JP3069934B2 - 現像剤及び画像形成方法 - Google Patents

現像剤及び画像形成方法

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JP3069934B2 JP4248960A JP24896092A JP3069934B2 JP 3069934 B2 JP3069934 B2 JP 3069934B2 JP 4248960 A JP4248960 A JP 4248960A JP 24896092 A JP24896092 A JP 24896092A JP 3069934 B2 JP3069934 B2 JP 3069934B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、画像形成方法及びそこ
に使用される現像剤に関する。
【0002】
【従来の技術】潜像担持体表面に形成した可転写のトナ
ー像を、紙を主とするシート状の転写材に静電的に転写
する工程を含む画像形成装置において、回転円筒状、無
端ベルト状など無端状に走行する像担持体を使用し、バ
イアスを印加した転写装置をこれに圧接してこれら両者
間に転写材を通過させて、像担持体側のトナー像を転写
材に転写するように構成したもの、例えば、特開昭59
−46664号公報の如き装置がすでに提案されてい
る。
【0003】このような装置は、従来から広く実用され
ているコロナ放電を利用した転写手段に比して、転写ロ
ーラの像担持体への圧接力を調整することによって転写
材の像担持体への吸着領域を拡大することができ、転写
材を転写部位において積極的に押圧支持する。このた
め、転写材搬送手段による同期不良や転写材に存在する
ループ、カールなどによる転写ずれを生ずるおそれが少
なく、近来におけるこの種画像形成装置の小型化にとも
なう転写材搬送路の短縮化、像担持体の小径化などの要
請にも対応しやすい。
【0004】しかしながら、反面、当接により転写を行
う装置においては、当接部位より転写電流が供給される
為、ある程度の圧力を転写装置に加圧する必要がある。
当接圧が加えられた場合、潜像担持体上のトナー像にも
圧力が加わり凝集が起る。
【0005】さらに、潜像担持体表面が樹脂で構成され
ている場合には、トナー凝集物と潜像担持体との間でも
密着が発生し、その結果、トナーが潜像担持体表面や転
写装置の当接部材表面に固着する現象が起こる場合があ
る。
【0006】そのような現象が起こると、潜像担持体の
潜像形成に欠損が生じたり、転写抜けが生じてしまい、
欠陥のある画像複写を行なうことになってしまう。
【0007】一方、電子写真装置等における帯電手段と
しても、最近ではコロナ放電器を利用しないで接触帯電
手段を利用することが検討されている。具体的には、帯
電部材である導電性ローラに電圧を印加して、ローラを
被帯電体である感光体に接触させて感光体表面を所定の
電位に帯電させるものである。このような接触帯電手段
を用いればコロナ放電器と比較して低電圧化がはかれ、
オゾン発生量も減少する。
【0008】しかしながら、上記接触帯電手段を用いた
場合、被帯電体と十分な接触を保つことができないと、
帯電不良を生ずるという問題を有する。また、当接部に
おいては、感光体表面に残留現像剤が存在すると、帯電
部材が所定の当接圧をもっている為、帯電部材及び感光
体表面に残留現像剤が固着し、画像に影響が出てしまう
問題も有している。
【0009】他方、近年、小型で安価なパーソナルユー
スの複写機やレーザープリンター等が出現し、これらの
小型機においては、メンテナンスフリーの立場から、感
光体、現像器、クリーニング装置等を一体化したカート
リッジ方式が用いられ、現像剤としても現像器の構造を
簡単にできることから磁性一成分系現像剤を使用するこ
とが望まれる。また、これら現像剤は、高画質化実現の
為、更に微粒子化する方向にある。
【0010】このような磁性現像剤においては、現像剤
自体の研磨効果が強く、画像形成時に感光体表面を強く
摺擦する為、感光体表面を削ったり、傷つけたりする場
合が多く、それらに起因する残留現像剤の融着を生ずる
等の問題を有していた。この問題は、上記帯電部材の如
き感光体表面に所定の当接圧をもって接触している当接
部材を用いている場合に顕著に現われる。
【0011】また、本発明に係る接触帯電装置では、帯
電部材に直流電圧もしくは直流電圧に交流電圧を重畳し
たものを印加して用いるが、この際帯電部材と感光ドラ
ムの接触部分周辺では、残留現像剤の異常な帯電や飛翔
運動の反復が繰り返され、この為、帯電部材や感光体ド
ラム表面への残留現像剤の静電吸着や埋め込みが行われ
易い状況に在り、従来のコロナ放電器による非接触帯電
手段を用いる場合と非常に異なる。
【0012】従来、現像剤(トナー)の顕画像を記録材
に定着する方法としては、所定の温度に維持された加熱
ローラーと弾性層を有して該加熱ローラーに圧接する加
圧ローラーとによって、未定着の現像剤顕画像を保持し
た記録材を挟持搬送しつつ加熱する熱ロール定着方式が
多用されている。
【0013】また、米国特許第3,578,797号明
細書に記載のベルト定着方式が知られている。
【0014】しかしながら、上述の従来多用されてきた
熱ロール定着では、 (1)熱ローラーが所定温度に達するまでの画像形成作
動禁止の時間、所謂ウエイト時間がある。 (2)記録材の通過或いは他の外的要因で加熱ローラー
の温度が変動することによる定着不良及び加熱ローラー
ヘの現像剤の転移、所謂オフセット現象を防止する為に
加熱ローラーを最適な温度に維持する必要があり、この
為には加熱ローラー或いは加熱体の熱容量を大きくしな
ければならず、これには大きな電力を要する。 (3)ローラーが低温度である為、記録材が加熱ローラ
ーを通過排出される際は、記録材及び記録材上の現像剤
が緩慢に冷却される為、現像剤の粘着性が高い状態とな
り、ローラーの曲率とも相まって、オフセット或いは記
録材を巻き込むことによる紙詰まりを生ずることがあ
る。 (4)高温の加熱ローラーが直接手に触れる構成とな
り、安全性に問題があったり、保護部材が必要であった
りする。
【0015】また、米国特許第3,578,797号明
細書に記載のベルト定着方式においても、前述の熱ロー
ル定着の問題点(1)及び(2)は根本的に解決されて
いない。
【0016】また、本出願人が先に提案した特開昭62
−147884号公報においては、パルス状に通電発熱
させた低熱容量の発熱体によって、移動する耐熱性シー
トを介して現像剤顕画像を加熱し、記録材へ定着させる
定着装置によって、ウエイト時間が短く低消費電力の画
像形成装置が提案されている。また、同様に本出願人が
先に提案した特開昭63−12069号公報において
は、現像剤の顕画像を耐熱性シートを介して記録材へ加
熱定着する定着装置において、該耐熱性シートが耐熱層
と離型層或いは低抵抗層を有することで、オフセット現
象を有効に防止する定着装置が提案されている。
【0017】このような定着装置の例として図5のよう
な構造のものが提案されている。しかしこのような耐熱
シートに常に全周的にテンションを加えて耐熱シートを
搬送駆動する系では、搬送駆動に大きな駆動トルクを必
要とし、装置構成部品や駆動力伝達手段等の剛性や性能
をグレードアップして信頼性を確保する必要があり、装
置構成の複雑化、大型化、コストアップ等の一因となっ
ている。
【0018】これらの問題を解決する定着器の構成とし
て図6のごとき耐熱シート駆動時にテンションが加わら
ない状態の部分がある構成(テンションフリータイプ)
のものが本出願人によって提案されている。
【0019】近年小型で安価なパーソナルユースの複写
機やレーザープリンタが出現し、このような小型機では
装置全体の省スペース化および消費電力の低減が一層重
要であり、定着機も更なる小型化、構造の簡略化、低消
費電力化が必要である。これらの要求される諸条件を満
たす構成の定着装置として前述の図6のごとき定着装置
は好適である。
【0020】しかしながら、このような定着装置の小型
化、ヒーターの低熱容量化に伴って、現像剤には、より
低い圧力のもと、より低い温度で十分な定着性を発揮す
ることが要求される。このためには、使用される現像剤
のバインダー樹脂は融点及び溶融粘度の低い、また架橋
成分の少ないものが望まれている。
【0021】しかし、このような樹脂をバインダーに用
いた場合、現像剤の耐久性や保存安定性(耐ブロッキン
グ性)、耐オフセット性などにおいて問題を生じやす
い。更に本発明のごとき転写装置又は帯電部材を使用す
ると感光体および転写部材又は帯電部材に固着する可能
性が非常に高くなる。
【0022】このような転写工程又は帯電工程および定
着装置を有する画像形成方法において現像剤に望まれる
