JPH0529571Y2 - - Google Patents

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JPH0529571Y2
JPH0529571Y2 JP1989017664U JP1766489U JPH0529571Y2 JP H0529571 Y2 JPH0529571 Y2 JP H0529571Y2 JP 1989017664 U JP1989017664 U JP 1989017664U JP 1766489 U JP1766489 U JP 1766489U JP H0529571 Y2 JPH0529571 Y2 JP H0529571Y2
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pulley
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Description

【考案の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本考案は、伝動ベルトが巻き掛けられた1対の
可変プーリの各々のプーリ径を変化させて両プー
リ間の変速比を可変とするプーリ式変速装置の改
良に関する。
(従来の技術) 従来より、この種のプーリ式変速装置は、例え
ば農業機械や車両における変速装置等、比較的低
負荷の動力伝達系に広く採用されている。この変
速装置は、例えば互いに平行に配置された1対の
回転軸にそれぞれ取り付けられた1対の可変プー
リ(駆動及び従動プーリ)を有し、該各プーリは
回転軸に回転一体にかつ摺動不能に固定された固
定シエイブと、回転軸に回転一体にかつ摺動可能
に支持され、上記固定シエイブとの間に伝動ベル
トが巻回される断面V字状のベルト溝を形成する
可動シエイブとからなり、その可動シエイブを固
定シエイブに対し接離させてプーリ径(ベルト溝
の有効半径)を変化させることにより、両回転軸
間の変速比を低速状態ないし高速状態に切り換え
るようにしたものである。
ところで、農業機械の一つである田植機におい
ては、稲を植えるときに一定の速度で走行させて
稲を等ピツチで植える性能が要求される。ところ
が、上記のプーリ式変速装置のうち、可変プーリ
の可動シエイブをばね力により軸方向に駆動する
構造のものを田植機に採用した場合、田の泥の粘
性に応じて足回りの負荷が変化し、ベルトのプー
リのベルト溝への食込み等を招いて変速比が変動
し、その結果、稲を等ピツチで植えることが難し
くなる。
そこで、こうした問題を解決し、変速比を一定
に保持し得るようにするために、駆動もしくは従
動プーリ又は両プーリの可動シエイブをカムを用
いたカム機構により駆動し、ベルトの張力はテン
シヨナによつて与えるものが提案されている。
例えば実開昭57−164352号公報に示されるもの
では、各回転軸上の一方の可変プーリにおける可
動シエイブの固定シエイブへの向きと他方プーリ
における可動シエイブの固定シエイブへの向きと
を互いに逆向きに配置し、各プーリの可動シエイ
ブ背面側に、各々、回転軸回りに回動可能な回動
カムと固定体に連結されて回動不能な固定カムと
からなつていて回動カムの固定カムとの相対回転
により可動シエイブを固定シエイブに接近するよ
うに移動させるカム機構を配設し、両カム機構の
回動カムをロツド及び変速軸で連結することによ
り、駆動及び従動プーリの一方の可動シエイブが
それに対向する固定シエイブに接近すると、他方
の可動シエイブがそれと対向する固定シエイブか
ら離れるように上記両カム機構の回動カムを互い
に連係して回動させ、各プーリのベルト部材に対
する有効半径を変化させて両回転軸間の変速比を
変化させるようになされている。
(考案が解決しようとする課題) この提案のものでは、両カム機構の回動カムが
互いに連動可能に連結されているので、両回転軸
間の変速切換時に変速切換機構の作動により駆動
及び従動プーリの各可動シエイブが互いに逆方向
に同期して開閉し、駆動及び従動プーリ間の開閉
力が逆になつて両プーリ間の開閉力が部分的に互
いに相殺し合い、両回転軸間の変速切換えを小さ
な操作力でもつて敏速に行うことができると考え
られる。
しかし、実際には、回動カムを支持するベアリ
ングが可動シエイブのボス部先端に当接している
ことから、所期の効果が得られず、例えば緊急を
要するときには素早く対処できないという問題が
ある。
すなわち、可動シエイブがその略半部に掛けら
れているベルトから推力を受けたときに、その可
動シエイブに回転軸に対し傾倒させる方向のモー
メントが働くが、回動カムを支持するベアリング
は可動シエイブのボス部先端に当接していて、該
ボス部はその先端部にてベアリングにより受け止
められているので、上記モーメントは大きく、そ
の分、可動シエイブのボス部内周の回転軸外周に
対する軸心方向の面圧分布が大きなピークを持つ
て集中して、該ボス部の摺動抵抗が大きくなる。
このため、両カム機構の回動カム同士を連結し
て、一方のカム機構のベルト発生推力を取り出し
て他方のカム機構のベルト推力に利用するように
してはいても、上記大きな摺動抵抗に起因して変
速操作に大きな操作力を要し、両回転軸間の変速
比を小さな操作力でスムーズに切り換えることは
難しい。
また、回動カムと固定カムとがカム面により接
触しているので、その摺動抵抗が大きく、このこ
