JP3763031B2 - パチンコ遊技機用電子制御装置の不正取脱防止装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、パチンコ遊技機用電子制御装置の不正取脱防止装置に係り、更に詳しくは、遊技盤内で展開されるパチンコゲーム中に電子制御ゲームを現出し得るパチンコ遊技機において、機裏側に装備された電子制御装置の不正取脱を防止し得るようにした不正取脱防止装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種のパチンコ遊技機の代表例の一つであるパチンコ機やアレンジボール機では、機内にセットされる遊技盤に遊技部品としての各種の入賞器具や入球器具が配置される一方、電子制御部品としての図柄表示装置や電動式入賞装置の他に、検出スイッチ,電磁ソレノイド,ランプ類等が配置されて、遊技盤内で展開されるパチンコゲーム中に、効果音や装飾光を含む電子制御ゲームを現出し得るようにしたゲーム内容をもつ多くの機種が製造されて遊技に供されている。そして何れの遊技機にあっても、夫々の電子制御ゲームに適した純正な制御基盤を基箱内に収容した箱型単位の電子制御装置(一般にメイン基盤または遊技用基盤ともいう)では、当該のメーカで設計・構成した通りのソフトプログラム内容で、かつ試験機関での厳正な試験に適合した同一内容であることの条件で正常に使用することが義務付けられて、一般に裏側の設定位置に着脱可能に装備されている。なお各メーカの電子制御装置は、一般に全機種共用の同一形態・サイズに構成されて、基箱の同一部分に「社名,機種名等」の入った表示シールが貼付されている。
【0003】
また、パチンコ遊技機に使用される電子制御装置にあっては、適正な制御内容(ソフトプログラム内容)で正常に使用することを前提とした不正改造・変更防止対策の一例として、何れのメーカにおいても、種々の電子部品(CPU,ROM,RAM等)を搭載した制御基盤(回路基盤ともいう)を収容保護する基箱について、互いにビス着されるトレー部とケースカバー部との組付け整合部分に、正規に登録承認された封印証紙を貼付することが義務付けられて、制御基盤の脱着交換,電子部品の不正改造交換等を禁止しまた防止するようになっている。しかしこのような封印証紙だけでは、実例として不正を企てる者によれば、簡単に入手できる器具や薬品等を使用して、手早く簡単に同証紙を損することなくきれいに剥がして再びきれいに貼直すことができ、この結果、比較的短時間内でケースカバー部を外して制御基盤の電子部品が交換されてしまうために、適正かつ好適な不正防止対策とは言えなかった。ちなみに、不正者が封印証紙を一旦剥がした後に貼直して元状に戻した場合では、メーカ側の担当者やホール側の管理者であっても、不正の有無を見分けることが難しい程である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
そこで最近においては、電子制御装置に対する不正改造変更(ロム交換)の防止を図る新たな対策例として、
(a) 基箱のトレー部とケースカバー部とを、不正防止目的で新たに開発されて当該メーカ(専用担当者)のみで管理される特殊なビスおよびボス部を使用して組付ける。そして、ホール内に設置された遊技機に対する官憲の立合い検査において、電子制御装置内の電子部品の検査確認時にはビスを破壊してケースカバーを組外し、制御基盤の検査後には新たな純正のビスおよびボス部を使用してケースカバー部を元状の正規に組付けるようにした技術、
(b) 基箱のケースカバー部に形成した所要広さの開口面域に、1回の変更使用が可能とされた透明な窓蓋を、特殊なビスを使用して正規は表向きに組付ける。そして、官憲の立合い検査における電子部品の検査確認時にはビスを破壊して窓蓋を取外し、制御基盤の検査後には新たな純正のビスを使用して窓蓋を裏向きに組付けるようにした技術、
が提案されている。
【0005】
従って前述した(a),(b)の技術によれば、当該の電子制御装置における基箱のケースカバー部や窓蓋が、内部の制御基盤の検査確認時以外に不正開放されることを防止し得、また万一不正開放があった場合には、その形跡がはっきり残って不正の有無を見分け得るので、制御基盤のロムの不正交換防止に有効とされ、また不正の早期発見にも役立つ。しかしながら何れの技術についても、制御基盤自体の不正交換を防止する技術ではないことから、これら技術を採用した電子制御装置では、依然として当該遊技機の裏側に簡単に脱着できるままとなっている。このため夫々のメーカで製造されて電子制御装置を装備した遊技機が、出荷されて得意先のホール内に設置されるまでの間において、あるいはホール内の営業終了以後において、事情の詳しい不正者によって対象とされた遊技機の電子制御装置および制御基盤が、別ルートで入手して用意した同一メーカの不正改造済み基盤と交換設置されることがあり、これに対処し得る適切な防止対策に苦慮していた。ちなみに電子制御装置および制御基盤は、当該遊技機が処分される際に専門業者に引取られるとしても、その後に不正者の手に渡り不正改造されて保管されることがある。
【0006】
【発明の目的】
