JPH11212572A - 鍵盤装置の駆動部構造 - Google Patents
鍵盤装置の駆動部構造Info
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- JPH11212572A JPH11212572A JP10030526A JP3052698A JPH11212572A JP H11212572 A JPH11212572 A JP H11212572A JP 10030526 A JP10030526 A JP 10030526A JP 3052698 A JP3052698 A JP 3052698A JP H11212572 A JPH11212572 A JP H11212572A
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Abstract
に設定することができる鍵盤装置の駆動部構造を提供す
る。 【解決手段】 スイッチ部3は摺接面3a1を有しスイ
ッチ回動軸P3を中心に回動自在に構成され、ハンマ2
はスイッチ駆動部2eを有しハンマ回動軸P2を中心に
回動自在に構成される。スイッチ駆動部2eはその先端
面2e’が断面凸曲面状の半円筒状に形成されている。
先端面2e’の最小曲率は1/RHに設定され、摺接面
3a1の曲率はそれより小さい値1/RS(曲率0)に
それぞれ設定されている。これにより、L2/L1(拡
大比EXP)が鍵位置ST1〜STFに亘ってほぼ線形
な特性をもって減少し、押鍵抵抗が変化する。
Description
エータ)及び被駆動体からなる鍵盤装置の駆動部構造に
関する。
エータ)及び該アクチュエータによって駆動される被駆
動体からなる駆動部が種々設けられている。例えば、電
子鍵盤楽器では、鍵とその押鍵動作を検出可能な鍵スイ
ッチ部を設け、押鍵動作によって上記鍵スイッチ部を直
接的または間接的に駆動するように構成した駆動部構造
を備えたものが一般に知られている。この場合、鍵と鍵
スイッチ部を1つの駆動部とみなせば、鍵がアクチュエ
ータで、鍵スイッチ部が被駆動体である。
部で検出した押鍵動作に基づいてグランドピアノやパイ
プオルガン等のアコースティク楽器の音を電気的に再現
するものも知られており、押鍵感触をも本物の押鍵感触
に近づける工夫がなされたものが多い。例えば質量部材
を利用して押鍵動作に適当な慣性を与えることにより、
グランドピアノのような押鍵感触を得るようにした鍵盤
楽器が知られている。
装置の駆動部構造を備えた電子鍵盤楽器における押鍵抵
抗を示す図である。同図において横軸は押鍵行程におけ
る鍵位置ST”を示し、縦軸は鍵を通して指に伝わる荷
重(押鍵抵抗FK”)を示す。横軸のST0”は押鍵開
始位置(鍵の押鍵上限位置、鍵の非押鍵位置でもある)
を表し、ST1”は鍵(の不図示のアクチュエータ部)
がスイッチ部に当接した時点における鍵位置を示す。S
TF”はフルストローク(押鍵下限位置)を表す。この
電子鍵盤楽器では、鍵位置ST0”〜ST1”間では、
質量部材を利用したことにより押鍵抵抗FK”の特性が
一般のグランドピアノにおける押鍵抵抗(特に行きの行
程)のものと近似しており、ある程度本物に近い押鍵感
触を得ることができる。
アコースティック楽器の押鍵感触を完全に再現するのは
困難である。例えば、グランドピアノの場合は、押鍵行
程において、ジャックの回動やジャックとローラーパッ
ト間の摩擦力の発生等によって複雑に変化しつつ、押鍵
抵抗が概して右上がりに推移して、押鍵下限位置近傍で
上昇する。このような押鍵抵抗の変化の特性は楽器の種
類によって異なるが、押鍵感触の再現のためだけに押鍵
に関する部分を本物と同様に構成するのは現実的ではな
い。
ッチ部が備えられるが、通常、この鍵スイッチ部はラバ
ー等の可撓性部材で構成され、その材料特性が押鍵抵抗
に影響を与える。
イッチ部を備えた従来の鍵盤装置の駆動部構造の一部を
示す断面図である。同図(a)は押鍵行程初期を示し、
同図(b)は押鍵行程終期を示す。
樹脂から成る弾性体で形成され、その膨出部103aが
