JP2515102Y2 - プーリ式変速装置 - Google Patents

プーリ式変速装置

Info

Publication number
JP2515102Y2
JP2515102Y2 JP1990035040U JP3504090U JP2515102Y2 JP 2515102 Y2 JP2515102 Y2 JP 2515102Y2 JP 1990035040 U JP1990035040 U JP 1990035040U JP 3504090 U JP3504090 U JP 3504090U JP 2515102 Y2 JP2515102 Y2 JP 2515102Y2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pulley
belt
fixed
sheave
tension
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP1990035040U
Other languages
English (en)
Other versions
JPH03125936U (ja
Inventor
博文 宮田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Bando Chemical Industries Ltd
Original Assignee
Bando Chemical Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Bando Chemical Industries Ltd filed Critical Bando Chemical Industries Ltd
Priority to JP1990035040U priority Critical patent/JP2515102Y2/ja
Publication of JPH03125936U publication Critical patent/JPH03125936U/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2515102Y2 publication Critical patent/JP2515102Y2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Description

【考案の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本考案は、伝動ベルトが巻き掛けられた可変プーリか
らなる変速プーリのプーリ径を変化させて変速比を可変
とするプーリ式変速装置に関し、特に、テンションプー
リによりベルトの張力を低下させてプーリ間の動力伝達
を遮断するときのベルトの移動を規制する対策に関す
る。
(従来の技術) 従来より、この種のプーリ式変速装置は、例えば農業
機械や車両における変速装置等、比較的低負荷の動力伝
達系に広く採用されている。この変速装置は、例えば互
いに平行に配置された1対の回転軸にそれぞれ取り付け
られた1対の可変プーリからなる変速プーリ(駆動及び
従動プーリ)を有し、該各プーリは回転軸に回転一体に
かつ摺動不能に固定された固定シーブと、回転軸に回転
一体にかつ摺動可能に支持され、上記固定シーブとの間
に伝動ベルトが巻回される断面V字状のベルト溝を形成
する可動シーブとで構成され、その可動シーブを固定シ
ーブに対し接離させてプーリ径(ベルト溝の有効半径)
を変化させることにより、両回転軸間の変速比を低速状
態ないし高速状態に切り換えるようにしたものである。
(考案が解決しようとする課題) ところで、このような変速装置において、両プーリの
回転軸位置を固定した場合、ベルトに張力を付与すると
きには、一般に、両プーリ間にテンションプーリを配設
するとともに、該プーリをばね等の付勢手段により付勢
してベルトの緩み側スパンを押圧することにより、ベル
トに張力を付与する逆テンションと呼ばれる方法が採用
される。
そして、このテンションプーリを付勢手段の付勢力に
抗してベルト押圧方向と反対側に変位させたときには、
ベルトに対する押圧力がなくなってベルト張力が零にな
るので、両プーリ間の動力の伝達を止めることができ
る。すなわち、テンション機構をクラッチとして機能さ
せることができる。従って、変速装置は変速装置能のみ
ならずクラッチ機能をも併せ持つこととなり、しかも変
