JP3766549B2 - ドライビングシミュレータ - Google Patents

ドライビングシミュレータ Download PDF

Info

Publication number
JP3766549B2
JP3766549B2 JP23636098A JP23636098A JP3766549B2 JP 3766549 B2 JP3766549 B2 JP 3766549B2 JP 23636098 A JP23636098 A JP 23636098A JP 23636098 A JP23636098 A JP 23636098A JP 3766549 B2 JP3766549 B2 JP 3766549B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
control
unit
storage unit
shared storage
main
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP23636098A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2000056667A (ja
Inventor
勝利 西崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JTEKT Corp
Original Assignee
JTEKT Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JTEKT Corp filed Critical JTEKT Corp
Priority to JP23636098A priority Critical patent/JP3766549B2/ja
Publication of JP2000056667A publication Critical patent/JP2000056667A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3766549B2 publication Critical patent/JP3766549B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の運転時における挙動をシミュレーションするのに用いられるドライビングシミュレータに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のドライビングシミュレータとして、オペレータの操作によって信号を生成する入力部と、プログラムを記憶する記憶部と、そのプログラムに従い、その入力部により生成された信号に応じて制御パラメータを演算する制御部と、その制御パラメータに応じて制御部により制御される映像表示部およびアクチュエータとを備え、その映像表示部およびアクチュエータの制御により車両挙動のシミュレーションがなされるものが用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来のドライビングシミュレータによりシミュレーションされる車両挙動は、実際の車両における操舵量、駆動力、制動力等の車両挙動に影響を与える因子に応じた実際の車両挙動をモデル化したものである。その車両挙動モデルをシミュレーションするプログラムは、実際の車両挙動に関する既存のデータベースに基づき作成されている。
【0004】
そのため、従来のドライビングシミュレータでは、既存のデータベースが存在しない車両挙動のシミュレーションを正確に行うのは困難であった。例えば、障害物検知センサを有し、検知された障害物に向かう操舵が抑制されるように制御される車両の挙動は、その操舵抑制力の変化に応じて変化する。しかし、そのような操舵抑制力の変化に応じた車両挙動に関する充分なデータベースは存在しないため、従来のドライビングシミュレータでは操舵抑制力を作用させた時の車両挙動を正確にシミュレーションすることはできなかった。
【0005】
そのような既存のデータベースが充分に存在しない車両挙動のシミュレーションを正確に行うには、汎用性に欠ける大規模な専用プログラムを作成し、そのプログラムに従ってドライビングシミュレータのアクチュエータを制御する必要がある。例えば、車両の安全性や安定性等の性能向上のために新規なロジックに基づき制御される車両を開発する場合、その制御ロジックに基づく車両挙動をドライビングシミュレータにより検証するための大規模な専用プログラムを作成する必要があった。しかし、大規模な専用プログラムの作成には多大な労力、時間、コストを要することから開発効率が低下し、また、専用プログラムでしかシミュレーションを行うことができないためドライビングシミュレータの稼働率が低下する。