本発明は、前述した課題を好適に解決するべく提案されたものであって、パチンコ遊技機の裏側に正規の取着手段でセットされた電子的な制御装置の不正目的による取脱や開放をできないように図る一方、周辺部品の破壊,変形等による取脱の形跡をはっきり残して不正取脱の有無を容易に見分け得るようにした不正取脱防止装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決し、初期の目的を達成するため本発明は、外枠に組付けられた前枠の正面内部に遊技盤を収容セットする一方、前枠の裏側に装備された機構セット盤の設置部に、遊技盤でのパチンコゲーム中に現出される電子制御ゲームに係る必要な制御をなす電子的な制御基盤を基箱内に収容した電子制御装置を、所定の取着手段で着脱可能に設置したパチンコ遊技機において、
前記制御基盤を収容する基箱の外郭表面の所要方向に掛装し得る適宜形状・サイズに成形されて両端の取着部にビス用の透孔を設けた緊締バンドと、前記機構セット盤の設置部の両側所定位置に配置されてビス用の小孔を設置部の外側に臨ませた少なくとも2組以上の止め具と、設置部の外側での締付け操作により緊締バンドの透孔と止め具の小孔とに亘ってねじ込まれる弛み外し不能構造の締付け専用のビスとを備え、
前記機構セット盤の設置部外面に前記基箱を取着手段で正常にセットしたもとで、前記緊締バンドを基箱に掛渡して両端の取着部を設置部の外面に合わせ、透孔と第1の組の止め具の小孔との間に前記ビスをねじ込んで緊締バンド全体を緊締固支して基箱を不動化保持し、第1の組の止め具を切断して緊締バンドを解除した後に同バンドを再び基箱に掛渡し、取着部の透孔と第2の組の止め具の小孔との間にビスをねじ込んで緊締バンド全体を緊締固支して基箱を再度不動化保持し、基箱の不正取脱並びに不正開放を防止し得るように構成したことを特徴とする。
【0008】
【作用】
不正取脱防止装置は、電子制御装置における基箱の外郭表面の横方向に掛装し得る適宜形状・サイズに成形されて両端の取着部にビス用の透孔を設けた緊締バンドと、機構セット盤の設置部の所定位置に配置されてビス用の小孔を設置部の外側に臨ませた2組以上の止め具と、設置部の外側での締付け操作により緊締バンドの透孔と止め具の小孔とに亘ってねじ込まれる弛み外し不能構造の締付け専用のビスとを備える。メーカにおける組立製造時には、取着手段で設置部の外面にセットした基箱に対して緊締バンドのバンド部を掛渡し、両端の取着部の透孔と第1組目の止め具の小孔との間に前記ビスをねじ込むことにより、緊締バンド全体を緊締固支して基箱を不動化保持する。そして制御基盤の検査時には、前記第1組目の止め具を切断して緊締バンドを取外し、該制御基盤を取外して所要の検査を行なう。そして検査の終了後は、同緊締バンドにおける取着部の透孔を、第2の組の止め具の小孔に整合させて前記ビスをねじ込むことにより、該緊締バンド全体を再び緊締固支して基箱を不動化保持することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
次に、パチンコ遊技機用電子制御装置の不正取脱防止装置につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下詳細に説明する。
【0010】
本発明に係るパチンコ遊技機用電子制御装置の不正取脱防止装置の説明に先立ち、図1をもとにして、実施例のパチンコ遊技機につき要約説明する。すなわち実施例のパチンコ遊技機Pは、基本的な主要構成として、外枠Aに対して開閉および着脱が可能に組付けられた前枠Bと、この前枠Bの裏側に固定された収容保持枠Cに対して開閉および着脱が可能に組付けられた機構セット盤Dと、前枠Bの前側から収容保持枠C内に着脱交換可能に収容セットされる遊技盤(図示しない)等を備えており、これら主要構成体の各部に各種の装置,器具並びに部材等が装着されている。なお図示しないが、前枠Bの前面側には、ガラス扉および上球受け皿が開閉可能に取着されると共に、下球受け皿および発射装置等が設置されており、また上端部に装飾を兼ねた照明具等が配設されている。
【0011】
前記機構セット盤Dは、機種別(ゲーム内容別)やサイズ別に区分される全てのパチンコ遊技機に共用し得るように形成され、その基本的な構成として、図示しない前記遊技盤の裏側部位に形成した窓口に保護カバー10が開閉可能にセットされ、該遊技盤で遊技に供された後に区分通出されるアウト球とセーフ球の排出路およびセーフ球処理装置、遊技盤での遊技結果に基いて払い出される賞球に係る貯留容器,賞球排出装置および賞球排出路等が、所要位置に成形または組付けセットされている。また、前記窓口の下部領域は各種電気的部品用の搭載部とされて、該窓口の下方に収容室11,12が形成されている。なお右上隅部には、ターミナル基盤13がセットされている。
【0012】
前述したパチンコ遊技機Pに実施される電子制御装置Eでは、遊技盤側における各種電気的部品・手段に係る入出力制御等を図る電子的な制御基盤14を、図2および図3に示すような基箱15に収容保護するようになっている。この基箱15は、前記機構セット盤Dに対して着脱可能に装着セットされるケース体16と、合成樹脂等を材質とした透視板19を強固に結合した窓口18から内部を透視可能にして前記ケース体16に対して着脱可能に組付けられるカバー体17とから構成されている。前記制御基盤14は、前記ケース体16内に敷設状態で収容される静電気吸収帯電防止対策用の遮蔽防護板(図示せず)内にセットされると共に前記カバー体17で覆蓋保護され、静電気吸収帯電防止対策が図られている。そして、前記ケース体16,遮蔽防護板,制御基盤14およびカバー体17は、互いに整合する部分にビス21を締付けて、全体が単一の箱型ユニットを呈した電子制御装置Eとして構成される。このように構成された電子制御装置Eは、図1および図3に示すように、前記収容室11,12を覆蓋する蓋部材22,27の外面に形成される設置部30に装着され、機構セット盤Dの下部に搭載セットされる。
