JP3488990B2 - 摩擦車式無段変速機 - Google Patents

摩擦車式無段変速機

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JP3488990B2
JP3488990B2 JP00005196A JP5196A JP3488990B2 JP 3488990 B2 JP3488990 B2 JP 3488990B2 JP 00005196 A JP00005196 A JP 00005196A JP 5196 A JP5196 A JP 5196A JP 3488990 B2 JP3488990 B2 JP 3488990B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トロイダル型無段
変速機に代表される摩擦車式無段変速機、特にその変速
制御部に関するものである。
【0002】
【従来の技術】摩擦車式無段変速機は、トロイダル型無
段変速機について説明すると、例えば特開平4−296
59号公報に記載の如くに変速制御部を構成したり、図
4に例示するように変速制御部を構成するのが普通であ
る。
【0003】図4において、aは、図示せざる入出力コ
ーンディスク(回転軸線が図面の左右方向に延在する)
間で回転動力の受渡しを行うパワーローラ(図示せず)
を回転自在に支持するトラニオンを示す。このトラニオ
ンaは、パワーローラ回転軸線(図面直角方向に延在す
る)を入出力コーンディスクの回転軸線と交差した中立
位置から、パワーローラ回転軸線と直交する首振り軸線
3 の方向へオフセットさせ得るよう変位可能とし、且
つ首振り軸線O3 の周りに傾転可能とする。
【0004】これがためトラニオンaには、首振り軸線
3 の方向へ延在するようシャフトbを固着し、該シャ
フトbの外周に、上記トラニオンaの変位(パワーロー
ラのオフセット)を行わせるためのピストンcを設け
る。そしてシャフトbは、ピストンcを受容したシリン
ダボディーd、およびピストンcの作動圧を発生させる
ための変速制御用コントロールバルブボディーeに順次
貫通させる。
【0005】コントロールバルブボディーeは、変速比
指令に応じた作動圧をピストンcに向かわせ、ピストン
cはシャフトbを介してトラニオンaを、パワーローラ
回転軸線が入出力コーンディスクの回転軸線と交差した
中立位置から変速比指令に対応した首振り軸線(O3
方向へオフセットされるよう変位させる。この時パワー
ローラは、入出力コーンディスクからの分力で軸線O3
の周りに対応方向へ傾転され、入出力コーンディスクに
対する接触軌跡円弧径の連続的な変化により無段変速を
行うことができる。
【0006】ところで、コントロールバルブボディーe
から突出するシャフトbの先端にはプリセスカムfが固
設されており、このプリセスカムfを介して上記のオフ
セットおよび傾転がコントロールバルブボディーe(詳
しくは、図示せざる変速制御弁)にフィードバックされ
る。このフィードバックにより、変速の進行につれてト
ラニオンaがピストンcを介し原位置に戻され、変速比
が変速比指令に一致したところで、パワーローラを上記
の中立位置に復帰せしめ、変速比を変速比指令に対応し
た値に保持する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のトロイ
ダル型無段変速機にあっては、トラニオンaに固着する
シャフトbを、トラニオンaからプリセスカムfに至る
全長に亘って同様の構成にすることから、シャフトbは
曲げ強度も全長に亘ってほぼ同じであったため、以下の
問題を生ずる懸念があった。
【0008】ここで、入出力コーンディスクとパワーロ
ーラとの間における回転伝動を考察するに、これが、入
出力コーンディスクとパワーローラとの間における油膜
の剪断によってなされていることから、パワーローラ
は、入出力コーンディスク間に伝達トルク対応の強大な
力で挟圧する。これがため、パワーローラは入出力コー
ンディスク間から追い出される方向の大きな力を受ける
ことになる。そこで、この力によっても各トラニオンa
が横方向に位置ずれすることのないようにするために、
各トラニオンaは下端同士をロアリンクgにより横方向
に拘束すると共に、上端同士も同様な図示せざるアッパ
リンクにより横方向に拘束する。
【0009】従ってトラニオンaが、パワーローラ挟圧
力に起因してロアリンクgおよびアッパリンクを支点と
