JP3763498B2 - 耐食性に優れた熱交換器用アルミニウム合金クラッド材 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐食性に優れた熱交換器用アルミニウム合金クラッド材、詳しくは、フッ化物系フラックスを用いる不活性ガス雰囲気ろう付けあるいは真空ろう付けにより、自動車用のラジエータ、ヒータコアなどのアルミニウム製熱交換器を製造する場合、その構成部材であるチューブ材(クラッド板の溶接管)、熱交換器に接続される配管材(押出クラッド管)などとして適用でき、とくに、当該熱交換器において通常使用されるクーラントによるアルカリ腐食性環境に対して優れた耐食性をそなえた熱交換器用アルミニウム合金クラッド材に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車用のラジエータやヒータコアなどのチューブ材、ヘッダープレート材としては、3003合金などのAl−Mn系合金からなる芯材の片面にAl−Si系ろう材をクラッドし、他の面に、犠牲陽極材として、Al−Zn系合金やAl−Zn−Mg系合金をクラッドした3層のアルミニウム合金クラッド材が使用されている。
【0003】
当該アルミニウム合金クラッド材において、Al−Si系ろう材は、フッ化物系フラックスを用いる不活性ガス雰囲気ろう付けあるいは真空ろう付けにより行われるチューブ材とフィン材との接合、チューブ材とヘッダープレート材との接合のために設けられるものであり、犠牲陽極材は、ラジエータやヒータコアなどのアルミニウム製熱交換器に組立てられた場合、作動流体と接し、作動流体に対して犠牲陽極効果を発揮して芯材の孔食、隙間腐食を防ぐために設けられるものである。
【0004】
また、自動車用熱交換器の間を連結する配管材としては、3003合金などのAl−Mn系合金を芯材とし、その内面あるいは内面および外面に7072合金などのAl−Zn系合金の犠牲陽極材をクラッドした2層または3層のクラッド管が使用されている。犠牲陽極材をクラッドした内面は、作動流体と接し、作動流体に対して犠牲陽極効果を発揮して芯材の孔食や隙間腐食を防ぎ、外面は、過酷な環境で使用された場合に生じる芯材の孔食や隙間腐食を防止する。
【0005】
これらの熱交換器においては、作動流体として、一般に、クーラントとして市販されているエチレングリコールを主成分とする不凍液を水で0〜50vol%濃度に希釈した中性〜弱アルカリ性の溶液が使用されているが、通常、クーラントは弱アルカリ性のものが多く、種類によってはpHが10前後のものもあるため、作動流体によって、チューブなどを構成する前記アルミニウム合金クラッド材に芯材を貫通する孔食が生じ、熱交換機能を損なうことがしばしば経験されている。
【0006】
芯材の成分組成と犠牲陽極材の成分組成との組合わせを検討することにより、耐孔食性を高め、優れた犠牲陽極効果を有する耐食性アルミニウム合金クラッド材として、例えば、芯材を、Mn:0.3〜2.0%、Mg:0.10〜0.80%、Cu:0.05〜0.50%を含有し、残部Alおよび不可避的不純物からなるアルミニウム合金で構成し、芯材の一方側にクラッドされた皮材を、Zn:0.3〜2.0%、Mg:0.1〜2.5%を含有し、残部Alおよび不可避的不純物からなるアルミニウム合金で構成し、さらに、芯材の他方側にクラッドされた皮材を、Si:7.0〜15.0%、Mg:0.3〜2.5%を含有し、残部Alおよび不可避的不純物からなるアルミニウム合金で構成したクラッド材が提案されている。(特公昭62−45301号公報)
【0007】
