JP3767153B2 - 鍵盤装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、電子ピアノなどの鍵盤楽器における鍵盤装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子ピアノなどの鍵盤楽器では、アコースティックピアノの鍵タッチ感に近似した鍵タッチ感を得るために、鍵の下方に所定の重量を有するハンマーアームを上下方向に回動可能に設け、鍵の押鍵操作に伴ってハンマーアームがそれ自身の重量に抗して回動することにより、鍵に所定のアクション荷重を付与するようにしたものがある。
このような鍵盤楽器では、鍵を回動可能に支持する鍵盤シャーシにハンマーアームをただ単に回動可能に取り付けた場合、鍵に所定のアクション荷重を付与することはできるが、アコースティックピアノで得られる抜ける感じの鍵タッチ感に近似した鍵タッチ感を得ることができない。
そこで、従来では、このような鍵タッチ感が得られるように、クリック感付与手段を備えた鍵盤装置が開発されている。
【0003】
図39はその一例を示した図である。この鍵盤装置は、楽器ケース内に組み込まれる鍵盤シャーシ1を備えている。この鍵盤シャーシ1は、前端部(同図では左端部)1aが凹部状に折り曲げられた上、その前端上部が更にL字状に折り曲げられ、かつ後端部(同図では右端部)1bがコ字状に折り曲げられ、前端部1aの凹部状の部分の底部と後端部1bのコ字状の部分の底部とがほぼ同じ高さに形成されている。この鍵盤シャーシ1上には、合成樹脂製の複数の鍵(白鍵と黒鍵、ただしここでは黒鍵について説明する。)2が並列に配置されている。この場合、各鍵2は、その後端部(同図では右端部)の下部が鍵盤シャーシ1の後端部1b上に設けられた鍵支持部3の軸4に回動自在に取り付けられ、この軸4を中心に上下方向に回動するように構成されている。
【0004】
また、鍵2の中間部に対応する鍵盤シャーシ1上には、ハンマーアーム5を上下方向に回動自在に支持するハンマー支持軸6が設けられている。ハンマーアーム5は、上端部5a、中間部5b、および下端部5cからなり、中間部5bがハンマー支持軸6に回動自在に支持され、下端部5cが鍵盤シャーシ1の開口部1cを通して鍵盤シャーシ1の後端部1b内に配置され、この下端部5cに錘7が設けられ、この錘7の重量によって図39において時計方向に付勢され、これにより上端部5aが鍵2の下面に当接し、鍵2を上方に付勢している。また、このハンマーアーム5は、図39に示すように、通常は錘7の重量によって下方に付勢され、下端部5cの先端に設けられた突起部5dの下面が鍵盤シャーシ1の後端部1bの底部上に設けられたフェルトなどの下限ストッパ8に当接し、これにより所定の下限位置に位置規制されており、また錘7の重量に抗して鍵2が押鍵された際には、ハンマーアーム5の下端部5cの突起部5dの上面が鍵盤シャーシ1の後端部1bの上部内面に設けられたフェルトなどの上限ストッパ9に当接し、これにより所定の上限位置に位置規制されている。
【0005】
このハンマーアーム5の下端部5cの後方(同図では右方)における鍵盤シャーシ1の後端部1bの底部上には、鍵2にアコースティックピアノで得られる抜ける感じの鍵タッチ感に近似した鍵タッチ感を付与するクリック感付与部材10が設けられている。このクリック感付与部材10は、図39および図40に示すように、鍵盤シャーシ1の後端部1bの底部上に固定された合成樹脂製のローラ支持体11を備えている。このローラ支持体11は、各鍵2に対応する個所に板ばね部11aがほぼL字形状に形成されて上方に延び、この板ばね部11aの上端部にローラ12が回転自在に取り付けられる取付枠11bが形成された構造になっている。このクリック感付与部材10は、押鍵時にハンマーアーム5の下端部5cに設けられた突起部5dの先端がローラ12に当接した後、ローラ支持体11の板ばね部11aのばね力に抗してローラ12を乗り越えたときに、鍵2に抜ける感じの鍵タッチ感を付与する。
【0006】
なお、各鍵2は、ハンマーアーム5によって上方に付勢されているが、通常は各鍵2の前端部に垂設されたL字状のストッパ片13が鍵盤シャーシ1の前端部1aにおける凹部状の部分の両側下面にそれぞれ設けられたフェルトなどの上限ストッパ14に当接することにより、所定の初期位置(上限位置)に位置規制されている。また、各鍵2には、押鍵時にゴムスイッチ15を押圧するためのスイッチ押圧部16が設けられている。ゴムスイッチ15は、その内部に固定接点と可動接点が2組設けられたものであり、鍵盤シャーシ1の中間部の下面に設けられた回路基板17上に配設され、鍵盤シャーシ1の開口部1dを通して上方に突出し、これにより鍵2のスイッチ押圧部16が押圧可能に離間対向している。
【0007】
このような鍵盤装置では、ハンマーアーム5の錘7の重量に抗して鍵2が押鍵されると、鍵2がその後端部の軸4を中心に下方に回動するとともに、ハンマーアーム5がその中間部5bのハンマー支持軸6を中心に図39において反時計方向に回動し、この後、鍵2のスイッチ押圧部16がゴムスイッチ15を押圧した後、ハンマーアーム5の突起部5dがクリック感付与部材10のローラ12を乗り越えて鍵2に抜ける感じのクリック感を与え、この後、突起部5dが上限ストッパ9に当接することにより、ハンマーアーム5および鍵2の回動が停止する。この後、ハンマーアーム5が錘7の重量により図39において時計方向に回動し、上記と逆の動作を行って、鍵2が図39に示す初期位置に戻る。
【0008】
このときの鍵ストロークに対する鍵荷重について、図41を参照して、詳細に説明する。まず、鍵2が押鍵されて下方に回動する行き行程では、鍵2が回動を開始するときに、ハンマーアーム5の錘7の重量が鍵2に作用するため、鍵荷重が急激に重くなり、A点に到達するとハンマーアーム5の回動速度がほぼ一定になるため、鍵荷重もほぼ一定になり、この状態で鍵2が回動してB点に到達すると、鍵2のスイッチ押圧部16がゴムスイッチ15に当接して押圧するので、鍵荷重が更に重くなる。そして、鍵2が回動してC点に到達すると、ハンマーアーム5の下端部5cの突起部5dの先端がクリック感付与部材10のローラ12に当接してローラ支持体11の板ばね部11aを撓ませるので、鍵荷重が急に重くなり、D点に到達するとハンマーアーム5の突起部5dが板ばね部11aのばね力に抗してローラ12を乗り越えるので、鍵荷重が急激に軽くなる。このときに、鍵2に抜ける感じのクリック感が付与される。この後、鍵2が更に回動してE点に到達すると、ハンマーアーム5の突起部5dが上限ストッパ9に当接するので、鍵荷重が急激に重くなり、ハンマーアーム5および鍵2の回動が停止する。
【0009】
また、鍵2が下限位置に到達して上方に回動する戻り行程では、ハンマーアーム5の錘7の重量によりハンマーアーム5が下方に回動するため、鍵荷重が急激に降下して軽くなり、行き行程でのE点よりも鍵荷重が軽いF点に到達すると、ハンマーアーム5の突起部5dの先端がクリック感付与部材10のローラ12に再び当接してローラ支持体11の板ばね部11aを撓ませるので、鍵荷重が急に重くなり、G点に到達するとハンマーアーム5の突起部5dが板ばね部11aのばね力に抗してローラ12を乗り越えるので、鍵荷重が急激に軽くなる。このときにも、鍵2にクリック感が付与される。このG点は行き行程のD点に比べて、ヒステリシスの時間差THだけ遅れて発生する。そして、鍵2が回動してH点に到達すると、スイッチ押圧部16がゴムスイッチ15によって押し上げられる反発力により、鍵荷重が更に軽くなり、I点に到達するとスイッチ押圧部16がゴムスイッチ15から離間し、ハンマーアーム5がほぼ一定速度で回動するので、鍵荷重がほぼ一定になり、この状態でハンマーアーム5および鍵2が回動し、J点に到達するとハンマーアーム5の突起部5dが下限ストッパ8に当接して回動が停止するので、鍵荷重が急激に軽くなり、鍵2のストッパ片13が上限ストッパ14に当接して鍵2が初期位置に戻る。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような鍵盤装置では、押鍵時に鍵2が下方に回動する行き行程のときに、ハンマーアーム5が上方に回動してその突起部5dがクリック感付与部材10のローラ12に当接した後、ローラ支持体11の板ばね部11aのばね力に抗してローラ12を乗り越えるので、アコースティックピアノの鍵タッチ感に近似した抜ける感じのクリック感を鍵2に付与することはできるが、ハンマーアーム5が下方へ回動して鍵2が上方に回動する戻り行程のときにも、ハンマーアーム5の突起部5dがローラ12に当接して板ばね部11aのばね力に抗してローラ12を乗り越えるため、鍵2にクリック感を付与してしまうことになり、本来アコースティックピアノには無い戻り行程でのクリック感が発生してしまうという問題がある。また、このように戻り行程でクリック感が発生すると、ハンマーアーム5の復帰速度が遅くなり、これに伴って鍵2の初期位置への復帰も遅くなるため、連打性が悪くなるという問題が生じる。