して変形するのを禁じ得ず、この変形でシャフトbは傾
斜することになる。ところで、シャフトbの曲げ強度を
全長に亘ってほぼ同じにする従来の構成では、シャフト
bの外周がコントロールバルブボディーeに対し強力に
一方向へ押しつけられる。この傾向は、プリセスカムf
を取り付けるべきシャフトb(通常は1本)のように、
シリンダボディーdとコントロールバルブボディーeの
双方に貫通させるシャフトの場合、シャフト長が長くな
ることもあって特に顕著となり、コントロールバルブボ
ディーeとの干渉でプリセスカムfを介した前記オフセ
ットおよび傾転のフィードバックが遅れて変速の応答性
が損なわれたり、コントロールバルブボディーeとの干
渉で発生した塵で耐久性が損なわれたりする。
【0010】加えて従来のトロイダル型無段変速機で
は、プリセスカムfを取り付けるべきシャフトbのよう
に、シリンダボディーdとコントロールバルブボディー
eの双方に貫通させるシャフトの場合、パワーローラに
潤滑油を向かわせるために設けられた中心孔hへの潤滑
油の供給を、コントロールバルブボディーeから油路i
を経て行うよう構成するが、シリンダボディーdのみに
貫通させるシャフトjの場合、パワーローラに潤滑油を
向かわせるために設けられた中心孔kへの潤滑油の供給
を、シリンダボディーdから油路mを経て行うよう構成
するのが常套であった。
【0011】これがため、少なくともプリセスカムfを
取り付けるべきシャフトbに係わるパワーローラ潤滑油
路長が、他のシャフトjに係わるパワーローラ潤滑油路
長よりも長くなって、前者に係わるパワーローラ潤滑油
量が後者に係わるパワーローラ潤滑油量に比して少なく
なるというアンバランスを惹起し、潤滑不良の発生が懸
念される。
【0012】さらに、少なくともプリセスカムfを取り
付けるべきシャフトbと、他のシャフトjとの間で構造
が異なり、部品の共通化が阻害され、コスト的にも不利
になるという問題があった。
【0013】なお、プリセスカムfの位置に関しては現
在までのところ、コントロールバルブボディーe内にお
ける変速制御弁の配置に鑑み、或いは、プリセスカムf
をシリンダボディーdとコントロールバルブボディーe
との間に配置することが設計上困難である事実から、コ
ントロールバルブボディーeの下方以外に考えられない
ことを付言する。
【0014】本発明は、これらの問題を解消するよう摩
擦車式無段変速機を改良することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】この目的のため第1発明
による摩擦車式無段変速機は、請求項1に記載のごと
く、摩擦車を介して入出力ディスク間で回転動力の受渡
しを行い、摩擦車を回転自在に支持した摩擦車支持部材
を、摩擦車回転軸線が入出力ディスク回転軸線と交差し
た中立位置から、摩擦車回転軸線と直交する首振り軸線
の方向へオフセットするよう変位させる時に生起され
る、摩擦車の前記首振り軸線周りにおける傾転により無
段変速を行うことができ、前記摩擦車支持部材の変位を
行わせるためのピストンを受容したシリンダボディー、
および該ピストンの作動圧を発生させるためのコントロ
ールバルブボディーを貫通して摩擦車支持部材にシャフ
トを固着し、該シャフトに前記ピストンを固着してこの
ピストンが前記シャフトを介して前記摩擦車支持部材の
変位を行うようになし、前記コントロールバルブボディ
ーを貫通して突出した前記シャフトの先端におけるプリ
セスカムを介して、前記オフセットおよび傾転をコント
ロールバルブボディーにフィードバックするようにした
摩擦車式無段変速機において、前記シャフトのコントロ
ールバルブボディー貫通部を残部に対して曲げ剛性が小
さくなるよう構成したことを特徴とするものである。
【0016】第2発明による摩擦車式無段変速機は、請
求項2に記載のごとく、上記第1発明において、上記シ
ャフトのコントロールバルブボディー貫通部を残部とは
別体物として、該残部に一体結合したことを特徴とする
ものである。
【0017】第3発明による摩擦車式無段変速機は、請
求項3に記載のごとく、上記第1発明または第2発明に
おいて、上記シャフトのコントロールバルブボディー貫
通部を残部よりも小径にしたことを特徴とするものであ
る。
【0018】第4発明による摩擦車式無段変速機は、請
求項4に記載のごとく、上記第3発明において、上記シ
ャフトの小径にしたコントロールバルブボディー貫通部
