JP3585684B2 - 無段変速機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ドライブフェースが当接する第1コーン及びドリブンフェースが当接する第2コーンから構成されたダブルコーンを備えてなり、第1コーン及び第2コーンに対するドライブフェース及びドリブンフェースの当接点の位置を変化させることにより変速比を変更する無段変速機に関する。
【0002】
【従来の技術】
かかる無段変速機は、例えば特公昭47−447号公報に記載されているように既に知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来の無段変速機は変速比の制御をケーシングの外部からの手動操作により行っているため、車両の運転状態に応じて変速比を自動的に変更することができず、運転操作が煩わしいとう問題がある。また、センサにより車両の運転状態を検出し、この運転状態に基づいて電子制御ユニットでアクチュエータを駆動して変速比を制御するようにすると、構造が複雑化してコストが嵩む問題がある。
【0004】
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、無段変速機の変速比を簡単な構造で自動的に制御することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明は、ケーシングと、変速機主軸に回転自在に支持されたドライブフェースと、変速機主軸に回転自在に支持されたドリブンフェースと、変速機主軸に沿って移動自在なコーンホルダーと、変速機主軸を中心線とする円錐母線に沿うようにコーンホルダーに支持されたダブルコーン支持軸と、底面を共有する第1コーン及び第2コーンから構成されて前記ダブルコーン支持軸に回転自在に支持され、第1コーンがドライブフェースに当接するとともに第2コーンがドリブンフェースに当接するダブルコーンと、コーンホルダーの入力トルクに応じて該コーンホルダーを変速機主軸の軸線方向に移動させるトルクカム機構とを備えた無段変速機であって、トルクカム機構は、ケーシング及びコーンホルダーの一方に前記軸線に対して傾斜するように設けたガイド溝と、ケーシング及びコーンホルダーの他方に設けられて前記ガイド溝に係合する被ガイド部材とを有することを特徴とする。
【0006】
また請求項2に記載された発明は、変速機主軸に回転自在に支持されたドライブフェースと、変速機主軸に回転自在に支持されたドリブンフェースと、変速機主軸に沿って移動自在なコーンホルダーと、変速機主軸を中心線とする円錐母線に沿うようにコーンホルダーに支持されたダブルコーン支持軸と、底面を共有する第1コーン及び第2コーンから構成されて前記ダブルコーン支持軸に回転自在に支持され、第1コーンがドライブフェースに当接するとともに第2コーンがドリブンフェースに当接するダブルコーンと、変速機主軸の入力回転数に応じてコーンホルダーを変速機主軸の軸線方向に移動させる遠心機構とを備えた無段変速機であって、遠心機構は、ドライブフェースの背面側に設けられて前記軸線方向に移動不能な固定カム面と、固定カム面に対向するように設けられてコーンホルダーと共に前記軸線方向に移動可能な可動カム面と、前記両カム面間に配置された遠心ウエイトとを有することを特徴とする。
【0007】
また請求項3に記載された発明は、請求項1の構成に加えて、変速機主軸の入力回転数に応じてコーンホルダーを変速機主軸の軸線方向に移動させる遠心機構を備えてなり、前記遠心機構は、ドライブフェースの背面側に設けられて前記軸線方向に移動不能な固定カム面と、固定カム面に対向するように設けられてコーンホルダーと共に前記軸線方向に移動可能な可動カム面と、前記両カム面間に配置された遠心ウエイトとを有することを特徴とする。
【0008】
また請求項4に記載された発明は、請求項1の構成に加えて、前記軸線に対する前記ガイド溝の傾斜角度を可変としたことを特徴とする。
【0009】
また請求項5に記載された発明は、請求項4の構成に加えて、前記傾斜角度がコーンホルダーに入力されるトルクに応じて変化することを特徴とする。
【0010】
また請求項6に記載された発明は、請求項4の構成に加えて、前記傾斜角度が運転者の指令操作により変化することを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、添付図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。
