JP2004084816A - トロイダル型無段変速機 - Google Patents

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Abstract

【課題】組立作業が容易で、しかも、トラニオン7aの弾性変形時にもシリンダライナ33内でのピストン16の変位を円滑に行なわせて、安定した変速動作を行なえる構造を実現する。
【解決手段】上記トラニオン7aの下端部に設けた枢軸9の先端面に、雄ねじ部28を設ける。上記ピストン16の中心部に設けた有底円筒状のスリーブ29の開口部内周面に形成した雌ねじ30を上記雄ねじ部28に螺合させて、上記トラニオン7aと上記ピストン16とを結合固定する。この構成により、このトラニオン7aの変形が上記ピストン16に伝わりにくくする。又、このトラニオン7aと上記スリーブ29との結合作業を容易に行なえる様にして、上記課題を解決する。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、自動車用自動変速装置として利用する、ハーフトロイダル型のトロイダル型無段変速機の改良に関し、大きな動力を伝達する場合でも、変速比の変更を円滑に行なえる構造を実現する事を目的に発明したものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車用自動変速装置として、図3〜5に示す様なハーフトロイダル型のトロイダル型無段変速機を使用する事が研究され、一部で実施されている。このトロイダル型無段変速機は、ダブルキャビティ型と呼ばれるもので、入力軸1の両端部周囲に入力側ディスク2、2を、ボールスプライン3、3を介して支持している。従ってこれら両入力側ディスク2、2は、互いに同心に、且つ、同期した回転を自在に支持されている。又、上記入力軸1の中間部周囲に出力歯車4を、この入力軸1に対する相対回転を自在として支持している。そして、この出力歯車4の中心部に設けた円筒部の両端部に出力側ディスク5、5を、それぞれスプライン係合させている。従ってこれら両出力側ディスク5、5は、上記出力歯車4と共に、同期して回転する。
【0003】
又、上記各入力側ディスク2、2と上記各出力側ディスク5、5との間には、それぞれ複数個ずつ(通常2〜3個ずつ)のパワーローラ6、6を挟持している。これら各パワーローラ6、6は、それぞれトラニオン7、7の内側面に、支持軸8、8及び複数の転がり軸受を介して、回転自在に支持されている。上記各トラニオン7、7は、それぞれの長さ方向(図3、5の上下方向、図4の表裏方向)両端部にこれら各トラニオン7、7毎に互いに同心に設けられた、枢軸9、9を中心として揺動変位自在である。これら各トラニオン7、7を傾斜させる動作は、油圧式のアクチュエータ10、10により、これら各トラニオン7、7を上記枢軸9、9の軸方向に変位させる事により行なうが、総てのトラニオン7、7の傾斜角度は、油圧式及び機械式に互いに同期させる。
【0004】
即ち、前記入力軸1と出力歯車4との間の変速比を変えるべく、上記各トラニオン7、7の傾斜角度を変える場合には、上記各アクチュエータ10、10により上記各トラニオン7、7を、それぞれ逆方向に、例えば、図5の右側のパワーローラ6を同図の下側に、同図の左側のパワーローラ6を同図の上側に、それぞれ変位させる。この結果、これら各パワーローラ6、6の周面と上記各入力側ディスク2、2及び各出力側ディスク5、5の内側面との当接部に作用する、接線方向の力の向きが変化(当接部にサイドスリップが発生)する。そして、この力の向きの変化に伴って上記各トラニオン7、7が、支持板11、11に枢支された枢軸9、9を中心として、互いに逆方向に揺動(傾斜)する。この結果、上記各パワーローラ6、6の周面と上記入力側、出力側各ディスク2、5の内側面との当接位置が変化し、上記入力軸1と出力歯車4との間の回転変速比が変化する。
【0005】