【0006】
本発明は、上記問題を解決することのできるドライビングシミュレータを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、オペレータの操作によって信号を生成する入力部と、主プログラムを記憶する主記憶部と、その主プログラムに従い、その入力部により生成された信号に応じて少なくとも一つの制御パラメータを演算する主制御部と、その制御パラメータに応じて主制御部により制御される、映像表示部およびアクチュエータの中の少なくとも一方とを備え、その映像表示部およびアクチュエータの中の少なくとも一方の制御により車両挙動のシミュレーションがなされるドライビングシミュレータに適用される。
【0008】
本発明は、そのドライビングシミュレータにおいて、付加プログラムを記憶する付加記憶部と、その主制御部により演算された制御パラメータを記憶する共有記憶部と、その付加プログラムに従い、その共有記憶部に記憶された制御パラメータの中の少なくとも一つの変更量を演算する付加制御部とが設けられ、その付加制御部により演算された変更量は前記共有記憶部に記憶され、前記映像表示部およびアクチュエータの中の少なくとも一方の制御に際して、その共有記憶部に記憶された変更量に基づいて、前記主制御部により演算されて前記共有記憶部に記憶された制御パラメータを主制御部により変更することが可能とされている。
【0009】
これによって、制御パラメータに応じた映像表示部およびアクチュエータの中の少なくとも一方の制御に対応する車両挙動のシミュレーションを行うことができる。また、その制御パラメータの中の少なくとも一つの変更量を演算し、その変更量に基づいて制御パラメータを変更することで、その変更量に応じて変更される映像表示部およびアクチュエータの中の少なくとも一方の制御に対応する車両挙動シミュレーションを行うことができる。
【0010】
その制御パラメータは、主記憶部に記憶された主プログラムに従い入力部により生成された信号に応じて主制御部により演算され、共有記憶部に書き込まれる。その共有記憶部に記憶された制御パラメータの変更量が、付加記憶部に記憶された付加プログラムに従い付加制御部により演算され、共有記憶部に書き込まれる。その主制御部により映像表示部およびアクチュエータの中の少なくとも一方が制御される際、その共有記憶部に記憶された変更量に基づいて制御パラメータが変更される。すなわち、その変更量に応じて変更される映像表示部およびアクチュエータの中の少なくとも一方の制御に対応する車両挙動シミュレーションは、制御パラメータの変更量を演算するための付加プログラムを作成するだけで行うことができる。
【0011】
さらに、本発明においては、その主制御部により規範および実挙動に関する制御パラメータが演算され、その付加制御部により制御パラメータの一部の変更量が演算される時、その主制御部により、その変更量に基づいて変更された制御パラメータの一部に応じて共有記憶部に記憶される制御パラメータの残部を変更することが可能とされ、その共有記憶部に記憶される制御パラメータに応じて主制御部により前記映像表示部およびアクチュエータの中の少なくとも一方が制御される。
これにより、その制御パラメータの一部の変更に応じて制御パラメータの残部を変更し、その制御パラメータの残部の変更量に応じて変更される映像表示部およびアクチュエータの制御に対応する車両挙動シミュレーションを行うことができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1、図2に示すドライビングシミュレータ1は、オペレータを支持する本体2、この本体2の作動用アクチュエータ3、ステアリングホイールを模した舵角入力部4、その舵角入力部4の操作反力付加用アクチュエータ5、アクセルペダルを模した駆動力入力部6、ブレーキペダルを模した制動力入力部7、各アクチュエータ3、5を制御する制御装置8、および映像表示部9を備えている。
【0013】
その本体2は、支持プレート2aと、この支持プレート2a上に設けられるオペレータシート2bと、その支持プレート2aの周縁部に設けられる柵2cを有する。
【0014】
その本体2の作動用アクチュエータ3は、一端が支持プレート2aにリンク接続され、他端が床上のベース11にリンク接続された複数の電動シリンダにより構成される。各電動シリンダの伸縮により本体2を任意方向に作動させることが可能とされている。このアクチュエータ3は制御装置8に接続されている。なお、作動用アクチュエータ3の構成は、車両挙動のシミュレーションを行うことができるように本体2を作動させることができれば特に限定されない。
