JPH0526365Y2 - - Google Patents

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JPH0526365Y2
JPH0526365Y2 JP10061989U JP10061989U JPH0526365Y2 JP H0526365 Y2 JPH0526365 Y2 JP H0526365Y2 JP 10061989 U JP10061989 U JP 10061989U JP 10061989 U JP10061989 U JP 10061989U JP H0526365 Y2 JPH0526365 Y2 JP H0526365Y2
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cam
pulley
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Description

【考案の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本考案は、伝動ベルトが巻き掛けられた1対の
可変プーリの各々のプーリ径を変化させて両プー
リ間の変速比を可変とするプーリ式変速装置の改
良に関する。
(従来の技術) 従来より、この種のプーリ式変速装置は、例え
ば農業機械や軽車両における変速装置等、比較的
低負荷の動力伝達系に広く採用されている。この
変速装置は、例えば互いに平行に配置された1対
の回転軸にそれぞれ取り付けられた1対の可変プ
ーリ(駆動及び従動プーリ)を有し、該各プーリ
は回転軸に回転一体にかつ摺動不能に固定された
固定シエイブと、回転軸に回転一体にかつ摺動可
能に支持され、上記固定シエイブとの間に伝動ベ
ルトが巻回される断面V字状のベルト溝を形成す
る可動シエイブとからなり、その可動シエイブを
固定シエイブに対し接離させてプーリ径(ベルト
溝の有効半径)を変化させることにより、両回転
軸間の変速比を低速状態ないし高速状態に切り換
えるようにしたものである。
このような変速装置の一例として、本出願人
は、前に、駆動及び従動プーリの各々の可動シエ
イブを軸方向に移動させるために、軸の周りに配
置された円筒状カム及び該カムに接触する円筒状
カムフオロワを組み合わせて設け、このカム及び
カムフオロワの相対回動により可動シエイブを移
動させるとともに、両プーリにおけるカム同士を
リンクにより連係回動可能に連結したものを提案
している(特開昭64−3360号公報参照)。
(考案が解決しようとする課題) ところで、一般に、エンジンを車体に搭載する
場合、エンジン振動の低減を目的として、エンジ
ンを車体に対して防振ゴム等の弾性部材を介して
弾性支持し、こうすることで、エンジン振動の車
体への伝達を弾性部材によつて吸収するようにす
ることが行われる。しかし、このような防振構造
を上記変速装置に適用して、駆動プーリをエンジ
ンの出力軸(クランク軸)に取り付ける一方、従
動プーリを車体に支持すると、負荷変動が発生し
たとき、ベルトの張側スパンの張力が変化し、こ
の張力変化に伴い、弾性部材の圧縮変形量が変化
して、両回転軸の軸間距離が変動する。そして、
この軸間距離の変動だけではさほど問題はない
が、変速操作をするためのリンクが車体側に支持
されているために、軸間距離の変動はカムをカム
フオロワに対して相対回動させる動きに変り、そ
の結果、駆動プーリのベルトピツチ径が変化して
変速比が設定値から変化するという問題が生じ
る。
本考案は斯かる点に鑑みてなされたもので、そ
の目的は、上記の各プールにおけるカムフオロワ
の固定構造を改良することにより、負荷変動によ
り両回転軸の軸間距離が変動してカムが回動した
とき、それに対応してカムフオロワも回動させ
て、両者の相対回動が生じないようにし、よつて
変速装置の負荷変動に拘らず変速比を安定して設
定値に維持できるようにすることにある。
(課題を解決するための手段) 上記目的を達成するために、本考案の解決手段
は、各プーリにおけるカムフオロワをいずれも車
体側に固定して、軸間距離の変動によりカムが回
動したときそれと同様にカムフオロワも回動する
ようにする。
具体的には、請求項(1)に係る考案では、変速装
