JPH11270642A - 無段変速機の潤滑構造 - Google Patents

無段変速機の潤滑構造

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JPH11270642A
JPH11270642A JP10071803A JP7180398A JPH11270642A JP H11270642 A JPH11270642 A JP H11270642A JP 10071803 A JP10071803 A JP 10071803A JP 7180398 A JP7180398 A JP 7180398A JP H11270642 A JPH11270642 A JP H11270642A
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transmission
variable transmission
oil
oil pump
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善昭 塚田
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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H57/00General details of gearing
    • F16H57/04Features relating to lubrication or cooling or heating
    • F16H57/048Type of gearings to be lubricated, cooled or heated
    • F16H57/0487Friction gearings

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  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Details Of Gearings (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 部品点数の少ない簡単な構造で無段変速機の
被潤滑部を確実に潤滑できるようにする。 【解決手段】 無段変速機Tを収納する変速機室79は
クランクケース14の内部空間から独立するように区画
されており、変速機室79のカバー50を貫通して突出
する無段変速機Tの変速機主軸21の軸端部にオイルポ
ンプ81が設けられる。オイルポンプ81は、変速機室
79の底部のオイル溜め89からケーシング1の油路4
1 を経て吸い上げた潤滑油を、変速機主軸21の内部に
形成した油路211 ,212 を経て変速機室79の内部
に供給し、無段変速機Tの被潤滑部を潤滑する。無段変
速機Tの潤滑系とエンジンEの潤滑系とを別個に分離し
たので該無段変速機Tを過不足なく安定して潤滑するこ
とができ、しかもオイルポンプ81を変速機主軸21の
軸端部に配置したので、オイルポンプ81を無段変速機
Tに接近させて潤滑油の油路を短縮することができる

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンジンの駆動力
が入力される入力回転部材の回転を無段変速して出力す
る無段変速機に関し、特にその無段変速機の被潤滑部を
潤滑するための潤滑構造に関する。
【0002】
【従来の技術】コーン状に形成された変速回転部材の母
線に沿って伝達回転部材の接触位置を連続的に変化させ
ることにより無段変速機を行う無段変速機は、例えば特
開平9−177919号公報、特開平9−177920
号公報、特開平9−236161号公報に記載されてい
るように既に知られている。従来、かかる無段変速機を
潤滑するためのオイルポンプはエンジンのクランクシャ
フトにより直接駆動されるか、前記クランクシャフトの
回転を減速したオイルポンプ駆動軸により駆動されるの
が一般的であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、オイル
ポンプをクランクシャフトで直接駆動すると、オイルポ
