JP2562980B2 - Vベルト式無段変速機 - Google Patents
Vベルト式無段変速機Info
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、Vベルト式無段変速機に関するものであ
る。
る。
(従来の技術) この種の無段変速機は、入力シーブ軸においては接離
可能な入力シーブを有しこの入力シーブと、出力シーブ
軸において接離可能に取付けられた出力シーブとの間に
Vベルトを巻き掛け、これによって入力シーブ軸の回転
を無段階に変速して出力シーブ軸に伝達するようになっ
ている。また、変速によっても常にVベルトを緊張状態
に保持するために、出力シーブ軸側にはテンション機構
が設けられているのが一般的である。通常、この機構は
第6図に示すようになっている。すなわち、出力シーブ
50における可動側シーブ51は出力シーブ軸52に遊嵌され
軸変位可能となっている。また、その外側面には全体が
リング状に形成されかつ全周に亘って所定形状のカム面
53が形成されたトルクカム54が固定され、このトルクカ
ム54に対向するようにしてローラハブ55が出力シーブ軸
52に固定されている。そして、ローラハブ55との間に介
在されたスプリング56によって、可動側シーブ51は固定
側シーブ57へ接近する方向へ付勢されている。また、ロ
ーラハブ55の外周面に形成されたボス部には座付きボル
ト58によって抜け止めされた円筒ローラ59が遊嵌されて
おり、前記トルクカム54のカム面53に沿って転動可能と
なっている。
可能な入力シーブを有しこの入力シーブと、出力シーブ
軸において接離可能に取付けられた出力シーブとの間に
Vベルトを巻き掛け、これによって入力シーブ軸の回転
を無段階に変速して出力シーブ軸に伝達するようになっ
ている。また、変速によっても常にVベルトを緊張状態
に保持するために、出力シーブ軸側にはテンション機構
が設けられているのが一般的である。通常、この機構は
第6図に示すようになっている。すなわち、出力シーブ
50における可動側シーブ51は出力シーブ軸52に遊嵌され
軸変位可能となっている。また、その外側面には全体が
リング状に形成されかつ全周に亘って所定形状のカム面
53が形成されたトルクカム54が固定され、このトルクカ
ム54に対向するようにしてローラハブ55が出力シーブ軸
52に固定されている。そして、ローラハブ55との間に介
在されたスプリング56によって、可動側シーブ51は固定
側シーブ57へ接近する方向へ付勢されている。また、ロ
ーラハブ55の外周面に形成されたボス部には座付きボル
ト58によって抜け止めされた円筒ローラ59が遊嵌されて
おり、前記トルクカム54のカム面53に沿って転動可能と
なっている。
このように、従来のものではカム面53が軸心と直交す
る面で切り落とされた平面となっており、これに伴って
ローラ59も円筒形状となっていたために、以下のような
問題点が生じていた。
る面で切り落とされた平面となっており、これに伴って
ローラ59も円筒形状となっていたために、以下のような
問題点が生じていた。
(発明が解決しようとする課題) 出力シーブ側52の回転によってローラハブ55が回転す
ると、ローラ59は遠心力によって外周方向へ変位するた
め、抜け止め用の座付きボルト58と擦れ合う。この場
合、カム面53は出力シーブ軸52の軸心と直交する面で切
り落とし形成され、遠心力の作用方向と一致するため、
ローラ59に作用する遠心力がそのままボルト58の下面に
作用することになるため、相互の対向面に磨耗を生じや
すい。
ると、ローラ59は遠心力によって外周方向へ変位するた
め、抜け止め用の座付きボルト58と擦れ合う。この場
合、カム面53は出力シーブ軸52の軸心と直交する面で切
り落とし形成され、遠心力の作用方向と一致するため、
ローラ59に作用する遠心力がそのままボルト58の下面に
作用することになるため、相互の対向面に磨耗を生じや
すい。
トルクカム54が回転している間はカム面53の内周側と
外周側とでは軸心からの距離に比例して周速差を生じて
いる。したがって、円筒形状のローラ59がこの面に接し
たのではカム面53との当たり位置によってローラ面上で
の速度が均一とならないため、ローラ59の円滑な自転運
動が阻害され、カム面53との間の摩擦が大きくなり、そ
の結果正規のカム推力が得られず可動側プーリシーブ51
の軸変位に支障を来す。また、ローラ59の一部の面のみ
