JP4916333B2 - 強度とろう付け性に優れた熱交換器用アルミニウム合金クラッド材 - Google Patents
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(心材)
Mn:Mnは、心材の強度を向上させるとともに、心材の電位を貴にして犠牲陽極材との電位差を大きくして耐食性を高めるよう機能する。好ましい含有範囲は0.6%〜1.8%であり、0.6%未満ではその効果が小さく、1.8%を超えて含有すると、鋳造時に粗大な化合物が生成し、圧延加工性が害される結果健全な板材が得難い。Mnのさらに好ましい含有範囲は1.0〜1.3%である。
Mn:Mnは、犠牲陽極材の強度を向上させる。また、Al−Mn系化合物が腐食の起点となり、孔食が分散化されることで耐食性が向上する。好ましい含有範囲は0.6%〜2.0%であり、0.6%未満ではその効果が小さく、2.0%を超えて含有すると、鋳造時に粗大な化合物が生成し、圧延加工性が害されて健全な板材が得難くなる。Mnのさらに好ましい含有範囲は1.3〜1.7%である。
Si:ろう材としてはAl−Si系合金が適用され、通常7〜13%のSiを含む合金が用いられる。含有量が7%未満では流動性が低下しろうとして有効に作用せず、13%を超えると健全な材料の製造が難しくなる。心材にMgを含む材料のろう付けをより確実にするためには、Siの含有範囲を9.5〜12.0%とするのが好ましい。Siが9.5%未満ではろう材量が不足する場合があり、12.0%を超えるとろう材中にSiの粗大な晶出物が生じて、ろうの溶融が不均一になり、ろう付け欠陥が生じ易くなる。
連続鋳造により表1に示す組成を有する心材用合金、表2に示す組成を有する犠牲陽極材用合金、および表3に示す組成を有するろう材用合金を造塊し、得られた鋳塊のうち、心材用合金と犠牲陽極材用合金については均質化処理を行い、犠牲陽極材用合金およびろう材用合金を熱間圧延して所定の厚さとし、これらと心材用合金の鋳塊とを組み合わせて熱間圧延してクラッド材を得た。
腐食液:Cl−:300ppm、SO4 2−:100ppm、Cu2+:10ppm
比液量:5〜10mL/cm2
方法:88℃で8hr加熱した後、冷却し25℃×16hr保持するサイクルを
4ヶ月間繰り返し試験した。なお、1ヶ月に1回の頻度で腐食液を交換した。
連続鋳造により表7に示す組成を有する心材用合金、表8に示す組成を有する犠牲陽極材用合金を造塊した後、均質化処理を行い、犠牲陽極材用合金を熱間圧延して所定の厚さとし、犠牲陽極用合金として当該犠牲陽極用合金および実施例1で造塊後所定厚さまで熱間圧延した犠牲陽極用合金B2と、実施例1で造塊後所定厚さまで熱間圧延したろう材用合金C1と、前記心材用合金および実施例1で造塊した心材用合金A1の鋳塊とを組み合わせて熱間圧延してクラッド材を得た。
2 心材
3 ろう材
4 犠牲陽極材
Claims (11)
- 少なくとも心材の一方の面に犠牲陽極材をクラッドしてなるアルミニウム合金クラッド材であって、心材が、Si:0.3〜1.2%(質量%、以下同じ)、Fe:0.01〜1.0%、Cu:0.6%以下(0%を含まず、以下同じ)、Mn:0.6〜1.8%、Mg:0.5%を超え1.0%以下を含有し、Mn含有量とSi含有量との比(Mn%/Si%)を2.0以下とし、残部Alおよび不純物からなるアルミニウム合金で構成され、犠牲陽極材が、Si:0.1〜1.0%、Fe:0.05〜0.5%、Mn:0.6〜2.0%、Zn:1.0〜5.0%を含有し、Mn含有量とSi含有量との比(Mn%/Si%)を2.0以上とし、残部Alおよび不純物からなるアルミニウム合金で構成されることを特徴とする強度とろう付け性に優れた熱交換器用アルミニウム合金クラッド材。
- 前記心材の一方の面に犠牲陽極材がクラッドされ、他方の面にAl−Si系ろう材がクラッドされていることを特徴とする請求項1記載の強度とろう付け性に優れた熱交換器用アルミニウム合金クラッド材。
- 前記Al−Si系ろう材が、Si:7〜13%、Fe:0.15〜2.0%を含有し、さらにZn:0.5〜5.0%、Cu:0.5〜5.0%、Sr:0.005〜0.1%、In:0.05%以下、Sn:0.05以下のうちの1種または2種以上を含有し、残部Alおよび不可避的不純物とからなることを特徴とする請求項2記載の強度とろう付け性に優れた熱交換器用アルミニウム合金クラッド材。
- 前記心材の両面に犠牲陽極材がクラッドされていることを特徴とする請求項1記載の強度とろう付け性に優れた熱交換器用アルミニウム合金クラッド材。
- 前記心材がさらに、Cr:0.02〜0.3%、Zr:0.02〜0.3%のうちの1種または2種を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の強度とろう付け性に優れた熱交換器用アルミニウム合金クラッド材。
- 前記心材がさらに、Ti:0.05〜0.35%を含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の強度とろう付け性に優れた熱交換器用アルミニウム合金クラッド材。
- 前記心材がさらに、V:0.01〜0.3%、B:0.01〜0.3%のうちの1種または2種を含有することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の強度とろう付け性に優れた熱交換器用アルミニウム合金クラッド材。
- 前記犠牲陽極材がさらに、Ti:0.01〜0.35%を含有することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の強度とろう付け性に優れた熱交換器用アルミニウム合金クラッド材。
- 前記犠牲陽極材がさらに、In:0.05%以下、Sn:0.05以下のうちの1種または2種を含有することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の強度とろう付け性に優れた熱交換器用アルミニウム合金クラッド材。
- 前記心材のろう付け加熱後の平均結晶粒度が200μm以上であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の強度とろう付け性に優れた熱交換器用アルミニウム合金クラッド材。
- 前記犠牲陽極材のろう付け加熱後の平均結晶粒度が200μm以下であることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の強度とろう付け性に優れた熱交換器用アルミニウム合金クラッド材。
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