JP2572562Y2 - プーリ式無段変速装置 - Google Patents

プーリ式無段変速装置

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JP2572562Y2
JP2572562Y2 JP1988133530U JP13353088U JP2572562Y2 JP 2572562 Y2 JP2572562 Y2 JP 2572562Y2 JP 1988133530 U JP1988133530 U JP 1988133530U JP 13353088 U JP13353088 U JP 13353088U JP 2572562 Y2 JP2572562 Y2 JP 2572562Y2
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Description

【考案の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本考案は、可変プーリの可動シェイブを固定シェイブ
に接離させて1対の回転軸間の回転変速比を切り換える
ようにしたプーリ式(ベルト式)の無段変速装置に関
し、特に、衝撃トルクを受けたときのベルト変形を防止
する対策に関する。
(従来の技術) 従来より、この種のプーリ式無段変速装置は、例えば
農業機械や車両における変速装置等、比較的低負荷の動
力伝達系に広く採用されている。この変速装置は、基本
的に、例えば第3図及び第4図に示すように、互いに平
行に配置された1対の回転軸a,bにそれぞれ取り付けら
れた可変プーリc,cを有し、該各プーリcは回転軸a,bに
回転一体にかつ摺動不能に固定された固定シェイブd
と、回転軸a,bに回転一体にかつ摺動可能に支持され、
上記固定シェイブdとの間にベルトf(図ではコグ付ベ
ルトを示す)が巻回される断面V字状のベルト溝gを形
成する可動シェイブeとからなり、その可動シェイブe
を固定シェイブdに対し接離させてプーリ径(ベルト溝
gの有効半径)を変化させることにより、両回転軸a,b
間の変速比を低速状態ないし高速状態に切り換えるよう
にしたものである。hはベルトfに張力を与えるテンシ
ョンローラである。
(考案が解決しようとする課題) ところで、このような変速装置においては、例えば車
両の坂道発進や急発進状態でプーリcに大きな衝撃トル
クが急激に作用した場合、図で実線にて示すように、そ
の衝撃トルクによりベルトfがプーリcの両シェイブd,
e間のベルト溝g底部に落ち込みながら幅方向に挫屈変
形し、その結果、ベルトfの内周部が破損するという不
具合があった。
こうしたベルトの変形を防止する場合、一般に、その
幅方向の剛性を上げることが行われるが、上記した衝撃
トルクは極めて大きく、実際には十分に対処することが
困難である。
また、ベルトの幅方向の剛性を高くすると、その剛性
の増大に伴い屈曲疲労ロスが増えて伝動効率が悪化した
り、耐久性が低下したりするという問題も生じる。
本考案は斯かる点に鑑みてなされたものであり、その
目的は、可変プーリにおけるベルト溝底部の構造を改良
することにより、衝撃トルクが作用してもベルトがプー
リのベルト溝底部に落ち込まないようにして、その幅方
向の挫屈変形を抑制しようとすることにある。
(課題を解決するための手段) 上記目的を達成するために、本考案の解決手段は、可
変プーリのベルト溝底部の回転軸に、衝撃トルクが作用
したときにベルトが溝底部に落ち込むのを規制する手段
を設ける。
すなわち、請求項(1)の考案は、互いに平行に配置
された1対の回転軸の少なくとも一方に設けられてな
り、該一方の回転軸に回転一体にかつ摺動不能に固定さ
れた固定シェイブと、該回転軸に回転一体にかつ摺動可
能に支持され、上記固定シェイブとの間にベルトが巻回
される断面V字状のベルト溝を形成する可動シェイブと
からなる可変プーリを備えるとともに、上記可動シェイ
ブを固定シェイブに対し接離させてプーリ径を変化させ
