JPH0598086A - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents
熱可塑性樹脂組成物Info
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- JPH0598086A JPH0598086A JP28201691A JP28201691A JPH0598086A JP H0598086 A JPH0598086 A JP H0598086A JP 28201691 A JP28201691 A JP 28201691A JP 28201691 A JP28201691 A JP 28201691A JP H0598086 A JPH0598086 A JP H0598086A
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- JP
- Japan
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- polymer
- weight
- block
- styrene
- component
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 オレフィン系重合体およびスチレン系重合体
の混合物の相溶性を改善し、耐衝撃性に優れた熱可塑性
樹脂組成物を提供する。 【構成】 (イ)オレフィン系重合体およびスチレン系
重合体からなる重合体混合物100重量部に対し、
(ロ)ポリスチレンブロックA、ビニル結合含量が20
〜95%のポリブタジエンブロックBおよびビニル結合
含量が15%以下のポリブタジエンブロックCからなる
ブロック共重合体を水添して得られる水添ブロック共重
合体0.1〜30重量部を配合する。
の混合物の相溶性を改善し、耐衝撃性に優れた熱可塑性
樹脂組成物を提供する。 【構成】 (イ)オレフィン系重合体およびスチレン系
重合体からなる重合体混合物100重量部に対し、
(ロ)ポリスチレンブロックA、ビニル結合含量が20
〜95%のポリブタジエンブロックBおよびビニル結合
含量が15%以下のポリブタジエンブロックCからなる
ブロック共重合体を水添して得られる水添ブロック共重
合体0.1〜30重量部を配合する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、オレフィン系重合体と
スチレン系重合体を主たる成分とし、機械的強度の改良
された熱可塑性樹脂組成物に関する。
スチレン系重合体を主たる成分とし、機械的強度の改良
された熱可塑性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】オレフィン系重合体やスチレン系重合体
は安価であり、最も大量に生産され、消費されている樹
脂である。しかしながら、オレフィン系重合体では、成
形加工時の収縮が大きく、深絞り成形の不良など、加工
時の欠点が多く指摘されており、改良が望まれている。
また、スチレン系重合体は、高剛性であるが、脆く、機
械的強度が劣ること、フィルム、シート状成形物の水素
透過性や引き裂き強度が劣ることなどの問題点がある。
オレフィン系重合体とスチレン系重合体を組み合わせる
ことにより、それぞれ単独の重合体の欠点を補った組成
物が得られることが分かり、種々の検討がなされてい
る。このオレフィン系重合体とスチレン系重合体は、お
互いに非相溶性であるため、単純な混合物は相剥離を起
こす脆いものであり、実用に耐えるものではない。
は安価であり、最も大量に生産され、消費されている樹
脂である。しかしながら、オレフィン系重合体では、成
形加工時の収縮が大きく、深絞り成形の不良など、加工
時の欠点が多く指摘されており、改良が望まれている。
また、スチレン系重合体は、高剛性であるが、脆く、機
械的強度が劣ること、フィルム、シート状成形物の水素
透過性や引き裂き強度が劣ることなどの問題点がある。
オレフィン系重合体とスチレン系重合体を組み合わせる
ことにより、それぞれ単独の重合体の欠点を補った組成
物が得られることが分かり、種々の検討がなされてい
る。このオレフィン系重合体とスチレン系重合体は、お
互いに非相溶性であるため、単純な混合物は相剥離を起
こす脆いものであり、実用に耐えるものではない。
【0003】そのため、特開昭56−38338号公
報、特開昭56−50943号公報では、オレフィン系
重合体とスチレン系重合体の相溶性改良剤として、スチ
レン−ブタジエンブロック共重合体の水素添加物を添加
する技術が提案されている。しかしながら、この技術で
用いられているスチレン−ブタジエンブロック共重合体
の水素添加物は、スチレン系重合体に対してはポリスチ
レンブロックセグメントを有するため良好な相溶性を示
すが、オレフィン系重合体に対しては相溶性が充分でな
く、このため相溶化剤としての性能が劣るものである。
そのため、充分な改質効果を得るためには、前記水素添
加物を高濃度で添加する必要がある。
報、特開昭56−50943号公報では、オレフィン系
重合体とスチレン系重合体の相溶性改良剤として、スチ
レン−ブタジエンブロック共重合体の水素添加物を添加
する技術が提案されている。しかしながら、この技術で
用いられているスチレン−ブタジエンブロック共重合体
の水素添加物は、スチレン系重合体に対してはポリスチ
レンブロックセグメントを有するため良好な相溶性を示
すが、オレフィン系重合体に対しては相溶性が充分でな
く、このため相溶化剤としての性能が劣るものである。
そのため、充分な改質効果を得るためには、前記水素添
加物を高濃度で添加する必要がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来技
術の課題を背景になされたもので、オレフィン系重合体
とスチレン系重合体からなる重合体混合物に、相溶化改
良剤として特別に分子設計された水添ブロック共重合体
を添加し、機械的強度に優れた熱可塑性樹脂組成物を得
ることを目的とする。
術の課題を背景になされたもので、オレフィン系重合体
とスチレン系重合体からなる重合体混合物に、相溶化改
良剤として特別に分子設計された水添ブロック共重合体
を添加し、機械的強度に優れた熱可塑性樹脂組成物を得
ることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、(イ)オレフ
ィン系重合体1〜99重量%およびスチレン系重合体9
