JP4288091B2 - 板材加工装置及び板材加工方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、板材の加工を行う板材加工装置及びその板材加工方法に係り、さらに詳細には、板材の加工を行うための複数の板材加工機を近接配置してなる板材加工装置及びその加工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、板状のワークに加工を行う板材加工機として、例えばパンチプレス,レーザ加工機があり、前記パンチプレスとレーザ加工機とを個別に配置してワークを連続的に行う構成や、パンチプレスとレーザ加工機とを複合化した複合加工機が開発されている。
【0003】
前述のごとく、パンチプレスとレーザ加工機とを個別に配置してワークの加工を行う構成においては、前記パンチプレスとレーザ加工機との間に、コンベア等のごときワーク搬送装置を配置した構成が一般的であり、全体的構成の占有面積が広くなるという問題がある。
【0004】
また、パンチプレスとレーザ加工機とを複合化して複合加工機に構成した場合には、専有面積を小さくすることができるものの、例えばワークに対してパンチング加工を行っているときにはレーザ加工機は休止状態にあり、逆にワークのレーザ加工時には、パンチプレスが休止状態になるので、稼働率を向上する上においては問題がある。
【0005】
なお、板状のワークに加工を行う第1の板材加工機と第2の板材加工機との間にコンベア等のごときワーク搬送装置を配置することなく、第1,第2の板材加工機を近接して配置し、第1の板材加工機に備えたワーク移動位置決め装置から第2の板材加工機に備えたワーク移動位置決め装置へのワークを直接受け渡す構成も開発されている(例えば特開2002−239647号公報)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1に記載の構成によれば、第1の板材加工機から第2の板材加工機へワークを直接受け渡すことができ、ワーク搬送装置を省略できて省スペース化を図ることができるものの、第1の板材加工機から第2の板材加工機へワークを受け渡す際にはワークの加工を行うことができず、さらに能率向上を図る上において問題がある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は前述のごとき従来の問題に鑑みてなされたもので、請求項1に係る発明は、第1の板材加工機と第2の板材加工機とを近接して備えてなる板材加工装置において、前記第1の板材加工機は、前記第2の板材加工機に対して接近離反する方向であるX軸方向ヘワークを移動位置決め自在のワーク移動位置決め装置を備え、前記第2の板材加工機は、前記ワークの第2の板材加工機側を保持してX軸方向ヘ移動位置決め自在の移動位置決め装置を備える共に、該移動位置決め装置を越えてX軸方向ヘ移動位置決め自在の可動フレームに、前記ワークの加工を行うための加工ヘッドを前記X軸に対して直交するY軸方向ヘ移動自在に備え、前記第1の板材加工機のワーク移動位置決め装置から前記第2の板材加工機のワーク移動位置決め装置へ前記ワークの受け渡しを行う際に、前記第2の板材加工機のテーブル上に位置決めされた前記ワークに前記第2の板材加工機に備えた前記加工ヘッドにより加工を行うことを特徴とする板材加工装置である
【0011】
請求項に係る発明は、近接して配置した第2の板材加工機に対して接近離反する方向であるX軸方向ヘワークを移動位置決め自在のワーク移動位置決め装置を備えた第1の板材加工機と、前記X軸方向ヘ移動位置決め自在の可動フレームに、前記ワークの加工を行うための加工ヘッドを、X軸方向に対して直交するY軸方向ヘ移動自在に備えると共に、前記ワークを保持してX軸方向ヘ移動位置決め自在のワーク移動位置決め装置を備えてなる第2の板材加工機とを用いてワークの板材加工を行う方法であって、前記第1の板材加工機に備えたワーク移動位置決め装置から前記第2の板材加工機に備えたワーク移動位置決め装置にワークの受け渡しを行う際に、前記第2の板材加工機に備えた加工ヘッドによって前記ワークに加工を行うことを特徴とする板材加工方法である