諸特性をすべて達成することは難しい。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、前述
の問題点を解決した現像剤及び画像形成方法を提供する
ことにある。
【0024】すなわち、本発明の目的は、本発明にかか
わるような転写工程および定着装置を有する画像形成方
法において現像剤が潜像担持体表面に固着することに起
因する画像不良の発生を防止する現像剤及び画像形成方
法を提供することである。
【0025】また、本発明の目的は、本発明にかかわる
ような帯電装置および定着装置を有する画像形成方法に
おいて現像剤が潜像担持体表面および、帯電部材表面に
固着することに起因する画像不良の発生を防止する現像
剤及び画像形成方法を提供することである。
【0026】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明者らは、
本発明のごとき転写工程又は帯電工程及び定着装置に適
用する現像剤が、その定着性、耐久強度、耐オフセット
性を充分満足させつつ、転写時又は帯電時において潜像
担持体表面に固着を生じないためには、現像剤の特性と
して何が必要かを検討した結果、現像剤に含まれるトナ
ーが有するトナー粒子のバインダー樹脂が特定の粘度、
架橋成分を有し、トナーの加熱減量を一定値以下にする
ことにより上記目的を達成できることを見いだしたので
ある。
【0027】即ち、本発明は、静電荷像保持体上の静電
荷像を現像剤により現像し、転写手段を介して転写材へ
静電転写する工程において、静電荷像保持体と転写手段
とが、線圧3g/cm以上で当接されており、転写材に
転写された顕画像を定着する工程において、固定の加熱
体とこの加熱体の内面に対向圧接されて移動駆動される
エンドレスの耐熱性フィルムと、前記加熱体との間に前
記フィルムをはさみ込んでニップ部を形成し、そのニッ
プ部におけるフィルム外面との間に導入された転写材を
フィルムを介して加熱体に圧接させる部材とを有し、前
記エンドレスの耐熱性フィルムの周長の該ニップ部以外
の部分は常にテンションフリーである画像形成方法にお
いて使用される現像剤であって、該現像剤は、少なくと
もバインダー樹脂を含有するトナー粒子を有するトナー
を含んでおり、該バインダー樹脂は溶融粘度が125℃
〜150℃の温度範囲のいずれかの温度で103〜106
poiseであり、かつTHF不溶分が20%以下であ
り、該トナーの150℃までの加熱減量が0.15wt
%以下である現像剤及び画像形成方法に係る。
【0028】更に、本発明は、帯電部材を被帯電体に外
部から5〜500g/cmの当接圧で当触させて、外部
より電圧を印加して帯電を行う工程と、上記被帯電体よ
り現像剤を除去するクリーニング工程とを有し、転写材
に転写された顕画像を定着する工程において、固定の加
熱体とこの加熱体の内面に対向圧接されて移動駆動され
るエンドレスの耐熱性フィルムと、前記加熱体との間に
前記フィルムをはさみ込んでニップ部を形成し、そのニ
ップ部におけるフィルム外面との間に導入された転写材
をフィルムを介して加熱体に圧接させる部材とを有し、
前記エンドレスの耐熱性フィルムの周長の該ニップ部以
外の部分は常にテンションフリーである画像形成方法に
おいて使用される現像剤であって、該現像剤は、少なく
ともバインダー樹脂を含有するトナー粒子を有するトナ
ーを含んでおり、該バインダー樹脂は溶融粘度が125
℃〜150℃の温度範囲のいずれかの温度で103〜1
6poiseであり、かつTHF不溶分が20%以下
であり、該トナーの150℃までの加熱減量が0.15
wt%以下であることを特徴とする現像剤及び画像形成
方法に係る。
【0029】本発明の現像剤がこのような性能を発揮す
る理由としては下記の様に考えられる。
【0030】本発明のごとき低圧力・低熱量の定着器構
成で充分な定着性を発揮するためには、バインダー樹脂
の溶融粘度を低くする必要がある。
【0031】従来、定着性と耐オフセット性を両立する
という点で特開平2−161465号公報で、樹脂中の
THF不溶分は10〜60wt%含有するものがよいと
されているが、本発明者らの検討では本発明の定着装置
のごとき非常に低い圧力の下、低い熱量で定着を行なう
ためには前述のような範囲の架橋成分量では困難な場合
があり、充分な定着性を得るためにTHF不溶分は20
%以下にする必要があることが判明した。しかし、従来
の分子量分布で架橋成分量を減少させると転写工程での
固着を生じる可能性が極めて高く、さらに耐ブロッキン
グ性や耐オフセット性が悪化することが容易に推測され
る。
【0032】本発明者らは鋭意検討した結果、トナーの
150℃までの加熱減量を0.15wt%以下にするこ
とによって定着性を維持しつつ上記問題点を解決できる
ことを見出したのである。すなわち、現像剤中の未反応
モノマーや残留溶媒等の可塑効果のある低沸点物質を減
少させることによって、当接転写に耐えられる強度が得
られるのである。
【0033】このような低沸点物質を減少させる方法と
しては種々の公知の技術を使用することが可能である
が、現像剤中に残留する低沸点物質を低減するには、現
像剤の製造時に、たとえば結着樹脂と着色剤等を溶融混
練する場合に強めに加熱したり、揮発分を吸収除去する
方法がある。
【0034】次に好ましい実施態様を挙げて本発明を更
に詳しく説明する。
【0035】まず、本発明における転写工程は次の通り
である。
【0036】本発明に用いる線圧については、次式で算
定する。
【0037】(線圧)[g/cm]=(転写部材に加え
られる総圧)[g] ÷(当接されている長さ)[cm]
【0038】本発明で用いる転写手段の当接圧としては
3g/cm以上に設定する。当接圧が3g/cm未満で
あると転写手段の搬送ブレ、転写電流不足による転写不
良が起り好ましくない。
【0039】本発明に用いられる転写手段としては、図
1に見られるような転写ローラー、或いは図2に見られ
るような転写ベルトが挙げられる。
【0040】図1は、典型的なこの種の画像形成装置の
要部の概略側面図であって、図示の装置は、紙面に垂直
方向にのび、矢印A方向に回転する円筒状の像担持体
(以下感光体という)1、これに当接する導電性転写ロ
ーラー2が配設してある。
【0041】なお、感光体1の周辺には、その表面を一
様に帯電させるための一次帯電器、該帯電面に画像変調
されたレーザ光、原稿からの反射光などの光像を投写
し、当該部分の電位を減衰させて静電潜像を形成する露
光部、現像器、転写後も感光体表面に残る残留トナーを
除去するクリーナその他画像形成に必要な部材が配設し
てあることは言う迄もないが、それらはすべて省略して
ある。
【0042】転写ローラー2は芯金2aと導電性弾性層
2bからなり、導電性弾性層2bはカーボン等の導電材
を分散させたウレタン、EPDM等の体積抵抗106
1010Ω・cm程度の弾性体でつくられている。芯金2
aには定電圧電源8によりバイアスが印加されている。
【0043】図2は本発明を転写ベルトに適用したもの
である。転写ベルト9は導電ローラー10により支持駆
動される。転写装置への加圧は通常、芯金2a若しくは
10の芯金の端部軸受を加圧する事により行なわれる。
【0044】本発明は、潜像担体の表面が有機化合物で
ある画像形成装置に対し特に有効である。有機化合物が
表面層を形成している場合、トナー中に含まれる結着樹
脂との接着性が良く、特に同質の材料を用いた場合、接
点においては化学的な結合が生じ、転写性が低下する為
である。
【0045】本発明に用いる潜像担体の表面物質として
は、シリコーン樹脂、塩化ビニリデン、エチレン−塩
ビ、スチレン−アクリロニトリル、スチレン−メチルメ
タクリレート、スチレン、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリカーボネート等が挙げられるが、これらに限定
されることはなく、他のモノマー或いは、例示樹脂間で
の共重合、ブレンド等も使用する事ができる。
【0046】本発明は、潜像担体1の直径が50mm以
下の画像形成装置に対し特に有効である。小径ドラムの
場合、同一の線圧にしても曲率が大きい為、当接部にお
いて圧力の集中が起りやすい為である。
【0047】ベルト感光体でも同一の現象があると考え
られ、転写部での曲率25mm以下の画像形成装置に対
しても有効である。
【0048】次に、本発明における接触帯電工程につい
て具体的に説明する。
【0049】図3は、本発明の一実施例を示した接触帯
電装置の概略構成図である。31は被帯電体である感光
体ドラムであり、アルミニウム製のドラム基体31aの
外周面に感光体層である有機光導電体(OPC)31b
を形成してなるもので矢印方向に所定の速度で回転す
る。本実施例において、感光体ドラム31は外径30m
mφである。32は上記感光体ドラム31に所定圧力を
