JP3755207B2 - 電動作業装置搭載車 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、作業力を発生させる際に電気を必要とする作業装置を搭載した、電動作業装置搭載車に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
作業車に搭載されている作業装置の種類には、車両のエンジンから駆動力を得ているものの他、バッテリや商用交流電源から駆動力を得ているものがある。例えば、車両に搭載される作業装置としては油圧で作動するものが多いが、油圧作動のアクチュエータへの作動油は、油圧ポンプから供給される。そのような油圧ポンプは、車両のエンジンで駆動されるものもあるが、バッテリや商用交流電源で電動モータを回し、その回転力で駆動されるものもある。
【0003】
作業車は、通常、工事現場に停車したまま作業をするわけであるが、市街地から遠く離れた場所であれば、作業に伴って発するエンジン音等の騒音が大きくても、あまり問題にされない。しかし、市街地に停車したまま作業をする場合は、しばしば騒音が問題にされる。
エンジンで油圧ポンプを駆動する場合は、継続して確実に駆動力が得られるという利点があるものの、エンジンから発する騒音が大きいという難点がある。そこで、騒音を小さくするために、油圧ポンプを電動モータで駆動する作業車が提案されている。電動モータの回転音は、油圧ポンプを回すエンジンの音に比べて小さいからである。その電動モータは、通常の車両用バッテリとは別の専用のバッテリ(作業用バッテリ)や、工事現場近くで得られる商用交流電源によって駆動される。
【0004】
このように、作業力を発生させる際に、バッテリや商用交流電源からの電気を必要とする作業装置を「電動作業装置」と呼び、それを搭載した作業車を「電動作業装置搭載車」と呼ぶことにする。
なお、電動作業装置搭載車に関する従来の文献としては、例えば、実開平3−45334号公報,実開平3−31193号公報,実開平3−48101号公報等がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前記した従来の電動作業装置搭載車には、次のような問題点があった。
商用電源を利用することが出来ない工事現場等で作業をする場合には、作業用バッテリは放電するばかりで充電されないので、作業用バッテリはやがて放電しきってしまう。すると、電動作業装置に給電できなくなってしまい、作業が出来なくなってしまうばかりか、高所作業車用の電動作業装置を搭載している場合には、ブームやジャッキを格納状態に戻すことも出来ず、ブーム先端のバケット(後で説明する図3参照)に乗っている作業者が降りられなくなったり、車両が走行できなくなったりすることがある。
本発明は、上記のような問題点を解決することを課題とするものであり、商用交流電源が利用できない場所でも、出来るだけ低騒音で作業を続けることが出来、作業終了後に確実に走行出来るようにすることを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、本発明では、停車して使用する電動作業装置と、該電動作業装置専用に給電するための作業用バッテリとを具えた電動作業装置搭載車において、該作業用バッテリの充電量を検出する充電量検出手段と、エンジンにより駆動され、アイドリング状態での低回転で前記作業用バッテリを充電すると共に前記電動作業装置に給電し得る電力を発電するエンジン駆動発電機と、電動作業装置を使用しての作業中に、前記作業用バッテリの充電量が第1の所定充電量以下になるとエンジンを始動して前記エンジン駆動発電機を発電させ、充電量が前記第1の所定充電量より大なる第2の所定充電量以上になるとエンジンを停止させる制御装置と、車両搭載のオルタネータより前記作業用バッテリへの給電をなし得る給電経路とを具え、エンジン駆動発電機の発電中にエンジン回転数がアイドリング状態での低回転を脱する第1の所定回転数以上となった状況下においては、エンジン駆動発電機の発電を停止して作業用バッテリからの給電に切り換え、作業用バッテリの充電量が前記した第1の所定充電量以下になれば、給電を停止して前記オルタネータから前記給電経路を経て作業用バッテリの充電を行い、前記した第2の所定充電量に回復すれば作業用バッテリからの給電を再開する如くすると共に、エンジン回転数が前記第1の所定回転数より小さい第2の所定回転数以下に復帰した場合には、エンジン駆動発電機による発電を再開することとした。
【0007】
前記のような給電経路としては、オルタネータの発電電圧を作業用バッテリを充電するに適した電圧に変換するDC−DCコンバータを用いることが出来る。走行中には、オルタネータから前記給電経路を経て作業用バッテリに給電し、作業用バッテリを第2の所定充電量まで充電するようにしてもよい。