また、アルミニウム合金芯材の片面にAl合金ろう材を、他面に犠牲陽極材をクラッドした3層のアルミニウム合金クラッド材において、犠牲陽極材として、Zn:0.5〜3%、Ti:0.05〜3%、Mg:0.1〜5%、Si:0.3〜1.5%、必要に応じて、さらに少量のSn、In、Ca、Liのうちの1種または2種以上を含有し、残部Alおよび不可避的不純物からなるAl合金を使用するもの(特開平5−239580号公報) 、芯材が、Mn:0.3〜2.0%、Cu:0.25〜0.8%、Si:0.2〜1.0%、Mg:0.5%以下、Ti:0.35%以下を含有し、残部Alおよび不可避的不純物からなるアルミニウム合金で構成され、犠牲陽極材が、Zn:0.5〜2.0%、Mg:1.2〜2.5%、Si:0.2〜0.8%を含有し、残部Alおよび不可避的不純物からなるアルミニウム合金で構成されるもの(特開平4−198447号公報) も提案されている。
【0008】
これらのアルミニウム合金クラッド材は、ラジエータ、ヒータコアなどのアルミニウム製熱交換器のチューブ材などとして使用された場合、作動流体が、比較的低温で且つ中性〜弱酸性でClイオンを含む溶液の場合には優れた犠牲陽極効果を発揮するが、作動流体がpH9以上のアルカリ性の溶液の場合には、なお耐食性が十分でなく、孔食が生じ、防食効果を発揮できない場合も多い。
【0009】
この問題を解決するために、発明者らは、3層クラッド材の犠牲陽極材として、Fe:0.5〜3.0%、Ni:0.1〜3.0%の1種または2種を含有し、さらに必要に応じてMg、Zn、In、Sn、Gaの1種または2種以上を添加したアルミニウム合金を適用することを提案した。(特開平9−176768号公報)このクラッド材は、通常の使用環境では優れた耐アルカリ腐食性をそなえているが、使用環境がさらに過酷となった場合、必ずしも十分な耐食効果が得られない場合がある。
【0010】
発明者らは、pH9以上のアルカリ溶液中において、犠牲陽極材をクラッドしたアルミニウム合金クラッド材に生じる孔食発生の原因およびその対策を検討する過程において、アルカリ環境の下では、犠牲陽極層の表面に、褐色〜黒色を呈する多孔質の厚い皮膜が生成し、皮膜の欠陥部に腐食が集中して優先腐食することにより貫通孔が生じることを先に見出したが、さらに実験、検討を行った結果、材料の表面に存在するマトリックス中の化合物粒子が、皮膜成分である水酸化アルミニウムの沈着を妨げて皮膜の生成を抑制する場合があり、皮膜生成の妨げられた個所で多数の皮膜欠陥を形成し、孔食を分散させることによって、貫通孔食の発生を防止し得ることを知見した。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の知見に基づいてなされたものであり、その目的は、耐食性、とくに耐アルカリ腐食性に優れ、アルカリ性を有する作動流体を使用した場合や中性〜弱酸性でCl- を含む溶液を使用した場合にも孔食による貫通孔の発生を防止できる熱交換器用アルミニウム合金クラッド材を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するための本発明による耐食性に優れた熱交換器用アルミニウム合金クラッド材は、アルミニウム合金よりなる芯材の片面にアルミニウム合金ろう材をクラッドし、他の面に犠牲陽極材をクラッドしたアルミニウム合金クラッド材において、犠牲陽極材が、Alと結合して犠牲陽極材のマトリックスより貴な化合物を生成する元素を含有し、残部Alおよび不純物からなるアルミニウム合金から構成され、マトリックス中に粒子径(円相当直径、以下同じ)1〜10μmの前記化合物が1mm2当たり5×102〜5×104個均一に分布していることを第1の特徴とする。
【0013】
また、犠牲陽極材のマトリックス中に存在する化合物が、Fe、Ni、Si、Mn、Coのうちの1種または2種以上の元素とAlとの化合物であること、および犠牲陽極材が、Si: 0.5〜1.0%、Mn: 0.5〜2.0%、Fe:0.5〜1.5%、Ni:0.3〜1.5%、Co:0.3〜1.5%のうちの1種または2種以上を含有し、残部Alおよび不純物からなることを第2および第3の特徴とし、犠牲陽極材が、さらにZn:0.5〜5.0%、In:0.01〜0.3%、Sn:0.01〜0.1%、Mg:2.5%以下(0%を含まず、以下同じ)のうちの1種または2種を含有すること、および犠牲陽極材が、さらにBe:0.1%以下、B:0.1%以下、Ca:1.0%以下、V:0.1%以下、Cr:0.3%以下、Bi:0.1%以下、Ti:0.3%以下、Zr:0.3%以下のうちの1種または2種以上を含有することを第4および第5の特徴とする。