速比に関係なく即時にクラッチOFFとすることができ、
緊急クラッチとして多板クラッチ等を別途に設けること
が不要となって有利である。
その場合、クラッチOFF時にプーリ間の動力伝達を確
実になくしてクラッチの効きを良くするには、クラッチ
OFF時のベルトのプーリとの連れ回りを防ぐことが重要
である。このため、クラッチOFF時、ベルトがプーリの
ピッチラインよりも半径方向外側に位置するよう、プー
リにおいてベルトが弾性により広がって曲率半径が大き
くなるのを規制部材で規制することにより、ベルトの連
れ回りをなくすようにすることが考えられる。
しかしながら、プーリ式変速装置では、変速比の切換
えにより各プーリでのベルトピッチ径が異なるので、規
制部材の取付位置が制限されるという問題がある。すな
わち、駆動プーリに対し規制部材を低速状態でクラッチ
が効く位置に配置したときには、高速状態ではベルトが
規制部材に接触する。逆に、規制部材を高速状態に合せ
て位置付けると、低速状態ではベルトはそのピッチ径が
増大するので規制部材により規制されず、ベルトの連れ
回りが生じてクラッチの効きが悪くなる。
本考案は斯かる諸点に鑑みてなされたもので、その目
的は、上記の規制部材の構造を変えることにより、クラ
ッチOFF時には変速比の変化に関係なくプーリにおける
ベルトの拡大変位を規制して、ベルトのプーリとの連れ
回りを確実に停止できるようにし、所定の構成のプーリ
式変速装置のクラッチ機能を向上させることにある。
(課題を解決するための手段) 上記の目的を達成すべく、請求項(1)に係る考案で
は、所定軸回りに回動して開閉可能な1対の円弧状アー
ムをプーリの外周に沿って配設し、このアームをプーリ
におけるベルトのピッチラインの変化に応じて開閉する
ようにした。
具体的には、この考案は、互いに平行に配置された1
対の回転軸と、該各回転軸に回転一体にかつ軸方向に移
動不能に固定された固定シーブ、及び各回転軸に回転一
体にかつ軸方向に移動可能に支持され、上記固定シーブ
との間に断面V字状のベルト溝を形成する可動シーブか
らなる可変プーリで構成された駆動及び従動プーリと、
該両プーリのベルト溝間に巻き掛けられたベルトと、上
記各プーリの可動シーブをそれぞれ対向する固定シーブ
に対し接離するように駆動する1対の駆動機構と、一方
のプーリの可動シーブが固定シーブに接近したときに、
他方のプーリの可動シーブが固定シーブから離れて、両
回転軸間の変速比が可変となるように上記両駆動機構を
連結する変速切換機構と、上記両プーリ間に配設され、
駆動プーリの動力が従動プーリに伝達されるときのベル
ト緩み側スパンを押圧するテンションプーリを有し、該
テンションプーリがベルト緩み側スパンを押圧したとき
には両プーリ間で動力を伝達させる一方、テンションプ
ーリがベルト緩み側スパンの押圧を解除したときには両
プーリ間での動力伝達を遮断するテンションプーリを有
するテンション機構とを備えたプーリ式変速装置が対象
である。
そして、上記テンションプーリがベルトの押圧を解除
して両プーリ間の動力伝達が遮断されたときにプーリに
おけるベルトの半径が拡大するのを規制する規制手段を
設け、この規制手段を以下の構成とする。
すなわち、規制手段は、プーリの外側近傍に回転軸と
平行に配設された固定軸と、各々の基端が上記固定軸に
揺動可能に支持され、固定及び可動シーブ間をプーリ外
周に沿って固定軸から互いに離れる方向に延びる円弧状
の第1及び第2アームと、上記第1及び第2アームの先
端が回転軸に対して互いに同期して接離するように両ア
ームを中間部で連結するリンク機構と、上記第1及び第
2アームを、その先端がプーリにおけるベルトと略一定
の間隔をあけて移動しかつ上記テンションプーリのベル
ト押圧解除によりプーリ間の動力伝達が解除されたとき
にプーリにおけるベルトに当接してその半径方向外側へ
の移動を規制するように、上記変速切換機構の操作に応
じプーリにおけるベルトのピッチラインの変化に対応さ
せて揺動させる連係機構とからなる。
(作用) 上記の構成により、本考案では、クラッチON時、駆動
及び従動プーリ間のベルト緩み側スパンがテンションプ
ーリにより押圧され、この押圧によりベルトの張力が増
大してベルト推力が発生し、両プーリ間で動力伝達が行
われる。そして、この状態では、変速切換機構により両
駆動機構が連動し、両プーリのプーリ径が互いに逆方向
に変化するように調整されて両回転軸間の変速比が変速