【0012】
【発明の実施の形態】
図1を参照するに、本発明の実施形態に係る板材加工装置1は、第1の板材加工機としてタレットパンチプレス3を備えており、このタレットパンチプレス3に近接して第2の板材加工機としてのレーザ加工機5がX軸方向に配置してある。
【0013】
前記タレットパンチプレス3は、一般的なタレットパンチプレスと同様に、パンチ,ダイを備えた上下のタレット7を回転自在かつ加工位置9に割出し自在に備えると共に、加工位置9に割出し位置決めされたパンチ,ダイに対してテーブル10上のワークWをX軸方向(図1において左右方向)及びX軸方向に対して直交するY軸方向に移動位置決め自在のワーク移動位置決め装置11を備えている。
【0014】
上記ワーク移動位置決め装置11は、特開平11−300439号公報や特開2001−198639号等によって公知のように、X軸方向に長いキャリッジベース13をY軸方向へ移動位置決め自在に備えており、このキャリッジベース13に備えたX軸方向に長いボールネジ15には、サーボモータによって回転されるナット部材(図示省略)を移動自在に螺合して備えた複数のワーククランプ17がX軸方向へ同期して又は個別に移動自在に備えられている。
【0015】
したがって、Y軸方向を指向した前記複数のワーククランプ17によってワークWをクランプした状態において、前記キャリッジベース13をY軸方向へ移動することによりワークWをY軸方向へ移動でき、またワークWをクランプした複数のワーククランプ17を同期してX軸方向へ移動することにより、ワークWをX軸方向に移動できるものである。すなわち、前記加工位置9に対してワークWをX軸,Y軸方向へ移動位置決めすることができるものである。
【0016】
そして、前記複数のワーククランプ17のうち図1において右側のワーククランプ17によるワークWのクランプを解除して右端位置へ移動し、中央部のワーククランプ17と左側のワーククランプ17によってワークWをクランプし、同期して右方向へ移動することにより、ワークWの右端部を、前記レーザ加工機5におけるテーブル19上に直接移送することができるものである。
【0017】
前記レーザ加工機5は、X軸方向に長い前記テーブル19の一端側を前記タレットパンチプレス3におけるテーブル10に近接して配置した構成であって、前記テーブル19には、前記ワークWを保持してX軸方向へ移動位置決め自在のワーク移動位置決め装置21を備えている。
【0018】
より詳細には、前記タレットパンチプレス3におけるキャリッジベース13がY軸方向の原点位置に位置してワークWをX軸方向に移送する際のワークWのY軸方向の基準位置は、レーザ加工機5においてワークWをX軸方向に移送する際のY軸方向の基準位置と一致しているものである。
【0019】
前記レーザ加工機5の前記テーブル19上にはY軸方向に長いキャリッジベース23がX軸方向に移動自在かつ前記タレットパンチプレス3におけるテーブル10に近接した位置へ移動可能に備えられている。そして、このキャリッジベース23に設けたY軸方向のボールネジ25には、前記タレットパンチプレス3の方向を指向した複数のワーククランプ27がY軸方向へ同期して又は個別に移動可能に支持されている。
【0020】
上記各ワーククランプ27は、前述したワーククランプ17と同様に、サーボモータによって個別に回転されるナット部材を前記ボールネジ25に移動自在に螺合した構成であって、前記サーボモータを同期して同方向へ回転することにより複数のワーククランプ27を同期して同方向へ移動することができ、また前記サーボモータを個別に回転させることにより、各ワーククランプ27を個別に任意の方向へ移動でき、各ワーククランプ27の間隔を、前記ワークWのY軸方向の幅に対応して所望位置に移動位置決めすることができるものである。
【0021】
さらに前記テーブル19の上方には、前記キャリッジベース23を越えてX軸方向へ移動自在の門型の可動フレーム29が備えられている。この可動フレーム29は、前記タレットパンチプレス3におけるテーブル10に近接した位置まで移動可能であり、この可動フレーム29におけるタレットパンチプレス3側の側面には、ワークWの加工を行う加工ヘッドの一例としてレーザ加工ヘッド31がY軸方向へ移動自在に備えられている。
