JP3768337B2 - 重合体組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、透明性に優れ、加工性、耐候性、柔軟性、発色性、着色性などの特性にも優れる重合体組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
オレフィン系樹脂やオレフィン系エラストマーなどのオレフィン系重合体は、成形加工性、柔軟性などに優れており、それらの特性を活かして、単独で、または他の熱可塑性エラストマーや熱可塑性樹脂、柔軟化剤などを配合して成形材料として汎用されている。オレフィン系重合体から製造される成形品としては、例えば自動車のバンパー、コンソールパネルなどを挙げることができる。しかし、オレフィン系重合体は、極性基を持たないので、塗装性、印刷性、着色時の発色性などに劣っており、成形加工時や、加工後の後処理時に色や模様などの選択の幅が狭く、自由に選べないのが現状である。また、オレフィン系重合体は、柔軟性を有しているものの、その反面で表面硬度が低く、耐擦傷性に劣るという欠点がある。しかしながら、オレフィン系重合体は熱可塑性でありリサイクルが可能であるため、環境問題などの点からリサイクル性のある材料が重要視されるようになっている状況下、オレフィン系重合体における上記したような欠点を改善しつつオレフィン系重合体を積極的に用いてゆくことが望ましい。
【0003】
また、メタクリル樹脂で代表されるアクリル系樹脂は、透明性、発色性、耐候性、表面硬度などの特性に優れており、しかも加熱すると分解して単量体になるため再利用が可能である。そのため、アクリル系樹脂はそれらの特性を活かして成形材料を初めとして種々の用途に用いられており、例えば屋外で使用されることの多い各種成形品、窓ガラス、蛍光灯カバーなどに用いられている。しかしながら、アクリル系樹脂は一般に柔軟性に乏しく、耐衝撃性が低いために、これらの性質の改良が求められている。
【0004】
さらに、透明性、耐衝撃性、発色性などの特性をある程度満足し得る樹脂材料として、ABS樹脂、耐衝撃性アクリル樹脂などが知られているが、両者とも耐衝撃性の付与のために主鎖中に不飽和結合を有するジエン系ゴムが用いられており、耐候性に劣っている。一方、耐候性を改善した樹脂材料としては、AES樹脂(A/EPDM/S共重合体)やアクリル酸エステル系ゴムを分散させたアクリル系樹脂などが知られているが、物性とコストのバランスから、用途などの点で限定されざるを得ないのが現状である。
【0005】
また、塩化ビニル系重合体は、安価であり、しかも可塑剤の配合量によって硬度や力学的特性などの調節が可能であることから、アクリル系樹脂におけるのと同じような高い表面硬度および透明性を要求される分野、オレフィン系重合体におけるのと同じような低い表面硬度および柔軟性が要求される分野のいずれにおいても広く用いられている。しかしながら、塩化ビニル系重合体は、それ自体では加工性が悪く、そのため多量の可塑剤を用いて成形加工が行われており、可塑剤の使用に伴って成形品などの表面への可塑剤の滲み出しが生ずるという大きな問題を抱えている。また、塩化ビニル系重合体は、加熱すると分解して有害なハロゲン含有化合物を生成するので、リサイクルがほとんどできず、塩化ビニル系重合体を含む廃プラスチックの取り扱いに苦慮しているのが現状である。
【0006】
【発明の内容】
上記のような状況下に、本出願人は、アクリル系樹脂とオレフィン系重合体とをうまく複合化できれば、アクリル系樹脂の持つ透明性、表面硬度、耐候性、発色性などの優れた特性と、オレフィン系重合体の持つ加工性、低温特性、柔軟性などの優れた特性を併せ持ち、しかも加熱しても有害ガスを発生せず、リサイクル性に優れる重合体材料が得られるはずであるという着想のもとに種々研究を行ってきた。
その結果、アクリル系樹脂に対して、ビニル芳香族化合物からなる重合体ブロックと水素添加してオレフィン系重合体の形態にした水添イソプレン重合体ブロックまたは水添イソプレン/ブタジエン重合体ブロックとからなる特定のブロック共重合体を配合して得られる熱可塑性樹脂組成物が、柔軟性に富み、加工性、耐候性、透明性、力学的特性、着色性、発色性などに優れており、しかも表面硬度が高くて、リサイクル性にも優れていることを見出して先に出願した(特開平5−295216号、特開平6−329865号)。
【0007】
そして、本発明者らは、本出願人による上記した特開平5−295216号および特開平6−329865号の発明を踏まえて、より優れた重合体組成物を得るべく更に検討を重ねてきた。その結果、アクリル系樹脂に対して、ビニル芳香族化合物からなる重合体ブロックおよびメタクリル酸モノエステルからなる重合体ブロックから選ばれる少なくとも1種の重合体ブロックと、オレフィン系重合体ブロックとを有するブロック共重合体を配合してなる熱可塑性の重合体組成物において、アクリル系樹脂と相溶し前記のブロック共重合体とは相溶しない特定の重合体を更に含有させると、特開平5−295216号および特開平6−329865号の発明と同様に加工性、耐候性、力学的特性、表面硬度、リサイクル性、発色性、着色性などの特性に優れ、しかも透明性に一層優れていて、押出成形や射出成形などの成形法の如何を問わず、透明で、白条が生じず、ヘイズのない、加工性、耐候性、力学的特性、表面硬度、リサイクル性、発色性、着色性などに優れる成形品が得られることを見出し、本発明を完成した。
【0008】
すなわち、本発明は、
(i)(A)メタクリル酸メチルの単独重合体、メタクリル酸メチルから誘導される構造単位の割合が50重量%以上であるメタクリル酸メチルとアクリル酸エステル類の共重合体およびそれらの混合物から選ばれるアクリル系樹脂[以下これを単に「アクリル系樹脂(A)」ということがある];
(B)ビニル芳香族化合物からなる重合体ブロックおよびメタクリル酸モノエステルからなる重合体ブロックから選ばれる少なくとも1種の重合体ブロックと、ポリオレフィン重合体ブロックとからなるブロック共重合体;並びに
(C)アクリル系樹脂(A)と相溶しブロック共重合体(B)とは相溶しない重合体であって且つスチレン・アクリロニトリル共重合体、スチレン・無水マレイン酸共重合体、ポリフッ化ビニリデン、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニルおよびポリエチレンオキサイドから選ばれる1種または2種以上の重合体[以下これを単に「重合体(C)」ということがある];
からなる柔軟性に優れた重合体組成物であって;
(ii) 前記重合体組成物からブロック共重合体(B)を除いてなるアクリル系樹脂(A)と重合体(C)のブレンド物の屈折率(nAC)と、ブロック共重合体(B)の屈折率(nB)との差の絶対値(│nAC−nB│)が、0.01以下であり;且つ、