される。同時に、規制手段における連係機構により第1
及び第2アームが上記変速切換機構の操作に応じてプー
リにおけるベルトのピッチラインの変化に対応するよう
揺動し、アームの先端とベルトとの間隔が略一定に保た
れる。
そして、クラッチOFFとするときには、上記テンショ
ンプーリを押圧方向と反対側に所定以上変位させる。こ
の変位に伴い、テンションプーリの押圧力がなくなって
ベルト張力が零となり、両プーリ間で動力伝達が行われ
ずにクラッチOFF状態となる。そして、このクラッチOFF
状態では、両プーリでのベルトが弾性により半径方向に
外側に拡大しようとするが、それは先端が該ベルトと略
一定の間隔があけられて移動しているアームにより規制
され、この規制によりプーリでのベルトがピッチライン
よりも外側に位置付けられ、ベルトの連れ回りがなくな
り、よってクラッチを確実に効かせることができる。
その場合、上記規制手段のアームは変速切換機構に連
係機構を介して連結されているので、上記の如く、上記
プーリにおけるベルトピッチラインの変位に応じてアー
ムの位置が変位し、アームの先端とプーリのベルトとの
間の間隔が略一定に保たれるようにアームの先端が追従
移動する。このため、クラッチOFF時、アームは、変速
比が低速又は高速状態であっても常にプーリにおけるベ
ルトが半径方向外側へ拡大するのを規制する最適位置に
位置付けられていることとなり、半径方向外側に移動し
ようとするベルトは確実にアームに規制されて停止し、
その曲率半径は伝動時よりも若干大きい程度に保持され
る。この規制によりプーリでのベルトがピッチラインよ
りも外側に位置付けられ、プーリがベルトと接触した
り、アームがベルトを規制しなくなったりすることは生
せず、よって変速比に関係なくクラッチの効きを確実に
得ることができる。
(実施例) 以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。
第1図及び第2図は本考案の実施例に係る変速装置の
全体構成を示す。図において、1は変速装置のケース
で、このケース1には回転軸としての駆動軸2及び従動
軸3がそれぞれ回転自在に枢支され、これら両軸2,3は
互いに平行に配置されている。
上記駆動軸2の一端には駆動プーリ4が設けられてい
る。この駆動プーリ4は、駆動軸2に回転一体にかつ摺
動不能に固定されたフランジ状の固定シーブ5と、該固
定シーブ5に対向するように駆動軸2にボス部6aにて摺
動可能にかつ回転一体に結合されたフランジ状の可動シ
ーブ6とからなり、これら両シーブ5,6間にはベルト溝
7が形成されている。
一方、上記従動軸3上には従動プーリ8が設けられて
いる。この従動プーリ8は、上記駆動プーリ4と同様の
構成であり、従動軸3に回転一体にかつ摺動不能に固定
された固定シーブ9と、該固定シーブ9に上記駆動プー
リ4における固定シーブ5に対する可動シーブ6の対向
方向と逆方向でもって対向するように従動軸3にボス部
10aにて摺動可能にかつ回転一体に結合された可動シー
ブ10とからなり、これら両シーブ9,10間にはベルト溝11
が形成されている。
そして、駆動プーリ4のベルト溝7と従動プーリ8の
ベルト溝11との間にはVベルトBが巻き掛けられてお
り、駆動及び従動プーリ4,8の各可動シーブ6,10をそれ
ぞれ固定シーブ5,9に対して接離させて各プーリ4,8のプ
ーリ径(VベルトBに対する有効半径)を変更する。例
えば駆動プーリ4の可動シーブ6を固定シーブ5に接近
させ、かつ従動プーリ8の可動シーブ10を固定シーブ9
から離隔させたときには、駆動プーリ4のプーリ径を従
動プーリ8よりも大きくすることにより、駆動軸2の回
転を従動軸3に増速して伝達する(高速状態)。一方、
逆に、駆動プーリ4の可動シーブ6を固定シーブ5から
離隔させ、かつ従動プーリ8の可動シーブ10を固定シー
ブ9に接近させたときには、駆動プーリ4のプーリ径を
小にし、従動プーリ8のプーリ径を大きくすることによ
り、駆動軸2の回転を減速して従動軸3に伝える(低速
状態)ようになされている。
上記駆動軸2上には、駆動プーリ4における可動シー
ブ6を固定シーブ5に対して接離させるための第1カム
機構12(駆動機構)が設けられている。このカム機構12
は、可動シーブ6のボス部6a上にベアリング13を介して
相対回転可能にかつ軸方向に移動一体に外嵌合支持され
た円筒カム14を有する。このカム14はその駆動プーリ4
と反対側端面に1対の傾斜カム面14a,14aが円周方向に
