JP3756539B2 - グリコペプチド抗生物質誘導体 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
新規な改良された抗生物質、殊にヒトの疾患の処置のためのものは常に要望されている。力価の増強、細菌阻止スペクトルの拡大、生体内効果の増強および医薬的性質の改善は改良された抗生物質の目標の一部である。
新抗生物質の探索において、既知抗生物質の構造的修飾は可能な時にはいつも試みられる。グリコペプチド抗生物質類は複雑な構造を持っているので、僅かな変換も困難である。さらに、これらの変化が抗細菌性および生理学的性質において起こすであろう効果を予測することも困難である。既知抗生物質および新活性誘導体をこのような方策で修飾する道程は、それ故、重要であり続けている。
【0002】
【従来の技術】
以前に、グリコペプチドであるバンコマイシン、A51568A、A51568B、M43AとM43DのN−アルキルおよびN−アシル誘導体が製造された(米国特許第4639433号、4643987号および4698327号)。これら化合物の幾つかはバンコマイシン耐性株に対する活性を含む抗微生物学的活性を示した。Nicasなど、Antimicrobial・Agents・and・Chemotherapy、33(9)巻:1477〜1481頁(1989年)。さらに、1993年7月3日に公開された欧州特許出願公開第0435503号はA82846グリコペプチドの成分A、BおよびCのある種のN−アルキルおよびN−アシル誘導体を記載している。
この発明の式Iで示される化合物はグリコペプチド群抗生物質の新構成員である。これらの新化合物はバンコマイシン(米国特許第3067099号)、A82846A、A82846BとA82846C(米国特許第5312738号、欧州特許公開第256071A1号)、PA−42867の成分A、CおよびD(米国特許第4946941号および欧州特許公開第231111A2号)、A83850(米国特許第5187082号)、アボパルシン(米国特許第3338786号および米国特許4322343号)、K288とも呼ばれるアクチノイジン(J.Antibiotics、シリーズA、14巻:141頁(1961年)、ヘレベカルジン(Chem.Abstracts、110巻:17188頁(1989年)および日本特許出願86年157397号)、ガラカルジン(Chem.Abstracts、110巻:17188頁(1989年)および日本特許出願89年221320号)およびM47767(欧州特許公開第339982号)を含む既知グリコペプチド抗生物質の誘導体である。これらグリコペプチドを記載する前記参考文献はここに参考のために引用するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
エンテロコッカス菌はヒトの重大な病原菌である。一般に腸球菌により起きる感染症は処置が困難である。バンコマイシンやテイコプラニンのようなグリコペプチドは腸球菌に起因する感染症の処置に重要な治療剤になっている。しかし、バンコマイシンおよびテイコプラニンに耐性のエンテロコッカス・ファエシウムおよびE.フェカリスの株が最近分離された。Leclercqなど、「プラスミドを介するバンコマイシンおよびテイコプラニンに対するエンテロコッカス・ファエシウムにおける耐性(Plasmid・Mediated・Resistance・to・Vancomycin・and・Teicoplanin・in・Enterococcus・Faecium)」、The・New・England・Journal・of・Medicine、319(3)巻:157〜161頁(1988年)およびUttleyなど「バンコマイシン耐性腸球菌(Vancomycin−Resistant・Enterococci)」、Lancet、1巻:57〜58頁(1988年)。これらの分離株は他の抗生物質にも耐性であることが見出されている。最近の調査では米国の病院における腸球菌の7.9%が今ではバンコマイシンに耐性であることが見出されている。「バンコマイシンに耐性な院内腸球菌(Nosocomial・Enterococci・Resistant・to・Vancomycin)」、Morbidity・and・Mortality・Weekly・Report、42(30)巻:597〜598頁(1993年)。グラム陽性菌に対する広範囲な活性に加え、この発明のグリコペプチド化合物の多くはバンコマイシン耐性株に大して改良された抗微生物活性をも示す。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は式I:
【化11】
[式中、
XおよびYは各々独立に水素またはクロロである。
Rは水素、4−エピ−バンコサミニル、アクチノサミニルまたはリストサミニルである。
R1は水素またはマンノースである。
R2は−NH2、−NHCH3または−N(CH3)2である。
R3は−CH2CH(CH3)2、[p−OH、m−Cl]フェニル、p−ラムノース−フェニルまたは[p−ラムノース−ガラクトース]フェニル、[p−ガラクトース−ガラクトース]フェニル、[p−CH3O−ラムノース]フェニルである。
R4は−CH2(CO)NH2、ベンジル、[p−OH]フェニルまたは[p−OH、m−Cl]フェニルである。
R5は水素またはマンノースである。
R6は4−エピ−バンコサミニル、L−アコサミニル、L−リストサミニルまたはL−アクチノサミニルである。
R7は(C2〜C16)アルケニル、(C2〜C12)アルキニル、(C1〜C12)アルキル−R8、(C1〜C12−アルキル)−ハロ、(C2〜C6−アルケニル)−R8、(C2〜C6−アルキニル)−R8または(C1〜C12−アルキル)−O−R8であり、これはR6のアミノ基に結合している。
【0005】
R8は
a)非置換多環アリールまたは
(i)ヒドロキシ、
(ii)ハロ、
(iii)ニトロ、
(iv)(C1〜C6)−アルキル、
(v)(C1〜C6)−アルケニル、
(vi)(C1〜C6)−アルキニル、
(vii)(C1〜C6)−アルコキシ、
(viii)ハロ−(C1〜C6)アルキル、
(ix)ハロ−(C1〜C6)アルコキシ、
(x)カーボ−(C1〜C6)アルコキシ、
(xi)カルボベンジルオキシ、
(xii)(C1〜C6)−アルキル、(C1〜C6)−アルコキシ、ハロまたはニトロで置換されたカルボベンジルオキシ、
(xiii)式:−S(O)n'R9
[式中、n’は0〜2である。R9は(C1〜C6)−アルキル、フェニルまたは(C1〜C6)−アルキル、(C1〜C6)−アルコキシ、ハロまたはニトロで置換されたフェニルである]で示される基および
(xiv)式:−C(O)N(R10)2
[式中、各R10置換基は独立に水素、(C1〜C6)−アルキル、(C1〜C6)−アルコキシ、フェニルまたは(C1〜C6)−アルキル、(C1〜C6)−アルコキシ、ハロまたはニトロで置換されたフェニルである]で示される基
から構成される群から独立に選択される1個またはそれ以上の置換基で置換された多環アリール。
【0006】
b)非置換ヘテロアリールまたは
(i)ハロ、
(ii)(C1〜C6)−アルキル、
(iii)(C1〜C6)−アルコキシ、
(iv)ハロ−(C1〜C6)−アルキル、
(v)ハロ−(C1〜C6)−アルコキシ、
(vi)フェニル、
(vii)チオフェニル、
(viii)ハロ、(C1〜C6)−アルキル、(C1〜C6)−アルケニル、(C1〜C6)−アルキニル、(C1〜C6)−アルコキシまたはニトロで置換されたフェニル、
(ix)カルボ−(C1〜C6)アルコキシ、
(x)カルボベンジルオキシ、
(xi)(C1〜C6)−アルキル、(C1〜C6)−アルコキシ、ハロまたはニトロで置換されたカルボベンジルオキシ、
(xii)前記と同義の式:−S(O)n'R9で示される基、
(xiii)前記と同義の式:−C(O)N(R10)2で示される基および
(xiv)チエニル
から構成される基から独立に選択される1個またはそれ以上の置換基で置換されたヘテロアリール。
c)式:
【化12】
[式中、A1は−OC(A2)2−C(A2)2−O−、−O−C(A2)2−O−、−C(A2)2−O−または−C(A2)2−C(A2)2−C(A2)2−C(A2)2−である。各A2−置換基は水素、(C1〜C6)−アルキル、(C1〜C6)アルコキシおよび(C4〜C10)−シクロアルキルから独立に選択される]で示される基。