もって接触させた帯電部材である帯電ローラーであり、
金属芯金32aに導電性ゴム層32bを設け、更にその
周面に離型性被膜である表面層32cを設けた。本実施
例での表面層は、離型性被膜であり、離型性被膜を設け
ることは本発明に係る現像剤及び画像形成方法とのマッ
チング上好ましい。但し、離型性被膜は、抵抗が大きす
ぎると感光体ドラム31が帯電されず、抵抗が小さすぎ
ると感光体ドラム31に大きな電圧がかかり過ぎ、ドラ
ムの損傷、ピンホールの発生が起こるので適度な抵抗、
即ち体積抵抗率109〜1014Ωmが良く、この時の離
型性被膜の厚さは3.0μm以内が好ましい。また、被
膜の厚さの下限は被膜ハガレ、メクレがなければ良く5
μmくらいと考えられる。
【0050】本実施例では帯電ローラー32の外径は1
2mmφであり、導電性ゴム層32bはEPDM、表面
層32cには厚み10μmのナイロン系樹脂を用いた。
帯電ローラー32の硬度は54.5°(ASKER−
C)とした。Eはこの帯電ローラー32に電圧を印加す
る電源部で所定の電圧を帯電ローラー32の芯金32a
に供給する。図3においてEは直流電圧を示している
が、直流電圧に交流電圧を重畳したものでも良い。
【0051】図4は本発明の他の実施例を示す接触帯電
部材の概略構成図である。前述図3の装置と共通部材に
は同一の符号を付して再度の説明は省略する。
【0052】本実施例の接触帯電部材32’は感光体ド
ラム31に所定圧力をもって順方向に当接させたブレー
ド状のものであり、このブレード32’は電圧が供給さ
れる金属支持部材32’aに導電性ゴム32’bが支持
され、感光体ドラム31との当接部分には、離型性被膜
となる表面層32’cが設けられている。表面層32’
cとしては厚み10μmのナイロンを用いた。この実施
例によれば、ブレードと感光体ドラムとの接着といった
不具合もなく前記実施例と同様の作用効果がある。
【0053】また、帯電部材と感光体との間に加えられ
る力学的或いは電気的圧力は本発明の主旨に係る要素で
あり、帯電部材の感光体への当接圧は5〜500g/c
mに、帯電部材に印加される直流電圧は絶対値200〜
900Vに、交流電圧を印加する場合はピーク−ピーク
電圧500〜5000V、周波数50〜3,000Hz
に、各々調整されることが望ましい。
【0054】前述した実施例では帯電部材としてローラ
ー状、ブレード状のものを使ったが、これに限るもので
なく、他の形状についても本発明を実施することができ
る。
【0055】また、本実施例としては帯電部材が導電ゴ
ム層と離型性被膜から構成されているが、それに限ら
ず、導電ゴム層と離型性被膜表層間に感光体へのリーク
防止のために高抵抗層、例えば環境変動の小さいヒドリ
ンゴム層を形成すると良い。
【0056】また、離型性被膜としてナイロン系樹脂の
代りにPVDF(ポリフッ化ビニリデン)、PVDC
(ポリ塩化ビニリデン)を用いても良い。感光体として
は、アモルファスシリコン、セレン、ZnO等でも使用
可能である。特に、感光体にアモルファスシリコンを用
いた場合、他のものを使用した場合に比べて、導電ゴム
層の軟化剤が感光体に少しでも付着すると、画像流れは
ひどくなるので導電ゴム層の外側に絶縁性被膜したこと
による効果は大となる。
【0057】また、本発明に係るクリーニング工程につ
いては、一般にトナー像転写後の感光ドラムはクリーナ
ーのブレードやローラの如きクリーニング部材により転
写残りトナー分やその他の汚染物の拭掃除去を受けて清
浄面化され繰り返して像形成に供される。
【0058】また、係るクリーニング工程を、電子写真
法に関わる帯電工程や現像工程、或いは転写工程の中で
同時に行なうことも可能である。
【0059】本発明は潜像担体の表面が有機化合物であ
る画像形成装置に対し特に有効である。有機化合物が表
面層を形成している場合、トナー中に含まれる結着樹脂
との接着性が良く、特に同質の材料を用いた場合、接点
においては化学的な結合が生じ、転写性が低下する為で
ある。
【0060】本発明に用いる潜像担体の表面物質として
は、シリコーン樹脂、塩化ビニリデン、エチレン−塩
ビ、スチレン−アクリロニトリル、スチレン−メチルメ
タクリレート、スチレン、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリカーボネート等が挙げられるが、これらに限定
されることはなく、他のモノマー或いは、例示樹脂間で
の共重合、ブレンド等も使用する事ができる。
【0061】本発明は、潜像担体の直径が50mm以下
の画像形成装置に対し特に有効である。小径ドラムの場
合、同一の線圧にしても曲率が大きいため、当接部にお
いて圧力の集中が起りやすい為である。
【0062】ベルト感光体でも同一の現象があると考え
られ、転写部での曲率半径25mm以下の画像形成装置
に対しても有効である。
【0063】次に本発明の前記定着方法に適用可能な本
発明の加熱定着構成について説明する。
【0064】本発明において加熱体は従来の熱ロールに
比べてその熱容量が小さく、線状の加熱部を有するもの
で、加熱部の最高温度は100〜300℃であることが
好ましい。
【0065】また、加熱体と加圧部材との間に位置する
フィルムは、厚さ1〜100μmの耐熱性のシートであ
ることが好ましく、これら耐熱性シートとしては耐熱性
の高い、ポリエステル、PET(ポリエチレンテレフタ
レート)、PFA(テトラフルオロエチレン−パーフル
オロアルキルビニルエーテル共重合体)、PTFE(ポ
リテトラフルオロエチレン)、ポリイミド、ポリアミド
等のポリマーシートの他、アルミニウム等の金属シート
及び金属シートとポリマーシートから構成されたラミネ
ートシートが用いられる。
【0066】より好ましいフィルムの構成としては、こ
れら耐熱性シートが離型層及び/又は低抵抗層を有して
いることである。
【0067】以下、添付図面を参照して本発明の好まし
い実施態様を説明する。
【0068】図6に本発明の方法を実施する一例の定着
装置の構造図を示す。
【0069】24は装置に固定支持された低熱容量線状
加熱体であって、ヒータ基板24a(図6参照)、通電
発熱抵抗体(発熱体)24b・表面保護層24c・検温
素子24d等よりなる。
【0070】ヒータ基板24aは耐熱性・絶縁性・低熱
容量・高熱伝導性の部材であり、例えば、厚み1mm・
巾10mm・長さ240mmのアルミナ基板である。
【0071】発熱体24bはヒータ基板24aの下面
(フィルム25との対面側)の略中央部に長手に沿っ
て、例えば、Ag/Pd(銀パラジウム)、Ta2N、
RuO2等の電気抵抗材料を厚み約10μm・巾1〜3
mmの線状もしくは細帯状にスクリーン印刷等により塗
工し、その上に表面保護層24cとして耐熱ガラスを約
10μmコートしたものである。
【0072】検温素子24dは、一例としてヒータ基板
24aの上面(発熱体24bを設けた面とは反対側面)
の略中央部にスクリーン印刷等により塗工して具備させ
たPt膜等の低熱容量の測温抵抗体である。低熱容量の
サーミスタなども使用できる。
【0073】本例の加熱体24の場合は、線状又は細帯
状をなす発熱体24bに対し画像形成スタート信号によ
り所定のタイミングにて通電して発熱体24bを略全長
にわたって発熱させる。
【0074】通電はAC100Vであり、検温素子24
cの検知温度に応じてトライアックを含む不図示の通電
制御回路により通電する位相角を制御することにより供
給電力を制御している。
【0075】加熱体24はその発熱体24bへの通電に
より、ヒータ基板24a・発熱体24b・表面保護層2
4cの熱容量が小さいので加熱体表面が所要の定着温度
(例えば140〜200℃)まで急速に温度上昇する。
【0076】そしてこの加熱体24に耐熱性フィルム2
5が当接している。
【0077】フィルム25は熱容量を小さくしてクイッ
クスタート性を向上させるために、フィルム25の膜厚
Tは総厚100μm以下、20μm以上の耐熱性・離型
性、強度・耐久性等のある単層或は複合層フィルムを使
用できる。
【0078】例えば、ポリイミド・ポリエーテルイミド
(PEI)・ポリエーテルサルホン(PES)・4フッ
化エチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重
合体樹脂(PFA)・ポリエーテルエーテルケトン(P
EEK)・ポリパラバン酸(PPA)、或いは複合層フ
ィルム例えば20μm厚のポリイミドフィルムの少なく
とも画像当接面側にPTFE(4フッ化エチレン樹脂)
・PAF・FEP等のフッ素樹脂・シリコン樹脂等、更
にはそれに導電材(カーボンブラック・グラファイト・
導電性ウイスカなど)を添加した離型性コート層を10
μm厚に施したものなどである。
【0079】回転体たる加圧ローラー22は例えばシリ
コンゴム等の離型性のよいゴム弾性体からなり、加熱体