9〜1重量%を含む重合体混合物100重量部に対し、
(ロ)(A)スチレン系重合体ブロックセグメント(以
下「ブロックA」ということがある)2〜98重量%、
(B)ブタジエンおよび/またはイソプレン50〜10
0重量%と他の単量体50〜0重量%からなり、ブタジ
エン部の1,2−ビニル結合含量が20〜95%である
ブタジエン(共)重合体ブロックセグメントおよび/ま
たはイソプレン部のビニル結合含量が10〜95%のイ
ソプレン(共)重合体ブロックセグメント2〜98重量
%(以下「ブロックB」ということがある)、ならびに
(C)1,2−ビニル結合含量が15%以下であるポリ
ブタジエンブロックセグメント(以下「ブロックC」と
いうことがある)0〜98重量%〔ただし、(A)+
(B)+(C)=100重量%〕からなり、かつブロッ
ク構造が直鎖状あるいは分岐状であるブロック共重合体
の不飽和二重結合を90%以上水素添加してなる水添ブ
ロック共重合体0.1〜30重量部を含有してなる熱可
塑性樹脂組成物を提供するものである。
ィン系重合体1〜99重量%およびスチレン系重合体9
9〜1重量%を含む重合体混合物100重量部に対し、
(ロ)(A)スチレン系重合体ブロックセグメント(以
下「ブロックA」ということがある)2〜98重量%、
(B)ブタジエンおよび/またはイソプレン50〜10
0重量%と他の単量体50〜0重量%からなり、ブタジ
エン部の1,2−ビニル結合含量が20〜95%である
ブタジエン(共)重合体ブロックセグメントおよび/ま
たはイソプレン部のビニル結合含量が10〜95%のイ
ソプレン(共)重合体ブロックセグメント2〜98重量
%(以下「ブロックB」ということがある)、ならびに
(C)1,2−ビニル結合含量が15%以下であるポリ
ブタジエンブロックセグメント(以下「ブロックC」と
いうことがある)0〜98重量%〔ただし、(A)+
(B)+(C)=100重量%〕からなり、かつブロッ
ク構造が直鎖状あるいは分岐状であるブロック共重合体
の不飽和二重結合を90%以上水素添加してなる水添ブ
ロック共重合体0.1〜30重量部を含有してなる熱可
塑性樹脂組成物を提供するものである。
【0006】本発明において、(イ)成分を構成するオ
レフィン系重合体としては、炭素数2〜8のα−モノオ
レフィンを主たる単量体成分とする重合体である。この
オレフィン系重合体の具体例としては、低密度ポリエチ
レン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、
ポリプロピレン、エチレン−プロピレンランダム共重合
体、エチレン−プロピレンブロック重合体、ポリメチル
ペンテン、ポリブテン−1などが挙げられ、これらは1
種単独であるいは2種以上混合して使用される。特に好
ましいオレフィン系重合体は、エチレンあるいはプロピ
レンを主たる単量体成分とする重合体であり、具体的に
は各種ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸
ビニルランダム共重合体、エチレン−(メタ)アクリル
酸ランダム共重合体、エチレン−グリシジルメタクリレ
ートランダム共重合体などのエチレン系ランダム共重合
体、プロピレン系ランダムもしくはプロピレン系ブロッ
ク共重合体、さらにはこれらの混合物である。
レフィン系重合体としては、炭素数2〜8のα−モノオ
レフィンを主たる単量体成分とする重合体である。この
オレフィン系重合体の具体例としては、低密度ポリエチ
レン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、
ポリプロピレン、エチレン−プロピレンランダム共重合
体、エチレン−プロピレンブロック重合体、ポリメチル
ペンテン、ポリブテン−1などが挙げられ、これらは1
種単独であるいは2種以上混合して使用される。特に好
ましいオレフィン系重合体は、エチレンあるいはプロピ
レンを主たる単量体成分とする重合体であり、具体的に
は各種ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸
ビニルランダム共重合体、エチレン−(メタ)アクリル
酸ランダム共重合体、エチレン−グリシジルメタクリレ
ートランダム共重合体などのエチレン系ランダム共重合
体、プロピレン系ランダムもしくはプロピレン系ブロッ
ク共重合体、さらにはこれらの混合物である。
【0007】また、(イ)成分を構成するスチレン系重
合体は、スチレン、p−メチルスチレン、α−メチルス
チレンなどを主たる単量体成分とする(共)重合体であ
る。このスチレン系重合体の具体例としては、ポリスチ
レン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン
−メチルメタクリレート共重合体、スチレン−無水マレ
イン酸共重合体、ゴム変性ポリスチレン、スチレン−ブ
タジエン共重合体、アクリロニトリル−(ポリブタジエ
ンゴム)−スチレン共重合体(ABS樹脂)、アクリロ
ニトリル−(エチレン−プロピレンゴム)−スチレン共
重合体(AES樹脂)、スチレン−α−メチルスチレン
共重合体、スチレン−p−メチルスチレン共重合体など
の一般にスチレン系重合体と称される重合体からなる群
から選ばれる少なくとも1種の(共)重合体である。ス
チレン系重合体としては、これらのほか、例えば該重合
体と相溶する他の樹脂が適当量混合したもの、例えばポ
リスチレンにポリフェニレンエーテルを適当量配合した
ものであってもよい。好ましいスチレン系重合体は、少
なくとも50重量%のスチレン含量を持つものであり、
ポリスチレン、ゴム変性ポリスチレンなどが特に好まし
い。
合体は、スチレン、p−メチルスチレン、α−メチルス
チレンなどを主たる単量体成分とする(共)重合体であ
る。このスチレン系重合体の具体例としては、ポリスチ
レン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン
−メチルメタクリレート共重合体、スチレン−無水マレ
イン酸共重合体、ゴム変性ポリスチレン、スチレン−ブ
タジエン共重合体、アクリロニトリル−(ポリブタジエ
ンゴム)−スチレン共重合体(ABS樹脂)、アクリロ
ニトリル−(エチレン−プロピレンゴム)−スチレン共
重合体(AES樹脂)、スチレン−α−メチルスチレン
共重合体、スチレン−p−メチルスチレン共重合体など
の一般にスチレン系重合体と称される重合体からなる群
から選ばれる少なくとも1種の(共)重合体である。ス
チレン系重合体としては、これらのほか、例えば該重合