【0011】
この発明の課題は、押鍵時に鍵が下方に回動する行き行程で鍵に抜ける感じの鍵タッチ感を良好に付与し、戻り行程で鍵に対するクリック感を大幅に軽減し、アコースティックピアノの鍵タッチ感に近似した鍵タッチ感が得られるようにすることである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、鍵盤シャーシと、この鍵盤シャーシ上に上下方向に回動可能に設けられた複数の鍵と、一端部が前記鍵盤シャーシに固定されて上下方向に撓み変形する弾性体を有するとともに前記鍵の上方あるいは下方への回動に伴い前記鍵の一部、または前記鍵の押鍵動作に伴って回動変位して前記鍵にアクション荷重を付与するためのハンマーアームの一部が前記弾性体の自由端に当接した後に当該弾性体を乗り越える際に生じる抵抗によりクリック感を付与するクリック感付与部材を備え、前記クリック感付与部材は、押鍵時に前記鍵が下方に回動する行き行程で前記弾性体が当接して前記弾性体の撓み変形を規制するとともに前記鍵が上方に回動する戻り行程で前記弾性体が離間する第1の支点部及び前記鍵が上方に回動する戻り行程で前記弾性体が当接して前記弾性体の撓み変形を規制するとともに前記鍵の行き行程で前記弾性体が離間する第2の支点部をさらに有し、前記支点部が前記弾性体の自由端側に位置し、前記他の支点部が前記弾性体の固定端側に位置することを特徴とする。
また請求項2記載の発明は、鍵盤シャーシと、この鍵盤シャーシ上に上下方向に回動可能に設けられた複数の鍵と、一端部が前記鍵、または前記鍵の押鍵動作に伴って回動変位して前記鍵にアクション荷重を付与するためのハンマーアームに固定されて上下方向に撓み変形する弾性体を有するとともに前記鍵の上方あるいは下方への回動に伴い前記鍵盤シャーシの一部に前記弾性体の自由端が当接した後に当該弾性体を乗り越える際に生じる抵抗によりクリック感を付与するクリック感付与部材を備え、前記クリック感付与部材は、押鍵時に前記鍵が下方に回動する行き行程で前記弾性体が当接して前記弾性体の撓み変形を規制するとともに前記鍵が上方に回動する戻り行程で前記弾性体が離間する第1の支点部及び前記鍵が上方に回動する戻り行程で前記弾性体が当接して前記弾性体の撓み変形を規制するとともに前記鍵の行き行程で前記弾性体が離間する第2の支点部をさらに有し、前記支点部が前記弾性体の自由端側に位置し、前記他の支点部が前記弾性体の固定端側に位置することを特徴とする。
この発明によれば、押鍵時に鍵が下方に回動する行き行程では、クリック感付与部材の弾性体が支点部に当接して弾性体の撓み変形が規制され、また鍵が上方に回動する戻り行程では、クリック感付与部材の弾性体が支点部から離間して弾性体の撓み変形が支点部によって規制されないため、行き行程では弾性体が鍵に対し大きい反発力を付与し、戻り行程では弾性体が鍵に対し小さい反発力を付与することになり、これにより押鍵時の行き行程で鍵に抜ける感じの鍵タッチ感を良好に付与することができ、戻り行程で鍵に対するクリック感を大幅に軽減することができ、アコースティックピアノの鍵タッチ感に近似した鍵タッチ感を得ることができる。
【0014】
請求項3記載の発明は、鍵盤シャーシと、この鍵盤シャーシ上に上下方向に回動可能に設けられた複数の鍵と、相互に重ね合わされた状態で前記鍵盤シャーシに一端部が固定されて上下方向に撓み変形する第1、第2弾性体を有するとともに前記鍵の上方あるいは下方への回動に伴い前記鍵の一部、または前記鍵の押鍵動作に伴って回動変位して前記鍵にアクション荷重を付与するためのハンマーアームの一部に前記第1、第2弾性体の自由端が当接した後に当該弾性体を乗り越える際に生じる抵抗によりクリック感を付与するクリック感付与部材を備え、前記クリック感付与部材は、押鍵時に前記鍵が下方に回動する行き行程で前記第1、第2弾性体の両者が重なり合った状態で撓み変形し、前記鍵が上方に回動する戻り行程で前記第1、第2弾性体のいずれか一方のみが撓み変形することを特徴とする
また請求項4記載の発明は、鍵盤シャーシと、この鍵盤シャーシ上に上下方向に回動可能に設けられた複数の鍵と、相互に重ね合わされた状態で前記鍵、または前記鍵の押鍵動作に伴って回動変位して前記鍵にアクション荷重を付与するためのハンマーアームに一端部が固定されて上下方向に撓み変形する第1、第2弾性体を有するとともに前記鍵の上方あるいは下方への回動に伴い前記鍵盤シャーシの一部に前記第1、第2弾性体の自由端が当接した後に当該弾性体を乗り越える際に生じる抵抗によりクリック感を付与するクリック感付与部材を備え、前記クリック感付与部材は、押鍵時に前記鍵が下方に回動する行き行程で前記第1、第2弾性体の両者が重なり合った状態で撓み変形し、前記鍵が上方に回動する戻り行程で前記第1、第2弾性体のいずれか一方のみが撓み変形することを特徴とする
この発明によれば、押鍵時に鍵が下方に回動する行き行程では、第1、第2弾性体の両者が重なり合った状態で撓み変形し、鍵が上方に回動する戻り行程では、第1、第2弾性体のいずれか一方のみが撓み変形するので、行き行程では鍵に対し大きい反発力が付与され、戻り行程では鍵に対し小さい反発力が付与されることになり、これにより押鍵時の行き行程で鍵に抜ける感じの鍵タッチ感を良好に付与することができ、戻り行程で鍵に対するクリック感を大幅に軽減することができ、アコースティックピアノの鍵タッチ感に近似した鍵タッチ感を得ることができる。
【0015】
請求項5記載の発明は、鍵盤シャーシと、この鍵盤シャーシ上に上下方向に回動可能に設けられた複数の鍵と、一端部が前記鍵盤シャーシに固定されて上下方向に撓み変形可能な弾性体を有し、前記鍵の上方あるいは下方への回動に伴い前記鍵の一部、または前記鍵の押鍵動作に伴って回動変位して前記鍵にアクション荷重を付与するためのハンマーアームの一部が自由端に当接した後に当該弾性体を乗り越える際に生じる抵抗によりクリック感を付与するクリック感付与部材とを備え、前記クリック感付与部材は、押鍵時に前記鍵が下方に回動する行き行程で前記弾性体が回動して当接することにより前記弾性体を撓み変形させる支点部と、前記鍵が上方に回動する戻り行程で前記弾性体が逆方向に回動して当接することにより弾性変形する緩衝体とを有し、この緩衝体の反発力が前記弾性体の反発力よりも小さく設定されていることを特徴とする。
また請求項6記載の発明は、鍵盤シャーシと、この鍵盤シャーシ上に上下方向に回動可能に設けられた複数の鍵と、一端部が前記鍵、または前記鍵の押鍵動作に伴って回動変位して前記鍵にアクション荷重を付与するためのハンマーアームに固定されて上下方向に撓み変形可能である弾性体を有し、前記鍵の上方あるいは下方への回動に伴い前記鍵盤シャーシの一部が自由端に当接した後に当該弾性体を乗り越える際に生じる抵抗によりクリック感を付与するクリック感付与部材とを備え、前記クリック感付与部材は、押鍵時に前記鍵が下方に回動する行き行程で前記弾性体が回動して当接することにより前記弾性体を撓み変形させる支点部と、前記鍵が上方に回動する戻り行程で前記弾性体が逆方向に回動して当接することにより弾性変形する緩衝体とをさらに有し、この緩衝体の反発力が前記弾性体の反発力よりも小さく設定されていることを特徴とする。
この発明によれば、押鍵時に鍵が下方に回動する行き行程では、弾性体が回動して支点部に当接し、この支点部によって弾性体の撓み変形が規制され、鍵が上方に回動する戻り行程では、弾性体が逆方向に回動して弾性体よりも反発力の小さい緩衝体に当接し、弾性体が弾性変形せずに緩衝体のみを弾性変形させるので、行き行程では鍵に対し大きい反発力が付与され、戻り行程では鍵に対し小さい反発力が付与されることになり、これにより押鍵時の行き行程で鍵に抜ける感じの鍵タッチ感を良好に付与することができ、戻り行程で鍵に対するクリック感を大幅に軽減することができ、アコースティックピアノの鍵タッチ感に近似した鍵タッチ感を得ることができる。
【0016】
請求項7記載の発明は、鍵盤シャーシと、この鍵盤シャーシ上に上下方向に回動可能に設けられた複数の鍵と、一端部が前記鍵盤シャーシに上下方向に回動可能に取り付けられる回動体を有し、前記鍵の上方あるいは下方への回動に伴い前記鍵の一部、または前記鍵の押鍵動作に伴って回動変位して前記鍵にアクション荷重を付与するためのハンマーアームの一部が自由端に当接した後に当該回動体を乗り越える際に生じる抵抗によりクリック感を付与するクリック感付与部材とを備え、前記クリック感付与部材は、押鍵時に前記鍵が下方に回動する行き行程で前記回動体が当接して弾性変形する第1弾性体と、前記鍵が上方に回動する戻り行程で前記回動体が当接して弾性変形する第2弾性体とをさらに有し、前記第1弾性体の反発力が前記第2弾性体の反発力よりも大きいことを特徴とする。
