JP3768816B2 - シリンダヘッドの切削加工装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は内燃機関用シリンダヘッドの切削加工装置に関し、特にダイカスト鋳造後のアルミニウム合金製シリンダヘッド粗材に付帯している湯口部および鋳ばりの除去を目的としてそのシリンダヘッド粗材に仕上げ切削加工を施すためのマシニングセンタタイプの切削加工装置に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】
アルミニウム合金製のシリンダヘッドの機械加工ラインでは多種類(多車種または多形式)のシリンダヘッドを共通のラインに流すいわゆる多品種混流ライン形式もしくは多品種少量生産形式が主流となっているが、多種類のシリンダヘッドの加工に対応できるように加工設備に汎用性を持たせれば持たせるほどワークに位置決め精度が問題となりやすく、したがって多品種混流ライン形式ではあっても特定の工程ではなおも各種類毎の専用の加工装置を用いて加工を行っていることが多い。
【0003】
例えば、鋳造後のシリンダヘッド粗材に付帯している湯口部および鋳ばりの除去を目的とした初期段階の仕上げ切削工程もその例であり、各形式ごとに用意された専用加工装置を用い、シリンダヘッドの外形状部を位置決め基準として位置決めして加工を行っている。
【0004】
しかしながら、専用設備である以上はワーク形状が変更になるとそれに併せて設備改造もしくは新規設備の購入の必要があり、多大な設備投資と長期にわたる準備期間が必要となって好ましくない。
【0005】
これらの問題を解消する方策として、所定の治具にてシリンダヘッド粗材の位置決めを行う一方、汎用性のある産業用ロボットに仕上げ切削用のカッターユニットを持たせ、このロボット作業にて上記湯口部および鋳ばりの除去を目的とした仕上げ切削を行うようにした設備も提案されているが、上記と同様にワーク形状が変更になるとそれに併せてロボット軌跡データの修正等の段取り替え作業が必要となるほか、ワーク形状の変更が大幅なものである場合には上記治具もしくはカッターユニットの改造が必要となり、多大な設備投資と長期にわたる準備期間が必要となることに変わりはない。
【0006】
本発明は以上のような課題に着目してなされたもので、多品種少量生産を前提としながらもどのような形式のシリンダヘッドについても高精度な位置決めを行えて、真の意味での汎用性向上を図ったシリンダヘッドの切削加工装置を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、加工対象となるシリンダヘッドが固定されるワークベースユニットと、このワークベースユニット上のシリンダヘッドに対して所定の切削加工を施す少なくとも一つの主軸とを備えたマシニングセンタタイプの切削加工装置にして、所定の搬送手段により搬送されてきたシリンダヘッドをリフタ機能を有する移載台車のリフタテーブルで一旦受け取って位置決めした上、この位置決めされたシリンダヘッドがワークベースユニット側のワークテーブルと対面する位置まで上記移載台車を移動させ、その位置にてリフタテーブルをリフトアップさせることによりシリンダヘッドをワークテーブルに着座させつつそのワークテーブル側のクランパーにてクランプするようにしたシリンダヘッドの切削加工装置であることを前提としている。
【0008】
その上で、上記移載台車のリフタテーブルに設けられた二つのロケートピンをシリンダヘッド側の点火栓取付穴もしくはインジェクションノズルボディ取付穴にそれぞれ係合させることでそのリフタテーブルとシリンダヘッドとの相対位置決めがなされるようになっていて、上記二つのロケートピンは位置調整用アクチュエータの作動によって相互接近離間方向で個別に位置調整可能となっているとともに、各ロケートピンは、円錐形状のうち互いに対向する面と反対側の部分を軸心と平行な面をもって切除することにより一対の位置決め稜線部を有する略半円錐形状のものとして形成されていて、各ロケートピンを上記点火栓取付穴もしくはインジェクションノズルボディ取付穴に係合させて一次位置決めを行った後に、そのロケートピン同士を互いに離間する方向に移動させることで上記位置決め稜線部を基準としてシリンダヘッドが最終位置決めされるようになっていることを特徴としている。
【0009】
