JP3766756B2 - ドライビングシミュレータ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ドライバーへの操舵反力の伝達を含むシミュレーションを行うことができるドライビングシミュレータに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のドライビングシミュレータとして、オペレータの操作によって信号を生成する入力部と、プログラムを記憶する記憶部と、そのプログラムに従い、その入力部により生成された信号に応じて制御パラメータを演算する制御部と、その制御パラメータに応じて制御部により制御される映像表示部及びアクチュエータとを備え、そのアクチュエータの動きにより車両挙動のシミュレーションがなされるものが用いられている。その車両挙動の一つとしてドライバーへの操舵反力の伝達がシミュレーションされる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来のドライビングシミュレータによりシミュレーションされる車両挙動は、実際の車両における操舵量、駆動力、制動力等の車両挙動に影響を与える因子に応じた実際の車両挙動をモデル化したものである。その車両挙動モデルをシミュレーションするプログラムは、実際の車両挙動に関する既存のデータベースに基づき作成されている。
【0004】
そのため、従来のドライビングシミュレータでは、既存のデータベースが存在しない車両挙動のシミュレーションを正確に行うのは困難であった。例えば、障害物検知センサを有し、検知された障害物に向かう操舵が抑制されるように制御される車両の挙動は、その操舵抑制力の変化に応じて変化する。しかし、そのような操舵抑制力の変化に応じたドライバーに伝達される操舵反力等の車両挙動に関する充分なデータベースは存在しないため、従来のドライビングシミュレータでは操舵抑制力を作用させた時の車両挙動、特にドライバーへの操舵反力の伝達を正確にシミュレーションすることはできなかった。
【0005】
そのような既存のデータベースが充分に存在しない車両挙動のシミュレーションを正確に行うには、汎用性に欠ける大規模な専用プログラムを作成し、そのプログラムに従ってドライビングシミュレータのアクチュエータを制御する必要がある。例えば、車両の安全性や安定性等の性能向上のために新規なロジックに基づき制御される車両を開発する場合、その制御ロジックに基づく車両挙動をドライビングシミュレータにより検証するための大規模な専用プログラムを作成する必要があった。しかし、大規模な専用プログラムの作成には多大な労力、時間、コストを要することから開発効率が低下し、また、専用プログラムでしかシミュレーションを行うことができないためドライビングシミュレータの稼働率が低下する。
【0006】
本発明は、上記問題を解決することのできるドライビングシミュレータを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、オペレータの操作によって信号を生成する入力部と、主プログラムを記憶する主記憶部と、その主プログラムに従い、その入力部により生成された信号に応じて少なくとも一つの制御パラメータを演算する主制御部と、その制御パラメータに応じて主制御部により制御される、映像表示部及びアクチュエータの中の少なくとも一方とを備え、その映像表示部及びアクチュエータの中の少なくとも一方の制御により車両挙動のシミュレーションがなされるドライビングシミュレータに適用される。
【0008】
本発明は、そのドライビングシミュレータにおいて、付加プログラムを記憶する付加記憶部と、その主制御部により演算された制御パラメータを記憶する共有記憶部と、その付加プログラムに従い、その共有記憶部に記憶された制御パラメータの中の少なくとも一つの変更量を演算する付加制御部とが設けられ、その付加制御部により演算された変更量は前記共有記憶部に記憶され、前記映像表示部及びアクチュエータの中の少なくとも一方の制御に際して、その共有記憶部に記憶された変更量に基づいて、前記主制御部により演算されて前記共有記憶部に記憶された制御パラメータを主制御部により変更することが可能とされている。
これにより、制御パラメータに応じたアクチュエータの動きに対応する車両挙動のシミュレーションを行うことができる。また、その制御パラメータの中の少なくとも一つの変更量を演算し、その変更量に基づいて制御パラメータを変更することで、その変更量に応じて変更されるアクチュエータの動きに対応する車両挙動シミュレーションを行うことができる。
その制御パラメータは、主記憶部に記憶された主プログラムに従い、入力部により生成された信号に応じて主制御部により演算され、共有記憶部に書き込まれる。その共有記憶部に記憶された制御パラメータの変更量が、付加記憶部に記憶された付加プログラムに従い付加制御部により演算され、共有記憶部に書き込まれる。その主制御部によりアクチュエータが制御される際、その共有記憶部に記憶された変更量に基づいて制御パラメータが変更される。すなわち、その変更量に応じて変更されるアクチュエータの動きに対応する車両挙動シミュレーションは、制御パラメータの変更量を演算するための付加プログラムを作成するだけで行うことができる。