【0015】
その舵角入力部4は、その本体2に回転操作可能に取り付けられる操作部4aと、この操作部4aの回転角度の検知センサ4bとを有し、そのセンサ4bは上記制御装置8に接続され、その本体2上のオペレータによる回転操作により回転角度に応じた舵角信号を生成し、その舵角信号は制御装置8に送られる。
【0016】
その操作反力付加用アクチュエータ5は、その舵角入力部4の一端に接続されるモータにより構成され、その舵角入力部4に操作反力を作用させる。このアクチュエータ5は上記制御装置8に接続される。
【0017】
その駆動力入力部6は、その本体2に踏み込み操作可能に取り付けられる操作部6aと、この操作部6aの踏み込み量の検知センサ6bとを有し、そのセンサ6bは上記制御装置8に接続され、その本体2上のオペレータによる踏み込み操作により踏み込み量に応じた駆動信号を生成し、その駆動信号は制御装置8に送られる。
【0018】
その制動力入力部7は、その本体2に踏み込み操作可能に取り付けられる本体7aと、この本体7aの踏み込み量の検知センサ7bとを有し、そのセンサ7bは上記制御装置8に接続され、その本体2上のオペレータによる踏み込み操作により踏み込み量に応じた制動信号を生成し、その制動信号は制御装置8に送られる。
【0019】
その制御装置8は、主制御部21、付加制御部22、共有記憶部23、主記憶部24、付加記憶部25を有する。その主制御部21と付加制御部22は2台のコンピュータにより構成してもよいし、主制御部21としての機能と付加制御部22としての機能を有する1台のコンピュータにより構成してもよい。各記憶部23、24、25は複数の記憶装置により構成してもよいし、一台の記憶装置における記憶領域を複数に分割して各記憶部23、24、25に割り当ててもよい。その主制御部21は主記憶部24に、後述の主プログラムの読み出しができるように接続される。その付加制御部22は付加記憶部25に、後述の付加プログラムの読み出しができるように接続される。その主制御部21と付加制御部22は共有記憶部23に、後述の制御パラメータとこの制御パラメータの変更量の書込みと読み出しができるように接続される。
【0020】
その主制御部21は、その主記憶部24に記憶される主プログラムに従い、上記入力部4、6、7により生成された舵角信号、駆動信号、制動信号に応じて、規範および実挙動に関する制御パラメータを演算し、共有記憶部23に書き込む。そして、この共有記憶部23に記憶された制御パラメータに応じて上記アクチュエータ3、5を制御する。この制御によるアクチュエータ3、5の動きにより車両挙動のシミュレーションがなされる。支持部作動用アクチュエータ3により本体2を作動させることで、車両挙動として車体の動きがシミュレーションされ、操作反力付加用アクチュエータ5により舵角入力部4に操作反力を作用させることで、車両挙動として路面からステアリングホイールへの操舵反力の伝達がシミュレーションされる。その主プログラムは、実際の車両における操舵量、駆動力、制動力等に応じた車両挙動に関する既存のデータベースに基づき作成できる。
【0021】
その制御パラメータとして、例えば、車両の前後方向速度Vx、前後方向加速度Gx、横方向速度Vy、横方向加速度Gy、規範横方向加速度Gy0 、規範ヨーレートγ0 、ヨーレートγ、マニュアルステアリング時の操舵トルクTs、各前輪の制動力または駆動力Txf、各後輪の制動力または駆動力Txr、舵角入力部4の操作によるタイヤ角φh、障害物の相対位置が演算されるが、これに限定されるものではない。以下に、その制御パラメータの演算例を示すが、その演算方法はこれに限定されるものではない。
【0022】
舵角入力部4の操作角θと、この舵角入力部4の操作により変化するタイヤ角φhの比であるオーバオールギヤレシオを、車速Vの関数であるR(V)として、タイヤ角φhを次式により求める。
φh=R(V)・θ
その車速Vは、駆動力入力部6からの駆動信号に応じて求められる駆動力と、制動力入力部7からの制動信号に応じて求められる制動力とに応じて演算し、その操作角θは、舵角入力部4からの舵角信号に応じて演算する。そのオーバオールギヤレシオR(V)と車速Vとの関数関係はデータベースに基づき予め定められる。
なお、このようにオーバオールギヤレシオを車速の関数にすることができるのは、実際の車両においてステアリングホイールと車輪とが機械的に連結されておらず、ステアリングホイールの操作量に応じて車輪がアクチュエータにより制御されることで舵角が変化する場合である。ステアリングホイールと車輪とが機械的に連結される場合は、そのオーバオールギヤレシオは一義的に定めることができる。
【0023】