上記各アクチュエータ10、10への圧油の給排状態は、これら各アクチュエータ10、10の数に関係なく1個の制御弁12により行ない、何れか1個のトラニオン7の動きをこの制御弁12にフィードバックする様にしている。この制御弁12は、ステッピングモータ13により軸方向(図5の左右方向)に変位させられるスリーブ14と、このスリーブ14の内径側に軸方向の変位自在に嵌装されたスプール15とを有する。又、上記各トラニオン7、7と上記各アクチュエータ10、10のピストン16、16とを連結する、これら各ピストン16、16の動きを上記各トラニオン7、7に伝達する為の伝達部材であるロッド17、17のうち、何れか1個のトラニオン7に付属のロッド17の端部にプリセスカム18を固定している。そして、このプリセスカム18とリンク腕19とを介して、上記ロッド17の動き、即ち、軸方向の変位量と回転方向との変位量との合成値を上記スプール15に伝達する、フィードバック機構を構成している。又、同一のキャビティ部分(互いに対向する入力側ディスク2と出力側ディスク5との間部分)に設置する1対のトラニオン7、7同士の間には同期ケーブル20を襷掛けで掛け渡して、これら両トラニオン7、7の傾斜角度を、機械的に同期させている。又、異なるキャビティに設置したトラニオン7、7同士の間にも、図示しない同期ケーブルを掛け渡している。
【0006】
変速状態を切り換える際には、上記ステッピングモータ13により上記スリーブ14を、得ようとする変速比に見合う所定位置にまで変位させて、上記制御弁12の所定方向の流路を開く。この結果、上記各アクチュエータ10、10に圧油が、所定方向に送り込まれて、これら各アクチュエータ10、10が上記各トラニオン7、7を所定方向に変位させる。即ち、上記圧油の送り込みに伴ってこれら各トラニオン7、7が、前記各枢軸9、9の軸方向に変位しつつ、これら各枢軸9、9を中心に揺動する。そして、上記何れか1個のトラニオン7の動き(軸方向及び揺動変位)が、上記ロッド17の端部に固定したプリセスカム18とリンク腕19とを介して上記スプール15に伝達され、このスプール15を軸方向に変位させる。この結果、上記トラニオン7が所定量変位した状態で、上記制御弁12の流路が閉じられ、上記各アクチュエータ10、10への圧油の給排が停止される。
【0007】
上述の様なトロイダル型無段変速機の運転時には、エンジン等の動力源に繋がる駆動軸21により一方(図3、4の左方)の入力側ディスク2を、図示の様なローディングカム式の、或は油圧式の押圧装置22を介して回転駆動する。この結果、前記入力軸1の両端部に支持された1対の入力側ディスク2、2が、互いに近づく方向に押圧されつつ同期して回転する。そして、この回転が、上記各パワーローラ6、6を介して上記各出力側ディスク5、5に伝わり、前記出力歯車4から取り出される。
【0008】
上記入力軸1と出力歯車4との回転速度を変える場合で、先ず入力軸1と出力歯車4との間で減速を行なう場合には、上記各アクチュエータ10、10により上記各トラニオン7、7を上記各枢軸9、9の軸方向に移動させ、これら各トラニオン7、7を揺動させる。そして、上各パワーローラ6、6の周面を、上記各入力側ディスク2、2の内側面の中心寄り部分と上記各出力側ディスク5、5の内側面の外周寄り部分とにそれぞれ当接させる。反対に、増速を行なう場合には、上記各トラニオン7、7を逆方向に揺動させ、上各パワーローラ6、6の周面を、上記各入力側ディスク2、2の内側面の外周寄り部分と上記各出力側ディスク5、5の内側面の中心寄り部分とに、それぞれ当接する様に、上記各トラニオン7、7を傾斜させる。これら各トラニオン7、7の傾斜角度を中間にすれば、図6に示した様な等速伝達状態を含め、入力軸1と出力歯車4との間で、中間の変速比(速度比)を得られる。
【0009】