また請求項8記載の発明は、鍵盤シャーシと、この鍵盤シャーシ上に上下方向に回動可能に設けられた複数の鍵と、一端部が前記前記鍵の上方あるいは下方への回動に伴い鍵、または前記鍵の押鍵動作に伴って回動変位して前記鍵にアクション荷重を付与するためのハンマーアームに上下方向に回動可能に取り付けられた回動体を有し、前記鍵の上方あるいは下方への回動に伴い前記鍵盤シャーシの一部に自由端が当接した後に当該回動体を乗り越える際に生じる抵抗によりクリック感を付与する回動体と、感付与部材とを備え、前記クリック感付与部材は、押鍵時に前記鍵が下方に回動する行き行程で前記回動体が当接して弾性変形する第1弾性体と、前記鍵が上方に回動する戻り行程で前記回動体が当接して弾性変形する第2弾性体とを有し、前記第1弾性体の反発力が前記第2弾性体の反発力よりも大きいことを特徴とする。
この発明によれば、押鍵時に鍵が下方に回動する行き行程では、回動体が第1弾性体に当接して、第2弾性体よりも反発力の大きい第1弾性体を弾性変形させ、鍵が上方に回動する戻り行程では、回動体が第2弾性体に当接して、第1弾性体よりも反発力の小さい第2弾性体を弾性変形させるので、行き行程では鍵に対し大きい反発力が付与され、戻り行程では鍵に対し小さい反発力が付与されることになり、これにより押鍵時の行き行程で鍵に抜ける感じの鍵タッチ感を良好に付与することができ、戻り行程で鍵に対するクリック感を大幅に軽減することができ、アコースティックピアノの鍵タッチ感に近似した鍵タッチ感を得ることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
[第1実施形態]
以下、図1〜図5を参照して、この発明の鍵盤装置の第1実施形態について説明する。なお、図39〜図41に示された従来例と同一部分には同一符号を付し、その説明は省略する。
この鍵盤装置では、クリック感付与部材20が従来例と異なり、これ以外は従来例と同じ構成になっている。このクリック感付与部材20は、図1に示すように、ハンマーアーム5の上限ストッパ9の後方(同図では右方)における鍵盤シャーシ1の後端部1bの上部内面にビス21によって取り付けられた取付体22を備えている。この取付体22のハンマーアーム5側の左側面には、板ばね(弾性体)23の一端部が固定されている。この板ばね23は、ハンマーアーム5の下端部5cに設けられた突起部24の先端が板ばね23の自由端23aに上下方向から当接し、これにより上下方向に撓み変形するように構成されている。この場合、ハンマーアーム5の突起部24は、上面側がほぼ平坦面に形成され、下面側が傾斜面に形成され、これによりハンマーアーム5が上方に回動したときに上面側の平坦面に板ばね23の自由端23aが当接し、ハンマーアーム5が下方に回動したときに下面側の傾斜面に沿って板ばね23の自由端23aが接触しながら当接するように構成されている。
【0018】
また、この取付体22のハンマーアーム5側の左側面には、第1支点部25が板ばね23の上側に位置して設けられているとともに、第2支点部26が板ばね23の下側に位置して設けられている。第1支点部25は、図2(a)に示すように、第2支点部26よりも長く形成され、その先端部が板ばね23の自由端23a側の上面に当接し、板ばね23の撓み変形を規制する。第2支点部26は、第1支点部25よりも短く形成され、その先端部が板ばね23の固定端側の下面に当接し、板ばね23の撓み変形を規制する。
この場合、板ばね23と第1、第2支点部25、26との関係は、図2(a)に示すように、板ばね23の長さをL、第1支点部24の長さをLa、第2支点部25の長さをLbとしたとき、L<La<Lbの関係に設定されている。
また、板ばね23が弾性変形する際の弾性エネルギUは、原理的には、図2(b)に示すように、板ばね23の長さをL、第1、第2支点部25、26に相当する支点をS、この支点Sから板ばね23の自由端までの距離をa、支点Sから板ばね23の固定端までの距離をbとしたとき、
U={a2(4L−b)/12EI}×P
で表される。ただし、Pは板ばね23の自由端に作用する荷重であり、EIは弾性定数であり、Eはヤング係数(縦弾性係数)、Iは断面二次モーメントである。
【0019】
このような鍵盤装置では、従来例と同様、ハンマーアーム5の錘7の重量に抗して鍵2が押鍵されると、鍵2が軸4を中心に下方に回動するとともに、ハンマーアーム5がハンマー支持軸6を中心に図1において反時計方向に回動した後、鍵2のスイッチ押圧部16がゴムスイッチ15を押圧する。この後、図3(a)に示すように、ハンマーアーム5の突起部24がクリック感付与部材20の板ばね23の自由端23aに下方から当接し、これにより板ばね23の自由端23a側が押し上げられ、図3(b)に示すように、板ばね23が第1支点部25に当接して撓み変形し、この板ばね23の撓み力に応じた反発力がハンマーアーム5を介して鍵2に付与される。このときには、第1支点部25の長さLaが第2支点部26の長さLbよりも長く、板ばね23の自由端23a側に位置しているので、板ばね23の反発力が大きい。このため、図5のC点からD点に示すように、鍵荷重が急激に重くなる。そして、図3(c)に示すように、ハンマーアーム5の突起部24が板ばね23の自由端23aを乗り越えると、図5のD点からE点に示すように、鍵荷重は急激に軽くなる。これにより、鍵2に抜ける感じのクリック感が与えられる。この後、板ばね23は元の状態に戻り、ハンマーアーム5の突起部24の上面が上限ストッパ9に当接して、ハンマーアーム5および鍵2の回動が停止する。
【0020】
この後、ハンマーアーム5が錘7の重量により図1において時計方向に回動すると、これに伴って鍵2が上方に回動し、図4(a)に示すように、ハンマーアーム5の突起部24が再び板ばね23の自由端23aに上方から当接する。このときには、突起部24の下面側の傾斜面に沿って板ばね23の自由端23aが当接し、この突起部24によって板ばね23の自由端23aが押し下げられる。すると、図4(b)に示すように、板ばね23が第1支点部25から離間して下側の第2支点26に当接して撓み変形し、この板ばね23の撓み力に応じた反発力がハンマーアーム5を介して鍵2に付与される。このときには、第2支点部26の長さLbが第1支点部25の長さLaよりも短く、板ばね23の固定端側に位置しているので、板ばね23の反発力が小さい。このため、図5のF点からG点に示すように、鍵荷重は僅かに重くなる。そして、ハンマーアーム5の突起部24が板ばね23の自由端23aを乗り越えても、板ばね23の反発力が小さいため、鍵2には僅かにクリック感が付与される。なお、この後は、従来例と同様、ハンマーアーム5および鍵2が回動して図1に示す初期位置に戻る。
【0020】
このように、この鍵盤装置では、押鍵時に鍵2が下方に回動する行き行程では、クリック感付与部材20の板ばね23が第1支点部25に当接して撓み変形が規制され、また鍵2が上方に回動する戻り行程では、板ばね23が第1支点部25から離間して第2支点部26に当接して撓み変形が規制されるが、第1支点部25の長さLaが第2支点部26の長さLbよりも長く、第1支点部25の先端部が板ばね23の自由端23a側に位置し、第2支点部26の先端部が板ばね23の固定端側に位置しているため、行き行程では板ばね23がハンマーアーム5を介して鍵2に対し大きい反発力を付与し、戻り行程では板ばね23がハンマーアーム5を介して鍵2に対し小さい反発力を付与することになり、これにより押鍵時の行き行程で鍵2に抜ける感じの鍵タッチ感を付与することができ、戻り行程では鍵2に対するクリック感が大幅に軽減されるため、アコースティックピアノの鍵タッチ感に近似した鍵タッチ感を得ることができる。また、戻り行程でクリック感が大幅に軽減されるため、ハンマーアーム5の復帰速度が従来のように遅くなることがなく、これに伴って鍵2の初期位置への復帰が早くなり、連打性が向上する。
【0021】
なお、上記第1実施形態では、ハンマーアーム5の突起部24でクリック感付与部材20の板ばね23を撓ませるようにしたが、これに限らず、例えば図6に示す第1変形例のように、鍵2の後端部に突起部27を設け、この突起部27でクリック感付与部材20の板ばね23を上下方向に撓ませるようにしてもよい。この場合には、鍵盤シャーシ1の後端部1b上に支持部材28を設け、この支持部材28にクリック感付与部材20の取付体22を取り付ければ良い。このようにしても、第1実施形態と同様の作用効果があることは言うまでもない。
【0022】
また、上記第1実施形態では、クリック感付与部材20が第1、第2支点部25、26の両者を備えた構成になっているが、これに限らず、例えば図7に示す第2変形例のように、クリック感付与部材30が第1支点部25のみを備えた構成であっても良い。このような構成であれば、押鍵時に鍵2が下方に回動する行き行程のときには、第1実施形態と同様、板ばね23が第1支点部25に当接して撓み変形が規制され、鍵2にクリック感を良好に付与することができ、鍵2が上方に回動する戻り行程では、第2支点部26がないため、第1実施形態のときよりも、さらに鍵2に対するクリック感を軽減することができる。
【0023】