【0007】
d)式:
【化13】
[式中、
pは1から5である。
R11は
(i)水素、
(ii)ニトロ、
(iii)ヒドロキシ、
(iv)ハロ、
(v)(C1〜C8)−アルキル、
(vi)(C1〜C6)−アルコキシ、
(vii)(C9〜C12)−アルキル、
(viii)(C2〜C9)−アルキニル、
(ix)(C9〜C12)アルコキシ、
(x)(C1〜C3)−アルコキシ、ヒドロキシ、ハロ−(C1〜C3)−アルコキシまたは(C1〜C4)アルキルチオで置換された(C1〜C3)−アルコキシ、
(xi)(C2〜C5)−アルケニルオキシ、
(xii)(C1〜C13)−アルキニルオキシ、
(xiii)ハロ−(C1〜C6)−アルキル、
(xiv)ハロ−(C1〜C6)−アルコキシ、
(xv)(C2〜C6)−アルキルチオ、
(xvi)(C2〜C10)−アルカノイルオキシ、
(xvii)カルボキシ−(C2〜C4)−アルケニル、
(xviii)(C1〜C3)−アルキルスルホニルオキシ、
(xix)カルボキシ−(C1〜C3)−アルキル、
(xx)N−[ジ(C1〜C3)アルキル]アミノ−(C1〜C3)アルコキシ、
(xxi)シアノ−(C1〜C6)−アルコキシおよび
(xxii)ジフェニル−(C1〜C6)−アルキル
から構成される群から独立に選択される。
但し、R11が(C1〜C8)−アルキル、(C1〜C8)−アルコキシまたはハロである時は、pは2に等しいか、2より大きくなければならないものとする。
また、R7が(C1〜C3−アルキル)−R8である時は、R11は水素、(C1〜C8)−アルキル、(C1〜C8)−アルコキシまたはハロではないものとする]
で示される基。
【0008】
e)式:
【化14】
[式中、qは0から4までである。
R12は
(i)ハロ、
(ii)ニトロ、
(iii)(C1〜C6)−アルキル、
(iv)(C1〜C6)−アルコキシ、
(v)ハロ−(C1〜C6)−アルキル、
(vi)ハロ−(C1〜C6)−アルコキシおよび
(vii)ヒドロキシおよび
(vii)(C1〜C6)−チオアルキル
から構成される群から独立に選択される。
rは1から5であるが、但し、qとrとの合計は5よりも大きくはないものとする。
Zは
(i)一重結合、
(ii)非置換、またはヒドロキシ、(C1〜C6)−アルキルまたは(C1〜C6)−アルコキシで置換された二価の(C1〜C6)−アルキル、
(iii)二価の(C2〜C6)−アルケニル、
(iv)二価の(C2〜C6)−アルキニルまたは
(v)式:−(C(R14)2)s−R15−または−R15−(C(R14)2)s−
[式中、sは0〜6である。各R14置換基は水素、(C1〜C6)−アルキルまたは(C4〜C10)−シクロアルキルから独立に選択される。R15は−O−、−S−、−SO−、−SO2−、−SO2−O−、−C(O)−、−OC(O)−、−C(O)O−、−NH−、−N(C1〜C6−アルキル)−および−C(O)NH−、−NHC(O)−、N=Nから選択される]で示される基
から構成される群から選択される。
R13は
(i)(C4〜C10)−ヘテロシクリル、
(ii)ヘテロアリール、
(iii)非置換、または(C1〜C6)−アルキルで置換された(C4〜C10)−シクロアルキルまたは
(iv)非置換、またはハロ、ヒドロキシ、ニトロ、(C1〜C10)−アルキル、(C1〜C10)−アルコキシ、ハロ−(C1〜C3)−アルコキシ、ハロ−(C1〜C3)−アルキル、(C1〜C3)−アルコキシフェニル、フェニル、フェニル−(C1〜C3)−アルキル、(C1〜C6)−アルコキシフェニル、フェニル−(C1〜C3)−アルキニルおよび(C1〜C6)−アルキルフェニルから独立に選択された置換基1個から5個で置換されたフェニル
から構成される群から独立に選択される]
で示される基。
【0009】
f)非置換(C4〜C10)−シクロアルキル、または
(i)(C1〜C6)−アルキル、
(ii)(C1〜C6)−アルコキシ、
(iii)(C1〜C6)−アルケニル、
(iv)(C1〜C6)−アルキニル、
(v)(C4〜C10)−シクロアルキル、
(vi)フェニル、
(vii)フェニルチオ、
(viii)ニトロ、ハロ、(C1〜C6)−アルカノイルオキシまたはカルボシクロアルコキシにより置換されたフェニルおよび
(ix)式:−Z−R13
[式中、ZおよびR13は前記と同義である]で示される基
から構成される群から独立に選択される置換基1個またはそれ以上で置換された(C4〜C10)−シクロアルキル基および
【0010】
g)式:
【化15】
[式中、A3およびA4は各々
(i)結合、
(ii)−O−、
(iii)−S(O)t−
[式中、tは0から2までである]、
(iv)−C(R17)2−
[式中、各R17置換基は水素、(C1〜C6)−アルキル、ヒドロキシ、(C1〜C6)−アルキル、(C1〜C6)−アルコキシから独立に選択されるか、または両R17置換基を合わせてOである]
(v)−N(R18)2−
[式中、R18置換基は水素、(C1〜C6)−アルキル、(C1〜C6)−アルケニル、(C1〜C6)−アルキニル、(C4〜C10)−シクロアルキル、フェニル、またはニトロ、ハロ、(C1〜C6)−アルカノイルオキシで置換されたフェニルから独立に選択されるか、または両R18置換基を合わせて(C4〜C10)−シクロアルキルである]
から独立に選択される。
R16は前記と同義のR12またはR13である。
uは0〜4である]
で示される基
から構成される群から選択される。]
で示される化合物またはその塩を提供する。
【0011】
本発明の別の側面は式Iで示される化合物を許容しうる医薬的担体と組合せて含む感受性細菌感染症処置用の組成物に関する。式Iで示される化合物の組成物による感受性細菌感染症の処置法もこの発明の一部である。
ここに記載するアルキル置換基は置換または非置換の、直線状または分枝状鎖の、指定した長さの炭化水素を示す。用語「アルケニル」は置換または非置換の、直線状または分枝状の、指定した長さのアルケニル鎖を示す。用語「アルキニル」は置換または非置換の、直線状または分枝状の、指定した長さのアルキニル鎖を示す。
ここに記載するアルコキシ置換基は酸素橋を経て結合するアルキル基を示す。用語「アルケノキシ」は酸素原子に結合する、指定した長さのアルケニル鎖を示す。
用語「多環アリール」は安定な、飽和または不飽和の、置換または非置換の、9から10員有機縮合双環性の環;安定な、飽和または不飽和の、置換または非置換の12から14員有機縮合三環性の環;または安定な、飽和または不飽和の、置換または非置換の14から16員有機縮合四環性の環を意味する。双環性の環は0から4個の置換基を持ちうる。三環性の環は0から6個の置換基を持ちうる。四環性の環は0から8個の置換基を持ちうる。典型的な多環性アリールにはフルオレニル、ナフチル、アントラニル、フェナントラニル、ビフェニレンおよびピレニルを含む。
【0012】
用語「ヘテロアリール」は安定な、飽和または不飽和の、置換または非置換の、S、OおよびNから選択したヘテロ原子を持つ4から7員有機単環性の環;安定な、飽和または不飽和の、置換または非置換の、S、OおよびNから選択したヘテロ原子を持つ9から10員有機縮合双環性の環;または安定な、飽和または不飽和の、置換または非置換の、S、OおよびNから選択したヘテロ原子を持つ12から14員有機縮合三環性の環を示す。これらの環の窒素および硫黄原子は任意的に酸化されており、窒素ヘテロ原子は任意的に四級化されている。単環性の環は0個から5個の置換基を持ちうる。双環性の環は0個から7個の置換基を持ちうる。三環性の環は0個から9個の置換基を持ちうる。典型的なヘテロアリールはキノリル、ピペリジル、チエニル、ピペロニル、オキサフルオレニル、ピリジルおよびベンゾチエニルなどを含む。
【0013】
用語「(C4〜C10)−シクロアルキル」はシクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルおよびシクロヘプチルのような炭素原子4個から10個を持つ置換基を包含し、これは非置換またはアルキルおよびフェニルのような置換基で置換されうる。この用語はまた、シクロペンテニルおよびシクロヘキセニルのようなC5からC10のシクロアルケニル基も包含する。用語「(C4〜C10)−シクロアルキル」はまた、ビシクロペンチル、ビシクロヘキシル、ビシクロヘプチルおよびアダマンチルのような双環性および三環性のシクロアルキルも包含する。