とも変速操作力の増大を招くことになる。しか
も、カム面の抵抗が大きいので、その磨耗も速
く、磨耗が大きくなるとプーリの位置決め精度が
悪くなるとともに、摺動抵抗がさらに増大する。
従つて、カムの摺動抵抗を低く保つために、潤滑
油のメンテナンスが必須であり、その管理が面倒
で、実用性の点で今一つ不十分であつた。
本考案は斯かる諸点に鑑みてなされたものであ
り、その目的は、上記したカム機構及びその可動
シエイブに対する連結構造を改良することによ
り、変速切換操作を小さな操作力でスムーズに行
い得るようにし、よつて負荷変動による変速比の
変動をカム機構によつて防止しつつ、その欠点で
ある操作力の増大を解消するようにすることにあ
る。
(課題を解決するための手段) 上記目的を達成するために、本考案の解決手段
は、カム機構の回動カムを可動シエイブ背面側で
そのボス部上に連結支持するとともに、カム機構
の回動カム又は固定カムの一方にカム面を、また
他方にカム面上を転動するローラ等の転動体をそ
れぞれ設け、さらに、両カム機構における回動カ
ム同士をベルトを含む面と略平行に延びる1本の
直棒状リンクで連結することとした。
すなわち、請求項(1)記載の考案では、第2図及
び第3図に示すように、上記した如く、互いに平
行に配置された1対の回転軸3,6と、この各回
転軸3,6に回転一体にかつ軸方向に移動不能に
固定された固定シエイブ12,18、及び各回転
軸3,6に回転一体にかつ軸方向に移動可能にボ
ス部13a,19aにて支持され、上記固定シエ
イブ12,18との間に断面V字状のベルト溝1
5,21を形成する可動シエイブ13,19から
なり、一方の可動シエイブ13又は19の固定シ
エイブ12又は18への向きと他方の可動シエイ
ブ19又は13の固定シエイブ18又は12への
向きとが互いに逆向きにされた1対の可変プーリ
10,16と、これら両可変プーリ10,16の
ベルト溝15,21間に巻き掛けられた伝動ベル
トBと、各可変プーリ10,16の可動シエイブ
13,19を固定シエイブ12,18に対し接離
させてプーリ10,16のプーリ径を変化させる
1対のカム機構22,30と、両可変プーリ1
0,16のプーリ径が互いに逆方向に変化するよ
うに上記両カム機構22,30を連動させて両回
転軸3,6間の変速比を可変とする変速切換機構
48とを備えてなる。
そして、上記各カム機構22,30は、可変プ
ーリ10,16の可動シエイブ13,19のボス
部13a,19a上にベアリング23,31を介
して回転可能に支持された円筒状の回動カム2
4,32と、該回動カム24,32にカム接触す
る固定カム27,37とを有し、回動カム24,
32又は固定カム27,37の一方にカム面24
a,32aが形成されている一方、他方に該カム
面24a,32aに転動しながら接触する転動体
29,39が設けられていて、回動カム24,3
2と固定カム27,37との相対回動により可動
シエイブ13,19を軸方向に移動させるように
構成する。
また、上記変速切換機構48は、一方の可変プ
ーリ10又は16のカム機構22又は30の回動
カム24又は32に突設されかつ先端部34aが
上記一方の可変プーリプーリ10又は16を越え
て該カム機構22又は30と反対側に延びる連結
部材34と、回転軸3,6と直交する平面と略平
行に延び、かつ上記連結部材34の先端部34a
と他方の可変プーリ16又は10のカム機構30
又は22の回動カム32又は24とを、両カム機
構22,30の回動カム24,32同士が回転軸
3,6回りに連係して回動するように連結する1
本の直棒状のリンク41とを有する構成とする。
(作用) 上記の構成により、請求項(1)記載の考案では、
両回転軸3,6間の変速比を切り換える場合、両
可変プーリ10,16の各カム機構22,30に
おける回動カム24,32同士は1本のリンク4
1を有する変速切換機構48により連動可能に連
結されているため、一方のプーリ10又は16の
カム機構22又は30の回動カム24又は32を
回転軸3又は6回りに回動させて、その固定カム
27又は37とのカム接触により該プーリ10又
は16の可動シエイブ13又は19を軸方向に移
動させると、それに伴つて他方のプーリ16又は
10の可動シエイブ19又は13が上記一方のプ
ーリ10又は16における可動シエイブ13又は
19の固定シエイブ12又は18に対する接離動
作とは逆の動作でもつて移動し、この両可動シエ
イブ13,19の逆方向の移動によつて両回転軸
3,6間の変速比が切換変更される。
そのとき、第4図及び第5図に示すように、例
えば各カム機構22,30における回動カム2
4,32に回転軸3,6と直交する面に対し傾斜
角αで傾斜したカム面24a,32aがあり、固
定カム27,37に該カム面24a,32a上を
転動する転動体29,39が設けられているとす
ると、上記固定カム27,37上の転動体29,
39から回動カム24,32のカム面24a,3
2aに力Aがカム面24a,32aと直角方向に
作用し、この力Aは回転軸3,6と平行な方向の
分力A1と回転軸3,6と直交方向の分力A2とに
分けられ、後者の分力A2は回転軸3,6の軸心
と変速切換機構48の1本のリンク41への連結
点とを結ぶ線と直角に作用するが、この作用に伴
い、第5図に示す如く、回転軸3,6の軸心とリ
ンク41への連結点とを結ぶ線に対し変速比の
Lo〜Hiの変化に拘らず直角でかつ上記分力A2と