また、上記第1実施形態および上記第2変形例では、クリック感付与部材20、30を鍵盤シャーシ1に設けた場合について述べたが、これに限らず、例えば図8に示す第3変形例のように、クリック感付与部材20、30(同図ではクリック感付与部材30のみを示す)をハンマーアーム5の後端部に取り付け、鍵盤シャーシ1の後端部1bに板ばね23の自由端23aに当接して板ばね23を上下方向に撓ませる突起部材31を設けた構成でも良い。この場合には、クリック感付与部材30を上下反転、つまり第1支点部25が板ばね23の下側に位置するようにして、ハンマーアーム5の後端部に取り付ければ良い。このようにしても、第2変形例と同様の作用効果があることは言うまでもない。
【0024】
さらに、上記第3変形例に限らず、例えば図9に示す第4変形例のように、クリック感付与部材30を鍵2の後端部に取り付け、鍵盤シャーシ1の後端部1b上に支持部材28を設け、この支持部材28に板ばね23の自由端23aに当接して板ばね23を上下方向に撓ませる突起部32を設けた構成でも良い。この場合にも、第3変形例と同様、クリック感付与部材30を上下反転させて、鍵2の後端部に取り付ければ良い。このようにしても、第3変形例と同様の作用効果があることは言うまでもない。
【0025】
[第2実施形態]
次に、図10〜図13を参照して、この発明の鍵盤装置の第2実施形態について説明する。この場合には、図1〜図5に示された第1実施形態と同一部分には同一符号を付し、その説明は省略する。
この鍵盤装置では、クリック感付与部材35が第1実施形態と異なり、これ以外は第1実施形態と同じ構成になっている。このクリック感付与部材35は、図10に示すように、ハンマーアーム5の上限ストッパ9の後方(同図では右方)における鍵盤シャーシ1の後端部1bの上部内面にビス36によって取り付けられた取付体37を備えている。この取付体37のハンマーアーム5側の左側面の下部には、取付部37aが突出して設けられており、この取付部37aの上面には、板ばね(弾性体)38の一端部が固定されている。
【0026】
この板ばね38は、固定された一端部が取付部37aの上方でハンマーアーム5側に向けて鋭角に折り曲げられ、その先端側の自由端38aが斜め下方に向けて傾斜した構成になっている。すなわち、この板ばね38は、ハンマーアーム5の突起部24の先端が板ばね38の自由端38aに上下方から当接し、これにより上下方向に撓み変形するものであり、図11に示すように、板ばね38が上方に撓むときの撓み角度θ1が下方に撓むときの撓み角度θ2よりも大きくなるよう(θ1>θ2)に設定された構成になっている。この場合、取付部37aの先端上面は、板ばね38が下方に撓んでも、板ばね38の自由端38a側が接触しないように傾斜面37bに形成されている。
【0027】
このような鍵盤装置では、従来例と同様、ハンマーアーム5の錘7の重量に抗して鍵2が押鍵されると、鍵2が軸4を中心に下方に回動するとともに、ハンマーアーム5がハンマー支持軸6を中心に図10において反時計方向に回動した後、鍵2のスイッチ押圧部16がゴムスイッチ15を押圧する。この後、図12(a)に示すように、ハンマーアーム5の突起部24がクリック感付与部材35の板ばね38の自由端38aに下方から当接し、これにより板ばね38の自由端38a側が押し上げられ、図12(b)に示すように、板ばね38が上方に撓み、この板ばね23の撓み力に応じた反発力がハンマーアーム5を介して鍵2に付与される。このときには、板ばね38の自由端38a側が下方に向けて傾斜しているため、板ばね38の撓み角度θ1が大きく、板ばね38の反発力が大きい。このため、図13のC点からD点に示すように、鍵荷重が急激に重くなる。そして、図12(c)に示すように、ハンマーアーム5の突起部24が板ばね38の自由端38aを乗り越えると、図13のD点からE点に示すように、鍵荷重は急激に軽くなる。これにより、鍵2に抜ける感じのクリック感が与えられる。この後、板ばね38は元の状態に戻り、ハンマーアーム5の突起部24が上限ストッパ9に当接して、ハンマーアーム5および鍵2の回動が停止する。
【0028】
この後、ハンマーアーム5が錘7の重量により図10において時計方向に回動すると、これに伴って鍵2が上方に回動し、図12(d)に示すように、ハンマーアーム5の突起部24が再び板ばね38の自由端38aに上方から当接すると、板ばね38の自由端38a側が押し下げられ、これにより板ばね38が下方に撓み、この板ばね38の撓み力に応じた反発力が鍵2に付与される。このときには、板ばね38の撓み角度θ2が小さいため、板ばね38の反発力は小さい。このため、図13のF点からG点に示すように、鍵荷重が僅かに重くなる。そして、ハンマーアーム5の突起部24が板ばね38の自由端38aを乗り越えても、板ばね38の反発力が小さいため、鍵2には僅かにクリック感が付与される。なお、この後は、従来例と同様に、ハンマーアーム5および鍵2が回動して図10に示す初期位置に戻る。
【0029】
このように、この鍵盤装置では、クリック感付与部材35の板ばね38が鋭角に折り曲げられて、その自由端38a側が斜め下方に向いて傾斜しているので、押鍵時に鍵2が下方に回動する行き行程では、ハンマーアーム5の突起部24によるクリック感付与部材35の板ばね38の上方への撓み角度θ1が大きく、また鍵2が上方に回動する戻り行程では、ハンマーアーム5の突起部24による板ばね23の下方への撓み角度θ2が小さいため、行き行程では板ばね38がハンマーアーム5を介して鍵2に対し大きい反発力を付与し、戻り行程では板ばね38がハンマーアーム5を介して鍵2に対し小さい反発力を付与することになり、これにより押鍵時の行き行程で鍵2に抜ける感じの鍵タッチ感を良好に付与することができ、戻り行程では鍵2に対するクリック感が大幅に軽減されるため、アコースティックピアノの鍵タッチ感に近似した鍵タッチ感を得ることができる。また、戻り行程でクリック感が軽減されるため、第1実施形態と同様、ハンマーアーム5の復帰速度が従来のように遅くなることがなく、これに伴って鍵2の初期位置への復帰も早くなり、連打性が向上する。
【0030】
なお、上記第2実施形態では、ハンマーアーム5の突起部24でクリック感付与部材35の板ばね38を撓ませるようにしたが、これに限らず、例えば図14に示す第1変形例のように、鍵2の後端部に突起部27を設け、この突起部27でクリック感付与部材35の板ばね38を上下方向に撓ませるようにしてもよい。この場合には、鍵盤シャーシ1の後端部1b上に支持部材28を設け、この支持部材28にクリック感付与部材35の取付体37を取り付ければ良い。このようにしても、第2実施形態と同様の作用効果があることは言うまでもない。
【0031】
また、上記第2実施形態では、クリック感付与部材35を鍵盤シャーシ1側に設けた場合について述べたが、これに限らず、例えば図15に示す第2変形例のように、クリック感付与部材35をハンマーアーム5の後端部に取り付け、鍵盤シャーシ1の後端部1bに板ばね38の自由端38aに当接して板ばね38を上下方向に撓ませる突起部材31を設けた構成でも良い。この場合には、クリック感付与部材35を上下反転、つまり板ばね38の自由端38aが上方に向いて傾斜するように、ハンマーアーム5の後端部に取り付ければ良い。このようにしても、第2実施形態と同様の作用効果があることは言うまでもない。
【0032】
さらに、上記第2変形例に限らず、例えば図16に示す第3変形例のように、クリック感付与部材35を鍵2の後端部に取り付け、鍵盤シャーシ1の後端部1b上に支持部材28を設け、この支持部材28に板ばね38の自由端38aに当接して板ばね38を上下方向に撓ませる突起部32を設けた構成でも良い。この場合にも、第2変形例と同様、クリック感付与部材35を上下反転させて鍵2の後端部に取り付ければ良い。このようにしても、第2変形例と同様の作用効果があることは言うまでもない。
【0033】
[第3実施形態]
次に、図17〜図20を参照して、この発明の鍵盤装置の第3実施形態について説明する。この場合にも、図1〜図5に示された第1実施形態と同一部分には同一符号を付し、その説明は省略する。
この鍵盤装置では、クリック感付与部材40が第1実施形態と異なり、これ以外は第1実施形態と同じ構成になっている。このクリック感付与部材40は、図17に示すように、ハンマーアーム5の上限ストッパ9の後方(同図では右方)における鍵盤シャーシ1の後端部1bの上部内面にビス41によって取り付けられた取付体42を備えている。この取付体42のハンマーアーム5側の左側面には、第1板ばね部(第1弾性体)43と第2板ばね部(第2弾性体)44とが上下に重なり合った状態で、その一端部が固定されている。すなわち、第1、第2板ばね部43、44は、図18(a)および(b)に示すように、1枚の帯状板45を2つに折り曲げて上下に重ね合わせ、この状態で折り曲げられた一端部が取付体42の取付孔42aに挿入されて固定されている。この場合、第1、第2板ばね部43、44の各幅Dは同じ幅で形成されており、下側の第1板ばね部43の長さLaは上側の第2板ばね部44の長さLbよりも少し長く(La>Lb)形成され、これにより第1板ばね部43の自由端43aが第2板ばね部44の自由端よりも少し長く突出し、この突出した自由端43aにハンマーアーム5の下端部5cに設けられた突起部24の先端部が上下方向から当接するように構成されている。
