JP2002227949A - ベルト式無段変速機 - Google Patents

ベルト式無段変速機

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 無段変速機の変速時トルクカム装置で高速域
から低速域の変速全域でスリップの発生を防止する。 【解決手段】 ベルト式無段変速機において、 従動軸
11の可動プーリに共動可能に備え、軸線に対称で軸方
向にカムフォロア30が接触しうる三角形のカム孔23
と、該カム孔の先端に連続してカムフォロア30が摺動
しうる軸心と同一方向に延びる溝孔24とからなるカム
面22を形成した可動ボス部材21と、該カム面に接触
させるカムフォロア30を設けた従動軸11とからなる
トルクカム装置20を備えたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は産業機械、工作機
械、自動車等で回転数の高速制御、頻繁な正逆回転、高
負荷変動する駆動手段に使用されるトルクカム装置を備
えたベルト式無段変速機に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のVベルト変速装置とし
て、図8および図9に示す駆動装置のドライブ軸と回転
一体の第1可変径プーリと、ドリブン軸110に固定さ
れた固定プーリ113とドリブン軸に遊合された可動プ
ーリ114とを対向させて備えた第2可変径プーリ11
2とがVベルト105で伝導され、第2の可変径プーリ
112は可動プーリ114背後に弾装されたバネ115
によって可動プーリ114を固定プーリ113側に押圧
するとともに可動プーリのボス部117に三角形状カム
面121を持ち、変速域の低速から高速まで軸線に対す
る傾斜角が一定で、ドリブン軸にカム面と接触する接触
子130が設けられたトルクカム装置120を備えたも
のがある(実公平5−40354号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記したVベルト変速
装置のトルクカム装置120では、可動プーリのボス部
に設ける三角形状カム面51は全ストロークL’で、変
速域の低速から高速まで軸線に対する傾斜角が一定であ
り、低速域における正逆転では、三角形のカム面121
の間隔B’が必要以上に広いために正転から逆転に変わ
ると、変速ベルトが緩み、スリップが発生する。すなわ
ち、接触子が加速時にはカム面121aに接し、減速時
にはカム面121bに接するが、三角形の低速側、すな
わち三角形の底辺側は間隔B’が広いために加速から減
速に、減速から加速に変速するとき、一方のカム面から
他方のカム面に移る広い間隔の中間でカムに負荷がかか
らないで、カムが遊び可動プーリが戻ろうとするために
可動プーリとベルトに緩みを生じてベルトがスリップが
発生する。三角形の頂点の高速側でも両側が傾斜面であ
るためにトルクの僅かな変動でも接触子が動くために可
動プーリとベルトとの間に滑りを生ずる。また、一方回
転時においても低いトルク時、VベルトおよびVベルト
の接触径が変化し、可動プーリと固定プーリの位相がず
れ、カム面と接触子の位置が極端に離れ、この時急速に
高負荷になったとき、スリップが発生することがあるな
どの問題がある。また、回転中で変速時は変速しないと
きに比べ、静摩擦係数から動摩擦係数に移るので、摩擦
係数が半分となり、プーリとベルトの伝達能力が半減す
る。従って、一旦ベルトがスリップを発生すると、負荷
トルクが減少しないかぎりスリップが続くためベルトの
接触面が炭化し、ついにはそれが原因でベルトの破断が
生じる。この切れたベルトが滞積するとその廃棄が公害
の問題ともなる。
【0004】この発明は上記従来の問題点を解決するた
めに、カム面を三角形のカム孔と直線の溝孔からなる独
特の形状のカム面として、変速時の高速域から低速域の
変速全域でスリップの発生を防止しうるトルクカム装置
を備えたベルト式無段変速機を提供することを目的とす
る。
【0005】
【課題を解決する手段】この発明の請求項1のベルト式