逆向きのカム回転反力Wが生じ、第6図にも示す
ように、このカム回転反力Wは、回動カム24,
32が支持されている可動シエイブ13,19の
ボス部13a,19aに対し、プーリ10,16
のベルトBが巻き掛けられている範囲の中央位置
においてボス部13a,19aを押圧するように
作用する。つまり、このボス部13a,19aに
対するカム回転反力Wは、ボス部13a,19a
と回転軸3,6との摺動部分におけるクリアラン
スで、可動シエイブ13,19がベルトBから推
力を受けたときに可動シエイブ13,19を回転
軸3,6に対し傾倒させる方向に働くモーメント
M1とは逆方向のモーメントM2が生じるように作
用し、このモーメントM2によりモーメントM1が
相殺されて小さくなり、第6図aに示す如く可動
シエイブ13,19のボス部13a,19a内周
の回転軸3,6外周に対する面圧分布が軸心方向
に分散して、従来(第6図b参照)のような大き
なピークがなくなり、ボス部13a,19aの摺
動抵抗が小さくなる。この摺動抵抗が小さくなつ
た分だけ、ベルト発生推力Fの回動カム24,3
2による固定点に与える荷重(取出推力F′)が大
きくなり、換言すれば、ベルト発生推力Fが大き
な抵抗なく回動カム24,32に取出推力F′とし
て伝達されることとなる。
そして、変速装置は、可変プーリ10,16間
の開閉力が逆になつて両プーリ10,16間の開
閉力が部分的に互いに相殺し合うように両カム機
構22,30の回動カム24,32同士が1本の
リンク41で連結され、一方のカム機構22又は
30の取出推力F1′又はF2′を他方のカム機構30
又は22のベルト推力に利用するようにしている
ことから、この関係を第7図に示すようなシーソ
ーに例えた場合、変速比が一定で変速切換えを行
わないときには、第8図に示す如く、上記取出推
力F1′,F2′自体は本考案の場合(第8図a参照)
が従来の場合(第8図b参照)よりも大きくなる
ものの、駆動側及び従動側で取出推力F1′,F2′は
同じとなり、これらが互いに釣り合つて推力F1′,
F2′の取出効率は従来の場合と同じである。
ところが、変速比を変化させるときには、第9
図に示す如く、ベルト発生推力F1,F2と取出推
力F1′,F2′との差が変速操作に必要な荷重(操作
力)であるので、従来の場合(第9図b参照)で
は、取出推力F1′,F2′が小さい分だけ残りの操作
力が大きくなるのに対し、この考案(第9図a参
照)では、取出推力F1′,F2′が大きいことから、
その分、逆に操作力が小さくて済むこととにな
る。その結果、回動カム24,32と固定カム2
7,37とが転動体29,39を介してカム接触
することと相俟つて、両回転軸3,6間の変速切
換えを小さな操作力でもつて敏速に行うことがで
き、緊急時の素早い対処を図ることができる。
また、この考案では、カム機構22,30によ
り可動シエイブ13,19を駆動するので、プー
リ10,16の開閉位置を強固に固定することが
でき、よつて負荷変動が生じても変速比を一定に
保持することができる。
さらに、回動及び固定カム27,24(又は3
7,32)の接触はカム面32a,24a上を転
動する転動体39,29による転がり接触で、摺
動抵抗は大幅に小さくなるため、変速比の長期間
に亘る安定保持、潤滑油メンテンナンスの不要化
等を図ることができる。
また、上記変速切換機構48は1本の直棒状の
リンク41とを有するものであるので、このリン
ク41により、両カム機構22,30における回
動カム24,32同士を高い剛性で連結でき、操
作力が無駄なく伝達されてそのロスを低減するこ
とができる。しかも、一方の可変プーリ10又は
16のカム機構22又は30の回動カム24又は
32に、先端部34aが可変プーリ10又は16
を越えて該カム機構22又は30と反対側に延び
る連結部材34が突設され、この連結部材34の
先端部34aと他方の可変プーリ16又は10の
カム機構30又は22の回動カム32又は24と
が1本の直棒状リンク41で連結され、このリン
ク41は回転軸3,6と直交する平面と略平行に
延びているので、連結部材34を設けずに回動カ
ム24,32の外周同士を直接1本のリンクで連
結するために該リンクを回転軸3,6との直交平
面と交差するように斜めに配置した場合に比べ、
上記一方のカム機構22又は30の取出推力を他
方のカム機構30又は22に効率よく伝達するこ
とができ、変速操作力をさらに低減することがで
きる。
(実施例) 以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。
第2図及び第3図は本考案を農業機械としての
田植機の変速装置に適用した実施例の全体構成を
示す。1は図外の軸受部に回転自在に支持された
第1回転軸で、上記軸受部は車載エンジン(図示
せず)と共に農業機械の車体にマウントにより弾
性支持されている。2は車体に固定した軸受部に
回転自在に支持された第2回転軸で、田植機の車
軸(図示せず)に連結されている。これら両回転
軸1,2は互いに平行に配置されている。上記第
1回転軸1には駆動軸3が回転一体に取り付けら
れている。すなわち、この駆動軸3には中心孔3
aが貫通形成されており、その中心孔3aに駆動
軸3の一端側(第3図で上側)から第1回転軸1
を挿通し、駆動軸3の他端から止め金4を介して
締結ボルト5を回転軸1の端部に螺合締結するこ
とにより、駆動軸3が第1回転軸1に回転一体に
