JP3331715B2 - 鍵盤装置 - Google Patents

鍵盤装置

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JP3331715B2
JP3331715B2 JP33552993A JP33552993A JP3331715B2 JP 3331715 B2 JP3331715 B2 JP 3331715B2 JP 33552993 A JP33552993 A JP 33552993A JP 33552993 A JP33552993 A JP 33552993A JP 3331715 B2 JP3331715 B2 JP 3331715B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は鍵盤装置に関し、特に
鍵盤を構成する各キー(鍵)がメインキーとサブキーと
からなる鍵盤装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子鍵盤楽器のキーは、楽器本体
に対し揺動可能なように、その後端部側(演奏者側より
離れた側)がキーフレームによって回動自在に支持され
ており、更に各キーはキーフレームに設けられたキーガ
イドにより左右の動きが規制されるようになっている。
【0003】ところで、このような電子鍵盤楽器には、
楽音の音量、音高、音色などを変化させるための種々の
楽音制御操作子が設けられているが、各キーに押鍵力を
検出する圧力センサを設け、これらの楽音制御用操作子
と鍵盤とを一体化させ演奏操作上の自由度を高めた電子
楽器も既に知られている。尚、本願に関連し、実開平2
−131799号公報には、鍵盤を構成する各キーをベ
ースキーとこのベースキーをその三方から覆うサブキー
とに分割し、これらのキー間にコンタクト部を設けるこ
とにより、キースイッチがオンする前のプリタッチ検出
機能の向上を図ろうとした電子鍵盤楽器が開示されてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、押鍵動
作と操作子制御作動を一体化させた前記電子楽器は、そ
の殆どが、キーを押した状態での鍵盤上での水平方向
(キー長手方向や短手方向)の力や、更なる下向きの押
鍵力を検出して、それらの力の絶対値や変化量を楽音制
御パラメータとするものであり、従ってこれらの楽器は
演奏者にデリケートな押鍵動作を要求するものであり、
演奏者の意図する楽音効果を得にくいという問題があっ
た。加えて、これらの楽器は、その殆どが下向きの押鍵
動作無くしては楽音制御することはできず、例えばビブ
ラートのように楽音発生期間の終了間際に付与されなけ
ればならない効果などは、押鍵されたキーの上向きの復
帰過程や完全復帰時に操作しなければならず、鍵盤上か
ら指を解放する過程でこのような楽音効果を付与するこ
とは、従来からの単一方向の押鍵動作では実質上不可能
であった。
【0005】この発明は、上述したような問題点に鑑
み、楽音制御用操作子と鍵盤とを一体化させた電子楽器
において、演奏者にデリケートなキータッチを要求する
ことなく、単一方向の押鍵動作以外の押鍵動作を以てビ
ブラートのような複雑な楽音効果を付与することを可能
にする鍵盤装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、この発明に係る鍵盤装置は、キーフレームと、該キ
ーフレームに対し、その後端部を介して押離鍵方向に揺
動可能に支持されるメインキーと、前記メインキーに対
し、その後端部を介して、変位可能に支持されるサブキ
ーとを有し、前記メインキーとサブキーとの自由端部
は、メインキーよりサブキーに向かって鉛直方向上方に
延びる可撓性リブにより連結されており、押鍵時に楽音
制御されるとともに、前記メインキーに対するサブキー
の前記変位に応じてさらに楽音を制御するようにしたこ
とを特徴としている。
【0007】また、好ましい実施例によれば、この鍵盤
装置において前記可撓性リブには、リブに対するリブ厚