る変速切換機構を備え、上記可変プーリのプーリ径の変
更により両回転軸間の変速比を切り換えるようにしたプ
ーリ式無段変速装置が前提である。
そして、上記可変プーリにおけるベルト溝底部に、可
動シェイブが固定シェイブから最も離れてプーリ径が最
小となったときのベルトの内面径よりも小さい外径を有
しかつ上記両シェイブ間の回転軸に回転一体に支持され
たリング部材からなるベルト規制手段を設ける。
また、請求項(2)の考案では、ベルト規制手段と可
変プーリにおける可動又は固定シェイブとの干渉を避け
るために、上記可変プーリにおける可動シェイブに、両
シェイブの接近時にベルト規制手段を収容する環状凹部
を設ける。
(作用) 上記の構成により、請求項(1)の考案では、衝撃ト
ルクが作用すると、ベルトは変形しながらプーリのベル
ト溝底部に食い込もうとするが、このベルト溝底部に
は、可変プーリにおける両シェイブ間の回転軸に回転一
体に支持されたリング部材からなるベルト規制手段が配
設されているため、上記ベルトは内面がリンク部材に当
接して、両シェイブとリンク部材との3点で支持される
こととなり、よってベルトの変形を抑制することができ
る。
その際、一般にはベルトはプーリに対し3点で支持さ
れると、ベルトの楔効果が低下して伝動能力が低下する
が、この衝撃トルクを受けた場合は、ベルトの若干の変
形によりその側圧が大きく上昇するため、ベルトのスリ
ップを招くことなく伝動することができ、よって伝動能
力をも確保することができる。
さらに、上記ベルト規制手段としてのリンク部材は、
可変プーリにおけるベルト溝底部に、可動シェイブが固
定シェイブから最も離れてプーリ径が最小となったとき
のベルトの内面径よりも小さい外径を有するものである
ので、衝撃トルクを受けない通常時には、可動シェイブ
が固定シェイブから最も離れてプーリ径が最小となった
状態でもベルト内面がリング部材に当接することはな
く、通常の変速動作に悪影響を与えることがない。
また、上記ベルト規制手段は、可変プーリにおける両
シェイブ間の回転軸に回転一体に支持されたリング部材
で構成されているので、両シェイブ間の回転軸にリング
部材を嵌合するだけで済み、可変プーリ自体の加工が不
要となって製作が容易となり、構造も簡単になる。しか
も、リング部材を回転軸に対し交換可能として、外径の
異なるものと交換することもでき、ベルト摩耗によりリ
ング部材を交換する場合等に有利となる。
請求項(2)の考案では、可変プーリの可動シェイブ
に、両シェイブの接近時にベルト規制手段(リング部
材)を収容する環状凹部が設けられているので、可動シ
ェイブが固定シェイブ近傍位置まで移動してもベルト規
制手段が固定シェイブ又は可動シェイブと干渉すること
はなく、可変プーリのプーリ径の可変範囲を大に確保す
ることができる。
(実施例) 以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。
第2図は本考案を車両用変速装置に適用した実施例の
全体構成を示し、1は車載エンジンの出力軸、2は変速
装置の出力軸であって、これら両軸1,2は互いに平行に
配置されている。上記エンジンの出力軸1には第1回転
軸3が回転一体に取り付けられている。すなわち、この
回転軸3の内部には中心孔3aが貫通形成されており、そ
の中心孔3aに第1回転軸3の一端側(図で左端側)から
エンジンの出力軸1を挿通し、回転軸3の他端から止め
金(図示せず)を介して締結ボルト7を出力軸1の端部
に螺合締結することにより、回転軸3をエンジン出力軸
1に回転一体に取り付けるようにしている。
また、変速装置出力軸2には第2回転軸4が上記第1
回転軸3と同様の取付構造で回転一体に取り付けられて
いる。すなわち、この第2回転軸4の中心孔4aに回転軸
4の一端側(図で右端側)から変速装置出力軸2を挿通
し、回転軸4の他端から止め金6を介して締結ボルト8
を出力軸2の端部に螺合締結することにより、回転軸4