取り付けられている。
また、第2回転軸2には従動軸6が上記駆動軸
3と同様の取付構造で回転一体に取り付けられて
いる。すなわち、この従動軸6の中心孔6aにそ
の一端側(第3図で下側)から回転軸2を挿通
し、従動軸6他端から止め金7を介して締結ボル
ト8を回転軸2の端部に螺合締結することによ
り、従動軸6が第2回転軸2に取り付けられてい
る。
上記駆動軸3の他端(第1回転軸1と反対側端
部)にはVプーリ9が回転一体に固定され、この
Vプーリ9は図示しないVベルトを介してエンジ
ンに駆動連結されており、エンジンの回転により
駆動軸3(第1回転軸1)が駆動される。また、
駆動軸3上の一端には駆動プーリ10が設けられ
ている。この駆動プーリ10は、駆動軸3にキー
11により回転一体にかつ摺動不能に固定された
フランジ状の固定シエイブ12と、該固定シエイ
ブ12に対向するように駆動軸3にボス部13a
にて摺動自在にかつ回転一体にキー14により結
合されたフランジ状の可動シエイブ13とからな
り、これら両シエイブ12,13間にはベルト溝
15が形成されている。
一方、上記従動軸6上には従動プーリ16が設
けられている。この従動プーリ16は、上記駆動
プーリ10と同様の構成であり、従動軸6にキー
17により回転一体にかつ摺動不能に固定された
フランジ状の固定シエイブ18と、該固定シエイ
ブ18に上記駆動軸3上の駆動プーリ10におけ
る固定シエイブ12に対する可動シエイブ13の
対向方向と逆方向でもつて対向するように従動軸
6にボス部19aにて摺動自在にかつ回転一体に
キー20により結合されたフランジ状の可動シエ
イブ19とからなり、これら両シエイブ18,1
9間にはベルト溝21が形成されている。そし
て、上記駆動プーリ10のベルト溝15と従動プ
ーリ16のベルト溝21との間にはVベルトBが
巻き掛けられており、駆動及び従動プーリ10,
16の各可動シエイブ13,19をそれぞれ固定
シエイブ12,18に対して接離させて各プーリ
10,16のプーリ径(VベルトBに対する有効
半径)を変更する。例えば駆動プーリ10の可動
シエイブ13を固定シエイブ12に接近させ、か
つ従動プーリ16の可動シエイブ19を固定シエ
イブ18から離隔させたときには、駆動プーリ1
0のプーリ径を従動プーリ16よりも大きくする
ことにより、駆動軸3の回転を従動軸6に増速し
て伝達する。一方、逆に、駆動プーリ10の可動
シエイブ13を固定シエイブ12から離隔させ、
かつ従動プーリ16の可動シエイブ19を固定シ
エイブ18に接近させたときには、駆動プーリ1
0のプーリ径を小にし、従動プーリ16のプーリ
径を大きくすることにより、駆動軸3の回転を減
速して従動軸6に伝えるようになされている。
上記駆動軸3上には、駆動プーリ10における
可動シエイブ13を固定シエイブ12に対して接
離させるための第1カム機構22が設けられてい
る。このカム機構22は、第1図に拡大詳示する
ように、可動シエイブ13のボス部13a上にベ
アリング23を介して相対回転可能にかつ軸方向
に移動一体に外嵌合支持された円筒状の回動カム
としての円筒カム24を有する。このカム24に
はその駆動プーリ10と反対側端面に1対の傾斜
カム面24a,24aが円周方向に等角度間隔
(180°間隔)をあけて形成され、外周には回動レ
バー25が回動一体に突設されている。また、駆
動軸3の他端外周には固定カムとしてのローラ取
付台27がベアリング26を介して相対回転可能
に支持され、該ローラ取付台27の外周には取付
フランジ27aが一体に突設され、該フランジ2
7aは固定体としての例えば変速装置ケースCに
結合されて、ローラ取付台27が回転不能に固定
されている。このローラ取付台27の外周にはそ
の半径方向に延びる2つのピン28,28が直径
方向に対向して一体的に取り付けられている。該
各ピン28のヘツド側はローラ取付台27から突
出していて、その突出部分に上記カム24の各カ
ム面24aに当接して転動する転動体としてのカ
ム用ローラ29が回転自在に支持されている。
一方、従動軸6上には、従動プーリ16の可動
シエイブ19を固定シエイブ18に対して接離さ
せるための変速機構としての第2カム機構30が
設けられている。この第2カム機構30は、上記
第1カム機構22と同様の構成で(第1図参照)、
可動シエイブ19のボス部19a上にベアリング
31を介して回転自在にかつ摺動不能に外嵌合支
持された回動カムとしての円筒カム32を有し、
このカム32の駆動プーリ16と反対側端面には
1対の傾斜カム面32a,32aが形成され、そ
の外周には回動レバー33が回動一体に取り付け
られている。該回動レバー33の先端には連結部
材としての操作レバー取付部材34がボルト3
5,35により取り付けられ、該取付部材34は
図外の操作レバーに連結されている。また、この
取付部材34は、上記従動プーリ16の外周側を
越えて第2カム機構30と反対側(第3図で下
側)に従動軸6と平行に延びる先端部34aを有
する。
上記従動軸6の他端外周にはベアリング36を
介して固定カムとしてのローラ取付台37が支持
され、該ローラ取付台37は上記した変速装置ケ
ースCに固定されて回転不能とされている。この
ローラ取付台37の外周にはその半径方向に延び
る1対のピン38,38が円周方向に等間隔をあ
けて取り付けられ、該各ピン38のローラ取付台
37からの突出部分には上記カム32の各カム面