24にフィルム25を介して圧接され、ニップ部を形成
すると共に、フィルム25を所定速度に移動駆動する。
フィルム25との間に被加熱材としての記録材シートが
導入されたときには、その記録材シートをフィルム25
面に密着させて加熱体24に圧接し、フィルム25と共
に移動駆動させる。
【0080】次に本発明に係る現像剤について述べる。
【0081】本発明に用いる現像剤は、少なくともバイ
ンダー樹脂を含有するトナー粒子を有するトナーを含ん
でおり、該バインダー樹脂は、本発明のごとき低圧力・
低熱量の定着装置においても充分な定着性を発揮する。
そのためにはそのバインダー樹脂の溶融粘度が125℃
〜150℃の温度範囲のいずれかの温度で103〜106
poiseであり、かつTHF不溶分が20%以下であ
り、トナーの150℃までの加熱減量が0.15wt%
以下、好ましくは0.1wt%以下である必要がある。
【0082】前記の温度範囲での樹脂の溶融粘度が10
6poiseを超える場合、またはTHF不溶分が20
%を超える場合は定着時においてトナーが転写材に対し
て充分に溶融、密着せず定着不良を生ずる。
【0083】また、125℃〜150℃の温度範囲で樹
脂の溶融粘度が103poise未満である場合、また
はトナーの150℃まで加熱した時の加熱減量が0.1
5%を超える場合には、トナーの強度が不足して転写工
程において潜像担持体に固着を生じてしまう。
【0084】次に本発明におけるバインダー樹脂の加熱
減量及び、樹脂の溶融粘度、THF不溶分を測定する方
法を述べる。
【0085】加熱減量とは、試料をある雰囲気下で徐々
に加熱していった時の重量の減少量でたとえば熱天秤に
よって測定することができる。本発明において加熱減量
はパーキンエルマー社製のPE7700、TGA7を用
い、窒素雰囲気中、10℃/分の加熱速度で試料を加熱
した時の重量減少量で示される。
【0086】本発明でのTHF不溶分とは、トナー粒子
中の樹脂組成物中のTHF溶媒に対して不溶性となった
ポリマー成分の重量割合を示し、架橋成分を含む樹脂組
成物の架橋の程度を示す目安となるが、THF不溶分が
0%であっても必ずしも架橋していないという訳ではな
い。THF不溶分とは、以下のように測定された値をも
って定義する。
【0087】即ち、現像剤が非磁性トナーの場合には顔
料の含有率などを、磁性トナーの場合には顔料及び磁性
体の含有率などを、予め公知の方法で測定しておく。次
に、現像剤0.5〜1.0gの一定量を秤量し(W
1g)、円筒濾紙(東洋濾紙製No.86R)に入れて
ソックスレー抽出器にかけ、溶媒としてクロロホルム1
00〜200mlを用いて6時間抽出し、溶媒によって
抽出された可溶成分をエバポレートした後、100℃で
数時間真空乾燥し、THF可溶樹脂成分量を秤量する
(W2g)。そして、該現像剤一定量中に含まれている
顔料や磁性体のうち、THFに可溶な成分の重量をW3
g、THFに不溶な成分の重量をW4gとすると、以下
の式に従って樹脂組成物中のTHF不溶分が算出され
る。 THF不溶分含有率=(W1−W2−W4)/(W1−W3
−W4)×100(%)
【0088】粘度測定は図7に示す高架式フローテスタ
ー(島津フローテスターCFT−500形)を用い、先
ず加圧成形器を用いて成形した約1.5gの試料53を
一定温度下でプランジャー51により10Kgfの荷重
をかけ直径1mm、長さ1mmのノズル54より押し出
すようにし、これによりフローテスターのプランジャー
降下量(流出速度)を測定した。この流出速度を各温度
(120℃〜150℃の温度範囲を5℃間隔)で測定
し、この値より見掛粘度η’を次式により求めることが
できる。
【0089】
【数1】 η’ :見掛けの粘度(poise) TW’:管壁の見掛けのずり反応(dyne/cm2) DW’:管壁の見掛けのずり速度(1/sec) Q :流出速度(cm3/sec=ml/sec) P :押出圧力(dyne/cm2) [10Kgf=980×104dyne] R :ノズルの半径(cm) L :ノズルの長さ(cm)
【0090】本発明に係る現像剤のバインダー樹脂とし
ては、ポリスチレン、ポリビニルトルエン等のスチレン
及びその置換体の単重合体;スチレン−プロピレン共重
合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−
ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチ
ル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、ス
チレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリ
ル酸オクチル共重合体、スチレン−アクリル酸ジメチル
アミノエチル共重合体、スチレン−メタアクリル酸メチ
ル共重合体、スチレン−メタアクリル酸エチル共重合
体、スチレン−メタアクリル酸ブチル共重合体、スチレ
ン−メタアクリル酸ジメチルアミノエチル共重合体、ス
チレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビ
ニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチル
ケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチ
レン−イソプレン共重合体、スチレン−マレイン酸共重
合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体等のスチ
レン系共重合体;ポリメチルメタクリレート、ポリブチ
ルメタクリレート、ポリ酢酸ビニル、等ビニル系樹脂が
単独或いは混合して使用出来る。
【0091】また、ポリエステル樹脂をバインダー樹脂
として用いることもできる。その場合に用いられる単量
体はアルコールとして例えばエチレングリコール、ジエ
チレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−
プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコー
ル、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコー
ル、1,4−ブテンジオール等のジオール類、1,4−
ビス(ヒドロキシメチルジクロヘキサン、及びビスフェ
ノールA、水素添加ビスフェノールA、ポリオキシエチ
レン化ビスフェノールA、ポリオキシプロピレン化ビス
フェノールA等のエーテル化ビスフェノール類、などの
二価のアルコール類があげられ、カルボン酸としてはマ
レイン酸、フマール酸、メサコニン酸、シトラコン酸、
イタコン酸、グルタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、
テレフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、コハク
酸、アジピン酸、セバチン酸、マロン酸、これらの酸の
無水物、低級アルキルエステルとリレイン酸の二量体、
などの二価の有機酸類があげられる。
【0092】さらに三価以上の多価アルコールとして例
えばソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロー
ル、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペ
ンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、蔗
糖、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペン
タントリオール、グリセロール、2−メチルプロパント
リオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオー
ル、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、
1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼンなどがあげ
られる。また、三価以上の多価カルボン酸として、例え
ば1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−
ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−シクロヘキサン
トリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン
酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,
