JPH10139945A - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物

Info

Publication number
JPH10139945A
JPH10139945A JP31142596A JP31142596A JPH10139945A JP H10139945 A JPH10139945 A JP H10139945A JP 31142596 A JP31142596 A JP 31142596A JP 31142596 A JP31142596 A JP 31142596A JP H10139945 A JPH10139945 A JP H10139945A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
block
polymer
weight
component
vinyl bond
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP31142596A
Other languages
English (en)
Inventor
Junya Ito
純也 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JSR Corp
Original Assignee
JSR Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JSR Corp filed Critical JSR Corp
Priority to JP31142596A priority Critical patent/JPH10139945A/ja
Publication of JPH10139945A publication Critical patent/JPH10139945A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 オレフィン系重合体と架橋スチレン系重合体
を主たる成分とし、軽量かつ機械的強度に優れた熱可塑
性樹脂組成物に関する。 【構成】 (イ)オレフィン系重合体、(ロ)比重が
0.5〜1.1である架橋スチレン系重合体および
(ハ)(A)(A−1)スチレン系重合体ブロックセグ
メントおよび(A−2)1,2−ビニル結合含量が20
%未満であるポリブタジエンブロックセグメントから選
ばれる少なくとも1種のブロックセグメントならびに、
(B)1,2−ビニル結合含量が20%以上であるブタ
ジエン系(共)重合体ブロックセグメントおよび/また
はイソプレン系(共)重合体ブロックセグメントからな
り、かつブロック構造が直鎖状あるいは分岐状であるブ
ロック共重合体の不飽和二重結合を90%以上水素添加
してなる水添ブロック共重合体を含有してなる熱可塑性
樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オレフィン系重合
体と架橋スチレン系重合体を主たる成分とし、軽量かつ
機械的強度に優れた熱可塑性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】オレフィン系重合体は安価であり、最も
大量に生産され、消費されている樹脂である。また、成
形加工性に優れることから各種の成形材料として広く利
用されている。一方、樹脂の軽量化が自動車等の分野で
注目されており、これらの成形品を利用する自動車にお
いて、自動車の燃費、性能の向上を図るうえで自動車の
軽量化が大きな技術課題となっている。また、その他の
分野、家電分野等でも樹脂の軽量化による運搬のしやす
さ、省資源、廃プラスチック減少等が技術課題となって
いる。従来、樹脂の軽量化の方法として種々の方法がな
されており、例えば、熱可塑性樹脂に架橋ポリマー粒子
を入れることにより軽量化を図る方法(特開平4−12
677121)が挙げられる。しかしながら、この方法
では、樹脂の軽量化はできるが、樹脂と架橋スチレン系
重合体は、お互いに非相溶性であるため、単純な混合物
は相剥離を起こす脆いものであり、樹脂の機械的強度と
して実用に耐えるものではなかった。一般的に、2種の
混合物の相溶性を改善するために、相溶化剤を使用する
ことは知られているが、オレフィン系重合体と架橋スチ
レン系重合体を相溶させるのに適した相溶化剤は知られ
ていなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来技
術の課題を背景になされたもので、オレフィン系重合体
と架橋スチレン系重合体からなる重合体混合物に、相溶
化改良剤として特別に分子設計された水添ブロック共重
合体を添加し、軽量化かつ機械的強度に優れた熱可塑性