【0014】
さらに、アルミニウム合金よりなる芯材の片面にアルミニウム合金ろう材をクラッドし、他の面に犠牲陽極材をクラッドしたアルミニウム合金クラッド材において、犠牲陽極材が、Si:0.5〜1.0%、Mg:2.5%以下を含有し、残部Alおよび不純物からなるアルミニウム合金で構成され、該アルミニウム合金のマトリックス中に粒子径1〜10μmの前記化合物が1mm2当たり5×102〜5×104個均一に分布していること、上記組成のアルミニウム合金に、さらにZn:0.5〜5.0%、In:0.01〜0.3%、Sn:0.01〜0.1%、Be:0.1%以下、B:0.1%以下、Ca:1.0%以下、V:0.1%以下、Cr:0.3%以下、Bi:0.1%以下、Ti:0.3%以下、Zr:0.3%以下のうちの1種または2種以上を含有すること、および芯材がAl−Mn系またはAl−Mn−Cu系のアルミニウム合金からなることを本発明の第6、第7および第8の特徴とする。
【0015】
本発明においては、犠牲陽極材が、Alと結合して犠牲陽極材のマトリックスより電位の貴な化合物を生成する元素を含有し、残部Alおよび不純物からなるアルミニウム合金から構成され、マトリックス中に粒子径1〜10μmの当該化合物を1mm2 当たり5×102 〜5×104 個微細分散させることが重要である。このようなマトリックス性状とすることにより、犠牲陽極材表面の化合物が存在する個所で、皮膜成分である水酸化アルミニウムの沈着が妨げられ皮膜の生成が抑制されるから、皮膜欠陥が多くなって孔食が分散するため、皮膜欠陥が少ない場合のように孔食が局在化して深さ方向への進行が速くなるということがなく、貫通孔食の発生が防止できることとなる。1mm2 当たりの前記化合物の数が多くなると、自己耐食性が劣化する。
【0016】
本発明における犠牲陽極材中の合金成分の意義およびその限定理由について説明すると、Fe、Ni、Si、Mn、Coは、それぞれマトリックス中にAl−Fe系化合物、Al−Ni系化合物、Al−Fe−Ni系化合物、Al−Si−Mn系化合物、Al−Si−Fe系化合物、Al−Mn系化合物、Al−Co系化合物などを微細に分散させ、材料表面に存在する化合物の位置において、皮膜成分である水酸化アルミニウムの沈着を妨げ皮膜の生成を抑制する結果、その部分が皮膜欠陥となって孔食が生じるが、皮膜欠陥は微細に分散している化合物の周辺に存在し、従って、その数は多く且つ均一に分布するから、孔食も分散して腐食深さが浅くなり、貫通孔は生じない。
【0017】
犠牲陽極材のマトリックス中に上記の化合物を生成、分散させるための各成分の好ましい含有量については、Feの好ましい含有範囲は0.5〜1.5%であり、0.5%未満ではその効果が小さく、1.5%を越えて含有すると犠牲陽極材の自己腐食性が増大するとともに、圧延加工性が低下する。Feのさらに好ましい含有範囲は0.7〜1.2%である。Niの好ましい含有範囲は0.3〜1.5%であり、0.3%未満ではその効果が十分でなく、1.5%を越えると、犠牲陽極材の自己腐食性が増大するとともに、圧延加工性が劣化する。Niのさらに好ましい含有量は0.7〜1.2%の範囲である。
【0018】
Siの好ましい含有範囲は0.5〜1.0%であり、0.5%未満ではその効果が小さく、1.0%を越えて含有すると犠牲陽極材の自己腐食性が増大するとともに、圧延加工性が低下する。Siのさらに好ましい含有範囲は0.7〜1.0%である。Mnの好ましい含有範囲は0.5〜2.0%であり、0.5%未満ではその効果が十分でなく、2.0%を越えると、犠牲陽極材の自己腐食性が増大するとともに、圧延加工性が劣化する。Mnのさらに好ましい含有量は0.7〜1.2%の範囲である。Coの好ましい含有範囲は0.3〜1.5%であり、0.3%未満ではその効果が十分でなく、1.5%を越えると、犠牲陽極材の自己腐食性が増大するとともに、圧延加工性が劣化する。Coのさらに好ましい含有量は0.5〜1.0%の範囲である。