【0012】
図1〜図4は本発明の第1実施例を示すもので、図1は車両用パワーユニットの縦断面図、図2は図1の要部拡大図、図3は図2の3−3線断面図、図4は図2の4−4線断面図である。
【0013】
図1に示すように、このパワーユニットPは自動二輪車に搭載されるものであって、エンジンE及び無段変速機Tを収納するケーシング1を備える。ケーシング1は、センターケーシング2と、センターケーシング2の左側面に結合される左ケーシング3と、センターケーシング2の右側面に結合される右ケーシング4とに3分割される。センターケーシング2及び左ケーシング3に一対のボールベアリング5,5を介して支持されたクランクシャフト6は、同じくセンターケーシング2及び左ケーシング3に支持されたシリンダブロック7に摺動自在に嵌合するピストン8にコネクティングロッド9を介して連接される。
【0014】
クランクシャフト6の左端には発電機10が設けられており、この発電機10は左ケーシング3の左側面に結合された発電機カバー11により覆われる。右ケーシング4の内部に延出するクランクシャフト6の右端外周にドライブギヤ12が相対回転自在に支持されており、このドライブギヤ12はクランクシャフト6の右端に設けた自動遠心クラッチ13によって該クランクシャフト6に結合可能である。
【0015】
図2を併せて参照すると明らかなように、無段変速機Tの変速機主軸21は内側の出力軸22と、この出力軸22の外周にニードルベアリング24を介して相対回転自在に嵌合するスリーブ状の入力軸23とから構成されており、出力軸22の両端が左ケーシング3及び右ケーシング4間に架設される。入力軸23に前記ドライブギヤ12に噛合するドリブンギヤ25が固定される。ドリブンギヤ25は入力軸23にスプライン結合された内側ギヤ半体26と、この内側ギヤ半体26に複数個のゴムダンパー28…を介して僅かに相対回転し得るように結合されて前記ドライブギヤ12に噛合する外側ギヤ半体27とから構成される。ドライブギヤ12からドリブンギヤ25を経て入力軸23に伝達されるエンジントルクが変動したとき、前記ゴムダンパー28…の変形によりショックの発生が軽減される。
【0016】
入力軸23の外周には半径方向外側を向く環状の当接部29を備えたドライブフェース29がスプライン結合されるとともに、出力軸22の外周には半径方向内側を向く環状の当接部30を備えたドリブンフェース30が相対回転自在に支持される。
【0017】
概略円錐状に形成された第1コーンホルダー31が、ドリブンフェース30のボス部30外周にニードルベアリング32を介して相対回転可能且つ軸方向摺動可能に支持される。図3を併せて参照すると明らかなように、第1コーンホルダー31をケーシング1に対して回り止めするトルクカム機構33は、第1コーンホルダー31の外周に半径方向に植設したピン34と、このピン34にボールベアリング35を介して軸支したローラ36と、このローラ36を案内すべく右ケーシング4の内壁面に形成されたガイド溝4とから構成される。ガイド溝4の方向は変速機主軸21の軸線Lに対して角度αだけ傾斜している。
【0018】
第1コーンホルダー31に形成された複数の窓孔31…を横切るように複数のダブルコーン支持軸37…が架設されており、各ダブルコーン支持軸37にニードルベアリング38,38を介してダブルコーン39が回転自在に支持される。ダブルコーン支持軸37…は変速機主軸21の軸線Lを中心線とする円錐母線上に配置されており、ドライブフェース29の当接部29とドリブンフェース30の当接部30との間を横切っている。各ダブルコーン39は底面を共有する第1コーン40及び第2コーン41から構成されており、第1コーン40にドライブフェース29の当接部29が当接するとともに、第2コーン41にドリブンフェース30の当接部30が当接する。
【0019】
クランクシャフト6に対向する第1コーンホルダー31の上部に1個の窓孔31が開設される。第1コーンホルダー31の内部に収納されたドリブンギヤ25の歯面は前記窓孔31に臨んでおり、この窓孔31を介してドライブギヤ12とドリブンギヤ25とが噛合する。
【0020】