体と相溶する他の樹脂が適当量混合したもの、例えばポ
リスチレンにポリフェニレンエーテルを適当量配合した
ものであってもよい。好ましいスチレン系重合体は、少
なくとも50重量%のスチレン含量を持つものであり、
ポリスチレン、ゴム変性ポリスチレンなどが特に好まし
い。
【0008】(イ)成分を構成するオレフィン系重合体
とスチレン系重合体の混合比率は、オレフィン系重合体
1〜99重量%、好ましくは10〜90重量%、さらに
好ましくは15〜85重量%、スチレン系重合体99〜
1重量%、好ましくは90〜10重量%、さらに好まし
くは85〜15重量%である。オレフィン系重合体が1
重量%未満、スチレン系重合体が1重量%未満の場合に
は、異なる重合体を混合することによって期待される性
能の発現が認められない。
とスチレン系重合体の混合比率は、オレフィン系重合体
1〜99重量%、好ましくは10〜90重量%、さらに
好ましくは15〜85重量%、スチレン系重合体99〜
1重量%、好ましくは90〜10重量%、さらに好まし
くは85〜15重量%である。オレフィン系重合体が1
重量%未満、スチレン系重合体が1重量%未満の場合に
は、異なる重合体を混合することによって期待される性
能の発現が認められない。
【0009】次に、(ロ)水添ブロック共重合体は、前
記(イ)成分を構成するオレフィン系重合体とスチレン
系重合体の相溶化剤として作用する重要な成分である。
この(ロ)成分の構造上の特徴は、オレフィン系重合体
とスチレン系重合体の双方に相溶するブロックセグメン
トを有することである。すなわち、(ロ)水添ブロック
共重合体中のブロックAは、スチレン系重合体ブロック
セグメントであり、前記スチレン系重合体との相溶性を
確保する。また、(ロ)水添ブロック共重合体中のブロ
ックBおよびCは、前記オレフィン系重合体との相溶性
を確保する成分であり、これらのブロックBおよびCの
好ましい構造は、(イ)成分中のオレフィン系重合体の
構造によって変化する。ブロックBおよびCの好ましい
具体的設計方針は、以下のようにまとめられる。
記(イ)成分を構成するオレフィン系重合体とスチレン
系重合体の相溶化剤として作用する重要な成分である。
この(ロ)成分の構造上の特徴は、オレフィン系重合体
とスチレン系重合体の双方に相溶するブロックセグメン
トを有することである。すなわち、(ロ)水添ブロック
共重合体中のブロックAは、スチレン系重合体ブロック
セグメントであり、前記スチレン系重合体との相溶性を
確保する。また、(ロ)水添ブロック共重合体中のブロ
ックBおよびCは、前記オレフィン系重合体との相溶性
を確保する成分であり、これらのブロックBおよびCの
好ましい構造は、(イ)成分中のオレフィン系重合体の
構造によって変化する。ブロックBおよびCの好ましい
具体的設計方針は、以下のようにまとめられる。
【0010】ケース1(オレフィン系重合体が、エチレ
ンを主たる単量体成分とするものの場合); (ロ)成分中のブロックCは、水素添加により結晶性の
ポリエチレン類似の構造となり、エチレンを主たる成分
とするオレフィン系重合体(例;ポリエチレン)との相
溶性に優れる。従って、エチレンを主たる単量体成分と
するオレフィン系重合体を成分とする(イ)成分の相溶
化剤としては、ブロックCを有するものが特に好まし
い。この場合、ブロックBとしては、ゴム的性質に優れ
たセグメントとして設計することにより、耐衝撃性を飛
躍的に向上させることができ好ましい。ブロックBをゴ
ム的性質に優れたセグメントとして設計する場合には、
ブロックB中のジエン部分のビニル結合含量を特許請求
の範囲に記載された範囲で適当な値とすることが好まし
い。例えば、ブロック成分B中のジエン部分のビニル結
合含量は、ブタジエンの場合30〜55%、好ましくは
35〜50%、イソプレンの場合40%以下、好ましく
は30%以下である。このようなビニル結合含量の範囲
内では、ブロックBは、優れたゴム的性能を示す。
ンを主たる単量体成分とするものの場合); (ロ)成分中のブロックCは、水素添加により結晶性の
ポリエチレン類似の構造となり、エチレンを主たる成分
とするオレフィン系重合体(例;ポリエチレン)との相
溶性に優れる。従って、エチレンを主たる単量体成分と
するオレフィン系重合体を成分とする(イ)成分の相溶
化剤としては、ブロックCを有するものが特に好まし
い。この場合、ブロックBとしては、ゴム的性質に優れ
たセグメントとして設計することにより、耐衝撃性を飛
躍的に向上させることができ好ましい。ブロックBをゴ
ム的性質に優れたセグメントとして設計する場合には、
ブロックB中のジエン部分のビニル結合含量を特許請求
の範囲に記載された範囲で適当な値とすることが好まし
い。例えば、ブロック成分B中のジエン部分のビニル結
合含量は、ブタジエンの場合30〜55%、好ましくは
35〜50%、イソプレンの場合40%以下、好ましく
は30%以下である。このようなビニル結合含量の範囲
内では、ブロックBは、優れたゴム的性能を示す。
【0011】ケース2(オレフィン系重合体がエチレン
以外の単量体を主たる単量体成分とする場合); (イ)成分を構成するオレフィン系重合体がエチレン以
外の単量体を主たる単量体成分とする場合には、(ロ)
成分を構成するブロック成分Bがオレフィン系重合体と
優れた相溶性を有するように分子設計することが好まし
い。この場合、ブロックB中のジエン部分(ブタジエン
部および/またはイソプレン部)のビニル結合含量を特
許請求の範囲に記載された範囲内で適当な値とすること
が好ましい。ブロックBがオレフィン系重合体と特に優
れた相溶性を有するためには、該ブロックB中のビニル
結合含量をできるだけ高含率にすることが特に好まし
い。すなわち、ブロックB中のジエン部分のビニル結合
含量は、ブタジエンの場合、好ましくは65〜95%、
特に好ましくは70〜90%、イソプレンの場合、好ま
しくは50〜95%、特に好ましくは55〜90%の範
囲内である。このケース2の場合には、(ロ)成分のブ
ロックCは、存在してもよいし、存在しなくてもよい
が、高ビニル結合含量で設計したブロックBはベタツキ
やすく、取り扱い性が不便となる傾向がある。少量のブ
ロックCをつけることによりベタツキが改良され、取り
扱い性が良好となり好ましい。
以外の単量体を主たる単量体成分とする場合); (イ)成分を構成するオレフィン系重合体がエチレン以
外の単量体を主たる単量体成分とする場合には、(ロ)
成分を構成するブロック成分Bがオレフィン系重合体と