【0009】
さらに本発明においては、前記入力部として舵角入力部が設けられる。その舵角入力部は、オペレータにより回転操作される操作部と、この操作部の回転角度に応じた舵角信号を生成する角度センサと、この操作部の操作トルクに応じた操舵トルク信号を生成するトルクセンサとを有する。前記アクチュエータとして前記舵角入力部への操作反力付加用アクチュエータが設けられる。制御パラメータとして操舵トルクが前記舵角信号に基づき主プログラムに従い演算される。その操舵トルクの変更量が前記付加プログラムに従い演算される。その変更量に基づいて変更された操舵トルクと前記トルクセンサにより検知される操作トルクとの偏差をなくすように、その操作反力付加用アクチュエータが主制御部により制御される。
この構成によれば、操作部の回転角度に応じて演算される操舵トルクに応じて、操作反力付加用アクチュエータにより操作部に操作反力を作用させることができる。これにより、操舵反力の伝達のシミュレーションを行うことができる。その操作部の操作反力は、付加プログラムに従い演算される操舵トルクの変更量に応じた操作反力付加用アクチュエータの動きに対応するので、多様な操舵反力の伝達シミュレーションを、付加プログラムを作成するだけで行うことができる。また、その操作反力付加用アクチュエータは、オペレータによる操作部の操作トルクに応じてフィードバック制御されるので、そのシミュレーションを正確に行うことができる。
【0010】
前記舵角信号に対応する角度が設定値以上である時に、前記操作部の回転操作を阻止可能なトルクを前記操作反力付加用アクチュエータが発生するように、前記操舵トルクの変更量が付加プログラムに従い演算されるのが好ましい。
これにより、操作部の操作範囲を機械的なストッパーを設けることなく制限することができるので、車両挙動のシミュレーションにおける操舵限界の設定を容易に行うことができる。
【0011】
前記アクチュエータとしてオペレータを支持する本体の作動用アクチュエータを備え、前記操作部の回転操作を阻止可能なトルクを前記操作反力付加用アクチュエータが発生するように、前記操舵トルクの変更量が演算されると共に、主プログラムにおいて前記舵角信号に基づき演算される本体作動用アクチュエータの制御パラメータに代えて、その制御パラメータを前記トルクセンサにより生成される操舵トルク信号に対応するトルクに基づき演算した場合の値が付加プログラムに従い演算され、その本体作動用アクチュエータの制御パラメータとして付加プログラムに従い演算された値が用いられるのが好ましい。
これにより、ステアリングホイールと車輪とが機械的に連結されておらず、固定されたステアリングホイールにドライバーが作用させる操舵トルクに応じて操舵される車両の挙動をシミュレーションできる。すなわち、上記構成によれば、操作部の回転操作を阻止可能なトルクを前記操作反力付加用アクチュエータにより発生させることで、ステアリングホイールを回転させることなく固定した状態をシミュレーションできる。また、操作部にオペレータが作用させる操作トルクに基づき、本体作動用アクチュエータの制御パラメータを求めることで、ドライバーがステアリングホイールに作用させる操舵トルクに応じた車両挙動を、その操作部にオペレータが作用させるトルクに応じた本体の動きによりシミュレーションできる。
【0012】
その主制御部により互いに相関する複数の制御パラメータが演算され、その付加制御部により制御パラメータの一部の変更量が演算される時、その主制御部により、その変更量だけ変更された制御パラメータの一部に応じて共有記憶部に記憶される制御パラメータの残部を変更することが可能とされ、その共有記憶部に記憶される制御パラメータに応じて主制御部により前記アクチュエータが制御されるのが好ましい。
これにより、その制御パラメータの一部の変更に応じて制御パラメータの残部を変更し、その制御パラメータの残部の変更量に応じて変更されるアクチュエータの動きに対応する車両挙動シミュレーションを行うことができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
図1、図2に示すドライビングシミュレータ1は、オペレータを支持する本体2、この本体2の作動用アクチュエータ3、ステアリングホイールを模した舵角入力部4、その舵角入力部4への操作反力付加用アクチュエータ5、アクセルペダルを模した駆動力入力部6、ブレーキペダルを模した制動力入力部7、各アクチュエータ3、5を制御する制御装置8、映像表示部9、およびモード選択スイッチ10を備えている。
【0014】
その本体2は、支持プレート2aと、この支持プレート2a上に設けられるオペレータシート2bと、その支持プレート2aの周縁部に設けられる柵2cを有する。
【0015】
その本体2の作動用アクチュエータ3は、一端が支持プレート2aにリンク接続され、他端が床上のベース11にリンク接続された複数の電動シリンダにより構成される。各電動シリンダの伸縮により本体2を任意方向に作動させることが可能とされている。この本体作動用アクチュエータ3は制御装置8に接続されている。なお、本体作動用アクチュエータ3の構成は、車両挙動のシミュレーションを行うことができるように本体2を作動させることができれば特に限定されない。