ニューマチックトレールをξp 、キャスタートレールをξc 、コーナリングフォースをFy として、マニュアルステアリング時の操舵トルクTs を以下の式により求める。
S =ξFy /R(V)、(トレールξ=ξc +ξp )
ここで、操舵系の弾性、およびタイヤの捩じれによるトルク成分は無視し、一次遅れで近似する。そのニューマチックトレールξp はタイヤスリップ角βの関数とし、その関数はデータベースに基づき予め定められる。そのタイヤスリップ角βは、車速V、操作角θ、制動力、タイヤと路面との間の予め設定された摩擦係数、予め設定されたタイヤ寸法等の関数とされ、その関数は公知の演算式に基づき予め定められる。そのキャスタートレールξc は、予め設定されたキャスター角をθc 、予め設定されたタイヤ半径をRt として、ξc =θc ・Rt により求める。制動力および駆動力が零である時の右車輪のコーナリングフォースFR0と左車輪のコーナリングフォースFL0は、予め設定された右前輪と路面との間の摩擦係数をμR 、予め設定された左前輪と路面との間の摩擦係数をμL 、予め設定された前輪コーナリングパワーをKf 、予め設定された右前輪のコーナリングフォースによるスリップ角発生時における一次遅れ時定数をTR 、予め設定された左前輪のコーナリングフォースによるスリップ角発生時における一次遅れ時定数をTL 、ラプラス演算子をsとして、FR0=μR ・Kf β/(1+TR s)、FL0=μL ・Kf β/(1+TL s)により求める。各前輪の駆動力または制動力をTxf、分担荷重をWf とし、各車輪のコーナリングフォースに対する駆動力または制動力の関係は摩擦円で規定されるものとすることにより、コーナリングフォースFy をFy =FR0(μR 2 Wf 2 +Txf2 1/2 /(μR Wf )+FL0(μL 2 Wf 2 +Txf2 1/2 /(μL Wf )により近似的に求める。なお、車両の重心は左右方向に関しては中心にあるものとし、前後方向に関しては制動力と駆動力に応じて変化するものとし、その重心位置に応じて各前輪の駆動力または制動力Txfと、各後輪の駆動力または制動力Txr、各前輪の分担荷重Wf を求める。その制動力と駆動力に対する重心位置の関係は予め定める。
【0024】
前後方向速度Vx、前後方向加速度Gx、横方向速度Vy、規範横方向加速度Gy0 、横方向加速度Gy、規範ヨーレートγ0 、ヨーレートγは、タイヤ角φh、各車輪の駆動力または制動力Txf、Txrから求める。その前後方向速度Vx、前後方向加速度Gx、横方向速度Vy、規範横方向加速度Gy0 、横方向加速度Gy、規範ヨーレートγ0 、ヨーレートγと、タイヤ角φh、各車輪の駆動力または制動力Txf、Txrとの関係は、データベースに基づき予め定める。なお、主プログラムのみによるシミュレーションにおいては規範横方向加速度Gy0 と横方向加速度Gyは等しくし、また、規範ヨーレートγ0 とヨーレートγは等しくする。障害物の相対位置は、車速とシミュレーション実行時間の積から求められる走行距離と、タイヤ角φhから求められる操舵方向と、プログラム上で特定した障害物の位置とから求める。
【0025】
主制御部21は、上記演算した制御パラメータである前後方向速度Vx、前後方向加速度Gx、横方向速度Vy、規範横方向加速度Gy0 、横方向加速度Gy、規範ヨーレートγ0 、ヨーレートγ、マニュアルステアリング時の操舵トルクTs、各前輪の制動力または駆動力Txf、各後輪の制動力または駆動力Txr、舵角入力部4の操作によるタイヤ角φh、及び障害物の相対位置を共有記憶部23に書き込み、制御周期毎に上書きを行う。
【0026】
主制御部21は、その共有記憶部23に書き込まれた前後方向速度Vx、前後方向加速度Gx、横方向速度Vy、横方向加速度Gy、ヨーレートγ、タイヤ角φhに応じて生成した制御信号により支持部作動用アクチュエータ3を制御し、その共有記憶部23に書き込まれた操舵トルクTsに応じて生成した制御信号により操作反力付加用アクチュエータ5を制御し、これにより車両挙動がシミュレーションされる。また、主制御部21は、仮想の風景を生成するための画像信号を出力することで映像表示部9を制御し、その制御パラメータに応じて求めた車速、走行距離、操舵方向に応じて仮想風景を変化させる。
【0027】
上記付加制御部22は、上記付加記憶部25に記憶された付加プログラムに従い、その共有記憶部23に記憶された制御パラメータの変更量を演算する。例えば、マニュアルステアリング時の操舵トルクTsの変更量、各車輪の制動力または駆動力Txf、Txrの変更量、舵角入力部4の操作によるタイヤ角φhの変更量が演算されるが、これに限定されるものではない。以下に、その制御パラメータの変更量の演算例を示すが、その演算方法はこれに限定されるものではない。