置における一方の回動軸を構成する第1回転軸
を、車体等の固定体に弾性部材を介して弾性支持
されたエンジン等の動力源の回転軸とする。ま
た、他方の回転軸としての第2回転軸を、上記第
1回転軸と平行に配設しかつ固定体に回転可能に
支持する。上記各回転軸に回転一体にかつ軸方向
に移動不能に固定された固定シエイブと、各回転
軸に回転一体にかつ軸方向に移動可能に支持さ
れ、上記固定シエイブとの間に断面V字状のベル
ト溝を形成する可動シエイブとからなる可変プー
リで構成された駆動及び従動プーリを設ける。ま
た、これら両プーリのベルト溝間に巻き掛けられ
た伝動ベルトとを設ける。
また、上記第1及び第2回転軸周りにそれぞれ
配置されかつ外周にカム側レバーが突設された円
筒状カムと、第1及び第2回転軸周りにそれぞれ
配置されかつ外周にカムフオロワ側レバーが突設
され、上記カムに接触するカムフオロワとからな
り、カム及びカムフオロワの相対回転により上記
各プーリの可動シエイブを固定シエイブに対し接
離させてプーリのプーリ径を変化させる第1及び
第2のカム機構を設ける。
また、この両カム機構のカム側レバー同士を両
カム機構のカム同士が互いに同期して回動するよ
うに連結するリンクを有し、両プーリのプーリ径
が互いに逆方向に変化するように両カムを連動さ
せて両回転軸間の変速比を可変とする変速切換機
構を設ける。
さらに、上記両プーリ間に、駆動プーリの動力
が従動プーリに伝達されるときのベルト緩み側ス
パンをテンシヨンプーリにより押圧してベルトに
張力を与えるテンシヨン機構を配設する。
そして、上記第1及び第2カム機構の各カム側
レバーを、上記両回転軸の軸心を通る平面に対し
一側に突出させる。
また、第2カム機構のカムフオロワ側レバーを
固定体に固定する一方、第1カム機構のカムフオ
ロワ側レバーは、両回転軸の軸心を通る平面に対
し上記カム側レバーと同じ側に突出させ、かつ弾
性部材の変形により動力源が回転軸回りに回動し
たときにカムとカムフオロワとが相対回転しない
ように固定体に連結固定する。
(作用) 上記の構成により、請求項(1)に係る考案では、
動力源が弾性部材を介して固定体に弾性支持され
ているので、負荷変動時に伝動ベルト張側スパン
の張力の変化により、弾性部材の圧縮変形量が変
化して両回転軸の軸間距離が変動したとき、この
軸間距離の変動に伴い、第1カム機構におけるカ
ムが回動して変速比が変化しようとする。しか
し、第1及び第2カム機構の各カム側レバーは両
回転軸の軸心を通る平面に対し一側に突出され、
第2カム機構のカムフオロア側レバーは固定体に
固定されている一方、第1カム機構のカムフオロ
ワ側レバーは、両回転軸の軸心を通る平面に対し
上記カム側レバーと同じ側に突出され、かつ弾性
部材の変形により動力源が回転軸回りに回動した
ときにカムとカムフオロワとが相対回転しないよ
うに固定体に連結固定されているため、上記カム
の回動と同時に、カムフオロワがカムの回動に対
応して同方向に回動する。その結果、駆動プーリ
の開閉量は変化せず、負荷変動に拘らず変速比を
設定値に維持できることとなる。
(実施例) 以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。
第1図及び第2図は本考案を農業機械の変速装
置に適用した実施例の全体構成を示す。両図にお
いて、1は農業機械の車体で、この車体1にはク
ランク軸2を有する駆動源としてのエンジン3が
複数の弾性部材としての防振ゴム4,4,…によ
り弾性支持されており、この防振ゴム4,4,…
によりエンジン振動の車体1への伝達を抑制する
ようにしている。5は軸受部(図示せず)を介し
て車体1に回転自在に支持された中間軸であつ
て、この中間軸5は農業機械の車軸(図示せず)
に連結されている。これらクランク軸2及び中間
軸5は互いに平行に配置されている。
上記クランク軸2には第1回転軸としての円筒
状の駆動軸6が回動一体に取り付けられている。
すなわち、この駆動軸6には中心孔6aが貫通形
成されており、この中心孔6aに駆動軸6の一端
側(第2図で上側)からクランク軸2を挿通し、
駆動軸6の他端から止め金7を介して締結ボルト
8をクランク軸2の端部に螺合締結することによ
り、駆動軸6がクランク軸2に回転一体に取り付