【0016】
その舵角入力部4は、その本体2に回転操作可能に取り付けられる操作部4aと、この操作部4aの回転角度を検知する角度センサ4bと、この操作部4aの操作トルクを検知するトルクセンサ4cとを有する。その角度センサ4bは上記制御装置8に接続され、その本体2上のオペレータによる操作部4aの回転操作により回転角度に応じた舵角信号を生成し、その舵角信号は制御装置8に送られる。そのトルクセンサ4cは上記制御装置8に接続され、その本体2上のオペレータによる操作部4aの操作トルクに応じた操舵トルク信号を生成し、その操舵トルク信号は制御装置8に送られる。その操作部4aの操作トルクが操舵反力に対応する。
【0017】
その操作反力付加用アクチュエータ5は、その舵角入力部4の一端に接続されるモータにより構成され、その舵角入力部4に操作反力を作用させる。このアクチュエータ5は上記制御装置8に接続される。
【0018】
その駆動力入力部6は、その本体2に踏み込み操作可能に取り付けられる操作部6aと、この操作部6aの踏み込み量の検知センサ6bとを有し、そのセンサ6bは上記制御装置8に接続され、その本体2上のオペレータによる踏み込み操作により踏み込み量に応じた駆動信号を生成し、その駆動信号は制御装置8に送られる。
【0019】
その制動力入力部7は、その本体2に踏み込み操作可能に取り付けられる本体7aと、この本体7aの踏み込み量の検知センサ7bとを有し、そのセンサ7bは上記制御装置8に接続され、その本体2上のオペレータによる踏み込み操作により踏み込み量に応じた制動信号を生成し、その制動信号は制御装置8に送られる。
【0020】
その制御装置8は、主制御部21、付加制御部22、共有記憶部23、主記憶部24、付加記憶部25を有する。その主制御部21と付加制御部22は2台のコンピュータにより構成してもよいし、主制御部21としての機能と付加制御部22としての機能を有する1台のコンピュータにより構成してもよい。各記憶部23、24、25は複数の記憶装置により構成してもよいし、一台の記憶装置における記憶領域を複数に分割して各記憶部23、24、25に割り当ててもよい。その主制御部21は主記憶部24に、後述の主プログラムの読み出しができるように接続される。その付加制御部22は付加記憶部25に、後述の付加プログラムの読み出しができるように接続される。その主制御部21と付加制御部22は共有記憶部23に、後述の制御パラメータとこの制御パラメータの変更量の書込みと読み出しができるように接続される。
【0021】
そのモード選択スイッチ10は制御装置8に接続され、このドライビングシミュレータ1によりシミュレーションする車両挙動の選択信号をオペレータの操作により制御装置8に出力する。その選択信号に対応する車両挙動がドライビングシミュレータ1によりシミュレーションされる。例えば、マニュアルステアリング車両の挙動シミュレーションモード、パワーステアリング車両の挙動シミュレーションモード、ステアリングホイールと車輪とが機械的に連結されておらず、ステアリングホイールの操作量に応じて車輪がアクチュエータにより制御されることで舵角が変化する車両の挙動シミュレーションモード、ステアリングホイールと車輪とが機械的に連結されておらず、固定されたステアリングホイールに作用する操舵トルクに応じて車輪がアクチュエータにより制御されることで舵角が変化する車両の挙動シミュレーションモード、障害物に向かう操舵が抑制される車両の挙動シミュレーションモード、車両姿勢の安定化のために各車輪の制動力を制御する車両の挙動シミュレーションモード、自動運転される車両の挙動シミュレーションモード等の中からシミュレーションモードが選択される。
【0022】
その主制御部21は、その主記憶部24に記憶される主プログラムに従い、上記入力部4、6、7により生成された舵角信号、操舵トルク信号、駆動信号、制動信号に応じて制御パラメータを演算し、共有記憶部23に書き込む。そして、この共有記憶部23に記憶された制御パラメータに応じて上記アクチュエータ3、5を制御する。この制御によるアクチュエータ3、5の動きにより車両挙動のシミュレーションがなされる。アクチュエータ3により本体2を作動させることで、車両挙動として車体の動きがシミュレーションされる。操作反力付加用アクチュエータ5により舵角入力部4に操作反力を作用させることで、車両挙動として路面からステアリングホイールを介するドライバーへの操舵反力の伝達がシミュレーションされる。その主プログラムは、実際の車両における操舵量、操舵トルク、駆動力、制動力等に応じた車両挙動に関する既存のデータベースに基づき作成できる。
【0023】
その制御パラメータとして、例えば、車両の前後方向速度Vx、前後方向加速度Gx、横方向速度Vy、横方向加速度Gy、規範横方向加速度Gy0 、規範ヨーレートγ0 、ヨーレートγ、セルフアライニングトルクTs、マニュアルステアリング時の操舵トルクTh、各前輪の制動力または駆動力Txf、各後輪の制動力または駆動力Txr、舵角入力部4の操作によるタイヤ角φh、障害物の相対位置が演算されるが、これに限定されるものではない。以下に、その制御パラメータの演算例を示すが、その演算方法はこれに限定されるものではない。