ドリブンギヤ25の右側に、入力軸23の回転数に応じて第1コーンホルダー31を軸方向に摺動させることにより無段変速機Tの変速比を変更する遠心機構51が設けられる。遠心機構51は、入力軸23の外周に固定されたスリーブ52と、ブッシュ53を介してスリーブ52の外周に摺動自在に嵌合するカム部材54と、ドリブンギヤ25の内側ギヤ半体26の右側面に形成した固定カム面26及びカム部材54の左側面に形成した可動カム面54間に配置された複数の遠心ウエイト55…とから構成される。第1コーンホルダー31の右端には遠心機構51を覆う第2コーンホルダー56の外周がクリップ57で固定されており、この第2コーンホルダー56の内周はボールベアリング58を介してカム部材54に支持される。
【0021】
第1コーンホルダー31と第2コーンホルダー56とは協働して変速機主軸21を囲む空間を画成しており、その内部にドリブンギヤ25、ドライブフェース29及び遠心機構51が収納される。前記空間はドリブンギヤ25の歯面が臨む1個の窓孔31とダブルコーン39…を支持する窓孔31…とを介してケーシング1の内部空間に連通する。
【0022】
前記スリーブ52の右端に嵌合する段付きのカラー59はボールベアリング60を介して出力軸22の右端外周に支持されており、このボールベアリング60の右側面はコッター61により出力軸22に固定される。出力軸22及び入力軸23よりなる変速機主軸21は、入力軸23の外周に嵌合するボールベアリング62を介して右ケーシング4に支持される。前記ボールベアリング62に支持したスプリングリテーナ63と第2コーンホルダー56との間にスプリング64が縮設されており、このスプリング64の弾発力で第2コーンホルダー56及び第1コーンホルダー31が左方向に付勢される。
【0023】
而して、入力軸23の回転数が増加すると遠心力で遠心ウエイト55…が半径方向外側に移動して両カム面26,54を押圧するため、カム部材54がスプリング64の弾発力に抗して右方向に移動し、このカム部材54にボールベアリング58を介して接続された第2コーンホルダー56及び第1コーンホルダー31が右方向に摺動する。
【0024】
出力軸22の左端にスプライン結合されてコッター65で固定された出力ギヤ66の右端と、前記ドリブンフェース30の左端との間に調圧カム機構67が設けられる。図4から明らかなように、調圧カム機構67は、出力ギヤ66の右端に形成した複数の凹部66…とドリブンフェース30の左端に形成した複数の凹部30…との間にボール68…を挟持したものであり、出力ギヤ66とドリブンフェース30とに間にはドリブンフェース30を右方向に付勢する予荷重を与えるように皿バネ69が介装される。ドリブンフェース30にトルクが作用して出力ギヤ66との間に相対回転が生じると、調圧カム機構67によりドリブンフェース30が出力ギヤ66から離反する方向(右方向)に付勢される。
【0025】
図1に戻り、左ケーシング3にボールベアリング70を介して第3減速ギヤ71が回転自在に支持されており、この第3減速ギヤ71にニードルベアリング72及びボールベアリング73を介して出力軸22の左端が同軸に支持される。左ケーシング3及び中央ケーシング2に一対のボールベアリング74,74を介して減速軸75が支持されており、減速軸75に設けた第1減速ギヤ76及び第2減速ギヤ77がそれぞれ前記出力ギヤ66及び第3減速ギヤ71に噛合する。左ケーシング4から外部に突出する第3減速ギヤ71の軸部先端に、無端チェーン78を巻き掛けた駆動スプロケット79が設けられる。従って、出力軸22の回転は出力ギヤ66、第1減速ギヤ76、第2減速ギヤ77、第3減速ギヤ71、駆動スプロケット79及び無端チェーン78を介して駆動輪に伝達される。
【0026】
右ケーシング4の内部に穿設したオイル通路4は出力軸22の内部を軸方向に貫通するオイル通路22に連通しており、このオイル通路22から第1コーンホルダー31及び第2コーンホルダー56の内部空間に供給されたオイルにより無段変速機Tの各部が潤滑される。
【0027】
次に、前述の構成を備えた本発明の実施例の作用について説明する。
【0028】
図2に示すように、変速機主軸21の軸線Lから測ったドライブフェース29の当接部29の距離Aは一定値となり、ダブルコーン支持軸37から測ったドライブフェース29の当接部29の距離Bは可変値(B,B)となる。また、ダブルコーン支持軸37から測ったドリブンフェース30の当接部30の距離Cは可変値(C,C)となり、変速機主軸21の軸線Lから測ったドリブンフェース30の当接部30の距離Dは一定値となる。
【0029】
ドライブフェース29の回転数をNDRとし、ドリブンフェース30の回転数をNDNとして変速比RをR=NDR/NDNで定義すると、変速比Rは、