樹脂組成物を得ることを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、(イ)オレフ
ィン系重合体、(ロ)架橋スチレン系重合体および
(ハ)(A)(A−1)スチレン系重合体ブロックセグ
メントおよび(A−2)1,2−ビニル結合含量が20
%未満であるポリブタジエンブロックセグメントから選
ばれる少なくとも1種のブロックセグメントならびに、
(B)1,2−ビニル結合含量が20%以上であるブタ
ジエン系(共)重合体ブロックセグメントおよび/また
はイソプレン系(共)重合体ブロックセグメントからな
り、かつブロック構造が直鎖状あるいは分岐状であるブ
ロック共重合体の不飽和二重結合を90%以上水素添加
してなる水添ブロック共重合体を含有してなる熱可塑性
樹脂組成物を提供するものである。
【0005】本発明において、(イ)成分を構成するオ
レフィン系重合体としては、炭素数2〜8のα−モノオ
レフィンを主たる単量体成分とする重合体である。この
オレフィン系重合体の具体例としては、低密度ポリエチ
レン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、
ポリプロピレン、エチレン−プロピレンランダム共重合
体、エチレン−プロピレンブロック重合体、ポリメチル
ペンテン、ポリブテン−1などが挙げられ、これらは1
種単独であるいは2種以上混合して使用される。特に好
ましいオレフィン系重合体は、エチレンあるいはプロピ
レンを主たる単量体成分とする重合体であり、具体的に
は各種ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸
ビニルランダム共重合体、エチレン−(メタ)アクリル
酸ランダム共重合体、エチレン−グリシジルメタクリレ
ートランダム共重合体などのエチレン系ランダム共重合
体、プロピレン系ランダムもしくはプロピレン系ブロッ
ク共重合体、さらにはこれらの混合物である。
【0006】本発明において、(ロ)成分を構成する架
橋スチレン系重合体は、スチレン、p−メチルスチレ
ン、α−メチルスチレンなどのスチレン系モノマーとジ
ビニルベンゼン、多価アルコールのジまたはトリ(メ
タ)アクリル酸エステル(エチレングリコールジアクリ
レート、エチレングリコールジメタクリレート)などの
多官能モノマーを主成分とする(共)重合体である。こ
の架橋スチレン系重合体には、スチレン系モノマーおよ
び多官能モノマー以外に、さらにアクリロニトリル、メ
チルメタクリレート、無水マレイン酸などを共重合して
いてもよい。本発明において、架橋スチレン系重合体は
水分散体でも乾燥後粉体としても使用できる。好ましく
は乾燥粉体が操作上良い。乾燥は、熱風乾燥、スプレー
ドライ乾燥等種々の方法を用いることができるが、好ま
しくはスプレードライによる方法が好ましい。本発明に
おいて、架橋スチレン系重合体の比重は0.5〜1.
1、好ましくは0.6〜0.9であるが、架橋スチレン
系重合体の比重を軽減させるには、架橋スチレン系重合
体が、中空または多孔の粒子状であることが好ましい。
架橋中空粒子の製法については特に制限はないが、好適
には特開昭62−127336、特開昭61−1855
05の方法で作ることができる。
【0007】ここで、架橋スチレン系重合体のが粒子の
場合の粒子径は、通常0.1〜10μmである。本発明
において、中空または多孔の架橋スチレン粒子の好まし
いポリマー組成としては、メチルメタクリレート/ジビ
ニルベンゼン/メタクリル酸、メチルメタクリレート/
ジビニルベンゼン/スチレンおよびまたはα−メチルス
チレン/メタクリル酸、スチレンおよびまたはα−メチ
ルスチレン/ジビニルベンゼン/メタクリル酸などであ
る。
【0008】本発明の(ハ)成分は、(A)(A−1)
スチレン系重合体ブロックセグメント(以下「ブロック
A1」ということがある)および(A−2)1,2−ビ
ニル結合含量が20%未満であるポリブタジエンブロッ
クセグメント(以下「ブロックA2」ということがあ
る)から選ばれる少なくとも1種のブロックセグメント
2〜98重量%ならびに(B)ブタジエンおよび/また
はイソプレン50〜100重量%と他の単量体50〜0
重量%からなり、ブタジエン部の1,2−ビニル結合含
量が20〜95%であるブタジエン(共)重合体ブロッ
クセグメントおよび/またはイソプレン部のビニル結合
含量が20〜95%のイソプレン(共)重合体ブロック
セグメント2〜98重量%(以下「ブロックB」という
ことがある)、ならびに〔ただし、(A)+(B)=1
00重量%〕からなり、かつブロック構造が直鎖状ある
いは分岐状であるブロック共重合体の不飽和二重結合を
90%以上水素添加してなる水添ブロック共重合体であ
る。
【0009】ブロックA2およびブロックBの好ましい