等角度間隔(180°間隔)をあけて形成され、外周には
図外の操作レバーに連結された回動レバー15が回動一体
に突設されている。
また、駆動軸2の外周にはカムフォロワとしてのロー
ラ取付台16がベアリング17を介して相対回転可能に支持
されている。このローラ取付台16の外周にはその半径方
向に延びる2つのピン18,18が直径方向に対向して一体
的に取り付けられている。該各ピン18はローラ取付台16
から突出していて、その突出部分に、上記カム14の各カ
ム面14aに当接して転動するカム用ローラ19が回転自在
に支持されている。
さらに、上記ローラ取付台16の外周には取付フランジ
20が一体に突設され、該フランジ20の先端はピン21を介
してケース1に連結されていて、ローラ取付台16が回転
不能に固定されている。
一方、従動軸3上には、従動プーリ8の可動シーブ10
を固定シーブ9に対して接離させるための第2カム機構
22(駆動機構)が設けられている。この第2カム機構22
は、上記第1カム機構12と同様の構成であり、可動シー
ブ10のボス部10a上にベアリング23を介して回転可能に
かつ摺動不能に外嵌合支持された円筒カム24を有し、こ
のカム24の従動プーリ8と反対側端面には1対の傾斜カ
ム面24a,24aが形成され、その外周の端部には回動レバ
ー25が回動一体に取り付けられている。また、上記従動
軸3の外周にはベアリング26を介してローラ取付台27
(カムフォロワ)が支持され、該ローラ取付台27の外周
には取付フランジ28が一体に突設され、該フランジ28の
先端はピン29を介してケース1に連結されており、ロー
ラ取付台27はケース1に固定されて回転不能とされてい
る。このローラ取付台27の外周にはその半径方向に延び
る1対のピン30,30が円周方向に等間隔をあけて取り付
けられ、該各ピン30には上記カム24の各カム面24aに当
接するカム用ローラ31が回転自在に支持されている。
そして、上記第1カム機構12の回動レバー15先端には
リンクボール32が回動可能に支持されている。該リンク
ボール32には直棒状のリンク33の一端が螺合締結されて
いる。このリンク33は従動軸3側に延びていて、その他
端は上記第2カム機構22の回動レバー25にリンクボール
34を介して従動軸3と平行の回転中心をもって回転可能
に連結されている。よって、上記リンクボール32,34及
びリンク33により両カム機構12,22を連結する変速切換
機構35が構成され、この変速切換機構35により、操作レ
バーの切換操作に応じて、各カム機構12,22におけるカ
ム14,24を互いに連係して可動シーブ6,10のボス部6a,10
a回りに回動させ、そのカム面14a,24a上でカム用ローラ
19,31を転動させることにより、可動シーブ6,10を軸方
向に移動させて固定シーブ5,9に対し互いに相反して接
離させ、そのベルト溝7,11の有効半径つまりプーリ4,8
のプーリ径を可変とし、駆動軸2及び従動軸3の間の変
速比を変化させるようにしている。
また、第1図に示すように、上記駆動及び従動プーリ
4,8間には、ベルトBの1対のスパンB1,B2のうち駆動プ
ーリ4の駆動力が従動プーリ8に伝達されるときに緩み
側となるスパンB2をその背面から押圧してベルトBに張
力を与えるテンション機構36が配設されている。このテ
ンション機構36は、ケース1(固定体)に軸37により揺
動可能に支持されたテンションアーム38と、該アーム38
の先端部に軸39により回転自在に支承されたテンション
プーリ40と、上記テンションアーム38の先端部と車体1
との間に伸装され、テンションアーム38をテンションプ
ーリ40がベルトBの緩み側スパンB2背面を押圧するよう
に第1図で反時計回り方向に回動付勢するコイルばね41
とからなる。そして、テンションアーム38をばね41の付
勢力によって第1図で反時計回り方向に回動させたとき
に、テンションプーリ40によりベルトBを押圧させてベ
ルト張力を付与することにより、駆動及び従動プーリ4,
8間の動力伝達を行うクラッチONとする一方、テンショ
ンアーム38をばね41の付勢力に抗して第1図で時計回り
方向に所定角度以上回動させたときに、テンションプー
リ40のベルトBに対する押圧を停止させてベルト張力を
零とすることにより、駆動及び従動プーリ4,8間の動力
伝達を停止してクラッチOFFとするようになされてい
る。
また、上記駆動プーリ4側には、テンションプーリ40