無段変速機は、駆動軸1に備える可変プーリ2と、従動
軸11に固定された固定プーリ13と該従動軸に遊合さ
れた可動プーリ14とを対向させて備え、該可動プーリ
の背後にバネ15を弾装して可動プーリを固定プーリに
常時押圧状に備えてなる可変プーリ12とにベルトを巻
き掛けした変速機において、従動軸11の可動プーリ1
4に共動可能に備え、軸線に対称で軸方向にカムフォロ
ア30が接触しうる三角形のカム孔23と、該カム孔の
先端に連続してカムフォロアが摺動しうる軸心と同一方
向に延びる溝孔24とからなるカム面22を形成した可
動ボス部材21と、該カム面22に接触させるカムフォ
ロア30を設けた従動軸11とからなるトルクカム装置
20を備えたことを要旨とする。
【0006】請求項2の発明は、請求項1記載のベルト
式無段変速機において、前記従動軸11の軸心にオイル
貯留部40を設け、かつ前記オイル貯留部と前記カム面
とを連通するオイル孔を設けたカムフォロア30を従動
軸11に備えたことを要旨とする。
【0007】前記した第1の発明の構成によれば、前記
遊動ボス部材に設けるカム面を、三角形のカム孔と軸線
方向に延びた溝孔とを連続形成したので、カム孔のスト
ロークが短く、しかも低速側の間隔を狭めることがで
き、変速装置の変速時にカム面の低速側において、カム
フォロアに対してカムが遊ぶことなく、一側の傾斜面か
ら他側の傾斜面に移行して直ぐに負荷がかかり、従っ
て、可動プーリが戻ることがないので、可動プーリとベ
ルトに緩みを生じず、ベルトのスリップが発生しない。
また高速側は溝孔としたので、カムフォロアは回転方向
に動くことなく、軸方向に摺動されるので、可動プーリ
とベルトとの間に滑りを生ずることはない。従って、回
転数の高速制御、頻繁な正逆回転、高負荷時において、
変速機の従動側のプーリとVベルトに緩みを生ずること
がなく、スリップを生じないので、ベルトの接触面が炭
化することなく、長期間使用できる。従って、ベルトの
廃棄量が少なくでき、公害の防止に役立つ。
【0008】前記した第2の発明の構成によれば、オイ
ル貯留部とカム面とをカムフォロアのオイル孔を通じて
連通してオイル貯留部に貯留したオイルをカム面に常時
供給しうるので、前記カム面の摩擦、摩耗を防止でき、
長期に渡り注油することなく、円滑に変速できる。
【0009】
【発明の実施の形態】この発明の実施形態を図面に基づ
いて説明する。図1はこの発明のベルト式無段変速機の
断面図、図2は可変プーリの高速時の横断面図、図3は
同縦断面図、図4は可変プーリの低速時の横断面図、図
5は同縦断面図、図6はカム面の拡大平面図、図7は従
動軸と可動ボス部材の要部拡大断面図である。
【0010】図1において、この発明のベルト式無段変
速機の実施形態を示す。Aはモータ等の駆動装置、1は
駆動軸(入力軸)、2は駆動側の可変プーリ(可変Vプ
ーリ)で、固定プーリ3、可動プーリ4が備えられてい
る。5はVベルト、6は変速機のケーシング、7は可動
プーリを進退操作する操作ハンドルで、駆動軸に関連し
て備えられている。モータのスイッチの入切で、駆動、
停止が行われ、駆動中に加速、減速、変速が行われる。
11は従動軸(出力軸)、12は従動側の可変プーリ
(可変Vプーリ)で、従動軸に固定された固定プーリ1
3と該従動軸に遊合された可動プーリ14とを対向させ
て備えられ、可動プーリ14の背後のバネ受け16との
間にバネ15が弾装され、可動プーリが常時固定プーリ
側へ付勢して備えられている。バネ受け16は従動軸1
1の外周に固定される。17は軸受けベアリングであ
る。前記駆動側の可変プーリ2と従動側の可変プーリ1
2にVベルト5が巻き掛けされる。駆動装置はモータに
限るものではなく、各種エンジンを使用できる。
【0011】この発明は上記した無段変速機において、
トルクカム装置の構造を改良したものである。図2乃至
図5において、無段変速機の従動側の可変プーリの高速
時と低速時におけるトルクカム装置を示す。前記従動軸
11を該従動軸に可動可能に備える可変プーリ2との間