具体的設計方針は、以下のようにまとめられる。 ケース1(オレフィン系重合体が、エチレンを主たる単
量体成分とするものの場合);(ハ)成分中のブロック
A2は、水素添加により結晶性のポリエチレン類似の構
造となり、エチレンを主たる成分とするオレフィン系重
合体(例;ポリエチレン)との相溶性に優れる。従っ
て、エチレンを主たる単量体成分とするオレフィン系重
合体を成分とする(イ)成分の相溶化剤としては、ブロ
ックA2を有するものが特に好ましい。この場合、ブロ
ックBとしては、ゴム的性質に優れたセグメントとして
設計することにより、耐衝撃性を飛躍的に向上させるこ
とができ好ましい。ブロックBをゴム的性質に優れたセ
グメントとして設計する場合には、ブロックB中のジエ
ン部分のビニル結合含量を特許請求の範囲に記載された
範囲で適当な値とすることが好ましい。例えば、ブロッ
ク成分B中のジエン部分のビニル結合含量は、ブタジエ
ンの場合30〜55重量%、好ましくは35〜50重量
%、イソプレンの場合40重量%以下、好ましくは30
重量%以下である。このようなビニル結合含量の範囲内
では、ブロックBは、優れたゴム的性能を示す。
【0010】ケース2(オレフィン系重合体がエチレン
以外の単量体を主たる単量体成分とする場合);(イ)
成分を構成するオレフィン系重合体がエチレン以外の単
量体を主たる単量体成分とする場合には、(ハ)成分を
構成するブロックBがオレフィン系重合体と優れた相溶
性を有するように分子設計することが好ましい。この場
合、ブロックB中のジエン部分(ブタジエン部および/
またはイソプレン部)のビニル結合含量を特許請求の範
囲に記載された範囲内で適当な値とすることが好まし
い。ブロックBがオレフィン系重合体と特に優れた相溶
性を有するためには、該ブロックB中のビニル結合含量
をできるだけ高含率にすることが特に好ましい。すなわ
ち、ブロックB中のジエン部分のビニル結合含量は、ブ
タジエンの場合、好ましくは65〜95重量%、特に好
ましくは70〜90重量%、イソプレンの場合、好まし
くは50〜95重量%、特に好ましくは55〜90重量
%の範囲内である。このケース2の場合には、(ハ)成
分のブロックA2は、存在してもよいし、存在しなくて
もよいが、高ビニル結合含量で設計したブロックBはベ
タツキやすく、取り扱い性が不便となる傾向がある。少
量のブロックA2をつけることによりベタツキが改良さ
れ、取り扱い性が良好となり好ましい。
【0011】次に、(ハ)成分を構成する各ブロックA
1、ブロックA2およびブロックBの各構造を説明す
る。ブロックA1に用いられるスチレン系単量体は、ス
チレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレンなど
の芳香族ビニル化合物であり、これらは単独であるいは
混合して使用される。ブロックA1の重量平均分子量
は、通常、0.5〜20万、好ましくは1〜15万、さ
らに好ましくは1.5〜10万であり、0.5万未満で
は(ロ)成分を構成する架橋スチレン系重合体との相溶
性が劣るために好ましくなく、一方20万を超える場合
には流動性が劣り、加工性が悪化するために好ましくな
い。(ハ)成分中のブロックA1の割合は、2〜98重
量%、好ましくは10〜80重量%、さらに好ましくは
15〜70重量%であり、2重量%未満の場合、あるい
は98重量%を超えると、相溶化剤としての能力が劣
る。
【0012】ブロックBは、ブタジエンおよび/または
イソプレン50〜100重量%と他の単量体50〜0重
量%からなり、ブタジエン部の1,2−ビニル結合含量
が20〜95%であるブタジエン(共)重合体ブロック
セグメントおよび/またはイソプレン部のビニル結合含
量が10〜95%のイソプレン(共)重合体ブロックセ
グメントである。ブロックBは、(ロ)成分全体の構造
と使用目的によって果たすべき役割が大きく変化するブ
ロックセグメントであることは、前述したとおりであ
る。なお、本発明において、ブタジエン部の1,2−ビ
ニル結合含量とは、ブタジエンブロックにおける1,2
−結合を有するブタジエンの量を表し、イソプレン部の
ビニル結合含量とは、イソプレンブロックにおける1,
2−結合を有するイソプレンと3,4−結合を有するイ
ソプレンとの合計量を表すものである。
【0013】ここで、ブロックBに使用される他の単量
体としては、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチ
ルスチレンなどの芳香族ビニル化合物、メタクリル酸メ
チル、アクリル酸メチルなどの(メタ)アクリル酸アル
キルエステル、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエ
ン、1,3−ペンタジエン、2−メチル−1,3−ペン
タジエン、1,3−ヘキサジエン、4,5−ジエチル−