R=NDR/NDN=(B/A)×(D/C)
により与えられる。
【0030】
さて、図2の上半部に示すように、エンジンEの低速回転時にはドライブギヤ12により駆動されるドリブンギヤ25の回転数が低いため、遠心機構51の遠心ウエイト55…に作用する遠心力も小さくなり、第2コーンホルダー56及び第1コーンホルダー31はスプリング64の弾発力で左方向に移動する。第1コーンホルダー31が左方向に移動すると、ドライブフェース29の当接部29がダブルコーン39の第1コーン40の底面側に移動して距離Bは最大値Bに増加するとともに、ドリブンフェース30の当接部30がダブルコーン39の第2コーン41の頂点側に移動して距離Cが最小値Cに減少する。
【0031】
このとき、前記距離A,Dは一定値であるため、距離Bが最大値Bに増加し、距離Cが最小値Cに減少すると、前記変速比Rが大きくなってLOWレシオに変速される。
【0032】
一方、図2の下半部に示すように、エンジンEの高速回転時にはドライブギヤ12により駆動されるドリブンギヤ25の回転数が高いため、遠心機構51の遠心ウエイト55…に作用する遠心力も大きくなり、第2コーンホルダー56及び第1コーンホルダー31は遠心力で半径方向外側に移動する遠心ウエイト55…の作用でスプリング64の弾発力に抗して右方向に移動する。第1コーンホルダー31が右方向に移動すると、ドライブフェース29の当接部29がダブルコーン39の第1コーン40の頂点側に移動して距離Bが最小値Bに減少するとともに、ドリブンフェース30の当接部30がダブルコーン39の第2コーン41の底面側に移動して距離Cが最大値Cに増加する。
【0033】
このとき、前記距離A,Dは一定値であるため、距離Bが最小値Bに減少し、距離Cが最大値Cに増加すると、前記変速比Rが小さくなってTOPレシオに変速される。
【0034】
而して、エンジンEの回転数に応じて無段変速機Tの変速比をLOWとTOP側との間で無段階に変化させることができる。しかも前記変速比制御は遠心機構51により自動的に行われるため、ケーシング1の外部から手動により変速操作を行う変速制御装置を設ける場合や、電子的な変速制御装置を設ける場合に比べて、構造の簡略化によるコストの削減と無段変速機Tの小型化とを図ることができる。
【0035】
上述のようにしてドライブフェース29の回転はダブルコーン39…を介してドリブンフェース30に所定の変速比Rで伝達され、更にドリブンフェース30の回転は調圧カム機構67を介して出力ギヤ66に伝達される。このとき、ドリブンフェース30に作用するトルクで出力ギヤ66との間に相対回転が生じると、調圧カム機構67によりドリブンフェース30が出力ギヤ66から離反する方向に付勢される。この付勢力は皿バネ69による付勢力と協働して、ドライブフェース29の当接部29をダブルコーン39の第1コーン40に圧接する面圧と、ドリブンフェース30の当接部30をダブルコーン39の第2コーン41に圧接する面圧とを発生させる。
【0036】
ところで、前記調圧カム機構67による付勢力は出力ギヤ66を左方向に押圧するが、出力ギヤ66の左端はコッター65で出力軸22の左端に固定されているため、前記左方向の押圧力は出力軸22に伝達される。また前記調圧カム機構67による付勢力はドリブンフェース30を右方向に押圧するが、その押圧力はドリブンフェース30からダブルコーン39…、ドライブフェース29、内側ギヤ半体26、スリーブ52、ボールベアリング62、カラー59、ボールベアリング60及びコッター61を介して出力軸22の右端に伝達される。
【0037】
従って、調圧カム機構67が出力ギヤ66及びドリブンフェース30を左右方向に押圧する荷重は出力軸22の引張荷重として作用し、その引張荷重は出力軸22の内部応力によりキャンセルされることになり、調圧カム機構67の押圧荷重がケーシング1に伝達されることはない。これにより、ケーシング1の強度を前記押圧荷重に耐えるように強化する必要がなくなり、無段変速機Tの軽量化に寄与することができる。しかも、1個の調圧カム機構67でドライブフェース29及びドリブンフェース30の両方を付勢しているので、ドライブフェース29及びドリブンフェース30をそれぞれ別個の調圧カム機構67で付勢する場合に比べて部品点数及びコストを削減することができる。
【0038】