が変速装置出力軸2に取り付けらけている。
上記第1回転軸3上には駆動プーリ9が設けられてい
る。この駆動プーリ9は、第1回転軸3にキー10により
回転一体にかつ摺動不能に固定されたフランジ状の固定
シェイブ11と、該固定シェイブ11に対向するように第1
回転軸3にボス部12aにて摺動自在にかつ回転一体にキ
ー13により結合されたフランジ状の可動シェイブ12とか
らなり、これら両シェイブ11,12間にはベルト溝4が形
成されている。
一方、上記第2回転軸4上には従動プーリ15が設けら
れている。この従動プーリ15は、上記駆動プーリ9と同
様の構成であり、第2回転軸4にキー16により回転一体
にかつ摺動不能に固定されたフランジ状の固定シェイブ
17と、該固定シェイブ17に上記第1回転軸3上の駆動プ
ーリ9における固定シェイブ11に対する可動シェイブ12
の対向方向と逆方向でもって対向するように第2回転軸
4にボス部18aにて摺動自在にかつ回転一体にキー19に
より結合されたフランジ状の可動シェイブ18とからな
り、これら両シェイブ17,18間にはベルト溝20が形成さ
れている。そして、上記駆動プーリ9のベルト溝14と従
動プーリ15のベルト溝20との間にはVベルト21が巻き掛
けられており、駆動及び従動プーリ9,15の各可動シェイ
ブ12,18をそれぞれ固定シェイブ11,17に対して接離させ
て各プーリ9,15のプーリ径(Vベルトに対する有効半
径)を制御し、駆動プーリ9の可動シェイブ12を固定シ
ェイブ11に接近させ、かつ従動プーリ15の可動シェイブ
18を固定シェイブ17から離隔させたときには、駆動プー
リ9のプーリ径を従動プーリ15よりも大きくすることに
より、第1回転軸3の回転を第2回転軸4に増速して伝
達する一方、逆に、駆動プーリ9の可動シェイブ12を固
定シェイブ11から離隔させ、かつ従動プーリ15の可動シ
ェイブ18を固定シェイブ17に接近させたときには、駆動
プーリ9のプーリ径を小にし、従動プーリ15のプーリ径
を大きくすることにより、第1回転軸3の回転を減速し
て第2回転軸4に伝えるようになされている。
上記第1回転軸3上には、駆動プーリ9における可動
シェイブ12を固定シェイブ11に対して接離させるための
第1カム機構22が設けられている。このカム機構22は、
可動シェイブ12のボス部12a上にベアリング23を介して
相対回転可能にかつ軸方向に移動一体に外嵌合支持され
た円筒状のカム24を有し、このカム24はその駆動プーリ
9と反対側端面にカム面24aが形成され、外周には回転
レバー25が回動一体に突設されている。また、第1回転
軸3の他端外周にはローラ取付台27がベアリング26を介
して相対回転可能に支持され、該ローラ取付台27は図示
しないが固定体としての変速装置ケースにアームを介し
て連結されて回転不能に固定されている。このローラ取
付台27の外周にはその半径方向に延びる複数のピン28,2
8,…が円周方向に等間隔をあけて取り付けられている。
該各ピン28はローラ取付台27から突出していて、その突
出部分に上記カム24のカム面24aに当接して転動するカ
ム用ローラ29が回転自在に支持されている。
一方、第2回転軸4上には、従動プーリ15の可動シェ
イブ18を固定シェイブ17に対して接離させるための第2
カム機構30が設けられている。この第2カム機構30は、
上記第1カム機構22と同様の構成で、可動シェイブ18の
ボス部18a上にベアリング31を介して回転自在にかつ摺
動不能に外嵌合支持された円筒状のカム32を有し、この
カム32の駆動プーリ15と反対側端面にはカム面32aが形
成され、その外周には回動レバー33が回動一体に取り付
けられている。該回動レバー33の先端には連結部材34が
ボルト35,35により取り付けられ、その連結部材34の先
端は図外の操作レバーに連結されている。また、上記第
2回転軸4の他端外周にはベアリング36を介してローラ
取付台37が支持され、該ローラ取付台37は上記ケースに
アームを介して連結されて回転不能に固定されている。
