JP3755350B2 - 熱定着用トナー、画像形成方法及び画像形成装置 - Google Patents

熱定着用トナー、画像形成方法及び画像形成装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電子写真、静電記録、静電印刷などにおける静電荷像を現像するための熱定着用トナー、該熱定着用トナー(単にトナーともいう)を用いた画像形成方法および画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子写真感光体上に形成されたトナー像を紙等のシートに定着させる方式として、熱によりトナーを溶融することで定着させる、いわゆる熱定着方式が多く用いられている。熱定着方式には、大きく分けて非接触熱定着方式であるフラッシュ定着方式と、接触熱定着方式である熱ロール定着方式及び熱フィルム定着方式とがある。中でも接触熱定着方式は、トナー像に熱ロール又は熱フィルム等を接触させることでトナー像を溶融定着させるので高い熱効率が期待できることから、特に、高速に画像を出力する電子写真複写機やプリンタに有効である。
【0003】
しかしながら、接触熱定着方式では熱ロール又は熱フィルムが溶融したトナー像に直接接触するため、トナー像の一部が該熱ロール又は熱フィルムに付着、転移し、次の定着シートに再転移して画像を汚染するいわゆるオフセット現象を生じ易い。また、熱ロール又は熱フィルムが高速で回転又は走行する際に発生する該熱ロール又は熱フィルム周囲の気流の乱れにより、定着前の未定着トナー像が乱されて画像チリが発生し易い。さらに、熱ロール又は熱フィルムにトナー像が接触した際に、トナー像が逆極性に接触帯電する現象も起こるが、熱ロール又は熱フィルムに蓄積した帯電電荷が、次にやってくる定着前のトナー像を乱すことで画像チリを発生し易い。
【0004】
前述のオフセット現象を防ぐために、従来より熱ロール又は熱フィルムへの離型オイルの供給やトナーへのオフセット防止剤の導入が行われている。しかし、離型オイルの供給は、定着器の構造が複雑かつ大型化することに加え、安定したオイル供給が困難であり、そのため十分なオフセット抑制を達成することができていない。また、トナー中にオフセット防止剤を含有させる方法も知られており、この方法も有効であるが、一方でトナーの帯電を阻害する問題を抱えており、画像チリが発生し易く良質の画像が得られないことが多い。
【0005】
そこで、トナーの帯電阻害を解決するためにトナー中に荷電制御剤を導入する試みも行われているが、荷電制御剤がもつ帯電性の強さの故にトナー中への均一分散が困難となり十分な帯電付与効果が得られないばかりか、その帯電性の強さが離型剤の分散をも悪化させ、期待したオフセット抑制効果が十分には得られないという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は熱定着において定着可能温度領域が広く、加熱温度を例えば130℃付近に下げた場合でも、十分な定着強度を持ち、オフセットや画像チリの発生がなく高品位な定着画像が得られるトナー、該トナーを用いた画像形成方法及び画像形成装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は鋭意検討の結果、特定の離型剤と荷電制御剤とを併用してトナー中に含有させることにより、お互いに相手に対する分散助剤としての相乗効果が発揮され、従来、均一に分散させることが困難であった離型剤及び荷電制御剤を均一かつ緻密に分散含有するトナーが得られ、特にトナー像の定着時に発生する気流の乱れや熱ロール又は熱フィルム等自体の帯電による未定着トナー像の乱れが抑制され、かつ、定着温度を下げた場合でも十分な定着強度が確保され、同時にオフセットの発生も抑制され、その結果、高品位な画像を得ることができるトナー、該トナーを用いた画像形成方法及び画像形成装置を見いだすに至り、本発明を完成したのである。
【0008】
従って、本発明の前記の目的は下記構成により達成される。
【0009】