ンプから離れた無段変速機に潤滑油を導くための油路の
確保が困難であり、またクランクシャフトの回転を減速
したオイルポンプ駆動軸でオイルポンプを駆動すると、
クランクシャフトからオイルポンプ駆動軸への動力伝達
を行うためのギヤやチェーンが必要になって部品点数の
増加や構造の複雑化を招く問題がある。
【0004】本発明は前述の事情に鑑みてなされたもの
で、部品点数の少ない簡単な構造で無段変速機の被潤滑
部を確実に潤滑できるようにすることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載された発明は、エンジンのクランク
室に独立して区画された変速機室に入力回転軸の回転を
無段変速して出力する無段変速機を収納し、エンジンを
潤滑する潤滑油と別個の潤滑油を前記変速機室に供給す
るオイルポンプを、前記入力回転軸の近傍に配置して該
入力回転軸の回転に連動して駆動することを特徴とす
る。
【0006】上記構成によれば、無段変速機の被潤滑部
に潤滑油を供給するオイルポンプを入力回転軸の近傍に
配置して該入力回転軸の回転に連動して駆動するので、
オイルポンプを無段変速機に接近させて潤滑油の油路を
短縮することができるだけでなく、入力回転軸の回転を
オイルポンプに伝達する動力伝達系の構造を簡素化する
ことができる。しかも無段変速機の潤滑系がエンジンの
潤滑系に対して独立しているので、無段変速機を過不足
なく安定して潤滑することができる。
【0007】また請求項2に記載された発明は、請求項
1の構成に加えて、前記オイルポンプを前記入力回転軸
の軸端部に配置したことを特徴とする。
【0008】上記構成によれば、オイルポンプを入力回
転軸で直接駆動することが可能になってオイルポンプへ
の動力伝達系の構造を一層簡素化することができる。
【0009】また請求項3に記載された発明は、請求項
2の構成に加えて、前記オイルポンプからの潤滑油を前
記入力回転軸の内部に形成した油路を介して無段変速機
の被潤滑部に供給することを特徴とする。
【0010】上記構成によれば、オイルポンプから無段
変速機の被潤滑部に潤滑油を供給する油路を入力回転軸
を利用して簡単に構成することができ、しかも前記油路
の長さを最小限に抑えることができる。
【0011】また請求項4に記載された発明は、請求項
2の構成に加えて、前記変速機室および前記オイルポン
プ間に、エンジンの駆動力を前記入力回転軸に伝達する
ギヤを配置したことを特徴とする。
【0012】上記構成によれば、オイルポンプと干渉す
ることなく入力回転軸に駆動力を伝達することができ
る。
【0013】また請求項5に記載された発明は、請求項
4の構成に加えて、前記オイルポンプに潤滑油を供給す
る油路を、前記ギヤを側方から覆う前記ケーシングに形
成したことを特徴とする。
【0014】上記構成によれば、オイルポンプに潤滑油
を供給する油路を、無段変速機の入力回転軸に駆動力を
伝達するギヤの側方を覆うケーシングに形成したので、
前記油路を構成するための特別の部材が不要になって部
品点数が削減される。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、添
付図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。
【0016】図1〜図6は本発明の一実施例を示すもの
で、図1は車両用パワーユニットの縦断面図、図2は無
段変速機の拡大図、図3は図2の要部拡大図(LOWレ
シオ)、図4は図2の要部拡大図(TOPレシオ)、図
5は図2の5−5線断面図、図6は図2の6−6線断面
図である。
【0017】図1に示すように、このパワーユニットP
は自動二輪車に搭載されるものであって、エンジンE、
無段変速機Tおよび副変速機Rを収納するケーシング1
を備える。ケーシング1はエンジンEのクランクケース
を兼ねるもので、センターケーシング2と、センターケ
ーシング2の左側面に結合される左ケーシング3と、セ
ンターケーシング2の右側面に結合される右ケーシング
4とに3分割される。センターケーシング2および左ケ
ーシング3に一対のボールベアリング5,5を介して支
持されたクランクシャフト6は、同じくセンターケーシ