【0024】
舵角入力部4の操作角θと、この舵角入力部4の操作により変化するタイヤ角φhの比であるオーバオールギヤレシオを、車速Vの関数であるR(V)として、タイヤ角φhを次式により求める。
φh=R(V)・θ
その車速Vは、駆動力入力部6からの駆動信号に応じて求められる駆動力と、制動力入力部7からの制動信号に応じて求められる制動力とに応じて演算し、その操作角θは、舵角入力部4からの舵角信号に応じて演算する。そのオーバオールギヤレシオR(V)と車速Vとの関数関係はデータベースに基づき予め定められる。
なお、このようにオーバオールギヤレシオを車速の関数にすることができるのは、ステアリングホイールと車輪とが機械的に連結されておらず、ステアリングホイールの操作量に応じて車輪がアクチュエータにより制御されることで舵角が変化する車両挙動をシミュレーションする場合である。
ステアリングホイールと車輪とが機械的に連結される車両挙動をシミュレーションする場合、そのオーバオールギヤレシオは一義的に定められる。
【0025】
ニューマチックトレールをξp 、キャスタートレールをξc 、コーナリングフォースをFy として、セルフアライニングトルクTs を以下の式によって求める。
TS =ξFy /R(V)、(トレールξ=ξc +ξp )
ここで、操舵系の弾性、およびタイヤの捩じれによるトルク成分は無視し、一次遅れで近似する。そのニューマチックトレールξp はタイヤスリップ角βの関数とし、その関数はデータベースに基づき予め定められる。そのタイヤスリップ角βは、車速V、操作角θ、制動力、タイヤと路面との間の予め設定された摩擦係数、予め設定されたタイヤ寸法等の関数とされ、その関数は公知の演算式に基づき予め定められる。そのキャスタートレールξc は、予め設定されたキャスター角をθc 、予め設定されたタイヤ半径をRt として、ξc =θc ・Rt により求める。制動力および駆動力が零である時の右車輪のコーナリングフォースFR0と左車輪のコーナリングフォースFL0は、予め設定された右前輪と路面との間の摩擦係数をμR 、予め設定された左前輪と路面との間の摩擦係数をμL 、予め設定された前輪コーナリングパワーをKf 、予め設定された右前輪のコーナリングフォースによるスリップ角発生時における一次遅れ時定数をTR 、予め設定された左前輪のコーナリングフォースによるスリップ角発生時における一次遅れ時定数をTL 、ラプラス演算子をsとして、FR0=μR ・Kf β/(1+TR s)、FL0=μL ・Kf β/(1+TL s)により求める。各前輪の駆動力または制動力をTxf、分担荷重をWf とし、各車輪のコーナリングフォースに対する駆動力または制動力の関係は摩擦円で規定されるものとすることにより、コーナリングフォースFy をFy =FR0(μR 2 Wf 2 +Txf2 )1/2 /(μR Wf )+FL0(μL 2 Wf 2 +Txf2 )1/2 /(μL Wf )により近似的に求める。なお、車両の重心は左右方向に関しては中心にあるものとし、前後方向に関しては制動力と駆動力に応じて変化するものとし、その重心位置に応じて各前輪の駆動力または制動力Txfと、各後輪の駆動力または制動力Txr、各前輪の分担荷重Wf を求める。その制動力と駆動力に対する重心位置の関係は予め定める。
【0026】
舵角入力部4の操作系における予め設定される慣性係数をI、粘性係数をC、静止摩擦係数をk1とし、角度センサ4bにより検出される操作部4aの回転角の角速度をωとして、マニュアルステアリング時の操舵トルクThを以下の式(1)により求める。また、車速が零の場合、すなわち据え切り状態をシミュレーションする場合は、舵角入力部4の操作系における予め設定される静止摩擦係数をk2として、マニュアルステアリング時の操舵トルクThを以下の式(2)により求める。すなわち、制御パラメータとしてマニュアルステアリング時の操舵トルクThが前記舵角信号に基づき主プログラムに従い演算される。
【0027】
【数1】
【0028】
【数2】
【0029】
前後方向速度Vx、前後方向加速度Gx、横方向速度Vy、規範横方向加速度Gy0 、横方向加速度Gy、規範ヨーレートγ0 、ヨーレートγは、タイヤ角φh、各車輪の駆動力または制動力Txf、Txrから求める。その前後方向速度Vx、前後方向加速度Gx、横方向速度Vy、規範横方向加速度Gy0 、横方向加速度Gy、規範ヨーレートγ0 、ヨーレートγと、タイヤ角φh、各車輪の駆動力または制動力Txf、Txrとの関係は、データベースに基づき予め定める。なお、主プログラムのみによるシミュレーションにおいては規範横方向加速度Gy0 と横方向加速度Gyは等しくし、また、規範ヨーレートγ0 とヨーレートγは等しくする。障害物の相対位置は、車速とシミュレーション実行時間の積から求められる走行距離と、タイヤ角φhから求められる操舵方向と、プログラム上で特定した障害物の位置とから求める。
【0030】