1.少なくとも荷電制御剤、着色剤、離型剤及び結着樹脂を含有する熱定着用トナーにおいて、該荷電制御剤が下記一般式1で表される構造を有し、該離型剤が80.0〜99.5モル%のエステル成分と0.5〜20.0モル%のその酸成分からなり、かつ酸価が20mgKOH/g以下の離型剤であって、その融点ピークが50℃〜110℃の範囲内にあり、かつ該融点ピークの半値幅が20℃未満であることを特徴とする熱定着用トナー。
【0010】
【化3】
Figure 0003755350
【0011】
〔式中、R1〜R4はアルキル基又は縮合環を含む置換若しくは非置換の芳香環であり、それらは同じでも異なってもよく、またR1とR2及び/又はR3とR4は互いに結合して3価の金属原子Mと共に環を形成してもよく、Xはカチオンであり、nは1又は2を表す。〕
2.少なくとも荷電制御剤、着色剤、離型剤及び結着樹脂を含有する熱定着用トナーにおいて、該荷電制御剤が下記一般式2で表される構造を有し、該離型剤が80.0〜99.5モル%のエステル成分と0.5〜20.0モル%のその酸成分からなり、かつ酸価が20mgKOH/g以下の離型剤であって、その融点ピークが50℃〜110℃の範囲内にあり、かつ該融点ピークの半値幅が20℃未満であることを特徴とする熱定着用トナー。
【0012】
【化4】
Figure 0003755350
【0013】
〔式中、R5〜R8は水素原子、アルキル基又は縮合環を含む置換若しくは非置換の芳香環であり、それらは同じでも異なってもよく、Mは3価の金属原子、Xはカチオンであり、nは1又は2を表す。〕
【0015】
.前記1又は2に記載の熱定着用トナーを用いてトナー像を形成し、該トナー像を熱ロール定着法により加熱定着する工程を有することを特徴とする画像形成方法。
【0016】
.前記1又は2に記載の熱定着用トナーを用いてトナー像を形成し、該トナー像を熱フィルム定着法により加熱定着する工程を有することを特徴とする画像形成方法。
【0017】
.前記1又は2に記載の熱定着用トナーを用いてトナー像を形成し、該トナー像を熱ロール定着法により加熱定着する定着装置を有することを特徴とする画像形成装置。
【0018】
.前記1又は2に記載の熱定着用トナーを用いてトナー像を形成し、該トナー像を熱フィルム定着法により加熱定着する定着装置を有することを特徴とする画像形成装置。
【0019】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0020】
本発明のトナーは、少なくとも荷電制御剤、着色剤、離型剤及び結着樹脂を含有するトナーであり、該トナー中に前記一般式1又は2で表される荷電制御剤(以後、本発明の荷電制御剤ともいう)、及びエステル成分及びその酸成分からなり酸価が20mgKOH/g以下の離型剤(以後、本発明の離型剤ともいう)を組み合わせて含有させたことにより、画像チリやオフセット現象の発生がなく、優れた定着特性が発揮される。
【0021】
〈本発明の荷電制御剤〉
本発明の荷電制御剤の前記一般式1においてR1〜R4は好ましくは炭素原子数1〜6のアルキル基又は縮合環を含む置換若しくは非置換の芳香環であり、それらは同じでも異なってもよく、またR1とR2及び/又はR3とR4は互いに結合して3価の金属原子Mと共に環を形成してもよく、nは1又は2を表す。
【0022】
また、前記一般式1と同様の効果が得られる荷電制御剤として一般式2の荷電制御剤が挙げられ、該一般式2において、R5〜R8は水素原子、好ましくは炭素原子数1〜6のアルキル基又は縮合環を含む置換若しくは非置換の芳香環であり、それらは同じでも異なってもよく、nは1又は2を表す。
【0023】
さらに、前記一般式1及び2においてMはAl、Co、Fe、Ti、Bの中から選ばれる1種以上の3価の金属原子であり、また、カチオン成分としては、種々の無機カチオン、有機カチオンを使用することができる。無機カチオンとしては水素イオンH+、またはLi+、Na+、K+、Mg2+、Ca2+、Zn2+などから選ばれる1価もしくは2価の金属イオンが使用できる。また、有機カチオンとしては、アンモニウムイオン、イミニウムイオン、ホスホニウムイオンなどを使用することができる。