方向の撓み変化を検出する撓み検出センサが設けられて
おり、この撓み検出センサの出力によりビブラートなど
の特殊効果が得られるようになっている。
【0008】
【作用】メインキーに対しサブキーが変位可能に支持さ
れているため、演奏者は、本来の下向きの押鍵動作に加
え、メインキーに対してサブキーを左右に揺らす動作が
可能となる。また、サブキーとメインキーとは変位許容
部以外に可撓性リブによって互いに連結されているた
め、その弾性力によりサブキーを左右に揺らした後の元
の位置への復帰が確実となる。
【0009】また、好ましい実施例では、この可撓性リ
ブがサブキーの左右揺れに応じてリブ厚方向に撓むのを
利用し、リブにリブ厚方向の撓み変化を検出する撓み変
化検出センサを設け、この出力によりビブラートなどの
特殊効果を得る。
【0010】
【実施例】図面を参照しながらこの発明の実施例を以
下、説明する。図1はこの発明の実施例に係る電子楽器
の鍵盤装置の断面構成図である。この実施例によれば、
鍵盤装置の各キーは、メインキー1とサブキー2とによ
って構成される。メインキー1は、その下方に位置する
キーフレーム3に対し揺動動作可能となるように、図で
右側となる後端部分4がキーフレーム3に対し回動自在
に支持される。キーフレーム3は、図示しない楽器本体
側に堅固に装着されており、その後端部分5は、メイン
キー1の後端部分4を受容するべく凹状に湾曲され、メ
インキー1の回動支点を構成している。キーフレーム3
は、図示するようにメインキー1の長手方向(図面の左
右方向)に沿ってその下方を延び、その前端部分は下方
に屈曲され唇状縁部6が形成される。この唇状縁部6
は、メインキー後端部分4を中心としたメインキー1の
回動の下限ストッパとなるものであって、この上には押
鍵時の最終的な力を検出するためのアフターセンサ7が
設けられる。このアフターセンサ7は、下向きの押鍵力
を電気信号に変換する圧力センサより構成される。この
圧力センサは後述する圧電センサ27と同様のピエゾ素
子等からなる圧電センサでも代用できる。
【0011】キーフレーム3の前端部分であって前記唇
状縁部6の上方には、メインキー1の短手方向(図面に
対して垂直な方向)への作動を規制するキーガイド8が
設けられる。このキーガイド8は支持プレート9を介し
てキーフレーム3に固定されており、支持プレート9の
下面側には、メインキー回動の上限ストッパとなるフェ
ルト材10が貼り付けられる。尚、この支持プレート9
に関しては、キーフレーム3の一部を短冊状に切り起こ
すことで、キーフレーム3と一体で形成しても良い。
【0012】このキーガイド8に対し、メインキー1側
には、キーガイド8の両側面を挟むように断面コの字状
のスライドガイド11が下方に延設される。このスライ
ドガイド11の下端部には、水平方向に上限ストッパ用
係止片12が突出して形成される。尚、このスライドガ
イド11とメインキー1との接続部分には、メインキー
押鍵時、キーガイド8が挿脱するガイド穴13が形成さ
れる。
【0013】キーフレーム3の下側には、スペーサ14
を介してスイッチ基板15がねじ等で固定される。この
スイッチ基板15上には、各メインキー1に対応したキ
ースイッチ16が設けられる。キースイッチ15は、例
えばゴムなどの弾性体からなる、2メイク式の2段階オ
ンオフ接点を有するスイッチとして構成され、キーフレ
ーム3に形成された孔17を介してキーフレーム3の上
側に突出する。一方、メインキー1の下面には、キース
イッチ16に対向して断面十字状のアクチュエータロッ
ド18が下方に突出して設けられる。このキースイッチ
16は、キーオン信号や押圧速度信号を検出するために
設けられたものであって、演奏者によって押鍵された
時、メインキー1と共に下降するアクチュエータロッド
18によって押圧変形され、2段階の接点を順次オンす
るようになっている。
【0014】メインキー1とキーフレーム3との間に
は、押鍵されたメインキー1を元の位置に復帰させるた
めのプレートスプリング(板バネ)19が設けられる。