上述の様に構成し作用するトロイダル型無段変速機で、上記各アクチュエータ10、10の動きを上記各トラニオン7、7に伝達する部分の構造に就いては、特許文献1或は特許文献2等、多くの刊行物に記載され、或は実施されて、広く知られている。図6は、従来から実施されている構造を示している。この従来構造の場合には、トラニオン7の一端部(下端部)に設けた枢軸9の中心部に形成した支持孔23に、ロッド17の基半部(上半部)を圧入し、ピン24により抜け止めを図っている。又、このロッド17の先半部(下半部)に、円筒状のスリーブ25をがたつきなく外嵌し、このロッド17の先端部(下端部)に螺着したナット26により、上記スリーブ25をこのロッド17及び上記トラニオン7に対し固定している。アクチュエータ10を構成するピストン16は、上記スリーブ25の中間部外周面に一体に設けている。尚、上記ロッド17の先端部には、必要に応じてプリセスカム18(図5参照)を外嵌固定する。
【0010】
[特許文献1]
特開平7−243494号公報
[特許文献2]
特開平11−153203号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
図6に示す様な構造により、トラニオン7とロッド17とピストン16とを組み合わせた場合、このトラニオン7が動力伝達時に弾性変形するのに伴って、変速動作が不安定になる可能性がある。この点に就いて、図6に図7を加えて説明する。
トロイダル型無段変速機の運転時にパワーローラ6は、その周面と入力側、出力側両ディスク2、5(図3、4参照)の内側面との当接部に加わる力に基づいて、上記トラニオン7の内側面に向かう方向の、大きなスラスト荷重を受ける。そして、このスラスト荷重によって上記トラニオン7が、図7に誇張して示す様に、その内側面を凹面とする方向に弾性変形する。そして、上記トラニオン7にその基端部を結合固定した上記ロッド17並びにこのロッド17の周囲に設けた上記ピストン16も、径方向に変位しつつその中心軸が傾斜する。
【0012】
この様にして上記ピストン16が変位したり傾斜したりすると、このピストン16の外周縁と、アクチュエータ10を構成するシリンダ27(図5参照)の内周面との摺接状態が不適正になる可能性がある。そして、この摺接状態が不適正になった場合には、上記シリンダ27内での上記ピストン16の摺動が円滑に行なわれなくなって、上記アクチュエータ10による、トロイダル型無段変速機の変速比調節が不安定になる可能性がある。
【0013】
又、図6に示した構造の場合、トラニオン7に設けた枢軸9とロッド17との間にピン24を掛け渡す為、これら枢軸9とロッド17との軸方向及び円周方向に関する位相を合致させる必要があり、組立作業が面倒になる。更に、ナット26を螺合させる為に上記ロッド17の先端部に設ける雄ねじ部の直径は、このロッド17の先端部側からスリーブ25を外嵌する都合上、このロッド17の外径に比べて小さくせざるを得ない。この為、何らの対策も施さない場合には、上記ナット26が緩み易くなる。このナット26が緩んだ場合には必要とする変速動作を行なえなくなる為、このナット26を緊締後に上記雄ねじ部又はナット26の一部を塑性変形させる等の、緩み止めの対策を行なう事が必要になり、やはり組立作業が面倒になる。
本発明のトロイダル型無段変速機は、上述の様な問題を何れも解消すべく発明したものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明のトロイダル型無段変速機は、前述した従来から広く知られているトロイダル型無段変速機と同様に、入力側ディスク及び出力側ディスクと、複数のパワーローラと、複数のトラニオンと、複数のアクチュエータと、複数の伝達部材とを備える。
このうちの入力側ディスク及び出力側ディスクは、相対回転を自在として互いに同心に支持されている。
又、上記各パワーローラは、上記両ディスク同士の間に挟持されている。
又、上記各トラニオンは、上記各パワーローラを回転自在に支持した状態で、それぞれの両端部に互いに同心に設けた枢軸を中心とする揺動変位を自在とされている。
又、上記各アクチュエータは、上記各トラニオンを上記各枢軸の軸方向に変位させる為のもので、油圧式である。
更に、上記各伝達部材は、上記各アクチュエータを構成するピストンの動きを、上記各トラニオンに伝達する為のものである。
【0015】
特に、本発明のトロイダル型無段変速機に於いては、上記各トラニオンの一端部に設けた枢軸の先端面に、この枢軸と同心の雄ねじ部を設けている。そして、この雄ねじ部に上記各伝達部材の端部に形成した雌ねじを螺合させる事により、上記各トラニオンと上記各伝達部材とを結合している。
又、好ましくは、請求項2に記載した様に、上記ピストンの中心部に、伝達部材であって先端部内周面に雌ねじを形成した円筒部を設ける。そして、この雌ねじを上記雄ねじ部に螺合させる事により、この円筒部の先端部と上記トラニオンの一端部とを結合する。
更に好ましくは、請求項3に記載した様に、上記円筒部を、基端部が塞がれた構造とする。又、上記雄ねじ部の先端面に、上記トラニオンの内部に設けた潤滑油流路の上流端部を開口させる。そして、上記円筒部の内側空間を通じてこの潤滑油流路内に、潤滑油を送り込み自在とする。
【0016】
【作用】
上述の様に構成する本発明のトロイダル型無段変速機によれば、動力伝達に伴うトラニオンの弾性変形を、アクチュエータを構成するピストンにまで及びにくくできる。即ち、このピストンの動きを上記トラニオンに伝える為の伝達部材とこのトラニオンとを、雄ねじ部と雌ねじとの螺合により結合している為、このトラニオンの弾性変形が上記ピストンにそのままは伝わらない。この弾性変形に基づく変位のうち、かなりの割合が、上記雄ねじ部と雌ねじとの螺合部で吸収される。この結果、上記ピストンが変位したり傾斜したりする事を抑えて、このピストンの外周縁とアクチュエータを構成するシリンダの内周面との摺接状態を適正に維持し、このシリンダ内での上記ピストンの摺動を円滑に行なわせて、上記アクチュエータによる、トロイダル型無段変速機の変速比調節が不安定になる事を防止できる。
【0017】
又、上記伝達部材と上記トラニオンとの結合作業は、単に上記雄ねじ部と上記雌ねじとを螺合させれば良く、これら伝達部材とトラニオンとの位相を合わせる必要はない。又、上記雄ねじ部を枢軸の先端面に設ける為、従来構造の場合に比べて、上記雄ねじ部の外径を大きくできるので、この雄ねじ部と上記雌ねじとを十分なトルクで緊締さえすれば、特に面倒な緩み止め手段を設けなくても、螺合部が緩む事を防止できる。これらにより、組立作業の容易化を図り、コスト低減を図れる。
【0018】
又、請求項2に記載した構造によれば、ピストンとトラニオンとの連結作業も、容易に行なえる。
更に、請求項3に記載した構造によれば、内径の大きな円筒部の内部空間を、潤滑油を送り込む為の通油路として利用できる為、必要個所に潤滑油を送り込む為の通路の抵抗を小さく抑える事ができる。この結果、この潤滑油を送り出す為の給油ポンプの駆動に要するトルクを低減して、トロイダル型無段変速機全体としての効率の向上を図れる。
【0019】
【発明の実施の形態】
図1〜2は、本発明の実施の形態の1例を示している。尚、本発明の特徴は、その内側面にパワーローラ6を回転自在に支持したトラニオン7aの一端部(下端部)と、このトラニオン7aをその両端部に設けた枢軸9、9の軸方向に変位させる為のアクチュエータ10を構成するピストン16とを連結する部分の構造にある。その他の部分の構造及び作用は、前述した図3〜5に記載した構造を含め、従来から広く知られている、ハーフトロイダル型のトロイダル型無段変速機と同様である。そこで、従来構造と同等部分に関する図示並びに説明は、省略若しくは簡略にし、以下、本発明の特徴部分を中心に説明する。
【0020】
本例のトロイダル型無段変速機を構成するトラニオン7aの場合、一端部に設けた枢軸9の先端面(下端面)に雄ねじ部28を、この枢軸9と同心に設けている。一方、円輪板状である上記ピストン16の中心部に、先端(上端)が開口した有底円筒状のスリーブ29を、このピストン16と一体に設けている。言い換えれば、このピストン16は、上記スリーブ29の軸方向中間部外周面に固設されている。又、このスリーブ29の先端部(上端部)内周面に雌ねじ30を形成している。そして、この雌ねじ30を上記雄ねじ部28に螺合し更に緊締する事により、上記トラニオン7aの一端部と上記スリーブ29とを結合固定している。この状態で、このスリーブ29の先端面(上端面)と上記枢軸9の先端面とが全周に亙って強く当接し、これら両面同士が摩擦係合する。
【0021】
上記ピストン16の外周面に形成した係止溝にはシールリング31aを、上記スリーブ29の外周面の一部で上記ピストン16を軸方向両側から挟む複数個所(図示の例では3個所)にはシールリング31b、31bを、それぞれ係止している。上記ピストン16及びスリーブ29をシリンダボディー32内に装着した状態で上記各シールリング31a、31bは、それぞれシリンダライナ33或はライナ34a、34bの内周面と摺接する。この構成により、上記シリンダボディー32内に設けた油圧室35a、35bへの圧油の給排に基づき、上記トラニオン7aを、その両端部に設けた枢軸9、9の軸方向に、変位駆動自在としている。
【0022】
又、上記スリーブ29の先半部(上半部)の軸方向中間部で1対のシールリング31b、31bに挟まれた部分に通油孔36、36を、上記スリーブ29の内外両周面同士を連通させる状態で形成している。又、図示は省略するが、上記シリンダボディー32(内に設けたライナ34a)の一部内周面で、上記各通油孔36、36に対向する部分に、やはり図示しない潤滑油の供給源に通じる、給油凹溝を形成している。トロイダル型無段変速機の運転時には、この給油凹溝から上記各通油孔36、36を通じて上記スリーブ29内に潤滑油を送り込む。そしてこの潤滑油を、前記雄ねじ部28の先端面に存在する上流端開口から、上記トラニオン7aの内部に設けた潤滑油流路37内に送り込む。この様にしてこの潤滑油流路37内に送り込まれた潤滑油は、上記トラニオン7aと支持軸8とパワーローラ6との間にそれぞれ設けた各転がり軸受を潤滑する。
【0023】
上述の様に構成するトラニオン7aとアクチュエータ10とを組み込んだ、本例のトロイダル型無段変速機によれば、動力伝達に伴う上記トラニオン7aの弾性変形を、上記アクチュエータを構成するピストン16にまで及びにくくできる。即ち、このピストン16の動きを上記トラニオン7aに伝える為のスリーブ29とこのトラニオン7aとを、上記雄ねじ部28と前記雌ねじ30との螺合により結合している為、このトラニオン7aの弾性変形が上記ピストン16にそのままは伝わらない。
【0024】
何となれば、上記トラニオン7a弾性変形に基づいて、その先端面に上記雄ねじ部28を形成した前記枢軸9が変位した場合でも、この変位のうち、かなりの割合が、上記雄ねじ部28と上記雌ねじ29との螺合部で、ねじ山の側面同士がそれぞれの高さ方向に僅かにずれ動く事で吸収される。この結果、上記ピストン16が変位したり傾斜したりする事を抑えて、このピストン16の外周縁と上記アクチュエータ10を構成するシリンダライナ33の内周面との摺接状態を適正に維持する。そして、このシリンダライナ33内での上記ピストン16の摺動を円滑に行なわせて、上記アクチュエータ10による、トロイダル型無段変速機の変速比調節が不安定になる事を防止できる。
【0025】
又、上記スリーブ29と上記トラニオン7aとの結合作業は、単に上記雄ねじ部28と上記雌ねじ30とを螺合させれば良い。この結合作業の際に、上記スリーブ29と上記トラニオン7aとの位相を合わせる必要はない。又、上記雄ねじ部28を上記枢軸9の先端面に設ける為、従来構造の場合(図6でロッド17の先端面に形成した雄ねじ部)に比べて、上記雄ねじ部28の外径を大きくできるので、この雄ねじ部28と上記雌ねじ30とを十分なトルクで緊締さえすれば、特に面倒な緩み止め手段を設けなくても、螺合部が緩む事を防止できる。これらにより、組立作業の容易化を図り、コスト低減を図れる。
【0026】
更に、図6に示した従来構造でロッド17の中心部に形成した給油通路に比べて内径の大きなスリーブ29の内部空間を、潤滑油を送り込む為の通油路として利用できる為、必要個所に潤滑油を送り込む為の通路の抵抗を小さく抑える事ができる。この結果、この潤滑油を送り出す為の給油ポンプの駆動に要するトルクを低減して、トロイダル型無段変速機全体としての効率の向上を図れる。
