JP3768420B2 - パーキングブレーキ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、据付部材にブレーキレバーを解除位置と作動位置との間を回動可能なように枢支し、該ブレーキレバーを前記解除位置から前記作動位置に回動することにより、ブレーキワイヤを介して制動部に力を伝達して制動力を発生させるようにしたパーキングブレーキ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のパーキングブレーキ装置としては、例えば、車両の運転席近傍にベース部材が固設されており、このベース部材にブレーキレバーが起倒可能に枢支され、該ブレーキレバーを解除位置から作動位置に引き起こすことにより、ブレーキワイヤを介して制動部に力が伝達されて制動力が発生するマニュアル式のパーキングブレーキ装置が知られている。
【0003】
かかるパーキングブレーキ装置には、前記ブレーキレバーを作動位置に拘束するロック機構が設けられている。ロック機構は、ベース部材側に設けられた被係合部に対して、爪部材の揺動端が係脱するように構成されている。ここで爪部材は、第1付勢部材によって被係合部に係合する方向に付勢されている。パーキングブレーキ装置には、ブレーキレバーの拘束を解除操作するためのリリースロッドが設けられ、このリリースロッドと爪部材とが連結され、第1付勢部材によって、リリースロッドは解除操作しない非リリース位置の方向へ付勢されている。
【0004】
このようなパーキングブレーキ装置は、いわゆる二操作開放機構のものであり、ブレーキレバーが作動位置にあるとき、ブレーキレバーをさらに所定量回動する第1操作をし、爪部材と被係合部との噛み合い抵抗を減少させ、かつ、第1付勢部材の付勢力に抗して、リリースロッドを非リリース位置からリリース位置に解除操作する第2操作をすることで、爪部材が被係合部から外れ、ロック機構によるブレーキレバーの拘束が解除されるものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述したような従来のパーキングブレーキ装置では、爪部材とリリースロッドとが連結されているため、ブレーキレバーのグリップが特に軟質の材料である場合に、グリップを握った時の変形で、リリースボタンやリリースロッドの操作が不十分になると、爪部材が被係合部に完全に噛み合わないで、ブレーキレバーの余計な操作や、やり直し操作を余儀なくされ、操作性が低下するという問題があった。
【0006】
また、ブレーキレバーを解除位置から作動位置に回動するときに、爪部材が被係合部を次々に乗り越えるべく揺動する度に、リリースロッドやリリースボタンが往復運動を繰り返すので、リリースロッドなどがブレーキレバーに干渉して、異音が発生し、静粛性を損なうという問題点があった。
【0007】
本発明は、以上のような従来技術の有する問題点に着目してなされたもので、ブレーキレバーを操作するときの操作性および静粛性をそれぞれ向上することができるパーキングブレーキ装置を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するための本発明の要旨とするところは、次の各項の発明に存する。
[1]据付部材にブレーキレバー(30)を解除位置と作動位置との間を回動可能なように支持し、該ブレーキレバー(30)を前記解除位置から前記作動位置に回動することにより、ブレーキワイヤ(BW)を介して制動部に力を伝達して制動力を発生させるようにしたパーキングブレーキ装置において、
前記ブレーキレバー(30)を前記作動位置に拘束する拘束状態と前記ブレーキレバー(30)の拘束を解除する拘束解除状態とに可変するロック機構と、リリースロッド(61)を解除操作することで前記ロック機構による前記ブレーキレバー(30)の拘束を解除するリリース機構(60)と、前記ブレーキレバー(30)を拘束する方向である第1方向に前記ロック機構を付勢する第1付勢部材(56)とを備え、
前記リリース機構(60)は、前記リリースロッド(61)を解除操作するリリース位置から解除操作しない非リリース位置に付勢する第2付勢部材(66)を有し、