( iii ) 重合体組成物の全重量に基づいて、ブロック共重合体(B)を30〜90重量%の割合で含有する;
ことを特徴とする重合体組成物である。
【0009】
【発明の実施例の形態】
以下に本発明について詳細に説明する。
本発明の重合体組成物で用いるアクリル系樹脂(A)は、メタクリル酸メチルから誘導される構造単位を主たる構造単位とするアクリル系樹脂である。本発明では、アクリル系樹脂(A)として、メタクリル酸メチルから誘導される構造単位(以下「メタクリル酸メチル単位」ということがある)を主たる構造単位とするメタクリル系重合体を用いることにより、本発明の重合体組成物の機械的特性、耐熱性、耐候性、発色性、着色性などが良好になる。本発明で用いるアクリル系樹脂(A)は、メタクリル酸メチルの単独重合体であっても、メタクリル酸メチル単位の割合が50重量%以上であるメタクリル酸メチルとアクリル酸エステル類との共重合体(以下「メタクリル酸メチル系共重合体」という)であっても、またはそれらの混合物であってもよい。アクリル系樹脂(A)としては、メタクリル酸メチル単位の割合が50〜100重量%のものが好ましく用いられ、80〜100重量%のものがより好ましく用いられる。
【0010】
本発明の重合体組成物においてアクリル系樹脂(A)としてメタクリル酸メチル系共重合体を用いる場合、他の共重合性単量体であるアクリル酸エステル類としては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸s−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシルなどのアクリル酸エステル類を挙げることができる。その際に、メタクリル系共重合体は前記したアクリル酸エステル類の1種または2種以上からなる構造単位を有していることができる。
【0011】
アクリル系樹脂(A)は、本発明の重合体組成物に良好な成形性を付与でき、しかもアクリル系樹脂の透明性、剛性などの特性を発揮させ得る点から、その数平均分子量が100,000以下であることが好ましい。そして、ブロック共重合体(B)との分散性および重合体(C)との相溶性をも考慮すると、アクリル系樹脂(A)の数平均分子量が10,000〜80,000であることがより好ましい。
【0012】
次に、本発明の重合体組成物で用いるブロック共重合体(B)は、ビニル芳香族化合物からなる重合体ブロックおよびメタクリル酸モノエステルからなる重合体ブロックから選ばれる少なくとも1種の重合体ブロックと、ポリオレフィン重合体ブロックとからなるブロック共重合体である。
ブロック共重合体(B)におけるビニル芳香族化合物からなる重合体ブロックは、ビニル芳香族化合物から誘導される構造単位から主としてなる重合体ブロックであり、その場合のビニル芳香族化合物としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン、4−プロピルスチレン、4−シクロヘキシルスチレン、4−ドデシルスチレン、2−エチル−4−ベンジルスチレン、4−(フェニルブチル)スチレンなどを挙げることができる。ビニル芳香族化合物からなる重合体ブロックは、前記した単量体の1種または2種以上からなる構造単位を有していることができる。そのうちでも、ビニル芳香族化合物からなる重合体ブロックは、スチレンおよび/またはα−メチルスチレンよりなる構造単位から主としてなっているのが好ましい。
また、ビニル芳香族化合物からなる重合体ブロックは、場合により少量の他の不飽和単量体からなる構造単位を有していてもよい。
【0013】
ブロック共重合体(B)におけるメタクリル酸モノエステルからなる重合体ブロックは、メタクリル酸モノエステルから誘導される構造単位から主としてなる重合体ブロックであり、その場合のメタクリル酸モノエステルとしては、例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸トリメトキシシリルプロピルなどを挙げることができる。メタクリル酸モノエステルからなる重合体ブロックは前記した単量体の1種または2種以上からなる構造単位を有していることができる。そのうちでも、メタクリル酸モノエステルからなる重合体ブロックは、アルキル基の炭素数が1〜14のメタクリル酸モノアルキルエステルよりなる構造単位から主としてなっているのが好ましく、メタクリル酸メチルよりなる構造単位から主としてなっているのが特に好ましい。
また、メタクリル酸モノエステルからなる重合体ブロックは、場合により少量の他の不飽和単量体からなる構造単位を有していてもよい。他の不飽和単量体としては、例えばメタクリル酸;メタクリル酸ナトリウムなどのメタクリル酸金属塩;メタクリルアミドなどを挙げることができる。
【0014】
ブロック共重合体(B)におけるポリオレフィン重合体ブロックは、エチレン、プロピレン、イソブチレン、ペンテンなどのオレフィン系単量体の1種または2種以上よりなる構造単位から主としてなる重合体ブロックであってもよく、またブタジエン、イソプレン、ペンタジエン、ヘキサジエンなどのような共役ジエン系化合物の1種または2種以上から形成された重合体、若しくはそれを水素添加して得られる重合体からなる重合体ブロックであってもよく、或いは前記したオレフィン系単量体の1種以上と前記した共役ジエン系化合物の1種以上との共重合体、若しくはそれを水素添加して得られる共重合体からなる重合体ブロックであってもよい。
【0015】
そのうちでも、本発明では、ポリオレフィン重合体ブロックが、▲1▼1,2−結合量が30モル%未満、好ましくは25モル%以下のポリブタジエン重合体ブロック、およびそれを水素添加した水添ポリブタジエン重合体ブロック;▲2▼イソプレンよりなる構造単位から主としてなるポリイソプレン重合体ブロック、およびそれを水素添加した水添ポリイソプレン重合体ブロック;および▲3▼イソプレンとブタジエンよりなる構造単位から主としてなるイソプレン/ブタジエン共重合体からなる重合体ブロックおよびそれを水素添加した水添イソプレン/ブタジエン共重合体からなる重合体ブロック;および▲4▼イソブチレンよりなる構造単位から主としてなるポリイソブチレン系重合体ブロックから選ばれる1種または2種以上の重合体ブロックであるのが入手の容易性などの点から好ましい。
【0016】
ポリオレフィン重合体ブロックが上記した▲1▼のポリブタジエン重合体ブロックまたは水添ポリブタジエン重合体ブロックである場合は、水素添加前の状態で、ブタジエンからなる構造単位の70モル%以上、好ましくは75〜100モル%が2−ブテン−1,4−イジル基(−CH2−CH=CH−CH2−;1,4−結合のブタジエン単位)であり、30モル%以下、好ましくは25〜0モル%がビニルエチレン基[−CH(CH=CH2)−CH2−;1,2−結合ブタジエン単位]であるのが好ましい。
【0017】