が磨耗するような偏磨耗を生じることにもなる。
外周側とでは軸心からの距離に比例して周速差を生じて
いる。したがって、円筒形状のローラ59がこの面に接し
たのではカム面53との当たり位置によってローラ面上で
の速度が均一とならないため、ローラ59の円滑な自転運
動が阻害され、カム面53との間の摩擦が大きくなり、そ
の結果正規のカム推力が得られず可動側プーリシーブ51
の軸変位に支障を来す。また、ローラ59の一部の面のみ
が磨耗するような偏磨耗を生じることにもなる。
ローラハブ55には複数個のローラ59を放射位置に配し
ておくのが通常であるが、それぞれのローラ59をカム面
53に均一に接触させるのは組付け精度等の理由からきわ
めて困難である。このため、各ローラ59間の面圧が不均
一となり、特定のローラ59のみが磨耗することがある。
また可動側プーリシーブ51の振れあるいは倒れに起因し
てVベルト60の損傷や騒音発生という問題も生じる。
ておくのが通常であるが、それぞれのローラ59をカム面
53に均一に接触させるのは組付け精度等の理由からきわ
めて困難である。このため、各ローラ59間の面圧が不均
一となり、特定のローラ59のみが磨耗することがある。
また可動側プーリシーブ51の振れあるいは倒れに起因し
てVベルト60の損傷や騒音発生という問題も生じる。
そこで、本発明はこれら問題点を有効に解決すること
ができるVベルト式無段変速機を提供することを目的と
した。
ができるVベルト式無段変速機を提供することを目的と
した。
(課題を解決するための手段) 上記の目的を達成するために、本発明は、入力シーブ
軸5に取り付けられた接離可能な一対の入力プーリシー
ブ22と、出力シーブ軸18に取り付けられた接離可能な一
対の出力プーリシーブ24との間に巻掛けられたVベルト
25によって入力シーブ軸5の回転を無段階に変速して出
力シーブ軸18に伝達し、かつ前記Vベルト25に張力を与
えるために、前記出力側プーリシーブ24において固定側
プーリシーブ19へ接近する方向へ付勢された可動側プー
リシーブ20の外側面には、出力シーブ軸18と同心でかつ
全周に亘ってカム面38が形成されたトルクカム37が固設
され、これに対向するようにして出力シーブ軸18に固定
されたローラハブ39には前記カム面38上を転動するロー
ラ42が抜け止め部材43を介して装着されてなるVベルト
式無段変速機において、前記カム面38は、前記トルクカ
ム37の外側面を3つに等分してそれぞれ同形状の起伏を
有した3つのカム面に形成され、各カム面はその内周側
から外周側にかけて上り勾配となるテーパ面とされ、か
つ前記ローラ42は、このテーパ面に適合可能な外形を有
する円錐形状に形成され、前記カム面38の外周縁および
内周縁とそれぞれ接する位置での外径比を、出力シーブ
軸18の軸心からカム面38の外周縁および内周縁までの距
離の比に設定されているとともに、該ローラ42の取付け
位置が径方向へ調整可能となっていることである。
軸5に取り付けられた接離可能な一対の入力プーリシー
ブ22と、出力シーブ軸18に取り付けられた接離可能な一
対の出力プーリシーブ24との間に巻掛けられたVベルト
25によって入力シーブ軸5の回転を無段階に変速して出
力シーブ軸18に伝達し、かつ前記Vベルト25に張力を与
えるために、前記出力側プーリシーブ24において固定側
プーリシーブ19へ接近する方向へ付勢された可動側プー
リシーブ20の外側面には、出力シーブ軸18と同心でかつ
全周に亘ってカム面38が形成されたトルクカム37が固設
され、これに対向するようにして出力シーブ軸18に固定
されたローラハブ39には前記カム面38上を転動するロー
ラ42が抜け止め部材43を介して装着されてなるVベルト
式無段変速機において、前記カム面38は、前記トルクカ
ム37の外側面を3つに等分してそれぞれ同形状の起伏を
有した3つのカム面に形成され、各カム面はその内周側
から外周側にかけて上り勾配となるテーパ面とされ、か
つ前記ローラ42は、このテーパ面に適合可能な外形を有
する円錐形状に形成され、前記カム面38の外周縁および
内周縁とそれぞれ接する位置での外径比を、出力シーブ
軸18の軸心からカム面38の外周縁および内周縁までの距
離の比に設定されているとともに、該ローラ42の取付け
位置が径方向へ調整可能となっていることである。
(作用) 上記のように構成されたVベルト式無段変速機におい
ては、ローラハブの回転によってローラに遠心力が作用
した場合にも、ローラとカム面とはテーパ面を介して接