【0024】
前記一般式1及び2に含まれる好ましい化合物としては下記化合物例が挙げられる。
【0025】
【化5】
Figure 0003755350
【0026】
【化6】
Figure 0003755350
【0027】
【化7】
Figure 0003755350
【0028】
〈本発明の離型剤〉
本発明の離型剤はエステル成分及びその酸成分からなり、酸価が20mgKOH/g以下、好ましくは0.1mgKOH/g以上であることを特徴としており、酸価が20mgKOH/gを越えるとトナー像定着時のオフセット抑制効果が十分には得られない。また0.1mgKOH/g未満では画像チリが発生し易くなる。
【0029】
本発明の離型剤のエステル成分としてしは、下記一般式3及び4の構造を有するものが好ましく、該エステル成分と共に含有される酸成分としては下記一般式5の構造を有するものが好ましい。
【0030】
【化8】
Figure 0003755350
【0031】
〔式中、a及びbは0〜4の整数であり、a+bは4であり、R9及びR10は炭素数1〜40の有機基であり、R9とR10との炭素数の差が3以上であり、p及びqは0〜25の整数であり、pとqが同時に0となることはない。〕
【0032】
【化9】
Figure 0003755350
【0033】
〔式中、c及びdは0〜3の整数であり、c+dは1〜3であり、kは1〜3の整数であり、c+d+kは4である。また、R11は水素原子又は炭素数1以上の有機基であり(但し、c+dが2のとき、R11の少なくとも1つは炭素数1以上の有機基である)、R9、R10、p、qは一般式3のR9、R10、p、qと同義である。〕
【0034】
【化10】
Figure 0003755350
【0035】
〔式中R9、R10は一般式3及び4のR9、R10と同義である。〕
上記一般式3、4及び5の好ましい化合物例としては下記のものが挙げられる。
【0036】
【化11】
Figure 0003755350
【0037】
【化12】
Figure 0003755350
【0038】
【化13】
Figure 0003755350
【0039】
【化14】
Figure 0003755350
【0040】
【化15】
Figure 0003755350
【0041】
また、本発明の離型剤ではエステル成分を80.0〜99.5モル%とし、酸成分を0.5〜20モル%とするのが好ましく、エステル成分が80.0%未満で、酸成分が20モル%を越えるとトナー像定着時のオフセット抑制効果が十分には得られなくなり、エステル成分が99.5%を越え、酸成分が0.5モル%未満では画像チリが発生し易くなる。
【0042】
さらにまた、本発明の離型剤では融点ピークが50〜110℃であり、かつ該融点ピークの半値幅が20℃以下であることが好ましく、融点ピークが50℃未満では画像チリが発生し易く、110℃を越えると定着可能な温度領域が狭くなり、融点ピークの半値幅が20℃を越えると定着可能な温度領域が狭くなる。
【0043】
《離型剤の酸価の測定法》
試料1g中に含まれる酸性基を中和するに必要な水酸化カリウム(KOH)のミリグラム数をいう。なお、酸価の測定はJIS K 0070に規定される方法に基づいて測定される。
【0044】
《離型剤の融点ピーク及び半値幅の測定法》
融点ピーク及びその半値幅は、DSC示差走査熱量分析計「DSC20」(SEIKO I&E社製)により求めることができ、DSC曲線はRH60%で一昼夜調湿した試料を温度コントローラー「SSC/580」(SEIKO I&E社製)を用いて毎分10℃のスピードで昇温しながら測定される。
【0045】
また、融点ピークの半値幅は、ベースラインに対する融点ピークの高さの1/2の位置にベースラインと平行な線を引き、融点ピーク前後のDSC曲線との交点位置から温度を読みとることで求められる。
【0046】