主制御部21は、上記演算した制御パラメータである前後方向速度Vx、前後方向加速度Gx、横方向速度Vy、規範横方向加速度Gy0 、横方向加速度Gy、規範ヨーレートγ0 、ヨーレートγ、マニュアルステアリング時の操舵トルクTs、各前輪の制動力または駆動力Txf、各後輪の制動力または駆動力Txr、舵角入力部4の操作によるタイヤ角φh、及び障害物の相対位置を共有記憶部23に書き込み、制御周期毎に上書きを行う。
なお、主プログラムによる制御パラメータの演算において予め設定される慣性係数I、粘性係数C、静止摩擦係数k1、k2等の係数の具体的設定値は、主プログラムの一部として主記憶部24に記憶されてもよいし、共有記憶部23に書き込まれると共に主プログラムの実行時に主制御部21により読み出されてもよく、共有記憶部23に書き込まれる場合は制御装置8に接続されるキーボード等の入力装置(図示省略)により書き換え可能とされてもよい。
【0031】
主制御部21は、その共有記憶部23に書き込まれた制御パラメータである前後方向速度Vx、前後方向加速度Gx、横方向速度Vy、横方向加速度Gy、ヨーレートγ、タイヤ角φhに応じて生成した制御信号により本体作動用アクチュエータ3を制御する。また、主制御部21は、その共有記憶部23に書き込まれた操舵トルクThに応じて生成した制御信号により操作反力付加用アクチュエータ5を制御する。この際、その操作反力付加用アクチュエータ5は、その操舵トルクThと上記トルクセンサ4cにより検知される操作トルクとの偏差をなくすようにフィードバック制御される。すなわち、上記操作部4aの回転角速度の目標値が、その共有記憶部23に書き込まれた操舵トルクTh、検知された操作トルク、および上記式(1)または式(2)に基づき演算され、その目標値になるように操作反力付加用アクチュエータ5の速度が制御される。これにより、車両挙動として車体の動きが本体2の動きによりシミュレーションされ、ドライバーへの操舵反力の伝達が操作反力付加用アクチュエータ5の動きによりシミュレーションされる。また、主制御部21は、仮想の風景を生成するための画像信号を出力することで映像表示部9を制御し、その制御パラメータに応じて求めた車速、走行距離、操舵方向に応じて仮想風景を変化させる。
【0032】
上記付加制御部22は、上記付加記憶部25に記憶された付加プログラムに従い、その共有記憶部23に記憶された制御パラメータの変更量を演算する。例えば、マニュアルステアリング時の操舵トルクThの変更量、各車輪の制動力または駆動力Txf、Txrの変更量、舵角入力部4の操作によるタイヤ角φhの変更量が演算されるが、これに限定されるものではない。以下に、その制御パラメータの変更量の演算例を示すが、その演算方法はこれに限定されるものではない。
【0033】
なお、上記入力部4、6、7により生成された舵角信号、操舵トルク信号、駆動信号、制動信号値は共有記憶部23に記憶され、主制御部21だけでなく付加制御部22による付加プログラムに従う演算に際して用いることが可能とされている。
【0034】
例えば、上記主プログラムのみにより演算された制御パラメータに応じたアクチュエータ3、5の制御によりシミュレーションされるのはマニュアルステアリング車両の挙動である。よって、パワーステアリング車両の挙動をシミュレーションする場合、マニュアルステアリング時の操舵トルクThの変更量として、操舵補助トルクに対応する制御トルクTaを演算する付加プログラムが作成される。この場合、その制御トルクTaは操舵トルクThと前後方向速度Vxの関数とされ、その関数が付加プログラムに含まれ、その制御トルクTaの演算に際して制御パラメータである操舵トルクThと前後方向速度Vxが共有記憶部23から読み出される。例えば、その操舵トルクThが大きく前後方向速度Vxが小さい程に操舵補助トルクに対応する制御トルクTaを大きくする。
【0035】
また、障害物検知センサを有し、検知された障害物に向かう操舵が抑制されるように制御される車両の開発が提案されている。このような車両の挙動をシミュレーションする場合、マニュアルステアリング時の操舵トルクThの変更量として、その操舵抑制力に対応する制御トルクTaを演算する付加プログラムが作成される。この場合、その制御トルクTaは操舵トルクThと障害物の相対配置の関数とされ、その関数が付加プログラムに含まれ、制御パラメータである操舵トルクThと障害物の相対配置が共有記憶部23から読み出され、その障害物の相対配置に応じた制御トルクTaが演算される。例えば、その操舵トルクThが大きく障害物が近接する程に、操舵抑制力に対応する制御トルクTaを大きくする。なお、この操舵抑制力に対応する制御トルクTaの方向は、上記操舵補助トルクに対応する制御トルクTaの方向と逆向きとされる。
【0036】
また、操作部4aの操作範囲を機械的なストッパーを設けることなく制限する場合、上記角度センサ4bにより検知される回転角度が設定値以上である時に、マニュアルステアリング時の操舵トルクThの変更量として、その操作部4aの操作阻止力に対応する制御トルクTaを演算する付加プログラムが作成される。これにより、操作部4aの回転角度が設定値以上になると、操作反力付加用アクチュエータ5は操作部4aの回転操作を阻止可能なトルクを発生する。この場合、その制御トルクTaは、共有記憶部23に記憶される操舵トルクThとセルフアライニングトルクTsの関数とされ、Ta=Th−Ts(据え切り状態ではTs=0)と設定され、その方向は上記操舵補助トルクに対応する制御トルクTaの方向と逆向きとされる。