このプレートスプリング19は、キーフレーム3の上面
に設けられたスプリング係止爪20にその一端を係止
し、これより湾曲してメインキー後端部分4近傍の角部
21に他端を係止する。
【0015】サブキー2は、メインキー1上で回動可能
となるように、図で右側となる後端部分22の下面にボ
ス23を備えており、一方メインキー1にはこのボス2
3を係入するためのボス穴24が設けられる。組立て状
態においては、このボス23をボス穴24に嵌合させる
ことで、サブキー2はメインキー1の鍵盤面1aに対し
垂直なる軸線A周りに回転可能に支持されることにな
る。これにより、本鍵盤装置においては、図中矢印Bで
示した上下方向の押鍵動作に加え、サブキー2の前端部
分25をメインキー1に対して左右方向(図面に対して
垂直な方向)に振らす押鍵動作が可能となる。
【0016】前記ボス23に加え、メインキー1とサブ
キー2は、上限ストッパ用係止片12とは反対方向に突
出するスライドガイド下端部分よりサブキー2に向かっ
て鉛直方向上方に延びるリブ26を介して連結される。
図2は、図1のC−C線に沿ったこの連結部分の断面図
であり、図3はこの連結部分の斜視図である。
【0017】図1〜図3から明らかなように、リブ26
は、その横断面の長手方向がキー長手方向とほぼ一致す
るような細長い矩形断面を有しており、図2の矢印Dで
示す方向に揺動した後のサブキー2の戻りを可能とする
べく可撓性の柔軟材料より形成される。
【0018】前記実施例では、文字どおり、メインキー
とサブキーとに分離した鍵を作成し、その後これを図1
のように組合せた複合鍵にて楽音をコントロールするよ
うにしたが、この発明はこれに限定されるものではな
く、機能的にはメインキーとサブキーとを備えるが、こ
れらを極薄部(ヒンジ部に相当する)を介して一体に形
成し、これらの複合鍵の自由端部に圧電センサを設ける
ように構成したものであってもよい。
【0019】本実施例によれば、軸線A周りの回転を可
能としたサブキー2の機構は、例えばキーオンされた楽
音にビブラートを付与するために用いられる。このた
め、リブ26の側面には、図2に点線で示したようなリ
ブ26の厚さ方向の撓み変化を検出するための圧電セン
サ27が設けられる。
【0020】この圧電センサ27は例えばピエゾ素子を
利用したものであり、リブ26の歪みの経時変化に対応
した出力特性を図4に示すように、単位時間当たりの歪
みの変化度合(すなわち、曲線aの傾き)をアナログ信
号(起電力)に変換して曲線bにように出力するもので
ある。そして、この曲線bを図示しないアンプ内蔵時定
数回路等に導きレスポンスをなまらせることにより、曲
線cの出力が得られるもので、0.1〜30Hz程度の
周波数に最もよく追従するようにしている。従ってこの
圧電センサ27は、歪み量や圧力値を検出するタイプの
センサと異なり、ビブラートのようなピッチ(音高)変
化速度を主なパラメータとする楽音効果に最も適するよ
うにしたセンサとして鍵盤装置に配設される。すなわ
ち、本実施例では、演奏者がサブキー2を軸線A周りで
揺動させる速度が早い分、それだけ圧電センサが大きな
電気信号を出力し、これを入力する楽音制御回路(図示
せず)は、楽音のピッチを迅速に上下させ、それだけ早
いビブラートをかけることができるのである。
【0021】また、本鍵盤装置のようにメインキー1上
でサブキー2をその短手方向(矢印D方向)に揺動可能
とする機構は、装置の使用時間やリブ26自体の変形な
どにより、サブキー2が当初設定されていたメインキー
中心位置E(図2)より若干外れた位置に復帰する可能
性がある。従って、仮にリブ26の側面に、単純にリブ
歪み量を検出するようなセンサを設けた場合、復帰位置
の僅かなズレにより、ビブラート無しでの楽音ピッチが
元のピッチから外れてしまう可能性が高い。従って、こ
のような問題に対処する意味でも、リブ26にはその歪
み変化速度を検知する圧電センサ27が好ましい。すな
わち、サブキー2から完全に指を離した時には、その復
帰位置に拘わらず歪み変化速度がゼロとなるため、圧電