用語「アルカノイルオキシ」は酸素橋を経て結合するアルカノイル基を示す。これらの置換基は置換または非置換の、指定した長さの直線状または分枝状鎖でありうる。
用語「シアノ−(C1〜C6)−アルコキシ」は置換または非置換の、直線状または分枝状の、炭素原子1個から6個をそれに結合するシアノ部分とともに持つアルコキシ鎖を示す。
用語「二価の(C1〜C6)−アルキル」は非置換または置換の、直線状または分枝状の、1個から6個までの炭素原子を持つ二価のアルキル鎖を示す。典型的な二価(C1〜C6)−アルキル基にはメチレン、エチレン、プロピレン、イソプロピレン、ブチレン、イソブチレン、二級−ブチレン、t−ブチレン、ペンチレン、ネオ−ペンチレンおよびヘキシレンを含む。このような二価の(C1〜C6)−アルキル基はアルキル、アルコキシおよびヒドロキシのような置換基で置換されうる。
【0014】
用語「二価の(C2〜C6)−アルケニル」は直線状または分枝状の、炭素原子2個から6個を持つ、二価のアルケニル鎖を示す。典型的な二価の(C2〜C6)−アルケニルにはエテニル、1−プロペニル、2−プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニルなどを含む。
用語「二価の(C2〜C6)−アルキニル」は直線状または分枝状の、炭素原子2個から6個を持つ、二価のアルキニル鎖を示す。典型的な二価の(C2〜C6)−アルキニルにはエチニレン、1−プロピニレン、2−プロピニレン、1−ブチニレン、2−ブチニレンなどを含む。
【0015】
用語「ハロ」はクロロ、フルオロ、ブロモまたはヨードを示す。
用語「ハロ−(C1〜C6)−アルキル」は炭素原子1個から6個をその炭素原子に結合するハロゲン原子0個から3個と共に持つ直線状または分枝状アルキル鎖を示す。典型的なハロ−(C1〜C6)アルキル基にはクロロメチル、2−ブロモエチル、1−クロロイソプロピル、3−フルオロプロピル、2,3−ジブロモブチル、3−クロロイソブチル、ヨード−t−ブチル、トリフルオロメチルなどを含む。
用語「ハロ−(C1〜C6)−アルコキシ」は炭素原子1個から6個をその炭素に結合するハロゲン原子0個から3個と共に持つ直線状または分枝状アルコキシ鎖を示す。典型的なハロ−(C1〜C6)アルコキシ基にはクロロメトキシ、2−ブロモエトキシ、1−クロロイソプロポキシ、3−フルオロプロポキシ、2,3−ジブロモブトキシ、3−クロロイソブトキシ、ヨード−t−ブトキシ、トリフルオロメトキシなどを含む。
用語「ヘテロシクリル」には3から10員環を持つ飽和基を包含し、このヘテロ環性の環は酸素、硫黄および窒素から選択されたヘテロ原子を含み、その例はピペラジニル、モルホリノ、ピペリジル、メチルピペリジル、アゼチジニルおよびアチリジニルである。
本発明は式Iで定義される化合物の塩を含む。一般には中性であるが、この発明の化合物は十分に酸性な、十分に塩基性な、または両性の官能基を持つことができるので、それ故、多数の無機塩基および無機および有機の酸と反応して医薬的に許容しうる塩を形成する。
【0016】
用語「医薬的に許容しうる塩」は、ここでは前記式Iで示される化合物の塩であって、生きている生物に対して実質的に非毒性であるものを示す。典型的な医薬的に許容しうる塩にはこの発明の化合物と医薬的に許容しうる鉱酸または有機酸または無機塩基との反応により製造される塩を含む。このような塩は酸付加塩または塩基付加塩として知られている。
酸付加塩を形成するために通常に使用される酸は塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、燐酸などのような無機酸、およびp−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、シュウ酸、p−ブロモフェニルスルホン酸、炭酸、コハク酸、クエン酸、安息香酸、酢酸などのような有機酸である。医薬的に許容しうる塩の例は硫酸塩、ピロ硫酸塩、重硫酸塩、亜硫酸塩、重亜硫酸塩、燐酸塩、一水素燐酸塩、二水素燐酸塩、メタ燐酸塩、ピロ燐酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物、酢酸塩、プロピオン酸塩、デカン酸塩、カプリル酸塩、アクリル酸塩、ギ酸塩、イソ酪酸塩、カプロン酸塩、ヘプタン酸塩、プロピオール酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、スベリン酸塩、セバカン酸塩、フマル酸塩、リンゴ酸塩、ブチン−1,4−ジ酸塩、ヘキシン−1,6−ジ酸塩、安息香酸塩、クロロ安息香酸塩、メチル安息香酸塩、ジニトロ安息香酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩、メトキシ安息香酸塩、フタル酸塩、スルホン酸塩、キシレンスルホン酸塩、フェニル酢酸塩、フェニルプロピオン酸塩、フェニル酪酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、g−ヒドロキシ酪酸塩、グリコール酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩、プロパンスルホン酸塩、ナフタレン−1−スルホン酸塩、ナフタレン−2−スルホン酸塩、マンデル酸塩などである。好適な医薬的に許容しうる酸付加塩は塩酸および臭化水素酸のような鉱酸とともに形成するものおよびマレイン酸、酢酸およびメタンスルホン酸のような有機酸とともに形成するものである。
塩基付加塩はアンモニウムまたはアルカリまたはアルカリ土類金属水酸化物、炭酸塩、重炭酸塩などのような無機塩基から誘導されるものを含む。このような本発明の塩を製造するために有用な塩基には水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウムなどを含む。カリウムおよびナトリウム塩型は殊に好適である。
この発明のどの塩の一部を形成する特定の対イオンも、塩が全体として医薬的に許容しうる限り、また対イオンが塩全体としての不都合な性質に寄与しない限り、限定的性質のものではないことは認識される筈である。
【0017】
本発明の化合物は式:
【化27】
で示される化合物から製造される。
式IIで示される化合物を表1に定義する。
[表1中の用語] antibiotic=抗生物質、vancomycin=バンコマイシン、actinoidin=アクチノイジン、avoparcin=アボパルシン、galacardin=ガラカルジン、helevecardin=ヘレベカルジン、phenyl=フェニル、benzyl=ベンジル。
【表1】
a)式IIで示される化合物に対する略号は次の通り:actin=アクチノサミニル、acos=アコサミニル、4−epi=4−エピ−バンコサミニル、gal=ガラクトシル、keto=4−ケト−バンコサミニル、man=マンノース、rha=ラムノシル、rha−gal=ラムノシル−ガラクトシル、risto=リストサミニル、van=バンコサミニル。
【0018】
本発明の好適な態様において、式Iで示される化合物はA82846抗生物質(A82846A、A82846BおよびA82846C)およびPA−42867−Aから製造される。さらに好適な態様においては、本発明の化合物はA82846B(「A82846B誘導体」)から製造される。A82846Bは式Iで示される化合物で示され、ここに、Rが4−エピ−バンコサミニルであり、R1が水素であり、R2がNHCH3であり、R3がCH2CH(CH3)2であり、R4がCH2(CO)NH2であり、R5が水素であり、R6が4−エピ−バンコサミニルであり、XおよびYがClである。式IのR7-位に置換基を持つ本発明のA82846B誘導体はここでは「R7-A82846B」のように表記する。例えば、化合物「フェニルベンジル−A82846B」は式IにおけるR7位にフェニルベンジル置換基を持つ。
好適な式Iで示される化合物はA82846B誘導体であって、R7が−(C1〜C12−アルキル)−R8、さらに好適には−CH3−R8であり、R8は非置換多環アリールであるものを含む。この群の中で、ナフチルメチル−A82846B、アセナプトレニル−メチル−A82846Bおよびフルオレニルメチル−A82846Bはさらに好適である。