けられている。
また、中間軸5には第2回転軸としての円筒状
の従動軸9が上記駆動軸6と同様の取付構造で回
転一体に取り付けられている。すなわち、この従
動軸9の中心孔9aにその一端側(第2図で下
側)から中間軸5を挿通し、従動軸9他端から止
め金10を介して締結ボルト11を中間軸5の端
部に螺合締結することにより、従動軸9が中間軸
5に取り付けられている。
上記駆動軸6の一端には駆動プーリ12が設け
られている。この駆動プーリ12は、駆動軸6に
キー13により回転一体にかつ摺動不能に固定さ
れたフランジ状の固定シエイブ14と、該固定シ
エイブ14に対向するように駆動軸6にボス部1
5aにて摺動自在にかつ回転一体にキー16によ
り結合されたフランジ状の可動シエイブ15とか
らなり、これら両シエイブ14,15間にはベル
ト溝17が形成されている。
一方、上記従動軸9上には従動プーリ18が設
けられている。この従動プーリ18は、上記駆動
プーリ12と同様の構成であり、従動軸9にキー
19により回転一体にかつ摺動不能に固定された
フランジ状の固定シエイブ20と、該固定シエイ
ブ20に上記駆動軸6上の駆動プーリ12におけ
る固定シエイブ14に対する可動シエイブ15の
対向方向と逆方向でもつて対向するように従動軸
9にボス部21aにて摺動自在にかつ回転一体に
キー22により結合されたフランジ状の可動シエ
イブ21とからなり、これら両シエイブ20,2
1間にはベルト溝23が形成されている。
そして、上記駆動プーリ12のベルト溝17と
従動プーリ18のベルト溝23との間にはVベル
トBが巻き掛けられており、駆動及び従動プーリ
12,18の各可動シエイブ15,21をそれぞ
れ固定シエイブ14,20に対して接離させて各
プーリ12,18のプーリ径(VベルトBに対す
る有効半径)を変更する。例えば駆動プーリ12
の可動シエイブ15を固定シエイブ14に接近さ
せ、かつ従動プーリ18の可動シエイブ21を固
定シエイブ20から離隔させたときには、駆動プ
ーリ12のプーリ径を従動プーリ18よりも大き
くすることにより、駆動軸6の回転を従動軸9に
増速して伝達する。一方、逆に、駆動プーリ12
の可動シエイブ15を固定シエイブ14から離隔
させ、かつ従動プーリ18の可動シエイブ21を
固定シエイブ20に接近させたときには、駆動プ
ーリ12のプーリ径を小にし、従動プーリ18の
プーリ径を大きくすることにより、駆動軸6の回
転を減速して従動軸9に伝えるようになされてい
る。
上記駆動軸6上には、駆動プーリ12における
可動シエイブ15を固定シエイブ14に対して接
離させるための第1カム機構24が設けられてい
る。このカム機構24は、可動シエイブ15のボ
ス部15a上にベアリング25を介して相対回転
可能にかつ軸方向に移動一体に外嵌合支持された
円筒カム26を有する。このカム26はその駆動
プーリ12と反対側端面に1対の傾斜カム面26
a,26aが円周方向に等角度間隔(180°間隔)
をあけて形成され、外周には駆動及び従動軸6,
9の軸心を通る平面に対し上側に突出するカム側
レバーとしての回動レバー27が回動一体に設け
られている。
また、駆動軸6の他端外周にはカムフオロワと
してのローラ取付台29がベアリング28を介し
て相対回転可能に支持されている。このローラ取
付台29の外周にはその半径方向に延びる2つの
ピン30,30が直径方向に対向して一体的に取
り付けられている。該各ピン30のヘツド側はロ
ーラ取付台29から突出していて、その突出部分
に、上記カム26の各カム面26aに当接して転
動するカム用ローラ31が回転自在に支持されて
いる。
さらに、上記ローラ取付台29の外周には、駆
動及び従動軸6,9の軸心を通る平面に対し上記
駆動側の第1カム機構24における回動レバー2
7と同様に上側に突出するカムフオロワ側レバー
としての取付フランジ32が回動一体に設けら
れ、該フランジ32の先端はピン33,34及び
固定ロツド35を介して車体1に連結されてい
て、ローラ取付台29が回転不能に固定されてい
る。
一方、従動軸9上には、従動プーリ18の可動
シエイブ21を固定シエイブ20に対して接離さ
せるための変速機構としての第2カム機構36が
設けられている。この第2カム機構36は、上記
第1カム機構24と同様の構成で、可動シエイブ
