JP3326106B2 - 強度および耐食性に優れた熱交換器用アルミニウム合金クラッド材 - Google Patents
強度および耐食性に優れた熱交換器用アルミニウム合金クラッド材Info
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Description
に優れた熱交換器用アルミニウム合金クラッド材、とく
に自動車用熱交換器、例えばラジエータ、ヒータコアな
ど、フッ化物系フラックスを用いるろう付けや真空ろう
付けにより接合される熱交換器の流体通路構成材(チュ
ーブ材)、ヘッダープレート材として適し、また、それ
らの熱交換器と接続する配管材としても好適に使用され
る強度および耐食性に優れた熱交換器用アルミニウム合
金クラッド材に関する。
用熱交換器のチューブ材やヘッダープレート材には、J
IS3003合金などのAl−Mn系合金を芯材とし、
芯材の一方の面にAl−Si系のろう材をクラッドし、
他方の面のAl−Zn系合金やAl−Zn−Mg系合金
からなる犠牲陽極材をクラッドしたアルミニウム合金の
3層クラッド材が使用されている。
ンとの接合、チューブとヘッダープレートとのろう付け
接合のためにクラッドされるものであり、ろう付けは、
不活性ガス雰囲気中でフッ化物系フラックスを用いて行
うろう付けや真空ろう付けが適用される。犠牲陽極材は
チュ−ブの内面を構成し、熱交換器の使用中に作動流体
と接して犠牲陽極効果を発揮し、芯材の孔食発生や隙間
腐食を防ぐ。チュ−ブ外面に接合されるフィンは、犠牲
陽極効果を発揮して芯材を防食する。
ュ−ブ材の薄肉化のために、芯材にCuを添加したり、
芯材、犠牲陽極材にMg、Siを共存させMg2 Si化
合物を形成させることにより高強度化を図ることも行わ
れている。この場合には、犠牲陽極材中のZnと芯材中
のCuがろう付け加熱時に相互拡散し、これが耐食性に
大きく影響するため、耐食性に優れ且つろう付け後の強
度向上を目的として、ろう付け加熱時における犠牲陽極
材中のZnと芯材中のCuの相互拡散を考慮したクラッ
ド材についての提案がなされている。
最適に組合わせたもの(特許第2,572,495 号公報)、犠
牲陽極材にZnを含有させ、芯材に0.7 %未満のCuを
含有させることにより、犠牲陽極材層と芯材層の電位差
を30〜120mVとすることにより耐食性の向上を図
ったもの(特開平6-023535号公報) がある。また、犠牲
陽極材層の厚さを46〜70μmとし、0.7 〜2.5 %の
Cuを添加して、強度と耐食性を確保したクラッド材
(特開平8-134574号公報) が提案されている。
は、JIS3003合金など、Al−Mn系合金を芯材
とし、芯材の一方の面または両面にJIS7072合金
などのAl−Zn系合金を犠牲陽極材としてクラッドし
た2層または3層のアルミニウム合金クラッド管が使用
されている。クラッド管の内面に配置される犠牲陽極材
層は、熱交換器の使用中に作動流体と接し、犠牲陽極効
果を発揮して芯材の孔食の発生や隙間腐食を防止し、外
面の犠牲陽極材層は、過酷な環境で使用された場合に生
じる芯材の孔食や隙間腐食を防止する。
ラッド材においては、実際に使用されるろう付け加熱後
には、犠牲陽極材のZnと芯材のCuとの相互拡散によ