【0028】
例えば、上記主プログラムのみにより演算された制御パラメータに応じたアクチュエータ3、5の制御によりシミュレーションされるのはマニュアルステアリング車両の挙動である。よって、パワーステアリング車両の挙動をシミュレーションする場合、マニュアルステアリング時の操舵トルクTsの変更量として、操舵補助トルクに対応する制御トルクTaを演算する付加プログラムが作成される。この場合、その制御トルクTaは操舵トルクTsと前後方向速度Vxの関数とされ、その関数が付加プログラムに含まれ、その制御トルクTaの演算に際して制御パラメータである操舵トルクTsと前後方向速度Vxが共有記憶部23から読み出される。例えば、その操舵トルクTsが大きく前後方向速度Vxが小さい程に操舵補助トルクに対応する制御トルクTaを大きくする。
あるいは、障害物検知センサを有し、検知された障害物に向かう操舵が抑制されるように制御される車両の開発が提案されている。このような車両の挙動をシミュレーションする場合、マニュアルステアリング時の操舵トルクTsの変更量として、その操舵抑制力に対応する制御トルクTaを演算する付加プログラムが作成される。この場合、その制御トルクTaは操舵トルクTsと障害物の相対配置の関数とされ、その関数が付加プログラムに含まれ、制御パラメータである操舵トルクTsと障害物の相対配置が共有記憶部23から読み出され、その障害物の相対配置に応じた制御トルクTaが演算される。例えば、その操舵トルクTsが大きく障害物が近接する程に、操舵抑制力に対応する制御トルクTaを大きくする。
【0029】
また、車両挙動が不安定化しないように、車速や舵角等の車両挙動の不安定化に影響する変量に応じて予め定められた限界舵角を、実タイヤ舵角が超えないように制御される車両の開発が提案されている。このような車両の挙動をシミュレーションする場合、舵角入力部4の操作によるタイヤ角φhの変更量として、制御タイヤ角φcを演算する付加プログラムが作成される。この場合、その制御タイヤ角φcはタイヤ角φhと限界舵角の関数とされ、その関数と限界舵角が付加プログラムに含まれ、その制御タイヤ角φcの演算に際して制御パラメータであるタイヤ角φhが共有記憶部23から読み出される。なお、このようなタイヤ角の制御は、ステアリングホイールと車輪とが機械的に連結されておらず、ステアリングホイールの操作量に応じて車輪がアクチュエータにより制御されて舵角が変化する車両において行うことができる。
【0030】
また、車両挙動が不安定化しないように、車速や舵角等の車両挙動の不安定化に影響する変量に応じて各車輪の制動力が制御される車両が開発されている。このような車両の挙動をシミュレーションする場合、各車輪の制動力または駆動力の制御量Tfl、Tfr、Trl、Trrを演算する付加プログラムが作成される。この場合、各車輪の制動力または駆動力の制御量Tfl、Tfr、Trl、Trrは、例えば前後方向速度Vx、前後方向加速度Gx、横方向速度Vy、規範横方向加速度Gy0 、横方向加速度Gy、規範ヨーレートγ0 、ヨーレートγ、操舵トルクTs、タイヤ角φhの関数とされ、その関数が付加プログラムに含まれ、各車輪の制動力または駆動力の制御量Tfl、Tfr、Trl、Trrの演算に際して制御パラメータである前後方向速度Vx、前後方向加速度Gx、横方向速度Vy、規範横方向加速度Gy0 、横方向加速度Gy、規範ヨーレートγ0 、ヨーレートγ、操舵トルクTs、タイヤ角φhが共有記憶部23から読み出される。
【0031】
付加制御部22は、上記演算した制御パラメータの変量である制御トルクTa、制御タイヤ角φc、各車輪の制動力または駆動力の制御量Tfl、Tfr、Trl、Trrを共有記憶部23に書き込み、制御周期毎に上書きを行う。
【0032】
主制御部21は、支持部作動用アクチュエータ3と操作反力付加用アクチュエータ5を制御する際に、その共有記憶部23から読み出した変化量に基づいて制御パラメータを変更する。例えば、共有記憶部23に書き込まれた制御タイヤ角φcだけ変更されたタイヤ角φh+φc、前後方向速度Vx、前後方向加速度Gx、横方向速度Vy、横方向加速度Gy、ヨーレートγに応じて生成した制御信号により支持部作動用アクチュエータ3を制御し、また、共有記憶部23に書き込まれた操舵抑制力に対応する制御トルクTaだけ変更された操舵トルクTs+Taに応じて生成した制御信号により操作反力付加用アクチュエータ5を制御することで、限界舵角を実タイヤ舵角が超えないように制御されると共に、障害物に向かう操舵が抑制されるように制御される車両の挙動がシミュレーションされる。
【0033】