32aに当接するカム用ローラ39(転動体)が
回転自在に支持されている。
そして、上記第1カム機構22の回動レバー2
5先端にはボールジヨイント40がその軸部40
aにて駆動軸3と平行の回転中心をもつて回動可
能に支持されている。該ボールジヨイント40は
リンク挿通孔40bを有し、該挿通孔40bには
1本の直棒状のリンク41の一端が摺動可能に挿
通されている。このリンク41には上記ボールジ
ヨイント40の両側に1対にばねストツパ42,
42が移動不能に固定されている。この各ばねス
トツパ42はリンク41に挿通されるナツト43
と、該ナツト43に螺合されたビス44とを有
し、ビス44の捩込みによりナツト43をリンク
41に摺動不能に固定している。さらに、ボール
ジヨイント40の両側のリンク41上にはリング
状のばね押え45,45がそれぞれボールジヨイ
ント40に当接して支持され、該各ばね押え45
とそれに対応するばねストツパ42との間にはそ
れぞれコイルばね46が縮装されており、この1
対のばね46,46によりボールジヨイント40
を両ばねストツパ42,42間の中央位置にバラ
ンスさせて付勢保持するようにしている。
そして、上記リンク41は従動軸6側に向かつ
て駆動及び従動軸3,6と直交する平面と略平行
に延びていて、その他端は上記操作レバー取付部
材34の先端部34aにリンクボール47を介し
て従動軸6と平行の回転中心をもつて回転可能に
連結されている。すなわち、リンク41は、従動
側の第2カム機構30の円筒カム32に回動レバ
ー33を介して取り付けられた操作レバー取付部
材34の先端部34aと、駆動側の第1カム機構
22の円筒カム24外周の回動レバー25とを、
両円筒カム24,32同士がそれぞれ駆動及び従
動軸3,6回りに連係して回動するように連結し
ている。よつて、上記ボールジヨイント40、リ
ンク41、ばね46,46等により、操作レバー
の切換操作に応じて、各カム機構22,30にお
けるカム24,32を互いに連係して可動シエイ
ブ13,19のボス部13a,19a回りに回動
させ、そのカム面24a,32a上でカム用ロー
ラ29,39を転動させることにより、可動シエ
イブ13,19を軸方向に移動させて固定シエイ
ブ12,18に対し互いに相反して接離させ、そ
のベルト溝15,21の有効半径つまりプーリ1
0,16のプーリ径を可変とし、両回転軸3,6
間の変速比を変化させるようにした変速切換機構
48が構成されている。
尚、上記駆動及び従動プーリ10,16の固定
シエイブ12,18における可動シエイブ13,
19との対向面には、それぞれベルト溝15,2
1底部に相当する内周縁部の所定位置に、可動シ
エイブ13,19側に向かつて駆動及び従動軸
3,6と同心状に延びるベルト規制手段としての
円筒状リング部12a,18aが一体に突設され
ている。一方、可動シエイブ13,19の固定シ
エイブ12,18との対向面には環状凹部として
の環状溝13b,19bが上記リンク部12a,
18aに対応して形成されており、可動シエイブ
13,19が固定シエイブ12,18に接近した
ときにリング部12a,18aを環状溝13b,
19b内に収容するようにしている。
また、第2図中、49はベルトBの緩み側背面
を押してベルトBに所定の張力を与えるテンシヨ
ンプーリで、このプーリ49は変速装置のケース
Cに揺動可能に軸支したテンシヨンアーム50の
先端に回動自在に支持され、テンシヨンアーム5
0はアーム50の中間部とケースCとの間に伸装
したスプリング51によつて第1図時計回り方向
に回動付勢されており、このスプリング51の付
勢力によりテンシヨンプーリ49をベルトB背面
に押し当てるようにしている。
次に、上記実施例の作動について説明する。
例えば、エンジンの回転を減速して車軸に伝達
する低速状態とするときには、変速切換機構48
の操作レバーを低速位置(Lo)に位置付ける。
この操作レバーは第2カム機構30におけるカム
32外周の回動レバー33に取付部材34を介し
て連結されているので、上記低速位置(Lo)へ
の切換操作に伴い、上記カム32がそのカム面3
2a上で各カム用ローラ39を転動させながら従
動プーリ16の可動シエイブ19のボス部19a
回りに一方向に回動する。これにより、上記カム
面32aがローラ39に押されてカム32が第2
図で下方向に従動軸6上を移動し、該カム32に
ベアリング31を介して移動一体の可動シエイブ
19が同方向に移動して固定シエイブ18に接近
する。このことにより従動プーリ16が閉じてそ
のプーリ径が増大し、このプーリ径の増大により
VベルトBが従動プーリ16側に引き寄せられ
る。
また、上記取付部材34にはリンク41及びボ
ールジヨイント40を介して回動レバー25が駆
動連結されているため、操作レバーの低速位置
(Lo)への切換えに伴い、上記従動プーリ16の
可動シエイブ19の動きに同期して、第1カム機
構22のカム24が駆動軸3上を上記第2カム機
構30のカム32と同じ一方向に回動する。この
カム24の回動によりカム用ローラ29に対する
押圧がなくなる。このため、上記従動プーリ16
側に移動するベルトBの張力により、カム24及
びそれにベアリング23を介して連結されている
可動シエイブ13は固定シエイブ12から離れる
方向(図で下方向)に駆動軸3上を移動し、この
両シエイブ12,13の離隔により駆動プーリ1
0が開いてプーリ径が減少する。これらの結果、