21のボス部21a上にベアリング37を介して
回転自在にかつ摺動不能に外嵌合支持された円筒
カム38を有し、このカム38の従動プーリ18
と反対側端面には1対の傾斜カム面38a,38
aが形成され、その外周には、駆動及び従動軸
6,9の軸心を通る平面に対し上記駆動側の第1
カム機構24における回動レバー27及び取付フ
ランジ32と同様に上側に突出するカム側レバー
としての回動レバー39が回動一体に取り付けら
れている。該回動レバー39の先端には操作レバ
ー取付部材40がボルト41,41により取り付
けられ、その取付部材40の先端は図外の操作レ
バーに連結されている。また、上記従動軸9の他
端外周にはベアリング42を介してローラ取付台
43(カムフオロワ)が支持され、該ローラ取付
台43の外周には、駆動及び従動軸6,9の軸心
を通る平面に対し上記駆動側の第1カム機構24
における回動レバー27及び取付フランジ32と
は逆に下側に突出するカムフオロワ側レバーとし
ての取付フランジ44が一体に突設され、該フラ
ンジ44の先端はピン45を介して車体1に連結
されており、ローラ取付台43は車体1に固定さ
れて回転不能とされている。このローラ取付台4
3の外周にはその半径方向に延びる1対のピン4
6,46が円周方向に等間隔をあけて取り付けら
れ、該各ピン46のローラ取付台43からの突出
部分には上記カム38の各カム面38aに当接す
るカム用ローラ47が回転自在に支持されてい
る。
そして、上記第1カム機構24の回動レバー2
7先端にはリンクボール48が回動可能に支持さ
れている。該リンクボール48には直棒状のリン
ク49の一端が螺合締結されている。このリンク
49は従動軸9側に延びていて、その他端は上記
操作レバー取付部材40にリンクボール50を介
して従動軸9と平行の回転中心をもつて回転可能
に連結されている。よつて、上記リンクボール4
8,50及びリンク49により、操作レバーの切
換操作に応じて、各カム機構24,36における
カム26,38を互いに連係して可動シエイブ1
5,21のボス部15a,21a回りに回動さ
せ、そのカム面26a,38a上でカム用ローラ
31,47を転動させることにより、可動シエイ
ブ15,21を軸方向に移動させて固定シエイブ
14,20に対し互いに相反して接離させ、その
ベルト溝17,23の有効半径つまりプーリ1
2,18のプーリ径を可変とし、クランク軸2と
中間軸5との間の変速比を変化させるようにした
変速切換機構51が構成されている。
また、第1図に示すように、上記駆動及び従動
プーリ12,18間には、両プーリ12,18間
に張られたベルトBの1対のスパンB1,B2のう
ち駆動プーリ12の駆動力が従動プーリ18に伝
達されるときに緩み側となる緩み側スパンB2
その背面から押圧してベルトBに張力を与えるテ
ンシヨン機構52が配設されている。このテンシ
ヨン機構52は、車体1に軸53により揺動可能
に支持されたテンシヨンアーム54と、該アーム
54の先端部に軸55により回転自在に支承され
たテンシヨンプーリ56と、上記テンシヨンアー
ム54の中間部と車体1との間に伸装され、テン
シヨンアーム54をテンシヨンプーリ56がベル
ト緩み側スパンB2背面を押圧するように第1図
で時計回り方向に回動付勢する付勢手段としての
ばね57とからなる。
そして、本考案の特徴は、上記の如く、第1及
び第2カム機構24,36におけるローラ取付台
29,43の双方が車体1に固定されていことに
あり、この構造により、負荷変動に伴う防振ゴム
4,4,…の変形によりエンジン3がクランク軸
2回りに回動したとき、カム26、38とローラ
取付台29,43とが相対回転しないようになさ
れている。
尚、上記駆動及び従動プーリ12,18の固定
シエイブ14,20における可動シエイブ15,
21との対向面には、それぞれベルト溝17,2
3底部に相当する内周縁部の所定位置に、可動シ
エイブ15,21側に向かつて駆動及び従動軸
3,6と同心状に延びるベルト規制手段としての
円筒状リング部14a,20aが一体に突設され
ている。一方、可動シエイブ15,21の固定シ
エイブ14,20との対向面には環状凹部として
の環状溝15b,21bが上記リング部14a,
20aに対応して形成されており、可動シエイブ