にトルクカム装置20が備えられる。従動軸11に備え
る可変プーリ2の可動プーリ14の軸部の内面と従動軸
11との間に可動ボス部材を装着する嵌合孔14aが設
けられ、他方の固定プーリ13には軸部に可動ボス部材
が摺動しうる所定ストロークのガイド孔13aが形成さ
れている。カム面を形成した可動ボス部材21は従動軸
11に嵌合し、かつ前記可動プーリ14の嵌合孔14a
に嵌合して固定されて共動しうるように備えられ、固定
プーリ13に対して可動プーリ14が軸方向に摺動可能
でかつ円周方向にも回動しうるように備えられている。
【0012】図6および図7において、この発明のトル
クカム装置20では、可動ボス部材21は基端に環状の
鍔21aを有する金属製円筒体で、その円筒体の周面の
1個所にカム面22が形成される。この可動ボス部材2
1は稼働プーリ14の嵌合孔14aに嵌合され、鍔21
aがプーリの軸部の端部に当接されて固定され、共動可
能とされる。可動ボス部材21の周面に設けるカム面2
2は軸線に対称で軸方向にカムフォロアが接触しうる三
角形のカム孔23と、該カム孔の先端に連続してカムフ
ォロア40が摺動しうる軸心と同一方向に延びる溝孔2
4とにより構成される。すなわち、カム面22は三角形
のカム孔23と直線状溝孔24とを結合した2段カムと
される。
【0013】カム孔23は固定プーリ側から可動プーリ
側に向け、軸方向外側へ向かって拡がる3角形で、軸線
から対称にカム面23aとカム面23bとが周面に向か
って傾斜角が一定に設けられる。この三角形のカム孔2
3はストロークが短くでき、しかもその傾斜角度はベル
トの側圧強度に応じて締める負荷との関係で決まるの
で、低速側の間隔を小さくできる。直線状溝孔24はそ
の内径をカムフォロア30の外径とほぼ同径とし、軸心
(軸線)と同一方向に直線状に設けられ、溝孔がカムフ
ォロア30に対して軸方向にのみ摺動可能とする。溝孔
24の長さは中速域以上或いは高速域対応で長さを設定
する。なおカム孔と溝孔の接続部はアールを付けて滑ら
かな曲線状とする。また、カム孔23の端面の両側もカ
ムフォロアの径が合致しうる曲面とする。カム面22を
三角形のカム孔23と直線状溝孔24とで構成するの
は、低速域ではカムのストロークを小さくし、カム孔の
一方の傾斜面と他方の傾斜面との間隔を狭めることで、
正逆変速時にカムフォロア30の移行距離を小さくして
カムの遊びを無くすことでベルトの滑りをなくすことが
できること、そして、中速域以上或いは高速域ではベル
ト張力を与える可動プーリのバネによる狭圧力が強いた
めにカムの傾斜による加圧力が不要であり、カム面の傾
斜面は設ける必要なく、軸線方向の直線状溝孔のみにし
ても不都合がないことを見出したので、高速側のカム孔
の先端に軸線方向の直線状溝孔24を設け、カム面の不
必要な部分を無くし、低速時と高速時にいずれにおいて
もカムとカムフォロアとの関係を遊び無く変速し得るよ
うにする。
【0014】図6において、トルクカム装置20のカム
面22の全体の長さLは従来のカム面の全長L’とほぼ
同じで、そのうち三角形のカム孔23の長さをL1、直
線状溝孔24の長さをL2とする。カム面22のカム孔
23の長さL1と直線溝孔24の長さL2の比率は、カム
がベルトの側圧強度に応じて締める負荷との関係で決め
られる。実施例ではカム面22は、L1がL2より若干長
く設定してある。カム孔の軸線に対する傾斜角度は、ベ
ルトの側圧強度に応じて締める負荷との関係で傾斜角度
を決める。例えば、カム孔の軸線に対する傾斜面の角度
を約45度以下とする。図では約30度の傾斜としてあ
る。また高速域の溝孔24の長さも中速以上ではベルト
にかかる力が小さく、トルクも小さいので、それに適し
た長さとされる。また、カム孔23の最大幅Bは変速時
にカムフォロア30が滑らない間隔とする。この間隔は
従来例に示したカムの間隔よりはかなり狭くして、カム
フォロア30が一側の傾斜面と他側の傾斜面とに直ぐに
接触でき負荷をかけることができるので、カムの遊びが
なくベルトの滑りを生ずることがない。なお、カム面2