【0013】
前記第1蓋部材22は、図2および図3に示すように、前記第1収容室11の開口面全体を覆蓋し得る略矩形状に形成され、右側端部には上下に所要間隔をおいて係止片23,23が一体的に突出成形してあると共に、左側端部の上下略中央には該収容室11の左端縁部から後方へ突設したフック26が係合する係合部24が凹設されている。従って、前記係止片23,23を第1収容室11の右側端部に係止させると共に、前記係合部24をフック26に係合することにより、第1蓋部材22は第1収容室11を覆蓋した状態で機構セット盤Dに取着される。また第2蓋部材27は、前記第1収容室11の右側に画成された第2収容室12の開口面全体を覆蓋するものであり、図2および図3に示すように、前記第1蓋部材22と略同一の厚さに設定され、合計3本のビス29で機構セット盤Dに取着されるようになっている。
【0014】
前記設置部30に対する電子制御装置Eの取着手段としては、図2および図3に示すように、前記ケース体16の左右両側端部に一体成形されたフランジ31に配設した出没式の係止具32と、前記第1蓋部材22および第2蓋部材27の表面に成形した係止筒部25,28とを利用するようになっている。具体的には、第1蓋部材22の所定位置に成形した係止筒部25に、ケース体16の左側端部のフランジ31に配設した係止具32を係着すると共に、第2蓋部材27の所要位置に成形した係止筒部28,28に、該ケース体16の右側端部のフランジ31,31に配設した係止具32,32を夫々係着することで、電子制御装置Eが設置部30に取着される。
【0015】
前述のように構成された実施例のパチンコ遊技機Pに採用される不正取脱防止装置につき、以下にその具体的な実施例を挙げて説明する。
【0016】
【第1実施例】
図2〜図5は、機構セット盤Dに搭載した前記電子制御装置Eに実施する本発明の第1実施例に係る不正取脱防止装置を示すものであって、この第1実施例の不正取脱防止装置Fは、電子制御装置Eにおける前記基箱15の外郭表面の横方向へ掛装し得る緊締バンド35と、前記設置部30の所要位置に突出成形されて小孔40を有するボス状の止め具39と、この止め具39の小孔40にねじ込んで緊締バンド35を前記設置部30に固定するビス41とから構成されている。前記緊締バンド35は、前記基箱15におけるカバー体17の外郭表面およびケース体16の外郭側面に密着的に掛装される凹形帯状に成形した所要幅のバンド部36の両側端部に、前記機構セット盤Dの設置部30における止め具39に取着される取着部37を夫々一体的に成形した透明樹脂材であり、両端の取着部37,37には、前記ビス41が挿通する透孔38が夫々設けてある。
【0017】
前記止め具39は、設置部30に取着した電子制御装置Eにおける基箱15の上下の中心より適宜上方部位を第1掛装位置50、上下の中心より適宜下方部位を第2掛装位置51とする前提において、前記緊締バンド35を第1掛装位置50に位置決めした際に各取着部37の透孔38が整合する位置に突設した一対のボス52,52からなる第1組の止め具39Aと、前記緊締バンド35を第2掛装位置51に位置決めした際に各取着部37の透孔38が整合する位置に突設した一対のボス53,53からなる第2組の止め具39Bとから構成されている。すなわち、第1組の止め具39Aと第2組の止め具39Bとは、前記第1蓋部材22および第2蓋部材27の外面において、上下方向に所要間隔をおいて各ボス52,53を突出した状態に形成され、これら各ボス52,53に前記小孔40が成形されている。従って、緊締バンド35を基箱15の第1掛装位置50に掛装して、各取着部37の透孔38と第1組の止め具39Aにおける各小孔40との間に前記ビス41をねじ込むことにより、該緊締バンド35は基箱15を緊締した状態で設置部30へ固支される。また、緊締バンド35を基箱15の第2掛装位置51に掛装して、各取着部37の透孔38と第2組の止め具39Bの各小孔40との間に前記ビス41をねじ込むことにより、同じく該緊締バンド35は基箱15を緊締した状態で設置部30へ固支される。なお、カバー体17の前記透視板19には、図2,図3および図4に示すように、第1掛装位置50および第2掛装位置51に掛装される前記緊締バンド35を上下から保持する保持片20,20が、横方向に延在する状態で一体的に突設してあり、各掛装位置50,51に掛装した緊締バンド35の適切な位置決めおよびずれを防止するようになっている。
【0018】