回転支点P3’を中心として回動自在に構成されてい
る。アクチュエータ102は例えば押鍵動作によって駆
動される鍵(あるいは鍵を介して駆動されるもの)であ
り、回動支点P2’を中心として回動自在に構成されて
いる。アクチュエータ102は、スイッチ部103の膨
出部103aと当接点Q’で当接してスイッチ部103
を駆動する。回動支点P2’及び当接点Q’間の距離L
1’、回転支点P3’ 及び当接点Q’間の距離L2’
は、共に押鍵行程初期(同図(a))から終期((同図
b))においてほとんど変化しない。
出部103aのスカート部103aが撓んで(膨出部1
03aが座屈して)、各可動接点SW’が各固定接点F
S’にそれぞれ当接することにより押鍵動作が検出され
る。その際、膨出部103aが撓むにつれて反力が発生
する一方、上記のように距離L1’、L2’がほぼ一定
であるから、押鍵抵抗FK”の変化の特性は膨出部10
3aの反力に依存する。その結果、押鍵抵抗FK”は図
12に示すように、鍵位置ST1”を過ぎると一旦上昇
し、鍵位置STF”に到達する直前に低下して(同図Z
部)、そのまま鍵位置STF”に到達し急激に上昇する
というような特性を示す。すなわち、押鍵抵抗FK”が
低い状態で、押鍵下限位置を規制するための下限ストッ
パ(図示せず)に鍵が当接するため、そのときの振動が
駆動部を介して指に伝わる。このような押鍵抵抗の特性
に基づく押鍵感触は、グランドピアノ本来の良好な押鍵
感触(吸い付く感じ)とは異質であり、奏者には特にア
フタタッチが悪いと感じられる(プルプルする感じ)と
いわれる。
特にアフタタッチの感触がスイッチ部の部材特性(座屈
強さや反力等)に依存するのが通常であるため、アコー
スティック楽器のリアルな押鍵感触を再現するのは容易
ではなかった。押鍵感触は押鍵行程における押鍵抵抗、
すなわち鍵に加わる駆動抵抗の変化の特性に依存する
が、このほかの駆動部においても、駆動抵抗の変化の特
性を自由に設定できれば都合がよい場合もある。
めになされたものであり、その目的は、簡単な構成で、
駆動抵抗の変化の特性を任意に設定することができる鍵
盤装置の駆動部構造を提供することにある。
に本発明の請求項1の鍵盤装置の駆動部構造は、第1の
回転支点を中心に回動自在な被駆動体と、第2の回転支
点を中心に回動自在で、前記被駆動体に当接して該被駆
動体を回動駆動可能なアクチュエータとを備え、前記被
駆動体の前記アクチュエータに当接する面及び前記アク
チュエータの前記被駆動体に当接する面の一方の面は凸
曲面状に形成され、且つ他方の面の曲率は前記一方の面
の最小曲率より小さいことを特徴とする。
体と当接して被駆動体が駆動される。その際、被駆動体
のアクチュエータに当接する面及びアクチュエータの被
駆動体に当接する面の一方の面は凸曲面状に形成され、
且つ他方の面の曲率は前記一方の面の最小曲率より小さ
くしたことにより、前記一方の面と前記他方の面とが当
接する点の位置が被駆動体の回動行程において変化し得
るので、被駆動体を駆動するために駆動体が発生すべき
回転モーメントを変化させることができる。
な条件を満たしつつ可変に設定すれば、上記回転モーメ
ントの変化の仕方を任意に設定することができる。よっ
て、簡単な構成で、駆動抵抗の変化の特性を任意に設定
することができる。例えば、駆動部構造を押鍵動作に関
する部分に適用すれば、グランドピアノやパイプオルガ
ン等の各種鍵盤楽器の押鍵感触を擬似的に実現すること
ができる等、押鍵感触の設定の自由度を向上することが
できる。
前記被駆動体とが当接する当接点の移動量が前記第1の
回転支点から前記第2の回転支点までの距離に対して所
定割合以上となるように前記一方の面及び前記他方の面
の各曲率が設定される(請求項2)。
に駆動体が発生すべき回転モーメントを被駆動体の回動
に伴い十分に変化させることができ、十分な駆動抵抗の
変化を得ることができる。
るのが望ましい(請求項3)。
被駆動体の回動行程に対して線形にすることができる。
例えば、駆動部を押鍵動作及び押鍵検出に関する部分に