2は、L1がL2より若干長く設定してあるが、これに限
定されるものではなく、前記したようにベルトの側圧強
度に応じて締める負荷との関係で、三角形のカム孔の大
きさを大小設定することができ、また実施形態では中速
域以上で直線状の溝孔としてあるが、これに限定される
ものではなく、中速域、高速域における増速、減速のト
ルク等の関係で溝孔の長さを長短設定できる。
【0015】カムフォロア30の構造は図10に示すよ
うに、カムフォロアは頭部30aを若干大きい径とした
金属製軸体で、その下部にネジ31が設けられ、かつ頭
部30aには外周面に環状の溝32が形成されて、該環
状溝にリング33が回転自由に備えられ、該リング33
の外周面がカム面22と接触して転動し得るように設け
られ、カムフォロア30がカム面22に対して円滑に転
動しうる。このカムフォロア30の中心に上端から下端
までオイル孔34が貫通して設けられ、かつ上部の前記
リング32の内面に相当する位置には中心のオイル孔3
4から周方向に放射状に1又は複数のオイル孔35が設
けられ、オイルをリング33の内面に供給し得るように
する。このカムフォロア30は前記カム面内に突出さ
せ、該カムフォロア30をカム面22に位置させ、駆動
中はカムフォロア30に対してカム面を接触せしめる。
駆動中回転方向への力で円錐板のプーリが中へ締め込ま
れ、その締め込まれる力がカムにかかり、カム面がカム
フォロアに圧接状態とされ、カム面が加速、減速の変速
時にカムフォロアに沿って移動して可動プーリと可動ボ
ス部材は共動して固定プーリに対して摺動される。
【0016】従動軸(出力軸)11には軸心の軸方向に
所定長さのオイルを貯留するオイル貯留部40が形成さ
れ、このオイル貯留部40から外周のカム面までに半径
方向にカムフォロアを固定する貫通孔41が設けられ
る。この貫通孔41の上部にはカムフォロア30の頭部
30aに備えるリング33の外径より若干大きい径でそ
の頭部の下部が若干入る深さの楕円状に凹部41aが形
成され、かつ貫通孔の下部にカムフォロア30のネジ3
1が螺合するネジ孔42が設けられる。そして、従動軸
11の貫通孔41の外側でかつ楕円状凹部41a内で、
カムフォロア30のリング34の外側の位置に1又は複
数個所に貯留部より外周の凹部41aまで通じたオイル
孔43が形成される。実施形態では、オイル貯留部40
は軸端より軸線方向に所定長さの穴44が形成され、穴
の入口に蓋体45が備えられ、オイル貯留部40内部に
所要量のオイルを入れて貯留する。而して、リング33
は内外面にオイルが常時遠心力でオイル孔を通じて出さ
れて供給される。この従動軸11のネジ孔42に前記カ
ムフォロア30のネジ31が螺合されて頭部のリング3
3が外周の凹部41aに位置して、凹部より突出して備
えられ、前記可動ボス部材20のカム面22に接触され
る。カムフォロア30のオイル孔34を通じてオイル貯
留部40からカム面22にオイルが常時供給され、ま
た、オイル孔35よりリング33の内面とオイル孔43
を通じてオイル貯留部40からリング33の外面を通じ
てカム面22にオイルが常時供給される。
【0017】オイルを密封する構造として、可動ボス部
材21の円筒体の外周にカバーの肉厚分に相当する段部
が形成され、その段部より端部近くまでの外周に前記カ
ム面22の全体を覆う円筒状ボスカバー36が嵌めら
れ、端部で止め部材39で止められて固定される。該可
動ボス部材21の内面と従動軸11の外周面との間には
オイルイール37が備えられ、かつボス部材21の外周
とボスカバー36との間にOリング38が備えられ、オ
イルが外部に漏れないようにされる。
【0018】この発明は前記した構成なので、駆動中は
従動軸のカムフォロア30に対して可動プーリと共動す
る可動ボス部材のカム面を接触せしめる。すなわち、低
速域では加速時、減速時にカムフォロアに対してカム面
が傾斜面に沿って移動され、高速域では軸方向に移動さ
れる。また、正逆の変速時にはカムフォロア30に対し
てカム面の一方の面から他方の面に速やかに移行させ、