上記主制御部21により互いに相関する複数の制御パラメータが演算され、上記付加制御部22により制御パラメータの一部の変更量が演算される時、その主制御部21により、その変更量に基づいて変更された一部の制御パラメータに応じて共有記憶部23に記憶される制御パラメータの残部を変更することが可能とされ、その共有記憶部23に記憶される制御パラメータに応じて主制御部21により上記アクチュエータ3、5が制御される。
例えば、制御パラメータとして、前後方向速度Vx、前後方向加速度Gx、横方向速度Vy、横方向加速度Gy、各車輪の制動力または駆動力Txf、Txr、ヨーレートγ、マニュアルステアリング時の操舵トルクTsが演算される場合、これら制御パラメータは互いに相関する。この場合において、主制御部21により、共有記憶部23に書き込まれた各車輪の制動力または駆動力の制御量Tfl、Tfr、Trl、Trrだけ各車輪の制動力または駆動力Txf、Txrが変更されたならば、残りの制御パラメータである前後方向速度Vx、前後方向加速度Gx、横方向速度Vy、横方向加速度Gy、ヨーレートγ、操舵トルクTsの演算に際して、各車輪の制動力または駆動力として変更された値Txf+Tfl、Txf+Tfr、Txr+Trl、Txr+Trrが用いられる。これにより、その変更量に基づいて変更された各車輪の制動力または駆動力Txf+Tfl、Txf+Tfr、Txr+Trl、Txr+Trrに応じて共有記憶部23に記憶される残りの制御パラメータが変更される。その変更後の制御パラメータが共有記憶部23に上書きされ、この共有記憶部23に記憶された変更後の制御パラメータに応じて主制御部21により上記アクチュエータ3、5が制御される。これにより、車両の安定化のために各車輪の制動力を制御する車両の挙動をシミュレーションすることができる。
【0034】
上記構成によれば、制御パラメータに応じた映像表示部9およびアクチュエータ3、5の制御に対応する車両挙動のシミュレーションを行うことができる。また、その制御パラメータの中の少なくとも一つの変更量を演算し、その変更量に基づいて制御パラメータを変更することで、その変更量に応じて変更される映像表示部9およびアクチュエータ3、5の制御に対応する車両挙動シミュレーションを行うことができる。
その制御パラメータは、主記憶部24に記憶された主プログラムに従い入力部4、6、7により生成された信号に応じて主制御部21により演算され、共有記憶部23に書き込まれる。その共有記憶部23に記憶された制御パラメータの変更量が、付加記憶部25に記憶された付加プログラムに従い付加制御部22により演算され、共有記憶部23に書き込まれる。その主制御部21により映像表示部9およびアクチュエータ3、5が制御される際、その共有記憶部23に記憶された変更量に基づいて制御パラメータが変更される。すなわち、その変更量に応じて変更される映像表示部9およびアクチュエータ3、5の制御に対応する車両挙動シミュレーションは、制御パラメータの変更量を演算するための付加プログラムを作成するだけで行うことができる。
また、その主制御部21により互いに相関する複数の制御パラメータが演算され、その付加制御部22により制御パラメータの一部の変更量が演算される時、その主制御部21により、その変更量に基づいて変更された制御パラメータの一部に応じて共有記憶部23に記憶される制御パラメータの残部を変更し、その共有記憶部23に記憶される制御パラメータに応じて主制御部21により映像表示部9およびアクチュエータ3、5が制御できる。これにより、その制御パラメータの一部の変更に応じて制御パラメータの残部を変更し、その制御パラメータの残部の変更量に応じて変更される映像表示部9およびアクチュエータ3、5の制御に対応する車両挙動シミュレーションを行うことができる。
【0035】
なお、本発明は上記実施形態に限定されない。例えば、オペレータの操作によって信号を生成する入力部として、駐車ブレーキを模した制動力入力部等の他の入力部が設けられてもよい。また、映像表示部とアクチュエータの中の少なくとも一方を備えるドライビングシミュレータであれば本発明を適用できる。
【0036】
【発明の効果】
本発明によれば、従来と同様の車両挙動のシミュレーションを行うことができるだけでなく、任意の制御ロジックに基づく車両挙動のシミュレーションを容易に行うことができる汎用性の高いドライビングシミュレータを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態のドライビングシミュレータの斜視図
【図2】本発明の実施形態のドライビングシミュレータの制御構成説明図
【符号の説明】
1 ドライビングシミュレータ
2 本体
3、5 アクチュエータ
4、6、7 入力部
9 映像表示部
21 主制御部
22 付加制御部
23 共有記憶部
24 主記憶部
25 付加記憶部