って、犠牲陽極材層の表面から芯材にかけて電位勾配を
有する傾斜構造材となっている。このように電位勾配を
有する傾斜構造材の腐食形態は、横拡がりとなり板厚の
幅方向に進行するため、腐食の進行が遅くなり良好な耐
食性をそなえたものとなる。
は、前記の従来技術に示されるように、芯材のCuの上
限を規制したり、また、より多量のCuを含有させるに
は犠牲陽極材層の厚さを大きくするなど有効な範囲が制
限されている。チューブ材がさらに薄肉化された場合に
は、十分な耐食性が得られない場合がある。
uとの相互拡散によって得られる傾斜構造材の腐食につ
いて、実験、検討を重ねた結果、犠牲陽極材のマトリッ
クス中にマトリックスより貴で且つ粗大なSi系化合
物、Fe系化合物が存在した場合、これらの化合物が局
部カソードとして作用し、化合物周辺の傾斜機能が阻害
されて優先的に腐食するため、横拡がりの腐食形態が得
られなくなることを見出した。
に基づいて、犠牲陽極材のZnと芯材のCuとの相互拡
散によって得られる、犠牲陽極材層の表面から芯材にか
けて電位勾配を有する傾斜構造材において、優れた強度
および耐食性を付与するために、芯材の組成、犠牲陽極
材の組成およびそれらの組合わせ、犠牲陽極材のマトリ
ックス中の化合物の分布と諸性能との関連について、さ
らに検討を加えた結果としてなされたものであり、その
目的は、熱交換器、とくに自動車用熱交換器のチューブ
材、ヘッダープレート材、配管材として好適に使用する
ことができる強度および耐食性に優れた熱交換器用アル
ミニウム合金クラッド材を提供することにある。
めの本発明による強度および耐食性に優れた熱交換器用
アルミニウム合金クラッド材は、芯材の一方の面に犠牲
陽極材をクラッドしたアルミニウム合金クラッド材であ
って、芯材は、Mn:0.3〜2.0 %、Cu:0.25〜1.0
%、Si:0.3〜1.1 %を含有し、残部アルミニウムおよ
び不純物からなるアルミニウム合金で構成され、犠牲陽
極材は、Zn:1.5〜8 %、Si:0.01 〜0.8 %、Fe:
0.01 〜0.3 %を含有し、残部アルミニウムおよび不純
物からなるアルミニウム合金で構成され、犠牲陽極材の
マトリックス中に存在するSi系化合物とFe系化合物
のうち、粒子径が1μm以上の化合物が、Si系化合物
とFe系化合物の合計数で、1mm2 当たり2×104
個以下であることを第1の特徴とする。
ッドし、他方の面にAl−Si系のろう材をクラッドし
たアルミニウム合金クラッド材であって、芯材は、M
n:0.3〜2.0 %、Cu:0.25 〜1.0 %、Si:0.3〜1.1
%を含有し、残部アルミニウムおよび不純物からなるア
ルミニウム合金で構成され、犠牲陽極材は、Zn:1.5〜
8 %、Si:0.01 〜0.8 %、Fe:0.01 〜0.3 %を含有
し、残部アルミニウムおよび不純物からなるアルミニウ
ム合金で構成され、犠牲陽極材のマトリックス中に存在
するSi系化合物とFe系化合物のうち、粒子径が1μ
m以上の化合物が、Si系化合物とFe系化合物の合計
数で、1mm2 当たり2×104 個以下であることを第
2の特徴とする。
ドしたアルミニウム合金クラッド材であって、芯材は、
Mn:0.3〜2.0 %、Cu:0.25 〜1.0 %、Si:0.3〜1.