触しているため、ローラに作用するテーパ面に沿う方向
の分力が従来よりも小さくなり、ローラとその抜け止め
を果たしている部材との間の擦れ合いを低減させうる。
ては、ローラハブの回転によってローラに遠心力が作用
した場合にも、ローラとカム面とはテーパ面を介して接
触しているため、ローラに作用するテーパ面に沿う方向
の分力が従来よりも小さくなり、ローラとその抜け止め
を果たしている部材との間の擦れ合いを低減させうる。
また、ローラにおいてカム面の外周縁および内周縁と
それぞれ接する位置での外径比を、出力シーブ軸の軸心
からカム面の外周縁および内周縁までの距離の比に設定
するようにしたものでは、カム面上の速度差がローラ面
上の速度差に一致するため、ローラの回転が円滑とな
る。
それぞれ接する位置での外径比を、出力シーブ軸の軸心
からカム面の外周縁および内周縁までの距離の比に設定
するようにしたものでは、カム面上の速度差がローラ面
上の速度差に一致するため、ローラの回転が円滑とな
る。
さらに、ローラの取付け位置を径方向へ調整可能とし
たものでは、個々のローラの位置調整を行うことで、カ
ム面に対して均一に接触させることが可能となる。
たものでは、個々のローラの位置調整を行うことで、カ
ム面に対して均一に接触させることが可能となる。
(実施例) 以下、本発明を具体化した実施例を図面にしたがって
詳細に説明する。
詳細に説明する。
第1図で示したVベルト式無段変速機において、エン
ジン等の原動機Eの出力軸1はクラッチ2を介して同軸
のメインドライブシャフト3に連結されている。メイン
ドライブシャフト3の前方には軸受4を介して入力シー
ブ軸5が同軸で配置されている。
ジン等の原動機Eの出力軸1はクラッチ2を介して同軸
のメインドライブシャフト3に連結されている。メイン
ドライブシャフト3の前方には軸受4を介して入力シー
ブ軸5が同軸で配置されている。
メインドライブシャフト3および入力シーブ軸5の側
部には前進後退切替用のシンクロカップリング6のシャ
フト7が平行に設置されており、シャフト7に固定され
たカウンタードリブンギヤ8はメインドライブシャフト
3に固定されたメインドライブギヤ9と噛み合ってい
る。シンクロカップリング6のシャフト7には前進側へ
の切替時及び後退側への切替時においてシャフト7の回
転が伝達される前進用カウンターギヤ10と後退用のカウ
ンターギヤ11が遊嵌されており、前進用カウンターギヤ
10は入力シーブ軸5の後部に固定された第1シーブ軸ギ
ヤ12と噛み合う一方、後退用カウンターギヤ11は入力シ
ーブ軸5の中間部に固定された第2シーブ軸ギヤ13と噛
合するアイドラギヤ14と噛み合っている。
部には前進後退切替用のシンクロカップリング6のシャ
フト7が平行に設置されており、シャフト7に固定され
たカウンタードリブンギヤ8はメインドライブシャフト
3に固定されたメインドライブギヤ9と噛み合ってい
る。シンクロカップリング6のシャフト7には前進側へ
の切替時及び後退側への切替時においてシャフト7の回
転が伝達される前進用カウンターギヤ10と後退用のカウ
ンターギヤ11が遊嵌されており、前進用カウンターギヤ
10は入力シーブ軸5の後部に固定された第1シーブ軸ギ
ヤ12と噛み合う一方、後退用カウンターギヤ11は入力シ
ーブ軸5の中間部に固定された第2シーブ軸ギヤ13と噛
合するアイドラギヤ14と噛み合っている。
入力シーブ軸5の前部には該入力シーブ軸5に固定さ
れた入力固定シーブ15と、入力シーブ軸5に対し軸方向
に摺動可能に取付けられた入力可動シーブ16の軸方向位
置を調節するためのシーブ位置調節装置17が設けられて
いる。
れた入力固定シーブ15と、入力シーブ軸5に対し軸方向
に摺動可能に取付けられた入力可動シーブ16の軸方向位
置を調節するためのシーブ位置調節装置17が設けられて
いる。
一方、入力シーブ軸5の側部には該入力シーブ軸5と
平行に出力シーブ軸18が配置されており、出力シーブ軸
18には該出力シーブ軸18に固定された出力固定シーブ19
と出力シーブ軸5に対し軸方向に摺動可能に遊嵌された
出力可動シーブ20とが設けられている。
平行に出力シーブ軸18が配置されており、出力シーブ軸
18には該出力シーブ軸18に固定された出力固定シーブ19
と出力シーブ軸5に対し軸方向に摺動可能に遊嵌された
出力可動シーブ20とが設けられている。
上記入力固定シーブ15と入力可動シーブ16は対面する
側が円錐面状をなして、相互間にV字溝21を形成し、両