【0019】
Mgは、Siと共存してMg2 Siを生成し、マトリックス中に当該化合物が微細に分散し、材料表面に存在する化合物の位置において、皮膜成分である水酸化アルミニウムの沈着を妨げ皮膜の生成を抑制する。その結果、その部分が皮膜欠陥となって孔食が生じるが、皮膜欠陥は微細に分散している化合物の周辺に存在し、従って、その数は多く且つ均一に分布するから、孔食も分散して腐食深さが浅くなり貫通孔が生じない。Mgの好ましい含有範囲は2.5%以下であり、2.5%を越えると犠牲陽極材の自己耐食性が低下する、Mgのさらに好ましい含有量は1.5%以下である。
【0020】
Zn、In、Snは、犠牲陽極材の電位を卑にして、芯材に対する犠牲陽極効果を保持し、芯材の孔食や隙間腐食を防止する。Znの好ましい含有量は0.5〜5.0%の範囲であり、0.5%未満ではその効果が十分でなく、5.0%を越える自己腐食性が低下する。Znのさらに好ましい含有範囲は1.0〜2.5%である。Inの好ましい含有量は0.01〜0.3%の範囲であり、0.01%未満ではその効果が十分でなく、0.3%を越える自己腐食性が低下するとともに圧延加工性が劣化する。Inのさらに好ましい含有範囲は0.01〜0.05%である。また、Snの好ましい含有量は0.01〜0.1%の範囲であり、0.01%未満ではその効果が十分でなく、0.1%を越える自己腐食性が低下するとともに圧延加工性が劣化する。Snのさらに好ましい含有範囲は0.01〜0.05%である。
【0021】
B、Ca、V、Cr、Ti、Zrは、前記のFe、Niなどと同様に、Alと化合物を生成して、これを犠牲陽極材のマトリックス中に微細分散させ、材料表面の化合物が存在する個所で、皮膜成分である水酸化アルミニウムの沈着を妨げ、皮膜の生成を抑制するとともに、孔食を分散させて貫通孔食の発生を防止するよう機能する。好ましい含有量は、B:0.1%以下、Ca:1.0%以下、V:0.1%以下、Cr:0.3%以下、Ti:0.3%以下、Zr:0.3%以下の範囲であり、それぞれ上限を越えると、犠牲陽極材の自己耐食性、圧延加工性が低下する。その他、Bi:0.1%以下、Be:0.1%以下が含有されても本発明の性能に影響を与えることはなく、特性を改善することもできるが、上限を越えると、自己耐食性、圧延加工性を害する。
【0022】
本発明においては、犠牲陽極材として、上記組成のアルミニウム合金を使用し、芯材として、0.3〜2.0%のMnまたは0.3〜2.0%のMn、0.1〜1.0%のCuを含有するアルミニウム合金、またはこれにさらに0.5%以下のMg、1.0%以下のSiの1種または2種を添加したアルミニウム合金を組合わせて使用した場合、とくに優れた効果を得ることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
本発明の熱交換器用アルミニウム合金クラッド材は、芯材、犠牲陽極材およびろう材を構成するアルミニウム合金を、半連続鋳造により造塊し、芯材および犠牲陽極材については均質化処理したのち、必要に応じて、それぞれ所定厚さまで熱間圧延する。ろう材についても必要に応じて熱間圧延し、ついで、各材料を組合わせ、常法に従って、熱間圧延によりクラッド材とし、最終的に所定厚さまで冷間圧延する工程を経て製造される。
【0024】
クラッド材の製造過程において、犠牲陽極材のマトリックス中に、前記化合物が分散するが、本発明所定の化合物の微細分散状態は、犠牲陽極材を構成するアルミニウム合金の組成、犠牲陽極材の鋳塊均質化処理条件、クラッド材の熱間圧延条件、冷間圧延加工度および冷間圧延の途中で行われる中間焼鈍の条件を調整することにより得られる。例えば、鋳塊の冷却速度を0.1℃/s〜100℃/sとし、均質化処理は行わないか、または400〜500℃の温度域で均質化処理を行い、クラッド圧延後の中間焼鈍を200〜400℃で行うことにより本発明の化合物分散を得ることができる。なお、犠牲陽極材中の化合物の粒子径は、200倍の光学顕微鏡写真を5視野(面積合計0.15mm2 )撮影し、画像解析装置により化合物粒径(円相当直径)分布を測定することにより求められる。