前記ビス41は、既に市販化されている弛み外し不能構造とした締付け専用タイプであり、ドライバ等の一般工具によるねじ込み操作は可能とされるものの、ねじ込まれた後の弛み外し操作が全く不可能に構成されたものである。具体的には、図6および図7に示すように、軸部42にねじ込み用として通常のねじと同様に成形された主ねじ43と、この主ねじ43と逆向きで外径を適宜小さく設定した副ねじ44が形成してある。この副ねじ44は、主ねじ43のねじ込み方向に対して、締付け側となるねじ山の傾面44aが急勾配に形成され、弛み側となるねじ山の傾面44bが該傾面44aよりも緩勾配に形成されている。従って、ビス41のねじ込み時には、通常のビスと略同等のトルクで締付け得るようになっているが、弛み外し時には副ねじ44が小孔40に喰い込んで抵抗が大きくなり、相当大きなトルクを要するものとなっている。
【0019】
また、頭部45の頂面に形成した係止溝46は、当該のビス41が右回転により締付けられる右ねじである前提において、ねじ込み操作時に図示しない工具の先端係合部が当接する第1係合面47が通常のビスと同様に形成されているが、弛め外し操作時に該工具の係合部が当接する第2係合面48は、左方側に向かって浅くなる傾斜状に形成されている。従って、ねじ込み(図7における右回転)操作を行なう際には、図示しない工具の係合部と前記第1係合面47とが係合して好適な締付けを行ない得るが、弛み外し(図7における左回転)操作を行なう際には、前記第2係合面48により該工具が係止溝46から外れるようになり、弛み外し操作そのものが不可能に構成されている。従って前記ビス41は、軸部42に形成した副ねじ44と、頭部45の頂面に形成した係止溝46における第2係合面48により、ねじ込み操作は通常のビスと同様に行ない得るものの、弛み外し操作は全く不可能となる。なお、前記緊締バンド35における取着部37の前面側には、前記透孔38と連通する凹部60が形成され、透孔38と前記止め具39の小孔40とにねじ込まれたビス41の頭部45が、該凹部60内に没入するよう構成されている(図5参照)。すなわち、ビス41の頭部45は取着部37から突出しないから、プライヤ等の工具で頭部45を挟持して強制的に回転させて弛み外すこともできないようになっている。
【0020】
前述のようなビス41を使用した第1実施例の不正取脱防止装置Fでは、前記設置部30に取着した電子制御装置Eに対する緊締バンド35の装着は、通常の工具により簡単に行ない得るが、該工具でビス41を弛み外して該緊締バンド35を取外すことは全く不可能となっている。また、前記ケース体16の各フランジ31は、図2に示す如く、電子制御装置Eを設置部30に取着した状態で、対応する各止め具39A,39Bより側方に夫々延出するよう設定されている。従って、仮に緊締バンド35を第1掛装位置50に掛装して基箱15を緊締した状態において、該基箱15を取着している前記係止具32を取外して電子制御装置Eを上方へスライドさせようとすれば、図2に示すように、該係止具32を保持していた左側のフランジ31が緊締バンド35に干渉し、また該電子制御装置E下方へスライドさせようとすれば、右側上方のフランジ31が緊締バンド35に干渉するので、電子制御装置Eを取外すことは勿論スライド移動さえ不可能である。更に、緊締バンド35を第2掛装位置51に掛装して基箱15を緊締した状態において、該基箱15を取着している前記係止具32を取外して電子制御装置Eを上方へスライドさせようとすれば、図2に示すように、該係止具32を保持していた右側下方のフランジ31が緊締バンド35に干渉し、また該電子制御装置Eを下方へスライドさせようとすれば、左側のフランジ31が緊締バンド35に干渉するので、同じく電子制御装置Eを取外すことは勿論スライド移動さえ不可能である。
【0021】
更に、設置部30に電子制御装置Eを取着した状態においては、図2に示すように、前記第1蓋部材22の係止片23,23と、第2蓋部材27の左下部のビス29が、該電子制御装置Eと重なる位置関係に設定されている。すなわち、第1蓋部材22の係合部24と前記フック26との係止を解除し、同時に第2蓋部材27の右上部および右下部のビス29を外したとしても、前記係止片23,23が機構セット盤Dに係止していると共に前記左下部のビス29が該機構セット盤Dに螺着したままであるから、電子制御装置Eと第1蓋部材22および第2蓋部材27を一体的に機構セット盤Dから取外すことも不可能である。
【0022】
従って、第1実施例の不正取脱防止装置Fを実施して機構セット盤Dに取着されている電子制御装置Eにおいて、当該電子制御装置Eまたは基箱15で覆蓋保護された前記制御基盤14を取脱するとすれば、前記緊締バンド35を任意位置で切断してしまうか、あるいは図5に示すように、止め具39A,39Bおよび該止め具39A,39Bにねじ込んだ前記ビス41を金鋸等の工具で切断する以外には、電子制御装置E自体を取外したり基箱15のカバー体17を取外すことはできない。しかし、前記何れかの手段を実行すれば電子制御装置E自体または制御基盤14を取脱することは可能ではあるが、緊締バンド35や止め具39A,39Bおよびビス41を破損してしまうことから、不正取脱または不正開放があった形跡がはっきり残って不正の有無を容易に確認し得るものである。殊に、緊締バンド35,止め具39を一体成形した第1蓋部材22および第2蓋部材27等は、当該パチンコ遊技機Pのメーカで製造される純正部品であるから、該純正部品を正規に入手し得ない不正者が破損した場合には、取脱または開放の事実を隠滅することはできない。
【0023】
【第1実施例の作用】
次に、前述のように構成した第1実施例に係るパチンコ遊技機用電子制御装置の不正取脱防止装置の作用につき説明する。
【0024】