前記第2付勢部材(66)は、前記リリースロッド(61)が前記非リリース位置にあり、かつ、前記ブレーキレバー(30)が前記解除位置、前記作動位置あるいは前記解除位置から前記作動位置に回動操作中の任意の位置にあるとき、前記ロック機構から離間した位置にあって、前記第1付勢部材(56)の前記第1方向の付勢力で前記ロック機構によるブレーキレバー(30)の拘束を可能にし、前記ブレーキレバー(30)が前記作動位置にあるときに、前記ブレーキレバー(30)を前記作動位置からさらに所定量回動操作する第1操作をして、前記ロック機構側の抵抗力を減少させ、かつ、前記リリースロッド(61)を前記非リリース位置から前記リリース位置に解除操作する第2操作をして、前記ロック機構に弾撥的に当接することで、前記ロック機構を前記第1方向とは反対方向である第2方向に付勢する付勢力が、前記第1方向の付勢力を含む前記ロック機構側の抵抗力より大きくなって、前記ロック機構によるブレーキレバー(30)の拘束を解除可能にする
ことを特徴とするパーキングブレーキ装置。
【0009】
[2]前記第2付勢部材(66)は、前記リリースロッド(61)の端部(62)を前記ブレーキレバー(30)の本体から浮かせた状態で支持している
ことを特徴とする[1]に記載のパーキングブレーキ装置。
【0010】
[3]前記第2付勢部材(66)は、前記リリースロッド(61)の端部(62)に巻き付けられた巻ばねであり、
前記巻ばねの一端部(67)は、前記ロック機構の近傍に延ばされていて、前記リリースロッド(61)を解除操作するときに前記ロック機構に弾撥的に当接可能なものである一方、前記巻ばねの他端部(68)は前記ブレーキレバー(30)の本体に連結されている
ことを特徴とする[1]または[2]に記載のパーキングブレーキ装置。
【0011】
次に前記各項に記載された発明の作用を説明する。
第1付勢部材(56)は、ブレーキレバー(30)を拘束する方向である第1方向にロック機構を常に付勢している。ブレーキレバー(30)が解除位置にあり、リリースロッド(61)が非リリース位置にあるとき、また、第2付勢部材(66)は、ロック機構から離間した位置にある。
【0012】
据付部材に支持されているブレーキレバー(30)を解除位置から作動位置に回動する回動操作中の任意の位置にあるとき、第2付勢部材(66)はロック機構から離間していて、ロック機構は第2付勢部材(66)の第2方向の付勢力を受けない。第1付勢部材(56)はロック機構を第1方向に常に付勢しているので、ロック機構によるブレーキレバー(30)の拘束が可能になる。それにより、例えば、ブレーキレバー(30)のグリップに変形が生じて、リリースロッド(61)などの操作が不十分であっても、ロック機構側に影響を及ぼさず、ロック機構によるブレーキレバー(30)の拘束が確実になり、パーキングブレーキの余分な操作をしたり、やり直し操作をしたりする場合が生じないので、パーキングブレーキの操作性が向上する。
【0013】
また、ブレーキレバー(30)を解除位置から作動位置に回動する回動操作中には、第2付勢部材(66)がロック機構から離間していて、ロック機構にリリースロッド(61)が連動せず、第2付勢部材(66)はリリースロッド(61)を非リリース位置に保持しているので、リリースロッド(61)が何れの部品にも干渉せず、干渉音を発生することがなく、静粛性を高めることができる。
【0014】
ブレーキレバー(30)を作動位置に回動することにより、ブレーキワイヤ(BW)を介して制動部に力が伝達されて制動力が発生する。また、ロック機構によって、ブレーキレバー(30)を作動位置に拘束することができる。
【0015】
ブレーキレバー(30)が作動位置にあるとき、ブレーキレバー(30)を作動位置から解除位置に戻すには、2つの操作を行う必要がある。
【0016】
すなわち、ブレーキレバー(30)を作動位置からさらに所定量回動操作する第1操作をして、ロック機構側の抵抗力を減少させ、かつ、リリースロッド(61)を非リリース位置からリリース位置に解除操作する第2操作をして、ロック機構に弾撥的に当接すればよい。それにより、ロック機構を第1方向とは反対方向である第2方向に付勢する付勢力が、第1方向の付勢力を含むロック機構側の抵抗力より大きくなって、ロック機構によるブレーキレバー(30)の拘束が解除され、ブレーキレバー(30)を作動位置から解除位置に戻すことができる。