1,3−オクタジエン、3−ブチル−1,3−オクタジ
エン、クロロプレンなどの共役ジエンが挙げられるが、
特にスチレンが好ましい。これらの他の単量体の使用量
は、ブロックBを構成する全単量体の0〜50重量%、
好ましくは0〜40重量%、さらに好ましくは0〜30
重量%である。他の単量体としてスチレンなどの剛直な
単独重合体を与える単量体を使用する場合、50重量%
を超えて使用すると、水添後のブロックBのガラス転移
温度が上昇し、エラストマーとしての性能が低下したり
(中〜低ビニル含量の場合)、あるいはブロックB中の
共役ジエン成分量の低下により(イ)成分を構成するオ
レフィン系重合体との相溶性が低下するので(高ビニル
含量の場合)、いずれも好ましくない。
【0014】ブロックBのビニル結合含量は、該ブロッ
クBが、ブタジエン(共)重合体である場合には20〜
95重量%、好ましくは20〜90重量%、イソプレン
(共)重合体である場合には10〜95重量%、好まし
くは15〜90重量%である。ブロックBのビニル結合
含量が下限を下回るか、あるいは上限を超える場合に
は、水素添加後、それぞれポリエチレン連鎖、ポリブテ
ン−1連鎖に由来する結晶構造を示し、(ハ)成分のエ
ラストマーとしての性能が劣るために好ましくない。な
お、ブロックBの重量平均分子量は、通常、0.5〜2
5万、好ましくは1〜20万、さらに好ましくは1.5
〜15万である。0.5万未満では耐衝撃性改良効果が
劣り、また(イ)成分を構成するオレフィン系重合体と
の相溶性がともに劣るため好ましくなく、一方25万を
超える場合には、流動性が劣り、加工性、成形性が悪化
するため好ましくない。ブロックBの割合は、(ハ)成
分中に2〜98重量%、好ましくは10〜80重量%、
さらに好ましくは15〜70重量%であり、2重量%未
満あるいは98重量%を超える場合には、(ハ)成分の
相溶化剤としての性能が低下するので好ましくない。
【0015】さらに、(ハ)成分を構成するブロックA
2は、水素添加により結晶性のポリエチレン類似構造の
ブロックセグメントとなり、特にエチレンを主たる成分
とするオレフィン系重合体との相溶性に優れる。ブロッ
クA2の1,2−ビニル結合含量は、水素添加後のブロ
ックA2の結晶性を支配する主たる因子であり、(ハ)
成分の15重量%以下である。この1,2−ビニル結合
含量が15重量%を超える場合には、エチレン連鎖の結
晶性が低下するため、エチレンを主たる成分とするオレ
フィン系重合体との相溶性が低下する。なお、ブロック
A2の重量平均分子量は、通常、0.5万〜20万、好
ましくは1〜15万、さらに好ましくは1.5〜10万
である。0.5万未満ではエチレンを主たる成分とする
オレフィン系重合体との相溶性が劣るため好ましくな
く、一方20万を超えると流動性が劣り、加工性が悪化
するため好ましくない。ブロックA2の(ハ)成分中に
おける割合は、前述のように使用目的によって変化す
る。ブロックA2がエチレンを主たる成分とするオレフ
ィン系重合体との相溶性を確保するために必須の成分で
ある場合(ケース1)には、(ハ)成分中に、2〜98
重量%、好ましくは10〜80重量%、さらに好ましく
は15〜70重量%である。この場合、2重量%未満あ
るいは98重量%を超えると、(ハ)成分の相溶化剤と
しての性能が劣る。
【0016】一方、オレフィン系重合体との相溶性がブ
ロックBによって確保されている場合(ケース2)、
(ハ)成分中にブロックA2はなくてもよい。しかしな
がら、ブロックAと高ビニル含量のブロックBのみから
なる(ハ)成分は、該ブロックAとBの比率にも依存す
るが、表面にベタツキ性があり、付着性を有する場合が
ある。そのため、取り扱い性の問題が生じやすい。ブロ
ックA2を適量結合させることにより、付着性が減少
し、取り扱い性が向上する。従って、ケース2の場合、
ブロックA2の(ハ)成分中の割合は、0〜98重量
%、好ましくは1〜50重量%、さらに好ましくは3〜
30重量%であり、98重量%を超えると、(ハ)成分
の相溶化剤としての性能が劣るものとなる。
【0017】本発明において、(ハ)成分の水添率は、
90%以上、好ましくは94%以上、さらに好ましくは
96%以上である。水添率が90%未満では、残留不飽
和二重結合による耐熱性と耐候性の低下が顕著である。
本発明に使用される(ハ)成分は、例えば特開平2−1
33406号公報に開示されている方法によって得るこ
とができる。
【0018】本発明の組成物において、(イ)オレフィ
ン系重合体は、通常、10〜99.4重量%、好ましく
は60〜99.4重量%、(ロ)架橋スチレン系重合体
は、通常、0.5 〜70重量%、好ましくは0.5〜
30重量%である。(ハ)水添ブロック共重合体は、通
常、0.1〜20重量%、好ましくは0.1〜10重量