がベルトBの押圧を解除して両プーリ4,8間の動力伝達
が遮断されたときに駆動プーリ4におけるベルトBの半
径が拡大するのを規制する規制機構51が設けられてい
る。この規制機構51は、駆動プーリ4の外側近傍に駆動
軸2と平行に配置された固定軸としてのピン52を有し、
この固定ピン52はケース1に固定されている。固定ピン
52の所定位置には第1及び第2のアーム53,54が各々の
基端にて揺動可能にかつ軸方向に移動不能に支持されて
いる。これら両アーム53,54は駆動プーリ4の外周に沿
って延びる円弧状のアームであり、その位置は、第3図
に示す如く、駆動プーリ4の固定及び可動シーブ5,6間
で、かつ可動シーブ6が固定シーブ5に対し接離してベ
ルトBが軸方向に変位しても、常にそのベルトBの一部
にかかる位置とされている。第1アーム53は固定ピン52
から第1図で反時計回り方向に、また第2アーム54は第
1アーム53とは互いに離れるように固定ピン52から図で
時計回り方向にそれぞれ延び、各々の先端は駆動軸2を
若干越えて従動プーリ8側に位置している。また、第1
アーム53の中間部には固定ピン52から所定距離離れた位
置に第1リンク55の一端がピン56により揺動可能に支持
されている。一方、第2アーム54の中間部には固定ピン
52から上記ピン56までの距離と同じ距離離れた位置に第
2リンク57の一端がピン58により揺動可能に支持されて
いる。そして、この両リンク55,57の他端同士は固定ピ
ン52と駆動軸2の中心とを結ぶ線上でピン59により揺動
可能に連結されており、この両リンク55,57により、第
1及び第2アーム53,54をその先端が駆動軸2に対して
互いに同期して接離するように連結するリンク機構60が
構成されている。
さらに、上記第1アーム53の先端側半部には他の部分
よりもプーリ4の半径方向の幅が大きい広幅部53aが形
成され、この広幅部53aには駆動軸2の中心から上記ピ
ン56側に若干ずれた位置を円弧中心とするカム溝61が形
成されている。このカム溝61には上記第1カム機構12の
回動レバー15中間部に突設した係合ピン62が移動可能に
嵌合されている。そして、上記カム溝61及び係合ピン62
により連係機構63が構成されており、この連係機構63に
より、第1及び第2アーム53,54を、その先端が駆動プ
ーリ4におけるベルトBと略一定の間隔をあけて移動し
かつ上記テンションプーリ40のベルト押圧解除によりプ
ーリ4,8間の動力伝達が解除されたときに駆動プーリ4
におけるベルトBに当接してその半径方向外側への移動
を規制するように、変速切換機構35の操作レバーの操作
に応じ駆動プーリ4におけるベルトBのピッチラインの
変化に対応して揺動させ、第1図で実線にて示す如く、
操作レバーを高速位置(Hi)に位置付けたときには、駆
動プーリ4におけるベルトピッチラインが駆動軸2の半
径方向外側に移動するのに伴い、両アーム53,54を先端
が駆動軸2から離れるように回動させる一方、図で仮想
線にて示す如く、操作レバーを低速位置(Lo)に位置付
けたときには、ベルトピッチラインが駆動軸2の中心側
に移動するのに伴って両アーム53,54を先端が駆動軸2
側に近付くように回動させるようになっている。
次に、上記実施例の作動について説明する。
まず、変速装置の動力伝達状態(クラッチON状態)に
おいては、テンション機構36におけるばね41によりテン
ションアーム38が第1図で反時計回り方向に付勢され
て、その先端のテンションプーリ40がベルトBの緩み側
スパンB1背面を押圧し、この押圧によりベルトBに張力
が付与され、この張力に基づいて推力が発生して駆動プ
ーリ4から従動プーリ8にベルトBを介して動力が伝達
される。
そして、例えば、駆動軸2の回転を減速して従動軸3
に伝達する低速状態とするときには、第1図で仮想線に
示す如く、変速切換機構35の操作レバーを低速位置(L
o)に位置付ける。この操作レバーは第1カム機構12に
おけるカム14外周の回動レバー15に連結されているの
で、上記低速位置(Lo)への切換操作に伴い、上記カム
14がそのカム面14a上で可動シーブ6のボス部6a回りに
一方向に回動し、このカム14の回動によりカム用ローラ
19に対する押圧がなくなる。
また、上記回動レバー15はリンク33及びリンクボール
32,34を介して第2カム機構22の回動レバー25に駆動連
結されているため、操作レバーの切換えに伴い、上記駆