ング2および左ケーシング3に支持されたシリンダブロ
ック7に摺動自在に嵌合するピストン8にコネクティン
グロッド9を介して連接される。
【0018】クランクシャフト6の左端には発電機10
が設けられており、この発電機10は左ケーシング3の
左側面に結合された発電機カバー11により覆われる。
右ケーシング4の内部に延出するクランクシャフト6の
右端外周にドライブギヤ12が相対回転自在に支持され
ており、このドライブギヤ12は自動遠心クラッチ13
によってクランクシャフト6に結合可能である。
【0019】図2を併せて参照すると明らかなように、
無段変速機Tの変速機主軸21(本発明の入力回転軸)
には前記ドライブギヤ12に噛合するドリブンギヤ25
が固定される。ドリブンギヤ25は変速機主軸21にス
プライン結合された内側ギヤ半体26と、この内側ギヤ
半体26に複数個のゴムダンパー28…を介して僅かに
相対回転し得るように結合されて前記ドライブギヤ12
に噛合する外側ギヤ半体27とから構成される。ドライ
ブギヤ12からドリブンギヤ25を経て変速機主軸21
に伝達されるエンジントルクが変動したとき、前記ゴム
ダンパー28…の変形によりショックの発生が軽減され
る。
【0020】次に、図2を参照して前記無段変速機Tの
構造を説明する。
【0021】変速機主軸21の外周には、半径方向外側
を向く摩擦接触面を備えた駆動回転部材29がスプライ
ン結合されるとともに、半径方向内側を向く摩擦接触面
を備えた従動回転部材30がニードルベアリング22を
介して相対回転自在に支持される。概略円錐状に形成さ
れたキャリア第1半体31が変速機主軸21の外周にニ
ードルベアリング23を介して相対回転可能且つ軸方向
摺動可能に支持され、このキャリア第1半体31に概略
カップ状のキャリア第2半体32が結合される。
【0022】図5を併せて参照すると明らかなように、
両キャリア半体31,32をケーシング1に対して回り
止めするトルクカム機構33は、キャリア第2半体32
の外周に半径方向に植設したピン34と、このピン34
に回転自在に支持したローラ36と、右ケーシング4の
内壁面にボルト24,24で固定したガイドブロック3
5とから構成されており、このガイドブロック35に形
成したガイド溝351に前記ローラ36が係合する。ガ
イド溝351 の方向は変速機主軸21の軸線Lに対して
角度αだけ傾斜している。
【0023】図3および図4から明らかなように、キャ
リア第1半体31に形成された複数の窓孔311 …を横
切るように複数の支持軸37…が架設されており、各支
持軸37にニードルベアリング38,38を介して変速
回転部材39が回転自在且つ軸方向摺動自在に支持され
る。支持軸37…は変速機主軸21の軸線Lを中心線と
する円錐母線上に配置されている。各変速回転部材39
は大径部において接続された円錐状の第1摩擦伝達面4
0および第2摩擦伝達面41を有しており、第1摩擦伝
達面40は駆動回転部材29に第1接触部P1 において
当接するとともに、第2摩擦伝達面41は従動回転部材
30に第2接触部P2 において当接する。
【0024】図2に示すように、キャリア第2半体32
の内部に、変速機主軸21の回転数に応じて両キャリア
半体31,32を軸方向に摺動させて無段変速機Tの変
速比を変更する遠心ガバナ51が設けられる。遠心ガバ
ナ51は、変速機主軸21に固定された固定カム部材5
2と、変速機主軸21に軸方向摺動自在に支持されて前
記固定カム部材52と一体に回転する可動カム部材53
と、固定カム部材52のカム面521 および可動カム部
材53のカム面531 間に配置された複数の遠心ウエイ
ト54…とから構成される。可動カム部材53とキャリ
ア第2半体32とをボールベアリング55で結合するこ
とにより、両者は相対回転を許容された状態で軸方向に
一体に移動する。
【0025】変速機主軸21の右端近傍はセンターケー
シング2に固定したカバー部材50にボールベアリング
56を介して支持されており、そのカバー部材50とキ
ャリア第2半体32との間に縮設したスプリング57の
弾発力で、キャリア第1半体31およびキャリア第2半
体32は左方向に付勢される。従って、変速機主軸21