以下、本発明のトナーは、結着剤樹脂中に前記荷電制御剤及び離型剤と共に着色剤を混合、溶融混練、粉砕、分級して得られ、該結着剤樹脂に対する荷電制御剤の含有量は好ましくは0.1〜10重量%であり、0.1重量%未満では十分な荷電制御が達成されにくく、10重量%を越えるとトナーの摩擦帯電特性が過剰となり、トナーに適正な帯電量が得られないことが多い。また、該結着剤樹脂に対する離型剤の含有量は好ましくは0.1〜10重量%であり、0.1重量%未満ではトナーに必要な離型性が得られず、10重量%を越えるとトナーの摩擦帯電特性が低下し、トナーに必要な帯電量が得られないことが多い。
【0047】
本発明のトナーを構成する結着樹脂としては特に限定されず、従来公知の種々の樹脂が用いられる。例えば、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン/アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂等が挙げられる。
【0048】
更に、トナーを構成する着色剤としては特に限定されず、従来公知の種々の材料が使用される。例えばカーボンブラック、ニグロシン染料、アニリンブルー、カルコイルブルー、クロムイエロー、ウルトラマリンブルー、デュポンオイルレッド、キノリンイエロー、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブルー、マラカイトグリーンオクサレート、ローズベンガル等が挙げられ、結着樹脂に対して1〜15重量%含有される。
【0049】
なお、本発明のトナーは、二成分現像剤、磁性一成分現像剤の何れとしても用いることができる。
【0050】
二成分現像剤として用いる場合には、キャリアとしては鉄・フェライト等の磁性材料粒子のみで構成される非被覆キャリア、磁性材料粒子表面を樹脂等によって被覆した樹脂被覆キャリア或いは、樹脂と磁性粉とを混合して得られる樹脂分散型キャリアの何れを使用してもよい。このキャリアの平均粒径は体積平均粒径で30〜150μmが好ましい。
【0051】
磁性一成分現像剤として用いる場合には、数平均一次粒子径が0.01〜2.0μmのマグネタイト等の強磁性体を含有して構成することが好ましく、この場合は磁性体をトナー中に20〜80重量%添加される。
【0052】
更に、本発明ではキャリアを用いずに非磁性トナーのみで構成される非磁性一成分トナーとして用いることもできる。
【0053】
本発明に使用される好適な熱定着方法としては熱ロール定着方法及び熱フィルム定着方法とがある。ここで上記熱フィルム定着方法では固定設置された加熱体と、該加熱体面に接して走行する熱フィルム材と、熱フィルム材を介して転写材を加熱体に圧着させる加圧部材とからなる定着装置により熱定着が行われる。
【0054】
〈画像形成方法及び画像形成装置〉
図1は画像形成方法及び画像形成装置の一例を示す構成図であり、該画像形成装置では、支持体1bに有機感光層1aを設けてなる感光体1上に帯電部材(ロール状帯電器又はコロナ帯電器)2により一様な帯電を付与した後、像露光3(アナログ又はデジタル像露光)により静電潜像が形成される。この静電潜像は本発明のトナーを保有する現像器4により現像されてトナー像が形成され、該トナー像は感光体1と同期して搬送されたOHP又は転写紙等の転写材P上に転写電極部材(ロール状転写器又はコロナ放電転写器)5の作用により転写され、後述する熱定着装置Hにより定着されて画像形成が行われる。なお、2a及び2bは帯電部材2の回転軸及び導電性弾性層であり、5a及び5bは転写電極部材5の回転軸及び導電性弾性層であり、またV1及びV2は帯電部材2及び転写電極部材5のバイアス電源である。6はクリーニング部材、7は除電露光器である。
【0055】