また、無段変速機Tが変速を行っているとき、第1コーンホルダー31はドライブフェース29の伝達トルク反力によって変速機主軸21回りに回転しようとするが、その伝達トルク反力は第1コーンホルダー31に支持したトルクカム機構33のローラ36が右ケーシング4に形成したガイド溝4に係合することにより受け止められ、第1コーンホルダー31は回転することなく軸方向に摺動することができる。
【0039】
さて、車両の走行中に急加速しようとしてエンジントルクを急増させた場合、前記エンジントルクの急増に伴って第1コーンホルダー31に作用する伝達トルク反力も増大する。その結果、図3に示すように、ローラ36が傾斜したガイド溝4の壁面に荷重Fで圧接され、その荷重Fのガイド溝4方向の成分Fによって第1コーンホルダー31は図2の左側(LOWレシオ側)に付勢される。即ち、トルクカム機構33の作用によって変速比が自動的にLOWレシオ側に変化するため、所謂キックダウン効果が発揮されて車両を効果的に加速することができる。
【0040】
しかも前記キックダウン時の変速比制御は、特別の変速制御装置を設けることなく、トルクカム機構33がエンジントルクの変化に応じて自動的に行うため、構造の簡略化によるコストの削減と無段変速機Tの小型化とを達成することができる。またトルクカム機構33のガイド溝4の形状を変化させるだけで、変速比の変化特性を容易に調整することができる。
【0041】
更に、無段変速機Tの第1コーンホルダー31及び第2コーンホルダー56の下部はケーシング1の底部に溜まったオイルに浸かっているが、ダブルコーン39…を支持する窓孔31…及びドリブンギヤ25の歯面が臨む窓孔32はオイルの油面OLよりも高い位置にあるため(図2参照)、第1コーンホルダー31及び第2コーンホルダー56の内部空間にケーシング1の底部から多量のオイルが浸入することはない。また出力軸22の内部を貫通するオイル通路22から第1コーンホルダー31及び第2コーンホルダー56の内部空間に潤滑用のオイルが供給されても、そのオイルはドリブンギヤ25の回転による遠心力で外部に撥ね飛ばされてしまうため、第1コーンホルダー31及び第2コーンホルダー56の内部空間には潤滑に必要な最小限のオイルだけが保持される。
【0042】
而して、ドリブンギヤ25は少量のオイルを攪拌するだけであり、不必要なオイル攪拌による動力損失を最小限に抑えることができる。しかも第1コーンホルダー31及び第2コーンホルダー56によってオイルの阻止を行っているので、特別のオイル阻止部材を設ける必要がなくなって部品点数が削減される。
【0043】
上述したように、第1コーンホルダー31及び第2コーンホルダー56によって画成された空間内にドリブンギヤ25を配置したことにより、そのドリブンギヤ25を前記空間外に配置した場合に比べてオイル攪拌抵抗を減少させることができるだけでなく、ドリブンギヤ25の左右両側にドライブフェース29及び遠心機構51を振り分けて配置したので、前記空間の容積を有効利用して無段変速機Tをコンパクト化することができる。
【0044】
図5〜図8は本発明の第2実施例を示すもので、図5は前記図2に対応する図、図6は図5の6−6線拡大矢視図、図7はトルクカム機構の作用説明図、図8は作用を説明するグラフである。
【0045】
第2実施例は、第1実施例のトルクカム機構33に改良を加えたものであり、図5及び図6から明らかなように、第2実施例のトルクカム機構33は、右ケーシング4の底壁に上下方向に延びるピン42を介して揺動自在に支持されたガイド部材43を備える。ガイド部材43は、ピン42を挟んで一端側にローラ36が係合するU字状のローラ溝43を備えるとともに、他端側にアーム43を備えており、このアーム43の先端と右ケーシング4に形成したスプリングシート4,4との間に一対のスプリング44,44が設けられる。第1コーンホルダー31にトルクが伝達されないとき、ガイド部材43はスプリング44,44によって変速機主軸21と平行な図6の位置に付勢される。
【0046】
従って、無段変速機Tの変速時に第1コーンホルダー31がドライブフェース29の伝達トルク反力によって変速機主軸21回りに回転しようとすると、その伝達トルク反力によってガイド部材43がピン42回りに揺動し、スプリング44,44の弾発力と釣り合う図7(A)の位置に停止する。このときのローラ溝43が変速機主軸21の軸線Lに対して成す傾斜角度αは一定ではなく、伝達トルクに応じて変化する。具体的には、伝達トルクが増加すると傾斜角度αも増加するため、TOP側への変速が行われ難くなって変速回転数が増加する。
【0047】