を、コントロールバルブボディーとの間に隙間が存在す
るよう該コントロールバルブボディーに遊嵌し、該隙間
に設けた1個の軸受により前記シャフトのコントロール
バルブボディー貫通部を径方向に位置決めしたことを特
徴とするものである。
【0019】第5発明による摩擦車式無段変速機は、請
求項5に記載のごとく、上記第4発明において、前記軸
受を前記プリセスカムに最も近い前記隙間内の位置に設
置したことを特徴とするものである。
【0020】第6発明による摩擦車式無段変速機は、請
求項6に記載のごとく、上記第4発明または第5発明に
おいて、前記シャフトのコントロールバルブボディー貫
通部と、前記軸受とを一体に構成したことを特徴とする
ものである。
【0021】第7発明による摩擦車式無段変速機は、請
求項7に記載のごとく、上記第6発明において、前記シ
ャフトのコントロールバルブボディー貫通部と、前記軸
受とを合成樹脂により一体成形したことを特徴とするも
のである。
【0022】第8発明による摩擦車式無段変速機は、請
求項8に記載のごとく、上記第1発明乃至第7発明のい
ずれかにおいて、全ての摩擦車支持部材に係わるシャフ
トが、個々の摩擦車に潤滑油を導くよう設けられた中心
孔への潤滑油の供給を、前記シリンダボディーから受け
るよう構成したことを特徴とするものである。
【0023】
【発明の効果】第1発明において摩擦車式無段変速機
は、摩擦車を介して入出力ディスク間で回転動力の受渡
しを行う。この動力伝達中に摩擦車支持部材を、コント
ロールバルブボディーからの作動圧に応動するピストン
でシャフトを介し、摩擦車回転軸線が入出力ディスク回
転軸線と交差した中立位置から、首振り軸線の方向へオ
フセットするよう変位させると、摩擦車は首振り軸線周
りにおける傾転を生起され、変速比を無段階に変化させ
ることができる。
【0024】この変速中、上記のオフセットおよび傾転
は、摩擦車支持部材から上記ピストンのシリンダボディ
ー、およびコントロールバルブボディーを貫通するよう
延在するシャフトの先端におけるプリセスカムを介し
て、コントロールバルブボディーにフィードバックさ
れ、このフィードバックによりコントロールバルブボデ
ィーは、ピストンを介して摩擦車支持部材を上記の中立
位置に戻し、変速を終了させる。
【0025】ところで第1発明においては、上記シャフ
トのコントロールバルブボディー貫通部を残部に対して
曲げ剛性が小さくなるよう構成したことから、摩擦車が
入出力ディスク間に挟圧されることで生ずる摩擦車支持
部材の変形に伴いシャフトが傾斜しようとする時、この
傾斜が上記曲げ剛性の小さなコントロールバルブボディ
ー貫通部において吸収されることとなる。従って、シャ
フトの外周がコントロールバルブボディーに対し強力に
一方向へ押しつけられることがなくなり、シャフトがコ
ントロールバルブボディーと干渉するのを防止すること
ができる。よって、プリセスカムを介したオフセットお
よび傾転のフィードバックが遅れて変速の応答性が損な
われるのを防止し得るし、シャフトがコントロールバル
ブボディーとの干渉で塵を発生させることもなく、当該
塵により耐久性が損なわれるといったこともなくなる。
【0026】第2発明においては、上記シャフトのコン
トロールバルブボディー貫通部を残部に対して曲げ剛性
が小さくなるよう構成するに際し、当該シャフトのコン
トロールバルブボディー貫通部を残部とは別体物とし
て、該残部に一体結合したことから、シャフトのコント
ロールバルブボディー貫通部を単に、残部と異なる柔ら
かい材料で作るだけで、第1発明の目的を簡単且つ安価
に達成することができる。
【0027】第3発明においては、上記シャフトのコン
トロールバルブボディー貫通部を残部に対して曲げ剛性
が小さくなるよう構成するに際し、当該シャフトのコン
トロールバルブボディー貫通部を残部よりも小径にした
ことから、シャフトのコントロールバルブボディー貫通
部を残部と同じ材料で作っても、第1発明の目的を達成
することができ、設計の選択肢を増やすことができると
共に、上記の小径化によりコントロールバルブボディー
に対するシャフトの貫通断面積が小さくなって、コント
ロールバルブボディーのスペース効率を高めることがで
きる。
【0028】第4発明においては、上記シャフトのコン
トロールバルブボディー貫通部を残部に対し小径にして
曲げ剛性が小さくなるよう構成するに際し、当該シャフ
トの小径にしたコントロールバルブボディー貫通部を、