好適な式Iで示される化合物はA82846B誘導体であって、R7が−(C1〜C12−アルキル)−R8、さらに好適には−CH3−R8であり、R8は非置換ヘテロアリールまたはハロフェニルにより置換されたヘテロアリールであるものも含む。この群の中で、[1−オキサ]フルオレニルメチル−A82846B、クロロフェニルベンズオキサゾールメチル−A82846Bおよびフェニルチエニルメチル−A82846Bはさらに好適である。
【0019】
式Iで示されるさらに好適な化合物はA82846B誘導体であって、R7は−(C1〜C12−アルキル)−R8、さらに好適には−CH3−R8であり、そしてR8は式:
【化17】
[式中、pは1である。R11は(C2〜C5)−アルケニルオキシ、ハロ−(C1〜C6)−アルコキシ、(C2〜C10)−アルカノイルオキシ、(C1〜C4)−アルキルチオで置換された(C1〜C3)−アルコキシおよびジフェニル−(C1〜C6)アルキルから選択される]
で示される基であるものを含む。この群の中でトリフルオロメトキシベンジル−A82846B、ジフェニルメチルベンジル−A82846B、チオプロピルエトキシベンジル−A82846B、アセトキシベンジル−A82846B、ノナノイルオキシベンジル−A82846Bおよびテトラフルオロエトキシベンジル−A82846Bはもっと好適である。
【0020】
さらにその上に好適な、式Iで示される化合物はA82846B誘導体であって、R7が−(C1〜C12−アルキル)−R8、さらに好適には−CH3−R8であり、R8は式:
【化18】
[式中、qは1から5である。rは1である。Zは一重結合、二価の(C1〜C6)−アルキル、二価の(C2〜C6)アルケニルおよび−R15−(C(R14)2)s−である。ここにR15は−O−、−S−、−SO2−および−OC(O)−から選択される。各R14置換基は水素である。sは0または1である。R13は(C4〜C10)−シクロアルキル、フェニルおよびニトロ、ハロ、(C1〜C10)−アルキル、(C1〜C10)−アルコキシまたはハロ(C1〜C3)アルキルにより置換されたフェニルから選択される]
で示される基であるものを含む。この群の中で、クロロフェニルベンジル−A82846B、フェニルベンジル−A82846B、ベンジルベンジル−A82846B、メチルフェニルベンジル−A82846B、ペンチルフェニルベンジル−A82846B、メトキシフェニルベンジル−A82846B、ペントキシフェニルベンジル−A82846B、ニトロフェノキシベンジル−A82846B、フルオロフェニルベンジル−A82846B、フェニルエチニルベンジル−A82846B、フェノキシベンジル−A82846B、ベンジルオキシベンジル−A82846B、ニトロフェニルベンジル−A82846B、クロロフェノキシベンジル−A82846B、クロロベンジルオキシベンジル−A82846B、ブチルフェノキシベンジル−A82846B、トリフルオロメチルフェノキシベンジル−A82846B、ジクロロフェノキシベンジル−A82846B、ニトロベンジルオキシベンジル−A82846B、ベンゾイルオキシベンジル−A82846B、シクロヘキシルオキシベンジル−A82846B、シクロヘキサノイルオキシベンジル−A82846B、チオフェニルベンジル−A82846B、クロロフェニルスルホニルベンジル−A82846Bおよびシクロヘキシルベンジル−A82846B、シクロヘキシルエトキシベンジル−A82846B、クロロフェノキシニトロベンジル−A82846B、ベンジルメトキシベンジル−A82846B、クロロフェノキシニトロベンジル−A82846Bおよびフェノキシメトキシベンジル−A82846B、ベンゾイルオキシ−ジメトキシベンジル−A82846B、シクロヘキサノイルオキシジメチルベンジル−A82846B、トリフルオロメチルフェニルベンジル−A82846B、ブチルフェニルチオベンジル−A82846B、ブロモフェニルベンジル−A82846Bはさらに好適である。
さらにその上に好適な、式Iで示される化合物にはA82846B誘導体であって、R7が−(C1〜C12−アルキル)−R8、さらに好適には−CH3−R8であり、R8が(C4〜C10)−シクロアルキルで置換された(C4〜C10)−シクロアルキルであるものを含む。この群の化合物の中で、さらに好適なのはシクロヘキシル−シクロヘキシルメチル−A82846Bおよびブチル−シクロヘキシルメチル−A82846Bである。
A82846AまたはA82846Bから製造される式Iで示される化合物はこれらの化合物の還元型から製造することができる。A82846AまたはA82846Bの還元型はここの参考のために引用する米国特許第5187082号に記載された方法に従って製造される。
【0021】
この発明の化合物は式IIで示される化合物をアルデヒドと反応させて、中間体であるシッフ塩基を形成し、これを続いて水素化ホウ素金属で還元して所期のN−アルキルアミンを得ることにより製造される。
この発明の化合物の第一製法、以後方法A(実施例1および2に記載)と称する、において、シッフの塩基の形成反応は窒素またはアルゴンのような不活性雰囲気下に、ジメチルホルムアミド(DMF)またはメタノール(MeOH)のような極性溶媒またはジメチルホルムアミドとメタノールの混合物のような極性溶媒混合物中で、約25℃から約100℃の温度で実施する。この反応は好ましくは約60℃から約70℃の温度で、30分から2時間、ジメチルホルムアミドとメタノールとの混合物またはメタノール中で実施する。次に中間体のシッフ塩基を、好ましくは単離なしに還元して、対応するN−アルキル誘導体を製造する。シッフ塩基の還元は、例えば水素化ホウ素ナトリウムまたは水素化シアノホウ素ナトリウムなどの水素化ホウ素金属のような化学的還元剤を用いることで行うことができる。この還元反応はジメチルホルムアミド、メタノールのような極性溶媒またはジメチルホルムアミドとメタノールとの混合物のような極性有機溶媒混合物中で実施することができる。この還元反応は約25℃から約100℃の温度で1から5時間実施することができる。好ましくはこの還元反応は水素化シアノホウ素ナトリウムの過剰量を用い、ジメチルホルムアミドとメタノールの混合物中またはメタノール中で、約60℃から約70℃で、1から2時間実施する。方法Aはベンジル性アルデヒドに対して好ましい。
【0022】
この発明の化合物の第二製法、以後方法B(実施例3に記載)と称する、において、シッフ塩基の形成反応は窒素またはアルゴンのような不活性雰囲気下に、還元剤、水素化シアノホウ素ナトリウム、の存在下に、ジメチルホルムアミド、メタノールのような極性溶媒、またはジメチルホルムアミドとメタノールとの混合物のような極性溶媒の混合物中で、約25℃から約100℃の温度で1から5時間実施する。好ましくはこの反応は約60℃から約70℃の温度で1から2時間ジメチルホルムアミドとメタノールとの混合物中で実施する。方法Bは非ベンジル性アルデヒドに対して好ましい。
【0023】
この発明の化合物の第三製法、以後方法C(実施例4に記載)と称する、において、シッフ塩基の形成反応はa)窒素またはアルゴンのような不活性雰囲気下に、b)水素化ホウ素金属、最も好適には水素化シアノホウ素ナトリウム、のような還元剤、またはクラブトリー触媒、ウイルキンソン触媒、パラジウム炭、白金炭またはロジウム炭のような均一系または不均一系触媒水素化剤の存在下、c)ジメチルホルムアミド、メタノールのような極性溶媒またはジメチルホルムアミドとメタノールとの混合物のような極性溶媒の混合物中で、d)約25℃から約100℃の温度で実施する。好ましくは、この反応は約60℃から約70℃の温度でメタノール中で実施する。この反応は約20から約28時間継続させ、その時点で反応混合物をpH約7.5からpH約10、好適にはpH約9.0、に調整する。pH調整は反応を停止する。生成物は極性溶媒にはわずかに溶解するので、反応溶媒をエタノール、ブタノールまたはイソプロパノールのようなアルコール、好適にはイソプロパノール、に置換して生成物の沈殿をさせることができる。方法Cはこの方法により得られる生成物収率の大きさの観点からこの発明の好適な方法である。この反応式の他の利点は好適な生成物(式IIで示される化合物中で、R1で示される糖のアミノ基が置換された生成物)の他の生成物(式IIで示される化合物中で、Rおよび/またはR3で示される置換基のアミノ基が置換された生成物)に対する比率が大きいことである。反応時間を20から28時間のように延長して進行させることにより、式IIで示される化合物で、Rおよび/またはR3で示される位置にモノ置換された生成物がジ置換型に変換されて好適なモノ置換誘導体を単離しやすくする。