1 %を含有し、残部アルミニウムおよび不純物からなる
アルミニウム合金で構成され、犠牲陽極材は、Zn:1.5
〜8 %、Si:0.01 〜0.8 %、Fe:0.01 〜0.3 %を含
有し、残部アルミニウムおよび不純物からなるアルミニ
ウム合金で構成され、犠牲陽極材のマトリックス中に存
在するSi系化合物とFe系化合物のうち、粒子径が1
μm以上の化合物が、Si系化合物とFe系化合物の合
計数で、1mm 2 当たり2×104 個以下であることを
第3の特徴とする。
が、さらにIn:0.05 %以下、Sn:0.05 %以下のうち
の1種または2種を含有すること、犠牲陽極材が、さら
にMg:2.5%以下を含有すること、および芯材が、さら
にMg:0.5%以下を含有することにある。
限定理由について説明すると、芯材中のMnは、芯材の
強度を向上させるとともに、芯材の電位を貴にして、犠
牲陽極材との電位差を大きくして耐食性を高めるよう機
能する。好ましい含有範囲は0.3 〜2.0 %であり、0.3
%未満ではその効果が小さく、2.0 %を越えて含有する
と、鋳造時に粗大な化合物が生成し、圧延加工性が害さ
れる結果、健全な板材が得難い。Mnのさらに好ましい
含有量は0.8 〜1.5 %の範囲である。
に、芯材の電位を貴にし、犠牲陽極材、ろう材との電位
差を大きくして、耐食性を高めるよう機能する。さら
に、芯材中のCuは、ろう付け加熱時に犠牲陽極材中お
よびろう材中に拡散して、なだらかな濃度勾配を形成す
る。その結果、芯材側の電位は貴となり、犠牲陽極材の
表面側およびろう材の表面側の電位は卑となって、犠牲
陽極材中およびろう材中になだらかな電位勾配が形成さ
れ、腐食形態を横拡がりの全面腐食型にする。Cuの好
ましい含有量は0.25〜1.0 %の範囲であり、0.25%未満
ではその効果が小さく、1.0 %を越えると、芯材の耐食
性が低下し、また、融点が低下して、ろう付け時に局部
的な溶融が生じ易くなる。Cuのさらに好ましい含有量
は0.4 〜0.6%の範囲である。
する。また、ろう付け中に犠牲陽極材層から拡散してく
るMgと共存することにより、ろう付け後、Mg2 Si
の微細な化合物が生成して時効硬化が生じ、一層強度を
向上させる。Siの好ましい含有範囲は0.3 〜1.1 %で
あり、0.3 %未満ではその効果が十分でなく、1.1 %を
越えると、耐食性を低下させ、また融点が低下して局部
溶融が生じ易くなる。Siのさらに好ましい含有量は0.
3 〜0.7 %の範囲である。
するが、ろう付け性低下の観点から0.5 %以下(0 %を
含まず)に制限するのが好ましい。0.5 %を越えて含有
すると、フッ化物系のフラックスを使用する不活性ガス
雰囲気ろう付けの場合、Mgがフラックスと反応してろ
う付け性が阻害されるとともに、Mgのフッ化物が生成
して、ろう付け部の外観がわるくなる。また、真空ろう
付けの場合には、溶融ろうが芯材を浸食し易くなる。M
gのさらに好ましい含有量は0.15%以下の範囲である。
なお、芯材中に、不純物として、0.5 %以下のFe、0.
2 %以下のCr、0.3 %以下のZr、0.1 %以下のBが
含有しても芯材の特性に影響を与えることはない。
を卑にし、芯材に対する犠牲陽極効果を保持し、芯材の
孔食や隙間腐食を防止するよう機能する。Znの好まし
い含有範囲は1.5 〜8 %であり、Znの含有量が1.5 %
未満ではその効果が十分でなく、8 %を越えると自己耐
食性が低下する。Znのさらに好ましい含有量は2.0〜
6.0 %の範囲である。
リックス中にSi系化合物を生成する。このSi系化合
物と後述するFe系化合物のうち、粒子径(円相当直
径)が1μm以上のものが、Si系化合物とFe系化合
物との合計数で、1mm2 当たり2×104 個以下の数
存在する場合、犠牲陽極材層の表面から芯材にかけての
電位勾配を利用した犠牲陽極効果が有効に作用する。S
iの好ましい含有量は0.01〜0.8 %の範囲であり、0.8
%以下の範囲で上記の化合物分布が得られ、0.8%を越
えて含有すると犠牲陽極効果が阻害される。Siのさら
に好ましい含有量は、0.01〜0.5 %の範囲である。
e系化合物を生成する。このFe系化合物と前記のSi
系化合物のうち、粒子径(円相当直径)が1μm以上の
化合物が、Si系化合物とFe系化合物との合計数で、
1mm2 当たり2×104 個以下の数存在する場合、犠
牲陽極材層の表面から芯材にかけての電位勾配を利用し
た犠牲陽極効果が有効に作用する。Feの好ましい含有
量は0.01〜0.3 %の範囲であり、0.3 %以下の範囲で上