【0022】
したがって、レーザ加工機5においてはテーブル19上のワークWに対して可動フレーム29をX軸方向に移動すると共にレーザ加工ヘッド31をY軸方向に移動することにより、ワークWにレーザ加工を行うことができるものである。この際、可動フレーム29のX軸方向の移動に替えて、キャリッジベース23をX軸方向へ移動してワークWをX軸方向へ移動することも可能である。
【0023】
以上のごとき構成において、タレットパンチプレス3におけるワーク移動位置決め装置11に備えた複数のワーククランプ17によってワークWを保持した状態において、キャリッジベース13をY軸方向へ移動すると共に複数のワーククランプ17を同期してX軸方向へ移動して、加工位置9に対してワークWをX軸,Y軸方向へ移動位置決めしてワークWの加工を行った後、前記キャリッジベース13をY軸方向の原点位置に位置決めし、その後に複数のワーククランプ17をレーザ加工機5方向へ移動すると、ワークWのレーザ加工機5側の端部はレーザ加工機5におけるテーブル19上に載置されることになる。
【0024】
この際、タレットパンチプレス3のテーブル10に近接した位置において可動フレーム29をX軸方向へ移動すると共にレーザ加工ヘッド31をY軸方向へ移動してワークWのレーザ加工を行うことにより、レーザ加工機5に備えた複数のワーククランプ27が邪魔になることなくワークWのレーザ加工機5側の端部付近のレーザ加工を行うことができるものである。
【0025】
その後、前記各ワーククランプ27をY軸方向の所望位置へ個別に移動位置決めしてワークWのX軸方向の一端側を把持することができるものである。このように、レーザ加工機5における複数のワーククランプ27によってワークWをクランプした後、キャリッジベース23をX軸方向へ移動することによりワークWの全体をテーブル19上に載置してワークWのレーザ加工を行い得るものである。
【0026】
ワークWがレーザ加工機5のテーブル19上へ移動されてレーザ加工が行われているとき、タレットパンチプレス3に対しては次の新しいワークが搬入され、次の新しいワークの加工が開始されるものである。したがって、この場合はタレットパンチプレス3とレーザ加工機5においてそれぞれ個別にワークの加工が行われることとなり、タレットパンチプレス3及びレーザ加工機5の稼働率が向上するものである。
【0027】
既に理解されるように、第1の板材加工機の一例としてのタレットパンチプレス3から第2の板材加工機の一例としてのレーザ加工機5へワークWを移動するとき、タレットパンチプレス3に備えたワーク移動位置決め装置11における複数のワーククランプ17によってワークWをクランプした状態においてワークWのレーザ加工機5側の端部付近のレーザ加工を行うことができるので、レーザ加工機5におけるワーク移動位置決め装置21に備えたワーククランプ27によってワークWを把持する位置に近接した位置のレーザ加工であっても、上記ワーククランプ27が邪魔になるようなことがなく、能率良くレーザ加工を行うことができるものである。
【0028】
そして、ワークWをレーザ加工機5のテーブル19上に移動した後においては、タレットパンチプレス3とレーザ加工機5においてそれぞれワークWの加工を行うことができるので、稼働率が向上するものである。また、前記構成によれば、タレットパンチプレス3又はレーザ加工機5の一方のみの加工も容易に行い得るものである。
【0029】
また、タレットパンチプレス3からレーザ加工機5の連続加工におけるワークWの受渡し方法としては、次のように行なうことも可能である。
【0030】
まず、タレットパンチプレス3においてワークWの加工を行なった後、前記キャレッジベース13をY軸方向の原点位置に位置決めし、その後に複数のワーククランプ17をレーザ加工機5方向へ移動してワークWのレーザ加工機5側の端部をレーザ加工機5におけるテーブル19上に位置決め載置すると同時に、レーザ加工機5のキャリッジベース23をX軸方向へ移動することによりワーククランプ27をワークWの端部位置に位置決めし、ワーククランプ27でワークWをクランプする。