また、ポリオレフィン重合体ブロックが上記した▲2▼のポリイソプレン重合体ブロックまたは水添ポリイソプレン重合体ブロックである場合は、水素添加前の状態で、そのイソプレンからなる構造単位が、2−メチル−2−ブテン−1,4−ジイル基[−CH2−C(CH3)=CH−CH2−;1,4−結合のイソプレン単位]、イソプロペニルエチレン基[−CH[C(CH3)=CH2]−CH2−;3,4−結合のイソプレン単位、および1−メチル−1−ビニルエチレン基[−C(CH3)(CH=CH2)−CH2−;1,2−結合のイソプレン単位]から選ばれる1種または2種以上の基であることができる。
【0018】
また、ポリオレフィン重合体ブロックが上記した▲3▼のイソプレン/ブタジエン共重合体からなる重合体ブロックまたは水添イソプレン/ブタジエン共重合体からなる重合体ブロックである場合は、水素添加前の状態で、イソプレンからなる構造単位が、2−メチル−2−ブテン−1,4−ジイル基、イソプロペニルエチレン基および1−メチル−1−ビニルエチレン基−から選ばれる1種または2種以上の基であり、ブタジエンからなる構造単位が2−ブテン−1,4−ジイル基および/またはビニルエチレン基であることができる。イソプレン/ブタジエン共重合体からなる重合体ブロックまたは水添イソプレン/ブタジエン共重合体からなる重合体ブロックにおけるブタジエンからなる構造単位とイソプレンからなる構造単位の配置は、ランダム状、ブロック状、テーパー状、またはそれらの2種以上の混在するもののいずれの形態であってもよい。
【0019】
ポリオレフィン重合体ブロックが、上記した▲1▼〜▲3▼の範疇に含まれる、水素添加してなる重合体ブロックである場合は、その水素添加の状態は完全水添であってもまたは部分水添であってもよい。そのうちでも、ポリオレフィン重合体ブロック、ひいてはブロック共重合体(B)、および本発明の重合体組成物の耐熱劣化性、耐候性などの性質を良好なものとするためには、ブタジエンからなる構造単位および/またはイソプレンからなる構造単位における炭素−炭素間の二重結合の50%以上、特に80%以上が水素添加されていることが好ましい。すなわち、水素添加後のポリオレフィン重合体ブロックにおいて、その不飽和度が50モル%以下、特に20モル%以下となっていることが好ましい。
【0020】
ブロック共重合体(B)におけるビニル芳香族化合物からなる重合体ブロック、メタクリル酸モノエステルからなる重合体ブロックおよびポリオレフィン重合体ブロックの結合形態(配置状態)は、ビニル芳香族化合物からなる重合体ブロックおよびメタクリル酸モノエステルからなる重合体ブロックから選ばれる少なくとも1種の重合体ブロックとポリオレフィン重合体ブロックとが結合しているブロック共重合体であれば特に制限はなく、ビニル芳香族化合物からなる重合体ブロックとポリオレフィン重合体ブロックとが結合しているブロック共重合体(B1)、メタクリル酸モノエステルからなる重合体ブロックとポリオレフィン重合体ブロックとが結合しているブロック共重合体(B2)、ビニル芳香族化合物からなる重合体ブロックとポリオレフィン重合体ブロックとメタクリル酸モノエステルからなる重合体ブロックの3種の重合体ブロックが結合しているブロック共重合体(B3)のいずれであってもよい。
具体例としては、下記の下記の一般式(I)〜(VIII)で表されるブロック共重合体などを挙げることができる。
【0021】
【化1】
X−Y (I)
X−(Y−X)m (II)
Y−(X−Y)n (III)
Z−Y (IV)
Z−(Y−Z)o (V)
Y−(Z−Y)p (VI)
X−(Y−Z)s (VII)
Z−(Y−X)t (VIII)
(式中、Xはビニル芳香族化合物からなる重合体ブロック、Yはポリオレフィン重合体ブロック、Zはメタクリル酸モノエステルからなる重合体ブロックを表し、m、n、o、p、sは例えば1〜5の整数をそれぞれ示し、tは例えば2〜5の整数を示す。)
【0022】
そのうちでも、ブロック共重合体(B)としては、上記の一般式(I)または(IV)で表されるブロック共重合体、並びに上記の一般式(II)、(III)、(V)、(VI)および(VII)においてm、n、o、pおよびsがそれぞれ1であるブロック共重合体が、ブロック共重合体の製造の容易性、入手の容易性、成形性などの点から好ましく用いられる。特に、上記の一般式(II)または(VII)においてmまたはsがそれぞれ1であるブロック共重合体が、製造の容易性、入手の容易性と共に、アクリル系樹脂(A)との分散性、力学特性などの点からより好ましく用いられる。
【0023】
ブロック共重合体(B)では、ビニル芳香族化合物からなる重合体ブロックおよびメタクリル酸モノエステルからなる重合体ブロックから選ばれる少なくとも1種の重合体ブロックの含有量(2種以上の重合体ブロックが存在する場合はその合計含有量)が3〜50重量%で、ポリオレフィン重合体ブロックの含有量が97〜50重量%であることが、ブロック共重合体(B)の柔軟性、ひいては重合体組成物の柔軟性などの点から好ましく、ビニル芳香族化合物からなる重合体ブロックおよびメタクリル酸モノエステルからなる重合体ブロックから選ばれる少なくとも1種の重合体ブロックの含有量が5〜50重量%で、ポリオレフィン重合体ブロックの含有量が95〜50重量%であるのがより好ましい。
また、ブロック共重合体(B)におけるビニル芳香族化合物からなる重合体ブロックとメタクリル酸モノエステルからなる重合体ブロックの含有比率は特に制限されず、それらの一方の重合体ブロックのみを含む場合から両方の重合体ブロックを含む場合をも含めて、任意の比率にすることができる。
【0024】
また、ブロック共重合体(B)は、その全体の数平均分子量が10,000〜100,000であることが、重合体組成物の成形性、重合体組成物中におけるブロック共重合体(B)の分散性などの点から好ましい。
【0025】
本発明の重合体組成物は、1種類のブロック共重合体(B)のみを含有していても、または2種以上のブロック共重合体(B)を含有していてもよい。
また、ブロック共重合体(B)は、本発明の効果を損なわない範囲で、その分子内部および/または末端に、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、無水カルボン酸基、エポキシ基などの官能基の1種または2種以上を有していてもよい。
【0026】
ブロック共重合体(B)の製法や入手法などは特に制限されず、ビニル芳香族化合物からなる重合体ブロックおよびメタクリル酸モノエステルからなる重合体ブロックから選ばれる少なくとも1種の重合体ブロックと、ポリオレフィン重合体ブロックとを有する上記したようなブロック共重合体であればいずれも使用でき、本発明の重合体組成物用にブロック共重合体(B)を製造しても、市販されているブロック共重合体(B)を用いても、またはその他の方法で入手してもよい。