適用すれば、押鍵感触の自由な設定が容易になる。
により前記アクチュエータが回動するように構成すると
共に、前記被駆動体は前記スイッチ基板に当接して押鍵
動作を検出する鍵スイッチを備えるようにしてもよい
(請求項4)。
被駆動体の回動行程において任意に設定することがで
き、押鍵感触を自由に設定することができる。また、鍵
スイッチを複数備え、キーベロシティを検出するように
した場合にも、キーベロシティの検出精度の向上により
押鍵感触の向上につながる。
を参照して説明する。
1の実施の形態に係る鍵盤装置の駆動部構造の構成を示
す斜視図である。本実施の形態の駆動部構造は、鍵1
(白鍵)、押鍵動作に適当な慣性を与えてアコースティ
ックピアノのような押鍵感触を得るためのハンマ2(ア
クチュエータ)、押鍵動作を検出するためのスイッチ部
3(被駆動体)及び支持部材9から成る駆動部と該駆動
部全体を支持するシャーシ4とから主に構成される。な
お、黒鍵についても鍵1と同様に構成され、シャーシ4
に回動自在に支持されて成る。
スイッチ部3は、それぞれの回動軸、すなわち鍵回動軸
P1、ハンマ回動軸P2(第2の回転支点)、スイッチ
回動軸P3(第1の回転支点)(図2も参照)を中心と
して上下方向に回動可能に構成されている。鍵1はハン
マ2を駆動可能に構成され、ハンマ2はスイッチ部3を
駆動可能に構成されている。
及びスイッチ部3が回動する。その際、鍵1とハンマ2
との関係では、鍵1がアクチュエータ(駆動体)でハン
マ2が被駆動体といえ、ハンマ2とスイッチ部3との関
係では、ハンマ2がアクチュエータでスイッチ部3が被
駆動体といえる。
断面図である。図2は非押鍵状態(鍵1が押鍵行程の上
限位置にある状態)を示し、図3は押鍵状態(鍵1が押
鍵行程の下限位置にある状態)を示す。
部1aが突設されている。一方、シャーシ4のシャーシ
水平部4aの後部には鍵支持部5が設けられている。鍵
支持部5の鍵支点部1aに対向する部分には、各鍵支点
部1aに対応して凹部5aが設けられている(図1)。
鍵支点部1aが鍵支持部5の凹部5aと係合して、鍵1
が鍵支点部1a(鍵回動軸P1)を中心として上下方向
に回動自在にされている。
部1bが設けられている。ハンマ駆動部1bの下端部に
はウレタンゴム製等の緩衝材13が取り付けられてい
る。緩衝材13は、ハンマ2の上側延設部2c及び下側
延設部2b間に挟入され、鍵1の押鍵動作をハンマ2に
伝達すると共に、ハンマ2の復帰動作を鍵1に伝達す
る。
緩衝材13はその上端部がハンマ2の上側延設部2cと
常に当接して動作の伝達を確実にしている。
ーシ4の前部4bとがリブ12により連結されて補強さ
れている。シャーシ前部4bには鍵1の並び方向の回動
を規制するためのキーガイド6が各鍵1毎に突設されて
いる。シャーシ4の後部下方には、シャーシ保持部4c
が設けられている。シャーシ保持部4cは、シャーシ4
を保持すると共に、ハンマ2のシャーシ4への装着後に
ハンマ2が脱落しないようにその抜け止めとしての機能
を果たす。
シャーシ4に設けられた支持部材9のハンマ支持部9a
(ハンマ回動軸P2;回転支点)を中心として上下方向
に回動自在にハンマ支点部2aにて支持されている。ま
た、ハンマ支点部2a近傍から鍵1の後部に亘ってフォ
ーク形状のバネ7が懸架されている。このバネ7は、鍵
1を鍵支持部5に押しつけると共に、ハンマ2を支持部
材9のハンマ支持部9aに押しつけ、鍵1及びハンマ2
がシャーシ4から容易に脱落しないようにしている。
下側延設部2bにて鍵1を上方に常に付勢している。な
お、上述したように、鍵1の復帰力はバネ7から付与さ
れるのではなく、ハンマ2の復帰力によるものである。
ハンマ2は、下部にスイッチ部3を駆動するためのスイ
ッチ駆動部2eを有する。スイッチ駆動部2eの断面形
状は後述する。
びシャーシ保持部4cにはそれぞれ、フェルト等の上側
ストッパ10及び下側ストッパ11が設けられている。
上側ストッパ10は押鍵時にハンマ2の質量部材2fと
当接して鍵1の下限位置を規制し、下側ストッパ11は
非押鍵時にハンマ2の質量部材2fと当接して鍵1の上