%である。
【0019】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、以上の
(イ)成分〜(ハ)成分を主成分とするが、このほか
2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2−
(1−メチルシクロヘキシル)−4,6−ジメチルフェ
ノール、1,6ヘキサンジオール−ビス[3−(3,5
−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオ
ネート]、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオネート〕などのヒンダードフェノール系酸化防
止剤、ペンタエリスリトールテトラキス(3−ラウリル
チオプロピオネート)、ジラウリル3,3’−チオジプ
ロピオネートなどのチオエーテル系酸化防止剤、トリス
ノニルフェニルホスファイト、ジステアリルペンタエリ
スリトールジホスファイトなどのリン系酸化防止剤、;
ステアロアミドプロピルジメチル−β−ヒドロキシエチ
ルアンモニウムニトレートなどの帯電防止剤;4−アセ
トキシ−2,2,6−テトラメチルピペリジン、4−ス
テアロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペ
リジンなどの耐候剤;p−t−ブチルフェニルサリシレ
ート、2,2′−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフ
ェノンなどの紫外線吸収剤;パラフィンワックス、ポリ
エチレンワックス、高級脂肪酸類またはこれらの金属塩
などの滑剤;酸化チタン、カーボンブラックなどの着色
剤;ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維、アラミド繊維、
ガラスビーズ、アスベスト、マイカ、炭酸カルシウム、
チタン酸カリウムウィスカー、タルク、硫酸バリウム、
ガラスフレーク、フッ素樹脂などの充填剤;あるいは他
のゴム質重合体、熱可塑性樹脂などを適宜配合すること
ができる。又、必要に応じてl−メントール、柑橘系油
等の消臭剤、を適宜配合することができる。本発明の組
成物は、押し出し機、ニーダー、バンバリーミキサーな
どにより溶融混練りすることによって得ることができ
る。本発明の組成物を製造するには、各成分を一括で混
合してもよく、任意の成分をあらかじめ予備混合したの
ち、残りの成分を添加して混合してもよい。最も好まし
い製造装置は、一軸あるいは二軸押し出し機であり、こ
れにより連続的に効率よく混練りし、ペレット化するこ
とができる。得られたペレットを用い、押し出し成形を
行い、成形品に加工することができる。本発明の組成物
を用いて得られる押し出し成形品としては、シート、フ
ィルム、チューブなどを挙げることができ、種々の用途
に使用することができる。
【0020】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明は、これらの実施例に限定される
ものではない。なお、実施例中、部および%は特に断ら
ない限り重量基準である。また、実施例中における各種
の測定は、下記の方法に拠った。 結合ビニル芳香族化合物含量 679nm−1のフェニル基の吸収を基に、赤外分析法
により測定した。 共役ジエンのビニル結合含量 赤外分析法を用い、ハンプトン法により算出した。 水添率 四塩化エチレンを溶媒に用い、10MHz、 1H−NM
Rスペクトルから算出した。 重量平均分子量 トリクロルベンゼンを溶媒に用い、135℃におけるゲ
ルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用
いてポリスチレン換算で求めた。 比重 JIS K−7112に従って測定した。 メルトフローレート(MFR) JIS K7210に従い、230℃、荷重2.16kg
で測定した。 7アイゾット衝撃強度 JIS K7110に従って測定した。 引張特性 JIS K7113に従って測定した。
【0021】(ロ)成分の製造 スチレン98部、メタクリル酸2部、t−ドデシルメル
カプタン10部を、水200部にラウリル硫酸ナトリウ
ム0.5部、過硫酸カリウム1.0部を溶かした水溶液
に入れ、撹拌しながら70℃で8時間重合してポリマー
粒子を得た。このポリマー粒子は、平均粒子径0.22
μm、トルエン不溶解分3%、GPCによる数平均分子
量4,100、重量平均分子量と数平均分子量との比M
w/Mn=2.4であった。次に、このポリマー粒子を
種ポリマーとして用い、このポリマー粒子を固形分で1
0部、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル0.