【0037】
また、ステアリングホイールと車輪とが機械的に連結されておらず、固定されたステアリングホイールにドライバーが作用させる操舵トルクに応じて操舵される車両の挙動をシミュレーションする場合、マニュアルステアリング時の操舵トルクThの変更量として、その操作部4aの操作阻止力に対応する制御トルクTaを演算する付加プログラムが作成される。これにより、このシミュレーションを行う場合は、操作反力付加用アクチュエータ5は操作部4aの回転操作を阻止可能なトルクを発生する。この場合、その制御トルクTaは、共有記憶部23に記憶される操舵トルクThとセルフアライニングトルクの関数とされ、Ta=Th−Ts(据え切り状態ではTs=0)と設定され、その方向は上記操舵補助トルクに対応する制御トルクTaの方向と逆向きとされる。また、このシミュレーションを行う場合、主プログラムにおいて前記角度センサ4bが発生する舵角信号に基づき演算される本体作動用アクチュエータ3の制御パラメータの変更量として、その制御パラメータを操舵トルクThに基づき演算した場合の値を求める付加プログラムが作成される。この付加プログラムに従い付加制御部22により演算された値が本体作動用アクチュエータ3の制御パラメータとして用いられる。すなわち、その制御パラメータは、主プログラムでは角度センサ4bにより検知される角度に基づき演算するのに代えて、付加プログラムではトルクセンサ4cにより検知されるトルクに基づき演算される。
【0038】
また、車両挙動が不安定化しないように、車速や舵角等の車両挙動の不安定化に影響する変量に応じて予め定められた限界舵角を、実タイヤ舵角が超えないように制御される車両の開発が提案されている。このような車両の挙動をシミュレーションする場合、舵角入力部4の操作によるタイヤ角φhの変更量として、制御タイヤ角φcを演算する付加プログラムが作成される。この場合、その制御タイヤ角φcはタイヤ角φhと限界舵角の関数とされ、その関数と限界舵角が付加プログラムに含まれ、その制御タイヤ角φcの演算に際して制御パラメータであるタイヤ角φhが共有記憶部23から読み出される。なお、このようなタイヤ角の制御は、ステアリングホイールと車輪とが機械的に連結されておらず、ステアリングホイールの操作量に応じて車輪がアクチュエータにより制御されて舵角が変化する車両において行うことができる。
【0039】
また、車両挙動が不安定化しないように、車速や舵角等の車両挙動の不安定化に影響する変量に応じて各車輪の制動力が制御される車両が開発されている。このような車両の挙動をシミュレーションする場合、各車輪の制動力または駆動力の制御量Tfl、Tfr、Trl、Trrを演算する付加プログラムが作成される。この場合、各車輪の制動力または駆動力の制御量Tfl、Tfr、Trl、Trrは、例えば前後方向速度Vx、前後方向加速度Gx、横方向速度Vy、規範横方向加速度Gy0 、横方向加速度Gy、規範ヨーレートγ0 、ヨーレートγ、操舵トルクTh、タイヤ角φhの関数とされ、その関数が付加プログラムに含まれ、各車輪の制動力または駆動力の制御量Tfl、Tfr、Trl、Trrの演算に際して制御パラメータである前後方向速度Vx、前後方向加速度Gx、横方向速度Vy、規範横方向加速度Gy0 、横方向加速度Gy、規範ヨーレートγ0 、ヨーレートγ、操舵トルクTh、タイヤ角φhが共有記憶部23から読み出される。
【0040】
付加制御部22は、上記演算した制御パラメータの変更量である制御トルクTa、制御タイヤ角φc、各車輪の制動力または駆動力の制御量Tfl、Tfr、Trl、Trrを共有記憶部23に書き込み、制御周期毎に上書きを行う。
【0041】
主制御部21は、支持部作動用アクチュエータ3と操作反力付加用アクチュエータ5を制御する際に、その共有記憶部23から読み出した変化量に基づいて制御パラメータを変更する。例えば、共有記憶部23に書き込まれた制御タイヤ角φcだけ変更されたタイヤ角φh+φc、前後方向速度Vx、前後方向加速度Gx、横方向速度Vy、横方向加速度Gy、ヨーレートγに応じて生成した制御信号により支持部作動用アクチュエータ3を制御する。これによって、限界舵角を実タイヤ舵角が超えないように制御される車両の挙動がシミュレーションされる。
【0042】
また、主制御部21は、共有記憶部23に書き込まれた制御トルクTaに基づき変更された操舵トルクに応じて生成した制御信号により操作反力付加用アクチュエータ5を制御する。例えば、パワーステアリング車両の挙動をシミュレーションする場合、検知された障害物に向かう操舵が抑制されるように制御される車両の挙動をシミュレーションする場合、操作部4aの操作範囲を機械的なストッパーを設けることなく制限する場合、ステアリングホイールと車輪とが機械的に連結されておらず、固定されたステアリングホイールにドライバーが作用させる操舵トルクに応じて操舵される車両の挙動をシミュレーションする場合、その変更量に基づいて変更された操舵トルクTh′は、Th′=Th+Taにより求められる。この際、その操作反力付加用アクチュエータ5は、その変更量に基づいて変更された操舵トルクTh′と上記トルクセンサ4cにより検知される操作トルクとの偏差をなくすようにフィードバック制御される。すなわち、上記操作部4aの回転角速度の目標値が、その変更された操舵トルクTh′、検知された操作トルク、および上記式(1)若しくは式(2)に基づき演算され、その目標値になるように操作反力付加用アクチュエータ5の速度が制御される。