【0024】
本発明の生成物は、方法A、B、Cのいずれで得たかに関わらず、Waters社のC18Nova−Pakカラムを用いて紫外線光(UV、235nmまたは280nm)で検出する分取逆相HPLCにより精製することができる。時間=0分での95%水性緩衝液/5%CH3CNから時間=30分での20%水性緩衝液/80%CH3CNまでから構成される30分勾配溶媒系が典型的に使用されるが、この水性緩衝液はTEAP(0.5%トリエチルアミン水を燐酸でpH3に調整)またはTFA(総濃度0.1%トリフルオロ酢酸)である。
反応混合物および最終精製生成物のHPLC分析はWaters社C18MicroBonda−Pakカラム(典型的には3.9×300mm鋼)またはWaters社Nova−PakC18RCMカラム(8×100mm)を用い、UV(235nmまたは280nm)検出で達成できる。時間=0分での95%水性緩衝液/5%CH3CNから時間=30分での20%水性緩衝液/80%CH3CNまでから構成される30分勾配溶媒系が典型的に使用されるが、この水性緩衝液はTEAP(0.5%トリエチルアミン水を燐酸でpH3に調整)またはTFA(総濃度0.1%トリフルオロ酢酸)である。
アルデヒドの式IIで示される化合物に対する比率および反応条件が反応生成物を決定する。モノ置換誘導体は式IIの位置R1にあるアミノ基の水素原子が式Iのために前に挙げた置換基の一つにより置換されている誘導体である。前記方法AまたはBを用いる時には、式IIで示される化合物のR1位にあるアミノ糖のアミノ基が置換されたモノ置換誘導体の形成には僅かに過剰のアルデヒド、より短い反応時間およびより低い温度を用いることが好都合である。前記のように、方法Cはモノ置換誘導体の形成に好都合である。モノ置換誘導体は好適である。アルデヒドの大過剰は式IIで示される化合物のジ置換およびトリ置換誘導体の形成に好都合である。ジ置換誘導体はR3位のアミノ基および式IIにおいてRまたはR1として示されるアミノ糖のアミノ基から選ばれた位置2個の水素原子が還元されたアルデヒドにより置換された誘導体である。トリ置換誘導体はR3位のアミノ基および式IIにおいてRまたはR1として示されるアミノ糖のアミノ基から選ばれた位置3個の水素原子が還元されたアルデヒドにより置換された誘導体である。
【0025】
式Iで示される製造した化合物の例を表2〜9および表10に示す。表2〜9はアルデヒドとグリコペプチドA82846Bとを反応することにより製造される化合物を表示する。表2〜9はA82846B化合物の4−エピ−バンコサミニル−O−グリコシルジサッカライドの4−エピ−バンコサミニル糖のアミノ基上の側鎖置換を表示する。表示化合物はすべてモノ置換誘導体である。
表10はアルデヒドとA82846B以外の種々のグリコペプチド抗生物質との反応で製造した化合物を表示する。表10の化合物は表示した側鎖を用いて式IIでR1として示されるアミノ糖のアミノ基でモノ置換されている。表示した化合物はすべてモノ置換誘導体である。
【表2】
【表3】
【表4】
【表5】
【表6】
【表7】
【表8】
【表9】
【表10】
【0026】
【作用】
式Iで示される化合物はグラム陽性病原細菌に対して試験管内および生体内活性を持つ。数種の細菌を阻止する式Iの化合物の最小阻止濃度(MIC)を表11〜33に示す。各MICは標準的培地マイクロ希釈検定法を用いて測定した。
[表11〜33中の用語] Organism=微生物。Staphylococcus・aureus=黄色ブドウ球菌。Staphylococcus・haemolyticus=スタフィロコッカス・ヘモリティカス。Staphylococcus・epidermidis=スタフィロコッカス・エピデルミディス。Enterococcus・faecium=エンテロコッカス・フェシウム。Enterococcus・faecalis=エンテロコッカス・フェカリス。Enterococcus・gallinarum=エンテロコッカス・ガリナルム。Haemophilus・influenza=ヘモフィルス・インフルエンザ。Escherichia・coli=大腸菌。Streptococcus・pyogenes=溶血性連鎖球菌。Streptococcus・pneumoniae=肺炎球菌。
【表11】
【表12】
【表13】
【表14】
【表15】
【表16】
【表17】
【表18】
【表19】
【表20】
【表21】
【表22】
【表23】
【表24】
【表25】
【表26】
【表27】
【表28】
【表29】
【表30】
【表31】
【表32】
【表33】
【0027】
式Iで示される化合物は実験動物において実験的に誘導した感染症に対して生体内抗微生物作用も示した。実験的に被微生物に感染させたマウスに被検化合物の二用量を投与した時に観察された活性をED50値(被検動物の50%を保護する有効量mg/kg。W.Wickなど、J.Bacteriol.、81巻、233〜235頁(1961年)参照)として測定した。例示的化合物について観測されたED50値を表34〜35に示す。
[表34〜35中の用語] Compound=化合物、n.d.=not・done=実験せず。
【表34】
【表35】
【0028】
式Iで示される化合物多数の抗微生物作用の重要な側面の一つはバンコマイシン耐性腸球菌に対する活性である。腸球菌(エンテロコッカス・ファエシウムおよびエンテロコッカス・フェカリス、幾何平均MIC(mcg/mL))の代表的なバンコマイシン耐性株およびバンコマイシン感受性株に対する代表例化合物の比較を標準的培地マイクロ希釈検定法を用いて測定して要約する表36〜41にこの活性を示す。終点は24時間に測定した。ジサッカライド部分のアミノ糖の修飾はバンコマイシン耐性株に対して元のグリコペプチド抗生物質を超える改善された活性を示す。
[表36〜41中の用語] Vancomycin・Resistant・Strain=バンコマイシン耐性株、Vancomycin・Sensitive・Strain=バンコマイシン感受性株。
【表36】
【表37】
【表38】
【表39】
【表40】
【表41】
【0029】
全ロイコノストック、全ペディオコッカスおよびあるラクトバチルスを含む多数の乳酸細菌はバンコマイシンに対して固有的(intrinsically)に耐性である。バンコマイシンの使用増加と共に免疫系損傷患者について、これらの細菌に起因する疾患が頻度を増して報告されている(Handwergerなど、Reviews・of・Infectious・Disease、12巻:602〜610頁(1990年)、Ruoffなど、Journal・of・Clinical・Microbiology、26巻:2064〜2068頁(1988年))。式Iで示される化合物の抗微生物活性の重要な側面の一つはバンコマイシン−耐性乳酸細菌に対する活性である。本化合物はロイコノストック、ペディオコッカスおよびラクトバチルスのようなバンコマイシン−耐性乳酸菌の成育阻止、それ故、この群の細菌による日和見感染症の制御に有用である。この活性を表42に示すが、そこには代表的バンコマイシン−耐性乳酸細菌(ペディオコッカス・アシディラクチ、ペディオコッカス・ペントサセウス、ロイコノストック・ラクティス、ロイコノストック・メセンテロイデス、ロイコノストック・シュードメセンテロイデス、ロイコノストック・シトレウムおよびラクトバチルス・コンフスス、幾何平均MIC(mcg/mL))に対する脳−心臓浸出液寒天上で標準寒天希釈検定法を用いて測定した例示化合物の活性の比較を要約する。
[表42中の用語] mean・of=平均値:株数、Pediococcus・acidilacti=ペディオコッカス・アシディラクチ、Pediococcus・pentosaceus=ペディオコッカス・ペントサセウス、Leuconostoc・lactis=ロイコノストック・ラクティス、Leuconostoc・mesenteroides=ロイコノストック・メセンテロイデス、Leuconostoc・pseudomesenteroides=ロイコノストック・シュードメセンテロイデス、Leuconostoc・citreum=ロイコノストック・シトレウム、Lactobacillus・confusus=ラクトバチルス・コンフスス。
【表42】
【0030】