動プーリ4の可動シーブ6の動きに同期して、第2カム
機構22のカム24が従動軸3上を上記第1カム機構12のカ
ム14と同じ一方向に回動する。これにより、そのカム面
24aがローラ31に押されてカム24が従動軸3上を移動
し、該カム24にベアリング23を介して移動一体の可動シ
ーブ10が同方向に移動して固定シーブ9に接近する。こ
のことにより従動プーリ8が閉じてそのプーリ径が増大
し、このプーリ径の増大によりVベルトBが従動プーリ
8側に引き寄せられる。この従動プーリ8側に移動する
ベルトBの張力により、上記第1カム機構12のカム14及
びそれにベアリング13を介して連結されている可動シー
ブ6は固定シーブ5から離れる方向に駆動軸2上を移動
し、この両シーブ5,6の離隔により駆動プーリ4が開い
てプーリ径が減少する。これらの結果、駆動プーリ4の
プーリ径が従動プーリ8よりも小さくなり、駆動軸2の
回転が減速されて従動軸3に伝達される。
また、規制機構51の第1及び第2アーム53,54が駆動
プーリ4におけるベルトBのピッチラインの変化に対応
するよう揺動し、第1図で仮想線にて示す如く、駆動プ
ーリ4におけるベルトピッチラインが駆動軸2の中心側
に移動するのに伴い、両アーム53,54は各々の先端がベ
ルトBと略一定の間隔をあけた状態で駆動軸2側に付近
くように連係して回動して閉じ状態となる。
一方、逆に、駆動軸2の回転を増速して従動軸3に伝
達する高速状態では、第1図で実線及び第2図に示すよ
うに、操作レバーを高速位置(Hi)に位置付ける。この
操作レバーの切換操作に伴い、上記第1カム機構12のカ
ム14が可動シーブ6のボス部6a回りに他方向に回動す
る。このカム14の回動によりカム面14aがカム用ローラ1
9に押されて駆動軸2上を移動し、可動シーブ6も同方
向に移動して固定シーブ5に接近し、このことにより駆
動プーリ4が閉じてプーリ径が増大する。このプーリ径
の増大によりVベルトBが駆動プーリ4側に引き寄せら
れる。そして、第1図に示す如く、駆動プーリ4におけ
るベルトピッチラインが駆動軸2の中心から離れるのに
伴って規制機構51の両アーム53,54は先端がベルトBと
略一定の間隔をあけた状態で駆動軸2から離れるように
連係して回動し、開き状態となる。
また、上記可動シーブ6の動きに同期して、第2カム
機構22のカム24が従同軸3上を上記カム14と同じ他方向
に回動し、このカム24の回動によりカム用ローラ31に対
する押圧がなくなり、ベルトBの張力により従動プーリ
8の可動シーブ10がカム24と共に固定シーブ9から離れ
る方向(図で上方向)に従動軸3上を移動する。この両
シーブ9,10の離隔により従動プーリ8が開いてそのプー
リ径が減少する。その結果、駆動プーリ4のプーリ径が
従動プーリ8よりも大きくなり、駆動軸2の回転が増速
されて従動軸3に伝達される。
これに対し、駆動軸2の従動軸3への動力伝達を遮断
してクラッチOFFとするときには、第1図で仮想線にて
示す如く、テンションアーム38がばね41の付勢力に抗し
て第1図で時計回り方向に回動し、テンションプーリ40
のベルトBの緩み側スパンB1に対する押圧が停止され、
この押圧停止によりベルトBの張力がなくなって駆動プ
ーリ4から従動プーリ8への動力伝達が停止される。
そして、このクラッチOFF状態では、駆動プーリ4で
のベルトBが弾性により半径方向に外側に拡大しようと
するが、それは規制機構51としての第1及び第2アーム
53,54により規制され、この規制により駆動プーリ4で
のベルトBがピッチラインよりも外側に位置付けられ、
ベルトBの連れ回りがなくなり、クラッチを確実に効か
せることができる。
この場合、上記第1及び第2アーム53,54はリンク機
構60により連係して揺動し、第1アーム53はそのカム溝
61及び該カム溝61に係合する係合ピン62を介して第1カ
ム機構12の回動レバー15に連結されているので、上記プ
ーリ4におけるベルトピッチラインの変位に応じてアー
ム53,54の回動位置が変化し、アーム53,54の先端とプー
リ4でのベルトBとの間隔が常に略一定に保たれる。す
なわち、第1図で仮想線にて示す如く、操作レバーが
(Lo)位置に位置付けられる低速状態では、駆動プーリ
4におけるベルトピッチラインが駆動軸2の中心側に移
動するのに伴い、両アーム53,54は先端が駆動軸2側に
付近くように回動する。一方、同図で実線にて示す如
く、操作レバーが(Hi)位置に位置付けられる高速状態