第1実施例の不正取脱防止装置Fが実施されるパチンコ遊技機Pでは、メーカにおける製造工程において、機構セット盤Dの設置部30に対して制御基盤14を覆蓋保護した電子制御装置Eの取付け作業完了後に、該不正取脱防止装置Fにおける緊締バンド35を、基箱15における第1掛装位置50に位置決めセットして、該電子制御装置Eを緊締して不動化保持するようになっている。すなわち、基箱15の透視板19に突設した第1掛装位置50の保持片20,20間に緊締バンド35のバンド部36を位置決めし、該緊締バンド35の各取着部37の透孔38と該透孔38に整合した第1組の止め具39Aにおける両ボス52,52の各小孔40との間に、前記ビス41を通常の工具でねじ込むことにより、緊締バンド35は、バンド部36を基箱15に密着的に掛装した緊締状態で設置部30に固支される。
【0025】
不正取脱防止装置Fにおける前記ビス41は、通常の工具では弛み外し操作が全く不可能となっているため、該ビス41を弛めて前記緊締バンド35を取外し、電子制御装置E自体の不正交換(不正取脱)および基箱15を開放して内部の制御基盤14を取脱することは絶対に不可能である。そして、例えば▲1▼緊締バンド35を任意位置で切断する方法や、▲2▼各ボス52または該ボス52および前記ビス41を切断する方法等によれば電子制御装置E自体を取外したり基箱15を開放できるが、破損した緊締バンド35や第1組の止め具39Aおよびビス41等を元通りに修復することはできないから不正取脱や不正開放の形跡がはっきり残るようになり、不正者がこのような手段を実施することはあり得ない。従って、実施例の不正取脱防止装置Fを取着したパチンコ遊技機Pは、メーカ工場からの出荷後の適宜時期、例えば得意先のホール内に設置されるまでの運送途中や、ホール内への設置後等において、電子制御装置E自体の不正交換や基箱15に収容保護した制御基盤14の取脱やロムの交換および不正改造済みの基盤との交換等の不正行為を好適に防止することができる。
【0026】
また、ホール内に設置された遊技機Pに対する官憲の立合い検査に際しては、前述した▲1▼の方法または▲2▼の方法の何れかを選択して実行し、基箱15のカバー体17を取外して制御基盤14を露出させて、所要の検査を行なうようになっている。このとき、例えば▲1▼の方法、すなわち緊締バンド35のバンド部36を適宜位置で切断した場合には、各取着部37がビス41で第1組の止め具39Aにおけるボス52,52に固支されているから、切断された該緊締バンド35自体は第1掛装位置50に取着されたままである。一方▲2▼の方法、すなわちボス52または該ボス52およびビス41を切断した場合には、緊締バンド35は設置部30から取り除かれてしまうが、該ボス52自体は殆ど残存していないのでビス41を再びねじ込むことは不可能な状態となる。
【0027】
そこで、本実施例の不正取脱防止装置Fでは、官憲の立合い検査後にあっては、新しい緊締バンド35およびビス41を別途準備する前提において、この新しい緊締バンド35を第2掛装位置51に位置決めセットして第2組の止め具39Bに固支することにより、制御基盤14を覆蓋保護した電子制御装置Eを緊締して不動化保持するようになっている。すなわち、基箱15の透視板19に突設した第2掛装位置51の保持片20,20間に新しい緊締バンド35のバンド部36を位置決めし、該緊締バンド35の各取着部37の透孔38と該透孔38に整合した第2組の止め具39Bにおける両ボス53,53の各小孔40との間に、新しいビス41を通常の工具でねじ込むことにより、緊締バンド35は、バンド部36を基箱15に密着的に掛装した緊締状態で設置部30に固支される。
【0028】
不正取脱防止装置Fにおける前記ビス41は、前述したように、通常の工具では弛み外し操作が全く不可能となっているから、該ビス41を弛めて前記緊締バンド35を取外し、電子制御装置E自体を取外したり基箱15を開放して内部の制御基盤14を取脱することは絶対に不可能である。従って、官憲の立合い検査後において、電子制御装置E自体の不正交換や基箱15に収容保護した制御基盤14の取脱やロムの交換および不正改造済みの基盤との交換等の不正行為を好適に防止することができる。なお、前述した▲1▼の方法または▲2▼の方法によれば、電子制御装置E自体を取外したり基箱15を開放できるが、破損した緊締バンド35や第2組の止め具39Bおよびビス41等を元通りに戻すことはできないから不正交換や開放の形跡がはっきり残るようになり、不正者がこのような手段を実施したとしてもその不正の有無を簡単に見分けることができる。
【0029】
また、第1実施例の不正取脱防止装置Fによれば、メーカ出荷時には緊締バンド35を第1掛装位置50に掛装して電子制御装置Eを緊締し、当該パチンコ遊技機Pに対する官憲の立合い検査が行なわれた場合には、新しい緊締バンド35を第2掛装位置51に掛装して電子制御装置Eを緊締するよう構成してあるから、当該パチンコ遊技機Pの制御基盤14に対する検査の有無も容易に把握することができる。
【0030】
【第2実施例】