4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリ
カルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2
−メチレンカルボキシプロパン、テトラ(メチレンカル
ボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカ
ルボン酸、エンポール三量体酸、及びこれらの酸無水物
などがあげられる。
【0093】本発明に用いるトナー粒子には上記バイン
ダー樹脂成分の他に、本発明の効果に悪影響を与えない
範囲で、該バインダー樹脂成分の含有量より少ない割合
で以下の化合物を含有させてもよい。
【0094】例えば、シリコーン樹脂、ポリウレタン、
ポリアミド、エポキシ樹脂、ポリビニルブチラール、ロ
ジン、変性ロジン、テルペン樹脂、フェノール樹脂、低
分子量ポリエチレン又は低分子量ポリプロピレンの如き
脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩
素化パラフィン、パラフィンワックスなどである。
【0095】本発明に係るトナー粒子に含有される着色
剤としては、一般に公知の染,顔料を用いることができ
る。このような染,顔料としては、例えば、カーボンブ
ラック、ニグロシン染料、ランプ黒、スーダンブラック
SM、ファースト・エローG、ベンジジン・エロー、ピ
グメント・エロー、インドファースト・オレンジ、イル
ガジン・レッド、パラニトロアニリン・レッド、トルイ
ジン・レッド、カーミンFB、パーマネント・ボルドー
FRR、ピグメント・オレンジR、リソール・レッド2
G、レーキ・レッドC、ローダミンFB、ローダミンB
レーキ、メチル・バイオレットBレーキ、フタロシアニ
ンブルー、ピグメントブルー、ブリリヤント・グリーン
B、フタロシアニングリーン、オイルイエローGG、ザ
ポン・ファーストエローCGG、カヤセットY963、
カヤセットYG、スミプラスト・エローGG、ザポンフ
ァーストオレンジRR、オイル・スカーレット、スミプ
ラストオレンジG、オラゾール・ブラウンB、ザポンフ
ァーストスカーレットCG、アイゼンスピロン・レッド
・BEH、オイルピンクOPなどが適用できる。これら
着色剤は、上記芯材バインダーに対し5〜20%の割合
で加えることが好ましい。
【0096】また、本発明はトナーに磁性体を用いた磁
性トナー粒子を含む場合においてもその効果は顕著であ
る。磁性トナー粒子に用いられる磁性体としてはフェラ
イト、マグネタイトを始めとする鉄、コバルト、ニッケ
ル等の強磁性の元素より成る金属、又はこれを含む合金
若しくは化合物、或いは強い磁性の元素を含むものでは
ないが、適当な熱処理等によって強磁性を示すようにな
る合金、例えばマンガン−銅−アルミニウム、又はマン
ガン−銅−錫等のマンガンと銅とを含むホイスラー合金
と称される種類の合金、或いは二酸化クロム、その他を
挙げることができる。これら磁性体の微粉末の磁性トナ
ー粒子中の含有割合は、バインダー樹脂100重量部に
対して30〜150重量部が好ましく、より好ましくは
40〜100重量部である。また、磁性微粒子を黒色又
はかっ色顔料として兼用することも可能である。
【0097】本発明に係るトナーに含有される荷電制御
剤としては、従来公知の荷電制御剤が選ばれる。正荷電
制御剤の具体例としては、一般にニグロシン、炭素数2
〜16のアルキル基を含むアジン系染料(特公昭42−
1627号公報)、塩基性染料(例えばC.I.Bas
ic Yellow 2(C.I.41000)、C.
I.Basic Yellow 3、C.I.Basi
c Red 1(C.I.45160)、C.I.Ba
sic Red 9(C.I.42500)、C.I.
Basic Violet 1(C.I.4253
5)、C.I.Basic Violet 3(C.
I.42555)、C.I.Basic Violet
10(C.I.45170)、C.I.Basic
Violet14(C.I.42510)、C.I.B
asic Blue 1(C.I.42025)、C.
I.Basic Blue 3(C.I.5100
5)、C.I.Basic Blue 5(C.I.4
2140)、C.I.BasicBlue 7(C.
I.42595)、C.I.Basic Blue 9
(C.I.52015)、C.I.Basic Blu
e 24(C.I.52030)、C.I.Basic
Blue 25(C.I.52025)、C.I.B
asic Blue 26(C.I.44025)、
C.I.Basic Green 1(C.I.420
40)、C.I.Basic Green 4(C.
I.42000)など、これらの塩基性染料のレーキ顔
料(レーキ化剤としては、りんタングステン酸、りんモ
リブデン酸、りんタングステンモリブデン酸、タンニン
酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシアン化物、フェロ
シアン化物など)、C.I.Sovent Black
3(C.I.26150)、ハンザイエローG(C.
I.11680)、C.I.Mordlant Bla
ck11、C.I.Pigment Black 1
等。
【0098】または、例えばベンゾルメチル−ヘキサデ
シルアンモニウムクロライド、デシル−トリメチルアン
モニウムクロライドなどの四級アンモニウム塩あるいは
アミノ基を含有するビニル系ポリマー、アミノ基を含有
する縮合系ポリマー等のポリアミド樹脂等が挙げられ、
好ましくはニグロシン、四級アンモニウム塩、トリフェ
ニルメタン系含窒素化合物、ポリアミドなどが挙げられ
る。
【0099】また、負荷電制御剤の具体例としては、特
公昭41−20153号、同42−27596号、同4
4−6397号、同45−26478号など記載されて
いるモノアゾ染料の金属錯体、さらには特開昭50−1
33338号に記載されているニトロアミン酸及びその
塩或いはC.I.14645などの染顔料、特公昭55
−42752号、特公昭58−41508号、特公昭5
8−7384号、特公昭59−7385号などに記載さ
れているサリチル酸、ナフトエ酸、ダイカルボン酸のZ
n,Al,Co,Cr,Fe等の金属錯体、スルホン化
した銅フタロシアニン顔料、ニトロ基、ハロゲンを導入
したスチレンオリゴマー、塩素化パラフィン等を挙げる
ことができる。特に分散性の面などから、モノアゾ染料
の金属錯塩、サリチル酸、アルキルサリチル酸、ナフト
エ酸、ダイカルボン酸の金属錯体が好ましい。これら荷
電制御剤の添加量は上述した様に良好な摩擦帯電性を保
持しつつ、上記荷電制御剤による現像スリーブ表面の汚
染による現像力の低下及び環境安定性の低下といった弊
害を最小限に抑える為にバインダー樹脂100重量部に
対して、0.1〜3重量部の添加量が好ましい。
【0100】本発明のトナーに定着補助剤として、エチ
レン系オレフィン重合体をバインダー樹脂とともに用い
てもよい。
【0101】ここでエチレン系オレフィン単重合体もし
くはエチレン系オレフィン共重合体として適用するもの
には、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロ
ピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチ
レン−エチルアクリレート共重合体、ポリエチレン骨格
を有するアイオノマーなどがあり、上記共重合体におい
てはオレフィンモノマーを50モル%以上(より好まし
くは60モル%以上)含んでいるものが好ましい。
【0102】また、本発明に用いるトナーには、流動性
向上や帯電性調整等の為にコロイダルシリカまたはその
他金属酸化物微粉体を外部に混合してもよい。
【0103】
【実施例】次に実施例をもって本発明を詳細に説明す
る。
【0104】(合成例1) 反応容器にキシレン200重量部を入れ還流温度まで上
昇した。これにスチレン100重量部にジ−tert−
ブチルパーオキサイド7重量部を混合し、キシレン還流
下、6時間で溶液重合を完了し、低温軟化性樹脂溶液を
得た。
【0105】一方、スチレン100重量部、ポリビニル
アルコール0.2重量部、脱気水200重量部、過酸化
ベンゾイル0.11重量部を混合懸濁分散させた。上記
懸濁分散溶液を加熱し、窒素雰囲気下において78℃に
24時間保持し、重合を完了させ、高温軟化性樹脂を得
た。
【0106】この高温軟化性樹脂25重量部を前述の低
温軟化性樹脂75重量部の溶液重合終了時の溶液中に投
入し、溶媒中に完全に溶解せしめ混合を行い、その後高
温(180℃)で減圧蒸留を行ない溶媒を除去して、ス
チレン−アクリル酸ブチル共重合体組成物を得た。
【0107】この樹脂の150℃までの加熱減量は0.