このローラ取付台37の外周にはその半径方向に延びる複
数のピン38,38,…が円周方向に等間隔をあけて取り付け
られ、該各ピン38のローラ取付台37からの突出部分には
上記カム32のカム面32aに当接するカム用ローラ39が回
転自在に支持されている。
そして、上記第1カム機構22の回動レバー25先端には
連結ピン40が両回転軸3,4と平行の回転中心をもって回
動可能に支持され、該連結ピン40にはリンク41の一端が
取り付けられている。このリンク40は第2回転軸4側に
延びていて、その他端は上記連結部材34に連結ピン42を
介して両回転軸3,4と平行の回転中心をもって回転可能
に連結されている。よって、操作レバーの切換操作に応
じて、各カム機構22,30におけるカム24,32を互いに連係
して可動シェイブ12,18のボス部12a,18a周りに回動させ
て、そのカム面24a,32a上でカム用ローラ29,39を転動さ
せることにより、可動シェイブ12,18を軸方向に移動さ
せて固定シェイブ11,17に対し互いに相反して接離さ
せ、そのベルト溝14,20の有効半径つまりプーリ9,15の
プーリ径を可変とし、両回転軸3,4間の変速比を変化さ
せるようにした変速切換機構43が構成されている。
さらに、本考案の特徴として、第1図に拡大詳示すよ
うに、上記駆動プーリ9のベルト溝底部には、駆動プー
リ9における両シェイブ11,12間の回転軸3上に回転一
体に取付支持されたベルト規制手段としての所定の外径
のリング部材46が回転軸3と同心状に設けられている。
そして、このリング部材46の外径D1は、可動シェイブ12
が固定シェイブ11から最も離れて駆動プーリ9のプーリ
径が最小となったとき(第1回転軸3の回転が最大に減
速されて第2回転軸4に伝達される状態)のベルト溝14
内におけるVベルト21の内面の直径D2よりも小さく設定
されている。尚、リング部材46は、可動シェイブ12が固
定シェイブ11に対し接離しても常にベルト21の幅方向中
央部と対応するよう、両シェイブ11,12間の略中央の回
転軸3上に取り付けることが望ましい。
一方、可動シェイブ12の固定シェイブ11との対向面に
は環状凹部としての環状溝45が上記リング部材46に対応
して形成されており、可動シェイブ12が固定シェイブ11
に接近したときにリング部材46を環状溝45内に収容する
ようにしている。
次に、上記実施例の作動について説明する。
例えば、エンジンの回転を減速して変速装置出力軸2
に伝達する定速状態とするときには、変速切換機構43の
操作レバーを低速位置に位置付ける。この操作レバーは
第2カム機構30におけるカム32外周の回動レバー33に連
結部材34を介して連結されているので、上記低速位置へ
の切換操作に伴い、第2カム機構30のカム32がそのカム
面32a上で各カム用ローラ39を転動させながら従動プー
リ15の可動シェイブ18のボス部18a周りに一方向に回動
し、上記カム面32aがローラ39に押されてカム32が第2
図で右方向に回転軸4上を移動し、該カム32にベアリン
グ31を介して移動一体に連結されている可動シェイブ18
が同方向に移動して固定シェイブ17に接近し、このこと
により従動プーリ15のプーリ径が増大し、このプーリ径
の増大によりVベルト21が従動プーリ15側に引き寄せら
れる。
また、上記連結部材34にはリンク41を介して第1カム
機構22のカム24上の回動レバー25が駆動連結されている
ため、操作レバーの低速位置への切換えに伴い、上記従
動プーリ15の可動シェイブ18の動きに同期して、第1カ
ム機構22におけるカム24が第1回転軸3上を上記第2カ
ム機構30のカム32と同じ一方向に回動し、このカム24の
回動によりカム用ローラ29に対する押圧がなくなり、カ
ム24及び該カム24にベアリング23を介して連結されてい
る駆動プーリ9の可動シェイブ12は、上記従動プーリ15
側に移動するベルト21の張力により固定シェイブ11から