式Iで示される化合物の医薬的製剤もこの発明の一部である。そこで、好ましくは医薬的に許容しうる塩の型の、化合物は細菌感染症の治療的または予防的処置のために経口または非経口投与用に製剤化することができる。
例えば、この化合物を通常の医薬的担体および添加剤と混合し、錠剤、カプセル剤、エリキシール剤、懸濁液、シロップ剤、ウェファース剤などの型で使用される。式Iで示される化合物を含む組成物は約0.1から約90%重、さらに一般的には約10から約30%までの活性化合物を含む。組成物は通常のコーンスターチ、ゼラチン、ラクトース、ショ糖、微結晶セルロース、カオリン、マンニトール、燐酸ジカルシウム、塩化ナトリウムおよびアルギン酸のような担体および添加剤を含みうる。
この発明の製剤において通常に使用する崩壊剤はクロスカルメロース、微結晶セルロース、コーンスターチ、ナトリウム澱粉グリコレートおよびアルギン酸を含む。
【0031】
錠剤用結合剤にはアラビアゴム、メチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン(ポビドン)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ショ糖、澱粉およびエチルセルロースを含めることができる。
使用できる滑沢剤は、ステアリン酸マグネシウムまたは他のステアリン酸金属塩、ステアリン酸、シリコン液、タルク、ワックス、油およびコロイド性シリカを含む。
ペパーミント、冬緑油、桜風味剤などのような矯味剤も使用できる。
用量剤型の外見を飾るためまたは製品の認識に資するために着色料を添加するのは好ましいであろう。
【0032】
静脈内(iv)使用のためには、抗生物質の水溶性型を通常に使用する静脈内用液の一つに溶解して、そして点滴により投与することができる。例えば、生理学的食塩水、リンゲル液または5%デキストロース溶液のような液体を使用できる。
筋肉内製剤のためには、化合物の、例えば塩化水素塩のような、適当な溶解性塩型をパイロージェン不含水(蒸留水)、生理学的食塩水または5%グルコース溶液のような医薬的希釈剤に溶解して投与することができる。化合物の適当な不溶型を製造し、水性基剤中または、例えばオレイン酸エチルのような長鎖脂肪酸エステルなど、医薬的に許容しうる油基剤中の懸濁液として投与しうる。
経口的使用のためには、抗生物質の適当な塩型、例えば塩酸塩、を蒸留水または脱イオン水のような希釈剤中に製剤化した無菌製剤が殊に有用である。
あるいは、抗生物質の単位用量型は抗生物質、好ましくはその塩型、の適当な希釈剤中の、無菌、密封熔閉アンプル内の溶液であることができる。単位用量剤中の抗生物質の濃度は、例えば約1パーセントから約50パーセントに抗生物質の特定の型およびその溶解度および医師が求める用量に依存して変化しうる。
【0033】
別の側面では、この発明は動物における、特にグラム陽性微生物に起因する感染症の処置法を提供する。この発明の化合物はメチシリン−耐性スタフィロコッカス菌に起因する感染症の処置において殊に有用である。また、化合物はエンテロコッカス菌に起因する感染症の処置において有用である。このような疾患の例は、例えばスタフィロコッカス心内膜炎およびスタフィロコッカス全身感染症のような重症スタフィロコッカス菌感染症である。動物は該微生物に感受性であるかまたは感染しているものでありうる。この方法はその動物に式Iで示される化合物のこの目的のために有効な量を投与することを含む。一般に、式Iで示される化合物の有効量は約0.5から約100mg/kgの間の用量である。好適な用量は活性化合物約1から約60mg/kgである。ヒト成人への典型的な日用量は約50mgから約5gである。
この方法の実施に当り、抗生物質を一日単回または一日当り多回用量で投与することができる。療法の処置においては、例えば数日から1ないし6週間のような長期間の投与を必要としうる。各投与量または全投与量は感染症の性質および重篤度、患者の年齢および一般健康状況、該抗生物質に対する患者の許容限度および感染症に関わる微生物のような因子に依存するであろう。
処置法を実施するについて好都合な方法は抗生物質を静脈内点滴で投与することである。この操作では該抗生物質の適当な溶解性塩の無菌製剤を5%デキストロース液のような生理学的液中に加え、得られた溶液をIVに徐々に点滴する。あるいは、ピギーバッグ法のIV点滴を用いることもできる。
【0034】
【実施例】
この発明の操作をより完全に例示するために、以下の実施例を提供するが、これを本発明の範囲の限定と解釈すべきではない。
【0035】
実施例1 方法A 化合物2の製造
A82846Bトリアセテート(2.25g、1.27ミリモル、1.0当量(eq))の1:1DMF/メタノール(140mL)混合物をアルゴン雰囲気下に4−ビフェニルカルボキシアルデヒド(331mg、2.12ミリモル、1.7eq)で処理した。得られた混合物を70℃に加熱し、このまま1.75〜2時間維持した。溶液を次に水素化シアノホウ素ナトリウム(554mg、8.83ミリモル、6.9eq)で処理した。70℃での加熱をさらに1.75〜2時間継続した後に反応混合物を室温まで冷却し、真空濃縮し、水(150mL)で希釈し、凍結乾燥して固体を得た。
固体をWaters社C18Nova−Pakガードインサートを持つWaters社3×(40×100mm)C18Nova−Pakカートリッジを用いTEAP緩衝液系を用いる分取逆相高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により精製した。分析用の分析法は:0.2%TEA/燐酸(TEAP)、pH=3、時間0における勾配系は5%CH3CN/94.8%H2Oで0.2%TEAPを一定に維持し、20分後には60%CH3CN/39.8%H2Oで0.2%TEAPを一定に維持した。使用したUV波長は235nm、流速は2mL/分であった。分析にはWaters社C18Nova−Pakガードインサートを持つWaters社Nova−PakC18RCMカラム(8×100mm)を用いた。この逆相HPLC法を用いる時には生成物を脱塩する必要がある。
脱塩は精製生成物をH2O5〜10mLに添加して達成した。1N−HClを撹拌下に滴下して標品を溶解させた。この点でのpHは約1〜3であった。溶液のpHを次に1N−NaOHで8.2に上げた。溶液に白色固体が沈殿した。混合物を冷却し、濾過し、真空下に室温で8〜15時間乾燥して所期の生成物である化合物2(p−フェニルベンジル・A82846B)のツビッターイオン(もしくは中性化合物)(1.02g、45%)を得た。
【0036】
実施例2 化合物4の製造
A82846Bトリアセテート(1.5g、0.848ミリモル、1.0eq)のメタノール(100mL)混合物をアルゴン雰囲気下にp−フェノキシベンズアルデヒド(298mg、1.51ミリモル、1.8eq)で処理した。得られた混合物を加熱還流し、このまま2時間維持した。溶液を次に水素化シアノホウ素ナトリウム(326mg、5.18ミリモル、6.1eq)で処理した。加熱還流をさらに2時間継続した後に反応混合物を室温まで冷却し、真空下に蒸発乾固した。
生成物をTFA緩衝液での逆相HPLCにより精製した。分析のための分析法はNova−PakC18ガードインサートを持つWaters社Nova−PakC18RCMカラム(8×100mm)を用い、時点0における15%アセトニトリル/0.1%TFAから時点15分における80%アセトニトリル/0.1%TFAまでの流速2.0mL/分の直線勾配で溶出して達成した。生成物を含む画分は235nmの紫外線走査により検出した。所期の画分の有機溶媒を除去し、混合物を凍結乾燥し、白色固体としてp−フェノキシベンジル−A82846B化合物4のトリス(トリフルオロ酢酸)塩(20%収率)0.618gを得た。脱塩もこれ以上の精製も不要であった。この方法はフェニルベンズアルデヒドが出発物質の一つである化合物2の製造においても特に有用である。
【0037】
実施例3 方法B 化合物176の製造