ここで、上記点火栓取付穴とは、1気筒4弁式ガソリンエンジン仕様のシリンダヘッドのうち点火栓(スパークプラグ)が取り付けられる穴をいい、同様にインジェクションノズルボディ取付穴とは、直噴式ディーゼルエンジンのシリンダヘッドのうちインジェクションノズルのボディが装着される穴をいう。このようにシリンダヘッド側の位置決め基準部を点火栓取付穴もしくはインジェクションノズルボディ取付穴としているのは、エンジン形式(シリンダヘッドの形式もしくは仕様)の相違やシリンダヘッドの外形状の相違にかかわらずその位置が比較的一定しているためである。
【0010】
また、上記位置調整用アクチュエータとしては例えば数値制御が可能なNCモータを採用するのが望ましい。さらに、この発明が対象としている切削加工は、先に例示したようにシリンダヘッド粗材に付帯している湯口部もしくは鋳ばりの切除を目的とした仕上げ切削加工であるが、いわゆる工具回転型の加工であれば上記以外の切削加工にも適用可能である。
【0011】
したがって、この請求項1に記載の発明では、移載台車側の水平なリフタテーブルに対しシリンダヘッドをシリンダブロックとの接合面を上にした状態で載置すれば、略半円錐形状のロケートピンとシリンダヘッド側の点火栓取付穴もしくはインジェクションノズルボディ取付穴とが係合し、その段階でシリンダヘッドを搬送するための移載台車側のリフタテーブルとシリンダヘッドとの相対位置決めがなされ、たとえ移載台車が移動しても両者の関係は不変である。
【0012】
そして、切削加工装置側のワークテーブルの直下まで移載台車を移動させ、その移載台車自体のリフタ機能によりリフタテーブルをリフトアップさせると、リフタテーブルとシリンダヘッドとの相対位置決め状態を維持したままでシリンダヘッドのうちシリンダブロックとの接合面がワークテーブルに密着して着座するようになることから、この状態でワークテーブル側に付帯しているクランパーをクランプ動作させることにより、シリンダヘッドがワークテーブルに堅固にクランプされる。このシリンダヘッドのクランプ状態をもってロケートピンはその機能を失うことから、移載台車のリフタテーブルのみを下降させる。
【0013】
このようなシリンダヘッドの移載過程において、予めリフタテーブルとシリンダヘッドとの相対位置決めがロケートピンによってなされていることから、リフタテーブルのリフトアップ軌跡の精度さえ保障されていれば、ワークテーブルとシリンダヘッドとの相対位置決め精度は一義的に定まることになる。
【0014】
また、先に述べたようにエンジン形式の相違やシリンダヘッドの外形状の相違にかかわらず、位置決め基準部となる点火栓取付穴もしくはインジェクションノズルボディ取付穴の位置がほぼ一定してはいても、必ずしも完全に一致しているわけではない。そこで、各エンジン形式ごとの点火栓取付穴もしくはインジェクションノズルボディ取付穴位置の微妙な違いに対応するために、位置調整用アクチュエータの作動により各ロケートピンの位置をいわゆるNC制御方式にて切り換える。こうすることにより、多種類のシリンダヘッドの位置決めに対応でき、きわめて汎用性が高いものとなる。
【0017】
特に、ロケートピン側の位置決め稜線部と点火栓取付穴もしくはインジェクションノズルボディ取付穴側の円筒面とが点接触するかたちとなり、この点接触をもって相対位置決めがなされることから、より高精度な位置決めが可能となる。
【0018】
さらに、請求項2に記載の発明は、上記請求項1に記載の発明を前提とした上で、上記ワークテーブルは360度任意の位置で停止可能なインデックスタイプのものとして形成されているとともに、シリンダヘッドの着座およびクランプに必要な領域を残して中抜き形状とされた略枠状のものとして形成されていて、上記クランプ状態のままでシリンダヘッドの6面の加工が可能となっていることを特徴としている。
【0019】
ここで、シリンダヘッドの6面とは、シリンダヘッド自体を略立方体形状のものとみなした場合にその天地四周全面をいう。
【0020】
したがって、この請求項2に記載の発明では、ワークテーブルを割り出し回転させながらシリンダヘッドと加工用の主軸との相対位置を変化させることにより、ワークテーブルに対するシリンダヘッド自体の着座面およびクランプ部位を除いたシリンダヘッド全面について、ワークテーブルからの取り外し,再取り付けの必要なくしてその加工を行えることになる。
【0021】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、シリンダヘッドの種類あるいは形式の違いにかかわらずほぼ一定している点火栓取付穴もしくはインジェクションノズルボディ取付穴にリフタテーブル側の略半円錐形状のロケートピンを係合させて相対位置決めを行い、その相対位置決め状態を保ったままでリフタテーブルのリフトアップ動作によりシリンダヘッドをワークテーブル側に移載してクランプするようにしたため、シリンダヘッドの種類あるいは形式の違いにかかわらず高精度な位置決めが可能となって、加工精度も向上するほか、ロケートピン自体も位置調整可能であることから多種類,多形式のシリンダヘッドの位置決めに対応可能であるとともに、シリンダヘッドの形状変更に際しても位置決め機構の改造もしくは新設等が不要で設備投資を抑制でき、真の意味で汎用性の高い設備を実現できる効果がある。