上記熱定着装置Hには、熱ロール定着方法を用いた熱ロール定着装置と熱フィルム定着方法を用いた熱フィルム定着装置とがあり、図2は熱ロール定着装置の一例を示す構成図である。図2において、トナー像14を担持した転写材Pは、図2の矢印方向に等速で回転する熱源18を有する熱ロール11と加圧ロール12との加圧挟持下に接触加熱定着され搬送手段19及び排出ロール16及び17により排出される。また、10は熱ロール11の表面にシリコーンオイルを供給するシリコーンオイル供給ロールである。なお、上記熱ロール11の断面構成は以下のようである。11aは熱ロール11の表面の層を形成するフッ素樹脂層、11bはフッ素樹脂層11aの下の層をなす弾性層、11cは該弾性層11bの内部に設けられたロール11の芯となる芯金である。フッ素樹脂層11aとしては、例えばPFA(4フッ化エチレン−パーフルオロアルコキシエチレン共重合樹脂)が用いられる。PFA樹脂は、ポリフッ化エチレンの主鎖を持ち、側鎖に−OR基(Rはパーフルオロアルキル基)を付加したものである。フッ素樹脂の材質としては、他にPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)やFEP(ポリフルオロエチレンプロピレン重合体)等が用いられる。これらPFA,PTFE,FEPは、他の種類のフッ素樹脂に比較して極めて耐久性が高いという性質をもっている。
【0056】
フッ素樹脂層11aの厚さとしては、例えば50μm程度のものが用いられる。弾性層11bとしては、例えばシリコーンゴムが用いられ、その厚さとしては例えば1mm、その硬度としては例えばJIS−A 13°程度のものが用いられる。18は定着上ロール11の内部に設けられた加熱手段であり、例えばニクロム線ヒータ、ハロゲンランプヒータ等が用いられ、その出力としては例えば850W程度のものが用いられ、熱ロール11の表面を例えば250℃近辺まで加熱するようになっている。
【0057】
加圧ロール12の層構成も熱ロール11の構成とほぼ同様である。即ち、加圧ロール12において、12aは表面層を形成するフッ素樹脂層、12bはフッ素樹脂層12aの下の層をなす弾性層、12cは該弾性層12bの内部に設けられたロール12の芯となる芯金である。フッ素樹脂層12aとしては、例えばPFAが用いられ、厚さとしては、例えば50μm程度のものが用いられる。弾性層12bとしては、例えば厚さ1mm程度のシリコーンゴム層が用いられ、その硬度としては例えばJIS−A 13°程度のものが用いられる。
【0058】
図3はエンドレス熱フィルム定着装置の構成図である。図中トナー像14は固定熱定着部材26に固定支持されたライン状加熱体27の前面を走行する熱フィルム材24と加圧ロール23との挟持下に効率よく接触加熱定着される。なお、25は固定熱定着部材26内のライン状加熱体27の温度を検出する温度センサーであり、20は熱フィルム材24の表面をクリーニングするクリーニングロールである。
【0059】
図3のエンドレス熱フィルム定着装置において固定熱定着部材26内のライン状加熱体27の構成は例えば一例として以下のようにすることができる。上記ライン状加熱体27は例えば厚さにして0.2〜5.0mm、好ましくは0.5〜3.5mm、幅10〜15mm、長手長240〜400mmのアルミナ基盤に抵抗材料を1.0〜2.5mm塗布したものでよく、両端より通電される。通電は例えばDC100Vの周期25msecのパルス波形で、温度センサー25により制御された温度又はエネルギー放出量に応じたパルス幅に変化させて与えられる。上記ライン状加熱体27において温度センサー25で検出された温度をT1とした場合、抵抗材料に対向する熱フィルム材24の表面温度T2はT1よりも低い温度となる。ここで、T1は130〜250℃が好ましく、T2の温度はT1の温度と比較して0.5〜10℃低いことが好ましい。
【0060】
かくして熱フィルム材24は、上記の様にエネルギー(温度)制御されたライン状加熱体27の前面に当接して図3中央矢印方向に回転駆動される。この熱フィルム材24として挙げられるのは、厚みにして10〜35μmの耐熱フィルム、例えば、ポリエステル、ポリパーフルオロアルコキシビニルエーテル、ポリイミド、又はポリエーテルイミド等である。これにテフロン等のフッ素樹脂に導電材を添加した離型材層を5〜15μm厚に被覆してなるエンドレスフィルム等が用いられる。
【0061】