優れた相溶性を有するように分子設計することが好まし
い。この場合、ブロックB中のジエン部分(ブタジエン
部および/またはイソプレン部)のビニル結合含量を特
許請求の範囲に記載された範囲内で適当な値とすること
が好ましい。ブロックBがオレフィン系重合体と特に優
れた相溶性を有するためには、該ブロックB中のビニル
結合含量をできるだけ高含率にすることが特に好まし
い。すなわち、ブロックB中のジエン部分のビニル結合
含量は、ブタジエンの場合、好ましくは65〜95%、
特に好ましくは70〜90%、イソプレンの場合、好ま
しくは50〜95%、特に好ましくは55〜90%の範
囲内である。このケース2の場合には、(ロ)成分のブ
ロックCは、存在してもよいし、存在しなくてもよい
が、高ビニル結合含量で設計したブロックBはベタツキ
やすく、取り扱い性が不便となる傾向がある。少量のブ
ロックCをつけることによりベタツキが改良され、取り
扱い性が良好となり好ましい。
【0012】次に、(ロ)成分を構成する各ブロックA
〜Cの各構造を説明する。 (A)スチレン系重合体ブロックセグメントに用いられ
るスチレン系単量体は、スチレン、α−メチルスチレ
ン、p−メチルスチレンなどが挙げられ、これらは単独
であるいは混合して使用される。ブロックAの重量平均
分子量は、通常、0.5〜20万、好ましくは1〜15
万、さらに好ましくは1.5〜10万であり、0.5万
未満では(イ)成分を構成するスチレン系重合体との相
溶性が劣るために好ましくなく、一方20万を超える場
合には流動性が劣り、加工性が悪化するために好ましく
ない。ブロックAの(ロ)成分中の割合は、2〜98重
量%、好ましくは10〜80重量%、さらに好ましくは
15〜70重量%であり、2重量%未満の場合、あるい
は98重量%を超えると、相溶化剤としての能力が劣
る。
〜Cの各構造を説明する。 (A)スチレン系重合体ブロックセグメントに用いられ
るスチレン系単量体は、スチレン、α−メチルスチレ
ン、p−メチルスチレンなどが挙げられ、これらは単独
であるいは混合して使用される。ブロックAの重量平均
分子量は、通常、0.5〜20万、好ましくは1〜15
万、さらに好ましくは1.5〜10万であり、0.5万
未満では(イ)成分を構成するスチレン系重合体との相
溶性が劣るために好ましくなく、一方20万を超える場
合には流動性が劣り、加工性が悪化するために好ましく
ない。ブロックAの(ロ)成分中の割合は、2〜98重
量%、好ましくは10〜80重量%、さらに好ましくは
15〜70重量%であり、2重量%未満の場合、あるい
は98重量%を超えると、相溶化剤としての能力が劣
る。
【0013】ブロックBは、ブタジエンおよび/または
イソプレン50〜100重量%と他の単量体50〜0重
量%からなり、ブタジエン部の1,2−ビニル結合含量
が20〜95%であるブタジエン(共)重合体ブロック
セグメントおよび/またはイソプレン部のビニル結合含
量が10〜95%のイソプレン(共)重合体ブロックセ
グメントである。ブロックBは、(ロ)成分全体の構造
と使用目的によって果たすべき役割が大きく変化するブ
ロックセグメントであることは、前述したとおりであ
る。なお、本発明において、ブタジエン部の1,2−ビ
ニル結合含量とは、ブタジエンブロックにおける1,2
−結合を有するブタジエンの量を表し、イソプレン部の
ビニル結合含量とは、イソプレンブロックにおける1,
2−結合を有するイソプレンと3,4−結合を有するイ
ソプレンとの合計量を表すものである。
イソプレン50〜100重量%と他の単量体50〜0重
量%からなり、ブタジエン部の1,2−ビニル結合含量
が20〜95%であるブタジエン(共)重合体ブロック
セグメントおよび/またはイソプレン部のビニル結合含
量が10〜95%のイソプレン(共)重合体ブロックセ
グメントである。ブロックBは、(ロ)成分全体の構造
と使用目的によって果たすべき役割が大きく変化するブ
ロックセグメントであることは、前述したとおりであ
る。なお、本発明において、ブタジエン部の1,2−ビ
ニル結合含量とは、ブタジエンブロックにおける1,2
−結合を有するブタジエンの量を表し、イソプレン部の
ビニル結合含量とは、イソプレンブロックにおける1,
2−結合を有するイソプレンと3,4−結合を有するイ
ソプレンとの合計量を表すものである。
【0014】ここで、ブロックBに使用される他の単量
体としては、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチ
ルスチレンなどの芳香族ビニル化合物、メタクリル酸メ
チル、アクリル酸メチルなどの(メタ)アクリル酸アル
キルエステル、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエ
ン、1,3−ペンタジエン、2−メチル−1,3−ペン
タジエン、1,3−ヘキサジエン、4,5−ジエチル−
1,3−オクタジエン、3−ブチル−1,3−オクタジ
エン、クロロプレンなどの共役ジエンが挙げられるが、
特にスチレンが好ましい。これらの他の単量体の使用量
は、ブロックBを構成する全単量体の0〜50重量%、
好ましくは0〜40重量%、さらに好ましくは0〜30
重量%である。他の単量体としてスチレンなどの剛直な
単独重合体を与える単量体を使用する場合、50重量%
を超えて使用すると、水添後のブロックBのガラス転移
温度が上昇し、エラストマーとしての性能が低下したり
(中〜低ビニル含量の場合)、あるいはブロックB中の
共役ジエン成分量の低下により(イ)成分を構成するオ
レフィン系重合体との相溶性が低下するので(高ビニル
含量の場合)、いずれも好ましくない。
体としては、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチ
ルスチレンなどの芳香族ビニル化合物、メタクリル酸メ
チル、アクリル酸メチルなどの(メタ)アクリル酸アル
キルエステル、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエ
ン、1,3−ペンタジエン、2−メチル−1,3−ペン
タジエン、1,3−ヘキサジエン、4,5−ジエチル−
1,3−オクタジエン、3−ブチル−1,3−オクタジ
エン、クロロプレンなどの共役ジエンが挙げられるが、
特にスチレンが好ましい。これらの他の単量体の使用量
は、ブロックBを構成する全単量体の0〜50重量%、
好ましくは0〜40重量%、さらに好ましくは0〜30
重量%である。他の単量体としてスチレンなどの剛直な