記の化合物分布が得られ、0.3 %を越えて含有すると犠
牲陽極効果が阻害される。Siのさらに好ましい含有量
は、0.01〜0.2%の範囲である。
対し犠牲陽極効果を確実に付与するために役立つ。In
の好ましい含有量は0.05%以下(0 %を含まず)の範囲
であり、0.05%を越えると犠牲陽極材の自己耐食性が低
下し、また圧延加工性が劣化する。Inのさらに好まし
い含有範囲は0.01〜0.02%である。
対し犠牲陽極効果を確実に付与するために役立つ。Sn
の好ましい含有量は0.05%以下(0 %を含まず)の範囲
であり、0.05%を越えると犠牲陽極材の自己耐食性が低
下し、また圧延加工性が劣化する。Snのさらに好まし
い含有範囲は0.01〜0.02%である。
Mg2 Siを生成して、犠牲陽極材のマトリックス中に
微細分散し、材料表面の化合物が存在する位置で、腐食
環境において皮膜成分である水酸化アルミニウムの沈着
を妨げ、皮膜の生成を抑制するとともに、孔食を分散さ
せ、貫通孔食の発生を防止するよう機能する。Mgの好
ましい含有量は2.5 %以下(0 %を含まず)の範囲であ
り、2.5 %を越えると自己耐食性が低下する。Mgのさ
らに好ましい含有範囲は1.5 %未満である。
u、0.2 %以下のCr、0.3 %以下のTi、0.3 %以下
のZr、0.1 %以下のBが含有していても本発明のアル
ミニウム合金クラッド材の性能に影響を与えることはな
い。
合金クラッド材は、芯材、犠牲陽極材およびろう材を構
成するアルミニウム合金を、例えば半連続鋳造により造
塊し、必要に応じて均質化処理したのち、それぞれ所定
厚さまで熱間圧延し、ついで、各材料を組合わせ、常法
に従って、熱間圧延によりクラッド材とし、最終的に所
定厚さまで冷間圧延した後、最終的に焼鈍を行う工程を
経て製造される。犠牲陽極材のマトリックス中における
本発明のSi系化合物、Fe系化合物の分散状態は、犠
牲陽極材用アルミニウム合金の鋳造条件を調整すること
により得られる。好ましい連続鋳造条件としては、鋳造
温度730〜800℃、冷却速度10〜50℃/秒が用
いられる
ラジエータ、ヒータコアなど、自動車用熱交換器のチュ
ーブ材とするには、クラッド板を曲成し、突き合わせ部
を溶接またはろう付けすることによりチューブ形状とす
る。芯材と犠牲陽極材からなる2層クラッド材の場合
は、犠牲陽極材が内皮層となって作動流体と接し、外側
の芯材層に両面にAl−Si系のろう材をクラッドして
なるアルミニウム合金フィン材をろう付け接合して熱交
換器を組立てる。
層クラッド材の場合には、犠牲陽極材層が内皮層および
外皮層を形成し、内皮層は作動流体と接して、犠牲陽極
効果を発揮して芯材層を防食し、外皮層は外部の腐食環
境において犠牲陽極効果を発揮して芯材を保護する。外
皮層には両面にAl−Si系のろう材をクラッドしてな
るアルミニウム合金フィン材をろう付け接合する。
クラッドし、他の面に犠牲陽極材をクラッドしてなる3
層のクラッド材の場合には、犠牲陽極材層が内皮層を構
成して作動流体と接し、ろう材層が外皮層となる。外皮
層には両面にAl−Si系のろう材をクラッドしてなる
アルミニウム合金フィン材をろう付け接合して熱交換器
を組立てる。
スを用いる不活性ガス雰囲気ろう付け、または真空ろう
付けが適用される。そのために、本発明のアルミニウム
合金クラッド材においては、上記不活性ガス雰囲気ろう
付けでは、通常、6 〜13%のSiを含有するAl−Si
系合金が使用され、真空ろう付けでは、Al−Si−M
g系ろう材が使用される。真空ろう付け用ろう材として
は、基本的にSi:6〜13%、Mg:0.5〜3.0 %を含むA
l−Si−Mg合金が適用される。ろう材には、ろう付
け性を改善するために、Bi:0.2%以下、Be:0.2%以
下のうちの1種または2種を含有させることもできる。
ニウム合金およびろう材用合金(JIS BA434
3、Si:7.5%)を造塊し、芯材用合金については均質
化処理を行った。また、表2に示す組成を有する犠牲陽
極材用アミニウム合金を造塊した。なお、犠牲陽極材用
アルミニウム合金の連続鋳造による造塊条件は、鋳造温
度740℃、冷却速度15℃/秒とした。
用アルミニウム合金の鋳塊を熱間圧延して所定の厚さと
し、これらと芯材用アルミニウム合金の鋳塊とを組合わ
せて熱間圧延を行い、クラッド材を得た。さらに、冷間
圧延、中間焼鈍、最終冷間圧延により、厚さ0.25m
mのクラッド板(H14材)を作製した。クラッドの構
成は、ろう材層:0.025mm、犠牲陽極材層:0.