【0027】
何ら限定されるものではないが、ブロック共重合体(B)におけるポリオレフィン重合体ブロックが、上記▲1▼のポリブタジエン重合体ブロックまたは水添ポリブタジエン重合体ブロック、上記▲2▼のポリイソプレン重合体ブロックまたは水添ポリイソプレン重合体ブロック、および/または上記▲3▼の水添イソプレン/ブタジエン共重合体からなる重合体ブロックであるブロック共重合体(B)は、リビングアニオン重合により合成することができる。
例えば、所望のブロック共重合体としては、
(i) メチルリチウム、エチルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、ペンチルブチルリチウム等のアルキルモノリチウムを重合開始剤として用いて、ビニル芳香族化合物からなる重合体ブロックおよび/またはメタクリル酸モノエステルからなる重合体ブロック、並びにポリオレフィン重合体ブロックに相当する単量体を逐次重合させる方法;
(ii) 1,3−ビス(フェニルエテニル)ベンゼン、1,3−ジイソプロペニルベンゼン、ジビニルベンゼンなどのエチレン性不飽和結合を1分子中に2個以上有する化合物を適当なアルキルリチウムでアニオン化した多官能性重合開始剤、またはアルカリ金属塩の存在下にα−メチルスチレン、ジエン化合物を直接アニオン化した多官能性重合開始剤を使用して、ブロック共重合体(B)の末端ブロックでない部分から重合を開始し、ビニル芳香族化合物からなる重合体ブロックおよび/またはメタクリル酸モノエステルからなる重合体ブロック、並びにポリオレフィン重合体ブロックに相当する単量体を逐次添加して重合させる方法;
(iii) ビニル芳香族化合物からなる重合体ブロックおよび/またはメタクリル酸モノエステルからなる重合体ブロック、並びにポリオレフィン重合体ブロックに相当する重合体を別々にリビング重合して製造した後、クロロシアン化合物などのカップリング剤を添加してそれらの重合体を結合する方法;
などを採用して製造することができる。
【0028】
ブロック共重合体(B)がメタクリル酸モノエステルからなる重合体ブロックを含む場合には、メタクリル酸モノエステルをリビングアニオン重合した後にオレフィン系単量体、ジエン系単量体、またはビニル芳香族化合物を添加しても通常はブロック共重合しないので、上記(i)または(ii)の逐次添加方法を採用する際には、オレフィン系単量体、ジエン系単量体、またはビニル芳香族化合物を重合した後にメタクリル酸モノエステルを添加して重合させてブロック共重合体を製造する方法を採用するのが望ましい。その際に、メタクリル酸モノエステルをブロック共重合させる前に、系内に1,1−ジフェニルエチレンを添加して重合成長末端に付加させることで重合成長末端であるカルバニオンの求核性を制御し、その後にメタクリル酸モノエステルを添加するようにしてもよい。
【0029】
ブロック共重合体(B)が、メタクリル酸モノエステルからなる重合体ブロックを含み、該重合体ブロックがメタクリル酸および/またはその金属塩からなる構造単位を含むものである場合には、メタクリル酸モノエステルからなる重合体ブロックを有するブロック共重合体を製造した後に、そのエステル結合の一部を加水分解することによって、メタクリル酸またはその金属塩よりなる構造単位をメタクリル酸モノエステルからなる重合体ブロック中に含むブロック共重合体を得ることができる。
【0030】
また、オレフィン系単量体、ジエン系単量体などをアニオン重合してポリオレフィン重合体ブロックまたはそのためのオレフィン重合体或いはそれらの水素添加物を製造する場合には、そのミクロ構造を制御する観点から、ビニル化剤を添加することができる。ビニル化剤の添加により、ジエン系単量体よりなる構造単位における1,2−結合含有量または3,4−結合含有量を制御することができる。それによって、ポリオレフィン重合体ブロックが水添ポリブタジエン重合体ブロックである場合にはその結晶性を調節することができ、またポリオレフィン重合体ブロックがポリイソプレン重合体ブロックまたは水添ポリイソプレン重合体ブロックである場合はそのガラス転移点を上昇させることができる。
その際に、ビニル化剤としては、例えば、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル類;エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のグリコールエーテル類;トリエチルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)、N−メチルモルフォリンなどのアミン系化合物などを挙げることができる。
【0031】
また、上記のようにリビングアニオン重合によりブロック共重合体(B)を製造する場合には、末端のリビングアニオンを利用して、ブロック共重合体の重合を終えた時点で所望の官能化停止剤(末端官能化剤)を用いて末端を官能化することができる。この際に用いる末端官能化剤としては、例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、スチレンオキサイドなどのエポキシ化合物;ベンズアルデヒドなどのアルデヒド化合物;官能基をトリメチルシリル基で保護した官能基含有ハロゲン化アルキル化合物;一酸化炭素、二酸化炭素などの炭素酸化物などを挙げることができる。
【0032】
ブロック共重合体(B)を製造する上記の重合反応に際して使用できる溶媒としては、アニオン重合の重合成長末端であるカルバニオンと副反応を起こさないものであれば特に制限されない。
ブロック共重合体(B)の製造に用い得る溶媒の具体例としては、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンなどの飽和脂肪族炭化水素系溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、tert−ブチルベンゼンなどの芳香族炭化水素溶媒;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、アニソールなどのエーテル系溶媒などを挙げることができる。
ブロック共重合体(B)がメタクリル酸モノエステルからなる重合体ブロックを有する場合は、溶解性の点で、芳香族炭化水素溶媒またはエーテル系溶媒を用いることが好ましい。
【0033】
ブロック共重合体(B)を製造する際の重合反応は、通常任意の温度で行うことができるが、メタクリル酸モノエステルを重合する場合、および/またはエーテル系溶媒を用いて重合を行う場合には、副反応を抑制する観点から、0℃以下の温度で行うことが好ましく、−30℃以下の温度条件で行うことがより好ましい。
【0034】