【0017】
この第2付勢部材(66)は、リリースロッド(61)の端部(62)をブレーキレバー(30)の本体から浮かせた状態で支持しているので、リリースロッド(61)がブレーキレバー(30)の本体に干渉しないようになり、リリースロッド(61)に起因する干渉音が生じないので、静粛性がさらに高まる。また、リリースロッド(61)と第2付勢部材(66)との連結する部分が可能な限り小さくできる構成であるから、解除操作時のリーリスロッド(61)の受ける第2付勢部材(66)からの摩擦抵抗を小さく抑えることができ、摩擦抵抗が小さいから、リリースロッド(61)の動きが円滑かつ確実になって、解除操作の確実性を高めることができる。
【0018】
また、第2付勢部材(66)は、リリースロッド(61)の端部(62)に巻き付けられた巻ばねである。この巻ばねの一端部(67)は、ロック機構の近傍に延ばされている一方、巻ばねの他端部(68)はブレーキレバー(30)の本体に連結されている。この巻ばねの一端部(67)は、リリースロッド(61)を解除操作するときに、ロック機構に弾撥的に当接する。
【0019】
このように、第2付勢部材(66)を巻ばねにしたことにより、巻ばねをリリースロッド(61)の端部(62)に巻き付けるだけで組付けが終了し、組付性がよくなる。また、1つの巻ばねが、リリースロッド(61)を非リリース位置の方へ付勢する機能と、ロック機構に弾撥的に当接することでロック機構を第2方向に付勢する機能との二つの機能を有しており、部品点数を減らすことができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づき本発明の一実施の形態を説明する。
図1〜図9は本発明の一の実施の形態を示している。
図1はブレーキレバーの正面図である図5のI−I線断面図、図2は解除位置に戻した状態で示すブレーキレバーの取り付け状態斜視図、図3は作動位置に回動した状態で示すブレーキレバーの取り付け状態斜視図、図4は図2の正面図、図5はブレーキレバーの正面図、図6は図1のVI−VI線断面図、図7は図1のVII−VII線断面図である。
【0021】
図1〜図4に示すように、自動車のインストルメントパネル10の中央部に形成されたコンソールボックス12に、カーナビゲーション13、空調用空気吹き出しグリル14、オーディオ機器15、小物入れ16等が装備される。また、コンソールボックス12の、運転席側の側縁部(図示例では左側縁部)には、パーキングブレーキ装置のブレーキレバー30が配設される。このブレーキレバー30は、コンソールボックス12の、運転席側の側縁部に形成された切欠き状の凹部11に収容される解除位置A(図1の状態)と、その凹部11から脱出した作動位置B(図2の状態)との間を回動し得るようになっている。
【0022】
図1〜図6に示すように、ブレーキレバー30の本体は鋼板製で、相互に組み合わせることで中空のグリップ部32を持つ一対のレバー本体31と、そのグリップ部32の外周面を被覆する合成樹脂製のグリップ40とから構成される。レバー本体31の基端部33は、コンソールボックス12の前面壁を貫通してその内部に達していて、インストルメントパネル10の支持用フレーム17に固着されたブラケット20に枢軸21を介して取り付けられる。枢軸21に巻着された巻ばね25により、ブレーキレバー30が解除位置Aに戻る方向に付勢されている。レバー本体31の基端部33には、図示しない作動レバーに連なるブレーキワイヤBWが接続される。
【0023】
前記ブラケット20には、枢軸21を中心とした扇形のラチェットギア23と、このラチェットギア23の一端に連なる平坦面24とが形成され、それらに順次係合し得る爪部53を一端に持ったラチェットポール52が枢軸51を介してレバー本体31に回動可能に取り付けられる。爪部53は、ブレーキレバー30の解除位置Aでは平坦面24に係合し、作動位置Bではラチェットギア23の何処かに係合するようになっている。ラチェットポール52がブレーキレバー30を作動位置Bに拘束するロック機構を構成している。