【0025】
本発明のアルミニウム合金クラッド材から溶接管を製造して熱交換器用チューブ材とし、またヘッダープレート材として、自動車用のラジエータやヒータコアなどのアルミニウム製熱交換器の組立てに使用する場合には、アルミニウム合金のフィン材を組合わせ、ろう付け炉中において、フッ化物系フラックスを用いる不活性ガス雰囲気ろう付け、あるいは真空ろう付けを行う。
【0026】
そのために、本発明のアルミニウム合金クラッド材において、芯材の片面にはAl−Si系ろう材あるいはAl−Si−Mg系ろう材がクラッドされる。この場合、不活性ガス雰囲気ろう付け用としては、基本的にSi:6〜13%を含有するAl−Si合金が適用され、真空ろう付け用としては、さらに、例えばMg:0.5〜3.0%を含むAl−Si−Mg合金が適用される。これらのAl−Si系ろう材、Al−Si−Mg系ろう材には、Bi:0.1%以下、Be:0.1%以下、Ca:1.0%以下、Li:1.0%以下のうちの1種または2種以上を含有させることもできる。
【0027】
【実施例】
実施例1
連続鋳造により、芯材用アルミニウム合金(JIS 3003合金−Mn:1.2%、Cu:0.15%、残部Alおよび不純物)、表1〜2に示す組成を有する犠牲陽極材用アルミニウム合金、およびろう材用合金(JIS BA4343−Si:7.5%、残部Alおよび不可避的不純物)を造塊した。芯材用アルミニウム合金および犠牲陽極材用アルミニウム合金の鋳塊については均質化処理を行い、犠牲陽極材用アルミニウム合金およびろう材用合金の鋳塊を所定の厚さまで熱間圧延し、これらの圧延材と芯材用合金の鋳塊を組合わせて熱間圧延し、クラッド材とした。さらに冷間圧延、中間焼鈍を行い、最終冷間圧延により厚さ0.25mmのクラッド板材(H14)を作製した。クラッド板材の厚さ構成は、ろう材の厚さ0.025mm(クラッド率10%)、犠牲陽極材の厚さは0.025〜0.060mm(クラッド率10〜24%)とした。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【0030】
得られたクラッド板材を、フィン材を配置することなく、フッ化物系フラックスを使用して、窒素ガス雰囲気中で600 ℃(材料温度) のろう付け温度に加熱した後、以下に示す腐食試験を行った。
【0031】
腐食試験1:犠牲陽極材側について、市販の不凍液を、蒸留水により30vol%濃度に希釈し、苛性ソーダを加えてpH10に調整した腐食液を使用して、試験材を、88℃の温度に加熱した腐食液中に8h浸漬したのち、冷却して25℃の温度に16h保持するというサイクルを4カ月間繰り返した。
【0032】
腐食試験2:犠牲陽極材側について、Cl- :195ppm、SO4 2- :60ppm、Cu2+1ppm、Fe3+:30ppmを含む水溶液を腐食液とし、試験材を88℃の温度に加熱した腐食液中に8h浸漬したのち、冷却して25℃の温度に16h保持するというサイクルを3カ月間繰り返した。
【0033】
腐食試験の結果を表3〜4に示す。表3にみられるように、本発明に従う試験材は、いずれも、圧延加工性は良好で割れなどの欠陥を生じることがなく、腐食試験1、2による最大腐食深さは0.1mm未満で、板厚の1/3にも達しない優れた耐食性を示した。
【0034】
【表3】
【0035】
【表4】
【0036】
比較例1
連続鋳造により、表5〜6に示す組成の犠牲陽極材用アルミニウム合金、実施例1と同じ芯材用アルミニウム合金およびろう材用合金を造塊し、実施例1と同一の条件により、厚さ0.25mmのクラッド板材(ろう材厚:0.025mm、犠牲陽極材厚:0.025mm) を作製した。得られたクラッド板材について、実施例1と同じ条件で腐食試験の試験材を作製し、実施例1と同一の腐食試験を行った。結果を表7〜8に示す。
【0037】
【表5】
【0038】
【表6】
【0039】