コントロールバルブボディーとの間に隙間が存在するよ
う該コントロールバルブボディーに遊嵌し、該隙間に設
けた1個の軸受によりシャフトのコントロールバルブボ
ディー貫通部を径方向に位置決めしたことから、シャフ
トのコントロールバルブボディー貫通部を残部と同じ材
料で作るにしても、残部より柔らかい材料で作るにして
も、シャフトのコントロールバルブボディー貫通部を極
めて曲げ剛性の小さなものにすることができ、第1発明
の目的を一層完璧に奏し得る。
【0029】第5発明においては、上記軸受を前記プリ
セスカムに最も近い前記隙間内の位置に設置したことか
ら、シャフトのコントロールバルブボディー貫通部を第
4発明にも増して曲げ剛性の小さなものにすることがで
き、第1発明の目的を更に一層完璧に奏し得る。
【0030】第6発明においては、前記シャフトのコン
トロールバルブボディー貫通部と、前記軸受とを一体に
構成したことから、部品点数を減じて組み立て作業を容
易にし得るし、低廉化を図ることができる。
【0031】第7発明においては、前記シャフトのコン
トロールバルブボディー貫通部と、前記軸受とを合成樹
脂により一体成形したことから、これらの製作が容易と
なり、第6発明よりも一層、低廉化を促進させることが
できる。
【0032】第8発明においては、全ての摩擦車支持部
材に係わるシャフトが、個々の摩擦車に潤滑油を導くよ
う設けられた中心孔への潤滑油の供給を、前記シリンダ
ボディーから受けるよう構成したことから、各摩擦車に
対する潤滑油が共通なシリンダボディーから供給される
こととなり、全ての摩擦車潤滑油路の流路長、従って流
路抵抗がほぼ同じになり、潤滑不良となる摩擦車の存在
を解消することができる。
【0033】また、特に第2発明を引用した第8発明に
おいては、シャフトの前記残部に関して構成が同じにな
る結果、当該残部を構成する部品の共通化を図ることが
でき、低廉化に大いに寄与する。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づき詳細に説明する。図1および図2は、本発明一
実施の形態になるトロイダル型無段変速機を示し、この
トロイダル型無段変速機は、トロイダル伝動ユニットを
2個1組として設け、伝動容量を大きくしたダブルキャ
ビティ式トロイダル型無段変速機とする。
【0035】前方のトロイダル伝動ユニットは図1に明
示するように、同軸に対向配置した入出力コーンディス
ク(入出力ディスク)1,2と、これら入出力コーンデ
ィスク間で摩擦係合により回転動力の受渡しを行う一対
の向き合わせたパワーローラ(摩擦車)3と、該パワー
ローラを個々に回転自在に支持するトラニオン(摩擦車
支持部材)4とで構成する。後方のトロイダル伝動ユニ
ットも、図2にトラニオン(摩擦車支持部材)5のみを
示すが、前方のトロイダル伝動ユニットと同様に構成す
る。ここで、前方のトロイダル伝動ユニットと後方のト
ロイダル伝動ユニットとは、両者の出力コーンディスク
を背中合わせに一体結合して、コーンディスク回転軸線
1 (図1参照)上に同軸に配置し、入力コーンディス
クに回転動力を等しく伝達するよう配置する。
【0036】全てのトラニオン4,5の上端同士を、ア
ッパリンク6により横方向に拘束し、下端同士をロアリ
ンク7により横方向に拘束する。しかして、各トラニオ
ン4,5と、両リンク6,7との間は球面継手8により
連節させ、これにより各トラニオン4,5を個々に、そ
して隣り合うもの同士が相互に逆方向へ、パワーローラ
回転軸線O2 と直交する首振り軸線O3 の方向へストロ
ークし得るようにするほか、各トラニオン4,5を個々
に、首振り軸線O3 の周りでパワーローラ3と共に傾転
し得るようにする。
【0037】次に変速制御部を説明するに、前方のトロ
イダル伝動ユニットにおける両トラニオン4のうち、プ
リセスカム9を設けるべき一方のトラニオン4の下端に
は、インナシャフト10、アウタシャフト11および延
長シャフト12よりなるシャフトを設ける。インナシャ
フト10はトラニオン4の下端面に植設し、アウタシャ
フト11はインナシャフト10上に嵌挿した後、インナ
シャフト10に螺入したボルト13により当該インナシ
ャフト10に抜け止め固定する。そして、アウタシャフ
ト11の外周にピストン14を一体成形し、このピスト
ン14をシリンダボディー15内に収容し、インナシャ
フト10およびアウタシャフト11の長さをそれぞれ、
シリンダボディー15を丁度貫通する長さとする。