【0043】
上記主制御部21により互いに相関する複数の制御パラメータが演算され、上記付加制御部22により制御パラメータの一部の変更量が演算される時、その主制御部21により、その変更量に基づいて変更された一部の制御パラメータに応じて共有記憶部23に記憶される制御パラメータの残部を変更することが可能とされ、その共有記憶部23に記憶される制御パラメータに応じて主制御部21により上記アクチュエータ3、5が制御される。
例えば、制御パラメータとして、前後方向速度Vx、前後方向加速度Gx、横方向速度Vy、横方向加速度Gy、各車輪の制動力または駆動力Txf、Txr、ヨーレートγ、マニュアルステアリング時の操舵トルクThが演算される場合、これら制御パラメータは互いに相関する。この場合において、主制御部21により、共有記憶部23に書き込まれた各車輪の制動力または駆動力の制御量Tfl、Tfr、Trl、Trrに基づき各車輪の制動力または駆動力Txf、Txrが変更されたならば、残りの制御パラメータである前後方向速度Vx、前後方向加速度Gx、横方向速度Vy、横方向加速度Gy、ヨーレートγ、操舵トルクThの演算に際して、各車輪の制動力または駆動力として変更された値Txf+Tfl、Txf+Tfr、Txr+Trl、Txr+Trrが用いられる。これにより、その変更量に基づいて変更された各車輪の制動力または駆動力Txf+Tfl、Txf+Tfr、Txr+Trl、Txr+Trrに応じて共有記憶部23に記憶される残りの制御パラメータが変更される。その変更後の制御パラメータが共有記憶部23に上書きされ、この共有記憶部23に記憶された変更後の制御パラメータに応じて主制御部21により上記アクチュエータ3、5が制御される。これにより、車両姿勢の安定化のために各車輪の制動力を制御する車両の挙動をシミュレーションすることができる。
【0044】
上記構成によれば、制御パラメータに応じた映像表示部9およびアクチュエータ3、5の制御に対応する車両挙動のシミュレーションを行うことができる。また、その制御パラメータの中の少なくとも一つの変更量を演算し、その変更量に基づいて制御パラメータを変更することで、その変更量に応じて変更される映像表示部9およびアクチュエータ3、5の制御に対応する車両挙動シミュレーションを行うことができる。
その制御パラメータは、主記憶部24に記憶された主プログラムに従い入力部4、6、7により生成された信号に応じて主制御部21により演算され、共有記憶部23に書き込まれる。その共有記憶部23に記憶された制御パラメータの変更量が、付加記憶部25に記憶された付加プログラムに従い付加制御部22により演算され、共有記憶部23に書き込まれる。その主制御部21により映像表示部9およびアクチュエータ3、5が制御される際、その共有記憶部23に記憶された変更量に基づいて制御パラメータが変更される。すなわち、その変更量に応じて変更される映像表示部9およびアクチュエータ3、5の制御に対応する車両挙動シミュレーションは、制御パラメータの変更量を演算するための付加プログラムを作成するだけで行うことができる。
また、上記構成によれば、操作部4aの回転角度に応じて演算される操舵トルクに応じて、操作反力付加用アクチュエータ5により操作部4aに操作反力を作用させることができる。これにより、操舵反力の伝達のシミュレーションを行うことができる。その操作部4aの操作反力は、付加プログラムに従い演算される操舵トルクの変更量に応じた操作反力付加用アクチュエータ5の動きに対応するので、多様な操舵反力の伝達シミュレーションを、付加プログラムを作成するだけで行うことができる。また、その操作反力付加用アクチュエータ5は、オペレータによる操作部4aの操作トルクに応じてフィードバック制御されるので、そのシミュレーションを正確に行うことができる。
また、操作部4aの操作範囲を機械的なストッパーを設けることなく制限することができるので、車両挙動のシミュレーションにおける操舵限界の設定を容易に行うことができる。
さらに、操作部4aの回転操作を阻止可能なトルクを操作反力付加用アクチュエータ5により発生させることで、ステアリングホイールを回転させることなく固定した状態をシミュレーションできる。また、操作部4aにオペレータが作用させる操作トルクに基づき、本体作動用アクチュエータ3の制御パラメータを求めることで、ドライバーがステアリングホイールに作用させる操舵トルクに応じた車両挙動を、その操作部4aにオペレータが作用させるトルクに応じた本体の動きによりシミュレーションできる。これにより、ステアリングホイールと車輪とが機械的に連結されておらず、固定されたステアリングホイールにドライバーが作用させる操舵トルクに応じて操舵される車両の挙動をシミュレーションできる。