【0034】
このような鍵盤装置では、従来例と同様、ハンマーアーム5の錘7の重量に抗して鍵2が押鍵されると、鍵2が軸4を中心に下方に回動するとともに、ハンマーアーム5がハンマー支持軸6を中心に図17において反時計方向に回動した後、鍵2のスイッチ押圧部16がゴムスイッチ15を押圧する。この後、図19(a)に示すように、ハンマーアーム5の突起部24がクリック感付与部材40の第1板ばね部43の自由端43aに下方から当接すると、図19(b)に示すように、第1板ばね部43の自由端43a側が押し上げられるとともに、第2板ばね部44の自由端側も押し上げられる。このため、第1、第2板ばね部43、44が重なり合った状態で上方に撓むことになり、これら第1、第2板ばね部43、44の両者の撓み力に応じた反発力がハンマーアーム5を介して鍵2に付与される。このため、図20のC点からD点に示すように、鍵荷重が急激に重くなる。そして、ハンマーアーム5の突起部24が第1板ばね部43の自由端43aを乗り越えると、図20のD点からE点に示すように、鍵荷重が急激に軽くなる。これにより、鍵2に抜ける感じのクリック感が与えられる。この後、第1、第2板ばね部43、44は元の状態に戻り、ハンマーアーム5の突起部24が上限ストッパ9に当接して、ハンマーアーム5および鍵2の回動が停止する。
【0035】
この後、ハンマーアーム5が錘7の重量により図17において時計方向に回動すると、これに伴って鍵2が上方に回動し、図19(c)に示すように、ハンマーアーム5の突起部24が再び第1板ばね部43の自由端43aに上方から当接すると、この第1板ばね部43の自由端43aが押し下げられる。このときには、第1板ばね部43のみが下方に向けて撓んで第2板ばね部44から離間するので、第2板ばね部44は撓み変形することがない。このため、第1板ばね部43の撓み力のみに応じた反発力がハンマーアーム5を介して鍵2に付与されることになり、図20にF点からG点に示すように、第1、第2板ばね部43、44による鍵荷重が行き行程での鍵荷重よりもかなり軽くなる。そして、ハンマーアーム5の突起部24が第1板ばね部43の自由端43aを乗り越えるときに、鍵2に僅かにクリック感が付与される。なお、この後は、従来例と同様に、ハンマーアーム5および鍵2が回動して図17に示す初期位置に戻る。
【0036】
このように、この鍵盤装置では、クリック感付与部材40が第1板ばね部43と第2板ばね部44とを重ね合わせるとともに、第1板ばね部43の長さLaを第2板ばね部44の長さLbよりも長く形成した構造であるから、押鍵時に鍵2が下方に回動する行き行程では、クリック感付与部材40の第1、第2板ばね部43、44の両者が上方へ撓むことになり、また鍵2が上方に回動する戻り行程では、第1板ばね部43のみが下方へ撓み、第2板ばね部44が撓むことがないため、行き行程では第1、第2板ばね部43、44の両者がハンマーアーム5を介して鍵2に対し大きい反発力を付与し、戻り行程では第1、第2板ばね部43、44のうち、第1板ばね部43のみがハンマーアーム5を介して鍵2に対し小さい反発力を付与することになり、これにより押鍵時の行き行程で鍵2に抜ける感じの鍵タッチ感を付与することができ、戻り行程では鍵2に対するクリック感が大幅に軽減されるため、アコースティックピアノの鍵タッチ感に近似した鍵タッチ感を得ることができる。また、戻り行程でクリック感が軽減されるため、第1実施形態と同様、ハンマーアーム5の復帰速度が従来のように遅くなることがなく、これに伴って鍵2の初期位置への復帰が早くなり、連打性が向上する。
【0037】
なお、上記第3実施形態では、ハンマーアーム5の突起部24がクリック感付与部材40の第1板ばね部43の自由端43aに当接するようにしたが、これに限らず、例えば図21に示す第1変形例のように、鍵2の後端部に突起部27を設け、この突起部27がクリック感付与部材40の第1板ばね部43の自由端43aに上下方向から当接して、第1板ばね部43を撓ませるようにしてもよい。この場合には、鍵盤シャーシ1の後端部1b上に支持部材28を設け、この支持部材28にクリック感付与部材40の取付体42を取り付ければ良い。このようにしても、第3実施形態と同様の作用効果があることは言うまでもない。
【0038】
また、上記第3実施形態では、クリック感付与部材40を鍵盤シャーシ1側に設けた場合について述べたが、これに限らず、例えば図22に示す第2変形例のように、クリック感付与部材40をハンマーアーム5の後端部に取り付け、鍵盤シャーシ1の後端部1bに第1板ばね部43の自由端43aに上下方向から当接して少なくとも第1板ばね部43を撓ませる突起部材31を設けた構成でも良い。この場合には、クリック感付与部材40を上下反転、つまり第1板ばね部43の下側に第2板ばね部44を配置させた状態で、ハンマーアーム5の後端部に取り付ければ良い。このようにしても、第3実施形態と同様の作用効果があることは言うまでもない。
【0039】
さらに、上記第2変形例に限らず、例えば図23に示す第3変形例のように、クリック感付与部材40を鍵2の後端部に取り付け、鍵盤シャーシ1の後端部1b上に支持部材28を設け、この支持部材28に第1板ばね部43の自由端43aに上下方向から当接して少なくとも第1板ばね部43を撓ませる突起部32を設けた構成でも良い。この場合にも、第2変形例と同様、クリック感付与部材40を上下反転させて鍵2の後端部に取り付ければ良い。このようにしても、第2変形例と同様の作用効果があることは言うまでもない。
【0040】
なおまた、上記第3実施形態では、第1、第2板ばね部43、44の各幅Dを同じ幅で形成したが、これに限らず、例えば図24に示す第4変形例のように、第2板ばね部44の幅Dbを第1板ばね部43の幅Daよりも大きく(Db>Da)して、第2板ばね部44の反発力を第1板ばね部43の反発力よりも大きく形成してもよく、また第2板ばね部44の板厚を第1板ばね43の板厚よりも厚くして、第2板ばね部44の反発力を第1板ばね部43の反発力よりも大きく形成してもよい。このようにすれば、行き行程と戻り行程とで、第1、第2板ばね部43、44による鍵荷重の差を第3実施形態のもよりも大きくすることができ、第3実施形態のものよりも、アコースティックピアノの鍵タッチ感に近似した鍵タッチ感を得ることができる。
【0041】
さらに、上記第3実施形態では、クリック感付与部材40の第1、第2板ばね部43、44が1枚の帯状板45を2つに折り曲げた構造になっているが、これに限らず、例えば図25に示す第5変形例のように、第1、第2板ばね部43、44をそれぞれ別々に形成して重ね合わせ、その両者の同一の一端部を取付体42に固定した構造であっても良い。このようにすれば、第1、第2板ばね部43、44をそれぞれ異なる材料で形成できるとともに、両者を自由な形状に形成することもでき、より一層、アコースティックピアノの鍵タッチ感に近似した鍵タッチ感を得ることができる。
【0042】
[第4実施形態]
次に、図26〜図29を参照して、この発明の鍵盤装置の第4実施形態について説明する。この場合にも、図1〜図5に示された第1実施形態と同一部分には同一符号を付し、その説明は省略する。
この鍵盤装置でも、クリック感付与部材46が第1実施形態と異なり、これ以外は第1実施形態と同じ構成になっている。このクリック感付与部材46は、図26に示すように、ハンマーアーム5の上限ストッパ9の後方(同図では右方)における鍵盤シャーシ1の後端部1bの上部内面にビス47によって取り付けられた取付体48を備えている。この取付体48には、図26および図27に示すように、取付凹部48aがハンマーアーム5側に開放されて設けられており、この取付凹部48a内には、ばね支持部49が設けられている。このばね支持部49には、板ばね(弾性体)50の一端部が軸49aにより上下方向に回動自在に取り付けられている。
【0043】
この板ばね50は、上下方向に撓み変形可能なものであり、図27に示すように、その自由端50aが取付凹部48a内からハンマーアーム5側に突出し、この突出した自由端50aにハンマーアーム5の突起部24が上下方向から当接するように構成されている。また、取付体48には、支点部51が板ばね50の自由端50a側における上方に位置して設けられており、また取付体48の取付凹部51は、板ばね50が上方に回動したときに当接して板ばね50の撓み変形を規制する。また、緩衝体52は、板ばね50を自由状態で所定位置に支持するためのものであり、スポンジやゴムなどの弾性材料からなり、板ばね50の反発力よりも小さく、例えば板ばね50を所定位置に支持する程度の弾力(反発力)に設定され、板ばね50によって押圧されると収縮変形する構造になっている。
【0044】