【0022】
特に、シリンダヘッド側の点火栓取付穴もしくはインジェクションノズルボディ取付穴の円筒面とロケートピン側の位置決め稜線部との点接触をもってシリンダヘッドとリフターテーブルとの相対位置決めがなされるため、位置決め精度が一段と向上する効果がある。
【0023】
また、請求項2に記載の発明によれば、ワークベースユニット側のワークテーブルがインデックス回転タイプのものであって、しかもその枠状のワークテーブルに一旦シリンダヘッドを固定すればその6面全面の加工が可能であるため、同じ加工のために数工程に分割する必要もなければそれら工程間でのシリンダヘッドの搬送も不要となるほか、上記6面全面の切削加工を一工程で行えることによりシリンダヘッドそのものの加工精度も向上する。
【0024】
【発明の実施の形態】
図1以下の図面は本発明に係る切削加工装置の好ましい実施の形態を示す図であり、特に図1はその平面説明図を、図2は図1の左側面の拡大説明図を、図3は図2のA−A線に沿う断面図をそれぞれ示している。そして、本実施の形態の切削加工装置は先にも述べたようにダイカスト鋳造後のアルミニウム合金製シリンダヘッド粗材の外周面に不可避的に付帯している湯口部や鋳ばりの切削除去を目的とした仕上げ切削加工ラインに適用した例を示している。
【0025】
図1に示すように、上記仕上げ切削加工ラインは大別して、鋳造後のシリンダヘッド粗材(以下、ワークという)Wを搬入するための前詰めストレージ機能を有する搬入コンベア1と、並べて配置された2台のマシニングセンタ2,3と、搬入コンベア1によって搬入されたワークWを順次2台のマシニングセンタ2,3に供給するための自走可能な多関節型のハンドリングロボット4と、2台のマシニングセンタ2,3間にまたがって配設されたワーク搬出用の搬出コンベア(ベルトコンベア)5とを備えている。なお、各マシニングセンタ2,3は図2,3にも示すようにブース板6によって囲まれた独立ブース構造となっている。そして、各マシニングセンタ2,3とロボット走路7との間には、それら両者間を往復移動してハンドリングロボット4から供給されたワークWを受け取ってこれをマシニングセンタ2,3側に供給するための移載台車8がそれぞれに設けられている。
【0026】
各マシニングセンタ2,3は、先端に所定の切削工具Tが装着されることになる主軸9を備えた主軸ヘッド10のほか、ワークベースユニット11および自動工具交換装置(以下、ツールチェンジャーという)12等から構成されていて、周知のようにツールチェンジャー12のツールマガジン13には複数の切削工具Tが予め用意されていることから、主軸ヘッド10はその直交3軸の動作自由度を使ってツールマガジン13との間で自律的に工具交換を行う機能を有している。なお、各マシニングセンタ2,3はともに同一構造であるので、互いに共通する部分には同一符号を付してある。
【0027】
上記ワークベースユニット11は、NCモータ14の起動により360度割り出し回転可能なインデックスタイプのワークテーブル15を備えていて、後述するようにワークWを複数のクランパー16にてクランプした上で主軸10に対するワークWの姿勢を任意に変更することができるようになっている。ワークテーブル15は図1,2に示すように、ワークWが着座する部位以外の中央の大部分が中抜き形状とされた略矩形枠状ものとして形成されていて、複数のクランパー16にてワークWを堅固にクランプするようになっている。
【0028】
一方、移載台車8はNCモータ23の起動により架台17上のレール18に沿って往復移動するようになっているとともに、リフトシリンダ19の伸縮作動によって昇降動作するリフタテーブル20を備えている。そして、図2に示すようにワーク受け取り位置P1にて下降状態にあるリフタテーブル20上にワークWを受け取った移載台車8はワーク引き渡し位置P2まで走行して、その位置にてリフタテーブル20をリフトアップさせることによりワークWをワークテーブル15側に引き渡すことになる。
【0029】
上記リフタテーブル20の上面には図4の(A)に示すように左右一対のロケートピン21が設けられていて、これらのロケートピン21をワークW側の既存の取付穴22に係合させることでリフタテーブル20とワークWとの相対位置決めがなされるようになっている。各ロケートピン21には個別にNCモータ25が付設されており、このNCモータ25のはたらきによりロケートピン21が矢印a方向にスライドしてその位置を任意に調整することが可能となっている。