A82846Bトリアセテート(280mg、0.157ミリモル、1.0eq)の1:1DMF/メタノール(30mL)混合物を8−フェニルオクタナール(59mg、0.29ミリモル、1.8eq)と水素化シアノホウ素ナトリウム(60mg、0.95ミリモル、6.1eq)で処理した。得られた混合物を窒素雰囲気下に70℃に加熱し、ここに1時間維持した。反応混合物を室温まで冷却し、真空濃縮して残渣を得た。生成物の精製はWaters社C18Nova−Pakガードインサートを持つWaters社2×(40×100mm)C18Nova−Pakカートリッジを用いる逆相分取HPLCで達成した。溶出は30分間直線勾配(時点0分=95%TEAP(0.5%トリエチルアミン水を燐酸でpH3に調整したもの)/5%CH3CNからt=30分、20%TEAP/80%CH3CN)、流速40mL/分および280nmのUV検出で達成した。所期の画分を真空濃縮し、次にWaters社Sep−Pakカートリッジを用いて下記のようにして脱塩した。これにより化合物176を22%収率(60mg)で得た。
得られた化合物は以下の様にして脱塩した。Waters社Sep−Pakカートリッジをあらかじめメタノール(カラム容積の2〜3倍)で湿らせ、次に水(カラム容積の2〜3倍)で条件を整えた。被検物を最小容積の水に溶解し、Sep−Pakカラムに仕込み、これを次に水(カラム容積の2〜3倍)で洗浄して目的物以外の塩を除去した。次に、生成物を適当な溶媒系、典型的には1:1CH3CN/H2O、CH3CNおよび/またはメタノールで溶出した。有機溶媒成分を真空下に除き、得られた水溶液を凍結乾燥して最終生成物を得た。
【0038】
実施例4 化合物229の製造
3リットル三頚フラスコにコンデンサ、窒素導入管および頂部メカニカルスターラを装着した。このフラスコに粉砕したA82846B酢酸塩(20.0g、1.21×10-3モル)とメタノール(1000mL)とを窒素下に装填した。この撹拌混合物に4’−クロロビフェニルカルボキシアルデヒド(2.88g、1.33×10-2モル、1.1eq)、続いてメタノール(500mL)を添加した。最後に、水素化シアノホウ素ナトリウム(0.84g、1.33×10-2モル、1.1eq)、続いてメタノール(500mL)を添加した。得られた混合物を加熱還流(約65℃)した。
還流1時間後、反応混合物は均一になった。還流25時間後、熱源を去り、透明な反応混合物をpHメータで測定した(58.0℃で6.97)。1N−NaOH(22.8mL)を滴下してpHを9.0に調整した(54.7℃で)。フラスコに蒸留塔を装着し、混合物を部分的真空下に温度を40〜45℃の間に維持しながら重さ322.3gまで濃縮した。
蒸留塔をイソプロパノール(IPA)500mLを入れた滴下漏斗に置き換えた。室温で1時間の間にIPAを溶液に滴下した。IPAの大体1/3が添加された後に顆粒状沈殿が形成された。沈殿開始後には残りのIPAは速度を速めて添加した。フラスコを秤量したところ、IPA/メタノール・スラリー714.4gがあることを認めた。
フラスコに蒸留塔を再装着し、部分的な真空下に蒸留して残留メタノールを除去した。得られたスラリー(377.8g)をフリーザ中で一夜放冷した。粗製生成物をポリプロピレン床を通して濾過し、冷IPA25mLで2回洗浄した。5分間吸引して漏斗を乾燥後、物質を真空オーブンに入れて40℃で乾燥した。淡桃色固体(22.87g(理論値=22.43g))を得た。HPLC分析で粗製固体中の化合物229(4−[4−クロロフェニル]ベンジル−A82846B)は標準品に対して68.0重量%を示し、これを補正すると粗収率69.3%になった。
反応生成物を紫外線光(UV、230nm)検出によるZorbax・SB−C18カラムを用いる逆相HPLCで分析した。時間=0分での95%水性緩衝液/5%CH3CNから時間=20分での40%水性緩衝液/60%CH3CNまでからなる20分間勾配溶媒系を用いたが、ここに水性緩衝液はTEAP(水1000mL中のCH3CN5mL、燐酸3mL)であった。
【0039】
実施例5
表43〜48に例示化合物の製造および物理的性質を要約する。生成物の収率は試薬としての式IIで示される化合物の量を基にして算出した。以下の用語を表に用いたので、ここに定義する。「方法」は実施例1と2、あるいは3に記載した合成法を示す。「試薬・当量」は式IIで示される化合物に対するアルデヒドと還元剤とのモル当量を示す。「FAB−MS(M+3H)」は高速原子衝撃−質量スペクトルを示す。
[表43〜48中の用語] Compound・No.=化合物番号、Yield=収率、Method=方法、Reagent・Equivalents=試薬・当量、aldehyde=アルデヒド、ND=Not・determined=算出せず。
【表43】
【表44】
【表45】
【表46】
【表47】
【表48】
【0040】
実施例6 カプセル製剤
化合物2を250mg含むカプセルを次の成分を用いて製造する。
化合物2(HCl塩型、255.4mg)、流動性粉末コーンスターチ(150mg)およびコーンスターチ(144.6mg)を適当な混合機内で混合して均一化する。混合物を硬ゼラチンカプセルに充填し、内容重量550mgとする。実施例7 カプセル製剤
化合物229を250mg含むカプセルを次の成分を用いて製造する。
化合物2(HCl塩型、255.4mg)、流動性粉末コーンスターチ(150mg)およびコーンスターチ(144.6mg)を適当な混合機内で混合して均一化する。混合物を硬ゼラチンカプセルに充填し、内容重量550mgとする。
【0041】
実施例8 懸濁液製剤
無菌の不溶型化合物2を粉砕または篩過して懸濁剤に適する粒径とする。この粒子物質を次の基剤中に懸濁する。
実施例9 懸濁液製剤
無菌の不溶型化合物229を粉砕または篩過して懸濁剤に適する粒径とする。この粒子物質を次の基剤中に懸濁する。
【0042】
実施例10 錠剤製剤
次の組成を持ち、化合物2を250mg含有する錠剤を製造する。
実施例11 錠剤製剤
次の組成を持ち、化合物229を250mg含有する錠剤を製造する。
【0043】
実施例12 錠剤製剤
化合物2を250mg含む錠剤を次の成分から製造する。
【0044】
実施例13 錠剤製剤
化合物229を250mg含む錠剤を次の成分から製造する。
Claims (2)
- 式I:
Xは、 クロロであリ、
RおよびR6は、4−エピ−バンコサミニルであり;
R7は 以下からなる群:
2−ナフチルメチル;
4−フェニルベンジル;
1−ナフチルメチル;
4−フェノキシベンジル;
4−ベンジルオキシベンジル;
4−トリフルオロメトキシベンジル;
4−アリルオキシベンジル;
4−ノニルオキシベンジル;
2−メトキシ−1−ナフチルメチル;
4−ドデシルオキシベンジル;
9−フェナントラニルメチル;
4−デシルオキシベンジル;
9−アントラニルメチル;
4−[フェニルエチニル]−4−フェニルベンジル;
4−メトキシ−1−ナフチルメチル;
1−ピレニルメチル;
9−[10−メチル]アントラニルメチル;
9−[10−クロロ]アントラニルメチル;
2−ベンズチエニルメチル;
4−[4−ヒドロキシフェニル]ベンジル;
4−[4−オクチルフェニル]ベンジル;
4−[4−ペンチルフェニル]ベンジル;
4−[4−オクチルオキシフェニル]ベンジル;
3−ピリジルメチル;
5−ニトロ−1−ナフチルメチル;
4−ピリジルメチル;
4−キノリルメチル;
3−キノリルメチル;
4−スチルベンジル;
2−キノリルメチル;
2−ピリジルメチル;
2−フルオレニルメチル;
4−フェノキシフェネチル;
4−[4−ペンチルシクロヘキシル]ベンジル;
4−ベンジルフェネチル;
4−[4−ビフェニル]ベンジル;
4−トリフルオロメチルベンジル;
トランス−シンナミル;
4−[1−オキサ]フルオレニルメチル;
4−[4−ペントキシフェニル]ベンジル;
4−チオメチルベンジル;
2 , 3−[2−メチル−3−[4−t−ブチルフェニル]]プロペニル;
9−(1−メチル)−アクリジニルメチル;
2−ヒドロキシ−1−ナフチルメチル;
4−[2−フェニル−6−メトキシ]キノイルメチル;
4−ジフェニルメチルベンジル;
3 , 4 シクロヘキセニルメチル;
3 , 4−メチレンジオキシベンジル;
3−フェノキシベンジル;
4−ベンジルベンジル;
3−ベンジルオキシ−6−メトキシベンジル;
4−ベンジルオキシ−3−メトキシベンジル;
3 , 4−ジベンジルオキシベンジル;
4−[4−メトキシフェニル]ベンジル;
4−[3−シアノプロポキシ]ベンジル;
3 , 4−エチレンジオキシベンジル;
4−[4−ニトロフェノキシ]ベンジル;
2 , 3−メチレンジオキシベンジル;
2−ベンジルオキシフェネチル;
2−エトキシ−1−ナフチルメチル;
2−ベンジルフリルメチル;
3−フェノキシフェネチル;
4−フェノキシフェネチル;