このような鍵盤装置では、従来例と同様、ハンマーアーム5の錘7の重量に抗して鍵2が押鍵されると、鍵2が軸4を中心に下方に回動するとともに、ハンマーアーム5がハンマー支持軸6を中心に図26において反時計方向に回動し、鍵2のスイッチ押圧部16がゴムスイッチ15を押圧する。この後、図28(a)に示すように、ハンマーアーム5の突起部24がクリック感付与部材46の板ばね50の自由端50aに下方から当接すると、図28(b)に示すように、板ばね50がばね支持部49の軸49aを中心に上方に回動して支点部51に当接し、これにより板ばね50が撓み、この撓み力に応じた反発力がハンマーアーム5を介して鍵2に付与される。これにより、図29のC点からD点に示すように、鍵荷重が急激に重くなる。そして、ハンマーアーム5の突起部24が板ばね50の自由端50aを乗り越えると、図29のD点からE点に示すように、鍵荷重が急激に軽くなる。これにより、鍵2に抜ける感じのクリック感を与えられる。この後、図28(c)に示すように、板ばね50はその反動および自重によりばね支持部49の軸49aを中心に下方に回動して元の状態に戻り、ハンマーアーム5の突起部24が上限ストッパ9に当接して、ハンマーアーム5および鍵2の回動が停止する。
【0045】
この後、ハンマーアーム5が錘7の重量により図26において時計方向に回動すると、これに伴って鍵2が上方に回動し、図28(d)に示すように、ハンマーアーム5の突起部24が再び板ばね50の自由端50aに上方から当接すると、この板ばね50がばね支持部49の軸49aを中心に下方に回動し、この板ばね50が緩衝体52を押圧して収縮変形させる。このときには、緩衝体52の反発力が板ばね50の反発力よりも小さいので、板ばね50は撓み変形することがなく、緩衝体52の収縮変形により板ばね50の反発力が吸収されることなり、板ばね50の反発力が鍵2に付与されない。このため、図29のF点からH点に示すように、鍵荷重が重くならない。そして、ハンマーアーム5の突起部24が板ばね50の自由端50aを乗り越えても、鍵2にクリック感が付与されることがない。なお、この後は、従来例と同様に、ハンマーアーム5および鍵2が回動して図26に示す初期位置に戻る。
【0046】
このように、この鍵盤装置では、クリック感付与部材46の板ばね50が押し上げられたときに支点部51に当接して撓み、板ばね50が押し下げられたときに緩衝体52に当接して緩衝体52を収縮変形させるので、行き行程では板ばね50がハンマーアーム5を介して鍵2に対し大きい反発力を付与し、戻り行程では板ばね50が撓み変形せずに緩衝体52が収縮変形するので、鍵2に対し反発力が付与されることがない。このため、押鍵時の行き行程では鍵2に抜ける感じの鍵タッチ感を付与することができ、戻り行程では鍵2に対するクリック感はほとんどないため、アコースティックピアノの鍵タッチ感に近似した鍵タッチ感を得ることができる。また、戻り行程でクリック感が軽減されるため、第1実施形態と同様、ハンマーアーム5の復帰速度が従来のように遅くなることがなく、これに伴って鍵2の初期位置への復帰が早くなり、連打性が向上する。
【0047】
なお、上記第4実施形態では、ハンマーアーム5の突起部24でクリック感付与部材46の板ばね50を上下方向に回動させるようにしたが、これに限らず、例えば図30に示す第1変形例のように、鍵2の後端部に突起部27を設け、この突起部27でクリック感付与部材46の板ばね50を上下方向に回動させるようにしてもよい。この場合には、鍵盤シャーシ1の後端部1b上に支持部材28を設け、この支持部材28にクリック感付与部材46の取付体48を取り付ければ良い。このようにしても、第4実施形態と同様の作用効果があることは言うまでもない。
【0048】
また、上記第4実施形態では、クリック感付与部材46を鍵盤シャーシ1側に設けた場合について述べたが、これに限らず、例えばクリック感付与部材46をハンマーアーム5の後端部に取り付け、鍵盤シャーシ1の後端部1bに板ばね50の自由端50aに当接して板ばね50を上下方向に回動させる突起部材31(図8参照)を設けた構成でも良く、またクリック感付与部材46を鍵2の後端部に取り付け、鍵盤シャーシ1の後端部1b上に支持部材28(図9参照)を設け、この支持部材28に板ばね50の自由端50aに当接して板ばね50を上下方向に撓ませる突起部32を設けた構成でも良い。いずれの場合にも、クリック感付与部材46を上下反転、つまり板ばね50の下側に支点部51が配置され、板ばね50の上方に緩衝体52を配置させた状態で、ハンマーアーム5の後端部に取り付ければ良く、また板ばね50が回動して取付凹部48a内で当接しなければ、必ずしも緩衝体52を設ける必要はない。このようにしても、第4実施形態とほぼ同様の作用効果があることは言うまでもない。
【0049】
[第5実施形態]
次に、図31〜図35を参照して、この発明の鍵盤装置の第5実施形態について説明する。この場合にも、図1〜図5に示された第1実施形態と同一部分には同一符号を付し、その説明は省略する。
この鍵盤装置でも、クリック感付与部材55が第1実施形態と異なり、これ以外は第1実施形態と同じ構成になっている。このクリック感付与部材55は、図31に示すように、ハンマーアーム5の上限ストッパ9の後方(同図では右方)における鍵盤シャーシ1の後端部1bの上部内面にビス56によって取り付けられた取付体57を備えている。この取付体57のハンマーアーム5側の左側面には、図32に示すように、取付凹部57aが設けられており、この取付凹部57a内には支持部58が設けられている。この支持部58には、回動板(回動体)59の一端部が軸58aにより上下方向に回動自在に取り付けられている。
【0050】
この回動板59は、板状に形成されており、その先端側の自由端59aが取付体57の取付凹部57a内からハンマーアーム5側に突出し、この突出した自由端59aにハンマーアーム5の突起部24が上下方向から当接するように構成されている。また、取付体57の取付凹部57a内には、第1弾性体60が回動板59の上側に位置して設けられているとともに、第2弾性体61が回動板59の下側に位置して設けられている。この場合、第1、第2弾性体60、61は、回動板59の上下方向への回動に応じて収縮変形するものであり、第1弾性体60の反発力が第2弾性体61の反発力よりも大きく設定されている。
【0051】
このような鍵盤装置でも、従来例と同様、ハンマーアーム5の錘7の重量に抗して鍵2が押鍵されると、鍵2が軸4を中心に下方に回動するとともに、ハンマーアーム5がハンマー支持軸6を中心に図31において反時計方向に回動して、鍵2のスイッチ押圧部16がゴムスイッチ15を押圧する。この後、図33(a)に示すように、ハンマーアーム5の突起部24がクリック感付与部材55の回動板59の自由端59aに下方から当接すると、図33(b)に示すように、回動板59が支持部58の軸58aを中心に上方に回動して上側の第1弾性体60に当接し、この第1弾性体60を回動板59が押圧して収縮変形させ、この圧縮変形力に応じた反発力がハンマーアーム5を介して鍵2に付与される。これにより、図35のC点からD点に示すように、鍵荷重が急激に重くなる。そして、ハンマーアーム5の突起部24が回動板59の自由端59aを乗り越えると、図35のD点からE点に示すように、鍵荷重が急激に軽くなり、これにより鍵2に抜ける感じのクリック感が与えられる。この後、図33(c)に示すように、回動板59はその反動および自重で支持部58の軸58aを中心に下方に回動して元の状態に戻り、ハンマーアーム5の突起部24が上限ストッパ9に当接して、ハンマーアーム5および鍵2の回動が停止する。
【0052】
この後、ハンマーアーム5が錘7の重量により図31において時計方向に回動すると、これに伴って鍵2が上方に回動し、図34(a)に示すように、ハンマーアーム5の突起部24が再び回動板59の自由端59aに上方から当接すると、この回動板59が支持部58の軸58aを中心に下方に回動し、この回動板59が第2弾性体61を押圧して圧縮変形させる。このときには、第2弾性体61の反発力が第1弾性体60の反発力よりも小さいので、第2弾性体61の反発力がハンマーアーム5を介して鍵2にほとんど付与されることがない。このため、図35のF点からH点に示すように、鍵荷重が重くならない。そして、ハンマーアーム5の突起部24が回動板59の自由端59aを乗り越えるときに、鍵2にほとんどクリック感が付与されない。なお、この後は、従来例と同様に、ハンマーアーム5および鍵2が回動して図31に示す初期位置に戻る。
【0053】
このように、この鍵盤装置では、回動板59が押し上げられたときにクリック感付与部材55の第1弾性体60を収縮変形させ、回動板59が押し下げられたときに第2弾性体61を収縮変形させるが、第1弾性体60の反発力が第2弾性体61の反発力よりも大きく設定されているので、行き行程では第1弾性体60がハンマーアーム5を介して鍵2に大きい反発力を付与し、戻り行程では第2弾性体61がハンマーアーム5を介して鍵2に小さい反発力を付与することになり、このため押鍵時の行き行程では鍵2に抜ける感じの鍵タッチ感を付与することができ、戻り行程では鍵2に対するクリック感が大幅に軽減されるため、アコースティックピアノの鍵タッチ感に近似した鍵タッチ感を得ることができる。この場合にも、戻り行程でクリック感が軽減されるため、第1実施形態と同様、ハンマーアーム5の復帰速度が従来のように遅くなることがなく、これに伴って鍵2の初期位置への復帰が早くなり、連打性が向上する。