12wt%、125℃における粘度η’=2.1×10
5poiseであり、THF不溶分は0%であった。
【0108】(合成例2) スチレン 92重量部 アクリル酸ブチル 8重量部 過酸化ラウロイル 9重量部 上記モノマー組成物を室温でトルエン400重量部に溶
解混合した。次に上記トルエン混合溶液に撹拌下85℃
まで加熱し、10時間重合反応を行い反応を終了した。
トルエンを留去することによって目的とする重合体を得
た。
【0109】上記低重合度重合体81重量部を下記モノ
マー組成物に溶解し、混合溶液とした。
【0110】 スチレン 60重量部 アクリル酸ブチル 40重量部 ジビニルベンゼン 0.25重量部 過酸化ベンゾイル 1.2重量部 上記混合溶液に、ポリビニルアルコール部分ケン化物
0.1重量部を溶解した脱気水250重量部を加え懸濁
分散液とした。水15重量部を入れ窒素置換した反応器
に上記懸濁分散液を添加し、反応温度80℃で10時間
懸濁重合反応させた。反応終了後水蒸気蒸留を行なって
濾別し、充分に水洗し、脱水、乾燥することにより目的
とするスチレン−アクリル酸ブチル共重合体組成物を得
た。この樹脂の150℃までの加熱減量は0.15wt
%であり、135℃における粘度η’=4.9×105
poiseであり、THF不溶分は17重量%であっ
た。
【0111】(合成例3) スチレン 85重量部 アクリル酸ブチル 15重量部 過酸化ベンゾイル 11重量部 上記モノマー組成物を室温でトルエン400重量部に溶
解混合した。次に上記トルエン混合溶液を撹拌下100
℃まで加熱し、10時間重合反応を行い反応を終了し
た。トルエンを留去することによって目的とする重合体
を得た。
【0112】上記低重合度重合体122重量部を下記モ
ノマー組成物に溶解し、混合溶液とした。
【0113】 スチレン 77重量部 アクリル酸ブチル 22.5重量部 ジビニルベンゼン 0.03重量部 過酸化ベンゾイル 0.3重量部 上記混合溶液に、ポリビニルアルコール部分ケン化物
0.1重量部を溶解した脱気水250重量部を加え懸濁
分散液とした。水15重量部を入れ窒素置換した反応器
に上記懸濁分散液を添加し、反応温度80℃で12時間
懸濁重合反応させた。反応終了後水蒸気蒸留を行って濾
別し、充分に水洗し、脱水、乾燥することにより目的と
するスチレン−アクリル酸ブチル共重合体組成物を得
た。この樹脂の150℃までの加熱減量は0.52wt
%であり、125℃における粘度η’=7.9×103
poise、THF不溶分は0.1%であった。
【0114】(比較合成例1) スチレン 90重量部 アクリル酸ブチル 10重量部 過酸化ラウロイル 9重量部 上記モノマー組成物を室温でトルエン400重量部に溶
解混合した。次に上記トルエン混合溶液に撹拌下85℃
まで加熱し、10時間重合反応を行い反応を終了した。
トルエンを留去することによって、スチレン−アクリル
酸ブチル共重合体を得た。この樹脂の150℃までの加
熱減量は0.71wt%、125℃における粘度η’=
7.8×102poiseであり、THF不溶分は0%
であった。
【0115】実施例1 樹脂合成例1の共重合体 100重量部 磁性体微粉体 100重量部 負帯電性モノアゾ顔料 0.6重量部 低分子量ポリプロピレン 4重量部 上記混合物を200℃に加熱された二軸エクストルーダ
ーで500mmHg減圧下で溶融混練し、冷却した混練
物をハンマーミルで粗粉砕し、さらにジェットミルで微
粉砕して得られた粉砕物を風力分級し、重量平均粒径
6.9μmの磁性粉含有樹脂粒子(磁性トナー粒子)と
した。
【0116】この樹脂粒子100重量部に対して1.2
重量部のシリカ微粉体を混合しトナーを調製し、現像剤
とした。
【0117】このトナーの加熱減量は0.02wt%で
あった。
【0118】次に本実施例に用いた装置について説明す
る。本実施例中では市販のレーザービームプリンターL
BP8II(キヤノン製)の転写装置及び定着装置を以
下の構成に改造して行った。
【0119】図1のごとき転写装置を組み込み、転写ロ
ーラーの条件としては転写ローラーの表面ゴム硬度27
°、転写電流1μA、当接圧は30g/cmとした。
【0120】一時帯電を−600Vとして静電潜像を形
成し、感光ドラムと現像ドラム(磁石内包)上の現像剤
層を非接触に間隙(300μm)を設定し、交流バイア
ス(f=1800Hz Vpp=1200V)及び直流バ
イアス(VDC=−400V)として現像ドラムに印加
した。
【0121】次に図6に示す本発明の加熱定着装置にお
いて、加熱体24の検温素子24dの表面温度は170
℃、加熱体24−加圧ローラー22間の総圧は6Kg、
加圧ローラーとフィルムのニップは3mm、加圧ローラ
ー22の回転速度は24mm/sec(LBPA404
相当)に設定した。
【0122】耐熱シートとしては、転写材と接触面にP
TFEに導電性物質を分散させた低抵抗の離型層を有す
る厚さ50μmのポリイミドフィルムを使用した。
【0123】以下の設定条件で、4枚(A4)/min
のプリント速度で連続3000枚にわたり反転現像方式
で現像剤画像を形成するプリントテストを常温常圧(2
5℃60%RH)、高温高湿(30℃ 90%RH)、
低温低湿(15℃ 10%RH)で行った。
【0124】その結果、3000枚まで、すべての環境
において、現像剤の感光体への固着は認められず、得ら
れた画像の定着性は良好であり、オフセットによる画像
汚れもなく鮮明なものであった。
【0125】実施例2 合成例3の共重合体 100重量部 粒径0.3μmの磁性体微粉体 100重量部 ジ・ターシャリー・ブチル サリチル酸のクロム錯体 2重量部 上記混合物を使用する以外は実施例1と同様にして現像
剤を調製した。この現像剤のトナー粒子の重量平均粒径
は7.1μmであり、トナーの150℃までの加熱減量
は0.12%であった。
【0126】この現像剤を用いて実施例1と同一の条件
及び方法でプリント試験を行った。その結果、2500
枚付近より高温高湿環境において、感光体上に若干の現
像剤の固着を生じたが3000枚時点で画像上に異常は
無く、実用上問題は無いものと判断された。また、画像
の定着性は良好であり、オフセットによる画像汚れ等は
認められなかった。
【0127】比較例1 合成例3の共重合体を使用し、混練条件を120℃、常
圧とした以外は実施例1と同様にして現像剤を調製し
た。この現像剤のトナー粒子の重量平均粒径は7.0μ
mであり、トナーの150℃までの加熱減量は0.30
%であった。
【0128】この現像剤を使用して実施例1と同様の条
件および方法でプリント試験を行ったところ、高温高湿
環境で1000枚目付近より感光体上に現像剤の固着を
生じ、1500枚付近からその部位に対応した画像上の
白抜けが発生してしまった。
【0129】比較例2 比較合成例1の共重合体を使用する以外は実施例1と同
様にして現像剤を調製した。この現像剤のトナー粒子の
重量平均粒径は6.5μmであり、トナーの150℃ま
での重量減量は0.14%であった。
【0130】この現像剤を使用して実施例1と同一の条
件および方法でプリント試験を行ったところ、高温高湿
下で500枚目付近から感光体上への現像剤の固着を生
じ、1000枚に達する前に、固着部位に対応した画像
の白抜けを生じてしまった。
【0131】(合成例4) 反応容器にキシレン200重量部を入れ還流温度まで上
昇した。これにスチレン100重量部にジ−tert−
ブチルパーオキサイド7重量部を混合し、キシレン還流
下、6時間で溶液重合を完了し、低温軟化性樹脂溶液を
得た。
【0132】一方、スチレン82重量部、アクリル酸ブ
チル18重量部、ポリビニルアルコール0.2重量部、
脱気水200重量部、過酸化ベンゾイル0.11重量部
を混合懸濁分散させた。上記懸濁分散溶液を加熱し、窒
素雰囲気下において78℃に24時間保持し、重合を完
了させ、高温軟化性樹脂を得た。
【0133】この高温軟化性樹脂30重量部を前述の低
温軟化性樹脂70重量部の溶液重合終了時の溶液中に投
入し、溶媒中に完全に溶解せしめ混合を行い、その後高
温(180℃)で減圧蒸留を行ない溶媒を除去して、ス
チレン−アクリル酸ブチル共重合体組成物を得た。
【0134】この樹脂の150℃までの加熱減量は0.