限位置を規制する。
り付けられ、スイッチ基板8上にはスイッチ部3が設け
られている。スイッチ部3は、ハンマ2のスイッチ駆動
部2eに対向して各ハンマ2毎に設けられている。
図1のV-V線に沿う断面図である。
時間差タイプの2メイク式タッチレスポンススイッチで
あり、固定部FS及び可動部MSから成る。固定部FS
は、スイッチ基板8の上面に施された櫛歯状パターンで
ある固定接点F1、F2から成る。可動部MSは、弾性
膨出部3a、ベース3b及びヒンジ部3cから成る。膨
出部3aには第1、第2メイク用の可動接点3a2、3
a3(鍵スイッチ)が固定接点F1、F2にそれぞれ対
向して設けられている。
3c(スイッチ回動軸P3;回転支点)を中心として上
下方向に回動自在になっている。押鍵動作に伴いハンマ
2が回動すると、ハンマ2のスイッチ駆動部2eがスイ
ッチ部3の摺接面3a1(他方の面)と当接摺動して膨
出部3aが回動する。膨出部3aが下方に回動すると、
まず可動接点3a2が固定接点F1と当接し、次いで可
動接点3a3が固定接点F2と当接して、鍵1のキーオ
ン及びキーベロシティ等が検出される。なお、本鍵盤装
置は、検出されたキーオン信号等に基づいてグランドピ
アノ等の楽音を電気的に再現し発生させる機能を有する
(図示せず)。
成されており、摺接面3a1を含む面SF2内にヒンジ
部3cが存在している。このような設定により、ハンマ
2の場合と同様に、スイッチ回動軸P3から上記面SF
2までの最短距離は0となる。従って、押鍵動作時にハ
ンマ2のスイッチ駆動部2eとスイッチ部3の摺接面3
a1との摺動により摩擦力が発生するが、理論的には、
その摩擦力が駆動される側のスイッチ部3に回転モーメ
ントとして作用することが回避される。
端面2e’(一方の面)が断面凸曲面状の半円筒状に形
成されている。具体的には、本実施の形態では、先端面
2e’、摺接面3a1の各曲率半径をそれぞれRH、R
Sと表すと、スイッチ駆動部2eの先端面2e’の最小
曲率が1/RHに設定され、スイッチ部3の摺接面3a
1の曲率がそれより小さい値1/RS(ここでは摺接面
3a1が平面状でありRSは無限大であるから曲率は
0)に設定されている。なお、このような設定に限ら
ず、スイッチ駆動部2eの先端面2e’及びスイッチ部
3の摺接面3a1は、いずれか一方の面を断面凸曲面状
とした場合に他方の面の曲率が前記一方の面の最小曲率
より小さいという関係になるように構成すればよい。
る様子を示す図である。同図(a)は押鍵初期(ハンマ
2のスイッチ駆動部2eがスイッチ部3の摺接面3a1
に当接した時点)の状態を示し、同図(b)は押鍵途中
(可動接点3a2が固定接点F1に当接した時点)の状
態を示し、同図(c)は押鍵終期、すなわち可動接点3
a3が固定接点F2に当接してさらにフルストローク
(押鍵下限)まで押鍵された時点の状態を示す。
部3の摺接面3a1とが当接する当接点Qからハンマ回
動軸P2までの距離をL1、当接点Qからスイッチ回動
軸P3までの距離をL2とすると、上記のような設定に
より、当接点Qの位置が押鍵行程において徐々に変化す
ることから、図5(a)〜(c)に示すように、距離L
1に対する距離L2の比L2/L1(以下「拡大比EX
P」と称する)も徐々に変化する。
る。同図において、横軸は押鍵行程における鍵位置ST
を示し、縦軸は拡大比EXPを示す。横軸のST0は押
鍵開始位置(鍵の非押鍵時位置)を表し、ST1はハン
マ2がスイッチ部3に当接した時点の鍵位置を示す(図
5(a)に対応)。STFはフルストローク(押鍵下限
位置)を表す(図5(c)に対応)。
スイッチ回動軸P3の位置関係とスイッチ駆動部2eの
曲率1/RH及び摺接面3a1の曲率1/RSの関係と
によって変化し、図5(a)〜(c)に示すように押鍵
するにつれて左方へ移動する。その結果、距離L1は徐
々に大きくなる一方、距離L2は徐々に小さくなるた
め、拡大比EXPは、図6に示すように、鍵位置ST1
〜STFに亘ってほぼ線形な特性をもって減少する。従
って、スイッチ部3を駆動するためにハンマ2が発生す