【0024】
また、ラチェットポール52は、第1付勢部材56によりその爪部53がラチェットギア23に係合する係合方向(第1方向)に常時付勢されている。第1付勢部材56の一端部57は、ラチェットポール52の他端部54に形成されたフック部55に係止しており、第1付勢部材56の他端部58は、レバー本体31に形成されたフック部39に係止している。
【0025】
ラチェットポール52の他端部54の方向に、レバー本体31のグリップ部32に収容されるリリース機構60のリリースロッド61の後端部62が延ばされ、そのリリースロッド61の後端部62に形成した軸部65に巻きばねである第2付勢部材66が巻着されている。リリースロッド61の中間部には長孔64が形成されている。長孔64にはピン部材37が相対移動可能に嵌合し、ピン部材37により、爪部53をラチェットギア23から外すリリース位置と爪部53をラチェットギア23に係合させる非リリース位置との間をリリースロッド61が案内移動可能に支持されている。
【0026】
第2付勢部材66の一端部67はラチェットポール52の他端部54の近傍位置まで延ばされている。第2付勢部材66の一端部67は、リリースロッド61が非リリース位置にあり、かつ、ブレーキレバー30が解除位置A、作動位置Bあるいは解除位置Aから作動位置Bに回動操作中の任意の位置にあるとき、ラチェットポール52から離間した位置にあり、ラチェットポール52は、第1付勢部材56によりその爪部53がラチェットギア23に係合する係合方向(第1方向)に常時付勢されているから、ブレーキレバー30を任意の作動位置Bに拘束可能である。
【0027】
ラチェットポール52は、解除操作時に他端部54に弾撥的に当接可能な第2付勢部材66の一端部67によりその爪部53がラチェットギア23から外れた非係合方向(第2方向)に付勢されている。
【0028】
第2付勢部材66の非係合方向(第2方向)の付勢力は、第1付勢部材56の係合方向(第1方向)の付勢力より大きく設定されている。また、非係合方向(第2方向)の付勢力は、ラチェットポール52の爪部53とラチェットギア23との噛み合い力と前記係合方向(第1方向)の付勢力とを合わせた力より小さく設定されている。
【0029】
すなわち、ブレーキレバー30を作動位置Bからさらに所定量回動操作する第1操作をして、前記噛み合い力を減少させ、かつ、リリースロッド61を非リリース位置からリリース位置に解除操作する第2操作をして、ロック機構に弾撥的に当接することで、非係合方向(第2方向)の付勢力が、前記減少させた噛み合い力と係合方向(第1方向)の付勢力とを合わせた力より大きくなって、始めてラチェットポール52の爪部53がラチェットギア23から外れ、ブレーキレバー30の拘束を解除可能なように設定されている。
【0030】
また、第2付勢部材66の巻着部から一端部67まで延びる部位は、リリースロッド61に形成したフック部69に係止している。さらに、第2付勢部材66の他端部68は、レバー本体31に形成されたフック部38に係止している。それにより、第2付勢部材66は、リリースロッド61を図1において斜め上方向(第2付勢部材66の一端部67がラチェットポール52の他端部54から離れる方向)に付勢するとともに、リリースロッド61の後端部62をレバー本体31から浮かした状態に支持している。
【0031】
図1、図6および図7に示すように、グリップ部32の運転席側側面には、グリップ40に埋設されるガイド部材80が固設されており、このガイド部材80に解除ノブ70がリリースロッド61の軸方向に摺動自在に装着される。この解除ノブ70は、グリップ40の周面41に穿設された下孔42および、グリップ部32の側壁に設けられた下孔26を貫通して、リリースロッド61の前端部63に当接する押圧子71を備えている。
【0032】
ブレーキレバー30をその解除位置Aで収容するコンソールボックス12の前記凹部11は、運転席側の側面と、車体後方側の後面とが開放されており、したがって、解除ノブ70は、その凹部11の開放側面に対応したグリップ40の側面に配設されることになる。これに伴い、グリップ40の頭部と、それが対応する凹部の上端壁との間の隙間は、解除ノブ70に何等干渉されることなく、ブレーキレバー30の回動を許容するだけの小間隙とされる。凹部11の側壁および底壁とグリップ40との間には、グリップ40を把持するドライバの手の挿入を可能にするスペース18が設けられている。