者で入力シーブ22を構成している。同様に、出力固定シ
ーブ19と出力可動シーブ20は対面する側が円錐面状を成
して、相互間にV字溝23を形成し、両者で出力シーブ24
を構成している。入力シーブ22と出力シーブ24との間に
はVベルト25が巻掛けられており、上記シーブ位置調節
装置17により入力可動シーブ16の位置を調節してV字溝
21の幅を変化させることで入力シーブ軸5の回転に対す
る出力シーブ軸18の回転の速度比を無段に変更させるこ
とができる。
側が円錐面状をなして、相互間にV字溝21を形成し、両
者で入力シーブ22を構成している。同様に、出力固定シ
ーブ19と出力可動シーブ20は対面する側が円錐面状を成
して、相互間にV字溝23を形成し、両者で出力シーブ24
を構成している。入力シーブ22と出力シーブ24との間に
はVベルト25が巻掛けられており、上記シーブ位置調節
装置17により入力可動シーブ16の位置を調節してV字溝
21の幅を変化させることで入力シーブ軸5の回転に対す
る出力シーブ軸18の回転の速度比を無段に変更させるこ
とができる。
入力シーブ軸5と出力シーブ軸18との間には中間軸26
が配置されており、この中間軸26には2方向差動クラッ
チ27が取付けられている。
が配置されており、この中間軸26には2方向差動クラッ
チ27が取付けられている。
この2方向差動クラッチ27の詳細な説明は省略する
が、簡単には出力シーブ軸18への動力伝達を運転状況に
応じて、このクラッチ27を経由する経路と両シーブ15,1
9を経由する経路の双方の経路によって行うようにし
て、駆動力・加速力の増大とともにVベルト25に加わる
負荷を軽減させる役割を果たすものである。
が、簡単には出力シーブ軸18への動力伝達を運転状況に
応じて、このクラッチ27を経由する経路と両シーブ15,1
9を経由する経路の双方の経路によって行うようにし
て、駆動力・加速力の増大とともにVベルト25に加わる
負荷を軽減させる役割を果たすものである。
前記出力シーブ軸18にはデフピニオン28が固定されて
おり、デフピニオン28はデフアイドラギヤ29に噛み合
い、デフアイドラギヤ29はディファレンシャル装置30の
デフギヤ31と噛み合っている。
おり、デフピニオン28はデフアイドラギヤ29に噛み合
い、デフアイドラギヤ29はディファレンシャル装置30の
デフギヤ31と噛み合っている。
32はマイクロプロセッサからなるコンピュータであ
り、入力シーブ22の回転速度を検出する入力シーブ回転
速度センサ33、出力シーブ24の回転速度を検出する出力
シーブ回転速度センサ34と、入力シーブ22の入力可動シ
ーブ16の位置を検出するシーブ位置検出センサ35と、セ
レクタ36のシフト位置センサ(図示しない)からの信号
が入力されており、コンピュータ32はこれらの信号に基
づいてシーブ位置調節装置17を制御し、入力シーブ22を
運転状況に見合った溝幅に調節する。
り、入力シーブ22の回転速度を検出する入力シーブ回転
速度センサ33、出力シーブ24の回転速度を検出する出力
シーブ回転速度センサ34と、入力シーブ22の入力可動シ
ーブ16の位置を検出するシーブ位置検出センサ35と、セ
レクタ36のシフト位置センサ(図示しない)からの信号
が入力されており、コンピュータ32はこれらの信号に基
づいてシーブ位置調節装置17を制御し、入力シーブ22を
運転状況に見合った溝幅に調節する。
ところで、出力シーブ24には変速によっても常にVベ
ルトを緊張状態に保持するためにテンション機構が設け
られている。すなわち、出力シーブ24における出力可動
シーブ20の外側面にはリング状に形成されたトルクカム
37がボルト等により出力可動シーブ20と同心で取付けら
れている。トルクカム37の外側面には第4図に示すよう
なカム面38が形成されており、このカム面38はトルクカ
ム37の外側面を3つに等分して形成され、それぞれ同形
状の起伏を有したカム面となっている。そして、各カム
面38は内周側から外周側にかけて所定の上り勾配となる
テーパー面となっている。一方、トルクカム37に対向す
るようにして出力シーブ軸18にはローラハブ39が固定さ
れている。ローラハブ39は出力可動シーブ20に対向する
側が開口する円筒形状に形成されるとともに、この円筒
部分の内側には出力可動シーブ20を出力固定シーブ19側
へ押し付ける方向に作用するばね40の片側が収納されて
いる。また、ローラハブ39の円筒部分における外側面に