駆動プーリ10のプーリ径が従動プーリ16より
も小さくなり、駆動軸3の回転が減速されて従動
軸6に伝達される。
また、逆に、エンジンの回転を増速して車軸に
伝達する高速状態では、操作レバーを高速位置
(Hi)に位置付ける。この操作レバーの切換操作
に伴い、上記第1カム機構22のカム24がその
カム面24a上でカム用ローラ29を転動させな
がら駆動プーリ10における可動シエイブ13の
ボス部13a回りに他方向に回動する。このカム
24の回動によりカム面24aがカム用ローラ2
9に押されて第2図で上方向に駆動軸3上を移動
し、可動シエイブ13も同方向に移動して固定シ
エイブ12に接近し、このことにより駆動プーリ
10が閉じてプーリ径が増大する。このプーリ径
の増大によりVベルトBが駆動プーリ10側に引
き寄せられる。
また、上記可動シエイブ13の動きに同期し
て、第2カム機構30のカム32が該従動軸6上
を上記カム24と同じ他方向に回動し、このカム
32の回動によりカム用ローラ39に対する押圧
がなくなり、ベルトBの張力により従動プーリ1
6の可動シエイブ19がカム32と共に固定シエ
イブ18から離れる方向(図で上方向)に従動軸
6上を移動する。この両シエイブ18,19の離
隔により従動プーリ16が開いてプーリ径が減少
する。その結果、駆動プーリ10のプーリ径が従
動プーリ16よりも大きくなり、駆動軸3の回転
が増速されて従動軸6に伝達される。
そして、この実施例の場合、カム機構22,3
0における円筒カム24,32によりそれぞれ駆
動及び従動プーリ10,16の可動シエイブ1
3,19を駆動するので、各プーリ10,16の
開閉位置を強固に固定することができ、よつて負
荷変動が生じても変速装置の変速比を一定に保持
することができる。このため、田植機の走行速度
が田の泥の状態つまり足回りの負荷に関係なく一
定となり、稲を等ピツチで植えることができる。
この実施例では、VベルトBの緩み側スパン
B1の背面をテンシヨンプーリ49によつて押圧
付勢することにより、該VベルトBに張力が与え
られ、この張力によりベルト推力が発生するとと
もに、駆動及び従動プーリ10,16の双方にお
ける可動シエイブ13,19を変速切換機構48
による機械的な駆動によつて軸方向に移動させる
ので、駆動及び従動プーリ10,16間の開閉力
は逆になり、この両プーリ10,16間の開閉力
が部分的に互いに相殺し合い、残りが操作力とな
る。
そして、このように両プーリ10,16の可動
シエイブ13,19の逆方向の移動によつて駆動
及び従動軸3,6間の変速比が切換変更される
際、第4図及び第5図に示すように、各カム機構
22,30の円筒カム24,32におけるカム面
24a,32aにローラ取付台27,37のロー
ラ29,39から作用する力Aにより駆動又は従
動軸3,6と直交方向の分力A2が生じ、この分
力A2は駆動又は従動軸3,6の軸心と変速切換
機構48のリンク41への連結点とを結ぶ線と直
角に作用するが、この作用に伴い、第5図に示す
如く、駆動又は従動軸3,6の軸心とリンク41
への連結点とを結び線と常に直角でかつ上記分力
A2と逆向きのカム回転反力Wが生じ、第6図に
示すように、このカム回転反力Wは円筒カム2
4,32が支持されている可動シエイブ13,1
9のボス部13a,19aに対し、プーリ10,
16のベルトBが巻き掛けられている範囲の中央
位置においてそのボス部13a,19aを押圧す
るように作用する。つまり、このボス部13a,
19aに対するカム回転反力Wは、ボス部13
a,19aと駆動又は従動軸3,6との摺動部分
におけるクリアランスで、可動シエイブ13,1
9がベルトBから推力を受けたときに可動シエイ
ブ13,19を駆動又は従動軸3,6に対し傾倒
させる方向に働くモーメントM1と逆方向のモー
メントM2が生じるように作用し、このモーメン
トM2によりモーメントM1が相殺されて低減さ
れ、第6図aに示す如く可動シエイブ13,19
のボス部13a,19a内周の駆動又は従動軸
3,6外周に対する面圧分布が軸心方向に分散し
て、従来(第6図b参照)のような大きなピーク
がなくなり、ボス部13a,19aの摺動抵抗が
小さくなる。この摺動抵抗が小さくなつた分だ
け、ベルト発生推力Fが円筒カム24,32の固
定点に与える荷重つまり取出推力F′が大きくな
り、換言すれば、ベルト発生推力Fが大きな抵抗
なく円筒カム24,32に取出推力F′として伝達
されることとなる。
そして、変速装置は、駆動及び従動プーリ1
0,16間の開閉力が逆になつて両プーリ10,
16間の開閉力が部分的に互いに相殺し合うよう
に両カム機構22,30の円筒カム24,32同
士が連結され、一方のカム機構22(又は30)
の取出推力F1′(又はF2′)を他方のカム機構30
(又は22)のベルト推力に利用するようにして
いることから、変速装置の変速比が一定で変速切
換えを行わないときには、第7図及び第8図に示
すように、上記取出推力F1′,F2′は本実施例の場
合(第8図a参照)が従来の場合(第8図b参
照)よりも大きくなるものの、駆動側及び従動側
で取出推力F1′,F2′は同じとなり、これらが互い
に相殺し合い、推力の取出効率は従来の場合と同
じである。ところが、変速比を変化させるときに
は、第9図に示すように、ベルト発生推力Fと取
出推力F1′,F2′との差が変速操作に必要な荷重
(操作力)であるので、従来の場合(第9図b参