上記の重合により得られるブロック共重合体中の不飽和基への水素添加は、従来既知の方法にしたがって行えばよく特に制限されないが、水添触媒の存在下に分子状水素を付加させる方法が好ましく用いられる。
その場合の水添触媒としては、例えば、ラネーニッケル;Pt、Pd、Ru、Rh、Niなどをカーボン、アルミナ、珪藻土などの担体に担持させたもの;遷移金属に対してアルキルアルミニウム化合物またはアルキルリチウム化合物を組み合わせたチーグラー触媒系などを用いることができる。水素添加反応に当たっては、例えば、水素圧が常圧〜200kg/cm2、反応温度が常温〜250℃の範囲、反応時間が0.1〜100時間の範囲を採用することができる。
水素添加反応により得られるブロック共重合体(B)の回収に当たっては、例えば、反応液をメタノールなどで凝固させた後に加熱または減圧乾燥する方法、反応液を沸騰水中に注いで溶媒を共沸させて除去した後に加熱または減圧乾燥する方法などを採用することができる。
【0035】
また、ブロック共重合体(B)におけるポリオレフィン重合体ブロックが上記した▲4▼のポリイソブチレン系重合体ブロックであるブロック共重合体(B)の製法も特に制限されず、公知の方法を採用することができる。例えば、
(a) ルイス酸、およびルイス酸とカチオン重合活性種を形成する有機化合物からなる開始剤系の存在下に、必要に応じてピリジン誘導体、アミド類などの添加剤を併用して、ヘキサン、塩化メチレンなどの不活性溶媒中で、主としてビニル芳香族化合物からなる単量体と主としてイソブチレンからなる単量体を段階的に重合させてビニル芳香族化合物からなる重合体ブロック−ポリイソブチレンブロックからなるジブロック共重合体を製造する方法;
(b) 1個の官能基を有する有機化合物とルイス酸とを開始剤系として用いて、まず主としてビニル芳香族化合物からなる単量体を重合系内に添加して重合させ、重合反応が実質的に終了した後に主としてイソブチレンからなる単量体を重合系内に添加して重合させ、重合反応が実質的に終了した後に、再度、主としてビニル芳香族化合物からなる単量体を重合系内に添加して重合を行ってビニル芳香族化合物からなる重合体ブロック−ポリイソブチレン重合体ブロック−ビニル芳香族化合物からなる重合体ブロックよりなるトリブロック共重合体を製造する方法;
(c) 2官能性単量体を用いてイソブチレンをまず重合させた後に、ビニル芳香族化合物から主としてなる単量体を重合系内に添加してビニル芳香族化合物からなる重合体ブロック−ポリイソブチレン重合体ブロック−ビニル芳香族化合物からなる重合体ブロックよりなるトリブロック共重合体を製造する方法;
などを採用して製造することができる。
【0036】
ポリオレフィン重合体ブロックがポリイソブチレンであるブロック共重合体(B)の上記した製造法で用いられるルイス酸としては、四塩化チタン、三塩化ホウ素、塩化アルミニウム、四塩化スズなどを挙げることができる。
また、ルイス酸とカチオン重合活性種を形成する上記の有機化合物としては、アルコキシ基、アシロキシ基、ハロゲン原子などの官能基を有する有機化合物を挙げることができ、より具体的には、例えば、ビス(2−メトキシ−2−プロピル)ベンゼン、ビス(2−アセトキシ−2−プロピル)ベンゼン、ビス(2−クロロ−2−プロピル)ベンゼンなどを挙げることができる。
また、上記のアミド類としてはジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミドなどを挙げることができる。
【0037】
さらに、本発明の重合体組成物は、アクリル系樹脂(A)およびブロック共重合体(B)と共に、第3の重合体として、アクリル系樹脂(A)と相溶しブロック共重合体(B)とは相溶しない重合体(C)を含有する。
ここでいう「相溶」とは、異なる2種以上の重合体が単量体単位レベル(単量体からなる構造単位レベル)で混ざり合う、いわゆる熱力学的な相溶状態を意味する。このような相溶状態は、公知文献である「ポリマーブレンド−相溶性と界面−」第102〜106頁および136〜137頁(株式会社シーエムシー、1984年8月15日第2刷発行)にも記載されているように、DSC(示差走査熱量計;Differential Scanning Calorimeter)やディラトメトリーなどにより測定されるブレンド物のガラス転移温度が、成分ポリマーのガラス転移温度の範囲内で1つのみ測定されることによって確認することができる。
【0038】
そして、本発明の重合体組成物においては、アクリル系樹脂(A)、ブロック共重合体(B)および重合体(C)の各々の所定量を混合して、それらの重合体3者から主としてなる柔軟性に優れた重合体組成物を製造したときに、該重合体組成物からブロック共重合体(B)を除いてなるアクリル系樹脂(A)と重合体(C)のブレンド物の屈折率(nAC)と、ブロック共重合体(B)の屈折率(nB)との差の絶対値(│nAC−nB│)が0.01以下になるように、重合体(C)の種類を選択すると共に、アクリル系樹脂(A)および重合体(C)の配合割合を決めることが必要である。
すなわち、本発明の重合体組成物では、アクリル系樹脂(A)をA重量部、ブロック共重合体(B)をB重量部、および重合体(C)をC重量部の割合で用いて重合体組成物を製造するときに、アクリル系樹脂(A)のA重量部と重合体(C)のC重量部とを混合し溶融混練して得られるブレンド物の屈折率(nAC)と、ブロック共重合体(B)の屈折率(nB)との差の絶対値(│nAC−nB│)が0.01以下になるようにして、重合体(C)の種類を選択し、且つアクリル系樹脂(A)の配合量(A重量部)、ブロック共重合体(B)の配合量(B重量部)および重合体(C)の配合量(C重量部)を決めて、それらの重合体3者を含有する重合体組成物をつくることが必要である。
【0039】
アクリル系樹脂(A)と重合体(C)のブレンド物の屈折率(nAC)と、ブロック共重合体(B)の屈折率(nB)との差の絶対値(│nAC−nB│)が0.01を超えると、重合体組成物の透明性が低減したり、失われて、光線透過率が低く、ヘイズの大きいものとなる。
本発明の重合体組成物においては、上記の屈折率の差の絶対値(│nAC−nB│)が0.008以下であることがより好ましい。
【0040】
屈折率の差の絶対値(│nAC−nB│)が0.01以下である本発明の重合体組成物の調製に用いる重合体(C)としては、アクリル系樹脂(A)と相溶しブロック共重合体(B)とは相溶しない重合体であって、且つスチレン・アクリロニトリル共重合体、スチレン・無水マレイン酸共重合体、ポリフッ化ビニリデン、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニルおよびポリエチレンオキサイドから選ばれる重合体を挙げることができる。本発明では前記した重合体の1種または2種以上を重合体(C)として用いる。そのうちでも、スチレン・アクリロニトリル共重合体、フェノキシ樹脂、ポリフッ化ビニリデンが相溶性の点から好ましく用いられる。また、重合体(C)としては、その数平均分子量が500,000以下であるものが成形性の点から好ましく用いられる。