べき回転モーメント、すなわち駆動抵抗が徐々に大きく
なる。
る。同図において、横軸は図6と同様のものを表し、縦
軸は鍵1を通して指に伝わる荷重(押鍵抵抗FK)を示
す。
よって、図12に示すような押鍵抵抗の特性を得ること
ができた。すなわち押鍵初期から鍵位置ST1”に亘っ
て押鍵感触が改善された。本第1の実施の形態ではさら
に、鍵位置ST1〜STFに亘る拡大比EXPの漸次減
少によって、押鍵抵抗FKが増大し、押鍵抵抗の変化の
特性が図12に示すものから図7に示すものへと改善さ
れる。その結果、鍵位置ST1〜STFに亘る押鍵抵抗
FKは、グランドピアノ本来のものに対し、右上がりの
傾向としては近似し、特に押鍵下限直前に押鍵抵抗が緩
やかに上昇する(図12参照)等の点で、アフタタッチ
時に指に伝わる振動が抑制され、本物に近い押鍵感触を
再現することができる。しかも、スイッチ部3の摺接面
3a1を平面状(曲率0)に形成したので、拡大比EX
Pの特性が線形になり、押鍵感触の設定が容易である。
量(図5(a)〜同図(c)の変化量)がハンマ回動軸
P2からスイッチ回動軸P3までの距離に対して所定割
合(2割)となるように設定されているが、この移動量
は少なくとも1割以上確保するのが好ましい。そのため
には、ハンマ2のスイッチ駆動部2e及びスイッチ部3
の摺接面3a1の前後方向(図2の左右方向)の各長さ
を十分に確保すればよい。
動部2eの先端面2e’の最小曲率を1/RHに設定
し、スイッチ部3の摺接面3a1の曲率をそれより小さ
い値1/RS(曲率0)にそれぞれ設定したので、拡大
比EXPを例えば鍵位置ST1〜STFに亘って減少さ
せる等のように変化させ得ると共に、拡大比EXPを自
由に設定することができる。これにより、簡単な構成
で、押鍵抵抗FKの変化の特性を改善することができ、
例えばグランドピアノにより近い押鍵感触を疑似的に実
現することができる。しかも、スイッチ部3の摺接面3
a1を平面状(曲率0)に形成したので、拡大比EXP
の特性の自由な設定をより容易にすることができる。
の形態では、駆動部構造を備えた鍵盤装置は、検出され
たキーオン信号等に基づいてパイプオルガンの楽音を電
気的に再現し発生させる機能を有する(図示せず)。従
って、第1の実施の形態とはハンマ2のスイッチ駆動部
2e及びスイッチ部3の摺接面3a1の両曲率の設定が
異なる。なお、当接点Qからハンマ回動軸P2までの距
離L1、当接点Qからスイッチ回動軸P3までの距離L
2の設定もこれと同時に変更してもよい。また、ハンマ
2の慣性を適当に変更してもよい。その他の構成は第1
の実施の形態と同様である。
を示す図である。パイプオルガンは、鍵位置ST1Pで
不図示の弁の開閉のため押鍵抵抗FKが急激に上昇する
という特性がある。
置でパイプオルガンを実現する場合における押鍵抵抗F
Kを示す図である。従来では通常、当接点Qは押鍵行程
によって変化しないので、押鍵抵抗FKは同図に示すよ
うな特性を示す。
置の駆動部構造における拡大比EXPの設定を示す図で
ある。本実施の形態では、鍵位置ST1〜STFに亘る
拡大比EXPが同図に示すように設定されている。すな
わち拡大比EXPが鍵位置ST1の直後は小さめに設定
され、その後徐々に増加するように設定されている。こ
れにより、押鍵抵抗FKを図8に示すものに近づけるこ
とができる。
の形態と同様の効果を得ることができ、特にパイプオル
ガンにより近い押鍵感触を疑似的に実現することができ
る。
は、グランドピアノやパイプオルガン以外の他の楽器の
押鍵感触を再現する場合にも応用可能である。
みを有するタイプのものであってもよい。
の形態に係る駆動部構造は、拡大比EXPを適当に設定
して押鍵動作の検出精度を向上させるように構成され
る。
装置の駆動部構造構成の概略を示す断面図である。スイ
ッチ部3”は第1の可動接点SW1及び第2の可動接点
SW2を有する。スイッチ部3”のその他の部分及びハ
ンマ2は第1、第2の実施の形態のものと同様に構成さ
れる。
まず第1の可動接点SW1が固定接点と当接してオンし