図8(A)はローラ溝4の傾斜角度αが固定された第1実施例の無段変速機Tの変速特性を示すものであり、図8(B)はローラ溝43の傾斜角度αが可変の第2実施例の無段変速機Tの変速特性を示すものである。同図から明らかなように、傾斜角度αが可変の第2実施例の無段変速機Tによれば、伝達トルクが小さいときには傾斜角度αが小さくなるため、低いエンジン回転数でTOP側への変速が行われるようになり、より静かな走行が可能となるだけでなく、燃料消費率を減少させることができる。一方、伝達トルクが大きいときには傾斜角度αが大きくなるため、高いエンジン回転数でTOP側への変速が行われるようになり、より力強い走行が可能となる。
【0048】
逆に、出力軸22側から入力軸23側にトルクが伝達されるとき、即ちエンジンブレーキ時には、ガイド部材43がピン42回りに逆方向に揺動し、スプリング44,44の弾発力と釣り合う図7(B)の位置に停止する。この場合にも、ローラ溝43が変速機主軸21の軸線Lに対して成す傾斜角度αは一定ではなく、伝達トルクの増加に応じて増加する。従って、急な下り坂でのエンジンブレーキ時には前記傾斜角度αが増加するため、TOPへの変速が行われ難くなってエンジンブレーキ性能が向上し、平地でのエンジンブレーキ時には前記傾斜角度αが減少するため、TOPへの変速が行われ易くなって過剰なエンジンブレーキが抑制される。
【0049】
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
【0050】
例えば、第1、第2実施例のトルクカム機構33は第1コーンホルダー31側にローラ36を設け、ケーシング1側にローラ溝4,43を設けているが、その位置関係を逆にしても良い。また第2実施例ではガイド部材43を伝達トルクに応じて自動的に揺動させているが、これを運転者のスイッチ操作に基づいて油圧アクチュエータや電磁アクチュエータで揺動させたり、運転者の手動操作で揺動させることができる。このようにすれば、運転者の好みに応じて変速特性を任意に設定することができる。
【0051】
【発明の効果】
以上のように、請求項1に記載された発明によれば、トルクカム機構が、ケーシング及びコーンホルダーの一方に軸線に対して傾斜するように設けたガイド溝と、ケーシング及びコーンホルダーの他方に設けられて前記ガイド溝に係合する被ガイド部材とを有するので、手動による変速操作を行うことなく、また構造の複雑な電気的制御装置を設けることなく、コーンホルダーに伝達されるトルクに応じて無段変速機の変速比を自動的に制御することが可能となる。しかも、前記ガイド溝の形状を適宜設定することにより変速特性を容易に調整することができる。
【0052】
また請求項2に記載された発明によれば、遠心機構が、ドライブフェースの背面側に設けられて軸線方向に移動不能な固定カム面と、固定カム面に対向するように設けられてコーンホルダーと共に前記軸線方向に移動可能な可動カム面と、前記両カム面間に配置された遠心ウエイトとを有するので、手動による変速操作を行うことなく、また構造の複雑な電気的制御装置を設けることなく、変速機主軸の入力回転数に応じて無段変速機の変速比を自動的に制御することが可能となる。しかも、遠心機構の合理的レイアウトにより無段変速機の軸方向寸法を小型化することができる。
【0053】
また請求項3に記載された発明によれば、コーンホルダーに伝達されるトルク及び変速機主軸の入力回転数に応じて無段変速機の変速比を自動的に制御することができるので、車両用として好適な無段変速機を安価に提供することができる。
【0054】
また請求項4に記載された発明によれば、ケーシング及びコーンホルダーの一方に設けたガイド溝が前記軸線に対して成す傾斜角度が可変であるため、無段変速機の変速特性を任意に調整することができる。
【0055】
また請求項5に記載された発明によれば、前記傾斜角度がコーンホルダーに入力されるトルクに応じて変化するので、運転者が特別の操作を行わなくても運転状態に応じて変速特性を自動的に調整することができる。
【0056】
また請求項6に記載された発明によれば、前記傾斜角度が運転者の指令操作により変化するので、運転者の好みに応じた変速特性を選択することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】車両用パワーユニットの縦断面図
【図2】図1の要部拡大図
【図3】図2の3−3線断面図
【図4】図2の4−4線断面図
【図5】本発明の第2実施例を示す、前記図2に対応する図