【0041】
何ら限定されるものではないが、上記した屈折率差の条件を満たすような重合体(C)を選んで使用する際の目安としては、重合体(C)とアクリル系樹脂(A)を5/5の重量比で溶融混合して得られるブレンド物から厚さ3mmの試験片を作製して、その20℃における厚さ方向の全光線透過率およびヘイズ値を測定したときに、全光線透過率が80%以上、好ましくは85%以上で、ヘイズ値が15%以下、好ましくは10%以下となるような重合体(C)を選んで使用すると、上記した屈折率の差の絶対値(│nAC−nB│)が0.01以下である重合体組成物の調製が行い易い。
また、上記とは別の目安としては、アクリル系樹脂(A)の屈折率をnA、ブロック共重合体(B)の屈折率がnBであるときに、nA<nBである場合はブロック共重合体(B)の屈折率nBよりも大きい屈折率を有する重合体のうちから適当なものを選んで重合体(C)として用い、一方nA>nBである場合はブロック共重合体(B)の屈折率nBよりも小さい屈折率を有する重合体のうちから適当なものを選んで重合体(C)として用いると、上記した屈折率の差の絶対値(│nAC−nB│)が0.01以下である重合体組成物の調製が行い易い。
【0042】
上記したように、本発明の重合体組成物では、アクリル系樹脂(A)および重合体(C)を所定の量で配合してなるブレンド物の屈折率(nAC)と、重合体(C)の屈折率(nC)の差の絶対値(│nAC−nB│)が0.01以下になるようにして、重合体組成物におけるアクリル系樹脂(A)、ブロック共重合体(B)および重合体(C)の種類並びに配合割合を決める必要がある。そのため、本発明の重合体組成物では重合体3者の配合割合は一義的には決まらず、それぞれの重合体の屈折率によって調整する必要があり、それぞれの重合体の屈折率に応じて種々異なってくる。
【0043】
そして、上記した重合体組成物では、上記した屈折率の差の絶対値(│nAC−nB│)が0.01以下になるようにしながら、重合体組成物の全重量に基づいて、ブロック共重合体(B)の割合を20〜90重量%とし、アクリル系樹脂(A)、重合体(C)および場合により添加され得る他の成分の合計量を80〜10重量%にすると、重合体組成物中においてブロック共重合体(B)が連続相を形成して、透明性に優れるのみならず、柔軟性、耐衝撃性などの特性にも一層優れた重合体組成物を得ることができる。本発明の重合体組成物は、ブロック共重合体(B)を、前記した20〜90重量%の範囲のうちでも、特に、その好ましい範囲である30〜90重量%の割合で含有する。本発明の重合体組成物は、重合体組成物の全重量に基づいてブロック共重合体(B)を35〜85重量%の割合で含有することがより好ましい。
なお、本明細書でいう“ブロック共重合体(B)が連続相を形成している”とは、重合体組成物の断面を電子顕微鏡等で観察したときに、その断面像においてブロック共重合体(B)がその上下左右方向に連続していて途切れていないことを意味する。このような相構造を有する本発明の重合体組成物は、柔軟性に富んでおり、JIS K−6301により測定したゴム強度が50〜90の範囲の値をとるか、あるいは引張弾性率が1〜100MPaの範囲の値をとることができる。
【0044】
また、本発明の重合体組成物においてはアクリル系樹脂(A)、ブロック共重合体(B)および重合体(C)などの屈折率によって、各重合体の配合量の調節が必要であることは上記したとおりであるが、本発明の重合体組成物では、一般に、アクリル系樹脂(A)と重合体(C)の合計重量に基づいて、アクリル系樹脂(A)を50〜99重量%、重合体(C)を50〜1重量%の割合で用いるのが、アクリル系樹脂の特性保持の点から好ましい。
【0045】
また、アクリル系樹脂(A)の所定量に対してブロック共重合体(B)以外の第3の重合体の所定量を混合して溶融混練したときに、白化などが生じて透明性が失われたり低減して、アクリル系樹脂(A)と該第3の重合体のブレンド物の屈折率の測定が不可能になる場合があるが、そのようなときには上記した屈折率の差の絶対値(│nAC−nB│)を当然ながら求めることができないから、そのような第3の重合体自体が本発明の重合体組成物で用いる重合体(C)として適していないか、または該第3の重合体の上記した所定量の割合での使用が本発明の重合体組成物の製造に適していないこととなり、本発明の範囲から排除される。
【0046】
本発明の重合体組成物は、本発明の効果を阻害しない範囲において、必要に応じて、補強剤、充填剤、顔料、着色剤、難燃剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、帯電防止剤、離型剤などの他の添加剤の1種または2種以上を含有していてもよく、またポリオレフィン類などの他の重合体を含有していてもよい。
【0047】
本発明の重合体組成物の製造法は特に限定されず、熱可塑性重合体組成物の製造に従来使用されている既知の方法のいずれもが採用できる。例えば、単軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサーやその他の一般に用いられる溶融混練機を使用して溶融混練し、必要に応じてそれを更にペレットやその他の形態にして本発明の樹脂組成物を製造することができる。混練に際しては、アクリル系樹脂(A)、ブロック共重合体(B)および重合体(C)の3者を同時に混合して溶融混練してもよく、該3者を任意の順序で逐次に混合して溶融混練してもよく、アクリル系樹脂(A)と重合体(C)を予め溶融混練しこれにブロック共重合体(B)を混合して溶融混練してもよく、或いはアクリル系樹脂(A)とブロック共重合体(B)を予め溶融混練しこれに重合体(C)を混合して溶融混練してもよい。
【0048】
本発明の重合体組成物は、フイルム、シートおよびその他各種成形品などの用途に用いることができる。そして、本発明の重合体組成物を用いてそれらの成形品を製造する場合は、熱可塑性重合体組成物に対して一般に採用されている成形方法および成形装置を用いて成形することができ、例えば射出成形、押出成形、プレス成形などを行うことによって任意の形状や寸法を有する種々の成形品を製造することができる。
特に、本発明の重合体組成物は、その優れた透明性、加工性、耐候性、柔軟性、着色性、発色性などの特性を活かして、車両部品、電気・電子部品、光学部品、建材、雑貨品などの用途に有効に用いることができる。
また、本発明の重合体組成物は、柔軟性、耐光性、着色性、発色性などの特性を活かすべく、他の重合体へ添加してもよい。
【0049】
【実施例】