離れる方向(図で右方向)に第1回転軸3上を移動し、
この両シェイブ11,12の離隔により駆動プーリ9のプー
リ径が減少する。これらの結果、駆動プーリ9のプーリ
径が従動プーリ15よりも小さくなり、第1回転軸3の回
転が減速されて第2回転軸4に伝達される。
また、逆に、エンジンの回転を増速して出力軸2に伝
達する高速状態では、操作レバーを高速位置に位置付け
る。この操作レバーの切換操作に伴い、第1回転軸3側
の第1カム機構22のカム24がそのカム面24a上でカム用
ローラ29を転動させながら駆動プーリ9の可動シェイブ
12のボス部12a周りに他方向に回動し、このカム24の回
動によりカム面24aがカム用ローラ29に押されて第2図
で左方向に第1回転軸3上を移動し、可動シェイブ12も
同方向に移動して固定シェイブ11に接近し、このことに
より駆動プーリ9のプーリ径が増大する。このプーリ径
の増大によりVベルト21が駆動プーリ9側に引き寄せら
れる。
また、上記駆動プーリ9の可動シェイブ12の動きに同
期して、第2回転軸4上の第2カム機構30のカム32が該
第2回転軸4上を上記第1カム機構22のカム24と同じ他
方向に回動し、このカム32の回動によりカム用ローラ39
に対する押圧がなくなり、ベルト21の張力により従動プ
ーリ15の可動シェイブ18がカム32と共に固定シェイブ17
から離れる方向(図で左方向)に第2回転軸4上を移動
し、この両シェイブ17,18の離隔により従動プーリ15の
プーリ径が減少する。その結果、駆動プーリ9のプーリ
径が従動プーリ15よりも大きくなり、第1回転軸3の回
転が増速されて第2回転軸4に伝達される。
そして、この実施例では、車両の坂道発進や急発進等
により、駆動プーリ9に衝撃トルクが作用した場合、V
ベルト21は変形しながら駆動プーリ9のベルト溝14底部
に落ち込もうとするが、このベルト溝14底部には第1回
転軸3に取付支持したリング部材46があるため、上記ベ
ルト21は内面が該リング部材46に当接してそれ以上の落
込みが規制される。この状態では、ベルト21はその側面
が両シェイブ11,12に、内周面がリング部材46にそれぞ
れ当接して3点で支持されることとなる。よってベルト
21の幅方向の挫屈変形を簡単な構造で効果的に抑制する
ことができる。
その場合、ベルト21の側圧が大きく上昇することか
ら、ベルト21のスリップを招くことなく伝動することが
でき、よって変速装置の伝動能力をも確保することがで
きる。
また、上記リング部材46は、駆動プーリ9におけるベ
ルト溝14底部に、可動シェイブ12が固定シェイブ11から
最も離れてプーリ径が最小となったときのベルト21の内
面径D2よりも小さい外径D1を有するものであるので、衝
撃トルクを受けない通常時には、可動シェイブ12が固定
シェイブ11から最も離れてプーリ径が最小となった状態
でもベルト21の内面がリング部材46に当接することはな
く、通常の変速動作に悪影響を与えることがない。
さらに、可動シェイブ12の固定シェイブ11との対向面
には環状溝45が形成されているので、駆動プーリ9の可
動シェイブ12が固定シェイブ11に接近したときにリング
部材46が環状溝45内に収容される。このため、可動シェ
イブ12が固定シェイブ11近傍位置まで移動してもリング
部材46が可動シェイブ12と干渉することはなく、駆動プ
ーリ9のプーリ径の可変範囲を大に確保することができ
る。
また、この実施例では、駆動プーリ9の両シェイブ1
1,12間の回転軸3にリング部材46を嵌合するだけで済
み、駆動プーリ9自体の加工が不要となって製作が容易
となり、構造も簡単になる。しかも、リング部材46を回
転軸3に対し交換可能とできるので、外径の異なるもの
と交換することもでき、ベルト21の摩耗によりリング部
材46を交換する場合等に有利となる。
尚、上記実施例では、リング部材46及び環状溝45を駆
動プーリ9に設けているが、これに代えて従動プーリ15
に設けてもよく、さらには両プーリ9,15に設けることも