【0033】
また、図1に示すように、ブレーキレバー30には衝撃吸収部35、36が設けられている。具体的には、衝撃吸収部35、36は、一対のグリップ部32の各所定位置にそれぞれ設けられている。衝撃吸収部35、36は切り込み溝の形状に形成され、ブレーキレバー30を車室内側に引くとき、切り込み溝の溝口35a、36aが閉じていることで、溝口35a、36aの口縁同士が突き当たって、ブレーキレバー30を車室内側に引くときの操作力に抗し、ブレーキレバー30を引く方向(図1においてD1方向)とは略反対方向(図1においてD2方向)の衝撃力を受けると、切り込み溝の溝口35a、36aが開くように変形することで、衝撃力を吸収するものである。
【0034】
次に本実施の形態の作用を説明する。
図1および図2に示すように、ブレーキレバー30が解除位置Aにあるとき、コンソールボックス12の切欠き状の凹部11に収容されている。また、ラチェットポール52の爪部53は、平坦面24に係合している。リリースロッド61は非リリース位置にあって、図9に示すように、リリースロッド61の後端部62に設けられた第2付勢部材66の一端部67はラチェットポール52の他端部54から離れており、ラチェットポール52は第1付勢部材56により図9において半時計方向に付勢されている。
【0035】
図9に実線で示すラチェットポール52の爪部53は、平坦面24に係合している状態であり、リリースロッド61を非リリース位置からリリース位置に操作すると、図8に示すように、第2付勢部材66の一端部67はラチェットポール52の他端部54に弾撥的に当接し、ラチェットポール52の爪部53と平坦面24との噛み合い力は小さいから、第2付勢部材66の非係合方向(第2方向)の付勢力によって、図8で実線で示すように、ラチェットポール52の爪部53は、平坦面24から離れ、ストッパ34に当接した非係合位置にある。
【0036】
解除位置Aにあるブレーキレバー30を、ブレーキワイヤBWからの反力および巻ばね25の付勢力に抗して、車室内側に引くことで、解除位置Aから作動位置Bに回動すると、ラチェットポール52の爪部53が平坦面24からラチェットギア23に移動して、第1付勢部材56の付勢力により、ラチェットギア23に順次係合していき、作動位置Bではラチェットギア23の何処かに係合する。それにより、ブレーキレバー30は作動位置に拘束される。
【0037】
ブレーキレバー30を解除位置から作動位置に回動する回動操作中の任意の位置にあるとき、第2付勢部材66はラチェットポール52の他端部54から離間していて、ラチェットポール52は第2付勢部材66の非係合方向(第2方向)の付勢力を受けない。第1付勢部材56はラチェットポール52を係合方向(第1方向)に常時付勢しているので、ラチェットポール52の爪部53がラチェットギア23に係合することで、ブレーキレバー30の拘束が可能になる。
【0038】
それにより、例えば、ブレーキレバー30のグリップ40に変形が生じて、解除ノブ70やリリースロッド61などの操作が不十分であっても、ラチェットポール52の動作に影響を及ぼさず、ラチェットポール52の爪部53がラチェットギア23に確実に係合し、それにより、ブレーキレバー30の拘束が確実になり、ブレーキレバー30の余分な操作をしたり、ブレーキレバー30のやり直し操作をしたりする場合が生じないので、ブレーキレバー30の操作性が向上する。
【0039】
また、ブレーキレバー30を解除位置Aから作動位置Bに回動する回動操作中には、第2付勢部材66がラチェットポール52の他端部54から離間していて、ラチェットポール52にリリースロッド61が連動せず、第2付勢部材66はリリースロッド61を非リリース位置に保持しているので、リリースロッド61が例えばレバー本体31に干渉せず、干渉音を発生することがなく、静粛性を高めることができる。
【0040】
ブレーキレバー30が作動位置に拘束されているとき、ブレーキワイヤBWは引き込まれていることから、図外の制動部に制動力が生じている。