【表7】
【0040】
【表8】
【0041】
表7にみられるように、試験材No.41〜57は、粒子径1〜10μmの化合物の1mm2当たりの個数が本発明の範囲を外れているため、耐食性が劣り、腐食試験1、腐食試験2のいずれにおいても貫通腐食が発生した。試験材No.59は、犠牲陽極材中のZnの含有量が多いため、試験材No.60〜63は、犠牲陽極材中のIn、Sn、Bi、Beの含有量が多いため、犠牲陽極材の自己耐食性が劣り、腐食試験2において、いずれも貫通孔食が発生した。
【0042】
【発明の効果】
本発明によれば、耐食性、とくに耐アルカリ腐食性に優れた熱交換器用アルミニウム合金クラッド材が提供される。このアルミニウム合金クラッド材は、とくに自動車用ラジエータ、ヒータコアなどのチューブ材、ヘッダープレート材として好適に使用できる。
Claims (8)
- アルミニウム合金よりなる芯材の片面にアルミニウム合金ろう材をクラッドし、他の面に犠牲陽極材をクラッドしたアルミニウム合金クラッド材において、犠牲陽極材が、Alと結合して犠牲陽極材のマトリックスより貴な化合物を生成する元素を含有し、残部Alおよび不純物からなるアルミニウム合金から構成され、マトリックス中に粒子径(円相当直径、以下同じ)1〜10μmの前記化合物が1mm2当たり5×102〜5×104個均一に分布していることを特徴とする耐食性に優れた熱交換器用アルミニウム合金クラッド材。
- 犠牲陽極材のマトリックス中に存在する化合物が、Fe、Ni、Si、Mn、Coのうちの1種または2種以上の元素とAlとの化合物であることを特徴とする請求項1記載の耐食性に優れた熱交換器用アルミニウム合金クラッド材。
- 犠牲陽極材が、Si: 0.5〜1.0%(重量%、以下同じ)、Mn: 0.5〜2.0%、Fe:0.5〜1.5%、Ni:0.3〜1.5%、Co:0.3〜1.5%のうちの1種または2種以上を含有し、残部Alおよび不純物からなることを特徴とする請求項2記載の耐食性に優れた熱交換器用アルミニウム合金クラッド材。
- 犠牲陽極材が、さらにZn:0.5〜5.0%、In:0.01〜0.3%、Sn:0.01〜0.1%、Mg:2.5%以下(0%を含まず、以下同じ)のうちの1種または2種を含有することを特徴とする請求項3記載の耐食性に優れた熱交換器用アルミニウム合金クラッド材。
- 犠牲陽極材が、さらにBe:0.1%以下、B:0.1%以下、Ca:1.0%以下、V:0.1%以下、Cr:0.3%以下、Bi:0.1%以下、Ti:0.3%以下、Zr:0.3%以下のうちの1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項3〜4記載の耐食性に優れたアルミニウム合金クラッド材。
- アルミニウム合金よりなる芯材の片面にアルミニウム合金ろう材をクラッドし、他の面に犠牲陽極材をクラッドしたアルミニウム合金クラッド材において、犠牲陽極材が、Si:0.5〜1.0%、Mg:2.5%以下を含有し、残部Alおよび不純物からなるアルミニウム合金で構成され、該アルミニウム合金のマトリックス中に粒子径1〜10μmの前記化合物が1mm2当たり5×102〜5×104個均一に分布していることを特徴とする耐食性に優れた熱交換器用アルミニウム合金クラッド材。
- 犠牲陽極材が、さらにZn:0.5〜5.0%、In:0.01〜0.3%、Sn:0.01〜0.1%、Be:0.1%以下、B:0.1%以下、Ca:1.0%以下、V:0.1%以下、Cr:0.3%以下、Bi:0.1%以下、Ti:0.3%以下、Zr:0.3%以下のうちの1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項6記載の耐食性に優れたアルミニウム合金クラッド材。
- 芯材がAl−Mn系またはAl−Mn−Cu系のアルミニウム合金からなることを特徴とする請求項1〜7記載の耐食性に優れたアルミニウム合金クラッド材。
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