可能である。
(考案の効果) 以上の如く、請求項(1)の考案によると、プーリ式
無段変速装置の可変プーリにおいて、そのベルト溝底部
に、可動シェイブが固定シェイブから最も離れてプーリ
径が最小となったときのベルト内面径よりも小さい外径
を有しかつ両シェイブ間の回転軸上に支持されたリング
部材からなるベルト規制手段を設けたことにより、通常
の変速動作の際にベルトをリング部材に当接させること
なく、衝撃トルクが作用したときのベルトのベルト溝底
部への落込みをリング部材で規制して、簡単な構造でベ
ルトの幅方向の挫屈変形を抑制でき、ベルトによる伝動
能力を確保することができるという実用上優れた効果を
有する。また、上記ベルト規制手段は回転軸上に支持さ
れたリング部材であるので、可変プーリ自体の加工が不
要となって製作が容易となり、構造も簡単になるととも
に、リング部材を回転軸に対し交換可能として、外径の
異なるものと交換することができ、ベルト摩耗によりリ
ング部材を交換する場合等に有利となる。
また、請求項(2)の考案によると、可変プーリのシ
ェイブに上記リング部材からなるベルト規制手段を収容
可能な環状凹部を設けたことにより、両シェイブが互い
に接近してもベルト規制手段がシェイブと干渉すること
はなく、可変プーリのプーリ径の可変範囲を大に確保す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図及び第2図は本考案の一実施例を示し、第1図は
駆動プーリの要部を拡大して示す断面図、第2図は無段
変速装置の全体構成を示す断面図である。第3図及び第
4図は従来例を示し、第3図は変速装置の概略正面図、
第4図は第3図のIV−IV線断面図である。 3…第1回転軸、4…第2回転軸、9…駆動プーリ(可
変プーリ)、11…固定シェイブ、12…可動シェイブ、14
…ベルト溝、15…従動プーリ(可変プーリ)、17…固定
シェイブ、18…可動シェイブ、20…ベルト溝、21…Vベ
ルト、43…変速切換機構、45…環状溝(環状凹部)、46
…リング部材(ベルト規制手段)、D1…リング部外径、
D2…両シェイブが最も離隔した状態でのベルト内面の
径。

Claims (2)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】互いに平行に配置された1対の回転軸の少
    なくとも一方に設けられてなり、該一方の回転軸に回転
    一体にかつ摺動不能に固定された固定シェイブと、該回
    転軸に回転一体にかつ摺動可能に支持され、上記固定シ
    ェイブとの間にベルトが巻回される断面V字状のベルト
    溝を形成する可動シェイブとからなる可変プーリを備え
    るとともに、上記可動シェイブを固定シェイブに対し接
    離させてプーリ径を変化させる変速切換機構を備え、上
    記可変プーリのプーリ径の変更により両回転軸間の変速
    比を切り換えるようにしたプーリ式無段変速装置におい
    て、 上記可変プーリのベルト溝底部には、可動シェイブが固
    定シェイブから最も離れてプーリ径が最小となったとき
    のベルトの内面径よりも小さい外径を有しかつ上記両シ
    ェイブ間の回転軸に回転一体に支持されたリング部材か
    らなるベルト規制手段が設けられていることを特徴とす
    るプーリ式無段変速装置。
  2. 【請求項2】可変プーリにおける可動シェイブには両シ
    ェイブの接近時にベルト規制手段を収容する環状凹部が
    設けられている請求項(1)記載のプーリ式無段変速装
    置。
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JPS5918191Y2 (ja) * 1979-04-13 1984-05-26 バンドー化学株式会社 変速プ−リ
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