【0030】
また、各ロケートピン21は図4のほか図5に示すように円錐台形状の一部を切除することにより略半円錐台形状に形成されているものであって、上記切除部はロケートピン21自体の軸心と平行な平面をもって切除することにより、各ロケートピン21には一対の位置決め稜線部24が形成されている。そして、ロケートピン21のうちその位置決め稜線部24を基準としてワークWの位置決めがなされるようになっている。
【0031】
さらに、上記ワークW側の取付穴22はワークWの種別の相違(エンジン、シリンダヘッドの形式もしくは仕様の相違)にかかわらずその位置がほぼ一定している部位が選定され、この実施の形態では図6,7に示すように直列4気筒タイプで且つ1気筒当たり4弁タイプのガソリンエンジン仕様の場合に四つある点火栓(スパークプラグ)取付穴22,22…のうち両端位置のものが上記ロケートピン21との係合部位として使用される。同様に、直噴ディーゼルエンジンの場合には上記点火栓取付穴22とほぼ同位置に設定されることになるインジェクションノズルボディ取付穴がロケートピン21との係合部位として使用される。
【0032】
ここで、図4の(B)に示すように各ロケートピン21の直径は相手側の点火栓取付穴もしくはインジェクションノズルボディ取付穴等の取付穴22の直径よりも十分に小さく形成されているものの、上記のようにNCモータ25を作動させることにより各ロケートピン21の位置を微調整することが可能となっている。
【0033】
したがって、以上のように構成された切削加工装置によれば、図1,2に示すようにダイカスト鋳造されたワークWとして複数の種別のものが混在するかたちで搬入コンベア1によって前詰め方式にてストレージされているものとすると、その搬入コンベア1上の最前列のワークWの種別が図示外のセンサによって検知される。例えばワークWの外観上の特徴を光電的に検出することでその種別が検知される。なお、各ワークWはシリンダヘッドとの接合面を上にした状態で待機している。そして、この種別検知後のワークWはロボットハンド26にて把持された上で例えば一方のマシニングセンタ2側のワーク受け取り位置P1で待機している移載台車8のリフタテーブル20上に移載される。
【0034】
それに先立って、上記の種別情報を受けてリフタテーブル20上のNCモータ25が作動し、各ワークWの種別ごとに予め設定されている位置までロケートピン21を移動させて位置決めする。これにより上記ロボットハンド26にて搬送されてきたワークWが移載台車8のリフタテーブル20上に載置されると、図4の(A),(B)に示すように各ロケートピン21がワークW側の取付穴22にスムーズに係合し、両者間のラフないわゆる一次位置決めがなされることになる。この時、各ロケートピン21と取付穴22とが単に係合しただけでは両者の間に隙間ができている可能性があり、位置決め精度の向上に限界がある。
【0035】
そこで、リフタテーブル20上にワークWが移載されて各ロケートピン21と取付穴22とが係合し且つロボットハンド26がワークWを開放したならば、さらなるNCモータ25の作動により所定量だけ各ロケートピン21を図4の(B)および図7の矢印C方向に移動させる。その結果、各ロケートピン21につき一対の位置決め稜線部24がそれぞれ相手側である取付穴22の内筒面に圧接して二次的な位置決め機能を発揮し、これら位置決め稜線部24と取付穴22の内周面との点接触をもってワークWの最終的な位置決めがなされることになる。この位置決め完了状態を図8に示す。
【0036】
ここで、ハンドリングロボット4が一方のマシニングセンタ2側の移載台車8へのワークWの供給動作を終えると、ハンドリングロボット4は搬入コンベア1上の次のワークWを把持した上でロボット走路7上を他方のマシニングセンタ3側まで走行して、その他方のマシニングセンタ3側の移載台車8にワークWを供給することから、この他方のマシニングセンタ3側でももう一方のマシニングセンタ2側と全く同様の動作が繰り返されることになる。
【0037】
このように、ワークWの種別に応じて略半円錐台形状のロケートピン21の位置を調整するとともに、各ロケートピン21とワークW側の取付穴22とが係合した後にさらにそのロケートピン21を取付穴22の径方向に移動させて該ロケートピン21側の位置決め稜線部24を取付穴22の内周面に圧接させて両者を点接触させることにより、ワークWの種別にかかわらずロケートピン21を共通して使用することを前提としつつも、いずれの種別のワークWについても確実かつ正確に位置決めすることができる。