照)では、取出推力F1′,F2′が小さい分だけ残り
の操作力が大きくなるのに対し、この実施例(第
9図a参照)では、取出推力F1′,F2′が大きいこ
とから、その分、逆に操作力が小さくて済むこと
とになる。その結果、円筒カム24,32のカム
面24a,32aにローラ取付台27,37のロ
ーラ29,39が転動可能にカム接触することと
相俟つて、駆動及び従動軸3,6間の変速切換操
作を小さな操作力でもつてスムーズに行うことが
でき、緊急時でも変速比を素早く切り換えること
ができる。
また、従動プーリ16側の第2カム機構30の
円筒カム32に、先端部34aが従動プーリ16
を越えて第2カム機構30と反対側に延びる操作
レバー取付部材34が突設され、この取付部材3
4の先端部34aと駆動プーリ10側の第1カム
機構22の円筒カム24とは1本の直棒状リンク
41で連結され、このリンク41は駆動及び従動
軸3,6と直交する平面と略平行に延びているの
で、操作レバー取付部材34を設けずに円筒カム
24,32の外周同士を直接1本のリンクで連結
するために該リンクを駆動及び従動軸3,6との
直交平面と交差するように斜めに配置した場合に
比べ、上記一方のカム機構22(又は30)の取
出推力を他方のカム機構30(又は22)に効率
よく伝達することができ、変速操作力をさらに低
減することができる。
また、この実施例では、カム24,32とカム
フオロワたるローラ取付台27,37との接触は
カム24,32のカム面24a,32a上をそれ
ぞれ転動するローラ29,39に転がり接触であ
るので、カム面24a,32aの磨耗の度合が少
なく、プーリ10,16の位置決め精度が良くな
るとともに、切換操作力を長期間に亘つて軽減保
持することができ、さらには潤滑油メンテンナン
スを不要とすることができる。
しかも、上記変速切換機構48が直棒状のリン
ク41を有しているので、両プーリ10,16の
カム機構22,30同士が該リンク41により高
い剛性で連結され、操作レバーの操作力が無駄な
く伝達されてそのロスを低減することができる。
また、上記の如き変速切換えの際、過渡的に、
リンク41とボールジヨイント40とが一方のば
ね46を縮めかつ他方のばね46を縮めながら相
対移動する。しかし、定常状態になると両ばね4
6,46は元の長さに戻り、両ばね46,46の
釣合いによつてボールジヨイント40が所定位置
に保持され、駆動軸3および従動軸6間の変速比
が一定に保持される。この変速比が一定の定常状
態において、駆動プーリ10がエンジン側に、従
動プーリ16が車体側にそれぞれ支持されて両者
の振動系が異なるため、エンジン側振動系である
駆動プーリ10側の振動がリンク41及びボール
ジヨイント40を通して車体側振動系である従動
プーリ16の第2カム機構30に伝達されようと
する。すなわち、その振動に伴い、リンク41が
ボールジヨイント40に対して相対移動するが、
その移動は上記ばね46,46が伸縮することで
減衰されることとなる。このため、エンジン振動
の伝達により第2カム機構30の作動状態が変化
して従動プーリ16の可動シエイブ19が軸方向
に移動することはなく、従動プーリ16の不安定
な開閉をなくして変速比を定常状態に安定させる
ことができる。その結果、可動シエイブ19と従
動軸6との間の摺動部等が早期に磨耗するのを防
止できるとともに、プーリ16の開閉に伴うベル
トBの径方向の移動をなくし、その発熱を抑えて
ベルトBの耐久性を向上させることができる。
また、この場合、リンク41は直棒状であるの
で、変速切換機構48の配置スペースが小さくて
済み、そのレイアウトを容易化することができ
る。よつて変速切換機構48の配置レイアウトの
容易化と、直棒状のリンク41の採用による振動
伝達の抑制との両立を図ることができる。
尚、上記実施例では、操作レバー取付部材34
を従動側の第2カム機構30の円筒カム32に取
り付けたが、駆動側の第1カム機構22の円筒カ
ム24に取り付け、その先端部34aを駆動プー
リ10の外周側を越えて第1カム機構22と反対
側に延びるように配置してもよく、その場合、リ
ンク41は第3図で上側に配置される。
また、本考案は、田植機以外の農業機械やその
他の機械における変速装置に適用することができ
るのは勿論のことである。
最後に、具体例について説明するに、上記実施
例の構成を有する変速装置を7馬力タイプの田植
機に装備し、ローラ取付台(カムフオロワ)にロ
ーラが取り付けられていない従来型のもの(従来
例)と操作力比較の試験を行つたところ、従来例
では20〜14Kgfの切換操作力を要したのに対し、
ローラを有する本実施例では7〜5Kgfの操作力
で済み、よつて切換操作力を従来例に比べて半分
以下に低減することができることが判る。
(考案の効果) 以上の如く、請求項(1)記載の考案によると、互
いに平行に配置された1対の回転軸上にそれぞれ
一方の可動シエイブの固定シエイブへの向きと他
方の可動シエイブの固定シエイブへの向きとが互
いに逆向きになるように設けられた駆動及び従動
プーリと、この両プーリ間に巻き掛けられたベル
ト部材と、各プーリの可動シエイブ背面側に配置
され、回転軸と同心で円筒状の固定及び回動カム
の相対回転により該可動シエイブを軸方向に移動
させて固定シエイブに接離させるカム機構と、駆
動及び従動プーリの一方の可動シエイブが固定シ
エイブに接近すると、他方のプーリの可動シエイ