また、その主制御部21により互いに相関する複数の制御パラメータが演算され、その付加制御部22により制御パラメータの一部の変更量が演算される時、その主制御部21により、その変更量に基づいて変更された制御パラメータの一部に応じて共有記憶部23に記憶される制御パラメータの残部を変更し、その共有記憶部23に記憶される制御パラメータに応じて主制御部21により映像表示部9およびアクチュエータ3、5が制御できる。これにより、その制御パラメータの一部の変更に応じて制御パラメータの残部を変更し、その制御パラメータの残部の変更量に応じて変更される映像表示部9およびアクチュエータ3、5の制御に対応する車両挙動シミュレーションを行うことができる。
【0045】
なお、本発明は上記実施形態に限定されない。例えば、オペレータの操作によって信号を生成する入力部として、駐車ブレーキを模した制動力入力部等の他の入力部が設けられてもよい。
【0046】
【発明の効果】
本発明によれば、ドライバーへの操舵反力の伝達を含むシミュレーションを行うに際して、従来と同様の車両挙動のシミュレーションを行うことができるだけでなく、任意の制御ロジックに基づく多様な車両挙動のシミュレーションを容易に行うことができる汎用性の高いドライビングシミュレータを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態のドライビングシミュレータの斜視図
【図2】本発明の実施形態のドライビングシミュレータの制御構成説明図
【符号の説明】
1 ドライビングシミュレータ
2 本体
3、5 アクチュエータ
4 舵角入力部
4b 角度センサ
4c トルクセンサ
6 駆動力入力部
7 制動力入力部
21 主制御部
22 付加制御部
23 共有記憶部
24 主記憶部
25 付加記憶部
Claims (4)
- オペレータの操作によって信号を生成する入力部と、
主プログラムを記憶する主記憶部と、
その主プログラムに従い、その入力部により生成された信号に応じて少なくとも一つの制御パラメータを演算する主制御部と、
その制御パラメータに応じて主制御部により制御される、映像表示部及びアクチュエータの中の少なくとも一方とを備え、
その映像表示部及びアクチュエータの中の少なくとも一方の制御により車両挙動のシミュレーションがなされるドライビングシミュレータにおいて、
付加プログラムを記憶する付加記憶部と、
その主制御部により演算された制御パラメータを記憶する共有記憶部と、
その付加プログラムに従い、その共有記憶部に記憶された制御パラメータの中の少なくとも一つの変更量を演算する付加制御部とが設けられ、
その付加制御部により演算された変更量は前記共有記憶部に記憶され、
前記映像表示部及びアクチュエータの中の少なくとも一方の制御に際して、その共有記憶部に記憶された変更量に基づいて、前記主制御部により演算されて前記共有記憶部に記憶された制御パラメータを主制御部により変更することが可能とされ、
前記入力部として舵角入力部が設けられ、
その舵角入力部は、オペレータにより回転操作される操作部と、この操作部の回転角度に応じた舵角信号を生成する角度センサと、この操作部の操作トルクに応じた操舵トルク信号を生成するトルクセンサとを有し、
前記アクチュエータとして前記舵角入力部への操作反力付加用アクチュエータが設けられ、
制御パラメータとして操舵トルクが前記舵角信号に基づき主プログラムに従い演算され、その操舵トルクの変更量が前記付加プログラムに従い演算され、
その変更量に基づいて変更された操舵トルクと前記トルクセンサにより検知される操作トルクとの偏差をなくすように、その操作反力付加用アクチュエータが主制御部により制御されることを特徴とするドライビングシミュレータ。 - 前記角度センサにより検知される回転角度が設定値以上である時に、前記操作部の回転操作を阻止可能なトルクを前記操作反力付加用アクチュエータが発生するように、前記操舵トルクの変更量が付加プログラムに従い演算される請求項1に記載のドライビングシミュレータ。
- 前記アクチュエータとしてオペレータを支持する本体の作動用アクチュエータを備え、
前記操作部の回転操作を阻止可能なトルクを前記操作反力付加用アクチュエータが発生するように、前記操舵トルクの変更量が演算され、
主プログラムにおいて前記舵角信号に基づき演算される本体作動用アクチュエータの制御パラメータに代えて、その制御パラメータを前記トルクセンサにより生成される操舵トルク信号に対応するトルクに基づき演算した場合の値が付加プログラムに従い演算され、その本体作動用アクチュエータの制御パラメータとして付加プログラムに従い演算された値が用いられる請求項1に記載のドライビングシミュレータ。 - その主制御部により互いに相関する複数の制御パラメータが演算され、その付加制御部により制御パラメータの一部の変更量が演算される時、その主制御部により、その変更量だけ変更された制御パラメータの一部に応じて共有記憶部に記憶される制御パラメータの残部を変更することが可能とされ、その共有記憶部に記憶される制御パラメータに応じて主制御部により前記アクチュエータが制御される請求項1〜3の中の何れかに記載のドライビングシミュレータ。
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