以下に本発明を実施例などにより具体的に説明するが、本発明はそれにより限定されない。以下の例において、全光線透過率およびヘイズ、屈折率、ゴム硬度、引張弾性率、並びにブロック共重合体の相分離の有無および相溶性の測定または観察を次のようにして行った。
【0050】
(1)全光線透過率およびヘイズ:
アクリル系樹脂と重合体(C)のブレンド物または重合体組成物のペレットを用いて射出成形機(東芝製作所製「IS−80」)を使用して、シリンダー温度260℃、金型温度30℃で射出成形を行って縦×横×厚さ=8cm×8cm×3mmの試験片を作製し、直読ヘイズコンピューター(スガ試験機製「HGM−2DP」)を用いて、測定温度20℃でその厚さ方向の全光線透過率およびヘイズを測定した。
【0051】
(2)屈折率:
アクリル系樹脂、ブロック共重合体、重合体(C)、またはアクリル系樹脂と重合体(C)のブレンド物を用いて、上記(1)におけるのと同様にして縦×横×厚さ=8cm×8cm×3mmの試験片を作製し、測定温度20℃でその屈折率をアタゴ社製の「デジタル屈折計RX−2000」を用いて測定した。
【0052】
(3)ゴム硬度:
重合体組成物を用いて、JIS K−6301に準拠して測定した。
【0053】
(4)引張弾性率:
重合体組成物を用いて、上記(1)におけるのと同様にして、縦×横×厚さ=10cm×10cm×3mmの成形片を作製した。成形時の射出方向と引張り方向とが直交するように、JIS K−6301に従って成形片を打ち抜いてダンベル3号形の試験片を作製した。JIS K−6301の試験条件に準拠して、引張り試験機(島津製作所製「島津オートグラフ AG−5000D」)を用いて、試験片の引張弾性率を測定した。
【0054】
(5)ブロック共重合体の相分離の有無:
重合体組成物を用いて、上記(1)におけるのと同様にして縦×横×厚さ=8cm×8cm×3mm成形片を作製し、その成形片からクライオマイクロトーム(ライヘルト社製「FC−S」)により厚さ80nmの超薄切片を切り出し、その超薄切片を四酸化ルテニウムにて染色処理して超薄切片中のブロック共重合体を染色し、ブロック共重合体における相分離の有無を透過型電子顕微鏡(日立製作所製「H−7100」)を用いて観察し、切断面においてブロック共重合体が上下左右方向に連続した相を形成していて途中で途切れていない場合に連続相を形成しているものと判断した。
【0055】
(6)相溶性:
アクリル系樹脂(A)と重合体(C)との相溶性、およびブロック共重合体と重合体(C)との相溶性について、これらの樹脂の溶融混合物を用い、DSC(Mettler Instruments 社製「DSC30」)により評価した。窒素ガス雰囲気下に、昇温速度10℃/分で測定した際に、単一のガラス転移温度が観測された場合を「相溶」と判定し「○」で示し、2つ以上のガラス転移温度が観測された場合を「非相溶」と判定し「×」で示した。
【0056】
《合成例1》[アクリル系樹脂(A-1)の製造]
還流冷却器付き重合容器に純水500重量部を仕込み、次いでメタクリル酸メチル425重量部、アクリル酸メチル55重量部、ラウリルパーオキサイド2.5重量部およびラウリルメルカプタン4重量部の混合溶液を仕込み、撹拌しながら窒素で雰囲気を置換した後、80℃まで昇温して同温度で2時間、次いで95℃で1時間重合し、得られた生成物を水洗、乾燥してビーズ状のアクリル系樹脂を得た[以下これを「アクリル系樹脂(A-1)」とする]。このビーズ状アクリル系樹脂(A-1)をGPCで測定したところ、ポリスチレン換算の数平均分子量は18,400であり、分子量分布は2.1であった。また、このアクリル系樹脂(A-1)の屈折率を上記した方法で測定したところ、1.490であった。
【0057】
《合成例2》[アクリル系樹脂(A-2)の製造]
還流冷却器付き重合容器に純水500重量部を仕込み、次いでメタクリル酸メチル490重量部、アクリル酸メチル10重量部、ラウリルパーオキサイド2.5重量部およびラウリルメルカプタン4重量部の混合溶液を仕込み、撹拌しながら窒素で雰囲気を置換した後、80℃まで昇温して同温度で2時間、次いで95℃で1時間重合し、得られた生成物を水洗、乾燥してビーズ状のアクリル系樹脂を得た[以下これを「アクリル系樹脂(A-2)」とする]。このビーズ状アクリル系樹脂(A-2)をGPCで測定したところ、ポリスチレン換算の数平均分子量は19,000であり、分子量分布は2.0であった。また、このアクリル系樹脂(A-2)の屈折率を上記した方法で測定したところ、1.491であった。
【0058】
また、以下の例において使用したそれぞれの成分の内容、屈折率またはメーカーは下記に示すとおりである。
【0059】
○SEPS1:
ポリスチレン−ポリイソプレン−ポリスチレンの構造を持つトリブロック共重合体の水添物(水添前のブロック共重合体におけるスチレン含量30重量%;水添前のポリイソプレンブロックの1,4−結合量92%および3,4−結合量8%;ポリスチレン換算の数平均分子量35,100;ヨウ素価により測定したポリイソプレンブロックの水添率93.2%;屈折率1.506)
【0060】
○SPES2:
ポリスチレン−ポリイソプレン−ポリスチレンの構造を持つトリブロック共重合体の水添物(水添後のブロック共重合体におけるスチレン含量3重量%;水添前のポリイソプレンブロックの1,4−結合量94%および3,4−結合量6%;ポリスチレン換算の数平均分子量95,100;ヨウ素価により測定したポリイソプレンブロックの水添率95.2%;屈折率1.478)
【0061】
○SHVIS:
ポリスチレン−ポリイソプレン−ポリスチレンの構造を持つトリブロック共重合体の水添物(水添前のブロック共重合体におけるスチレン含量30重量%;水添前のポリイソプレンブロックの1,4−結合量45%および3,4−結合量55%;ポリスチレン換算の数平均分子量90,000;ヨウ素価により測定したポリイソプレンブロックの水添率85%;屈折率1.512)
【0062】
○SEEPS−OH:
ポリスチレン−イソプレン・1,3−ブタジエン共重合体−ポリスチレンの構造を持ち且つ片末端に水酸基を有するトリブロック共重合体の水添物(水添前のブロック共重合体におけるスチレン含量30重量%;水添前のイソプレン・1,3−ブタジエン共重合体ブロックのイソプレン単位/1,3−ブタジエン単位=1/1モル比;ポリスチレン換算の数平均分子量40,000;ヨウ素価により測定したイソプレン・1,3−ブタジエン共重合体ブロックの水添率95%;水添前でのイソプレン単位全体における1,4−結合量95%および3,4−結合量5%;トリブロック共重合体1分子当たりの水酸基含有量0.8個;屈折率1.505)
【0063】
○SIBUS:
ポリスチレン−ポリイソブチレン−ポリスチレンの構造を持つトリブロック共重合体(スチレン含量30重量%;ポリスチレン換算の数平均分子量34,000および分子量分布1.23;屈折率1.533)