図8〜図10は、本発明に係るパチンコ遊技機用電子制御装置の不正取脱防止装置の第2実施例を示すものであって、この不正取脱防止装置Fも、電子制御装置Eにおける前記基箱15の外郭表面の横方向へ掛装し得る緊締バンド35と、前記設置部30の所要位置に突出成形されて小孔40を有するボス状の止め具39と、この止め具39の小孔40にねじ込んで緊締バンド35を前記設置部30に固定するビス41とからなり、その基本構成は前記第1実施例と同一である。なお前記ビス41は、第1実施例と同一の弛み外し不能構造とした締付け専用タイプのものが使用されるので、該ビス41に対する詳細な説明は省略する。
【0031】
第2実施例の緊締バンド35は、前記基箱15におけるカバー体17の外郭表面およびケース体16の外郭側面に密着的に掛装される凹形帯状に成形した所要幅のバンド部36の両側端部に、前記機構セット盤Dの設置部30における止め具39に取着される取着部37を夫々一体的に成形した透明樹脂材である。そして、両側の各取着部37は、図9に示すように、バンド部36に隣接して設けられた透孔38bを有する第2取着部37Bと、この第2取着部37Bに隣接して設けられて透孔38aを有する第1取着部37Aとからなっている。すなわち、バンド部36の両端側部に連設して前記第2取着部37B,37Bが位置し、各第2取着部37Bの左右側方に第1取着部37A,37Aが連設されており、前記透孔38a,38aおよび透孔38b,38bは、緊締バンド35における長手方向の軸線上に直列状態で配設されている。なお、第1取着部37Aと第2取着部37Bとの間には、上下にV字状凹部を設けて細くなった切断部54が設けられている。
【0032】
また前記止め具39は、第1蓋部材22および第2蓋部材27の外側の所定位置、すなわち設置部30に取着した電子制御装置Eにおける基箱15の所定位置に前記緊締バンド35を位置決めした際に、前記第1取着部37A,37Aにおける透孔38a,38aが整合する位置に突設された一対のボス55,55からなる第1組の止め具39Aと、第2取着部37B,37Bにおける透孔38b,38bが整合する位置に突設された一対のボス56,56からなる第2組の止め具39Bとで構成され、各ボス55,56に前記各透孔38a,38bと整合する前記小孔40が形成されている。従って、前記緊締バンド35を基箱15の所定位置に位置決めして、各第1取着部37Aの透孔38aと第1組の止め具39Aにおける各小孔40との間にのみ前記ビス41をねじ込むことにより、該緊締バンド35は基箱15を緊締した状態で設置部30へ固支される。また、緊締バンド35を基箱15の前記位置に位置決めして、各第2取着部37Bの透孔38bと第2組の止め具39Bの各小孔40との間にのみ前記ビス41をねじ込むことにより、同じく該緊締バンド35は基箱15を緊締した状態で設置部30へ固支される。なお、カバー体17の前記透視板19には、図8に示す如く、掛装される前記緊締バンド35を上下から保持する保持片20,20が、横方向に延在する状態で一体的に突設してあり、掛装した緊締バンド35の適切な位置決めおよびずれを防止するようになっている。
【0033】
前記締付け専用タイプのビス41を使用した第2実施例の不正取脱防止装置Fでは、前記設置部30に取着した電子制御装置Eに対する緊締バンド35の装着は、通常の工具により簡単に行ない得るが、該工具でビス41を弛み外して該緊締バンド35を取外すことは全く不可能となっている。また、前記ケース体16の各フランジ31は、電子制御装置Eを設置部30に取着した状態で、対応する各止め具39A,39Bより側方に夫々延出するよう設定されている。従って、仮に緊締バンド35を第1組の止め具39Aに固支して基箱15を緊締した状態において、該基箱15を取着している前記係止具32を取外して電子制御装置Eを上方へスライドさせようとすれば、該係止具32を保持していた左側のフランジ31が緊締バンド35に干渉し、該電子制御装置E下方へスライドさせようとすれば、右側上方のフランジ31が緊締バンド35に干渉するので、電子制御装置Eを取外すことは勿論スライド移動さえ不可能である。また、緊締バンド35を第2組の止め具39Bに固支して基箱15を緊締した状態においても、同様に電子制御装置Eを取外すことは勿論スライド移動さえ不可能である。更に、第1蓋部材22の係合部24と前記フック26との係止を解除し、同時に第2蓋部材27の右上部および右下部のビス29を外したとしても、前記係止片23,23が機構セット盤Dに係止していると共に前記左下部のビス29が該機構セット盤Dに螺着したままであるから、電子制御装置Eと第1蓋部材22および第2蓋部材27を一体的に機構セット盤Dから取外すことも不可能である。
【0034】
【第2実施例の作用】
次に、前述のように構成した第2実施例に係るパチンコ遊技機用電子制御装置の不正取脱防止装置の作用につき説明する。
【0035】
第2実施例の不正取脱防止装置Fが実施されるパチンコ遊技機Pでは、メーカにおける製造工程において、機構セット盤Dの設置部30に対して制御基盤14を覆蓋保護した電子制御装置Eの取付け作業完了後に、該不正取脱防止装置Fにおける緊締バンド35を基箱15における所定位置に位置決めセットし、各第1取着部37Aと対応の第1組の止め具39Aとを利用し、該電子制御装置Eを緊締して不動化保持する。すなわち、基箱15の透視板19に突設した保持片20,20間に緊締バンド35のバンド部36を位置決めし、該緊締バンド35の各第1取着部37Aにおける透孔38aと該透孔38aに整合した第1組の止め具39Aにおける各ボス55の小孔40との間に、前記ビス41を通常の工具でねじ込むことにより、緊締バンド35は、バンド部36を基箱15に密着的に掛装した緊締状態で設置部30に固支される。