の回転数が増加すると遠心力で遠心ウエイト54…が半
径方向外側に移動して両カム面521 ,531 を押圧す
るため、可動カム部材53がスプリング57の弾発力に
抗して右方向に移動し、この可動カム部材53にボール
ベアリング55を介して接続されたキャリア第2半体3
2がキャリア第1半体31と共に右方向に移動する。
【0026】図2から明らかなように、変速機主軸21
の外周にボールベアリング58を介して相対回転自在に
支持された出力ギヤ59の右端と、前記従動回転部材3
0の左端との間に調圧カム機構60が設けられる。図6
を併せて参照すると明らかなように、調圧カム機構60
は、出力ギヤ59の右端に形成した複数の凹部591
と従動回転部材30の左端に形成した複数の凹部301
…との間にボール61…を挟持したものであり、出力ギ
ヤ59と従動回転部材30との間には従動回転部材30
を右方向に付勢する予荷重を与えるように皿バネ62が
介装される。従動回転部材30にトルクが作用して出力
ギヤ59との間に相対回転が生じると、調圧カム機構6
0により従動回転部材30が出力ギヤ59から離反する
方向(右方向)に付勢される。
【0027】次に、図2を参照して前記副変速機Rの構
造を説明する。
【0028】第3減速ギヤ63が、左ケーシング3との
間に配置したボールベアリング64、変速機主軸21と
の間に配置したニードルベアリング65および出力ギヤ
59との間に配置したボールベアリング66によって回
転自在に支持される。左ケーシング3および中央ケーシ
ング2にボールベアリング67およびニードルベアリン
グ68を介して減速軸69が支持されており、減速軸6
9に支持した第1減速ギヤ70および第2減速ギヤ71
がそれぞれ前記出力ギヤ59および第3減速ギヤ63に
噛合する。第3減速ギヤ63と一体に形成されて左ケー
シング3から外部に突出する最終出力軸631 に、無端
チェーン72を巻き掛けた駆動スプロケット73が設け
られる。従って、変速機主軸21の回転は出力ギヤ5
9、第1減速ギヤ70、第2減速ギヤ71、第3減速ギ
ヤ63、駆動スプロケット73および無端チェーン72
を介して駆動輪に伝達される。
【0029】前記第1減速ギヤ70は減速軸69に対し
て相対回転自在に支持されており、この第1減速ギヤ7
0を減速軸69に締結および締結解除すべく、ドグクラ
ッチよりなるニュートラルクラッチ76が設けられる。
ニュートラルクラッチ76は減速軸69に軸方向摺動自
在にスプライン結合されたシフター77と、ライダーに
より操作される図示せぬ操作部材に連動して前記シフタ
ー77を摺動させるフォーク78とを備える。従って、
フォーク78でシフター77を図中左側に移動させる
と、シフター77のドグ歯771 と第1減速ギヤ70の
ドグ歯701 とが噛合し、第1減速ギヤ70がシフター
77を介して減速軸69に結合される。逆に、フォーク
78でシフター77を図中右側に移動させると、シフタ
ー77のドグ歯771 と第1減速ギヤ70のドグ歯70
1 とが離反し、第1減速ギヤ70と減速軸69との結合
が解除される。
【0030】自動二輪車を押して移動させるとき、車輪
の回転が副変速機Rから無段変速機Tに逆伝達される
と、無段変速機Tの各部の摩擦力に打ち勝つ大きな力で
自動二輪車を押す必要がある。しかしながら、このとき
にニュートラルクラッチ76を締結解除すれば、副変速
機Rの第1減速ギヤ70が減速軸69から切り離されて
無段変速機Tへの駆動力の逆伝達が防止され、軽い力で
押すだけで自動二輪車を移動させることができる。
【0031】次に、無段変速機Tおよび副変速機Rの潤
滑構造を説明する。
【0032】図2に示すように、無段変速機Tおよび副
変速機Rは、左ケーシング3、センターケーシング2お
よびカバー50によって区画された変速機室79の内部
に収納される。カバー部材50を貫通する変速機主軸2
1の外周をシール部材80でシールすることにより、変
速機室79はクランク室14の内部空間に対して分離さ
れている。無段変速機Tおよび副変速機Rは変速機室7
9内に封入された潤滑油により潤滑され、またエンジン
Eはクランク室14内に貯留された潤滑油により潤滑さ
れるため、それぞれの潤滑油は相互に混じり合うことが