1部、ラウリル硫酸ナトリウム0.3部および過硫酸カ
リウム0.5部を水900部に分散した。これにメチル
メタクリレート80部、ジビニルベンゼン(純品換算)
10部、スレチン10部の混合物を加えて30℃で1時
間撹拌したところ、上記物質は種ポリマー粒子にほぼ完
全に吸収された。これをそのまま70℃で5時間重合し
たところ、重合収率98%でpH3.0の中空の架橋ポ
リマー粒子(以下中空粒子(ロ)という)の水分散体が
得られた。
【0022】(ハ)成分の製造(ハ−1〜5の製造) 内容積5リットルのオートクレーブに、シクロヘキサン
2.5kg、1,3−ブタジエン500g、n−ブチル
リチウム0.4gを加えて、50℃で重合転化率が18
%になったのち、テトラヒドロフラン9.8gを添加し
て昇温し、重合転化率が100%になるまで重合を行っ
た。次に、スチレン90gを添加し、重合を続行した。
重合完結後、反応液を70℃にし、n−ブチルリチウム
0.8g、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール
0.8gとビス(シクロペンタジエニル)チタニウムジ
クロライド0.25gおよびジエチルアルミニウムクロ
ライド1gを加え、水素圧力10kg/cm2 で1時間
反応させた。この反応液を、大量のメチルアルコールの
中に混合して析出する固形物を回収、乾燥して水添ブロ
ック共重合体ロ−1を得た。得られた水添ブロック共重
合体ロ−1の水添率は99%、第1段目の1,2−ビニ
ル結合含量は12%、第2段目の1,2−ビニル結合含
量は40%であった。また、表1に示すような水添ブロ
ック共重合体になるように、単量体種類、単量体量、触
媒量、重合温度、重合時間などを変化させて、水添ブロ
ック共重合体ハ−1に準じて、水添ブロック共重合体ハ
−2〜5を得た。 構造1:ブロックA1−ブロックB−ブロックA2 構造2:ブロックA1−ブロックB
【0023】実施例1〜7 表1に示す配合に従って、樹脂混合物を調合し、池貝鉄
工(株)製、二軸押し出し機PCM45を用いてペレッ
ト化した。得られたペレットを用いて、射出成形によっ
て試験片を得た。結果を表2に示す。
【0024】比較例1〜7 表3に示す配合に従って、樹脂混合物を調合し、池貝鉄
工(株)製、二軸押し出し機PCM45を用いてペレッ
ト化した。得られたペレットを用いて、射出成形によっ
て試験片を得た。結果を表3に示す。なお、表3中で用
いた樹脂類を以下に示す。 低密度ポリエチレン;東ソー(株)製、ペトロセン19
0 ポリプロピレン;三菱油化(株)製、MA−2A G1650;シェル(株)製、SEBS。スチレン−ブ
タジエン−スチレンブロック共重合体を水素添加して得
られる水添ブロック共重合体。そのミクロ構造は、1,
2−ビニル結合を有するブタジエンブロックが約40重
量%である。 A1100;日本油脂(株)製、モディパーA1100
(ポリエチレン鎖にポリスチレンをグラフトしたグラフ
ト共重合体)
【0025】
【表1】
【0026】
【表2】
【0027】
【表3】
【0028】
【発明の効果】本発明で使用される(ハ)成分は、ごく
少量でオレフィン系重合体および架橋スチレン系重合体
からなるブレンド物を相溶化し、優れた性能のポリマー
アハイを提供することができる。そのため、本発明の熱
可塑性樹脂組成物は、オレフィン系重合体および架橋ス
チレン系重合体の欠点を補い、軽量化、耐衝撃性、機械
的強度に優れ、広範な用途に使用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI (C08L 25/02 23:02 53:02)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (イ)オレフィン系重合体 (ロ)比重が0.5〜1.1である架橋スチレン系重合
    体および (ハ)(A)(A−1)スチレン系重合体ブロックセグ
    メントおよび(A−2)1,2−ビニル結合含量が20
    %未満であるポリブタジエンブロックセグメントから選
    ばれる少なくとも1種のブロックセグメントならびに、
    (B)1,2−ビニル結合含量が20%以上であるブタ
    ジエン系(共)重合体ブロックセグメントおよび/また
    はイソプレン系(共)重合体ブロックセグメントからな
    り、かつブロック構造が直鎖状あるいは分岐状であるブ
    ロック共重合体の不飽和二重結合を90%以上水素添加
    してなる水添ブロック共重合体を含有してなる熱可塑性
    樹脂組成物。
JP31142596A 1996-11-07 1996-11-07 熱可塑性樹脂組成物 Pending JPH10139945A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31142596A JPH10139945A (ja) 1996-11-07 1996-11-07 熱可塑性樹脂組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31142596A JPH10139945A (ja) 1996-11-07 1996-11-07 熱可塑性樹脂組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10139945A true JPH10139945A (ja) 1998-05-26

Family

ID=18017058