【0054】
なお、上記第5実施形態では、ハンマーアーム5の突起部24でクリック感付与部材55の回動板59を上下方向に回動させるようにしたが、これに限らず、例えば図36に示す第1変形例のように、鍵2の後端部に突起部27を設け、この突起部27でクリック感付与部材55の回動板59を上下方向に回動させるようにしてもよい。この場合には、鍵盤シャーシ1の後端部1b上に支持部材28を設け、この支持部材28にクリック感付与部材55の取付体57を取り付ければ良い。このようにしても、第5実施形態と同様の作用効果があることは言うまでもない。
【0055】
また、上記第5実施形態では、クリック感付与部材55を鍵盤シャーシ1側に設けた場合について述べたが、これに限らず、例えば図37に示す第2変形例のように、クリック感付与部材55をハンマーアーム5の後端部に取り付け、鍵盤シャーシ1の後端部1bに回動板59の自由端59aに当接して回動板59を上下方向に回動させる突起部材31を設けた構成でも良い。この場合には、クリック感付与部材55を上下反転、つまり回動板59の下側に第1弾性体60を配置し、回動板59の上方に第2弾性体61を配置させた状態で、ハンマーアーム5の後端部に取り付ければ良い。このようにしても、第5実施形態とほぼ同様の作用効果があることは言うまでもない。
【0056】
さらに、上記第2変形例に限らず、例えば図38に示す第3変形例のように、クリック感付与部材55を鍵2の後端部に取り付け、鍵盤シャーシ1の後端部1b上に支持部材28を設け、この支持部材28に回動板59の自由端59aに当接して回動板59を上下方向に回動させる突起部32を設けた構成でも良い。この場合にも、第2変形例と同様、クリック感付与部材55を上下反転させて鍵2の後端部に取り付ければ良い。このようにしても、第2変形例と同様の作用効果があることは言うまでもない。
【0057】
以上説明したように、請求項1及び2記載の発明によれば、押鍵時に鍵が下方に回動する行き行程では、クリック感付与部材の弾性体が支点部に当接して弾性体の撓み変形が規制され、また鍵が上方に回動する戻り行程では、クリック感付与部材の弾性体が支点部から離間して弾性体の撓み変形が支点部によって規制されないため、行き行程では弾性体が鍵に対し大きい反発力を付与し、戻り行程では弾性体が鍵に対し小さい反発力を付与することになり、これにより押鍵時の行き行程で鍵に抜ける感じの鍵タッチ感を付与することができ、戻り行程では鍵に対するクリック感が大幅に軽減されるため、アコースティックピアノの鍵タッチ感に近似した鍵タッチ感を得ることができる。
【0059】
請求項3及び4記載の発明によれば、押鍵時に鍵が下方に回動する行き行程では、第1、第2弾性体の両者が重なり合った状態で撓み変形し、鍵が上方に回動する戻り行程では、第1、第2弾性体のいずれか一方のみが撓み変形するので、行き行程では鍵に対し大きい反発力が付与され、戻り行程では鍵に対し小さい反発力が付与されることになり、これにより押鍵時の行き行程で鍵に抜ける感じの鍵タッチ感を付与することができ、戻り行程では鍵に対するクリック感が大幅に軽減されるため、アコースティックピアノの鍵タッチ感に近似した鍵タッチ感を得ることができる。
【0060】
請求項5及び6記載の発明によれば、押鍵時に鍵が下方に回動する行き行程では、弾性体が回動して支点部に当接し、この支点部によって弾性体の撓み変形が規制され、鍵が上方に回動する戻り行程では、弾性体が逆方向に回動して弾性体よりも反発力の小さい緩衝体に当接し、弾性体が弾性変形せずに緩衝体のみを弾性変形させるので、行き行程では鍵に対し大きい反発力が付与され、戻り行程では鍵に対し小さい反発力が付与されることになり、これにより押鍵時の行き行程で鍵に抜ける感じの鍵タッチ感を付与することができ、戻り行程では鍵に対するクリック感が大幅に軽減されるため、アコースティックピアノの鍵タッチ感に近似した鍵タッチ感を得ることができる。
【0061】
請求項7及び8記載の発明によれば、押鍵時に鍵が下方に回動する行き行程では、回動体が第1弾性体に当接して、第2弾性体よりも反発力の大きい第1弾性体を弾性変形させ、鍵が上方に回動する戻り行程では、回動体が第2弾性体に当接して、第1弾性体よりも反発力の小さい第2弾性体を弾性変形させるので、行き行程では鍵に対し大きい反発力が付与され、戻り行程では鍵に対し小さい反発力が付与されることになり、これにより押鍵時の行き行程で鍵に抜ける感じの鍵タッチ感を付与することができ、戻り行程では鍵に対するクリック感が大幅に軽減されるため、アコースティックピアノの鍵タッチ感に近似した鍵タッチ感を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の鍵盤装置の第1実施形態を示した断面図。
【図2】図1のクリック感付与部材を示し、(a)はその拡大断面図、(b)はその板ばねの撓み変形を原理的に説明するための図。
【図3】図1の鍵を押鍵して鍵が下方に回動する行き行程におけるクリック感付与部材の動作状態を示し、(a)はハンマーアームの突起部が板ばねの自由端に下方から当接した状態を示した図、(b)はハンマーアームの突起部が板ばねを押し上げた状態を示した図、(c)はハンマーアームの突起部が板ばねを乗り越えた状態を示した図。
【図4】図1の鍵が上方に回動する戻り行程におけるクリック感付与部材の動作状態を示し、(a)はハンマーアームの突起部が板ばねの自由端に上方から当接した状態を示した図、(b)はハンマーアームの突起部が板ばねを押し下げた状態を示した図。
【図5】図1の鍵盤装置における鍵ストロークに対する鍵荷重の特性を示した図。
【図6】第1実施形態の第1変形例を示した図。
【図7】第1実施形態の第2変形例を示した図。
【図8】第1実施形態の第3変形例を示した図。
【図9】第1実施形態の第4変形例を示した図。
【図10】この発明の鍵盤装置の第2実施形態を示した断面図。
【図11】図10のクリック感付与部材を示した拡大断面図。
【図12】図10の鍵を押鍵したときのクリック感付与部材の動作状態を示し、(a)は鍵が下方に回動する行き行程においてハンマーアームの突起部が板ばねの自由端に下方から当接した状態を示した図、(b)はハンマーアームの突起部が板ばねを押し上げた状態を示した図、(c)はハンマーアームの突起部が板ばねを乗り越えた状態を示した図、(d)は鍵が上方に回動する戻り行程においてハンマーアームの突起部が板ばねの自由端に上方から当接して板ばねを押し下げる状態を示した図。
【図13】図10の第2実施形態における鍵盤装置の鍵ストロークに対する鍵荷重の特性を示した図。
【図14】第2実施形態の第1変形例を示した図。
【図15】第2実施形態の第2変形例を示した図。
【図16】第2実施形態の第3変形例を示した図。
【図17】この発明の鍵盤装置の第3実施形態を示した断面図。
【図18】図17のクリック感付与部材を示し、(a)はその拡大断面図、(b)はその分解斜視図。
【図19】図17の鍵を押鍵したときのクリック感付与部材の動作状態を示し、(a)は鍵が下方に回動する行き行程においてハンマーアームの突起部が第1板ばね部の自由端に下方から当接した状態を示した図、(b)はハンマーアームの突起部が第1、第2板ばね部を押し上げた状態を示した図、(c)は鍵が上方に回動する戻り行程においてハンマーアームの突起部が第1板ばね部の自由端に上方から当接して第1板ばね部を押し下げた状態を示した図。
【図20】図17の第3実施形態における鍵盤装置の鍵ストロークに対する鍵荷重の特性を示した図。
【図21】第3実施形態の第1変形例を示した図。
【図22】第3実施形態の第2変形例を示した図。
【図23】第3実施形態の第3変形例を示した図。
【図24】第3実施形態の第4変形例を示した図。
【図25】第3実施形態の第5変形例を示した図。
【図26】この発明の鍵盤装置の第4実施形態を示した断面図。
【図27】図26のクリック感付与部材を示した拡大断面図。
【図28】図26の鍵を押鍵したときのクリック感付与部材の動作状態を示し、(a)は鍵が下方に回動する行き行程においてハンマーアームの突起部が板ばねの自由端に下方から当接した状態を示した図、(b)はハンマーアームの突起部が板ばねを押し上げた状態を示した図、(c)はハンマーアームの突起部が板ばねを乗り越えた状態を示した図、(d)は鍵が上方に回動する戻り行程においてハンマーアームの突起部が板ばねの自由端に上方から当接して板ばねを押し下げた状態を示した図。
【図29】図26の第4実施形態における鍵盤装置の鍵ストロークに対する鍵荷重の特性を示した図。
【図30】第4実施形態の第1変形例を示した図。
【図31】この発明の鍵盤装置の第5実施形態を示した断面図。
【図32】図31のクリック感付与部材を示した拡大断面図。