ない。即ち、クランク室14の底部に貯留された潤滑油
は、変速機主軸21に設けたドリブンギヤ25により攪
拌されてエンジンEの各部を潤滑する。一方、無段変速
機Tおよび副変速機Rは、変速機主軸21の軸端に設け
たオイルポンプ81によって循環する潤滑油で潤滑され
る。
【0033】トロコイドポンプよりなるオイルポンプ8
1は、右ケーシング4にボルト82で固定されたポンプ
ハウジング83と、ポンプハウジング83にボルト84
で固定されたポンプカバー85と、ポンプハウジング8
3に回転自在に収納されたアウターロータ86と、アウ
ターロータ86の内周に回転自在に歯合するインナーロ
ータ87とから構成されており、前記インナーロータ8
7はポンプハウジング83をシール部材88を介して貫
通する変速機主軸21の右端に固定される。
【0034】変速機室79の下部に形成されたオイル溜
め89の右側にはオイルフィルター90を収納したフィ
ルター室91が設けられており、このフィルター室91
の下流側とオイルポンプ81の吸入ポート851 とが、
右ケーシング4に形成した油路41 およびポンプハウジ
ング83に形成した油路831 を介して連通する。また
オイルポンプ81の吐出ポート852 は、変速機主軸2
1の内部を軸方向に貫通する油路211 と、その油路2
1 から半径方向に分岐する複数の油路212…とに連
通する。
【0035】次に、前述の構成を備えた本発明の実施例
の作用について説明する。
【0036】図3および図4に示すように、変速比が何
れの状態でも変速機主軸21の軸線Lから測った駆動回
転部材29の第1接触部P1 の距離Aは一定値となり、
支持軸37から測った駆動回転部材29の第1接触部P
1 の距離Bは可変値(BL ,BT )となる。また、支持
軸37から測った従動回転部材30の第2接触部P2
距離Cは可変値(CL ,CT )となり、変速機主軸21
の軸線Lから測った従動回転部材30の第2接触部P2
の距離Dは一定値となる。
【0037】駆動回転部材29の回転数をNDRとし、従
動回転部材30の回転数をNDNとして変速比RをR=N
DR/NDNで定義すると、変速比Rは、 R=NDR/NDN=(B/A)×(D/C) により与えられる。
【0038】さて、図3に示すように、エンジンEの低
速回転時にはドライブギヤ12により駆動されるドリブ
ンギヤ25の回転数が低いため、遠心ガバナ51の遠心
ウエイト54…に作用する遠心力も小さくなり、両キャ
リア半体31,32はスプリング57の弾発力で左方向
に移動する。キャリア第1半体31が左方向に移動する
と、駆動回転部材29の第1接触部P1 が第1摩擦伝達
面40の大径部側に移動して距離Bは最大値BL に増加
するとともに、従動回転部材30の第2接触部P2 が第
2摩擦伝達面41の小径部側に移動して距離Cが最小値
L に減少する。 このとき、前記距離A,Dは一定値
であるため、距離Bが最大値BL に増加し、距離Cが最
小値CL に減少すると、前記変速比Rが大きくなってL
OWレシオに変速される。
【0039】一方、図4に示すように、エンジンEの高
速回転時にはドライブギヤ12により駆動されるドリブ
ンギヤ25の回転数が高いため、遠心ガバナ51の遠心
ウエイト54…に作用する遠心力も大きくなり、両キャ
リア半体31,32は遠心力で半径方向外側に移動する
遠心ウエイト54…の作用でスプリング57の弾発力に
抗して右方向に移動する。キャリア第1半体31が右方
向に移動すると、駆動回転部材29の第1接触部P1
第1摩擦伝達面40の小径部側に移動して距離Bが最小
値BT に減少するとともに、従動回転部材30の第2接
触部P2 が第2摩擦伝達面41の大径部側に移動して距
離Cが最大値CT に増加する。
【0040】このとき、前記距離A,Dは一定値である
ため、距離Bが最小値BT に減少し、距離Cが最大値C
T に増加すると、前記変速比Rが小さくなってTOPレ
シオに変速される。
【0041】而して、エンジンEの回転数に応じて無段
変速機Tの変速比をLOWとTOPとの間で無段階に変
化させることができる。しかも前記変速比制御は遠心ガ
バナ51により自動的に行われるため、ケーシング1の
外部から手動により変速操作を行う変速制御装置を設け