(以下「第1メイク」と称する)、次いで第2の可動接
点SW2も同様にオンする(以下「第2メイク」と称す
る)。
1、SW2の各先端部の上下方向の位置の製造誤差は同
程度である。メイクのタイミングのばらつきは該製造誤
差及びメイク時における可動接点SW1、SW2の移動
速度によって定まる(メイク時の移動速度が遅いほど検
出誤差が大きい)。通常の電子鍵盤楽器のように、押鍵
抵抗FKがほぼ一定であるとすると、スイッチ部3”は
等速で回動するから、各可動接点SW1、SW2の移動
速度は内側のものの方が遅い。従って、製造による誤差
が同じであるときは、より移動速度が遅い内側の可動接
点SW2の方が可動接点SW1よりも検出誤差が大きい
ことになる。
適当に設定することにより、各可動接点SW1、SW2
の移動速度が略同一になるようにしている。具体的に
は、第1メイク後、拡大比EXPが徐々に大きくなるよ
うに設定し、第2メイク時の拡大比EXPが第1メイク
時のものに対して少なくとも略LSW1/LSW2倍と
なるように設定されている。ここに、スイッチ回動軸P
3から各可動接点SW1、SW2までの距離をそれぞれ
LSW1、LSW2と記す。拡大比EXPが大きくなる
と押鍵抵抗FKが小さくなるから第2メイク時の移動速
度が自然に速くなる。
の検出誤差の各可動接点SW1、SW2間のばらつきが
縮小され、検出誤差が可動接点SW2には依存しなくな
る。よって、結果として押鍵動作の検出精度、特にキー
ベロシティの検出精度を向上することができる。なお、
各可動接点SW1、SW2により検出されたキーベロシ
ティの検出誤差が大きい場合は、これを奏者からみる
と、押鍵感触、特にアフタタッチが悪いと認識される。
従って押鍵感触の向上にも寄与する。
Pを適当に設定して押鍵動作の検出精度の向上、ひいて
は押鍵感触の向上を図ることができる。第1、第2の実
施の形態と組み合わせれば、グランドピアノやパイプオ
ルガン等の本物の押鍵感触をより実現容易になる。
接点を有するスイッチ部を備えた鍵盤装置の駆動部構造
に適用可能であるが、そのスイッチ部3は、スイッチ回
動軸P3の両側に可動接点が各1個以上配されたタイプ
のものであってもよい。
EXPの設定及びハンマ回動軸P2とスイッチ回動軸P
3との位置関係の設定によって、アコースティク楽器の
押鍵感触の追求や押鍵動作の検出精度の向上を図った
が、このほかにも様々な応用が可能である。例えば、複
数の可動接点を備えたスイッチ部で押鍵動作を検出する
場合、各可動接点がメイクする毎に押鍵抵抗が一時的に
上昇することがある。このような場合には、その上昇特
性を解析し、押鍵抵抗の上昇部分うち押鍵感触に有害な
部分を取り除くべく拡大比EXPを適当に設定すればよ
い。これにより、例えば電子鍵盤楽器としての押鍵感触
をより向上することができる。
ンマ2のスイッチ駆動部2eの先端面2e’を凸曲面状
とし、スイッチ部3の摺接面3a1を平面状としたが、
これに限るものでない。例えば、上述した曲率の組み合
わせを確保する前提で、双方を凸曲面状とする態様、一
方を凸曲面状として他方を凹曲面状とする態様等、種々
の態様が考えられる。一方を平面状に形成した場合の利
点(拡大比EXPの設定容易化)は前述した通りであ
る。
Qがハンマ回動軸P2とスイッチ回動軸P3との間に位
置するように設定したが、当接点Qが両回動軸P2、P
3の外側(左方または右方)に位置するように設定して
もよい。
EXPの特性をハンマ2及びスイッチ部3間の関係での
み変化させ得るようにしたが、これに限るものでなく、
例えば鍵1(ハンマ駆動部1b)及びハンマ2(摺接面
2d)間の関係で変化させ得るようにしてもよい。ある
いは、ハンマ2及びスイッチ部3間の関係、及び鍵1及
びハンマ2間の関係の双方によって実現してもよい。
体若しくは被駆動体、または駆動体及び被駆動体の双方
を設けるようにしてもよい。
動部に限定されず、鍵盤装置の各種駆動部に適用可能で
ある。
に係る鍵盤装置の駆動部構造によれば、前記一方の面と
前記他方の面とが当接する点の位置が被駆動体の回動行
程において変化し得るので、被駆動体を駆動するために