【図33】図31の鍵を押鍵したときに鍵が下方に回動する行き行程におけるクリック感付与部材の動作状態を示し、(a)はハンマーアームの突起部が回動板の自由端に下方から当接した状態を示した図、(b)はハンマーアームの突起部が回動板を押し上げた状態を示した図、(c)はハンマーアームの突起部が回動板の自由端を乗り越えた状態を示した図。
【図34】図31の鍵が上方に回動する戻り行程におけるクリック感付与部材の動作状態を示し、(a)はハンマーアームの突起部が回動板の自由端に上方から当接した状態を示した図、(b)はハンマーアームの突起部が回動板を押し下げた状態を示した図。
【図35】図26の第4実施形態における鍵盤装置の鍵ストロークに対する鍵荷重の特性を示した図。
【図36】第5実施形態の第1変形例を示した図。
【図37】第5実施形態の第2変形例を示した図。
【図38】第5実施形態の第3変形例を示した図。
【図39】従来の鍵盤装置を示した断面図。
【図40】図39の従来のクリック感付与部材を示した拡大断面図。
【図41】図39の従来の鍵盤装置の鍵ストロークに対する鍵荷重の特性を示した図。
【符号の説明】
1 鍵盤シャーシ
2 鍵
3 鍵支持部
4 軸
5 ハンマーアーム
20、30、35、40、46、55 クリック感付与部材
23、38、50 板ばね
23a、38a、43a、50a、59a 自由端
24 ハンマーアームの突起部
25 第1支点部
26 第2支点部
31 突起部材
32 突起部
43 第1板ばね部
44 第2板ばね部
51 支点部
52 緩衝体
59 回動板
60 第1弾性体
61 第2弾性体

Claims (8)

  1. 鍵盤シャーシと、この鍵盤シャーシ上に上下方向に回動可能に設けられた複数の鍵と、一端部が前記鍵盤シャーシに固定されて上下方向に撓み変形する弾性体を有するとともに前記鍵の上方あるいは下方への回動に伴い前記鍵の一部、または前記鍵の押鍵動作に伴って回動変位して前記鍵にアクション荷重を付与するためのハンマーアームの一部が前記弾性体の自由端に当接した後に当該弾性体を乗り越える際に生じる抵抗によりクリック感を付与するクリック感付与部材を備え、
    前記クリック感付与部材は、押鍵時に前記鍵が下方に回動する行き行程で前記弾性体が当接して前記弾性体の撓み変形を規制するとともに前記鍵が上方に回動する戻り行程で前記弾性体が離間する第1の支点部及び前記鍵が上方に回動する戻り行程で前記弾性体が当接して前記弾性体の撓み変形を規制するとともに前記鍵の行き行程で前記弾性体が離間する第2の支点部をさらに有し、前記支点部が前記弾性体の自由端側に位置し、前記他の支点部が前記弾性体の固定端側に位置することを特徴とする鍵盤装置。
  2. 鍵盤シャーシと、この鍵盤シャーシ上に上下方向に回動可能に設けられた複数の鍵と、一端部が前記鍵、または前記鍵の押鍵動作に伴って回動変位して前記鍵にアクション荷重を付与するためのハンマーアームに固定されて上下方向に撓み変形する弾性体を有するとともに前記鍵の上方あるいは下方への回動に伴い前記鍵盤シャーシの一部に前記弾性体の自由端が当接した後に当該弾性体を乗り越える際に生じる抵抗によりクリック感を付与するクリック感付与部材を備え、
    前記クリック感付与部材は、押鍵時に前記鍵が下方に回動する行き行程で前記弾性体が当接して前記弾性体の撓み変形を規制するとともに前記鍵が上方に回動する戻り行程で前記弾性体が離間する第1の支点部及び前記鍵が上方に回動する戻り行程で前記弾性体が当接して前記弾性体の撓み変形を規制するとともに前記鍵の行き行程で前記弾性体が離間する第2の支点部をさらに有し、前記支点部が前記弾性体の自由端側に位置し、前記他の支点部が前記弾性体の固定端側に位置することを特徴とする鍵盤装置。
  3. 鍵盤シャーシと、この鍵盤シャーシ上に上下方向に回動可能に設けられた複数の鍵と、相互に重ね合わされた状態で前記鍵盤シャーシに一端部が固定されて上下方向に撓み変形する第1、第2弾性体を有するとともに前記鍵の上方あるいは下方への回動に伴い前記鍵の一部、または前記鍵の押鍵動作に伴って回動変位して前記鍵にアクション荷重を付与するためのハンマーアームの一部に前記第1、第2弾性体の自由端が当接した後に当該弾性体を乗り越える際に生じる抵抗によりクリック感を付与するクリック感付与部材を備え、
    前記クリック感付与部材は、押鍵時に前記鍵が下方に回動する行き行程で前記第1、第2弾性体の両者が重なり合った状態で撓み変形し、前記鍵が上方に回動する戻り行程で前記第1、第2弾性体のいずれか一方のみが撓み変形することを特徴とする鍵盤装置。
  4. 鍵盤シャーシと、この鍵盤シャーシ上に上下方向に回動可能に設けられた複数の鍵と、相互に重ね合わされた状態で前記鍵、または前記鍵の押鍵動作に伴って回動変位して前記鍵にアクション荷重を付与するためのハンマーアームに一端部が固定されて上下方向に撓み変形する第1、第2弾性体を有するとともに前記鍵の上方あるいは下方への回動に伴い前記鍵盤シャーシの一部に前記第1、第2弾性体の自由端が当接した後に当該弾性体を乗り越える際に生じる抵抗によりクリック感を付与するクリック感付与部材を備え、
    前記クリック感付与部材は、押鍵時に前記鍵が下方に回動する行き行程で前記第1、第2弾性体の両者が重なり合った状態で撓み変形し、前記鍵が上方に回動する戻り行程で前記第1、第2弾性体のいずれか一方のみが撓み変形することを特徴とする鍵盤装置。
  5. 鍵盤シャーシと、この鍵盤シャーシ上に上下方向に回動可能に設けられた複数の鍵と、一端部が前記鍵盤シャーシに固定されて上下方向に撓み変形可能な弾性体を有し、前記鍵 の上方あるいは下方への回動に伴い前記鍵の一部、または前記鍵の押鍵動作に伴って回動変位して前記鍵にアクション荷重を付与するためのハンマーアームの一部が自由端に当接した後に当該弾性体を乗り越える際に生じる抵抗によりクリック感を付与するクリック感付与部材とを備え、
    前記クリック感付与部材は、押鍵時に前記鍵が下方に回動する行き行程で前記弾性体が回動して当接することにより前記弾性体を撓み変形させる支点部と、前記鍵が上方に回動する戻り行程で前記弾性体が逆方向に回動して当接することにより弾性変形する緩衝体とを有し、この緩衝体の反発力が前記弾性体の反発力よりも小さく設定されていることを特徴とする鍵盤装置。
  6. 鍵盤シャーシと、この鍵盤シャーシ上に上下方向に回動可能に設けられた複数の鍵と、一端部が前記鍵、または前記鍵の押鍵動作に伴って回動変位して前記鍵にアクション荷重を付与するためのハンマーアームに固定されて上下方向に撓み変形可能である弾性体を有し、前記鍵の上方あるいは下方への回動に伴い前記鍵盤シャーシの一部が自由端に当接した後に当該弾性体を乗り越える際に生じる抵抗によりクリック感を付与するクリック感付与部材とを備え、
    前記クリック感付与部材は、押鍵時に前記鍵が下方に回動する行き行程で前記弾性体が回動して当接することにより前記弾性体を撓み変形させる支点部と、前記鍵が上方に回動する戻り行程で前記弾性体が逆方向に回動して当接することにより弾性変形する緩衝体とをさらに有し、この緩衝体の反発力が前記弾性体の反発力よりも小さく設定されていることを特徴とする鍵盤装置。
  7. 鍵盤シャーシと、この鍵盤シャーシ上に上下方向に回動可能に設けられた複数の鍵と、一端部が前記鍵盤シャーシに上下方向に回動可能に取り付けられる回動体を有し、前記鍵の上方あるいは下方への回動に伴い前記鍵の一部、または前記鍵の押鍵動作に伴って回動変位して前記鍵にアクション荷重を付与するためのハンマーアームの一部が自由端に当接した後に当該回動体を乗り越える際に生じる抵抗によりクリック感を付与するクリック感付与部材とを備え、
    前記クリック感付与部材は、押鍵時に前記鍵が下方に回動する行き行程で前記回動体が当接して弾性変形する第1弾性体と、前記鍵が上方に回動する戻り行程で前記回動体が当接して弾性変形する第2弾性体とをさらに有し、前記第1弾性体の反発力が前記第2弾性体の反発力よりも大きいことを特徴とする鍵盤装置。
  8. 鍵盤シャーシと、この鍵盤シャーシ上に上下方向に回動可能に設けられた複数の鍵と、端部が前記前記鍵の上方あるいは下方への回動に伴い鍵、または前記鍵の押鍵動作に伴って回動変位して前記鍵にアクション荷重を付与するためのハンマーアームに上下方向に回動可能に取り付けられた回動体を有し、前記鍵の上方あるいは下方への回動に伴い前記鍵盤シャーシの一部に自由端が当接した後に当該回動体を乗り越える際に生じる抵抗によりクリック感を付与する回動体と、感付与部材とを備え、
    前記クリック感付与部材は、押鍵時に前記鍵が下方に回動する行き行程で前記回動体が当接して弾性変形する第1弾性体と、前記鍵が上方に回動する戻り行程で前記回動体が当接して弾性変形する第2弾性体とを有し、前記第1弾性体の反発力が前記第2弾性体の反発力よりも大きいことを特徴とする鍵盤装置。
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