遊びを生ずることなく変速する。
【0019】図1乃至図3の高速時には、Vベルト5が
駆動側で可変プーリの外径、従動軸側で可変プーリの内
径に位置して、従動軸11の可動プーリ14は固定プー
リ13から離反し、バネ15は圧縮されて強い状態にあ
り、このとき従動軸11のカムフォロア30に対して可
動プーリと共動する可動ボス部材21のカム面22の溝
孔24が嵌合され、この状態で入力軸から出力軸が駆動
される。例えば、この状態で減速するとカムフォロア3
0はカムの溝孔に沿って軸方向に摺動される。そして、
カムフォロア30に対して溝孔24が摺動して出ると回
転方向への力で円錐板のプーリが中へ締め込まれ、その
締め込まれる力がカムにかかっているのでカムの傾斜面
がカムフォロア30に沿って移動される。
【0020】図4および図5の低速時には、Vベルト5
が駆動側で可変プーリの内径、従動軸側で可変プーリの
外径に位置して、従動軸11の可動プーリ14は固定プ
ーリ13に接近し、バネ15は伸びて弱い状態にあり、
このとき従動軸11のカムフォロア30に対して可動プ
ーリと共動する可動ボス部材21のカム面22は傾斜面
が接しており、この状態で回転方向に入力軸から出力軸
が駆動される。この状態で駆動側を逆転するとカムフォ
ロア30に対して一方のカム面23aから逆トルクカム
面23bに移行される。そして、カム面23aと23b
間が従来の半分以下であるから瞬時にカムフォロア30
に対して逆トルクカム面23bが接して、回転方向への
力で円錐板のプーリが中へ締め込まれ、その締め込まれ
る力がカムにかかっているのでカムの傾斜面がカムフォ
ロア30に沿って移動される。
【0021】この発明は変速域を低速域と、中速、高速
域とに分けたとき、中速域以上ではカムフォロアが直線
の溝孔に入るので、バネの狭圧力のみで十分所定トルク
の伝達ができ、また、低速域のみに、三角形のカム機構
で狭圧して所定のトルクを伝達でき、従って、高速域か
ら低速域の変速全域でスリップの発生を防止し、ベルト
の巻き込みを防止する。三角形のカム孔はストロークが
短く、しかも低速側の間隔も小さくしたので、一方のカ
ム面から他方のカム面に移る間隔を狭くでき、低速域で
正逆の変速を行うときカムフォロアがカム面の一方の傾
斜面から反対の傾斜面に直ぐに接することになり、カム
が中間で遊ぶことがないので、可動プーリが戻ることが
なく、可動プーリとベルトに緩みを生じず、ベルトのス
リップが発生しない。また、高速側は軸線方向の溝孔と
してカムフォロアを軸線方向に所定ストロークだけ摺動
しうる構成としたので、中速域以上ではバネの狭圧力の
みで十分所定トルクの伝達ができ、カムフォロアは軸方
向に摺動するだけで、回転方向に動くことなく可動プー
リとベルトとの間に滑りを生ずることはなく、ベルトに
無理な力がかかることもない。また、一方回転時におい
ても低いトルク時、VベルトおよびVベルトの接触径が
変化し、可動プーリと固定プーリの位相がずれ、カム面
と接触子の位置が極端に離れ、この時急速に高負荷にな
ったとき、スリップが発生しない。変速機の出力側にフ
ライホイール等の慣性がかかる装置が有る場合に、慣性
が大きいと減速時に出力側が駆動側の作用をすることに
なり、カム面が反対側に移ってカムが働く。また、回転
中で変速時は変速しないときの静摩擦係数から動摩擦係
数にうつるので、摩擦係数が半分となり、プーリとベル
トの伝達能力が半減するが、スリップを発生することが
ないのでベルトを長期間交換することなくしようでき
る。従って、変速機の回転数の高速制御、頻繁な正逆回
転、或いは高負荷時において、加減速、正逆回転をする
際に従動側のプーリとVベルトに緩みを生ずることがな
く、スリップを生じないので、ベルトが炭化することな
く、長期間使用できるので、廃棄が少なく公害の防止に
役立ち、地球温暖化の防止に繋がるので、有益である。
【0022】また、オイル貯留部とカム面とをカムフォ
ロアのオイル孔を通じて連通してオイル貯留部に貯留し
たオイルをカム面に常時供給しうるので、前記カム面の