上記熱フィルム材24は駆動ロール21及び従動ロール22による駆動とテンションによりシワ、ヨレがなく搬送される。定着線速は40〜500mm/secが好ましい。加圧ロール23はシリコーンゴム等の離型性の高いゴム弾性層を有し、総圧2〜30kgで熱フィルム材24を介してライン状加熱体27へ圧着しながら圧接回転される。
【0062】
また、図4は有端熱フィルム定着装置の一例を示す構成図であり、熱フィルム材24を図3のエンドレス熱フィルムに代えて有端熱フィルムとし、該有端熱フィルムを送り出しロール31及び巻き取りロール32により搬送するようにした他はほぼ図4の場合と同様である。
【0063】
なお、図4の有端熱フィルム定着装置には図3のエンドレス熱フィルム定着装置の場合と同様に熱フィルム材24にクリーニングロール20の機構を付与して使用されるのが望ましい。また、図3及び図4の何れの熱フィルム定着装置においても必要によりシリコーンオイルを熱フィルム材に供給する方式やシリコーンオイルを含浸したパッド、ロール、ウェッブ等でクリーニングする方法も使用することができる。
【0064】
【実施例】
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが本発明の実施の態様がこれにより限定されるものではない。
【0065】
実施例1
〈トナー1の作製〉
結着樹脂(スチレン/アクリル共重合樹脂) 100部
着色剤「ブラックパールL」(キャボット社製) 10部
離型剤P−1 2部
荷電制御剤(例示化合物2−1) 2部
上記材料をヘンシェルミキサーにて予備混合した後に、2軸押し出し混練機にて溶融混練して得られたトナー組成物を冷却し、ハンマーミルにて粗砕した。得られた粗砕物をさらに粉砕機「クリプトロンKTM−X」(川崎重工社製)にて粉砕した後、ミクロプレックスにて風力分級して体積平均粒径7.0μmの着色粒子を得た。得られた着色粒子100重量部に対してシリカ微粒子「R−974」(日本アエロジル社製)0.5重量部及びチタニア微粒子「T−805」(日本アエロジル社製)0.6重量部をヘンシェルミキサーにて外添混合し、実施例に使用するトナー1を得た。
【0066】
なお、離型剤の種類P−1は、例示化合物3−1が96.7モル%と例示化合物5−4が3.3モル%とからなる、エステル化合物とカルボン酸の混合物である。
【0067】
実施例2〜5及び比較例1〜4
〈トナー2〜9の作製〉
離型剤及び荷電制御剤として表1に示す化合物を使用した以外は実施例1と同様にして、実施例に使用するトナー2〜5及び比較例に使用するトナー6〜9を得た。
【0068】
なお、離型剤の種類P−2は、例示化合物3−2が90.3モル%と例示化合物5−4が9.7モル%とからなる、エステル化合物とカルボン酸の混合物である。
【0069】
【表1】
Figure 0003755350
【0070】
〈評価方法〉
《定着可能温度領域評価》
高速デジタル複写機「Konica 7050」の定着器を改造して、熱ロール温度を任意に設定できるようにした。その後、熱ロール温度を130℃〜240℃まで10℃刻みで制御して定着画像を作製した。得られた定着画像の定着強度を、「電子写真技術の基礎と応用:電子写真学会編」第9章1.4項に記載のメンディングテープ剥離法に準じた方法を用いた定着率により測定し、該定着率が90%以上得られた画像の定着温度領域を定着可能温度領域として評価し、その結果を表2に示した(特に130℃付近の低温定着性に着目)。
【0071】
《オフセット発生評価》
高速デジタル複写機「Konica 7050」を使用し、10℃、20%RHの低温低湿環境にてA4連続1000枚のコピーを行い、画像上及び1000枚のコピー後の熱ロール上を直接目視観察することで、オフセット発生の有無を評価し、その結果を表2に示した。
【0072】
《画像チリ発生評価》
高速デジタル複写機「Konica 7050」を使用し、10℃、20%RHの低温低湿環境にてA4連続1000枚のコピーを行い、得られた画像中の細線画像を顕微鏡にて拡大観察し、細線の周囲におけるトナーチリ発生の有無を評価した。
【0073】
【表2】
Figure 0003755350
【0074】