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP31142596A Pending JPH10139945A (ja) 1996-11-07 1996-11-07 熱可塑性樹脂組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10139945A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001207001A (ja) * 1999-11-16 2001-07-31 Jsr Corp 熱可塑性樹脂組成物
US6353037B1 (en) 2000-07-12 2002-03-05 3M Innovative Properties Company Foams containing functionalized metal oxide nanoparticles and methods of making same
US6573305B1 (en) 1999-09-17 2003-06-03 3M Innovative Properties Company Foams made by photopolymerization of emulsions
US7138436B2 (en) 2001-06-13 2006-11-21 3M Innovative Properties Company Uncrosslinked foams made from emulsions

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6573305B1 (en) 1999-09-17 2003-06-03 3M Innovative Properties Company Foams made by photopolymerization of emulsions
US6759080B2 (en) 1999-09-17 2004-07-06 3M Innovative Properties Company Process for making foams by photopolymerization of emulsions
JP2001207001A (ja) * 1999-11-16 2001-07-31 Jsr Corp 熱可塑性樹脂組成物
US6353037B1 (en) 2000-07-12 2002-03-05 3M Innovative Properties Company Foams containing functionalized metal oxide nanoparticles and methods of making same
US6462100B1 (en) 2000-07-12 2002-10-08 3M Innovative Properties Company Foams containing functionalized metal oxide nanoparticles and methods of making same
US7138436B2 (en) 2001-06-13 2006-11-21 3M Innovative Properties Company Uncrosslinked foams made from emulsions

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPS58198529A (ja) ポリオレフイン系共重合体の製造方法
US4681915A (en) Impact modified polyphenylene ether-polyamide compositions
WO1991019762A1 (fr) Composition de resine thermoplastique
JPH02305814A (ja) 水添ジエン系共重合体およびその組成物
JP3134504B2 (ja) 水添ジエン系共重合体およびその組成物
JPH10139945A (ja) 熱可塑性樹脂組成物
JP3367136B2 (ja) 熱可塑性樹脂組成物
JPH03250010A (ja) ポリアリーレンサルファイド樹脂組成物
JPH0598086A (ja) 熱可塑性樹脂組成物
JPH05331246A (ja) ゴム強化熱可塑性樹脂およびその組成物
JPS5953548A (ja) 熱可塑性弾性ポリマ−組成物
JP2004067944A (ja) 極性熱可塑性エラストマー組成物
JP3141776B2 (ja) 熱可塑性樹脂組成物
JP2004137479A (ja) 熱可塑性エラストマー組成物
JPH06192493A (ja) 熱可塑性樹脂組成物
JPS582336A (ja) グラフト共重合体樹脂組成物
JP3453891B2 (ja) 熱可塑性樹脂組成物
JP3392179B2 (ja) 熱可塑性樹脂組成物
JPH0742383B2 (ja) 熱可塑性樹脂組成物
JPH05287193A (ja) 熱可塑性樹脂組成物
JPH0834901A (ja) 熱可塑性樹脂組成物
JP2001146538A (ja) 耐衝撃性ポリスチレン系熱可塑性樹脂組成物
JP2003138073A (ja) 熱可塑性樹脂組成物
JP2001294712A (ja) 熱可塑性樹脂組成物
JPH0621199B2 (ja) 熱可塑性樹脂組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Effective date: 20050530

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20050614

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050815

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20051109