1…回転軸 6…変速プーリ 7…固定シーブ 9…可動シーブ 12…ベルト溝 15…空転体 16,16′…カム機構 17…ベアリング 18…円筒カム 19…カム面 21…ローラ取付部材(カムフォロワ) 22…ベアリング 25…ローラ 26…戻し側カム面 B…Vベルト S…戻し側カム面による可動シーブ移動量

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転軸に回転一体にかつ軸方向に移動不
    能に固定された固定シーブと、回転軸に回転一体にかつ
    軸方向に移動可能に支持され、上記固定シーブとの間
    に、伝動ベルトが巻き付けられる断面V字状のベルト溝
    を形成する可動シーブとからなる変速プーリと、 上記変速プーリのベルト溝底部における回転軸上に回転
    自在に支持された空転体とを備え、 可動シーブの固定シーブからの離隔時に、ベルトを空転
    体上に移動させてベルトと変速プーリとの伝動を遮断す
    るようにした変速プーリのクラッチ装置において、 上記可動シーブにベアリングを介して相対回転可能にか
    つ軸方向に一体移動可能に連結され、傾斜カム部が形成
    されたカムと、回転軸回りに回転不能にかつ軸方向に移
    動不能に配置され、上記カムの傾斜カム部に係合するカ
    ムフォロワとを有し、カムがカムフォロワに対し回転軸
    と逆方向に回転したときに上記傾斜カム部がカムフォロ
    ワに係合して可動シーブを固定シーブに接近するように
    軸方向に移動させるカム機構が設けられ、 上記カムは、ベルトが空転体に乗ったときに上記ベアリ
    ングの回転抵抗によるカムの回転軸と同方向の回転によ
    、上記傾斜カム部との係合が解除されたカムフォロワ
    と係合して可動シーブが固定シーブから離れるようにカ
    ムを軸方向に移動させる戻し側傾斜カム部を備えている
    ことを特徴とする変速プーリのクラッチ装置。
  2. 【請求項2】 回転軸に回転一体にかつ軸方向に移動不
    能に固定された固定シーブと、回転軸に軸方向に移動可
    能に支持され、上記固定シーブとの間に、伝動ベルトが
    巻き付けられる断面V字状のベルト溝を形成する可動シ
    ーブとからなる変速プーリと、 上記変速プーリのベルト溝底部における回転軸上に回転
    自在に支持された空転体とを備え、 可動シーブの固定シーブからの離隔時に、ベルトを空転
    体上に移動させてベルトと変速プーリとの伝動を遮断す
    るようにした変速プーリのクラッチ装置において、 上記可動シーブに相対回転可能にかつ軸方向に一体移動
    可能に連結されるとともに、回転軸に対し回転不能に配
    置され、傾斜カム部が形成されたカムと、回転軸にベア
    リングを介して回転可能にかつ軸方向に移動不能に支持
    され、上記カムの傾斜カム部に係合するカムフォロワと
    を有し、カムフォロワがカムに対し回転軸と逆方向に回
    転したときに上記傾斜カム部がカムフォロワに係合して
    可動シーブを固定シーブに接近するように軸方向に移動
    させるカム機構が設けられ、 上記カムは、ベルトが空転体に乗ったときに上記ベアリ
    ングの回転抵抗によるカムフォロワの回転軸と同方向の
    回転により、上記傾斜カム部との係合が解除されたカム
    フォロワと係合して可動シーブが固定シーブから離れる
    ようにカムを軸方向に移動させる戻し側傾斜カム部を備
    えていることを特徴とする変速プーリのクラッチ装置。
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