【0036】
不正取脱防止装置Fにおける前記ビス41は、前述したように、通常の工具では弛み外し操作が全く不可能となっているため、該ビス41を弛めて前記緊締バンド35を取外し、電子制御装置E自体を取外して交換したり基箱15を開放して内部の制御基盤14を取脱することは絶対に不可能である。そして、例えば▲1▼緊締バンド35を前記切断部54で切断する方法や、▲2▼第1組の止め具39Aの各ボス55または該ボス55と前記ビス41を切断する方法等によれば、電子制御装置E自体を取外したり基箱15を開放できるが、破損した緊締バンド35や第1組の止め具39Aおよびビス41等を元通りに修復することはできないから不正交換や開放の形跡がはっきり残るようになり、不正者がこのような手段を実施することはあり得ない。従って、第2実施例の不正取脱防止装置Fを取着したパチンコ遊技機Pでは、メーカ工場からの出荷後の適宜時期、例えば得意先のホール内に設置されるまでの運送途中や、ホール内への設置後等において、電子制御装置E自体の不正交換や基箱15に収容保護した制御基盤14の取脱やロムの交換および不正改造済みの基盤との交換等の不正行為を好適に防止することができる。
【0037】
また、ホール内に設置された遊技機Pに対する官憲の立合い検査に際しては、前述した▲1▼の方法または▲2▼の方法の何れかを選択して実行し、基箱15のカバー体17を取外して制御基盤14を露出させて、所要の検査を行なうようになっている。このとき、例えば▲1▼の方法、すなわち緊締バンド35における切断部54をカッタ等の工具で切断した場合には、バンド部36および第2取着部37Bは一体的に取外されるが、各第1取着部37Aは第1組の止め具39Aにおけるボス55に固支されたままとなる。一方▲2▼の方法、すなわちボス55またはこのボス55およびビス41を切断した場合には、該ボス55が緊締バンド35の第1取着部37Aに固着されたまま設置部30から分離してしまい、第1組の止め具39Aを利用して緊締バンド35を設置部に固支することは不可能となる。
【0038】
そこで、第2実施例の不正取脱防止装置Fでは、官憲の立合い検査後にあっては、新しいビス41を別途準備する前提において、設置部30から取外した前記緊締バンド35を、基箱15における前と同位置に位置決めセットし、各第2取着部37Bと対応の各第2組の止め具39Bとを利用し、該電子制御装置Eを緊締して不動化保持するようになっている。すなわち、基箱15の透視板19に突設した前記保持片20,20間に緊締バンド35のバンド部36を位置決めし、該緊締バンド35の各第2取着部37Bにおける透孔38bと該透孔38bに整合した第2組の止め具39Bにおける各ボス56の小孔40との間に、新しいビス41を通常の工具でねじ込むことにより、緊締バンド35は、バンド部36を基箱15に密着的に掛装した緊締状態で前と同様に設置部30に固支される。
【0039】
前記新しいビス41も、通常の工具では弛み外し操作が全く不可能となっているため、該ビス41を弛めて前記緊締バンド35を取外し、電子制御装置E自体を不正交換したり基箱15を開放して内部の制御基盤14を取脱することは絶対に不可能である。従って、官憲の立合い検査後において、電子制御装置E自体の不正交換および基箱15に収容保護した制御基盤14の取脱やロムの交換および不正改造済みの基盤との交換等の不正行為を好適に防止することができる。また、前述した▲1▼の方法または▲2▼の方法によれば、電子制御装置E自体を取外したり基箱15を開放できるが、破損した緊締バンド35や第2組の止め具39Bおよびビス41等を元通りに修復することはできないから不正取脱や開放の形跡がはっきり残るようになり、不正者がこのような手段を実施したとしてもその不正の有無を簡単に見分けることができる。
【0040】
また、第2実施例の不正取脱防止装置Fにおいても、メーカ出荷時には緊締バンド35を第1組の止め具39Aに固支して電子制御装置Eを緊締し、当該パチンコ遊技機Pに対する官憲の立合い検査が行なわれた場合には、この緊締バンド35を第2組の止め具39Bに固支して電子制御装置Eを緊締するよう構成してある。従って、当該パチンコ遊技機Pの制御基盤14に対する検査の有無を容易に把握することができる。なお、この第2実施例によれば、官憲の検査を行なった場合には、ビス41のみを別途用意すればよく、緊締バンド35および止め具37を一体に成形した第1蓋部材22および第2蓋部材27は、メーカ出荷時に取付けられていたものをそのまま利用し得る利点がある。
【0041】
前記各実施例では、電子制御装置Eを不動化保持する緊締バンド35を固支するための止め具39を、第1組の止め具39Aおよび第2組の止め具39Bの2組から構成されるものを例示したが、この止め具39の組数はこれに限定されるものではなく、例えば3組としたりまたはそれ以上としても電子制御装置E自体の不正交換や基箱15の不正開放および覆蓋保護された制御基盤14の取脱の形跡や、該制御基盤14に対する官憲の立合い検査等の履歴をはっきり残すことができる。
【0042】
【発明の効果】