駆動体が発生すべき回転モーメントを変化させることが
できる。よって、簡単な構成で、駆動抵抗の変化の特性
を任意に設定することができる。例えば、駆動部構造を
押鍵動作に関する部分に適用すれば、グランドピアノや
パイプオルガン等の各種鍵盤楽器の押鍵感触を擬似的に
実現することができる等、押鍵感触の設定の自由度を向
上することができる。
れば、被駆動体を駆動するために駆動体が発生すべき回
転モーメントを被駆動体の回動に伴い十分に変化させる
ことができ、十分な駆動抵抗の変化を得ることができ
る。
れば、駆動抵抗の変化の特性を被駆動体の回動行程に対
して線形にすることができる。例えば、駆動部を押鍵動
作及び押鍵検出に関する部分に適用すれば、押鍵感触の
自由な設定が容易になる。
れば、押鍵抵抗の変化の特性を被駆動体の回動行程にお
いて任意に設定することができ、押鍵感触を自由に設定
することができる。また、鍵スイッチを複数備え、キー
ベロシティを検出するようにした場合にも、キーベロシ
ティの検出精度の向上により押鍵感触の向上につなが
る。
動部構造の構成を示す斜視図である。
鍵状態)である。
状態)である。
V-V線に沿う断面図である。
示す図である。
ある。
ある。
る。
ルガンを実現する場合における押鍵抵抗FKを示す図で
ある。
造における拡大比EXPの設定を示す図である。
造構成の概略を示す断面図である。
構造を備えた電子鍵盤楽器における押鍵抵抗を示す図で
ある。
従来の鍵盤装置の駆動部構造の一部を示す断面図であ
る。
Claims (4)
- 【請求項1】 第1の回転支点を中心に回動自在な被駆
動体と、 第2の回転支点を中心に回動自在で、前記被駆動体に当
接して該被駆動体を回動駆動可能なアクチュエータとを
備え、 前記被駆動体の前記アクチュエータに当接する面及び前
記アクチュエータの前記被駆動体に当接する面の一方の
面は凸曲面状に形成され、且つ他方の面の曲率は前記一
方の面の最小曲率より小さいことを特徴とする鍵盤装置
の駆動部構造。 - 【請求項2】 前記アクチュエータと前記被駆動体とが
当接する当接点の移動量が前記第1の回転支点から前記
第2の回転支点までの距離に対して所定割合以上となる
ように前記一方の面及び前記他方の面の各曲率を設定し
たことを特徴とする請求項1記載の鍵盤装置の駆動部構
造。 - 【請求項3】 前記他方の面は平面状に形成されたこと
を特徴とする請求項1または2記載の鍵盤装置の駆動部
構造。 - 【請求項4】 鍵及びスイッチ基板を備え押鍵動作によ
り前記アクチュエータが回動するように構成すると共
に、前記被駆動体は前記スイッチ基板に当接して押鍵動
作を検出する鍵スイッチを備えたことを特徴とする請求
項1〜3のいずれか1項に記載の鍵盤装置の駆動部構造
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---|---|---|---|
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JP3402183B2 JP3402183B2 (ja) | 2003-04-28 |
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JP2008164706A (ja) * | 2006-12-27 | 2008-07-17 | Casio Comput Co Ltd | 鍵盤装置 |
JP2011017960A (ja) * | 2009-07-10 | 2011-01-27 | Casio Computer Co Ltd | 鍵盤装置 |
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1998
- 1998-01-28 JP JP03052698A patent/JP3402183B2/ja not_active Expired - Fee Related
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