では、ベルトピッチラインが駆動軸2の中心から離れる
のに伴って両アーム53,54は先端が駆動軸から離れるよ
うに回動する。このため、クラッチOFF時、アーム53,54
は、変速比が低速又は高速状態であっても常にプーリ4
におけるベルトBとの距離が常に略一定に保たれた位置
につまりベルトBが半径方向外側へ拡大するのを規制す
る最適位置に追従移動により位置付けられることにな
り、半径方向外側に移動しようとするベルトBは確実に
アーム53,54に規制されて停止し、その曲率半径は伝動
時よりも若干大きい程度に保持される。この規制により
プーリ4でのベルトBがピッチラインよりも外側に位置
付けられ、プーリ4がベルトBと接触したり、アーム5
3,54がベルトBを規制しなくなったりすることは生せ
ず、よって変速比に関係なくクラッチの効きを確実に得
ることができる。
尚、上記実施例では、駆動プーリ4の外周に規制機構
51を配設したが、従動プーリ8側に設けてもよく、さら
には両プーリ4,8に設けてもよい。
(考案の効果) 以上説明したように、請求項(1)記載の考案による
と、1対の可変プーリからなる駆動及び従動プーリと、
各プーリの可動シーブを駆動シーブに対し接離させる駆
動機構と、両駆動機構を連結する変速切換機構とを備え
たプーリ式変速装置に対し、そのベルトの緩み側スパン
をテンションプーリにより押圧付勢してベルトに張力を
付与するテンション機構と、テンションプーリがベルト
押圧方向と逆方向に所定以上変位してベルト押圧力が零
になったときにプーリにおけるベルトが半径方向外側に
拡大するのを規制する規制手段とを設け、この規制手段
を、プーリでのベルトピッチライン変化に応じて先端が
ベルトと略一定間隔を保つように揺動するアームで構成
したことにより、テンションプーリを押圧方向と反対側
に変位させてベルト張力を零にするクラッチOFF時、ア
ームを常に半径方向外側への移動を規制する最適位置に
位置付けることができ、変速装置の変速比に関係なくク
ラッチの効きを確実に得て、そのクラッチ機能を向上さ
せることができる。
【図面の簡単な説明】
図面は本考案の実施例を示し、第1図は変速装置の正面
部、第2図は同断面図、第3図は第1図のIII-III線断
面図である。 2……駆動軸(回転軸) 3……従動軸(回転軸) 4……駆動プーリ 8……従動プーリ 5,9……固定シーブ 6,10……可動シーブ 7,11……ベルト溝 12,22……カム機構(駆動機構) 14,24……カム 35……変速切換機構 36……テンション機構 40……テンションプーリ 51……規制機構(規制手段) 52……ピン(固定軸) 53,54……アーム 55,57……リンク 60……リンク機構 61……カム溝 62……係合ピン 63……連係機構

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】互いに平行に配置された1対の回転軸と、 上記各回転軸に回転一体にかつ軸方向に移動不能に固定
    された固定シーブ、及び各回転軸に回転一体にかつ軸方
    向に移動可能に支持され、上記固定シーブとの間に断面
    V字状のベルト溝を形成する可動シーブからなる可変プ
    ーリで構成された駆動及び従動プーリと、 上記両プーリのベルト溝間に巻き掛けられたベルトと、 上記各プーリの可動シーブをそれぞれ対向する固定シー
    ブに対し接離するように駆動する1対の駆動機構と、 一方のプーリの可動シーブが固定シーブに接近したとき
    に、他方のプーリの可動シーブが固定シーブから離れ
    て、両回転軸間の変速比が可変となるように上記両駆動
    機構を連結する変速切換機構と、 上記両プーリ間に配設され、駆動プーリの動力が従動プ
    ーリに伝達されるときのベルト緩み側スパンを押圧する
    テンションプーリを有し、該テンションプーリがベルト
    緩み側スパンを押圧したときには両プーリ間で動力を伝
    達させる一方、テンションプーリがベルト緩み側スパン
    の押圧を解除したときには両プーリ間での動力伝達を遮
    断するテンション機構とを備えたプーリ式変速装置であ
    って、 上記テンションプーリがベルトに対する押圧を解除して
    両プーリ間の動力伝達が遮断されたときにプーリにおけ
    るベルトの半径が拡大するのを規制する規制手段を設
    け、 上記規制手段は、プーリの外側近傍に回転軸と平行に配