【図6】図5の6−6線拡大矢視図
【図7】トルクカム機構の作用説明図
【図8】第2実施例の作用を説明するグラフ
【符号の説明】
1 ケーシング
ガイド溝
21 変速機主軸
26 固定カム面
29 ドライブフェース
30 ドリブンフェース
31 第1コーンホルダー(コーンホルダー)
33 トルクカム機構
36 ローラ(被ガイド部材)
37 ダブルコーン支持軸
39 ダブルコーン
40 第1コーン
41 第2コーン
43 ガイド溝
51 遠心機構
54 可動カム面
55 遠心ウエイト
56 第2コーンホルダー(コーンホルダー)
L 軸線
α 傾斜角度

Claims (6)

  1. ケーシング(1)と、
    変速機主軸(21)に回転自在に支持されたドライブフェース(29)と、
    変速機主軸(21)に回転自在に支持されたドリブンフェース(30)と、
    変速機主軸(21)に沿って移動自在なコーンホルダー(31,56)と、
    変速機主軸(21)を中心線とする円錐母線に沿うようにコーンホルダー(31,56)に支持されたダブルコーン支持軸(37)と、
    底面を共有する第1コーン(40)及び第2コーン(41)から構成されて前記ダブルコーン支持軸(37)に回転自在に支持され、第1コーン(40)がドライブフェース(29)に当接するとともに第2コーン(41)がドリブンフェース(30)に当接するダブルコーン(39)と、
    コーンホルダー(31,56)の入力トルクに応じて該コーンホルダー(31,56)を変速機主軸(21)の軸線(L)方向に移動させるトルクカム機構(33)と、
    を備えた無段変速機であって、
    トルクカム機構(33)は、ケーシング(1)及びコーンホルダー(31,56)の一方に前記軸線(L)に対して傾斜するように設けたガイド溝(4,43)と、ケーシング(1)及びコーンホルダー(31,56)の他方に設けられて前記ガイド溝(4,43)に係合する被ガイド部材(36)とを有することを特徴とする無段変速機。
  2. 変速機主軸(21)に回転自在に支持されたドライブフェース(29)と、
    変速機主軸(21)に回転自在に支持されたドリブンフェース(30)と、
    変速機主軸(21)に沿って移動自在なコーンホルダー(31,56)と、
    変速機主軸(21)を中心線とする円錐母線に沿うようにコーンホルダー(31,56)に支持されたダブルコーン支持軸(37)と、
    底面を共有する第1コーン(40)及び第2コーン(41)から構成されて前記ダブルコーン支持軸(37)に回転自在に支持され、第1コーン(40)がドライブフェース(29)に当接するとともに第2コーン(41)がドリブンフェース(30)に当接するダブルコーン(39)と、
    変速機主軸(21)の入力回転数に応じてコーンホルダー(31,56)を変速機主軸(21)の軸線(L)方向に移動させる遠心機構(51)と、
    を備えた無段変速機であって、
    遠心機構(51)は、ドライブフェース(29)の背面側に設けられて前記軸線(L)方向に移動不能な固定カム面(26)と、固定カム面(26)に対向するように設けられてコーンホルダー(31,56)と共に前記軸線(L)方向に移動可能な可動カム面(54)と、前記両カム面(26,54)間に配置された遠心ウエイト(55)とを有することを特徴とする無段変速機。
  3. 変速機主軸(21)の入力回転数に応じてコーンホルダー(31,56)を変速機主軸(21)の軸線(L)方向に移動させる遠心機構(51)を備えてなり、前記遠心機構(51)は、ドライブフェース(29)の背面側に設けられて前記軸線(L)方向に移動不能な固定カム面(26)と、固定カム面(26)に対向するように設けられて前記軸線(L)方向に移動可能な可動カム面(54)と、前記両カム面(26,54)間に配置された遠心ウエイト(55)とを有することを特徴とする、請求項1記載の無段変速機。
  4. 前記軸線(L)に対する前記ガイド溝(43)の傾斜角度(α)を可変としたことを特徴とする、請求項1記載の無段変速機。
  5. 前記傾斜角度(α)がコーンホルダー(31,56)に入力されるトルクに応じて変化することを特徴とする、請求項4記載の無段変速機。
  6. 前記傾斜角度(α)が運転者の指令操作により変化することを特徴とする、請求項4記載の無段変速機。
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