【0041】
ブレーキレバー30が作動位置に拘束されているとき、単に、解除ノブ70によって、リリースロッド61の前端部63を押して、リリースロッド61を非リリース位置からリリース位置に移動することで、第2付勢部材66の一端部67をラチェットポール52の他端部54に弾撥的に当接させても、それ以上に、ラチェットポール52の爪部53とラチェットギア23との噛み合い力が大きいために、ラチェットポール52の爪部53は、ラチェットギア23から外れない。
【0042】
ブレーキレバー30が作動位置に拘束されているとき、ブレーキレバー30をさらに車室内側に引く第1操作により、ラチェットポール52の爪部53とラチェットギア23との噛み合い力を減少させる。次に、解除ノブ70によって、第2付勢部材66の付勢力に抗して、リリースロッド61の前端部63を押して、リリースロッド61を非リリース位置からリリース位置に移動する第2操作をすると、第2付勢部材66の一端部67がラチェットポール52の他端部54に弾撥的に当接することで、ラチェットポール52の他端部54が受ける弾撥力が前記減少した噛み合い力および第1付勢部材56の付勢力より大きくなることから、ラチェットポール52が図1において時計方向に回動し、ラチェットポール52の爪部53がラチェットギア23から外れる。それにより、ブレーキレバー30の拘束が解除される。
【0043】
次に、巻ばね25の付勢力および、ブレーキワイヤBWの戻り力により、ブレーキレバー30を車室内側に引く方向D1とは反対方向D2に操作すれば、ブレーキレバー30が作動位置Bから解除位置Aに回動し、ブレーキワイヤBWは引き戻されることから、制動力が消滅するようになる。ブレーキレバー30を解除位置Aに戻した後に、解除ノブ70の操作を止めれば、リリースロッド61が第2付勢部材66の付勢力により、リリース位置から非リリース位置に戻り、第2付勢部材66の一端部67がラチェットポール52の他端部54から離れ、ラチェットポール52の爪部53が平坦面24に係合した元の状態に戻る。
【0044】
本実施の形態では、第2付勢部材66の他端部68がレバー本体31側のフック部38に係止していることで、リリースロッド61の端部62をレバー本体31から浮かせた状態で支持しているので、ブレーキレバー30の操作時に、リリースロッド61がレバー本体31に干渉しないようになり、リリースロッド61に起因する干渉音が生じないので、静粛性がさらに高まる。また、リリースロッド61と第2付勢部材66との連結する部分(リリースロッド61の軸部65に、巻きばねである第2付勢部材66が巻着している部分において相互に接触する部分)が可能な限り小さくできる構成であるから、また、解除操作時の連結する部分の相対的な移動も小さく、解除操作時のリリースロッド61の受ける第2付勢部材66からの摩擦抵抗を小さく抑えることができ、摩擦抵抗が小さくなることから、リリースロッド61の動きが円滑かつ確実になって、解除操作の確実性を高めることができる。
【0045】
【発明の効果】
本発明に係るパーキングブレーキ装置によれば、ブレーキレバーが解除位置から作動位置に回動する回動操作中の任意の位置にあるとき、第2付勢部材はロック機構から離間していて、ロック機構は第2付勢部材の第2方向の付勢力を受けず、第1付勢部材はロック機構を第1方向に常に付勢し、ロック機構によるブレーキレバーの拘束が可能になるので、例えば、ブレーキレバーのグリップに変形が生じて、リリースロッドなどの操作が不十分であっても、ロック機構側に影響を及ぼさず、ロック機構によるブレーキレバーの拘束が確実になり、ブレーキレバーの余分な操作をしたり、やり直し操作をしたりする場合が生じ難いので、ブレーキレバーの操作性を向上することができる。
【0046】
また、ブレーキレバーを解除位置から作動位置に回動する回動操作中には、第2付勢部材がロック機構から離間していて、ロック機構にリリースロッドが連動せず、第2付勢部材はリリースロッドを非リリース位置に保持しているので、リリースロッドが何れの部品にも干渉せず、干渉音を発生することがなく、静粛性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図5のI−I線断面図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係るブレーキレバーの取り付け状態を示す斜視図であり、ブレーキレバーを解除位置に戻した状態で示すものである。