15,21が固定シエイブ14,20に接近した
ときにリング部14a,20aを環状溝15b,
21b内に収容するようにしている。
次に、上記実施例の作動について説明する。
エンジン3の動力を車軸に伝達して農業機械を
走行駆動する通常の駆動状態においては、テンシ
ヨン機構52におけるばね57の付勢力によりテ
ンシヨンアーム54が第1図時計回り方向に付勢
され、その先端のテンシヨンプーリ56がベルト
Bの緩み側スパンB2背面を押圧し、この押圧に
よりベルトBに張力が付与され、この張力に基づ
いて駆動プーリ12から従動プーリ18にベルト
Bを介して動力が伝達される。
そして、例えば、エンジン3の回転を減速して
車軸に伝達する低速状態とするときには、変速切
換機構51の操作レバーを低速位置(Lo)に位
置付ける。この操作レバーは第2カム機構36に
おけるカム38外周の回動レバー39に取付部材
40を介して連結されているので、上記低速位置
(Lo)への切換操作に伴い、上記カム38がその
カム面38a上で各カム用ローラ47を転動させ
ながら従動プーリ18の可動シエイブ21のボス
部21a回りに一方向に回動する。これにより、
上記カム面38aがローラ47に押されてカム3
8が第2図で下方向に従動軸9上を移動し、該カ
ム38にベアリング37を介して移動一体の可動
シエイブ21が同方向に移動して固定シエイブ2
0に接近する。このことにより従動プーリ18が
閉じてそのプーリ径が増大し、このプーリ径の増
大によりVベルトBが従動プーリ18側に引き寄
せられる。
また、上記取付部材40にはリンク49及びリ
ンクボール48,50を介して回動レバー27が
駆動連結されているため、操作レバーの低速位置
(Lo)への切換えに伴い、上記従動プーリ18の
可動シエイブ21の動きに同期して、第1カム機
構24のカム26が駆動軸6上を上記第2カム機
構36のカム38と同じ一方向に回動する。この
カム26の回動によりカム用ローラ31に対する
押圧がなくなる。このため、上記従動プーリ18
側に移動するベルトBの張力により、カム26及
びそれにベアリング25を介して連結されている
可動シエイブ15は固定シエイブ14から離れる
方向(図で下方向)に駆動軸6上を移動し、この
両シエイブ14,15の離隔により駆動プーリ1
2が開いてプーリ径が減少する。これらの結果、
駆動プーリ12のプーリ径が従動プーリ18より
も小さくなり、駆動軸6の回転が減速されて従動
軸9に伝達される。
また、逆に、エンジン3の回転を増速して車軸
に伝達する高速状態では、操作レバーを高速位置
(Hi)に位置付ける。この操作レバーの切換操作
に伴い、上記第1カム機構24のカム26がその
カム面26a上でカム用ローラ31に転動させな
がら駆動プーリ12における可動シエイブ15の
ボス部15a回りに他方向に回動する。このカム
26の回動によりカム面26aがカム用ローラ3
1に押されて第2図で上方向に駆動軸6上を移動
し、可動シエイブ15も同方向に移動して固定シ
エイブ14に接近し、このことにより駆動プーリ
12が閉じてプーリ径が増大する。このプーリ径
の増大によりVベルトBが駆動プーリ12側に引
き寄せられる。
また、上記可動シエイブ15の動きに同期し
て、第2カム機構36のカム38が該従動軸9上
を上記カム26と同じ他方向に回動し、このカム
38の回動によりカム用ローラ47に対する押圧
がなくなり、ベルトBの張力により従動プーリ1
8の可動シエイブ21がカム38と共に固定シエ
イブ20から離れる方向(図で上方向)に従動軸
9上を移動する。この両シエイブ20,21の離
隔により従動プーリ18が開いてそのプーリ径が
減少する。その結果、駆動プーリ12のプーリ径
が従動プーリ18よりも大きくなり、駆動軸6の
回転が増速されて従動軸9に伝達される。
その場合、エンジン3が防振ゴム4,4,…を
介して車体1に弾性支持されているため、第3図
に示すように、負荷変動時に伝動ベルトBの張側
張力の変化により防振ゴム4,4,…の圧縮変形
量が変化してクランク軸2及び中間軸5の軸間距
離が変動したとき、例えば図で実線に示す状態か
ら伝動負荷が増大し、これに伴いクランク軸2が
時計回り方向に回動して軸間距離が減少したと
き、この軸間距離の減少変化により第1カム機構