【0031】
このときタレットパンチプレス3のワーククランプ17とレーザ加工機5のワーククランプ27で同時にワークWをクランプしている状態となる。
【0032】
その後、タレットパンチプレス3のワーククランプ17のワークWのクランプを解除することにより、ワークWのワーククランプ17からワーククランプ27へ直接の受渡しが行なわれ、直ちにワーククランプ27でワークWをX軸方向に移動位置決めしながらレーザ加工ヘッド31によりワークWのレーザ加工を行なうことができる。
【0033】
この際、タレットパンチプレス3のワーククランプ17からレーザ加工機5のワーククランプ27へのワークWの受渡しは、直接両ワーククランプでクランプを行なった後に行なわれるので、ワークのずれが発生することがなく加工精度の良い連続加工ができるものである。
【0034】
また、受渡しが完了しレーザ加工機5のワーククランプ27でワークWをクランプしたあと直ちに、ワーククランプ27で位置決めを行いレーザ加工を行なうことができ、コンベア等のワーク搬送装置を介して受渡しする場合のように、受渡し後レーザ加工機5においてワークWを原点位置決めし再クランプすることが不要であり、受渡し後の休止状態をなくし効率良く連続加工ができるものである。
【0035】
【発明の効果】
以上のごとき説明より理解されるように、本発明によれば、第1の板材加工機におけるワーク移動位置決め装置から第2の板材加工機におけるワーク移動位置決め装置へワークを直接移動することができると共に、第1の板材加工機から第2の板材加工機へワークを移動するときに、第2の板材加工機によってワークの加工を行うことができ、能率向上及び稼働率の向上を図ることができ、前述したごとき従来の問題を解消することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る板材加工装置の全体的構成を概念的,概略的に示した平面説明図である。
【符号の説明】
1 板材加工装置
3 タレットパンチプレス(第1の板材加工機)
5 レーザ加工機(第2の板材加工機)
10,19 テーブル
11,21 ワーク移動位置決め装置
13,23 キャリッジベース
17,27 ワーククランプ
29 可動フレーム
31 レーザ加工ヘッド

Claims (2)

  1. 第1の板材加工機と第2の板材加工機とを近接して備えてなる板材加工装置において、前記第1の板材加工機は、前記第2の板材加工機に対して接近離反する方向であるX軸方向ヘワークを移動位置決め自在のワーク移動位置決め装置を備え、前記第2の板材加工機は、前記ワークの第2の板材加工機側を保持してX軸方向ヘ移動位置決め自在の移動位置決め装置を備える共に、該移動位置決め装置を越えてX軸方向ヘ移動位置決め自在の可動フレームに、前記ワークの加工を行うための加工ヘッドを前記X軸に対して直交するY軸方向ヘ移動自在に備え、前記第1の板材加工機のワーク移動位置決め装置から前記第2の板材加工機のワーク移動位置決め装置へ前記ワークの受け渡しを行う際に、前記第2の板材加工機のテーブル上に位置決めされた前記ワークに前記第2の板材加工機に備えた前記加工ヘッドにより加工を行うことを特徴とする板材加工装置
  2. 近接して配置した第2の板材加工機に対して接近離反する方向であるX軸方向ヘワークを移動位置決め自在のワーク移動位置決め装置を備えた第1の板材加工機と、前記X軸方向ヘ移動位置決め自在の可動フレームに、前記ワークの加工を行うための加工ヘッドを、X軸方向に対して直交するY軸方向ヘ移動自在に備えると共に、前記ワークを保持してX軸方向ヘ移動位置決め自在のワーク移動位置決め装置を備えてなる第2の板材加工機とを用いてワークの板材加工を行う方法であって、前記第1の板材加工機に備えたワーク移動位置決め装置から前記第2の板材加工機に備えたワーク移動位置決め装置にワークの受け渡しを行う際に、前記第2の板材加工機に備えた加工ヘッドによって前記ワークに加工を行うことを特徴とする板材加工方法
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