【0064】
○SIM:
ポリスチレン−ポリイソプレン−ポリメタクリル酸メチルの構造を持つトリブロック共重合体(スチレン含有量13重量%、イソプレン含有量74重量%、メタクリル酸メチル含有量13重量%;ポリスチレン換算の数平均分子量69,000;分子量分布1.04;屈折率1.528)
【0065】
○フェノキシ樹脂:
東都化成株式会社製「YP−50」(屈折率1.598)
【0066】
○AS樹脂 ( 1 ):
アクリロニトリル・スチレン共重合体(屈折率1.573)(三井東圧化学株式会社製「ライタックA930PC])
【0067】
○AS樹脂 ( 2 ):
アクリロニトリル・スチレン共重合体(屈折率1.561)(三井東圧化学株式会社製「ライタックA330PC])
【0068】
○PVDF:
ポリフッ化ビニリデン(屈折率1.421)(クレハ化学工業株式会社製「KFポリマーKF#1000」)
【0069】
《実施例》
(1) アクリル系樹脂(A)として上記したアクリル系樹脂(A-1)またはアクリル系樹脂(A-2)を用い、上記したフェノキシ樹脂、AS樹脂(1)、AS樹脂(2)およびPVDFのうちの一種を下記の表1に示す割合で混合し、2軸押出機(日本製鋼所製「TEX44C」)を用いて240℃で溶融混練してペレットを製造した。このペレットを用いて射出成形機(東芝製作所製「IS−80」)を使用して、上記したようにシリンダー温度260℃、金型温度30℃で、縦×横×厚さ=8cm×8cm×3mmの試験片を作製して、そのブレンド物の屈折率を上記した方法で測定したところ、下記の表1に示すとおりであった。
また、この(1)で得られた試験片の全光線透過率およびヘイズの測定、並びにブレンド物の相溶性の観察を上記した方法で行ったところ、下記の表1に示すとおりであった。
【0070】
【表1】
【0071】
(2) また、上記(1)とは別に、アクリル系樹脂(A)として上記したアクリル系樹脂(A-1)またはアクリル系樹脂(A-2)を用い、ブロック共重合体としてSEPS1、SEPS2、SHBIS、SEEPS−OH、SIBUSおよびSIMのうちの一種を用い、上記したフェノキシ樹脂、AS樹脂(1)、AS樹脂(2)およびPVDFのうちの一種を用いまたは用いずに、下記の表2に示す割合で混合して、2軸押出機(日本製鋼所製「TEX44C」)を用いて240℃で溶融混練してペレットを製造した。このペレットを用いて射出成形機(東芝製作所製「IS−80」)を使用して、上記したようにシリンダー温度260℃、金型温度30℃で、縦×横×厚さが8cm×8cm×3mmの試験片、および10cm×10cm×3mmの試験片をそれぞれ作製した。
得られた試験片の全光線透過率、ヘイズ、ゴム硬度および引張弾性率の測定、並びにブロック共重合体の相分離の有無の観察を上記した方法で行ったところ、下記の表3に示すとおりであった。
また、上記(1)の結果から、│nAC−nB│の値を求めて、下記の表3に併せて示した。
なお、上記ブロック共重合体と重合体(C)との相溶性はいずれも「非相溶」(×)であった。
【0072】
【表2】
【0073】
【表3】
【0074】
上記の表1〜3の結果から、アクリル系樹脂(A)、ブロック共重合体(B)、およびアクリル系樹脂(A)と相溶しブロック共重合体(B)とは相溶しない重合体(C)を、アクリル系樹脂(A)と重合体(C)のブレンド物の屈折率(nAC)と、ブロック共重合体(B)の屈折率(nB)との差の絶対値(│nAC−nB│)が0.01以下になるようにして配合してなる実験番号13〜21の重合体組成物の場合は、全光線透過率が極めて高く且つヘイズが小さくて、透明性に極めて優れていることがわかる。
そして、上記の実験番号13〜21の重合体組成物のうちでも、ブロック共重合体(B)の連続相が形成されるようにしてアクリル系樹脂(A)、ブロック共重合体(B)および重合体(C)を配合している実験番号13〜20の重合体組成物の場合には、さらにゴム硬度が小さく柔軟性の点においても優れる重合体組成物が得られることがわかる。
【0075】
一方、アクリル系樹脂(A)と重合体(C)のブレンド物の屈折率(nAC)と、ブロック共重合体(B)の屈折率(nB)の差の絶対値(│nAC−nB│)が0.01を超えている実験番号22と23の重合体組成物、およびアクリル系樹脂(A)と第3の重合体とのブレンド物が既に白化して不透明化してしまっている実験番号24の重合体組成物の場合は、全光線透過率が低く且つヘイズが高くて、透明性に劣る重合体組成物しか得られないことがわかる。
【0076】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の重合体組成物は、透明性および柔軟性に優れており、しかも加工性、耐候性、発色性、着色性などの特性にも優れているので、それらの特性を活かして、各種成形品をはじめとして種々の用途に有効に使用することができると共に、他の重合体素材に添加して重合体改質に利用することもできる。
そして、本発明の重合体組成物において、重合体組成物中においてブロック共重合体の連続相が形成されるようにして上記の重合体3者を配合した場合には、上記した特性と併せて、特に柔軟性に一層優れる重合体組成物を得ることができる。
Claims (2)
- (i)(A)メタクリル酸メチルの単独重合体、メタクリル酸メチルから誘導される構造単位の割合が50重量%以上であるメタクリル酸メチルとアクリル酸エステル類の共重合体およびそれらの混合物から選ばれるアクリル系樹脂;
(B)ビニル芳香族化合物からなる重合体ブロックおよびメタクリル酸モノエステルからなる重合体ブロックから選ばれる少なくとも1種の重合体ブロックと、ポリオレフィン重合体ブロックとからなるブロック共重合体;並びに
(C)アクリル系樹脂(A)と相溶しブロック共重合体(B)とは相溶しない重合体であって且つスチレン・アクリロニトリル共重合体、スチレン・無水マレイン酸共重合体、ポリフッ化ビニリデン、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニルおよびポリエチレンオキサイドから選ばれる1種または2種以上の重合体;
からなる柔軟性に優れた重合体組成物であって;
(ii) 前記重合体組成物からブロック共重合体(B)を除いてなるアクリル系樹脂(A)と重合体(C)のブレンド物の屈折率(nAC)と、ブロック共重合体(B)の屈折率(nB)との差の絶対値(│nAC−nB│)が、0.01以下であり;且つ、
( iii ) 重合体組成物の全重量に基づいて、ブロック共重合体(B)を30〜90重量%の割合で含有する;
ことを特徴とする重合体組成物。 - ブロック共重合体(B)が連続相を形成している請求項1の重合体組成物。
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