24におけるカム26が時計回り方向に回動して
変速比が変化しようとする。しかし、第1及び第
2カム機構24,36におけるカム26,38外
周の回動レバー27,39と第1カム機構24に
おけるローラ取付台29外周の取付フランジ32
(カムフオロワ側レバー)とは、いずれも上記駆
動及び従動軸6,9の軸心を通る平面に対し上側
に突出され、上記第2カム機構36におけるロー
ラ取付台43外周の取付フランジ44は車体1に
固定されている一方、上記第1カム機構24の取
付フランジ32はピン33,34及び固定ロツド
35を介して車体1に連結固定されているため、
ローラ取付台29が上記カム26の回動に対応し
てそれを同じ方向(時計回り方向)に回動し、そ
の結果、駆動プーリ12の開閉量は変化しない。
よつて負荷変動が生じても変速比を一定に保持で
き、農業機械を一定の速度で安定して走行させる
ことができる。
また、こうして負荷変動時に変速比が変化しな
いため、両カム機構24,36を連結しているリ
ンク49に無理な力がかからず、その変形等を有
効に防止することができる。
しかも、上記変速切換機構51が直棒状のリン
ク49を有しているので、両プーリ12,18の
カム機構24、36同士が該リンク49により高
い剛性で連結され、操作レバーの操作力が無駄な
く伝達されてそのロスを低減できる。
また、リンク49は直棒状であるので、変速切
換機構51の配置スペースが小さくて済み、その
レイアウトを容易化することができる。よつて変
速切換機構51の配置レイアウトの容易化と、直
棒状のリンク49の採用による振動伝達の抑制と
の両立を図ることができる。
そして、この実施例では、VベルトBの緩み側
スパンB2の背面をテンシヨン機構52のプーリ
56によつて押圧付勢することにより、該Vベル
トBに張力が与えられ、この張力によりベルト推
力が発生するとともに、駆動及び従動プーリ1
2,18の双方における可動シエイブ15,21
を変速切換機構51による機械的な駆動によつて
軸方向に移動させるので、駆動及び従動プーリ1
2,18間の開閉力は逆になり、この両プーリ1
2,18間の開閉力が部分的に互いに相殺し合
い、残りが操作力となる。このように両プーリ1
2,18の可動シエイブ15,21の逆方向の移
動によつて駆動及び従動軸6,9間の変速比が切
換変更される際、第4図及び第5図に示すよう
に、各カム機構24,36の円筒カム26,38
におけるカム面26a,38aにローラ取付台2
9,43のローラ31,47から作用する力Aに
より駆動又は従動軸6,9と平行方向の分力A1
及び直交方向の分力A2が生じ、後者の分力A2は
駆動又は従動軸6,9の軸心と変速切換機構51
のリンク49への連結点とを結ぶ線と直角に作用
するが、この作用に伴い、第5図に示す如く、駆
動又は従動軸6,9の軸心とリンク49への連結
点とを結ぶ線と常に直角でかつ上記分力A2と逆
向きのカム回転反力Wが生じ、第6図に示すよう
に、このカム回転反力Wは円筒カム26,38が
支持されている可動シエイブ15,21のボス部
15a,21aに対し、プーリ12,18のベル
トBが巻き掛けられている範囲の中央位置におい
てそのボス部15a,21aを押圧するように作
用する。つまり、このボス部15a,21aに対
するカム回転反力Wは、ボス部15a,21aと
駆動又は従動軸6,9との摺動部分におけるクリ
ライアンスで、可動シエイブ15,21がベルト
Bから推力を受けたときに可動シエイブ15,2
1を駆動又は従動軸6,9に対し傾倒させる方向
に働くモーメントM1と逆方向のモーメントM2が
生じるように作用する。このモーメントM2によ
りモーメントM1が相殺されて低減され、第6図
aに示す如く可動シエイブ15,21のボス部1
5a,21a内周の駆動又は従動軸6,9外周に
対する面圧分布が軸心方向に分散し、円筒カム2
6,38が可動シエイブ15,21のボス部15
a,21a上に支持されていない場合(第6図b
参照)のように面圧分布の大きなピークがなくな
り、ボス部15a,21aの摺動抵抗が小さくな
る。この摺動抵抗が小さくなつた分だけ、ベルト
発生推力Fが円筒カム26,38の固定点に与え
る荷重つまり取出推力F′が大きなり、換言すれ
ば、ベルト発生推力Fが大きな抵抗なく円筒カム