単独重合体を与える単量体を使用する場合、50重量%
を超えて使用すると、水添後のブロックBのガラス転移
温度が上昇し、エラストマーとしての性能が低下したり
(中〜低ビニル含量の場合)、あるいはブロックB中の
共役ジエン成分量の低下により(イ)成分を構成するオ
レフィン系重合体との相溶性が低下するので(高ビニル
含量の場合)、いずれも好ましくない。
【0015】ブロックBのビニル結合含量は、該セグメ
ントBが、ブタジエン(共)重合体である場合には20
〜95%、好ましくは20〜90%、イソプレン(共)
重合体である場合には10〜95%、好ましくは15〜
90%である。ブロックBのビニル結合含量が下限を下
回るか、あるいは上限を超える場合には、水素添加後、
それぞれポリエチレン連鎖、ポリブテン−1連鎖に由来
する結晶構造を示し、(ロ)成分のエラストマーとして
の性能が劣るために好ましくない。なお、ブロックBの
重量平均分子量は、通常、0.5〜25万、好ましくは
1〜20万、さらに好ましくは1.5〜15万である。
0.5万未満では耐衝撃性改良効果が劣り、また(イ)
成分を構成するオレフィン系重合体との相溶性がともに
劣るため好ましくなく、一方25万を超える場合には、
流動性が劣り、加工性、成形性が悪化するため好ましく
ない。ブロックBの割合は、(ロ)成分中に2〜98重
量%、好ましくは10〜80重量%、さらに好ましくは
15〜70重量%であり、2重量%未満あるいは98重
量%を超える場合には、(ロ)成分の相溶化剤としての
性能が低下するので好ましくない。
ントBが、ブタジエン(共)重合体である場合には20
〜95%、好ましくは20〜90%、イソプレン(共)
重合体である場合には10〜95%、好ましくは15〜
90%である。ブロックBのビニル結合含量が下限を下
回るか、あるいは上限を超える場合には、水素添加後、
それぞれポリエチレン連鎖、ポリブテン−1連鎖に由来
する結晶構造を示し、(ロ)成分のエラストマーとして
の性能が劣るために好ましくない。なお、ブロックBの
重量平均分子量は、通常、0.5〜25万、好ましくは
1〜20万、さらに好ましくは1.5〜15万である。
0.5万未満では耐衝撃性改良効果が劣り、また(イ)
成分を構成するオレフィン系重合体との相溶性がともに
劣るため好ましくなく、一方25万を超える場合には、
流動性が劣り、加工性、成形性が悪化するため好ましく
ない。ブロックBの割合は、(ロ)成分中に2〜98重
量%、好ましくは10〜80重量%、さらに好ましくは
15〜70重量%であり、2重量%未満あるいは98重
量%を超える場合には、(ロ)成分の相溶化剤としての
性能が低下するので好ましくない。
【0016】さらに、(ロ)成分を構成する(C)ポリ
ブタジエンブロックセグメントは、水素添加により結晶
性のポリエチレン類似構造のブロックセグメントとな
り、特にエチレンを主たる成分とするオレフィン系重合
体との相溶性に優れる。ブロックCの1,2−ビニル結
合含量は、水素添加後のブロックCの結晶性を支配する
主たる因子であり、15%以下、好ましくは14%以
下、さらに好ましくは13%以下である。この1,2−
ビニル結合含量が15%を超える場合には、エチレン連
鎖の結晶性が低下するため、エチレンを主たる成分とす
るオレフィン系重合体との相溶性が低下する。
ブタジエンブロックセグメントは、水素添加により結晶
性のポリエチレン類似構造のブロックセグメントとな
り、特にエチレンを主たる成分とするオレフィン系重合
体との相溶性に優れる。ブロックCの1,2−ビニル結
合含量は、水素添加後のブロックCの結晶性を支配する
主たる因子であり、15%以下、好ましくは14%以
下、さらに好ましくは13%以下である。この1,2−
ビニル結合含量が15%を超える場合には、エチレン連
鎖の結晶性が低下するため、エチレンを主たる成分とす
るオレフィン系重合体との相溶性が低下する。
【0017】なお、ブロックCの重量平均分子量は、通
常、0.5万〜20万、好ましくは1〜15万、さらに
好ましくは1.5〜10万である。0.5万未満ではエ
チレンを主たる成分とするオレフィン系重合体との相溶
性が劣るため好ましくなく、一方20万を超えると流動
性が劣り、加工性が悪化するため好ましくない。ブロッ
クCの(ロ)成分中における割合は、前述のように使用
目的によって変化する。ブロックCがエチレンを主たる
成分とするオレフィン系重合体との相溶性を確保するた
めに必須の成分である場合(ケース1)には、(ロ)成
分中に、2〜98重量%、好ましくは10〜80重量
%、さらに好ましくは15〜70重量%である。この場
合、2重量%未満あるいは98重量%を超えると、
(ロ)成分の相溶化剤としての性能が劣る。
常、0.5万〜20万、好ましくは1〜15万、さらに
好ましくは1.5〜10万である。0.5万未満ではエ
チレンを主たる成分とするオレフィン系重合体との相溶
性が劣るため好ましくなく、一方20万を超えると流動
性が劣り、加工性が悪化するため好ましくない。ブロッ
クCの(ロ)成分中における割合は、前述のように使用
目的によって変化する。ブロックCがエチレンを主たる
成分とするオレフィン系重合体との相溶性を確保するた
めに必須の成分である場合(ケース1)には、(ロ)成
分中に、2〜98重量%、好ましくは10〜80重量
%、さらに好ましくは15〜70重量%である。この場
合、2重量%未満あるいは98重量%を超えると、
(ロ)成分の相溶化剤としての性能が劣る。
【0018】一方、オレフィン系重合体との相溶性がブ
ロックBによって確保されている場合(ケース2)、
(ロ)成分中にブロックCはなくてもよい。しかしなが
ら、ブロックAと高ビニル含量のブロックBのみからな
る(ロ)成分は、該ブロックAとBの比率にも依存する
が、表面にベタツキ性があり、付着性を有する場合があ
る。そのため、取り扱い性の問題が生じやすい。ブロッ
クCを適量結合させることにより、付着性が減少し、取
り扱い性が向上する。従って、ケース2の場合、ブロッ
クCの(ロ)成分中の割合は、0〜98重量%、好まし
くは1〜50重量%、さらに好ましくは3〜30重量%
であり、98重量%を超えると、(ロ)成分の相溶化剤
としての性能が劣るものとなる。
ロックBによって確保されている場合(ケース2)、
(ロ)成分中にブロックCはなくてもよい。しかしなが
ら、ブロックAと高ビニル含量のブロックBのみからな
る(ロ)成分は、該ブロックAとBの比率にも依存する
が、表面にベタツキ性があり、付着性を有する場合があ
る。そのため、取り扱い性の問題が生じやすい。ブロッ