Claims (1)

  1. オペレータの操作によって信号を生成する入力部と、
    主プログラムを記憶する主記憶部と、
    その主プログラムに従い、その入力部により生成された信号に応じて少なくとも一つの制御パラメータを演算する主制御部と、
    その制御パラメータに応じて主制御部により制御される、映像表示部およびアクチュエータの中の少なくとも一方とを備え、
    その映像表示部およびアクチュエータの中の少なくとも一方の制御により車両挙動のシミュレーションがなされるドライビングシミュレータにおいて、
    付加プログラムを記憶する付加記憶部と、
    その主制御部により演算された制御パラメータを記憶する共有記憶部と、
    その付加プログラムに従い、その共有記憶部に記憶された制御パラメータの中の少なくとも一つの変更量を演算する付加制御部とが設けられ、
    その付加制御部により演算された変更量は前記共有記憶部に記憶され、
    前記映像表示部およびアクチュエータの中の少なくとも一方の制御に際して、その共有記憶部に記憶された変更量に基づいて、前記主制御部により演算されて前記共有記憶部に記憶された制御パラメータを主制御部により変更することが可能とされているドライビングシミュレータにおいて、
    その主制御部により規範および実挙動に関する制御パラメータが演算され、その付加制御部により制御パラメータの一部の変更量が演算される時、その主制御部により、その変更量に基づいて変更された制御パラメータの一部に応じて共有記憶部に記憶される制御パラメータの残部を変更することが可能とされ、その共有記憶部に記憶される制御パラメータに応じて主制御部により前記映像表示部およびアクチュエータの中の少なくとも一方が制御されることを特徴とするドライビングシミュレータ。
JP23636098A 1998-08-06 1998-08-06 ドライビングシミュレータ Expired - Fee Related JP3766549B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23636098A JP3766549B2 (ja) 1998-08-06 1998-08-06 ドライビングシミュレータ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23636098A JP3766549B2 (ja) 1998-08-06 1998-08-06 ドライビングシミュレータ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000056667A JP2000056667A (ja) 2000-02-25
JP3766549B2 true JP3766549B2 (ja) 2006-04-12