は等角度ごとに図示3箇所のボス41が径方向へ一体に突
出形成されている。各ボス41にはローラ42がそれぞれ遊
転自在に嵌込まれており、ボス41の上端面からねじ込ま
れた座付きボルト43によってそれぞれ抜け止めされてい
る。各ローラ42の外周面はトルクカム37のカム面38と適
合可能に形成されている。
ルトを緊張状態に保持するためにテンション機構が設け
られている。すなわち、出力シーブ24における出力可動
シーブ20の外側面にはリング状に形成されたトルクカム
37がボルト等により出力可動シーブ20と同心で取付けら
れている。トルクカム37の外側面には第4図に示すよう
なカム面38が形成されており、このカム面38はトルクカ
ム37の外側面を3つに等分して形成され、それぞれ同形
状の起伏を有したカム面となっている。そして、各カム
面38は内周側から外周側にかけて所定の上り勾配となる
テーパー面となっている。一方、トルクカム37に対向す
るようにして出力シーブ軸18にはローラハブ39が固定さ
れている。ローラハブ39は出力可動シーブ20に対向する
側が開口する円筒形状に形成されるとともに、この円筒
部分の内側には出力可動シーブ20を出力固定シーブ19側
へ押し付ける方向に作用するばね40の片側が収納されて
いる。また、ローラハブ39の円筒部分における外側面に
は等角度ごとに図示3箇所のボス41が径方向へ一体に突
出形成されている。各ボス41にはローラ42がそれぞれ遊
転自在に嵌込まれており、ボス41の上端面からねじ込ま
れた座付きボルト43によってそれぞれ抜け止めされてい
る。各ローラ42の外周面はトルクカム37のカム面38と適
合可能に形成されている。
但し、本例ではローラ42のテーパ面の勾配(トルクカ
ム37のカム面38の勾配)に関して、次のように設定され
ている(第3図参照)。
ム37のカム面38の勾配)に関して、次のように設定され
ている(第3図参照)。
すなわち、トルクカム37の中心Oからカム面38の内周
縁および外周縁までの距離をそれぞれR1,R2とし、ロー
ラ42がカム面38と接触する部分においてその外周側及び
内周側でのローラ外径をそれぞれr1,r2とした場合に、 R1/R2=r1/r2 の関係式が成り立つように設定されている。
縁および外周縁までの距離をそれぞれR1,R2とし、ロー
ラ42がカム面38と接触する部分においてその外周側及び
内周側でのローラ外径をそれぞれr1,r2とした場合に、 R1/R2=r1/r2 の関係式が成り立つように設定されている。
これによって、カム面38の上に生じる内周縁および外
周縁での周速の比が、これに対応する位置でのローラ42
上の周速比と一致させることができるため、ローラ42の
自転の円滑性が確保される。
周縁での周速の比が、これに対応する位置でのローラ42
上の周速比と一致させることができるため、ローラ42の
自転の円滑性が確保される。
次に、上記のように構成された本例の作用効果を説明
する。
する。
原動機Eの駆動によって、クラッチ2およびシンクロ
カップリング6を介して入力シーブ軸5が回転する。そ
して、入力シーブ22では運転状況に応じてシーブ位置調
節装置17が入力可動シーブ16の位置を制御しV字溝21の
溝幅が調節されるため、Vベルト25の巻き掛け径が自動
的に変動する。一方、出力シーブ24では上記したVベル
ト25の巻き掛け径の変動に伴って出力可動シーブ20が軸
変位するが、可動シーブ20はばね40にて固定シーブ19側
へ押されており、また各ローラ42とカム面38との圧接を
通じてVベルト25は常に緊張状態で出力シーブ24に対す
る駆動力の伝達を行い、これにより出力シーブ軸18の回
転が無段に変速される。
カップリング6を介して入力シーブ軸5が回転する。そ
して、入力シーブ22では運転状況に応じてシーブ位置調
節装置17が入力可動シーブ16の位置を制御しV字溝21の
溝幅が調節されるため、Vベルト25の巻き掛け径が自動
的に変動する。一方、出力シーブ24では上記したVベル
ト25の巻き掛け径の変動に伴って出力可動シーブ20が軸
変位するが、可動シーブ20はばね40にて固定シーブ19側
へ押されており、また各ローラ42とカム面38との圧接を
通じてVベルト25は常に緊張状態で出力シーブ24に対す
る駆動力の伝達を行い、これにより出力シーブ軸18の回
転が無段に変速される。
この間、ローラハブ39の回転によってローラ42に遠心
力が作用した場合にも、ローラ42とカム面38とがテーパ