クCを適量結合させることにより、付着性が減少し、取
り扱い性が向上する。従って、ケース2の場合、ブロッ
クCの(ロ)成分中の割合は、0〜98重量%、好まし
くは1〜50重量%、さらに好ましくは3〜30重量%
であり、98重量%を超えると、(ロ)成分の相溶化剤
としての性能が劣るものとなる。
【0019】以上のブロックA〜Cからなる(ロ)成分
の水添率は、90%以上、好ましくは94%以上、さら
に好ましくは96%以上である。水添率が90%未満で
は、残留不飽和二重結合による耐熱性と耐候性の低下が
顕著である。本発明に使用される(ロ)水添ブロック共
重合体は、例えば特開平2−133406号公報に開示
されている方法によって得ることができる。なお、本発
明に使用される(ロ)水添ブロック共重合体は、前記
(イ)オレフィン系重合体およびスチレン系重合体を含
む重合体混合物の相溶化剤として有用なほか、近年、問
題となっているプラスチックスクラップ材の再生利用時
の改質材としても有効である。
の水添率は、90%以上、好ましくは94%以上、さら
に好ましくは96%以上である。水添率が90%未満で
は、残留不飽和二重結合による耐熱性と耐候性の低下が
顕著である。本発明に使用される(ロ)水添ブロック共
重合体は、例えば特開平2−133406号公報に開示
されている方法によって得ることができる。なお、本発
明に使用される(ロ)水添ブロック共重合体は、前記
(イ)オレフィン系重合体およびスチレン系重合体を含
む重合体混合物の相溶化剤として有用なほか、近年、問
題となっているプラスチックスクラップ材の再生利用時
の改質材としても有効である。
【0020】(ロ)水添ブロック共重合体の配合量は、
オレフィン系重合体およびスチレン系重合体を含む重合
体混合物100重量部に対し、0.1〜30重量部、好
ましくは0.5〜25重量部、さらに好ましくは1.0
〜20重量部である。0.1重量部未満では、(イ)成
分を構成するオレフィン系重合体とスチレン系重合体が
充分に相溶化されず、物性が向上しない。一方、30重
量部を超えた場合には、経済的でないばかりか、それ以
上の相溶化効果も期待できない。
オレフィン系重合体およびスチレン系重合体を含む重合
体混合物100重量部に対し、0.1〜30重量部、好
ましくは0.5〜25重量部、さらに好ましくは1.0
〜20重量部である。0.1重量部未満では、(イ)成
分を構成するオレフィン系重合体とスチレン系重合体が
充分に相溶化されず、物性が向上しない。一方、30重
量部を超えた場合には、経済的でないばかりか、それ以
上の相溶化効果も期待できない。
【0021】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、以上の
(イ)成分と(ロ)成分を主成分とするが、このほか
2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2−
(1−メチルシクロヘキシル)−4,6−ジメチルフェ
ノールなどの酸化防止剤;ステアロアミドプロピルジメ
チル−β−ヒドロキシエチルアンモニウムニトレートな
どの帯電防止剤;4−アセトキシ−2,2,6−テトラ
メチルピペリジン、4−ステアロイルオキシ−2,2,
6,6−テトラメチルピペリジンなどの耐候剤;p−t
−ブチルフェニルサリシレート、2,2′−ジヒドロキ
シ−4−メトキシベンゾフェノンなどの紫外線吸収剤;
パラフィンワックス、ポリエチレンワックス、高級脂肪
酸類またはこれらの金属塩などの滑剤;酸化チタン、カ
ーボンブラックなどの着色剤;ガラス繊維、炭素繊維、
金属繊維、アラミド繊維、ガラスビーズ、アスベスト、
マイカ、炭酸カルシウム、チタン酸カリウムウィスカ
ー、タルク、硫酸バリウム、ガラスフレーク、フッ素樹
脂などの充填剤;あるいは他のゴム質重合体、熱可塑性
樹脂などを適宜配合することができる。本発明の組成物
は、押し出し機、ニーダー、バンバリーミキサーなどに
より溶融混練りすることによって得ることができる。本
発明の組成物を製造するには、各成分を一括で混合して
もよく、任意の成分をあらかじめ予備混合したのち、残
りの成分を添加して混合してもよい。最も好ましい製造
装置は、一軸あるいは二軸押し出し機であり、これによ
り連続的に効率よく混練りし、ペレット化することがで
きる。得られたペレットを用い、押し出し成形を行い、
成形品に加工することができる。本発明の組成物を用い
て得られる押し出し成形品としては、シート、フィル
ム、チューブなどを挙げることができ、種々の用途に使
用することができる。
(イ)成分と(ロ)成分を主成分とするが、このほか
2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2−
(1−メチルシクロヘキシル)−4,6−ジメチルフェ
ノールなどの酸化防止剤;ステアロアミドプロピルジメ
チル−β−ヒドロキシエチルアンモニウムニトレートな
どの帯電防止剤;4−アセトキシ−2,2,6−テトラ
メチルピペリジン、4−ステアロイルオキシ−2,2,
6,6−テトラメチルピペリジンなどの耐候剤;p−t
−ブチルフェニルサリシレート、2,2′−ジヒドロキ
シ−4−メトキシベンゾフェノンなどの紫外線吸収剤;
パラフィンワックス、ポリエチレンワックス、高級脂肪
酸類またはこれらの金属塩などの滑剤;酸化チタン、カ
ーボンブラックなどの着色剤;ガラス繊維、炭素繊維、
金属繊維、アラミド繊維、ガラスビーズ、アスベスト、
マイカ、炭酸カルシウム、チタン酸カリウムウィスカ
ー、タルク、硫酸バリウム、ガラスフレーク、フッ素樹
脂などの充填剤;あるいは他のゴム質重合体、熱可塑性
樹脂などを適宜配合することができる。本発明の組成物
は、押し出し機、ニーダー、バンバリーミキサーなどに
より溶融混練りすることによって得ることができる。本
発明の組成物を製造するには、各成分を一括で混合して
もよく、任意の成分をあらかじめ予備混合したのち、残
りの成分を添加して混合してもよい。最も好ましい製造
装置は、一軸あるいは二軸押し出し機であり、これによ
り連続的に効率よく混練りし、ペレット化することがで
きる。得られたペレットを用い、押し出し成形を行い、
成形品に加工することができる。本発明の組成物を用い
て得られる押し出し成形品としては、シート、フィル
ム、チューブなどを挙げることができ、種々の用途に使
用することができる。
【0022】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明は、これらの実施例に限定される
ものではない。なお、実施例中、部および%は特に断ら
ない限り重量基準である。また、実施例中における各種
の測定は、下記の方法に拠った。 結合ビニル芳香族化合物含量 679cm-1のフェニル基の吸収を基に、赤外分析法によ
り測定した。 共役ジエンのビニル結合含量 赤外分析法を用い、ハンプトン法により算出した。 水添率 四塩化エチレンを溶媒に用い、10MHz、 1H−NM
Rスペクトルから算出した。 重量平均分子量 トリクロルベンゼンを溶媒に用い、135℃におけるゲ
ルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用
いてポリスチレン換算で求めた。 メルトフローレート(MFR) JIS K7210に従い、230℃、荷重2.16kg
で測定した。 アイゾット衝撃強度 JIS K7110に従って測定した。 引張特性 JIS K7113に従って測定した。
に説明するが、本発明は、これらの実施例に限定される
ものではない。なお、実施例中、部および%は特に断ら
ない限り重量基準である。また、実施例中における各種
の測定は、下記の方法に拠った。 結合ビニル芳香族化合物含量 679cm-1のフェニル基の吸収を基に、赤外分析法によ
り測定した。 共役ジエンのビニル結合含量 赤外分析法を用い、ハンプトン法により算出した。 水添率 四塩化エチレンを溶媒に用い、10MHz、 1H−NM
Rスペクトルから算出した。 重量平均分子量 トリクロルベンゼンを溶媒に用い、135℃におけるゲ
ルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用
いてポリスチレン換算で求めた。 メルトフローレート(MFR) JIS K7210に従い、230℃、荷重2.16kg
で測定した。 アイゾット衝撃強度 JIS K7110に従って測定した。 引張特性 JIS K7113に従って測定した。
【0023】実施例1〜7、比較例1〜7(ロ)成分の製造(ロ−1〜5の製造 ) 内容積5リットルのオートクレーブに、シクロヘキサン
2.5kg、1,3−ブタジエン500g、n−ブチル
リチウム0.4gを加えて、50℃で重合転化率が18
%になったのち、テトラヒドロフラン9.8gを添加し
て昇温し、重合転化率が100%になるまで重合を行っ
た。次に、スチレン90gを添加し、重合を続行した。
重合完結後、反応液を70℃にし、n−ブチルリチウム
0.8g、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール
0.8gとビス(シクロペンタジエニル)チタニウムジ
クロライド0.25gおよびジエチルアルミニウムクロ
ライド1gを加え、水素圧力10kg/cm2 で1時間
反応させた。この反応液を、大量のメチルアルコールの
中に混合して析出する固形物を回収、乾燥して水添ブロ
ック共重合体ロ−1を得た。得られた水添ブロック共重
合体ロ−1の水添率は99%、第1段目の1,2−ビニ
ル結合含量は12%、第2段目の1,2−ビニル結合含
量は40%であった。また、表1に示すような水添ブロ
ック共重合体になるように、単量体種類、単量体量、触
媒量、重合温度、重合時間などを変化させて、水添ブロ
ック共重合体ロ−1に準じて、水添ブロック共重合体ロ
−2〜5を得た。
2.5kg、1,3−ブタジエン500g、n−ブチル
リチウム0.4gを加えて、50℃で重合転化率が18
%になったのち、テトラヒドロフラン9.8gを添加し
て昇温し、重合転化率が100%になるまで重合を行っ
た。次に、スチレン90gを添加し、重合を続行した。
重合完結後、反応液を70℃にし、n−ブチルリチウム
0.8g、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール
0.8gとビス(シクロペンタジエニル)チタニウムジ
クロライド0.25gおよびジエチルアルミニウムクロ
ライド1gを加え、水素圧力10kg/cm2 で1時間
反応させた。この反応液を、大量のメチルアルコールの
中に混合して析出する固形物を回収、乾燥して水添ブロ
ック共重合体ロ−1を得た。得られた水添ブロック共重
合体ロ−1の水添率は99%、第1段目の1,2−ビニ
ル結合含量は12%、第2段目の1,2−ビニル結合含
量は40%であった。また、表1に示すような水添ブロ
ック共重合体になるように、単量体種類、単量体量、触
媒量、重合温度、重合時間などを変化させて、水添ブロ
ック共重合体ロ−1に準じて、水添ブロック共重合体ロ
−2〜5を得た。
【0024】組成物の製造 表2〜3に示す配合に従って、樹脂混合物を調合し、池
貝鉄工(株)製、二軸押し出し機PCM45を用いてペ
レット化した。得られたペレットを用いて、射出成形に
よって試験片を得た。結果を表2〜3に示す。なお、表
2〜3中で用いた樹脂類を以下に示す。 ポリスチレン;三井東圧化学製、トーポレックス500 低密度ポリエチレン;東ソー(株)製、ペトロセン19
0 ポリプロピレン;三菱油化(株)製、MA−2A G1650;シェル(株)製、SEBS。スチレン−ブ
タジエン−スチレンブロック共重合体を水素添加して得
られる水添ブロック共重合体。そのミクロ構造は、1,
2−ビニル結合を有するブタジエンブロックが約40重
量%である。 A1100;日本油脂(株)製、モディパーA1100
(ポリエチレン鎖にポリスチレンをグラフトしたグラフ
ト共重合体)
貝鉄工(株)製、二軸押し出し機PCM45を用いてペ
レット化した。得られたペレットを用いて、射出成形に
よって試験片を得た。結果を表2〜3に示す。なお、表
2〜3中で用いた樹脂類を以下に示す。 ポリスチレン;三井東圧化学製、トーポレックス500 低密度ポリエチレン;東ソー(株)製、ペトロセン19
0 ポリプロピレン;三菱油化(株)製、MA−2A G1650;シェル(株)製、SEBS。スチレン−ブ
タジエン−スチレンブロック共重合体を水素添加して得
られる水添ブロック共重合体。そのミクロ構造は、1,
2−ビニル結合を有するブタジエンブロックが約40重
量%である。 A1100;日本油脂(株)製、モディパーA1100
(ポリエチレン鎖にポリスチレンをグラフトしたグラフ
ト共重合体)
【0025】
【表1】
【0026】
【表2】
【0027】
【表3】
【0028】表2から明らかなように、本発明の組成物
は、特に良好なアイゾット衝撃強度を示しており、
(ロ)成分の特異な性能が反映されている。一方、表3
から明らかなように、比較例1〜3、比較例6は、