【図3】本発明の一実施の形態に係るブレーキレバーの取り付け状態を示す斜視図であり、ブレーキレバーを作動位置に回動した状態で示すものである。
【図4】図2の正面図である。
【図5】本発明の一実施の形態に係るブレーキレバーの正面図である。
【図6】図1のVI−VI線断面図である。
【図7】図1のVII−VII線断面図である。
【図8】本発明の一実施の形態に係る第2付勢部材がラチェットポールに弾撥的に当接した状態を示すブレーキレバーの部分側面図である。
【図9】同じく第2付勢部材がラチェットポールから離間した状態を示すブレーキレバーの部分側面図である。
【符号の説明】
BW…ブレーキワイヤ
10…インストルメントパネル
12…コンソールボックス
13…カーナビゲーション
14…空調用空気吹き出しグリル
18…スペース
20…ブラケット
21…枢軸
23…ラチェットギア
24…平坦面
25…巻ばね
26…下孔
30…ブレーキレバー
31…レバー本体
32…グリップ部
35、36…衝撃吸収部(切り込み溝)
35a、36a…溝口
37…ピン部材
40…グリップ
41…周面
42…下孔
51…枢軸
52…ラチェットポール
53…爪部
54…他端部
56…第1付勢部材
60…リリース機構
61…リリースロッド
62…後端部
63…前端部
64…長孔
66…第2付勢部材
67…一端部
70…解除ノブ
71…押圧子
80…ガイド部材
Claims (3)
- 据付部材にブレーキレバーを解除位置と作動位置との間を回動可能なように支持し、該ブレーキレバーを前記解除位置から前記作動位置に回動することにより、ブレーキワイヤを介して制動部に力を伝達して制動力を発生させるようにしたパーキングブレーキ装置において、
前記ブレーキレバーを前記作動位置に拘束する拘束状態と前記ブレーキレバーの拘束を解除する拘束解除状態とに可変するロック機構と、リリースロッドを解除操作することで前記ロック機構による前記ブレーキレバーの拘束を解除するリリース機構と、前記ブレーキレバーを拘束する方向である第1方向に前記ロック機構を付勢する第1付勢部材とを備え、
前記リリース機構は、前記リリースロッドを解除操作するリリース位置から解除操作しない非リリース位置に付勢する第2付勢部材を有し、
前記第2付勢部材は、前記リリースロッドが前記非リリース位置にあり、かつ、前記ブレーキレバーが前記解除位置、前記作動位置あるいは前記解除位置から前記作動位置に回動操作中の任意の位置にあるとき、前記ロック機構から離間した位置にあって、前記第1付勢部材の前記第1方向の付勢力で前記ロック機構によるブレーキレバーの拘束を可能にし、前記ブレーキレバーが前記作動位置にあるときに、前記ブレーキレバーを前記作動位置からさらに所定量回動操作する第1操作をして、前記ロック機構側の抵抗力を減少させ、かつ、前記リリースロッドを前記非リリース位置から前記リリース位置に解除操作する第2操作をして、前記ロック機構に弾撥的に当接することで、前記ロック機構を前記第1方向とは反対方向である第2方向に付勢する付勢力が、前記第1方向の付勢力を含む前記ロック機構側の抵抗力より大きくなって、前記ロック機構によるブレーキレバーの拘束を解除可能にする
ことを特徴とするパーキングブレーキ装置。 - 前記第2付勢部材は、前記リリースロッドの端部を前記ブレーキレバーの本体から浮かせた状態で支持している
ことを特徴とする請求項1に記載のパーキングブレーキ装置。 - 前記第2付勢部材は、前記リリースロッドの端部に巻き付けられた巻ばねであり、
前記巻ばねの一端部は、前記ロック機構の近傍に延ばされていて、前記リリースロッドを解除操作するときに前記ロック機構に弾撥的に当接可能なものである一方、前記巻ばねの他端部は前記ブレーキレバーの本体に連結されている
ことを特徴とする請求項1または2に記載のパーキングブレーキ装置。
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