26,38に取出推力F′として伝達される。
そして、変速装置は、駆動及び従動プーリ1
2,18間の開閉力が逆になつて両プーリ12,
18間の開閉力が部分的に互いに相殺し合うよう
に両カム機構24,36の円筒カム26,38同
士が連結され、一方のカム機構24又は36の取
出推力F1′又はF2′を他方のカム機構36又は24
のベルト推力に利用するようにしていることか
ら、変速装置の変速比が一定で変速切換えを行わ
ないときには、第7図及び第8図に示すように、
上記取出推力F1′,F2′は、本実施例の場合(第8
図a参照)が、円筒カム26,38を可動シエイ
ブ15,21のボス部15a,21a上に支持し
ていない場合(第8図b参照)よりも大きくなる
ものの、駆動側及び従動側で取出推力F1′,F2′は
同じとなり、これらが互いに相殺し合い、推力の
取出効率は従来の場合と同じである。ところが、
変速比を変化させるときには、第9図に示すよう
に、ベルト発生推力Fと取出推力F1′,F2′との差
が変速操作に必要な荷重(操作力)であるので、
円筒カム26,38を可動シエイブ15,21の
ボス部15a,21a上に支持してない場合(第
9b参照)では、取出推力F1′,F2′が小さい分だ
け残りの操作力が大きくなるのに対し、この実施
例(第9図a参照)では、取出推力F1′,F2′が大
きいことから、その分、逆に操作力が小さくて済
むこととになる。
しかも、カム26,38とカムフオロワたるロ
ーラ取付台29,43との接触はカム26,38
のカム面26a,38a上をそれぞれ転動するロ
ーラ31,47による転がり接触であるので、カ
ム面にカムフオロワを直接摺接させる場合に比
べ、摺動抵抗は大幅に小さくなる。これらの結
果、変速時の切換操作力を軽くでき、緊急時に変
速比を素早く切り換えることができる。
また、カム面26a,38aの摩耗の度合いが
少ないので、プーリ12,18の位置決め精度が
良くなるとともに、切換操作力を長期間に亘つて
軽減保持することができ、さらには潤滑油メンテ
ナンスを不要とすることができる。
尚、本考案は、農業機械以外に車両やその他の
機械における変速装置に適用することができるの
は勿論のことである。
(考案の効果) 以上説明したように、請求項(1)に係る考案によ
ると、各々回転軸上に支持された1対の可変プー
リからなる駆動及び従動プーリを備え、上記駆動
プーリは固定体に弾性支持されている一方、従動
プーリは固定体に支持され、両プーリの可動シエ
イブを互いに同期してカム及びカムフオロワによ
り軸方向に駆動して変速するようにしたプーリ式
変速装置において、両カム外周のレバー同士を両
カム機構のカム同士が互いに同期して回動するよ
うにリンクで連結し、駆動側及び従動側カム外周
のレバーを、両回転軸の軸心を通る平面に対し一
側に突出させ、従動側カムフオロワ外周のレバー
は固定体に固定する一方、駆動側カムフオロワ外
周のレバーは、両回転軸の軸心を通る平面に対し
上記カム側レバーと同じ側に突出させ、かつ弾性
部材の変形により動力源が回転軸回りに回動した
ときにカムとカムフオロワとが相対回転しないよ
うに固定体に連結固定したことにより、負荷変動
により両回転軸の軸間距離が変動してカムが回動
しても、それに対応してカムフオロワを回動させ
てプーリの開閉量の変化をなくすことができ、よ
つて負荷変動による軸間距離の変動があつても変
速装置の変速比を設定値に安定維持することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案の実施例に係る変速装置の正面
部、第2図は同断面図、第3図は負荷変動時の動
きを示す第1図相当図である。第4図はベルト発
生推力とリンクとに加えられる力の関係からカム
回転反力の作用状態を示す概略平面図、第5図は
同概略正面図、第6図はカム回転反力による可動
シエイブのボス部の回転軸に対する面圧分布を示
す説明図、第7図は両プーリにおけるベルト発生
推力及び取出推力の関係を示す説明図、第8図は
非変速操作時の両プーリにおける取出推力同士の
関係を示す説明図、第9図は変速操作時の図8相
当図である。 1……車体(固定体)、3……エンジン(動力
源)、4……防振ゴム(弾性部材)、6……駆動軸
(第1回転軸)、9……従動軸(第2回転軸)、1
2……駆動プーリ、14……固定シエイブ、15
……可動シエイブ、17……ベルト溝、18……
従動プーリ、20……固定シエイブ、21……可
動シエイブ、23……ベルト溝、24……第1カ
ム機構、26……円筒カム、27……回動レバー
(カム側レバー)、29……ローラ取付台(カムフ
オロワ)、32……取付フランジ(カムフオロワ
側レバー)、36……第2カム機構、39……回
動レバー(カム側レバー)、38……円筒カム、
43……ローラ取付台(カムフオロワ)、44…
…取付フランジ(カムフオロワ側レバー)、49
……リンク、51……変速切換機構、52……テ
ンシヨン機構、B……伝動ベルト、B2……緩み
側スパン。

Claims (1)

  1. 【実用新案登録請求の範囲】 固定体に弾性部材を介して弾性支持され、第1
    回転軸を有する動力源と、 上記第1回転軸と平行に配設され、固定体に回
    転可能に支持された第2回転軸と、 上記各回転軸に回転一体にかつ軸方向に移動不
    能に固定された固定シエイブと、各回転軸に回転
    一体にかつ軸方向に移動可能に支持され、上記固
    定シエイブとの間に断面V字状のベルト溝を形成
    する可動シエイブとからなる可変プーリで構成さ
    れた駆動及び従動プーリと、 上記両プーリのベルト溝間に巻き掛けられた伝
    動ベルトと、 上記第1及び第2回転軸周りにそれぞれ配置さ
    れかつ外周にカム側レバーが突設された円筒状カ
    ムと、第1及び第2回転軸周りにそれぞれ配置さ
    れかつ外周にカムフオロワ側レバーが突設され、
    上記カムに接触するカムフオロワとからなり、カ
    ム及びカムフオロワの相対回転により上記各プー
    リの可動シエイブを固定シエイブに対し接離させ
    てプーリのプーリ径を変化させる第1及び第2の
    カム機構と、 上記両カム機構のカム側レバー同士を両カム機
    構のカム同士が互いに同期して回動するように連
    結するリンクを有し、両プーリのプーリ径が互い
    に逆方向に変化するように両カムを連動させて両
    回転軸間の変速比を可変とする変速切換機構と、 上記両プーリ間に配設され、駆動プーリの動力
    が従動プーリに伝達されるときのベルト緩み側ス
    パンを押圧してベルトに張力を与えるテンシヨン
    プーリを有するテンシヨン機構とを備えてなり、 上記第1及び第2カム機構の各カム側レバー
    は、上記両回転軸の軸心を通る平面に対し一側に
    突出され、 第2カム機構のカムフオロワ側レバーは固定体
    に固定されている一方、 第1カム機構のカムフオロワ側レバーは、両回
    転軸の軸心を通る平面に対し上記各カム側レバー
    と同じ側に突出され、かつ弾性部材の変形により
    動力源が回転軸回りに回動したときにカムとカム
    フオロワとが相対回転しないように固定体に連結
    固定されていることを特徴とするプーリ式変速装
    置。
JP10061989U 1989-02-16 1989-08-29 Expired - Lifetime JPH0526365Y2 (ja)

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JP10061989U JPH0526365Y2 (ja) 1989-08-29 1989-08-29
EP90102833A EP0383282B1 (en) 1989-02-16 1990-02-13 Pulley type speed-shifting device
DE69008212T DE69008212T2 (de) 1989-02-16 1990-02-13 Kegelscheibengetriebe.
CA002010178A CA2010178C (en) 1989-02-16 1990-02-15 Pulley type speed-shifting device
US07/481,050 US4969856A (en) 1989-02-16 1990-02-16 Pulley type speed-shifting device

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