以上説明した如く、本発明に係るパチンコ遊技機用電子制御装置の不正取脱防止装置よれば、基箱内に制御基盤を覆蓋保護した電子制御装置を掛装した緊締状態で保持する緊締バンドを、機構セット盤の設置部に設けた止め具に固支する手段として、通常の工具では弛み外し操作が不可能な締付け専用タイプのビスを使用したから、該ビスを弛めて緊締バンドを取外して該電子制御装置全体の取脱、更には基箱を開放することを前提とした該制御基盤の取脱は全く不可能となる。但し、純正部品である前記緊締バンドや止め具およびビス等を切断すれば、電子制御装置自体を取外したり基箱を開放して制御基盤を取脱することは可能であるが、該純正部品の破損による不正取脱および開放の形跡がはっきり残ってしまうから、電子制御装置自体の不正交換や制御基盤の取脱やロム交換および不正改造済みの基盤との交換等の不正行為を好適に防止し得る極めて有益な効果を奏する。また、官憲による立合い検査を行なった場合には、メーカ出荷時に利用した止め具とは別の止め具を利用して電子制御装置を緊締するようになっているので、当該パチンコ遊技機に搭載された制御基盤に対する検査の有無を容易に確認し得る利点もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例のパチンコ機を略示する背面図である。
【図2】蓋部材に取着される電子制御装置を不動化保持する第1実施例の不正取脱防止装置を示す背面図である。
【図3】機構セット盤,蓋部材,電子制御装置および不正取脱防止装置の配設関係を概略で示す斜視図である。
【図4】第1実施例の不正取脱防止装置を実施状態で示す側面図である。
【図5】第1実施例の不正取脱防止装置に係る緊締バンドの取着部,止め具およびビスを拡大して示す要部平断面図である。
【図6】実施例の不正取脱防止装置に実施されるビスを拡大して示す側面図である。
【図7】実施例の不正取脱防止装置に実施されるビスを拡大して示す平面図である。
【図8】機構セット盤,蓋部材,電子制御装置および第2実施例の不正取脱防止装置の配設関係を概略で示す斜視図である。
【図9】第2実施例の不正取脱防止装置に係る緊締バンドの第1取着部および第2取着部を拡大して示す斜視図である。
【図10】第2実施例の不正取脱防止装置に係る緊締バンドの第1取着部および第2取着部を破断して示す横断平面図である。
【符号の説明】
14 制御基盤
15 基箱
30 設置部
32 係止具(取着手段)
35 緊締バンド
37 取着部
37A 第1取着部
37B 第2取着部
38 透孔
39A 第1組の止め具
39B 第2組の止め具
40 小孔
41 ビス
50 第1掛装位置(位置)
51 第2掛装位置(位置)
A 外枠
B 前枠
D 機構セット盤
E 電子制御装置
Claims (3)
- 外枠(A)に組付けられた前枠(B)の正面内部に遊技盤を収容セットする一方、前枠(B)の裏側に装備された機構セット盤(D)の設置部(30)に、遊技盤でのパチンコゲーム中に現出される電子制御ゲームに係る必要な制御をなす電子的な制御基盤(14)を基箱(15)内に収容した電子制御装置(E)を、所定の取着手段(32)で着脱可能に設置したパチンコ遊技機において、
前記制御基盤(14)を収容する基箱(15)の外郭表面の所要方向に掛装し得る適宜形状・サイズに成形されて両端の取着部(37)にビス用の透孔(38)を設けた緊締バンド(35)と、前記機構セット盤(D)の設置部(30)の両側所定位置に配置されてビス用の小孔(40)を設置部(30)の外側に臨ませた少なくとも2組以上の止め具(39A,39B)と、設置部(30)の外側での締付け操作により緊締バンド(35)の透孔(38)と止め具(39A,39B)の小孔(40)とに亘ってねじ込まれる弛み外し不能構造の締付け専用のビス(41)とを備え、
前記機構セット盤(D)の設置部(30)外面に前記基箱(15)を取着手段(32)で正常にセットしたもとで、前記緊締バンド(35)を基箱(15)に掛渡して両端の取着部(37)を設置部(30)の外面に合わせ、透孔(38)と第1組の止め具(39A)の小孔(40)との間に前記ビス(41)をねじ込んで緊締バンド(35)全体を緊締固支して基箱(15)を不動化保持し、第1組の止め具(39A)を切断して緊締バンド(35)を解除した後に同バンド(35)を再び基箱(15)に掛渡し、取着部(37)の透孔(38)と第2組の止め具(39B)の小孔(40)との間にビス(41)をねじ込んで緊締バンド(35)全体を緊締固支して基箱(15)を再度不動化保持し、基箱(15)の不正取脱並びに不正開放を防止し得るように構成した
ことを特徴とするパチンコ遊技機用電子制御装置の不正取脱防止装置。 - 前記緊締バンド(35)を、制御基盤(14)の基箱(15)の外郭表面の所要方向に少なくとも2通りの位置(50,51)に変更して掛装し得る適宜形状・サイズに成形し、夫々の掛装位置(50,51)に対応して複数組の止め具(39A,39B)を設置部(30)の両側所定位置に配置した請求項1記載のパチンコ遊技機用電子制御装置の不正取脱防止装置。
- 前記緊締バンド(35)の両端に少なくとも2組以上の取着部(37A,37B)を設け、これら複数組の取着部(37A,37B)に対応して複数組の止め具(39A,39B)を設置部(30)の両側所定位置に配置した請求項1記載のパチンコ遊技機用電子制御装置の不正取脱防止装置。
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