る場合や、電子的な変速制御装置を設ける場合に比べ
て、構造の簡略化によるコストの削減と無段変速機Tの
小型化とを図ることができる。
【0042】上述のようにして駆動回転部材29の回転
は変速回転部材39…を介して従動回転部材30に所定
の変速比Rで伝達され、更に従動回転部材30の回転は
調圧カム機構60を介して出力ギヤ59に伝達される。
このとき、従動回転部材30に作用するトルクで出力ギ
ヤ59との間に相対回転が生じると、調圧カム機構60
により従動回転部材30が出力ギヤ59から離反する方
向に付勢される。この付勢力は皿バネ62による付勢力
と協働して、駆動回転部材29の第1接触部P 1 を第1
摩擦伝達面40に圧接する面圧と、従動回転部材30の
第2接触部P2を第2摩擦伝達面41に圧接する面圧と
を発生させる。
【0043】ところで、無段変速機Tが変速を行ってい
るとき、キャリア第2半体32は駆動回転部材29の伝
達トルク反力によって変速機主軸21回りに回転しよう
とするが、その伝達トルク反力はキャリア第2半体32
に支持したトルクカム機構33のローラ36がガイドブ
ロック35に形成したガイド溝351 に係合することに
より受け止められ、両キャリア半体31,32は回転す
ることなく軸方向に摺動することができる。
【0044】さて、車両の走行中に急加速しようとして
エンジントルクを急増させた場合、前記エンジントルク
の急増に伴ってキャリア第2半体32に作用する伝達ト
ルク反力も増大する。その結果、図5に示すように、ロ
ーラ36が傾斜したガイド溝351 の壁面に荷重Fで圧
接され、その荷重Fのガイド溝351 方向の成分F1
よってキャリア第2半体32は図2の左側(LOWレシ
オ側)に付勢される。即ち、トルクカム機構33の作用
によって変速比が自動的にLOWレシオ側に変化するた
め、所謂キックダウン効果が発揮されて車両を効果的に
加速することができる。
【0045】しかも前記キックダウン時の変速比制御
は、特別の変速制御装置を設けることなく、トルクカム
機構33がエンジントルクの変化に応じて自動的に行う
ため、構造の簡略化によるコストの削減と無段変速機T
の小型化とを達成することができる。またトルクカム機
構33のガイド溝351 の形状を変化させるだけで、変
速比の変化特性を容易に調整することができる。
【0046】さて、無段変速機Tおよび副変速機Rの運
転中に変速機主軸21によりオイルポンプ81が駆動さ
れると、変速機室79の底部のオイル溜め89からオイ
ルフィルター90、右ケーシング4の油路41 、ポンプ
ハウジング83の油路831およびポンプカバー85の
吸入ポート851 を経て吸い上げられた潤滑油は、ポン
プカバー85の吐出ポート852 および変速機主軸21
の油路211 ,212…を経て変速機室79の内部に供
給される。変速機室79の内部に供給された潤滑油は、
無段変速機Tの変速回転部材39の第1摩擦伝達面40
および第2摩擦伝達面41や、無段変速機Tおよび副変
速機Rの各ベアリングやギヤの歯合部を潤滑した後、前
記オイル溜め89に還流する。
【0047】このように、無段変速機Tおよび副変速機
Rの潤滑系をエンジンEの潤滑系から独立して設けるこ
とにより、それら無段変速機Tおよび副変速機Rを過不
足なく安定して潤滑することができる。またオイルポン
プ81を変速機主軸21の軸端部に設けて直接駆動して
いるので、オイルポンプ81をクランクシャフト6で駆
動する場合に比べて、オイルポンプ81と無段変速機T
とを接近させて潤滑油の油路を短縮することができ、し
かも変速機主軸21の回転をオイルポンプ81に伝達す
る動力伝達系の構造を簡素化することができる。特に、
オイルポンプ81を駆動する変速機主軸21の内部と、
オイルポンプ81を支持する右ケーシング4の内部とに
潤滑油の油路211 ,212 …,41 を形成したので、
それら油路を構成するための特別の部材が不要になって
部品点数が削減される。
【0048】また無段変速機Tの変速機主軸21に駆動
力を伝達するドリブンギヤ25を変速機室79を区画す
るカバー部材50の外部に設けたので、ドリブンギヤ2
5によって無段変速機Tおよび変速機室79が大型化す
るのを防止するとともに、ドリブンギヤ25の寸法を変