尚、図示は省略するが、スリーブ29の先端部内周面と雄ねじ部28の基端部外周面とを、円筒面部同士でがたつきなく嵌合させる事もできる。この場合には、上記スリーブ28の先端部内周面に雌ねじ30の谷径よりも少し大径の円筒面部を、上記雄ねじ部28の基端部外周面に雌ねじの山径よりも少し大径の円筒面部を、それぞれ設ける。
【0027】
又、やはり図示は省略するが、本発明とは異なる構造として、図示の例とは逆に、枢軸の先端面にねじ孔を形成すると共に、ピストンに連結したスリーブ或はピストンロッドの先端部外周面に雄ねじを形成する事もできる。この場合には、上記スリーブ或はピストンロッドの先端部外周面に形成した雄ねじ部を、上記ねじ孔に螺合して、上記ピストンの動きをトラニオンに伝達自在とする。この場合に必要とすれば、トラニオン内部の潤滑油流路の上流端は、上記ねじ孔の奥面に開口させる。この様な構造の場合、枢軸の直径が強度保持の為に十分にある事が必要になるが、十分にあれば、本発明と同様の作用・効果を得られる。
【0028】
【発明の効果】
本発明は、以上に述べた通り構成され作用するので、大きな動力を伝達する際にも安定した変速動作を行なえるトロイダル型無段変速機を、低コストで実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の1例を示す、トラニオン及びこのトラニオンに付属の部品を示す断面図。
【図2】これらトラニオン及びこのトラニオンに付属の部品の組み付け状態を示す断面図。
【図3】従来から知られているトロイダル型無段変速機の1例を示す断面図。
【図4】図3のA−A断面図。
【図5】同B−B断面図。
【図6】図5の左側のトラニオン及びこのトラニオンに付属の部品を取り出して示す断面図。
【図7】動力伝達時に於けるトラニオンの変形を誇張して示す断面図。
【符号の説明】
1  入力軸
2  入力側ディスク
3  ボールスプライン
4  出力歯車
5  出力側ディスク
6  パワーローラ
7、7a トラニオン
8  支持軸
9  枢軸
10  アクチュエータ
11  支持板
12  制御弁
13  ステッピングモータ
14  スリーブ
15  スプール
16  ピストン
17  ロッド
18  プリセスカム
19  リンク腕
20  同期ケーブル
21  駆動軸
22  押圧装置
23  支持孔
24  ピン
25  スリーブ
26  ナット
27  シリンダ
28  雄ねじ部
29  スリーブ
30  雌ねじ
31a、31b シールリング
32  シリンダボディー
33  シリンダライナ
34a、34b ライナ
35a、35b 押圧室
36  通油孔
37  潤滑油流路

Claims (3)

  1. 相対回転を自在として互いに同心に支持された入力側ディスク及び出力側ディスクと、これら両ディスク同士の間に挟持された複数のパワーローラと、これら各パワーローラを回転自在に支持した状態でそれぞれの両端部に互いに同心に設けた枢軸を中心とする揺動変位を自在とされた複数のトラニオンと、これら各トラニオンを上記各枢軸の軸方向に変位させる為の、それぞれが油圧式である複数のアクチュエータと、これら各アクチュエータを構成するピストンの動きを上記各トラニオンに伝達する為の複数の伝達部材とを備えたトロイダル型無段変速機に於いて、これら各トラニオンの一端部に設けた枢軸の先端面に、この枢軸と同心の雄ねじ部を設け、この雄ねじ部に上記各伝達部材の端部に形成した雌ねじを螺合させる事により、上記各トラニオンと上記各伝達部材とを結合した事を特徴とするトロイダル型無段変速機。
  2. ピストンの中心部に、伝達部材であって先端部内周面に雌ねじを形成した円筒部が設けられており、この雌ねじを雄ねじ部に螺合させる事により、この円筒部の先端部とトラニオンの一端部とを結合している、請求項1に記載したトロイダル型無段変速機。
  3. 円筒部の基端部が塞がれており、雄ねじ部の先端面に、トラニオンの内部に設けた潤滑油流路の上流端部が開口しており、上記円筒部の内側空間を通じてこの潤滑油流路内に潤滑油を送り込み自在とした、請求項2に記載したトロイダル型無段変速機。
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