    設された固定軸と、 各々の基端が上記固定軸に揺動可能に支持され、固定及
    び可動シーブ間をプーリ外周に沿って固定軸から互いに
    離れる方向に延びる円弧状の第1及び第2アームと、 上記第1及び第2アームの先端が回転軸に対して互いに
    同期して接離するように両アームを中間部で連結するリ
    ンク機構と、 上記第1及び第2アームを、その先端がプーリにおける
    ベルトと略一定の間隔をあけて移動しかつ上記テンショ
    ンプーリのベルト押圧解除によりプーリ間の動力伝達が
    解除されたときにプーリにおけるベルトに当接してその
    半径方向外側への移動を規制するように、上記変速切換
    機構の操作に応じプーリにおけるベルトのピッチライン
    の変化に対応させて揺動させる連係機構とからなること
    を特徴とするプーリ式変速装置。
JP1990035040U 1990-03-30 1990-03-30 プーリ式変速装置 Expired - Lifetime JP2515102Y2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1990035040U JP2515102Y2 (ja) 1990-03-30 1990-03-30 プーリ式変速装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1990035040U JP2515102Y2 (ja) 1990-03-30 1990-03-30 プーリ式変速装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH03125936U JPH03125936U (ja) 1991-12-19
JP2515102Y2 true JP2515102Y2 (ja) 1996-10-30

Family

ID=31540052

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1990035040U Expired - Lifetime JP2515102Y2 (ja) 1990-03-30 1990-03-30 プーリ式変速装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2515102Y2 (ja)

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5734351U (ja) * 1980-08-05 1982-02-23

Also Published As

Publication number Publication date
JPH03125936U (ja) 1991-12-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2515102Y2 (ja) プーリ式変速装置
JPH09317844A (ja) 無段変速機
US4869706A (en) Speed-shifting device
JPH0587202A (ja) 変速プーリ装置
US4504248A (en) Variable and reversible transmission
JP2554014Y2 (ja) プーリ式変速装置
JP3073558B2 (ja) 変速プーリのクラッチ装置
JPH0526366Y2 (ja)
JP2918878B1 (ja) 自動車用無段変速機
JPH0430452Y2 (ja)
JPH04351359A (ja) ベルト式無段変速装置
JP2572562Y2 (ja) プーリ式無段変速装置
JPH0529570Y2 (ja)
JPH05215146A (ja) 過負荷のとき解除するクラッチ
JP2620418B2 (ja) 変速装置
JPH0514714U (ja) 無段変速機のトルクカム
EP1195543B1 (en) Clutch device for continuously variable transmission
JPH0549852B2 (ja)
JP3195892B2 (ja) ベルト式変速装置
JP2562980B2 (ja) Vベルト式無段変速機
JPH01238753A (ja) 無段変速装置
JP3694156B2 (ja) 可変径プーリ
JPH037634Y2 (ja)
JPS63195458A (ja) 変速装置
JP2665443B2 (ja) 無段変速装置