【0038】延長シャフト12は、上端をボルト13の
ヘッドに螺入させると共にロックナット16により弛緩
防止してインナシャフト10に取着する。この延長シャ
フト12を、シリンダボディー15の下方にあってピス
トン14の作動圧を発生させる変速制御弁1を内蔵し
たコントロールバルブボディー1に貫通させ、コント
ロールバルブボディー1から突出する延長シャフト1
2の下端にプリセスカム9を取り付ける。かくて延長シ
ャフト12は、インナシャフト10、アウタシャフト1
1および延長シャフト12よりなるシャフトのコントロ
ールバルブボディー貫通部を構成し、インナシャフト1
0およびアウタシャフト11は当該シャフトの残部を構
成する。
【0039】ここで延長シャフト12は、インナシャフ
ト10よりも小径にして、インナシャフト10およびア
ウタシャフト11と同じ材料で作ったとしても、曲げ剛
性が小さなものとなるようにし、これを助長するため
に、コントロールバルブボディー1に形成する延長シ
ャフト貫通孔19の内径を延長シャフト12の外径より
も大きくして両者間に環状隙間を設定すると共に、該環
状隙間のプリセスカム9に最も近い端部に配置した軸受
20により延長シャフト12を径方向に位置決めする。
【0040】プリセスカム9のカム面には、ベルクラン
クレバー型変速リンク21の一端を共働させ、変速
ク21の他端を変速制御弁17に当接させる。ここで変
速制御弁17は、相互に摺動自在に嵌合した内外弁体1
7a、17bを具え、変速比指令をラック17cを介し
て内弁体17aに入力され、これに伴う内外弁体17
a、17bの相対ストロークにより変速比指令に対応し
た作動圧をピストン14に供給して、後述のように変速
を進行させるものとする。更に変速制御弁17は後述の
ように、当該変速の進行をプリセスカム9から変速リン
ク21を介して外弁体17bにフィードバックされ、変
速の進行につれて内外弁体17a、17bを元の相対ス
トローク位置に戻されることで、変速を終了するものと
する。
【0041】前方のトロイダル伝動ユニットにおける両
トラニオン4のうち、図1の右側に配置された他方のト
ラニオン4、つまりプリセスカム9を設置しない他方の
トラニオン4の下端に設けるべきシャフトや、図2の右
側に一方のみが図示されている、後方のトロイダル伝動
ユニットにおける両トラニオン5の下端に設けるべきシ
ャフトはそれぞれ、前記したインナシャフト10および
アウタシャフト11のみを具え、延長シャフト12を有
しない構成とする。つまり、インナシャフト10は対応
するトラニオン4,5の下端面に植設し、アウタシャフ
ト11はインナシャフト10上に嵌挿した後、インナシ
ャフト10に螺入したボルト13により当該インナシャ
フト10に抜け止め固定する。そして、アウタシャフト
11の外周にピストン14を一体成形し、このピストン
14をシリンダボディー15内に収容し、インナシャフ
ト10およびアウタシャフト11の長さをそれぞれ、シ
リンダボディー15を丁度貫通する長さとする。
【0042】次いで、各パワーローラ3に対する潤滑油
路構造を説明する。個々のパワーローラ3へ潤滑油を導
くために設けられた各インナシャフト10の中心孔10
aに対する潤滑油の供給を、全て同じようにシリンダボ
ディー15から行うようにする。これがため、図2に明
示するようにシリンダボディー15に、前方のトロイダ
ル伝動ユニット用のオイルギャラリ22を形成すると共
に、後方のトロイダル伝動ユニット用のオイルギャラリ
23を形成し、これらオイルギャラリと、対応する中心
孔10aとの間に、連絡油路24を設ける。
【0043】上記実施の形態になるトロイダル型無段変
速機の作用を次に説明する。変速制御弁17は、変速比
指令により内弁体17aをストロークされると、外弁体
17bとの相対位置変化により、変速比指令に応じた作
動圧を各ピストン14に向かわせ、ピストン14はトラ
ニオン4,5を隣り合うもの同士相互逆向きに、そして
同速度で同じ量だけ、首振り軸線O3 方向へストローク
させる。これによりパワーローラ3は、パワーローラ回
転軸線O2 が入出力コーンディスクの回転軸線O1 と交
差した中立位置から変速比指令に対応した首振り軸線
(O3 )方向へオフセットされる。この時各パワーロー
ラ3は、入出力コーンディスク1,2からの分力で首振
り軸線O3 の周りに同位相で傾転され、入出力コーンデ
ィスク1,2に対する接触軌跡円弧径の連続的な変化に
より、無段変速を行わせることができる。
【0044】上記パワーローラ3のオフセットおよび傾
転は、シャフト10〜12を介してプリセスカム9に伝
達され、その後、変速リンク21を経て変速制御弁17
の外弁体17bにフィードバックされる。このフィード
バックにより、外弁体17bは変速の進行につれて内弁
体17aの上記ストロークに追従するよう変位され、内
外弁体17a,17bの相対ストローク位置が元に戻
る。よって、変速比が変速比指令に一致したところで、
パワーローラ3を上記の中立位置に復帰され、変速比を
変速比指令に対応した値に保持することができる。
【0045】ところで本実施の形態においては、プリセ
スカム9を駆動するシャフトのコントロールバルブボデ
ィー貫通部を成す延長シャフト12を、シャフト残部1
0,11に対して曲げ剛性が小さな構成としたから、パ
ワーローラ3が入出力コーンディスク1,2間に挟圧さ
れる時に生ずるトラニオン4の変形に伴いシャフト1
0,11,12が傾斜する際、この傾斜が上記曲げ剛性
の小さな延長シャフト12において吸収されることとな
る。従って、延長シャフト12の外周がコントロールバ
ルブボディー18に対し強力に一方向へ押しつけられる
ことがなくなり、シャフト12がコントロールバルブボ
ディー18と干渉するのを防止することができる。よっ
て、プリセスカム9を介したオフセットおよび傾転のフ
ィードバックが遅れて変速の応答性が損なわれるのを防
止し得るし、シャフト12がコントロールバルブボディ
ー18との干渉で塵を発生させることもなく、当該塵に
より耐久性が損なわれるといったこともなくなる。
【0046】また本実施の形態においては、上記延長シ
ャフト12の曲げ剛性を小さくするに際し、該延長シャ
フト12をインナシャフト10およびアウタシャフト1
1とは別体物として、インナシャフト10に一体結合
し、且つ、延長シャフト12をインナシャフト10より
も小径にして軸受20により横方向に拘束したことか
ら、延長シャフト12をインナシャフト10およびアウ
タシャフト11と同じ材料で作っても、上記の作用効果
を達成することができ、設計の選択肢を増やすことがで
きるほか、上記延長シャフト12の小径化によりコント
ロールバルブボディー18に対するシャフト12の貫通
断面積が小さくなって、コントロールバルブボディー1
8のスペース効率を高めることができる。
【0047】更に、延長シャフト12を小径化にするだ
けでなく、コントロールバルブボディー18に設けた延
長シャフト貫通孔19との間に隙間を設定することか
ら、延長シャフト12を極めて曲げ剛性の小さなものに
することができ、前記の作用効果を一層完璧に奏し得
る。
【0048】図3は、本発明の他の実施の形態を示し、
この形態においては、延長シャフト12がプリセスカム
9への前記フィードバックを実現するだけでよいことか
ら、延長シャフト12を軸受20とともに、フッ素樹脂
等の合成樹脂で一体成形したものである。
【0049】この場合、延長シャフト12の材料故に、
これを一層曲げ剛性の小さなものにすることができ、前
記の作用効果を更に一層完璧に奏し得るし、延長シャフ
ト12と軸受20とを一体に成形したことから、部品点
数を減じて組み立て作業を容易にし、低廉化を図ること
ができる。
【0050】なお、図1および図2の構成を採用するに
しても、図3の構成を採用するにしても、潤滑油をパワ
ーローラ3に導くためにインナシャフト10に形成した
中心孔10aへのオイルの供給を、どの中心孔10aの
場合も、シリンダボディー15から行うよう構成したた
め、全てのパワーローラ3に対する潤滑油路の流路長、
従って流路抵抗がほぼ同じになり、潤滑不良となるパワ
ーローラの存在を解消することができる。
【0051】また同様の理由から、インナシャフト10
およびアウタシャフト11に関する構成を、全てのトラ
ニオン4,5について同じにすることができ、部品の共
通化を図って、低廉化を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明一実施の形態になるトロイダル型無段変
速機を示す、図2のA−A線上で断面とし矢の方向に見
た要部横断正面図である。
【図2】同トロイダル型無段変速機を図1のB−B線上
で断面として矢の方向に見た要部縦断側面図である。
【図3】本発明の他の実施の形態になるトロイダル型無
段変速機を示す、図2と同様な要部縦断側面図である。