025〜0.050mmとした。
ついて、以下の方法に従って、Si系およびFe系化合
物の測定を行い、ろう付け後の強度、耐食性、ろう付け
性を評価した。結果を表3〜4に示す。 (1)Si系、Fe系化合物の測定 クラッド板材の犠牲陽極材層のマトリックスについて、
200倍の光学顕微鏡写真を5視野(面積合計0.15
mm2 )撮影し、画像解析装置により、粒子径(円相当
直径)1μm以上のサイズのFe系化合物粒子とSi系
化合物粒子の合計数を測定した。
ガス中で、ろう付け温度の600℃(材料温度)に加熱
した後、冷却して引張試験を行い、引張強さを測定し
た。
ガス中で、ろう付け温度の600℃(材料温度)に加熱
した後、つぎの方法により犠牲陽極材層側の腐食試験を
行い、内面側の耐食性を評価した。 腐食液:Cl- 195ppm、SO4 2-60ppm、C
u2+1ppm、Fe3+30ppm 方 法:88℃の温度で8時間加熱したのち冷却し、2
5℃で16時間保持するサイクルを3か月間繰り返す。
u−1.0 %Zn合金からなる厚さ0.08mmのコルゲ
ートフィンを載せ、窒素ガス雰囲気中でフッ化物系フラ
ックスを用いて、600℃の温度でろう付けを行い、C
ASS試験により、ろう材側(外面)の耐食性を評価し
た。
u−1.0 %Zn合金からなる厚さ0.08mmのコルゲ
ートフィンを載せ、窒素ガス雰囲気中でフッ化物系フラ
ックスを用いて、600℃の温度でろう付けを行い、ろ
う付け部の接合性の良否、溶融の有無からろう付け性を
評価した。
う試験材はいずれも、ろう付け後に130MPaを越え
る優れた引張強さを示し、腐食試験における最大腐食深
さは100μm未満であり優れた耐食性をそなえてい
る。ろう付け性についても、局部溶融は認められず良好
な接合部が形成された。
ニウム合金、表6に示す組成の犠牲陽極材用アルミニウ
ム合金、およびろう材用合金(JIS BA4343)
を造塊し、実施例1と同一の条件により、厚さ0.25
mmのアルミニウム合金クラッド板材(H14)を作製
した。なお、一部の材料については、実施例1と条件を
変えて連続鋳造を行った。得られたクラッド板材につい
て、実施例1の方法に従って、ろう付け後の引張強さを
測定し、耐食性、ろう付け性の評価を行った。結果を表
7に示す。なお、表5〜7において本発明の条件を外れ
たものには下線を付した。
れた試験材は、ろう付け後の強度、耐食性、ろう付け性
のいずれかが劣っている。試験材No.33 は芯材のSiが
多いため、ろう付け時に局部溶融が生じた。試験材No.3
5 は芯材のMn量が多いため、加工性が劣り健全な板材
の製造ができなかった。試験材No.37 、38は、それぞれ
芯材のCuおよびMgが多いため、ろう付け性がわる
い。試験材No.44 、45は、それぞれInおよびSnの含
有量が多いため加工性が劣り、健全な板材の製造ができ
なかった。試験材No.46 、47は、犠牲陽極材の造塊にお
いて、通常の連続鋳造条件に従ったため、マトリックス
中の1μm以上の大きさのSi系、Fe系化合物の1m
m2 当たりの個数が多いため、耐食性が劣っている。
び耐食性に優れた熱交換器用アルミニウム合金クラッド
材が提供される。このクラッド材は、自動車用アルミニ
ウム合金製熱交換器の流体通路を構成するチューブ材、
熱交換器を連結する配管材として好適に使用できる。
Claims (6)
- 【請求項1】 芯材の一方の面に犠牲陽極材をクラッド
したアルミニウム合金クラッド材であって、芯材は、M
n:0.3〜2.0 %(重量%、以下同じ)、Cu:0.25 〜1.