Family

ID=16999654

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP23636098A Expired - Fee Related JP3766549B2 (ja) 1998-08-06 1998-08-06 ドライビングシミュレータ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3766549B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6901723B2 (ja) * 2017-03-31 2021-07-14 マツダ株式会社 車両挙動の制御方法及び車両挙動のシミュレーション方法
JP7165367B1 (ja) * 2021-12-28 2022-11-04 株式会社アイロック 4輪自動車運転シミュレータのシート支持機構
JP7432902B1 (ja) 2022-10-21 2024-02-19 嘉明 村山 シミュレータ用駆動ユニット及びシミュレータ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2000056667A (ja) 2000-02-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3766756B2 (ja) ドライビングシミュレータ
JP6164465B2 (ja) ドライビングシミュレータのモーション制御方法及び車両試験システム
JP2005534558A (ja) 自動車内でのハンドル操作中に作用する操舵トルクを決定する方法
Mohellebi et al. Adaptive haptic feedback steering wheel for driving simulators
JP3766549B2 (ja) ドライビングシミュレータ
JP4891218B2 (ja) ライディングシミュレーション装置
Wang et al. Evaluation of alternative steering devices with adjustable haptic feedback for semi-autonomous and autonomous vehicles
JP2014215241A (ja) 車両試験システム
JP7314485B2 (ja) 車両運動制御装置、制御装置、マネージャ、方法、プログラム、および車両
JP7075741B2 (ja) 四輪自動車の自動ブレーキ模擬体験装置
JP7082031B2 (ja) 運転教習装置及び運転教習方法
JP3766758B2 (ja) ドライビングシミュレータ
JP3766766B2 (ja) ドライビングシミュレータ
JP5420672B2 (ja) 車両用の運転ダイナミクスコントロールシステム
JP2773107B2 (ja) 運転シミュレータ装置
JP2003300425A (ja) 車両の運転装置
Mokhiamar et al. Experimental verification using a driving simulator of the effect of simultaneous optimal distribution of tyre forces for active vehicle handling control
JP3587637B2 (ja) 二輪車のライディングシミュレーション装置
JP3769132B2 (ja) 車両用シミュレーションシステム
JP7082030B2 (ja) 運転教習装置及び運転教習方法
JPH10123930A (ja) 車両のライディングシミュレーション装置
JP3866835B2 (ja) 二輪車のライディングシミュレーション装置
JP3828991B2 (ja) 二輪車のライディングシミュレーション装置
JP3762884B2 (ja) 走行シミュレーション装置の障害物設定装置
JP3793325B2 (ja) 二輪車のライディングシミュレーション装置

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050915

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20051011

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20051208

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060124

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060127

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100203

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100203

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110203

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120203

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120203

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130203

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130203

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140203

Year of fee payment: 8

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees