JP4841074B2 - 樹脂組成物、及び樹脂改質用ブロック共重合体 - Google Patents

樹脂組成物、及び樹脂改質用ブロック共重合体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、成形加工時におけるブロック共重合体の架橋反応に起因するゲル(重合体の架橋物)の生成が少なく、またブロック共重合体鎖の架橋及び切断による溶融粘度の変化が小さいフィルム、シート成形適性及び射出成形適性に優れた樹脂組成物に関し、更に詳細にはビニル芳香族炭化水素とイソプレン及び1,3−ブタジエンからなるブロック共重合体とスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂から選ばれる少なくとも1種の熱可塑性樹脂からなる樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
共役ジエンとビニル芳香族炭化水素からなるブロック共重合体は、比較的ビニル芳香族炭化水素が少ない場合、加硫をしなくても加硫された天然ゴムや合成ゴムと同様の弾性を常温にて有し、しかも高温では熱可塑性樹脂と同様の加工性を有することから、履き物、プラスチック改質、アスファルト改質、粘接着材等の分野で広く利用されている。特に、スチレンと1,3−ブタジエンからなるブロック共重合体は、ポリスチレン等の樹脂との相溶性が良く、かかる樹脂の耐衝撃性の改良に好適に使用されている。
【0003】
例えば、特公昭45−19388号公報及び特公昭47−43618号公報にはポリスチレンの耐衝撃性改良剤として線状ブロック共重合体や分岐状ブロック共重合体を使用することが記載されている。また、特開昭47−435号公報及び特公昭47−34808号公報にはブロック共重合体及び耐衝撃性ゴム変性スチレン重合体をポリスチレンに配合する方法が記載されている。また、耐衝撃性及び透明性の改良を目的に、例えば特開昭54−62251号公報、特開昭53−250号公報にはスチレン含有量の少ないブロック共重合体とスチレン含有量の多いブロック共重合体とをポリスチレンに配合する方法、さらに特開平9−67486号公報にはポリスチレンとの屈折率の差が特定されたスチレン含有量の少ないブロック共重合体とスチレン含有量の多いブロック共重合体とをポリスチレンに配合する方法が記載されている。
【0004】
しかしながら、これらの特許公報に記載されたスチレンと1,3−ブタジエンからなるブロック共重合体とスチレン系樹脂等の熱可塑性樹脂から構成される組成物は、例えば薄いフィルムやシートの成形加工において、長時間連続して成形加工した場合ポリマーの架橋物であるゲルを生成しやすく、外観を損なうばかりでなく印刷を施す用途において印刷インクの接着不良を起こすなどの問題点が指摘されている。また、フィルムやシートの押出成形において、樹脂を押出機内に滞留させたまま高温で長時間放置した後に成形加工を再開した場合、押出機内で生成したゲルが成形品に混入して外観の良好な製品を得るのに長時間かかるためその改善が望まれている。
【0005】
一方、スチレン系樹脂は、加工性が良く、優れた機械的特性を有することから、射出成形材料やシ−ト成形材料として広く使用されているが、耐油性が劣り、マ−ガリンやゴマ油等の油類に触れると急激な物性低下を起こすため、その使用に限界があった。そこで、耐油性を改良するためにオレフィン系樹脂を混合することが試みられてきた。しかしながら、スチレン系樹脂とオレフィン系樹脂とは相容性が乏しいため、剥離現象を生じ、機械的強度に劣る組成物となってしまう問題があった。
【0006】
また、ポリフェニレンエ−テル系樹脂は、機械的特性、電気特性等に優れ、事務機器ハウジング、各種工業部品などに広く使用されている。しかし、耐油性や耐衝撃性が劣り、これらの特性を改良するためにオレフィン系樹脂を混合する試みがなされている。しかしながら、両樹脂は相容性が乏しいため、剥離現象を生じるという問題を生じていた。
【0007】
これらの問題点を解決するために、ブロック共重合体を添加してなる組成物が種々提案されている。例えば、特開昭56−38338号公報には、水素添加ブロック共重合体を添加してなるポリオレフィン系樹脂とポリスチレン系樹脂からなる組成物が提案されている。また、特開平1−174550号公報にも、同様な水素添加ブロック共重合体を含有するポリオレフィン系樹脂とポリスチレン系樹脂からなる組成物が提案されている。
【0008】
また、特開平9−12800号公報には、水素添加ブロック共重合体を添加してなるポリプロピレン系樹脂とポリフェニレンエ−テルからなる組成物が提案されている。
【0009】
しかしながら、これらに開示されている組成物は、ポリオレフィン系樹脂とポリスチレン系樹脂との相容性、ポリプロピレン系樹脂とポリフェニレンエ−テルとの相容性はそれぞれ改良されているものの、組成物における耐衝撃性は充分でなく、さらなる改良が望まれている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、ブロック共重合体とポリスチレン系樹脂及び/又はポリフェニレンエ−テル系樹脂からなる組成物において、成形加工時におけるブロック共重合体の架橋反応に起因するゲルの生成が少なく、またブロック共重合体鎖の架橋及び切断による溶融粘度の変化が小さく、低温における耐衝撃性が良好でフィルム、シート成形及び射出成形適性に優れた樹脂組成物の提供を目的とする。また、本発明は、ブロック共重合体、ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂及び/又はポリフェニレンエ−テル系樹脂からなる組成物において、上記特性に加えて耐衝撃性を改良した樹脂組成物を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、スチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂から選ばれる熱可塑性樹脂に特定のポリマー構造を有するビニル芳香族炭化水素とイソプレン及び1,3−ブタジエンからなるブロック共重合体を組み合わせることによって、成形加工時におけるブロック共重合体の架橋反応に起因するゲルの生成が少なく、ゲルレベル(フィシュアイ)を大幅に低減できると同時にブロック共重合体鎖の架橋及び切断による溶融粘度の変化を小さくでき、低温における耐衝撃性等に優れることを見出し完成されたものである。
【0012】
また、本発明は、スチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂から選ばれる熱可塑性樹脂に特定の水添ブロック共重合体と特定のポリマー構造を有するビニル芳香族炭化水素とイソプレン及び1,3−ブタジエンからなるブロック共重合体を組み合わせた組成物において、特定の水添ブロック共重合体がスチレン系樹脂及び/又はポリフェニレンエーテル系樹脂とポリオレフィン系樹脂との相溶性を改善し、特定のポリマー構造を有するビニル芳香族炭化水素とイソプレン及び1,3−ブタジエンからなるブロック共重合体がスチレン系樹脂及び/又はポリフェニレンエーテル系樹脂に優先的に相溶して耐衝撃性を向上させることを見出し完成されたものである。
【0013】
即ち、本発明は、
▲1▼(1)少なくとも2つのビニル芳香族炭化水素を主体とする重合体ブロックと、少なくとも1つのイソプレンと1,3−ブタジエンからなる共重合体ブロック及び/又は少なくとも1つのイソプレンと1,3−ブタジエンとビニル芳香族炭化水素からなる共重合体ブロックを有するブロック共重合体で、該ブロック共重合体のビニル芳香族炭化水素含有量が5重量%以上、60重量%未満、イソプレンと1,3−ブタジエンを合わせた含有量が40重量%を超え、95重量%以下で、該ブロック共重合体のイソプレンと1,3−ブタジエンの重量比が95/5〜5/95の範囲であり、かつビニル結合量が40重量%未満であるブロック共重合体 2〜40重量部
(2)スチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂から選ばれる少なくとも1種の熱可塑性樹脂 98〜60重量部
からなる樹脂組成物
▲2▼(1)少なくとも2つのビニル芳香族炭化水素を主体とする重合体ブロックと、少なくとも1つのイソプレンと1,3−ブタジエンからなる共重合体ブロック及び/又は少なくとも1つのイソプレンと1,3−ブタジエンとビニル芳香族炭化水素からなる共重合体ブロックを有するブロック共重合体で、該ブロック共重合体のビニル芳香族炭化水素含有量が5重量%以上、60重量%未満、イソプレンと1,3−ブタジエンを合わせた含有量が40重量%を超え、95重量%以下で、該ブロック共重合体のイソプレンと1,3−ブタジエンの重量比が95/5〜5/95の範囲であり、かつビニル結合量が40重量%未満であるブロック共重合体 2〜40重量%
(2)スチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂から選ばれる少なくとも1種の熱可塑性樹脂98〜60重量%
の合計量100重量部に対して
(3)ビニル芳香族炭化水素と共役ジエンからなり、ビニル芳香族炭化水素含有量が5〜90重量%、水添率が20%以上の水添ブロック共重合体 2〜30重量部
からなる樹脂組成物
▲3▼(1)少なくとも2つのビニル芳香族炭化水素を主体とする重合体ブロックと、少なくとも1つのイソプレンと1,3−ブタジエンからなる共重合体ブロック及び/又は少なくとも1つのイソプレンと1,3−ブタジエンとビニル芳香族炭化水素からなる共重合体ブロックを有するブロック共重合体で、該ブロック共重合体のビニル芳香族炭化水素含有量が5重量%以上、60重量%未満、イソプレンと1,3−ブタジエンを合わせた含有量が40重量%を超え、95重量%以下で、該ブロック共重合体のイソプレンと1,3−ブタジエンの重量比が95/5〜5/95の範囲であり、かつビニル結合量が40重量%未満であることを特徴とするスチレン系樹脂、オレフィン系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂から選ばれる少なくとも1種の熱可塑性樹脂改質用ブロック共重合体
に関する。
【0014】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で使用する成分(1)のブロック共重合体は、有機溶媒中、有機リチウム化合物を開始剤としてビニル芳香族炭化水素とイソプレン及び1,3−ブタジエンを重合することにより得られる。
【0015】
ブロック共重合体の製造に用いる炭化水素溶媒としては、ブタン、ペンタン、ヘキサン、イソペンタン、ヘプタン、オクタン、イソオクタン等の脂肪族炭化水素、シクロペンタン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素、或いはベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレン等の芳香族炭化水素等が挙げられ、これらは1種のみならず2種以上混合使用してもよい。ブロック共重合体に用いるビニル芳香族炭化水素としてはスチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、1,3−ジメチルスチレン、α−メチルスチレン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン、1,1−ジフェニルエチレンなどがあるが、特に一般的なものとしてはスチレンが挙げられる。これらは1種のみならず2種以上混合使用してもよい。
【0016】
ブロック共重合体のビニル芳香族炭化水素含有量は5重量%以上、60重量%未満、好ましくは10〜50重量%、更に好ましくは15〜45重量%であり、イソプレンと1,3−ブタジエンを合わせた含有量は40重量%を超え、95重量%以下、好ましくは50〜90重量%、更に好ましくは55〜85重量%である。ビニル芳香族炭化水素の含有量及びイソプレンと1,3−ブタジエンを合わせた含有量が上記の範囲外の場合には、樹脂組成物の耐衝撃性が低下したり、成分(2)との相溶性が低下するため好ましくない。
【0017】
ブロック共重合体のイソプレンと1,3−ブタジエンの重量比は95/5〜5/95、好ましくは90/10〜10/90、更に好ましくは85/15〜15/85である。特に、低温耐衝撃性に優れた樹脂組成物を得る場合には、イソプレンと1,3−ブタジエンの重量比は49/51〜5/95、好ましくは39/61〜10/90、更に好ましくは35/65〜15/85であることが推奨される。ブロック共重合体のイソプレンと1,3−ブタジエンの重量比が95/5を超える場合には、成形加工時のブロック共重合体鎖の切断による溶融粘度の変化が大きくなり、耐衝撃性が低下するため好ましくない。逆にイソプレンと1,3−ブタジエンの重量比が5/95未満では成形加工時のゲル生成が多くなると同時に、ブロック共重合体鎖の架橋による溶融粘度の変化が大きくなるため好ましくない。
【0018】
本発明で使用するブロック共重合体のビニル結合量は、40重量%未満、好ましくは35重量%以下、更に好ましくは30〜10重量%である。ここに、ビニル結合量とは、ブロック共重合体中に1,2−結合,3,4−結合及び1,4−結合の結合様式で組み込まれているブタジエン及びイソプレンのうち、1,2−結合及び3,4−結合で組み込まれているものの割合である。ビニル結合量が40重量%以上では、樹脂組成物の低温特性が劣るため好ましくない。
【0019】
なお、本発明で使用するブロック共重合体は、該ブロック共重合体中のイソプレンと1,3−ブタジエンからなる共重合体ブロック及び/又は少なくとも1つのイソプレンと1,3−ブタジエンとビニル芳香族炭化水素からなる共重合体ブロックに基づくtanδの主分散のピークが0℃未満、好ましくは−20℃未満、更に好ましくは−25℃未満であることが低温特性の良好な樹脂組成物を得る上で推奨される。また、同様に低温特性に関する観点より、ブロック共重合体のTgは−40℃未満、より好ましくは−45℃以下であることが推奨される。
【0020】
本発明において、耐衝撃性に優れた樹脂組成物を得る場合、ブロック共重合体に組み込まれているビニル芳香族炭化水素重合体ブロックの割合(ビニル芳香族炭化水素のブロック率という)を50〜100重量%、好ましくは50〜97重量%、更に好ましくは60〜95重量%に調整することが推奨される。ブロック率が50重量%未満では成形品の剛性が低下する傾向がみられる。ブロック共重合体に組み込まれているビニル芳香族炭化水素のブロック率の測定は、ブロック共重合体を四酸化オスミウムを触媒としてターシャリーブチルハイドロパーオキサイドにより酸化分解する方法(I.M.KOLTHOFF,etal.,J.Polym.Sci.1,429(1946)に記載の方法)により得たビニル芳香族炭化水素重合体ブロック成分(但し平均重合度が約30以下のビニル芳香族炭化水素重合体成分は除かれている)を用いて、次の式から求めることができる。
【0021】
ビニル芳香族炭化水素のブロック率(重量%)
=(ブロック共重合体中のビニル芳香族炭化水素重合体ブロックの重量/ブロック共重合体中の全ビニル芳香族炭化水素の重量)×100
【0022】
ビニル芳香族炭化水素のブロック率は、ブロック共重合体の製造時におけるビニル芳香族炭化水素とイソプレンと1,3−ブタジエンが共重合する過程でのビニル芳香族炭化水素とイソプレンと1,3−ブタジエンの重量、重量比、重合反応性比等を変えることによりコントロールすることができる。具体的な方法としては、ビニル芳香族炭化水素とイソプレンと1,3−ブタジエンとの混合物を連続的に重合系に供給して重合する、及び/又は極性化合物あるいはランダム化剤を使用してビニル芳香族炭化水素とイソプレンと1,3−ブタジエンを共重合する等の方法が採用できる。極性化合物やランダム化剤としては、テトラヒドロフラン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル等のエーテル類、トリエチルアミン、テトラメチルエチレンジアミン等のアミン類、チオエーテル類、ホスフィン類、ホスホルアミド類、アルキルベンゼンスルホン酸塩、カリウムやナトリウムのアルコキシド等が挙げられる。また、これらの極性化合物やランダム化剤はビニル結合量の調整にも使用できる。
【0023】
本発明のブロック共重合体は少なくとも2つのビニル芳香族炭化水素を主体とする重合体ブロックと、少なくとも1つのイソプレンと1,3−ブタジエンからなる共重合体ブロック及び/又は少なくとも1つのイソプレンと1,3−ブタジエンとビニル芳香族炭化水素からなる共重合体ブロックを有するブロック共重合体で、例えば下記の一般式のものが挙げられる。
【0024】
(イ)A−(B−A)n (ロ)A−(B−A)n −B
(ハ)B−(A−B)n+1
で表される直鎖状ブロック共重合体、或いは一般式
(ニ)[(A−B)k]m+1−X (ホ)[(A−B)k−A]m+1−X
(ヘ)[(B−A)k]m+1−X (ト)[(B−A)k−B]m+1−X
で表される直鎖状ブロック共重合体或いはラジアルブロック共重合体(上式において、Aはビニル芳香族炭化水素を主体とする重合体ブロックを示す。Bはイソプレンと1,3−ブタジエンからなる共重合体ブロック及び/又はイソプレンと1,3−ブタジエンとビニル芳香族炭化水素からなる共重合体ブロックを示し、該共重合体ブロックにおけるビニル芳香族炭化水素含有量は70重量%未満である。Xは例えば四塩化ケイ素、四塩化スズ、エポキシ化大豆油、ポリハロゲン化炭化水素、カルボン酸エステル、ポリビニル化合物等のカップリング剤の残基又は多官能有機リチウム化合物等の開始剤の残基を示す。n、k及びmは1以上の整数、一般的には1〜5である。)である。尚、上記において、ビニル芳香族炭化水素を主体とする重合体ブロックは、ビニル芳香族炭化水素を70重量%以上含有するビニル芳香族炭化水素単独重合体及び/又はビニル芳香族炭化水素と1,3−ブタジエン及び/又はイソプレンの共重合体ブロックである。本発明においては、Bブロックに1,3−ブタジエン単独重合体部分及び/又はイソプレン単独重合体部分が共存していても良い。また、本発明で規定する少なくとも1つのイソプレンと1,3−ブタジエンからなる共重合体ブロック及び/又は少なくとも1つのイソプレンと1,3−ブタジエンとビニル芳香族炭化水素からなる共重合体ブロックを有していれば、ブロック共重合体中に1,3−ブタジエン単独重合体ブロック及び/又はイソプレン単独重合体ブロックがBブロックとして共存していても良い。
【0025】
本発明で使用するブロック共重合体の分子量は、GPCによる測定において、ピーク分子量が標準ポリスチレン換算で3万〜100万、好ましくは5万〜80万、更に好ましくは7万〜50万である。分子量が3万未満の場合樹脂組成物の耐衝撃性が劣り、100万を超えると加工性が劣るため好ましくない。特に、樹脂組成物をフィルム、シートに成形する場合、ブロック共重合体の好ましいMFR(G条件で温度200℃、荷重5Kg)は成形加工性及び成型品外観の点から0.1〜100g/10min、好ましくは1〜50g/10min、更に好ましくは2〜30g/10minである。
【0026】
本発明において、成分(1)のブロック共重合体として重合体の少なくとも1つの重合体鎖末端に極性基含有原子団が結合した末端変性ブロック共重合体を使用することができる。極性基含有原子団としては、例えば水酸基、カルボキシル基、カルボニル基、チオカルボニル基、酸ハロゲン化物基、酸無水物基、カルボン酸基、チオカルボン酸基、アルデヒド基、チオアルデヒド基、カルボン酸エステル基、アミド基、スルホン酸基、スルホン酸エステル基、リン酸基、リン酸エステル基、アミノ基、イミノ基、ニトリル基、ピリジル基、キノリン基、エポキシ基、チオエポキシ基、スルフィド基、イソシアネート基、イソチオシアネート基、ハロゲン化ケイ素基、アルコキシケイ素基、ハロゲン化スズ基、アルコキシスズ基、フェニルスズ基等から選ばれる極性基を少なくとも1種含有する原子団が挙げられる。末端変性ブロック共重合体は、ブロック共重合体の重合終了時にこれらの極性基含有原子団を有する化合物を反応させることにより得られる。極性基含有原子団を有する化合物としては、具体的には、特公平4-39495号公報に記載された末端変性処理剤を使用できる。
【0027】
本発明のブロック共重合体には安定剤として、2−〔1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ペンチルフェニル)エチル〕−4,6−ジ−t−ペンチルフェニルアクリレート、2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、2,4−ビス〔(オクチルチオ)メチル〕−o−クレゾールから選ばれる少なくとも1種の安定剤をブロック共重合体100重量部に対して0.05〜3重量部、好ましくは0.1〜2重量部添加することによって、より一層の高温時の成形加工において熱安定性効果を得ることができる。安定剤が0.05重量部未満では高温成形加工時におけるポリマー鎖の架橋及び切断による分子量分布の変化に対する抑止効果が小さく、3重量部を超えて添加しても本発明以上の抑止効果に寄与しない。本発明のブロック共重合体には、n−オクタデシル3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、テトラキス〔メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン等のフェノール系安定剤の少なくとも1種をブロック共重合体100重量部に対して0.05〜3重量部、トリス−(ノニルフェニル)フォスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、2−〔〔2,4,8,10−テトラキス(1,1−ジメチルエチル)ジベンゾ[d、f][1,3,2]ジオキサフォスフェフィン−6−イル〕オキシ〕−N,N−ビス〔2−〔〔2,4,8,10−テトラキス(1,1−ジメチルエチル)ジベンゾ[d、f][1,3,2]ジオキサフォスフェフィン−6−イル〕オキシ〕−エチル〕−エタンアミン、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト等の有機ホスフェート系、有機ホスファイト系安定剤の少なくとも1種をブロック共重合体100重量部に対して0.05〜3重量部添加することができる。
【0028】
本発明において成分(2)として用いるスチレン系樹脂はビニル芳香族化合物の含有量が60重量%以上の共役ジエン化合物とビニル芳香族化合物とのブロック共重合樹脂、非ゴム変性スチレン系重合体、ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、エチレン−プロピレンゴム等のゴムを混合またはグラフト重合した耐衝撃性ポリスチレン系樹脂(HIPS)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂(ABS)、メタクリル酸エステル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂(MBS)等のゴム変性スチレン系樹脂である。非ゴム変性スチレン系重合体は、スチレン、α−メチルスチレン、メチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ジメチルスチレン、パラメチルスチレン、クロロスチレン、ブロモスチレン、ビニルキシレン等のアルキル置換スチレン、核アルキル置換スチレン、核ハロゲン置換スチレン等より選ばれる少なくとも1種のスチレン系単量体よりなる重合体、該スチレン系単量体より選ばれる少なくとも1種を50以上、好ましくは70重量%以上含むこれらの単量体と共重合可能な後述する少なくとも1種の他の単量体との共重合体である。該スチレン系単量体と共重合可能な単量体としては、アクリロニトリル、アクリル酸及びそのエステル類(例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル等のアルコール成分のアルキル炭素数が1〜12のエステル)、メタアクリル酸及びそのエステル類(例えばメタアクリル酸メチル、メタアクリル酸エチル、メタアクリル酸ブチル等のアルコール成分が上記と同様のエステル)、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸等のα、β−不飽和ジカルボン酸及びこれらのモノエステル、ジエステル類、無水物及びイミド化物(例えば無水マレイン酸、マレイミド等)等が挙げられる。好適なスチレン系樹脂は、ポリスチレン、ゴム変性した耐衝撃性ポリスチレン、スチレン−アクリル酸n−ブチル共重合体及びスチレン−メチルメタアクリレート共重合体等である。これらのスチレン系樹脂は単独で、又は2種以上の混合物として使用できる。また、本発明で使用するスチレン系樹脂のメルトフロ−レ−ト(MFR:200℃、5Kg荷重)は、0.5〜30g/10分が好ましく、1〜20g/10分がより好ましい。
【0029】
また、本発明において成分(2)として用いるポリオレフィン系樹脂としては、α−オレフィン、例えばエチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブチレン、4−メチル−1−ペンテン等を重合して得られる樹脂であれば特に限定されるものではない。共重合体は、ランダム共重合体、ブロック共重合体のいずれでもよく、α−オレフィンの2種又は3種以上の共重合体ゴム、又はα−オレフィンと他のモノマ−との共重合体等のオレフィン系熱可塑性エラストマ−を含有していてもよい。これら共重合体ゴムとしては、エチレン−プロピレン共重合体ゴム(EPR)、エチレン−ブテン共重合体ゴム(EBR)、エチレン−ヘキセン共重合ゴム、エチレン−オクテン共重合ゴム、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体ゴム(EPDM)等が挙げられる。このなかでも、ホモ又はブロックのポリプロピレン、ポリエチレンが好ましい。また、本発明のポリオレフィン系樹脂のメルトフロ−レ−ト(MFR:230℃、2.16Kg荷重)は、0.5〜60g/10分が好ましく、1〜20g/10分がより好ましい。
【0030】
更に、本発明において成分(2)として用いるポリフェニレンエーテル系樹脂は、2,6−ジメチルフェノール或いはその誘導体(フェニル基にハロゲン、炭素数1〜7までのアルキル基、フェニル基、ハロアルキル基、アミノアルキル基、炭化水素オキシ基、ハロ炭化水素オキシ基からなる基が結合しているものなど)の重合体或いは共重合体であり、例えば、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテル、ポリ(2−メチル−6−エチル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2−メチル−6−フェニル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2,6−ジクロロ−1,4−フェニレンエーテル)、2,6−ジメチルフェノールと他のフェノール類(例えば2,3,6−トリメチルフェノールや2−メチル−6−ブチルフェノール)との共重合体、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテルにスチレン、α−メチルスチレン、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどをグラフト重合したグラフト変性ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレン)エーテルなどである。これらのポリフェニレンエーテル系樹脂の還元粘度(0.5g/dl、クロロホルム溶液、30℃測定)は、一般に0.15〜0.7の範囲、好ましくは0.2〜0.6である。
【0031】
本発明において成分(3)の水添ブロック共重合体は、上述したビニル芳香族炭化水素と共役ジエンとのブロック共重合体の水添物であり、水添率は20%以上、好ましくは30%以上、更に好ましくは40%以上である。水添率が20%未満の場合、スチレン系樹脂及びポリフェニレンエーテル系樹脂との相溶性に劣り、耐衝撃性の改善効果が十分で無い。低温特性の良好な樹脂組成物を得る場合は、水添率は20%以上、70%未満、好ましくは35%以上、65%未満、更に好ましくは37〜60%であることが推奨される。また、成分(3)の水添ブロック共重合体中のビニル芳香族炭化水素含有量は10〜90重量%、好ましくは20〜80重量%、更に好ましくは30〜75重量%である。ビニル芳香族炭化水素含有量が10重量%未満、或いは90重量%を超える場合は、スチレン系樹脂及び/又はポリフェニレンエーテル系樹脂とポリオレフィン系樹脂との相溶化剤としての機能が劣り、耐衝撃性の改善効果が十分で無い。
【0032】
成分(3)の水添前のブロック共重合体は、成分(1)と同じ構造、分子量の水添物を使用出来る。但し、共役ジエンはイソプレン及びブタジエンに限定されず、ブタジエン単独或いはイソプレン単独、更には他の1対の共役二重結合を有するジオレフィン、例えば2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエンなどが使用できる。また、水添前のブロック共重合体中の共役ジエン化合物に基づくビニル結合量は、20%以上、75%未満、好ましくは25〜65%未満、更に好ましくは30〜60%であることが推奨される。ここに、ビニル結合量とは、ブロック共重合体中に1,2−結合,3,4−結合及び1,4−結合の結合様式で組み込まれている共役ジエン化合物のうち、1,2−結合及び3,4−結合で組み込まれているものの割合である。
【0033】
本発明の樹脂組成物の各構成成分は割合は下記の通りである。
▲1▼成分(1)のブロック共重合体2〜40重量部、好ましくは4〜35重量部、更に好ましくは6〜30重量部と成分(2)のスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂から選ばれる少なくとも1種の熱可塑性樹脂98〜60重量%、好ましくは95〜65重量%、更に好ましくは93〜70重量%である。成分(1)のブロック共重合体が2重量%未満の場合は耐衝撃性が低下し、ブロック共重合体が60重量%を超える場合は、樹脂組成物の剛性が低下するため好ましくない。
【0034】
▲2▼成分(1)のブロック共重合体2〜40重量%、好ましくは4〜35重量%、更に好ましくは6〜30重量%と成分(2)のスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂から選ばれる少なくとも1種の熱可塑性樹脂98〜60重量%、好ましくは95〜65重量%、更に好ましくは93〜70重量%の合計量100重量部に対して、成分(3)の水添ブロック共重合体2〜30重量部、好ましくは3〜20重量部、更に好ましくは5〜15重量部である。2重量部未満では相容化効果が不十分となる。また、30重量部を超えると、剛性が低下するので好ましくない。なお、▲2▼の樹脂組成物において、スチレン系樹脂及び/又はポリフェニレンエーテル系樹脂(成分2'と呼ぶ)とポリオレフィン系樹脂(成分2''と呼ぶ)を併用する場合、成分2'と成分2''との割合は、剛性と耐熱性、耐油性とのバランスから95〜5/5〜95、好ましくは90〜10/10〜90、更に好ましくは80〜20/20〜80である。
【0035】
本発明の組成物は、従来公知のあらゆる配合方法によって製造することができる。例えば、オープンロール、インテンシブミキサー、インターナルミキサー、コニーダー、二軸ローター付の連続混練機、押出機等の一般的な混和機を用いた溶融混練方法、各成分を溶剤に溶解又は分散混合後溶剤を加熱除去する方法等が用いられる。
【0036】
本発明の組成物には必要に応じて種々の添加剤を配合することができる。これらの添加剤には、プラスチックの配合に一般的に用いられる添加剤、例えば、ガラス繊維、ガラスビーズ、シリカ、炭カル、タルク等の無機補強剤、有機繊維、クマロンインデン樹脂等の有機補強剤、有機パーオキサイド、無機パーオキサイド等の架橋剤、チタン白、カーボンブラック、酸化鉄等の顔料、染料、難燃剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、滑剤、可塑剤、その他の増量剤あるいはこれらの混合物があげられる。
【0037】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施例を説明するが、これらは本発明の範囲を制限するものではない。
【0038】
尚、表−1に実施例、比較例に使用したブロック共重合体を示した。ブロック共重合体はシクロヘキサン溶媒中でn−ブチルリチウムを開始剤に用い、表−1のポリマー構造欄に記載されている順序、量のモノマーを添加して重合した。重合終了後、メタノールを添加して重合反応を停止した後、表−1の注釈欄に示した安定剤量を添加し、溶剤を留去してブロック共重合体を回収した。表−1に示したブロック共重合体のビニル結合量は、テトラメチルエチレンジアミンの使用量を変量することで調整した。
【0039】
また、ブロック共重合体の特性、樹脂組成物の物性の測定は、次のようにして行った。
【0040】
▲1▼ブロック共重合体の特性
(1)スチレン含有量
紫外線分光光度計(日立UV200)を用いて、262nmの吸収強度より算出した。
【0041】
(2)ビニル結合量
赤外線分光光度計(パ−キンエルマー製モデル1710)を用いて測定した。
【0042】
(3)MFR
JISK−6870に基づき、G条件で温度200℃、荷重5Kgで測定した。
【0043】
▲2▼樹脂組成物の物性測定
(1)ダート衝撃強度:重錘形状を半径1/2インチとした以外はASTMD−1709に準拠して23℃で測定し、50%破壊値を求めた。
【0044】
(2)シートの引張弾性率、引張強度り及び破断伸び:引張速度5mm/minでシートの押出方向およびその直角方向について測定した。試験片は幅を12.7mm、標線間を50mmとした。
【0045】
(3)Haze:シート或いはフィルム表面に流動パラフィンを塗布し、ASTM D1003に準拠して測定した。
【0046】
(4)押出適性A:40mmシート押出機を用いて押出温度235℃の条件で厚さ0.3mmのシートを6時間連続成形し、運転開始5分後と6時間後のシート面積300cm2あたりの0.5mm以上のゲル(ポリマー架橋物)の個数を数え、個数の差をカウントして評価した(○:差が20個未満、△:差が20〜40個、×:差が40個を超える)。
【0047】
(5)押出適性B:30mm2軸押出機で樹脂組成物を220℃で押出し、得られたペレットを更に同一条件で押し出す操作を5回繰り返す。1回目で得られたペレットと5回目に得られたペレットをそれぞれ220〜180℃に設定されたスクリューインライン型射出成型機に供給し、金型温度40℃の条件で試験用テストピースを射出成形した。得られたテストピースを用いて下記物性を測定し、それぞれの物性の保持率で評価した。
アイゾット衝撃強さ:ASTMD−256に準拠して23℃で測定。
引張強度、引張伸び:ASTMD−638に準拠して23℃で測定。
【0048】
【実施例1〜3及び比較例1〜6】
表−2の配合組成に従って、成分(1)のブロック共重合体と成分(2)のスチレン系樹脂からなる樹脂組成物を40mmシート押出機を用いて押出温度200℃で厚さ0.35mmのシートを成形し、ダート衝撃強度、引張弾性率、破断伸び、Hazeを上記の方法で測定した。
【0049】
また、押出し時における樹脂組成物の変質の尺度として上述した方法で押出適性Aを調べた。その結果、本発明の樹脂組成物は機械的物性と押出適性に優れた樹脂組成物であった。
【0050】
【実施例4及び比較例7】
実施例2で得た樹脂組成物のシートのダート衝撃強度を−20℃で測定した結果、65Kgf−cmであり、23℃で測定したダート衝撃強度に対する保持率は76%であった。(実施例4)
【0051】
一方、実施例2においてブロック共重合体をポリマー2の代わりにポリマー8を使用する以外は実施例2と同様の方法で得た樹脂組成物のシートを成形し、そのダート衝撃強度を23℃及び−20℃で測定した。その結果23℃で測定したダート衝撃強度に対する−20℃ダート衝撃強度の保持率は10%であり、本発明の樹脂組成物と比較して極めて劣るものであった(比較例7)。
【0052】
参考例5及び比較例8】
表−3の配合組成に従って、成分(1)のブロック共重合体と成分(2)のスチレン系樹脂及びポリオレフィン系樹脂からなる樹脂組成物を30mm2軸押出機を用いて押出特性Bを評価した。その結果、参考例5の樹脂組成物は繰り返し押出し(リワーク)に優れた樹脂組成物であった。
【0053】
【実施例6及び比較例9】
成分(1)としてポリマー11を10重量部、成分(2)としてスチレン含有量が75重量%、MFRが7g/10分であるスチレンとブタジエンのブロック共重合樹脂60重量部及びアクリル酸n−ブチル含有量が16重量%、MFRが3g/10分であるスチレン−アクリル酸n−ブチル共重合体30重量部から成る樹脂組成物を得た(実施例6)。
【0054】
一方、比較例として成分(1)のポリマー10の代わりにポリマー12を使用する以外は実施例6と同じ組成の樹脂組成物をシート押出して、シートを得た(比較例9)。
【0055】
得られたシートについて、押出適性Aを評価した結果、実施例6は〔○〕であったのに対して、比較例9は〔×〕であった。
【0056】
【実施例7及び比較例10】
成分(1)としてポリマー13を10重量部、成分(2)として還元粘度が0.5のポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエーテル)(以後ポリフェニレンエーテルと呼ぶ)を50重量部、実施例1で用いたポリスチレン20重量部、実施例2で用いたポリプロピレン20重量部を260〜280℃に設定した30mm2軸押出機を用いて溶融混練してペレット状の樹脂組成物を得た(実施例7)。
【0057】
また、比較例として成分(1)のポリマー13の代わりにポリマー14を使用する以外は実施例7と同じ組成の樹脂組成物を得た(比較例10)。
【0058】
これらのペレットを用いて、240〜280℃に設定されたスクリューインライン型射出成型機に供給し、金型温度60℃の条件で試験用平板を射出成形した。
【0059】
得られた平板は、実施例7の場合は光沢があり良好な外観であったが、比較例10では成形時のフラッシュー等により光沢も無く外観の良くない成形板であった。
【0060】
【実施例8及び実施例9】
成分(1)としてポリマー2を4重量部、成分(2)として実施例4で用いたのと同じ耐衝撃性ポリスチレン67重量部、及びホモ−ポリプロピレン29重量部、成分(3)としてスチレン含有量が67重量%、分子量が6万、ビニル結合量が35%のABA構造のブロック共重合体を水添した水添ブロック共重合体(水添率95%)4重量部を200〜220℃に設定した30mm2軸押出機を用いて溶融混練してペレット状の樹脂組成物を得た(実施例8)。
【0061】
得られた樹脂組成物の特性は、引張強度280kg/cm2、引張伸び90%、アイゾット衝撃強さ7kg・cm/cmであった。
【0062】
また、成分(3)として水添率が55%の水添ブロック共重合体を用いる以外は実施例8と同じ方法で樹脂組成物を得た(実施例9)。得られた樹脂組成物は、実施例8と同様に特性の優れた樹脂組成物であった。
【0063】
更に、実施例8と9の樹脂組成物を40mmシート押出機を用いて押出温度220℃で厚さ0.3mmのシートをそれぞれ成形した。得られたシートは表面外観の良好なシートであった。
【0064】
【表1】
Figure 0004841074
【0065】
【表2】
Figure 0004841074
【0066】
【表3】
Figure 0004841074
【0067】
【発明の効果】
スチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂から選ばれる熱可塑性樹脂に特定のポリマー構造を有するビニル芳香族炭化水素とイソプレン及び1,3−ブタジエンからなるブロック共重合体を組み合わせた本発明の樹脂組成物は、成形加工時におけるブロック共重合体の架橋反応に起因するゲルの生成が少なく、ゲルレベル(フィシュアイ)を大幅に低減できると同時にブロック共重合体鎖の架橋及び切断による溶融粘度の変化を小さくでき、低温時の耐衝撃性等に優れる。
【0068】
更に、スチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂から選ばれる熱可塑性樹脂に特定の水添ブロック共重合体と特定のポリマー構造を有するビニル芳香族炭化水素とイソプレン及び1,3−ブタジエンからなるブロック共重合体を組み合わせた本発明の樹脂組成物は、特定の水添ブロック共重合体がスチレン系樹脂及び/又はポリフェニレンエーテル系樹脂とポリオレフィン系樹脂との相溶性を改善し、特定のポリマー構造を有するビニル芳香族炭化水素とイソプレン及び1,3−ブタジエンからなるブロック共重合体がスチレン系樹脂及び/又はポリフェニレンエーテル系樹脂に優先的に相溶して耐衝撃性を向上させる。
【0069】
以上の効果を生かして、本発明の樹脂組成物はそのままであるいは着色して通常の熱可塑性樹脂と同様の加工手段によって成形し、各種の用途に使用できる。例えば、射出成形、吹込成形方法等によるOA機器部品、日用品、食品、雑貨、弱電部品等の容器に使用することができる。特にゲルが少なくて外観特性が良好で、かつ物性バランスに優れる特徴を生かし、食品包装用フィルム、ラミネート用フィルム及び熱収縮性フィルム等の薄いフィルム、或いは食品、弱電部品等のトレー、ブリスターケース等の透明シート成形品に好適である。

Claims (6)

  1. (1)少なくとも2つのビニル芳香族炭化水素を主体とする重合体ブロックと、少なくとも1つのイソプレンと1,3−ブタジエンからなる共重合体ブロック及び/又は少なくとも1つのイソプレンと1,3−ブタジエンとビニル芳香族炭化水素からなる共重合体ブロックを有するブロック共重合体で、該ブロック共重合体のビニル芳香族炭化水素含有量が5重量%以上、60重量%未満、イソプレンと1,3−ブタジエンを合わせた含有量が40重量%を超え、95重量%以下で、該ブロック共重合体のイソプレンと1,3−ブタジエンの重量比が95/5〜5/95の範囲であり、かつビニル結合量が40重量%未満であるブロック共重合体2〜40重量部
    (2)スチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂から選ばれる少なくとも1種の熱可塑性樹脂98〜60重量部
    からなる樹脂組成物。
  2. (1)少なくとも2つのビニル芳香族炭化水素を主体とする重合体ブロックと、少なくとも1つのイソプレンと1,3−ブタジエンからなる共重合体ブロック及び/又は少なくとも1つのイソプレンと1,3−ブタジエンとビニル芳香族炭化水素からなる共重合体ブロックを有するブロック共重合体で、該ブロック共重合体のビニル芳香族炭化水素含有量が5重量%以上、60重量%未満、イソプレンと1,3−ブタジエンを合わせた含有量が40重量%を超え、95重量%以下で、該ブロック共重合体のイソプレンと1,3−ブタジエンの重量比が95/5〜5/95の範囲であり、かつビニル結合量が40重量%未満であるブロック共重合体 2〜40重量%
    (2)スチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂から選ばれる少なくとも1種の熱可塑性樹脂 98〜60重量%
    の合計量100重量部に対して
    (3)ビニル芳香族炭化水素と共役ジエンからなり、ビニル芳香族炭化水素含有量が5〜90重量%、水添率が20%以上の水添ブロック共重合体 2〜30重量部
    からなる樹脂組成物。
  3. 安定剤として2−〔1−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ペンチルフェニル)エチル〕−4,6−ジ−t−ペンチルフェニルアクリレート、2−t−ブチル−6−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート、2,4−ビス〔(オクチルチオ)メチル〕−o−クレゾールから選ばれる少なくとも1種の安定剤をブロック共重合体100重量部に対して0.05〜3重量部添加してなる請求項1または2のいずれかに記載の樹脂組成物。
  4. (1)少なくとも2つのビニル芳香族炭化水素を主体とする重合体ブロックと、少なくとも1つのイソプレンと1,3−ブタジエンからなる共重合体ブロック及び/又は少なくとも1つのイソプレンと1,3−ブタジエンとビニル芳香族炭化水素からなる共重合体ブロックを有するブロック共重合体で、該ブロック共重合体のビニル芳香族炭化水素含有量が5重量%以上、60重量%未満、イソプレンと1,3−ブタジエンを合わせた含有量が40重量%を超え、95重量%以下で、該ブロック共重合体のイソプレンと1,3−ブタジエンの重量比が95/5〜5/95の範囲であり、かつビニル結合量が40重量%未満であるブロック共重合体2〜40重量部
    (2)スチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂から選ばれる少なくとも1種の熱可塑性樹脂98〜60重量部
    からなる樹脂組成物より成形されてなるフィルム、シート。
  5. (1)少なくとも2つのビニル芳香族炭化水素を主体とする重合体ブロックと、少なくとも1つのイソプレンと1,3−ブタジエンからなる共重合体ブロック及び/又は少なくとも1つのイソプレンと1,3−ブタジエンとビニル芳香族炭化水素からなる共重合体ブロックを有するブロック共重合体で、該ブロック共重合体のビニル芳香族炭化水素含有量が5重量%以上、60重量%未満、イソプレンと1,3−ブタジエンを合わせた含有量が40重量%を超え、95重量%以下で、該ブロック共重合体のイソプレンと1,3−ブタジエンの重量比が95/5〜5/95の範囲であり、かつビニル結合量が40重量%未満であるブロック共重合体 2〜40重量%
    (2)スチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂から選ばれる少なくとも1種の熱可塑性樹脂 98〜60重量%
    の合計量100重量部に対して
    (3)ビニル芳香族炭化水素と共役ジエンからなり、ビニル芳香族炭化水素含有量が5〜90重量%、水添率が20%以上の水添ブロック共重合体 2〜30重量部
    からなる樹脂組成物より成形されてなるフィルム、シート。
  6. (1)少なくとも2つのビニル芳香族炭化水素を主体とする重合体ブロックと、少なくとも1つのイソプレンと1,3−ブタジエンからなる共重合体ブロック及び/又は少なくとも1つのイソプレンと1,3−ブタジエンとビニル芳香族炭化水素からなる共重合体ブロックを有するブロック共重合体で、該ブロック共重合体のビニル芳香族炭化水素含有量が5重量%以上、60重量%未満、イソプレンと1,3−ブタジエンを合わせた含有量が40重量%を超え、95重量%以下で、該ブロック共重合体のイソプレンと1,3−ブタジエンの重量比が95/5〜5/95の範囲であり、かつビニル結合量が40重量%未満であることを特徴とする、スチレン系樹脂、オレフィン系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂から選ばれる少なくとも1種の熱可塑性樹脂改質用ブロック共重合体。
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