4−[4−ニトロフェニル]ベンジル;
6−メトキシ−2−ナフチルメチル;
3−メチル−5−チエニルメチル;
5−フェニル−2−チエニルメチル;
4−ベンジルオキシフェネチル;
3−ベンジルオキシフェネチル;
4−[2−ニトロフェノキシ]ベンジル;
5−[4−メトキシフェニル]−2−チエニルメチル;
4−ジフルオロメトキシベンジル;
2 , 3 , 4 , 5 , 6−ペンタメチルベンジル;
5−ヨード−2−チエニルメチル;
4−[2−[2−クロロエトキシ]エトキシ]ベンジル;
3 , 4−ジメチルベンジル;
3−アセトキシベンジル;
4−ニトロベンジル;
4−フェニルエチニルベンジル;
4−[2−クロロ−6−フルオロベンジルオキシ]ベンジル;
4−[3 , 4−ジクロロフェノキシ]ベンジル;
5−[2 , 3−ジヒドロベンズフリル]メチル;
4−[2−(N , N−ジエチルアミノ)エトキシ]ベンジル;
2−ビシクロ[2.1.2]ヘプチルメチル;
2−ヒドロキシ−5−フェニルベンジル;
3−[4−クロロフェノキシ]ベンジル;
4−[3−クロロフェノキシ]−3−ニトロベンジル;
4−[2−クロロフェノキシ]−3−ニトロベンジル;
3 , 5−ジメチルベンジル;
4−[4−エチルフェニル]ベンジル;
3−フェニルベンジル;
4−[3−フルオロフェニル]ベンジル;
4−[4−クロロベンジルオキシ]ベンジル;
4−[4−クロロフェノキシ]−3−ニトロベンジル;
4−[4−メチルフェノキシ]ベンジル;
4−[4−t−ブチルフェノキシ]ベンジル;
4−[4−メチルフェニル]ベンジル;
4−[4−メトキシフェノキシ]ベンジル;
4−アセトキシ−3−メトキシベンジル;
4−[(2−フェニル)エチル]ベンジル;
3−[5−フェニル]ピリジニルメチル;
4−[2−ニトロフェニル]ベンジル;
2−[1−ヒドロキシ]フルオレニルメチル;
4−ベンジル−3−メトキシベンジル;
4−[シクロヘキシルメトキシ]−3−エトキシベンジル;
3−[3 , 3’−ジクロロフェノキシ]ベンジル;
4−[4−プロピルフェニル]ベンジル;
4−チオフェニルベンジル;
4−[アルファ−ヒドロキシベンジル]ベンジル;
2 , 2−ジニトロ−4−チオフェンベンジル;
3−[3−トリフルオロメチルフェノキシ]ベンジル;
4−[t−ブチルエチニル]ベンジル;
4−フェノキシ−3−メトキシベンジル;
4−[3−トリフルオロメチルフェノキシ]−3−ニトロベンジル;
2−フェニルチオベンジル;
2−[4−クロロフェニル]−6−ベンゾオキサゾールメチル;
4−[アルファ−メトキシベンジル]ベンジル;
4−シクロヘキシルベンジル;
3−[3 , 4−ジクロロフェノキシ]ベンジル;
アセナフチレニルメチル;
4−[1 , 1 , 2 , 2−テトラフルオロエトキシ]ベンジル;
4−ベンゾイルオキシ−3 , 3’−ジメトキシベンジル;
3−[シクロヘキシルメトキシ]ベンジル;
4−シクロヘキシルオキシベンジル;
3−[2−キノイルメトキシ]ベンジル;
4−[アルファ−エトキシベンジル]ベンジル;
4−[シクロヘキシルエトキシ]ベンジル;
4−[アルファ−プロポキシベンジル]ベンジル;
4−[4−メチル−1−ピペリジノ]ベンジル;
2−チオフェン−1 , 2−シクロヘキセニルメチル;
4−[4−ニトロベンジルオキシ]ベンジル;
3−[4−トリフルオロメチルフェノキシ]ベンジル;
3−ベンゾイル−2 , 4−ジクロロベンジル;
4−[2−(2−チオプロピル)エトキシ]ベンジル;
4−[2−メチル−1−ピペリジノ]ベンジル;
4−ヒドロキシベンジル;
4−[2−ピリジル]ベンジル;
4−アセトキシベンジル;
5 , 6−ベンゾノルボルニルメチル;
3−フェニルシクロペンチルメチル;
1−アダマンチルメチル;
3−[シクロヘキシルメトキシ]−4−メトキシベンジル;
2−[2−グルコシル]ベンジル;
4−[4−ペントキシビフェニル]ベンジル;
3 , 4−ジヒドロキシベンジル;
4−[4−メチルピペラジノ]ベンジル;
4−モルホリノベンジル;
4−[4−クロロフェニルスルホニル]ベンジル;
4−メチルスルホニルオキシベンジル;
4−ベンゾイルオキシベンジル;
5−フェニル−3−ピリジニルメチル;
4−[N , N−ビス(2−クロロエチル)アミノ]ベンジル;
3−シクロヘキシルオキシベンジル;
4−[2−t−ブトキシエトキシ]ベンジル;
3 , 3’−ジクロロ−4−ヒドロキシベンジル;
1 , 2 , 3 , 4 , −テトラヒドロ−9−アントラニルメチル;
4−シクロヘキサノイルオキシベンジル;
4−ノナノイルオキシベンジル;
4−[フェニルスルフィニル]ベンジル;
4−アニリノベンジル;
シクロヘキシルメチル;
3−ベンゾイルオキシベンジル;
3−ノナノイルオキシベンジル;
4−[シクロヘキシル]シクロヘキシルメチル;
3−シクロヘキサノイルオキシベンジル;
4−[シクロヘキサノイルオキシ]−3 , 3’−[ジメトキシ]ベンジル;
4−[ノナノイルオキシ]−3 , 3’−[ジメトキシ]ベンジル;
1 , 2 , 3 , 4−テトラヒドロ−6−ナフチルメチル;
2−ヒドロキシベンジル
[2−[6 , 6−ジメチル−ビシクロ[3.1.1]ヘプタン−2−エニル]メチル;
1−シクロヘキセニル−4−イソプロピルメチル;
4−[4−メトキシフェニル]ブチル;
4−[[2 , 3 , 4 , 5 , 6−ペンタメチル]フェニルスルホニルオキシ]ベンジル;
4−[1−ピロリジノスルホニル]ベンジル;
3−[4−メトキシフェニル]プロピル;
8−フェニルオクチル;
4−[2 , 3−ジヒドロキシプロポキシ]ベンジル;
4−[N−メチルアニリノ]ベンジル;
2−[2−ナフチル]エチル;
6−メチル−2−ナフチルメチル;
シス−ビシクロ[3.3.0]オクタン−2−メチル;
2−トリデシニル;
4−ブチル−2−シクロヘキシルメチル;
4−[(4−フルオロベンゾイル)アミノ]ベンジル;
4−[(3−フルオロベンゾイル)アミノ]ベンジル;
8−フェノキシオクチル;
6−フェニルヘキシル;
10−フェニルデシル;
8−ブロモオクチル;
11−トリデシニル;
8−[4−メトキシフェノキシ]オクチル;
8−[4−フェニルフェノキシ]オクチル;
8−[4−フェノキシフェノキシ]オクチル;
3−[3−トリフルオロメチルフェノキシ]ベンジル;
10−ウンデセニル;
4−シクロヘキシルブチル;
4−フェニル−2−フルオロベンジル;
7−ヘキサデシニル;
3−[シクロペンチル]プロピル;
4−[2−メチルフェニル]ベンジル;
4−[フェニルアゾ]ベンジル;
4−[4−フルオロフェニル]ベンジル;
3−ニトロ−4−[4−ニトロフェニル]ベンジル;
3−ニトロ−4−[2−ニトロフェニル]ベンジル;
9−デセニル;
4−[3 , 4−ジメトキシフェニル]ベンジル;
4−[4−トリフルオロメチルフェニル]ベンジル;
5−ヘキセニル;
4−[2−チエニル]ベンジル;
4−[6−フェニルヘキシルオキシ]ベンジル;
9 , 10−ジヒドロ−2−フェナントレンメチル;
4−[3 , 4−ジメチルフェニル]ベンジル;
4−[4−メチルフェニル]−2−メチルベンジル;
4−[3−フェニルプロピルオキシ]ベンジル;
4−[3−メチルフェニル]ベンジル;
4−[4−メチルフェニル]−3−メチルベンジル;
4−[4−ペンテニルオキシ]ベンジル;
4−[1−ヘプチニル]ベンジル;
3−[4−t−ブチル−フェニルチオ]ベンジル;
4−[4−クロロフェニル]ベンジル;
4−[4−ブロモフェニル]ベンジル;
4−[4−シアノフェニル]ベンジル;
4−[1−ノニニル]ベンジル;
4−[11−トリデシニルオキシ]ベンジル;
12−フェニルドデシル;
6−フェニル−5−ヘキシニル;
11−フェニル−10−ウンデシニル;
4−[2−メチルフェニル]−3−メチルベンジル;
3−[2’−チエニル]−2−チエニルメチル;
4−[ベンジルオキシメチル]シクロヘキシルメチル;
4−[4−クロロフェノキシ]ベンジル;
4−[ベンジル]シクロヘキシルメチル;
4−ベンゾイルベンジル;
4−[フェノキシメチル]ベンジル;および
4−[4−クロロベンジル]ベンジル
から選択される]
で示される化合物またはその塩。 - 1またはそれ以上の医薬的に許容し得る担体と組み合わせて、請求項1に記載の化合物を含有する医薬組成物。
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