面を介して接触しているため、ローラ42に作用するカム
面38のテーパ面に沿う方向の分力が従来の円筒形ローラ
の場合に比べてより小さくなる。したがって、座付きボ
ルト43との擦れ合いによる磨耗が低減し、これによって
カム面38に沿ってのローラ42の移動が円滑となり、正規
のカム推力が確保される。特に、本例ではカム面38とロ
ーラ42の両テーパ面の設定に関して、前述したような特
段の配慮がなされているため、すなわちカム面38の内外
周速比に適合してローラ42が自転できるようにしたた
め、カム面38に沿ってローラ42が変位する際の転動を円
滑に行わせることができるため、上記した効果をより有
効なものとすることができる。
力が作用した場合にも、ローラ42とカム面38とがテーパ
面を介して接触しているため、ローラ42に作用するカム
面38のテーパ面に沿う方向の分力が従来の円筒形ローラ
の場合に比べてより小さくなる。したがって、座付きボ
ルト43との擦れ合いによる磨耗が低減し、これによって
カム面38に沿ってのローラ42の移動が円滑となり、正規
のカム推力が確保される。特に、本例ではカム面38とロ
ーラ42の両テーパ面の設定に関して、前述したような特
段の配慮がなされているため、すなわちカム面38の内外
周速比に適合してローラ42が自転できるようにしたた
め、カム面38に沿ってローラ42が変位する際の転動を円
滑に行わせることができるため、上記した効果をより有
効なものとすることができる。
第5図は本発明の第2実施例である。第2実施例はロ
ーラ42の取付け構造の変更例である。すなわち、第2実
施例ではローラハブ39の各ボス41の上面にねじ軸44を立
設し、ローラ42をまずめねじ付きワッシャナット45にて
押さえ、そのもとで本ナット46にて固定するという抜け
止め方式が採用されている。このようにすることで、ロ
ーラ42の取付け位置を自在に変更させることができるた
め、カム面38に対して各ローラ42を均一に接触させるこ
とが可能となる。したがって、特定のローラのみが偏磨
耗を生じるような事態が解消され、また出力可動シーブ
20の振れあるいは倒れを解消することができ、これによ
ってVベルト25の損傷・発熱・騒音の発生等の問題を未
然に回避することができる。
ーラ42の取付け構造の変更例である。すなわち、第2実
施例ではローラハブ39の各ボス41の上面にねじ軸44を立
設し、ローラ42をまずめねじ付きワッシャナット45にて
押さえ、そのもとで本ナット46にて固定するという抜け
止め方式が採用されている。このようにすることで、ロ
ーラ42の取付け位置を自在に変更させることができるた
め、カム面38に対して各ローラ42を均一に接触させるこ
とが可能となる。したがって、特定のローラのみが偏磨
耗を生じるような事態が解消され、また出力可動シーブ
20の振れあるいは倒れを解消することができ、これによ
ってVベルト25の損傷・発熱・騒音の発生等の問題を未
然に回避することができる。
(発明の効果) 本発明の効果は次のようである。
カム面およびローラの外周面をテーパ面としたため、
ローラとこのローラの抜け止めを行う部材との間の擦れ
による磨耗を有効に低減することができる。
ローラとこのローラの抜け止めを行う部材との間の擦れ
による磨耗を有効に低減することができる。
上記テーパ面を所定の勾配に設定することにより、ロ
ーラの転動を円滑に行わせることができるため、カムの
発生推力を安定させることができる。
ーラの転動を円滑に行わせることができるため、カムの
発生推力を安定させることができる。
ローラの取付け位置を調整することにより、ローラを
複数固有する場合であっても、各ローラとカム面とを均
一に接触させることができ、Vベルトの損傷等を未然に
回避できる。
複数固有する場合であっても、各ローラとカム面とを均
一に接触させることができ、Vベルトの損傷等を未然に
回避できる。
第1図は本例のVベルト式無段変速機の全体構成図、第
2図はローラ周辺を示す断面図、第3図はテーパ面の勾
配の設定条件を示す説明図、第4図はトルクカム、ロー
ラハブ等の分解斜視図、第5図は第2実施例の要部を示
す断面図、第6図は従来のVベルト式無段変速機の出力
シーブ側を示す断面図である。 5……入力シーブ軸 18……出力シーブ軸 22……入力シーブ 24……出力シーブ 25……Vベルト 38……カム面 42……ローラ 43……座付きボルト(抜け止め部材)
2図はローラ周辺を示す断面図、第3図はテーパ面の勾