表2より実施例のトナーを用いて連続1000枚の画像形成を行った場合、画像の定着可能温度領域が広く、特に低温定着性が良好で、かつオフセット及び画像チリの発生がなく優れているが、比較例のトナーを用いた場合は画像の定着可能温度領域が狭く、特に低温定着性が不良の場合が多く、かつ多くの画像がオフセット及び画像チリを発生していて実用性に乏しいことが分かる。
【0075】
【発明の効果】
実施例により実証されたように本発明のトナー、該トナーを用いた画像形成方法及び画像形成装置によれば、加熱定着において定着可能温度領域が広く、加熱温度を130℃付近に下げても、十分な定着強度を持ち、オフセットや画像チリの発生のない高品位な定着画像が安定して得られる等優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成装置の一例を説明する構成図である。
【図2】熱定着装置の一例を示す構成図である。
【図3】エンドレス熱フィルム定着装置の一例を示す構成図である。
【図4】有端熱フィルム定着装置の一例を示す構成図である。
【符号の説明】
1 感光体
2 帯電部材
3 像露光
4 現像器
5 転写電極部材
6 クリーニング部材
P 転写材
H 定着装置
10 シリコーンオイル供給ロール
11 熱ロール
12 加圧ロール
14 トナー像
16,17 排出ロール
18 熱源
19 搬送手段
20 クリーニングロール
21 駆動ロール
22 従動ロール
23 加圧ロール
24 熱フィルム材
25 温度センサー
26 固定熱定着部材
27 ライン状加熱体
31 送り出しロール
32 巻き取りロール

Claims (6)

  1. 少なくとも荷電制御剤、着色剤、離型剤及び結着樹脂を含有する熱定着用トナーにおいて、該荷電制御剤が下記一般式1で表される構造を有し、該離型剤が80.0〜99.5モル%のエステル成分と0.5〜20.0モル%のその酸成分からなり、かつ酸価が20mgKOH/g以下の離型剤であって、その融点ピークが50℃〜110℃の範囲内にあり、かつ該融点ピークの半値幅が20℃未満であることを特徴とする熱定着用トナー。
    Figure 0003755350
    〔式中、R1〜R4はアルキル基又は縮合環を含む置換若しくは非置換の芳香環であり、それらは同じでも異なってもよく、またR1とR2及び/又はR3とR4は互いに結合して3価の金属原子Mと共に環を形成してもよく、Xはカチオンであり、nは1又は2を表す。〕
  2. 少なくとも荷電制御剤、着色剤、離型剤及び結着樹脂を含有する熱定着用トナーにおいて、該荷電制御剤が下記一般式2で表される構造を有し、該離型剤が80.0〜99.5モル%のエステル成分と0.5〜20.0モル%のその酸成分からなり、かつ酸価が20mgKOH/g以下の離型剤であって、その融点ピークが50℃〜110℃の範囲内にあり、かつ該融点ピークの半値幅が20℃未満であることを特徴とする熱定着用トナー。
    Figure 0003755350
    〔式中、R5〜R8は水素原子、アルキル基又は縮合環を含む置換若しくは非置換の芳香環であり、それらは同じでも異なってもよく、Mは3価の金属原子、Xはカチオンであり、nは1又は2を表す。〕
  3. 前記請求項1又は2に記載の熱定着用トナーを用いてトナー像を形成し、該トナー像を熱ロール定着法により加熱定着する工程を有することを特徴とする画像形成方法。
  4. 前記請求項1又は2に記載の熱定着用トナーを用いてトナー像を形成し、該トナー像を熱フィルム定着法により加熱定着する工程を有することを特徴とする画像形成方法。
  5. 前記請求項1又は2に記載の熱定着用トナーを用いてトナー像を形成し、該トナー像を熱ロール定着法により加熱定着する定着装置を有することを特徴とする画像形成装置。
  6. 前記請求項1又は2に記載の熱定着用トナーを用いてトナー像を形成し、該トナー像を熱フィルム定着法により加熱定着する定着装置を有することを特徴とする画像形成装置。
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