【図4】従来のトロイダル型無段変速機を示す図2と同
様な要部縦断側面図である。
【符号の説明】
1 入力コーンディスク(入力ディスク) 2 出力コーンディスク(出力ディスク) 3 パワーローラ(摩擦車) 4 トラニオン(摩擦車支持部材) 5 トラニオン(摩擦車支持部材) 6 アッパリンク 7 ロアリンク 9 プリセスカム 10 インナシャフト(シャフト) 10a パワーローラ潤滑用中心孔 11 アウタシャフト(シャフト) 12 延長シャフト(シャフト) 14 ピストン 15 シリンダボディー 16 ロックナット 17 変速制御弁 18 コントロールバルブボディー 20 軸受 21 変速リンク 22 オイルギャラリ 23 オイルギャラリ 24 連絡油路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16H 15/38

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 摩擦車を介して入出力ディスク間で回転
    動力の受渡しを行い、 摩擦車を回転自在に支持した摩擦車支持部材を、摩擦車
    回転軸線が入出力ディスク回転軸線と交差した中立位置
    から、摩擦車回転軸線と直交する首振り軸線の方向へオ
    フセットするよう変位させる時に生起される、摩擦車の
    前記首振り軸線周りにおける傾転により無段変速を行う
    ことができ、 前記摩擦車支持部材の変位を行わせるためのピストンを
    受容したシリンダボディー、および該ピストンの作動圧
    を発生させるためのコントロールバルブボディーを貫通
    て摩擦車支持部材にシャフトを固着し 該シャフトに前記ピストンを固着してこのピストンが前
    記シャフトを介して前記摩擦車支持部材の変位を行うよ
    うになし、 前記コントロールバルブボディーを貫通して突出した前
    シャフトの先端におけるプリセスカムを介して、前記
    オフセットおよび傾転をコントロールバルブボディーに
    フィードバックするようにした摩擦車式無段変速機にお
    いて、 前記シャフトのコントロールバルブボディー貫通部を残
    部に対して曲げ剛性が小さくなるよう構成したことを特
    徴とする摩擦車式無段変速機。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記シャフトのコン
    トロールバルブボディー貫通部を残部とは別体物とし
    て、該残部に一体結合したことを特徴とする摩擦車式無
    段変速機。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、前記シャフ
    トのコントロールバルブボディー貫通部を残部よりも小
    径にしたことを特徴とする摩擦車式無段変速機。
  4. 【請求項4】 請求項3において、前記シャフトの小径
    にしたコントロールバルブボディー貫通部を、コントロ
    ールバルブボディーとの間に隙間が存在するよう該コン
    トロールバルブボディーに遊嵌し、該隙間に設けた1個
    の軸受により前記シャフトのコントロールバルブボディ
    ー貫通部を径方向に位置決めしたことを特徴とする摩擦
    車式無段変速機。
  5. 【請求項5】 請求項4において、前記軸受を前記プリ
    セスカムに最も近い前記隙間内の位置に設置したことを
    特徴とする摩擦車式無段変速機。
  6. 【請求項6】 請求項4または5において、前記シャフ
    トのコントロールバルブボディー貫通部と、前記軸受と
    を一体に構成したことを特徴とする摩擦車式無段変速
    機。
  7. 【請求項7】 請求項6において、前記シャフトのコン
    トロールバルブボディー貫通部と、前記軸受とを合成樹
    脂により一体成形したことを特徴とする摩擦車式無段変
    速機。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし7のいずれか1項におい
    て、全ての摩擦車支持部材に係わるシャフトが、個々の
    摩擦車に潤滑油を導くよう設けられた中心孔への潤滑油
    の供給を、前記シリンダボディーから受けるよう構成し
    たことを特徴とする摩擦車式無段変速機。
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