(ロ)成分、すなわち相溶化剤を全く用いない例であ
り、いずれもアイゾット衝撃強度、引張強度、引張伸び
が劣っている。なお、これらの比較例では、成形品表面
もつやがなく、外観不良であった。比較例4および比較
例7は、相溶化剤としてスチレン−ブタジエン−スチレ
ンブロック共重合体の水添物を用いた例である。比較例
4および比較例7で用いられる相溶化剤は、本発明の
(ロ)成分と類似の構造を有するポリマーであるが、
ポリエチレン構造を持たないこと、エチレン−ブテン
部のビニル結合含量が低〜中含量(約40%)であるこ
とから、相溶化能力は本発明の(ロ)成分を用いたもの
に較べて相当に劣る。さらに、比較例5は、ポリエチレ
ン鎖にポリスチレンをグラフトした相溶化剤を用いた例
である。G1650と同様、顕著な改良効果は認められ
なかった。
は、特に良好なアイゾット衝撃強度を示しており、
(ロ)成分の特異な性能が反映されている。一方、表3
から明らかなように、比較例1〜3、比較例6は、
(ロ)成分、すなわち相溶化剤を全く用いない例であ
り、いずれもアイゾット衝撃強度、引張強度、引張伸び
が劣っている。なお、これらの比較例では、成形品表面
もつやがなく、外観不良であった。比較例4および比較
例7は、相溶化剤としてスチレン−ブタジエン−スチレ
ンブロック共重合体の水添物を用いた例である。比較例
4および比較例7で用いられる相溶化剤は、本発明の
(ロ)成分と類似の構造を有するポリマーであるが、
ポリエチレン構造を持たないこと、エチレン−ブテン
部のビニル結合含量が低〜中含量(約40%)であるこ
とから、相溶化能力は本発明の(ロ)成分を用いたもの
に較べて相当に劣る。さらに、比較例5は、ポリエチレ
ン鎖にポリスチレンをグラフトした相溶化剤を用いた例
である。G1650と同様、顕著な改良効果は認められ
なかった。
【0029】
【発明の効果】本発明で使用される(ロ)成分は、ごく
少量でオレフィン系重合体およびスチレン系重合体から
なるブレンド物を相溶化し、優れた性能のポリマーアロ
イを提供することができる。そのため、本発明の熱可塑
性樹脂組成物は、オレフィン系重合体およびスチレン系
重合体の欠点を補い、耐衝撃性、機械的強度に優れ、広
範な用途に使用することができる。
少量でオレフィン系重合体およびスチレン系重合体から
なるブレンド物を相溶化し、優れた性能のポリマーアロ
イを提供することができる。そのため、本発明の熱可塑
性樹脂組成物は、オレフィン系重合体およびスチレン系
重合体の欠点を補い、耐衝撃性、機械的強度に優れ、広
範な用途に使用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 25/04 LDR 9166−4J LDS 9166−4J 53/02 LLY 7142−4J (72)発明者 寺本 俊夫 東京都中央区築地二丁目11番24号 日本合 成ゴム株式会社内
Claims (1)
- 【請求項1】 (イ)オレフィン系重合体1〜99重量
%およびスチレン系重合体99〜1重量%を含む重合体
混合物100重量部に対し、 (ロ)(A)スチレン系重合体ブロックセグメント2〜
98重量%、 (B)ブタジエンおよび/またはイソプレン50〜10
0重量%と他の単量体50〜0重量%からなり、ブタジ
エン部の1,2−ビニル結合含量が20〜95%である
ブタジエン(共)重合体ブロックセグメントおよび/ま
たはイソプレン部のビニル結合含量が10〜95%のイ
ソプレン(共)重合体ブロックセグメント2〜98重量
%、ならびに (C)1,2−ビニル結合含量が15%以下であるポリ
ブタジエンブロックセグメント0〜98重量%〔ただ
し、(A)+(B)+(C)=100重量%〕からな
り、かつブロック構造が直鎖状あるいは分岐状であるブ
ロック共重合体の不飽和二重結合を90%以上水素添加
してなる水添ブロック共重合体0.1〜30重量部を含
有してなる熱可塑性樹脂組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28201691A JPH0598086A (ja) | 1991-10-03 | 1991-10-03 | 熱可塑性樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28201691A JPH0598086A (ja) | 1991-10-03 | 1991-10-03 | 熱可塑性樹脂組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0598086A true JPH0598086A (ja) | 1993-04-20 |
Family
ID=17647062
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP28201691A Pending JPH0598086A (ja) | 1991-10-03 | 1991-10-03 | 熱可塑性樹脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0598086A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001207001A (ja) * | 1999-11-16 | 2001-07-31 | Jsr Corp | 熱可塑性樹脂組成物 |
JP2001240713A (ja) * | 1999-12-21 | 2001-09-04 | Asahi Kasei Corp | 樹脂組成物 |
JP2001310968A (ja) * | 2000-04-28 | 2001-11-06 | Asahi Kasei Corp | ポリエチレン−ポリスチレン系混合樹脂押出発泡体及びその製造方法 |
US10829632B2 (en) | 2016-04-25 | 2020-11-10 | Asahi Kasei Kabushiki Kaisha | Hydrogenated block copolymer, polypropylene resin composition, and molded body |
-
1991
- 1991-10-03 JP JP28201691A patent/JPH0598086A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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