10wt%、125℃における粘度η’=1.8×10
5poiseであり、THF不溶分は0%であった。
【0135】(合成例5) スチレン 100重量部 過酸化ラウロイル 9重量部 上記モノマー組成物を室温でトルエン400重量部に溶
解混合した。次に上記トルエン混合溶液に撹拌下85℃
まで加熱し、10時間重合反応を行い反応を終了した。
トルエンを留去することによって目的とする重合体を得
た。
【0136】上記低重合度重合体67重量部を下記モノ
マー組成物に溶解し、混合溶液とした。
【0137】 スチレン 65重量部 アクリル酸ブチル 35重量部 ジビニルベンゼン 0.3重量部 過酸化ベンゾイル 1.2重量部 上記混合溶液に、ポリビニルアルコール部分ケン化物
0.1重量部を溶解した脱気水250重量部を加え懸濁
分散液とした。水15重量部を入れ窒素置換した反応器
に上記懸濁分散液を添加し、反応温度80℃で10時間
懸濁重合反応させた。反応終了後水蒸気蒸留を行なって
濾別し、充分に水洗し、脱水、乾燥することにより目的
とするスチレン−アクリル酸ブチル共重合体組成物を得
た。この樹脂の150℃までの加熱減量は0.11wt
%であり、135℃における粘度η’=4.8×105
poiseであり、THF不溶分は18重量%であっ
た。
【0138】(合成例6) スチレン 80重量部 アクリル酸ブチル 20重量部 過酸化ベンゾイル 10重量部 上記モノマー組成物を室温でトルエン400重量部に溶
解混合した。次に上記トルエン混合溶液を撹拌下100
℃まで加熱し、10時間重合反応を行い反応を終了し
た。トルエンを留去することによって目的とする重合体
を得た。
【0139】上記低重合度重合体150重量部を下記モ
ノマー組成物に溶解し、混合溶液とした。
【0140】 スチレン 80重量部 アクリル酸ブチル 20重量部 ジビニルベンゼン 0.05重量部 過酸化ベンゾイル 0.3重量部 上記混合溶液に、ポリビニルアルコール部分ケン化物
0.1重量部を溶解した脱気水250重量部を加え懸濁
分散液とした。水15重量部を入れ窒素置換した反応器
に上記懸濁分散液を添加し、反応温度80℃で12時間
懸濁重合反応させた。反応終了後濾別し、充分に水洗
し、脱水、乾燥することにより目的とするスチレン−ア
クリル酸ブチル共重合体組成物を得た。この樹脂の15
0℃までの加熱減量は0.68wt%であり、125℃
における粘度η’=8.2×103poiseであり、
THF不溶分は0.2%であった。
【0141】(比較合成例2) スチレン 85重量部 アクリル酸ブチル 15重量部 過酸化ラウロイル 9重量部 上記モノマー組成物を室温でトルエン400重量部に溶
解混合した。次に上記トルエン混合溶液に撹拌下85℃
まで加熱し、10時間重合反応を行い反応を終了した。
トルエンを留去することによって、スチレン−アクリル
酸ブチル共重合体を得た。この樹脂の150℃までの加
熱減量は0.82wt%であり、125℃における粘度
η’=6.9×102poiseであり、THF不溶分
は0%であった。
【0142】実施例3 樹脂合成例4の共重合体 100重量部 磁性体微粉体 100重量部 負帯電性モノアゾ顔料 0.6重量部 低分子量ポリプロピレン 4重量部 上記混合物を190℃に加熱された二軸エクストルーダ
ーで550mmHg減圧下で溶融混練し、冷却した混練
物をハンマーミルで粗粉砕し、さらにジェットミルで微
粉砕して得られた粉砕物を風力分級し、重量平均粒径
6.6μmの磁性粉含有樹脂粒子(磁性トナー粒子)と
した。
【0143】この樹脂粒子100重量部に対して1.2
重量部のシリカ微粉体を混合してトナーを調製し、磁性
現像剤とした。
【0144】このトナーの加熱減量は0.04wt%で
あった。
【0145】次に本実施例に用いた試験機について説明
する。本実施例中では市販のレーザービームプリンター
LBP8II(キヤノン製)の帯電装置、定着装置を以
下の構成のものでプリントアウト試験を行った。
【0146】図3に示す接触帯電装置を組み込み、感光
体への当接圧を70g/cmとし、一次帯電を−500
Vとして静電潜像を形成し、感光ドラムと現像ドラム
(磁石内包)上の現像剤層を非接触に間隙(300μ
m)を設定し、交流バイアス(f=1800Hz,VPP
=1300V)および直流バイアス(VDC=−400
V)とを現像ドラムに印加した。
【0147】次に図6に示す本発明の加熱定着器におい
て、加熱体24の検温素子表面温度T1は170℃、加
熱部の抵抗材料の消費電力は150W、加熱体11と加
圧ローラー21間の総圧は6Kg、加圧ローラーとフィ
ルムのニップは3mm、定着フィルム18の回転速度は
24mm/sec.(LBP8II機相当)に設定し
た。
【0148】耐熱シートとしては、記録材との接触面に
PTFEに導電性物質を分散させた低抵抗の離型層を有
する厚さ55μmのポリイミドフィルムを使用した。こ
の時加熱体の検温素子表面温度T1が165℃に達する
間で要した時間は約3秒であった。
【0149】以下の設定条件で、4枚(A4)/mi
n.のプリント速度で連続3000枚にわたり反転現像
方式で現像剤画像を形成する実写テストを常温常湿(2
5℃、60%RH)、高温高湿(30℃、90%RH)
及び低温低湿(15℃、10%RH)で行った。
【0150】その結果、3000枚まで、すべての環境
において現像剤の感光体および帯電部材への固着は認め
られず、定着性は良好でオフセット等による汚れもな
く、得られた画像は鮮明なものであった。
【0151】実施例4 合成例6の共重合体 100重量部 粒径0.3μmの磁性体微粉体 100重量部 ジ・ターシャリー・ブチル サリチル酸のクロム塩 2重量部 上記混合物を使用する以外は実施例3と同様にして現像
剤を調製した。この現像剤のトナー粒子の重量平均粒径
は6.8μmであり、トナーの150℃までの加熱減量
は0.14%であった。
【0152】この現像剤を用いて実施例3と同一の条件
及び方法でプリント試験を行った。その結果、2800
枚付近より高温高湿環境において、感光体上に若干の現
像剤の固着を生じたが3000枚時点で画像上に異常は
無く、実用上問題は無いものと判断された。また、定着
性は良好でオフセット等による汚れもなく、得られた画
像は鮮明なものであった。
【0153】比較例3 合成例6の共重合体を使用し、混練条件を120℃、常
圧とした以外は実施例3と同様にして現像剤を調製し
た。この現像剤のトナー粒子の重量平均粒径は6.9μ
mであり、トナーの150℃までの加熱減量は0.52
%であった。
【0154】この現像剤を使用して実施例3と同様の条
件および方法でプリント試験を行ったところ、高温高湿
環境で800枚目付近より感光体上に現像剤の固着を生
じ、1400枚付近からその部位に対応した画像上の白
抜けが発生してしまった。
【0155】比較例4 比較合成例2の共重合体を使用する以外は実施例3と同
様にして現像剤を調製した。この現像剤のトナー粒子の
重量平均粒径は6.4μmであり、トナーの150℃ま