【0038】
こうしてリフタテーブル20上のワークWの最終的な位置決めが完了すると、移載台車8は図2のほか図8,9に示すようにそのワーク受け取り位置P1からワーク引き渡し位置P2まで走行して停止する。このワーク引き渡し位置P2はワークベースユニット11のうちワークテーブル15の直下位置となるように予め設定されており、同時にワークテーブル15はワーク着座面を下向きにした水平状態で待機している。
【0039】
上記のようにワーク引き渡し位置P2に移載台車8が位置決めされると、図2のほか図10に示すようにその移載台車8に付帯しているリフトシリンダ19が伸長動作し、リフタテーブル20上に位置決めされているワークWをリフタテーブル20ごと押し上げる。ワークWが押し上げられるとそのワークWの上面すなわちシリンダヘッドとの接合面となるべき部位がワークテーブル15に着座することから、その状態のままでワークテーブル15側に付帯している複数のクランパー16を作動させて、ワークWをワークテーブル15側の着座面に押し付けるようにしてクランプさせる。そして、ワークWがワークテーブル15側にクランプされたならばリフトシリンダ19が収縮動作してリフタテーブル20が下降し、さらに移載台車8全体が元のワーク受け取り位置P1まで移動して一時待機し、以降は上記と同様の動作を繰り返すことになる。
【0040】
このように、予め可動式のロケートピン21をもってリフタテーブル20に位置決めされているワークWをその位置決め状態のままでワークテーブル15側にクランプさせ、その後に上記ロケートピン21による位置決めを解除するようにしたことで、ワークWの種別にかかわらずロケートピン21による位置決め精度を維持したままでそのワークWをワークテーブル15側に移載して位置決めクランプすることができる。そして、ワークWの多種類対応のためにワークテーブル15がクランパー16以外のロケートピン等の位置決め手段を備えていない場合であっても、その位置決め精度の全てを上記リフタテーブル20側のロケートピン21の位置決め精度に依存することになるものの、上記のようにワークWの種別にかかわらず高精度な位置決めが行えることになる。
【0041】
ワークWがワークテーブル15に位置決めクランプされると、図2,3のほか図11の(A),(B)に示すようにワークテーブル15は適宜割り出し回転されて加工位置に応じワークWの姿勢を変更する一方(図11の(A),(B)は相互にワークWを180度反転させた状態を示している)、主軸9は加工位置もしくはワークWの種別に応じてツールチェンジャー12との間で工具Tの自動交換をい行いながらに切削工具TにてワークWに付帯している湯口部の切断や鋳ばりの除去といった仕上げ切削加工を施すことになる。この場合、ワークWがワークテーブル15ごと360度回転可能となっているのに加えて、ワークテーブル15はいわゆる中抜き形状で且つフラット状のものとなっているため、ワークWのアンクランプ,クランプをし直すことなくそのワークWの6面の切削加工が可能である。また、ワークWの種別に応じた加工位置情報等は先の選択すべき工具Tの種別情報とともにマシニングセンタ2,3の制御装置に予め記憶・設定されており、加工すべきワークWの種別情報に応じて逐次呼び出される。
【0042】
ワークWの切削加工が終了すると、ワークテーブル15は図10に示すように元の水平状態に復帰する一方、図1に示すようにそのワークテーブル15の真下で待機しているドロップリフタ27が作動する。すなわち、ドロップリフタ27のリフトシリンダ28の伸長作動によりそのテーブル29がワークWを受け取り可能な位置まで上昇し、その状態にてワークテーブル15側のクランパー16がアンクランプ動作することにより加工済みのワークWがドロップリフタ27のテーブル29に移載される。さらに、そのテーブル29が下降することにより加工済みのワークWはその下降位置で待機し、図2に示すように次のワークWの加工に際して移載台車8がワーク引き渡し位置P2まで前進してくることによりその移載台車8のリフタテーブル20にて搬出コンベア5側に押し出され、最終的には傾斜したシュート51を滑り落ちるようにして搬出コンベア5に移載されて後工程へと搬出され、以降は上記と同様の動作が繰り返されることになる。
【0043】