速機室79の容積に関わらずに任意に設定して、変速機
主軸25に入力される駆動力の変速比を変化させること
ができる。
【0049】以上、本発明の実施例を詳述したが、本発
明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行う
ことが可能である。
【0050】例えば、本発明は実施例で説明した無段変
速機以外の任意の構造の無段変速機に対して適用するこ
とができる。
【0051】
【発明の効果】以上のように請求項1に記載された発明
によれば、無段変速機の被潤滑部に潤滑油を供給するオ
イルポンプを入力回転軸の近傍に配置して該入力回転軸
の回転に連動して駆動するので、オイルポンプを無段変
速機に接近させて潤滑油の油路を短縮することができる
だけでなく、入力回転軸の回転をオイルポンプに伝達す
る動力伝達系の構造を簡素化することができる。しかも
無段変速機の潤滑系がエンジンの潤滑系に対して独立し
ているので、無段変速機を過不足なく安定して潤滑する
ことができる。
【0052】また請求項2に記載された発明によれば、
オイルポンプを入力回転軸で直接駆動することが可能に
なってオイルポンプへの動力伝達系の構造を一層簡素化
することができる。
【0053】また請求項3に記載された発明によれば、
オイルポンプから無段変速機の被潤滑部に潤滑油を供給
する油路を入力回転軸を利用して簡単に構成することが
でき、しかも前記油路の長さを最小限に抑えることがで
きる。
【0054】また請求項4に記載された発明によれば、
オイルポンプと干渉することなく入力回転軸に駆動力を
伝達することができる。
【0055】また請求項5に記載された発明によれば、
オイルポンプに潤滑油を供給する油路を、無段変速機の
入力回転軸に駆動力を伝達するギヤの側方を覆うケーシ
ングに形成したので、前記油路を構成するための特別の
部材が不要になって部品点数が削減される。
【図面の簡単な説明】
【図1】車両用パワーユニットの縦断面図
【図2】無段変速機の拡大図
【図3】図2の要部拡大図(LOWレシオ)
【図4】図2の要部拡大図(TOPレシオ)
【図5】図2の5−5線断面図
【図6】図2の6−6線断面図
【符号の説明】
1 ケーシング 41 油路 14 クランク室 21 変速機主軸(入力回転軸) 211 油路 212 油路 25 ドリブンギヤ(ギヤ) 79 変速機室 81 オイルポンプ E エンジン T 無段変速機

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジン(E)のクランク室(14)に
    独立して区画された変速機室(79)に入力回転軸(2
    1)の回転を無段変速して出力する無段変速機(T)を
    収納し、エンジン(E)を潤滑する潤滑油と別個の潤滑
    油を前記変速機室(79)に供給するオイルポンプ(8
    1)を、前記入力回転軸(21)の近傍に配置して該入
    力回転軸(21)の回転に連動して駆動することを特徴
    とする無段変速機の潤滑構造。
  2. 【請求項2】 前記オイルポンプ(81)を前記入力回
    転軸(21)の軸端部に配置したことを特徴とする、請
    求項1に記載の無段変速機の潤滑構造。
  3. 【請求項3】 前記オイルポンプ(81)からの潤滑油
    を前記入力回転軸(21)の内部に形成した油路(21
    1 ,212 )を介して無段変速機(T)の被潤滑部に供
    給することを特徴とする、請求項2に記載の無段変速機
    の潤滑構造。
  4. 【請求項4】 前記変速機室(79)および前記オイル
    ポンプ(81)間に、エンジン(E)の駆動力を前記入
    力回転軸(21)に伝達するギヤ(25)を配置したこ
    とを特徴とする、請求項2に記載の無段変速機の潤滑構
    造。
  5. 【請求項5】 前記オイルポンプ(81)に潤滑油を供
    給する油路(41 )を、前記ギヤ(25)を側方から覆
    うケーシング(1)に形成したことを特徴とする、請求
    項4に記載の無段変速機の潤滑構造。
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