での加熱減量は0.15%であった。
【0156】この現像剤を使用して実施例3と同一の条
件および方法でプリント試験を行ったところ、高温高湿
下で700枚目付近から感光体上への現像剤の固着を生
じ、1200枚に達する前に、固着部位に対応した画像
の白抜けを生じてしまった。
【0157】
【発明の効果】本発明によれば、バインダー樹脂が上記
の特定の粘度、架橋成分を有し、トナーの加熱減量を一
定値以下にすることにより、本発明のごとき工程及び定
着手段を適用する現像剤が、その定着性、耐久強度、耐
オフセット性を充分満足させつつ、転写時において潜像
担持体表面に固着を生じず、鮮明な画像を得ることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】転写装置の要部の概略側面図である。
【図2】転写装置の他の例を示す概略側面図である。
【図3】帯電ローラーの概略図である。
【図4】他の帯電部材の概略図である。
【図5】定着装置の一例を示す概略図である。
【図6】テンションフリーの定着装置の概略図である。
【図7】樹脂の粘度測定のための装置の説明図である。
【符号の説明】
1 感光体 2 転写ローラー 22 加圧ローラー 24 加熱体 25 耐熱フィルム 32,32’ 帯電部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大久保 信之 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−51156(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 9/08 G03G 15/18 G03G 15/20 101

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 静電荷像保持体上の静電荷像を現像剤に
    より現像し、転写手段を介して転写材へ静電転写する工
    程において、静電荷像保持体と転写手段とが、線圧3g
    /cm以上で当接されており、 転写材に転写された顕
    画像を定着する工程において、 固定の加熱体とこの加
    熱体の内面に対向圧接されて移動駆動されるエンドレス
    の耐熱性フィルムと、 前記加熱体との間に前記フィル
    ムをはさみ込んでニップ部を形成し、そのニップ部にお
    けるフィルム外面との間に導入された転写材をフィルム
    を介して加熱体に圧接させる部材とを有し、前記エンド
    レスの耐熱性フィルムの周長の該ニップ部以外の部分
    常にテンションフリーである画像形成方法において使用
    される現像剤であって、 該現像剤は、少なくともバインダー樹脂を含有するトナ
    ー粒子を有するトナーを含んでおり、該バインダー樹脂
    は溶融粘度が125℃〜150℃の温度範囲のいずれか
    の温度で103〜106poiseであり、かつTHF不
    溶分が20%以下であり、該トナーの150℃までの加
    熱減量が0.15wt%以下であることを特徴とする現
    像剤。
  2. 【請求項2】 静電荷像保持体上の静電荷像を現像剤に
    より現像し、転写手段を介して転写材へ静電転写する工
    程において、静電荷像保持体と転写手段とが、線圧3g
    /cm以上で当接されており、 転写材に転写された顕画像を定着する工程において、 固定の加熱体とこの加熱体の内面に対向圧接されて移動
    駆動されるエンドレスの耐熱性フィルムと、 前記加熱体との間に前記フィルムをはさみ込んでニップ
    部を形成し、そのニップ部におけるフィルム外面との間
    に導入された転写材をフィルムを介して加熱体に圧接さ
    せる部材とを有し、前記エンドレスの耐熱性フィルムの
    周長の該ニップ部以外の部分は常にテンションフリーで
    ある画像形成方法において、 該画像形成方法に用いる現像剤は、少なくともバインダ
    ー樹脂を含有するトナー粒子を有するトナーを含んでお
    り、該バインダー樹脂は溶融粘度が125℃〜150℃
    の温度範囲のいずれかの温度で103〜106poise
    であり、かつTHF不溶分が20%以下であり、該トナ
    ーの150℃までの加熱減量が0.15wt%以下であ
    ることを特徴とする画像形成方法。
  3. 【請求項3】 帯電部材を被帯電体に外部から5〜50
    0g/cmの当接圧で当触させて、外部より電圧を印加
    して帯電を行う工程と、上記被帯電体より現像剤を除去
    するクリーニング工程とを有し、 転写材に転写された顕画像を定着する工程において、 固定の加熱体とこの加熱体の内面に対向圧接されて移動
    駆動されるエンドレスの耐熱性フィルムと、 前記加熱体との間に前記フィルムをはさみ込んでニップ
    部を形成し、そのニップ部におけるフィルム外面との間
    に導入された転写材をフィルムを介して加熱体に圧接さ
    せる部材とを有し、前記エンドレスの耐熱性フィルムの
    周長の該ニップ部以外の部分は常にテンションフリーで
    ある画像形成方法において使用される現像剤であって、 該現像剤は、少なくともバインダー樹脂を含有するトナ
    ー粒子を有するトナーを含んでおり、該バインダー樹脂
    は溶融粘度が125℃〜150℃の温度範囲のいずれか
    の温度で103〜106poiseであり、かつTHF不
    溶分が20%以下であり、該トナーの150℃までの加
    熱減量が0.15wt%以下であることを特徴とする現
    像剤。
  4. 【請求項4】 帯電部材を被帯電体に外部から5〜50
    0g/cmの当接圧で当触させて、外部より電圧を印加
    して帯電を行う工程と、上記被帯電体より現像剤を除去
    するクリーニング工程とを有し、 転写材に転写された顕画像を定着する工程において、 固定の加熱体とこの加熱体の内面に対抗圧接されて移動
    駆動されるエンドレスの耐熱性フィルムと、 前記加熱体との間に前記フィルムをはさみ込んでニップ
    部を形成し、そのニップ部におけるフィルム外面との間
    に導入された転写材をフィルムを介して加熱体に圧接さ
    せる部材とを有し、前記エンドレスの耐熱性フィルムの
    周長の該ニップ部以外の部分は常にテンションフリーで
    ある画像形成方法において、 該画像形成方法に用いる現像剤は、少なくともバインダ
    ー樹脂を含有するトナー粒子を有するトナーを含んでお
    り、該バインダー樹脂は溶融粘度が125℃〜150℃
    の温度範囲のいずれかの温度で103〜106poise
    であり、かつTHF不溶分が20%以下であり、該トナ
    ーの150℃までの加熱減量が0.15wt%以下であ
    ることを特徴とする画像形成方法。
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