センサ27側では出力ゼロとなり、元の楽音ピッチに復
帰することができる。
【0022】さらに、仮に指を離さないで鍵を変位させ
たまましばらく放置しておけば、図4のように出力はゼ
ロになり、ここを出発点として楽音の効果制御が可能に
なるもので、楽音の効果制御装置として上記に例示した
センサはふさわしいものとなっている。
【0023】このように本実施例によれば、単純にキー
を楽器本体に対し上下させる動きに加え、キー自体をメ
インキー1とサブキー2とに分割し、サブキー2を軸線
A周りでその短手方向Dに揺動できるようにしたため、
演奏者にとってキー操作のバリエーションが広がり、ビ
ブラートのような楽音発生終了間際もしくは押鍵途中
(但しファーストメイク鍵スイッチオン後)に付与する
ような特殊効果もサブキー操作によって容易となる。
【0024】更に、本実施例では、圧電センサ27の他
に、押鍵時の更なる押鍵力を検出するアフターセンサ7
を設けたため、通常の押鍵動作後の情報、いわゆるアフ
ターセンサ情報とビブラートに関する情報とを完全に分
離することができ、これまでのような複雑かつデリケー
トなキー操作を必要とすることなく、所望の楽音効果を
得ることができる。
【0025】以上、この発明による一実施例を説明して
きたが、本機構によって付与される楽音効果としては上
述したビブラートに限定されるものでなく、トレモロ効
果、リバーブ深さ、パン制御等各種楽音の効果制御に利
用し得る。また、図示した実施例のリブ26は細長いプ
レート状のものであったが、圧電センサなどの撓み検出
手段を設ける場所が確保されれば、図5に示すような変
形ロッドタイプのものでも良い。
【0026】
【発明の効果】以上説明したようにこの発明によれば、
メインキーに対しサブキーが変位可能に支持されている
ため、演奏者は、本来の上下方向の押鍵動作に加え、メ
インキーに対してサブキーを左右に揺らす動作が可能と
なり、種々の楽音効果を付与するためのキー操作のバリ
エーションが広がる。またこの動作方向は、本来のキー
動作方向とは全く異なるため、演奏者にデリケートなキ
ータッチを要求することなく、楽音にもう一つの特殊効
果を与えることができる。
【0027】また、好ましい実施例では、この可撓性リ
ブがサブキーの左右揺れに応じてリブ厚方向に撓むのを
利用し、リブにリブ厚方向の撓み変化を検出する撓み検
出センサを設けたため、この出力によりビブラートなど
の特殊効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例としての鍵盤装置の縦断面
図である。
【図2】図1の線C−Cに沿ったキー断面図である。
【図3】メインキー前端部分の外観斜視図である。
【図4】鍵盤装置の可撓性リブに設けられた圧電センサ
の出力特性を示した説明図である。
【図5】可撓性リブの変形例を示した図である。
【符号の説明】
1 メインキー 2 サブキー 3 キーフレーム 4 メインキーの後端部 22 サブキーの後端部 26 可撓性リブ 27 圧電センサ

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 キーフレームと、該キーフレームに対
    し、その後端部を介して押離鍵方向に揺動可能に支持さ
    れるメインキーと、前記メインキーに対し、その後端部
    を介して、変位可能に支持されるサブキーとを有し、前
    記メインキーとサブキーとの自由端部は、メインキーよ
    りサブキーに向かって鉛直方向上方に延びる可撓性リブ
    により連結されており、押鍵時に楽音制御されるととも
    に、前記メインキーに対するサブキーの前記変位に応じ
    てさらに楽音を制御するようにしたことを特徴とする鍵
    盤装置。
  2. 【請求項2】 前記可撓性リブには、リブに対するリブ
    厚方向の撓み変化を検出する撓み変化検出センサが設け
    られることを特徴とする請求項1に記載の鍵盤装置。
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