このように本実施の形態によれば、ワークWをマシニングセンタ2もしくは3側のワークベースユニット11に移載するためのリフタ機能付きの移載台車8にロケートピン21を設け、このロケートピン21を積極的に位置調整可能とするとともに、一次位置決め機能と二次位置決め機能とを発揮させるようにしたことにより、そのロケートピン21が多種類のワークWに対応可能なように汎用性をもつこととなるほか、ワークベースユニット11側のワークテーブル15は少なくとも多種類のワークWに対応可能なクランプ機能さえあればよく、ワークベースユニット11ひいてはマシニングセンタ2,3自体が汎用性の高いものとなり、シリンダヘッドの混流生産形態に無理なく対応できるようになる。
【0044】
なお、上記実施の形態では、主軸9とツールマガジン13との間での工具交換に際してツール交換用アームを使用することなく両者の間で直接的に工具交換を行う場合の例を示しているが、必要に応じて工具交換に際してツール交換用アームを使用するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る切削加工装置の全体構成を示す平面説明図。
【図2】図1の左側の側面説明図。
【図3】図2のA−A線に沿う断面説明図。
【図4】(A)はワークと移載台車の相互関係を示す拡大説明図、(B)は同図(A)をb方向から見たときの要部拡大図。
【図5】図4の(A)に示すロケートピンの拡大説明図。
【図6】加工対象ワークとなるシリンダヘッドの一例を示す斜視図。
【図7】図6に示すシリンダヘッドの平面説明図。
【図8】移載台車とワークベースユニット側のワークテーブルとの相互関係を示す説明図。
【図9】移載台車とワークベースユニット側のワークテーブルとの相互関係を示す説明図。
【図10】移載台車とワークベースユニット側のワークテーブルとの相互関係を示す説明図。
【図11】(A),(B)ともに加工中の主軸ヘッドとワークテーブルとの関係を示す説明図。
【符号の説明】
1…搬入コンベア
2,3…マシニングセンタ
4…ハンドリングロボット
8…移載台車
9…主軸
10…主軸ヘッド
11…ワークベースユニット
15…ワークテーブル
16…クランパー
19…リフトシリンダ
20…リフタテーブル
21…ロケートピン
22…取付穴(点火栓取付穴もしくはインジェクションノズルボディ取付穴)
24…位置決め稜線部
25…NCモータ(位置調整用アクチュエータ)
P1…ワーク受け取り位置
P2…ワーク引き渡し位置
T…切削工具
W…ワーク(シリンダヘッド粗材)

Claims (2)

  1. 加工対象となるシリンダヘッドが固定されるワークベースユニットと、このワークベースユニット上のシリンダヘッドに対して所定の切削加工を施す少なくとも一つの主軸とを備えたマシニングセンタタイプの切削加工装置にして、
    所定の搬送手段により搬送されてきたシリンダヘッドをリフタ機能を有する移載台車のリフタテーブルで一旦受け取って位置決めした上、この位置決めされたシリンダヘッドがワークベースユニット側のワークテーブルと対面する位置まで上記移載台車を移動させ、その位置にてリフタテーブルをリフトアップさせることによりシリンダヘッドをワークテーブルに着座させつつそのワークテーブル側のクランパーにてクランプするようにしたシリンダヘッドの切削加工装置であって、
    上記移載台車のリフタテーブルに設けられた二つのロケートピンをシリンダヘッド側の点火栓取付穴もしくはインジェクションノズルボディ取付穴にそれぞれ係合させることでそのリフタテーブルとシリンダヘッドとの相対位置決めがなされるようになっていて、
    上記二つのロケートピンは位置調整用アクチュエータの作動によって相互接近離間方向で個別に位置調整可能となっているとともに、
    各ロケートピンは、円錐形状のうち互いに対向する面と反対側の部分を軸心と平行な面をもって切除することにより一対の位置決め稜線部を有する略半円錐形状のものとして形成されていて、
    各ロケートピンを上記点火栓取付穴もしくはインジェクションノズルボディ取付穴に係合させて一次位置決めを行った後に、そのロケートピン同士を互いに離間する方向に移動させることで上記位置決め稜線部を基準としてシリンダヘッドが最終位置決めされるようになっていることを特徴とするシリンダヘッドの切削加工装置。
  2. 上記ワークテーブルは360度任意の位置で停止可能なインデックスタイプのものとして形成されているとともに、シリンダヘッドの着座およびクランプに必要な領域を残して中抜き形状とされた略枠状のものとして形成されていて、
    上記クランプ状態のままでシリンダヘッドの6面の加工が可能となっていることを特徴とする請求項1に記載のシリンダヘッドの切削加工装置。
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