0 %、Si:0.3〜1.1 %を含有し、残部アルミニウムお
よび不純物からなるアルミニウム合金で構成され、犠牲
陽極材は、Zn:1.5〜8 %、Si:0.01 〜0.8 %、F
e:0.01 〜0.3 %を含有し、残部アルミニウムおよび不
純物からなるアルミニウム合金で構成され、犠牲陽極材
のマトリックス中のSi系化合物とFe系化合物のう
ち、粒子径(円相当直径、以下同じ)が1μm以上の化
合物が、Si系化合物とFe系化合物の合計数で、1m
m2 当たり2×104 個以下であることを特徴とする強
度および耐食性に優れた熱交換器用アルミニウム合金ク
ラッド材。 - 【請求項2】 芯材の一方の面に犠牲陽極材をクラッド
し、他方の面にAl−Si系のろう材をクラッドしたア
ルミニウム合金クラッド材であって、芯材は、Mn:0.3
〜2.0 %、Cu:0.25 〜1.0 %、Si:0.3〜1.1 %を含
有し、残部アルミニウムおよび不純物からなるアルミニ
ウム合金で構成され、犠牲陽極材は、Zn:1.5〜8 %、
Si:0.01 〜0.8 %、Fe:0.01 〜0.3 %を含有し、残
部アルミニウムおよび不純物からなるアルミニウム合金
で構成され、犠牲陽極材のマトリックス中のSi系化合
物とFe系化合物のうち、粒子径が1μm以上の化合物
が、Si系化合物とFe系化合物の合計数で、1mm2
当たり2×104 個以下であることを特徴とする強度お
よび耐食性に優れた熱交換器用アルミニウム合金クラッ
ド材。 - 【請求項3】 芯材の両面に犠牲陽極材をクラッドした
アルミニウム合金クラッド材であって、芯材は、Mn:
0.3〜2.0 %、Cu:0.25 〜1.0 %、Si:0.3〜1.1 %
を含有し、残部アルミニウムおよび不純物からなるアル
ミニウム合金で構成され、犠牲陽極材は、Zn:1.5〜8
%、Si:0.01 〜0.8 %、Fe:0.01 〜0.3 %を含有
し、残部アルミニウムおよび不純物からなるアルミニウ
ム合金で構成され、犠牲陽極材のマトリックス中のSi
系化合物とFe系化合物のうち、粒子径が1μm以上の
化合物が、Si系化合物とFe系化合物の合計数で、1
mm 2 当たり2×104 個以下であることを特徴とする
強度および耐食性に優れた熱交換器用アルミニウム合金
クラッド材。 - 【請求項4】 犠牲陽極材が、さらにIn:0.05 %以下
(0 %を含まず、以下同じ)、Sn:0.05 %以下のうち
の1種または2種を含有することを特徴とする請求項1
〜3のいずれかに記載の強度および耐食性に優れた熱交
換器用アルミニウム合金クラッド材。 - 【請求項5】 犠牲陽極材が、さらにMg:2.5%以下を
含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記
載の強度および耐食性に優れた熱交換器用アルミニウム
合金クラッド材。 - 【請求項6】 芯材が、さらにMg:0.5%以下を含有す
ることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の強
度および耐食性に優れた熱交換器用アルミニウム合金ク
ラッド材。
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