摩擦、摩耗を防止でき、長期に渡り注油することなく、
円滑に変速できる。
【0023】以上の実施形態を示したが、この発明はこ
の形態に限定されるものではなく、この発明の要旨を逸
脱しない範囲で、様々な形態を実施しうるものである。
上記実施形態では、変速装置の出力側にトルクカム装置
を備えた場合を説明したが、これに限られるものではな
く、入力側に備えることもできる。
【0024】
【発明の効果】この発明によれば、前記遊動ボス部材に
設けるカム面を、三角形のカム孔と軸線方向に延びた溝
孔とを連続形成した構成とし、カム孔のストロークが短
く、しかも低速側の間隔を狭めるたので、変速装置の変
速時にカム面の低速側において、カムフォロアに対して
カムが遊ぶことなく、一側の傾斜面から他側の傾斜面に
瞬時に移行して負荷がかかり、従って、可動プーリが戻
ることないので、可動プーリとベルトに緩みを生じな
い。かつ高速側では、バネの狭圧力のみで十分所定トル
クの伝達ができ、カムフォロアは溝孔に入り軸方向に摺
動するだけで、可動プーリとベルトとの間に滑りを生ず
ることはなく、ベルトのスリップが発生しない。従っ
て、無段変速機の変速時、トルクカム装置で高速域から
低速域の変速全域でスリップの発生を防止し、ベルトの
巻き込みを防止することができる。而して、回転数の高
速制御、頻繁な正逆回転、高負荷時において、加減速、
正逆回転の際に変速機の従動側のプーリとVベルトに緩
みを生ずることがなく、スリップを生じないので、ベル
トが炭化することなく、長期間使用できるので、廃棄が
少なく公害の防止に役立つ。
【0025】この発明によれば、オイル貯留部とカム面
とをカムフォロアのオイル孔を通じて連通してオイル貯
留部に貯留したオイルをカム面に常時供給しうるので、
前記カム面の摩擦、摩耗を防止でき、長期に渡り注油す
ることなく、円滑に変速できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のベルト式無段変速機の断面図であ
る。
【図2】可変プーリの高速時の横断面図である。
【図3】同縦断面図である。
【図4】可変プーリの低速時の横断面図である。
【図5】同縦断面図である。
【図6】カム面の拡大平面図である。
【図7】従動軸と可動ボス部材の要部拡大断面図であ
る。
【図8】従来のトルクカム装置を備えた変速機の高速時
の正面図である。
【図9】同低速時の正面図である。
【符号の説明】
1 駆動軸 2 可変プーリ 11 従動軸 12 可変プーリ 13 固定プーリ 14 可動プーリ 15 バネ 20 トルクカム装置 21 可動ボス部材 22 カム面 23 三角形のカム孔 24 溝孔 30 カムフォロア 33 リング 34 オイル孔 35 オイル孔 40 オイル貯留部 43 オイル孔

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 駆動軸に備える可変プーリと、従動軸に
    固定された固定プーリと該従動軸に遊合された可動プー
    リとを対向させて備え、該可動プーリの背後にスプリン
    グを弾装して可動プーリを固定プーリに常時押圧状に備
    えてなる可変プーリとにベルトを巻き掛けした変速装置
    において、 従動軸の可動プーリに共動可能に備え、軸線に対称で軸
    方向にカムフォロアが接触しうる三角形のカム孔と、該
    カム孔の先端に連続してカムフォロアが摺動しうる軸心
    と同一方向に延びる溝孔とからなるカム面を形成した可
    動ボス部材と、 該カム面に接触させるカムフォロアを設けた従動軸とか
    らなるトルクカム装置を備えたことを特徴とするベルト
    式無段変速機。
  2. 【請求項2】 前記従動軸の軸心にオイル貯留部を設
    け、かつ前記オイル貯留部と前記カム面とを連通するオ
    イル孔を設けたカムフォロアを従動軸に備えた請求項1
    記載のベルト式無段変速機。
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