ブが固定シエイブから離れるように両カム機構を
連動させて、両回転軸間の変速比を変化させる変
速切換機構とを備えた可変プーリ式の変速装置に
対し、可動シエイブにベアリングを介して連結さ
れる回動カムの連結位置を可動シエイブのボス部
外周とするとともに、固定及び回動カムの接触構
造をカム面と該カム面上を転動する転動体との接
触構造とし、さらに変速切換機構は、一方のカム
機構の回動カムに突設されかつ先端部が可変プー
リを越えて該カム機構と反対側に延びる連結部材
と、回転軸と直交する平面と略平行に延び、かつ
上記連結部材の先端部と他方のカム機構の回動カ
ムとを、両カム機構の回動カム同士が回転軸回り
に連係して回動するように連結する1本の直棒状
のリンクとを有するものとしたことにより、可動
シエイブのボス部外周をベアリングを介して回転
軸の軸心に向かう方向に作用するカム回転反力を
発生させて、可動シエイブにベルトからの推力に
よつて生じるモーメントを上記カム回転反力によ
るモーメントにより相殺して小さくし、可動シエ
イブのボス部の軸心方向の面圧分布のピークを抑
制してその軸方向の摺動抵抗を低減させることが
でき、ベルト発生推力がカムへの連結点に与える
取出推力を大きくして、これらベルト発生推力と
取出推力との差としての操作力を小さくすること
ができる。また、変速切換機構における1本の直
棒状のリンクにより、両可変プーリのカム機構に
おける回動カム同士を高い剛性で連結して操作力
を無駄なく伝達し、そのロスを低減することがで
きるとともに、一方のカム機構の取出推力を他方
のカム機構に効率よく伝達することができ、回動
カムと固定カムとが転動体を介してカム接触する
ことと相俟つて変速操作力を大幅に低減でき、緊
急時の素早い対処を図ることができ、よつて田植
機等に最適で実用性に優れた変速装置を実現する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
図面は本考案の一実施例を示し、第1図はカム
機構の拡大斜視図、第2図は変速装置の正面部、
第3図は同断面図である。第4図はベルト発生推
力とリンクとに加えられる力の関係からカム回転
反力の作用状態を示す概略平面図、第5図は同概
略正面図、第6図はカム回転反力による可動シエ
イブのボス部の回転軸に対する面圧分布を示す説
明図、第7図は両プーリにおけるベルト発生推力
及び取出推力の関係を示す説明図、第8図は非変
速操作時の両プーリにおける取出推力同士の関係
を示す説明図、第9図は変速操作時の図8相当図
である。 3……駆動軸(回転軸)、6……従動軸(回転
軸)、10……駆動プーリ(可変プーリ)、12…
…固定シエイブ、13……可動シエイブ、13a
……ボス部、15……ベルト溝、16……従動プ
ーリ(可変プーリ)、18……固定シエイブ、1
9……可動シエイブ、19a……ボス部、21…
…ベルト溝、22,30……カム機構、23,3
1……ベアリング、24,32……円筒カム(回
動カム)、24a,32a……カム面、27,3
7……ローラ取付台(固定カム)、29,39…
…カム用ローラ(転動体)、34……操作レバー
取付部材(連結部材)、34a……先端部、41
……リンク、48……変速切換機構、B……Vベ
ルト。

Claims (1)

  1. 【実用新案登録請求の範囲】 互いに平行に配置された1対の回転軸と、 該各回転軸に回転一体にかつ軸方向に移動不能
    に固定された固定シエイブ、及び各回転軸に回転
    一体にかつ軸方向に移動可能にボス部にて支持さ
    れ、上記固定シエイブとの間に断面V字状のベル
    ト溝を形成する可動シエイブからなり、一方の可
    動シエイブの固定シエイブへの向きと他方の可動
    シエイブの固定シエイブへの向きとが互いに逆向
    きにされた1対の可変プーリと、 該両可変プーリのベルト溝間に巻き掛けられた
    伝動ベルトと、 上記各可変プーリの可動シエイブを固定シエイ
    ブに対し接離させて可変プーリのプーリ径を変化
    させる1対のカム機構と、 上記両可変プーリのプーリ径が互いに逆方向に
    変化するように上記両カム機構を連動させて両回
    転軸間の変速比を可変とする変速切換機構とを備
    えてなり、 上記各カム機構は、可変プーリの可動シエイブ
    のボス部上にベアリングを介して回転可能に支持
    された円筒状の回動カムと、該回動カムにカム接
    触する固定カムとを有し、回動カム又は固定カム
    の一方にカム面が形成されている一方、他方に該
    カム面に転動しながら接触する転動体が設けられ
    ていて、回動及び固定カムの相対回動により可動
    シエイブを軸方向に移動させるように構成され、 上記変速切換機構は、一方の可変プーリのカム
    機構の回動カムに突設されかつ先端部が上記一方
    の可変プーリを越えて該カム機構と反対側に延び
    る連結部材と、 回転軸と直交する平面と略平行に延び、かつ上
    記連結部材の先端部と他方の可変プーリのカム機
    構の回動カムとを、両カム機構の回動カム同士が
    回転軸回りに連係して回動するように連結する1
    本の直棒状のリンクとを有することを特徴とする
    プーリ式変速装置。
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