配の設定条件を示す説明図、第4図はトルクカム、ロー
ラハブ等の分解斜視図、第5図は第2実施例の要部を示
す断面図、第6図は従来のVベルト式無段変速機の出力
シーブ側を示す断面図である。 5……入力シーブ軸 18……出力シーブ軸 22……入力シーブ 24……出力シーブ 25……Vベルト 38……カム面 42……ローラ 43……座付きボルト(抜け止め部材)
Claims (1)
- 【請求項1】入力シーブ軸5に取り付けられた接離可能
な一対の入力プーリシーブ22と、出力シーブ軸18に取り
付けられた接離可能な一対の出力プーリシーブ24との間
に巻掛けられたVベルト25によって入力シーブ軸5の回
転を無段階に変速して出力シーブ軸18に伝達し、かつ前
記Vベルト25に張力を与えるために、前記出力側プーリ
シーブ24において固定側プーリシーブ19へ接近する方向
へ付勢された可動側プーリシーブ20の外側面には、出力
シーブ軸18と同心でかつ全周に亘ってカム面38が形成さ
れたトルクカム37が固設され、これに対向するようにし
て出力シーブ軸18に固定されたローラハブ39には前記カ
ム面38上を転動するローラ42が抜け止め部材43を介して
装着されてなるVベルト式無段変速機において、 前記カム面38は、前記トルクカム37の外側面を3つに等
分してそれぞれ同形状の起伏を有した3つのカム面に形
成され、各カム面はその内周側から外周側にかけて上り
勾配となるテーパ面とされ、 かつ前記ローラ42は、このテーパ面に適合可能な外形を
有する円錐形状に形成され、前記カム面38の外周縁およ
び内周縁とそれぞれ接する位置での外径比を、出力シー
ブ軸18の軸心からカム面38の外周縁および内周縁までの
距離の比に設定されているとともに、該ローラ42の取付
け位置が径方向へ調整可能となっていることを特徴とす
るVベルト式無段変速機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2118052A JP2562980B2 (ja) | 1990-05-08 | 1990-05-08 | Vベルト式無段変速機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2118052A JP2562980B2 (ja) | 1990-05-08 | 1990-05-08 | Vベルト式無段変速機 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0415342A JPH0415342A (ja) | 1992-01-20 |
JP2562980B2 true JP2562980B2 (ja) | 1996-12-11 |
Family
ID=14726832
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2118052A Expired - Fee Related JP2562980B2 (ja) | 1990-05-08 | 1990-05-08 | Vベルト式無段変速機 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2562980B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2595010Y2 (ja) * | 1992-09-29 | 1999-05-24 | 愛知機械工業株式会社 | 無段変速機のトルクカム機構 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5997359A (ja) * | 1982-11-27 | 1984-06-05 | Aisin Warner Ltd | 車両用vベルト式無段変速機 |
-
1990
- 1990-05-08 JP JP2118052A patent/JP2562980B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0415342A (ja) | 1992-01-20 |
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Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
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