なお、電動作業装置を使用しての作業中にエンジンを始動する条件として、エンジン回転数がゼロで且つギヤ位置がニュートラルであるという条件を加えたり、更に、パーキングブレーキ作動中または車速がゼロまたはキャブがティルトされていないことという条件を加えたりすることも出来る。
他方、電動作業装置を使用しての作業中にエンジンを停止する条件として、パーキングブレーキ作動中または車速がゼロという条件を加えることも出来る。
【0008】
(解決する動作の概要)
電動作業装置搭載車を停車させ、搭載している電動作業装置を操作して作業をする場合、電動作業装置専用の作業用バッテリから給電して作業をする。作業中に作業用バッテリが第1の所定充電量まで放電すると、エンジンを自動的に始動し、クランク軸直結式発電機に発電させ、そこから電動作業装置に給電して作業を続行させると共に、作業用バッテリを充電する。作業用バッテリが第2の所定充電量まで充電されると、エンジンを自動的に停止させてクランク軸直結式発電機の発電を停止し、作業用バッテリの方から電動作業装置へ給電する。
【0009】
なお、第1の所定充電量と第2の所定充電量については、それらの値を一致させることも考えられるが、自動始動・自動停止の頻繁な繰り返しを避けるためには、第2の所定充電量を第1の所定充電量より大に設定しておくことが好ましい。また、クランク軸直結式発電機を低回転でも所要の発電をし得る構造にしておくと、エンジンをかけるといっても低回転でよく、作業を低騒音で行うことが出来る。
【0010】
ところで、低回転で充分な発電が出来るようにするためには、例えば、高エネルギー密度の永久磁石を発電機の回転子に用いる必要があるが、そうすると、エンジン回転数に応じて発電電圧が上昇し、発電機の制御装置等の電気回路部品を、耐電圧の高い高価なものにしなくてはならない。かといって、過大な発電電圧の発生を防止するために、エンジン回転が高くなった時は発電をしないというようにすると、走行中にクランク軸直結式発電機から作業用バッテリを充電しておこうとしても、出来なくなる。
【0011】
そこで、自動車に通常搭載されているオルタネータの出力電圧を、必要に応じて昇圧して、作業用バッテリに給電できるような構成にする。そして、クランク軸直結式発電機の発電中にエンジン回転数が上昇してきた場合には、その発電は停止する。こうすることにより、クランク軸直結式発電機の発電電圧が関係する電気回路の部品が高電圧にさらされることが無くなり、耐電圧の高い高価な部品を使用する必要がなくなる。クランク軸直結式発電機の停止中は、充分には充電されていない作業用バッテリから電動作業装置へ給電する。前記した第1の所定充電量まで低下すると、電動作業装置への給電は一旦停止し、オルタネータからの電力で作業用バッテリを充電する。
なお、クランク軸直結式発電機が発電すべき期間(つまり、作業用バッテリの充電量が、まだ第2の所定充電量まで上昇していない期間)であってエンジン回転数が低下して来ると、クランク軸直結式発電機の発電を再開する。
【0012】
作業を終えた時、作業用バッテリの充電量が低下した状態となっていても、一般走行中にオルタネータから充電されるので、次回に作業を開始する際には、常に作業用バッテリを良好な充電状態にしておくことが出来る。
なお、オルタネータの発電電圧は、エンジン回転数が大となっても、車両用バッテリを充電するのに適する電圧となるよう制御されているから、過大な電圧となることはなく、関連する電気回路の部品は高耐圧にしなくともよい。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、電動作業装置搭載車として、車両としては電動モータで駆動される油圧ポンプを搭載した高所作業車を例にとり、エンジン駆動発電機としては、発電機の回転軸をエンジンのクランク軸に直結したクランク軸直結式発電機を例にとって説明する。
【0014】
図3は、高所作業車を示す図である。図3において、1は高所作業車、2はバケット、3はブーム、4は伸縮シリンダ、5はキャブ、6はクランク軸直結式発電機、7はジャッキ、8はジャッキシリンダ、9は電動パワー部、10は制御装置部、11は起伏シリンダ、12は車両用バッテリ、13は旋回台、14は旋回油圧モータ、15は作業用バッテリ部である。油圧ポンプやそれを駆動する電動モータは、電動パワー部9に内蔵されている。
工事現場では、周知のように、油圧ポンプよりジャッキシリンダ8,旋回油圧モータ14,起伏シリンダ11,伸縮シリンダ4等に作動油が供給され、所要の作業が行われる。
【0015】
車両用バッテリ12は、車両に搭載されている通常のバッテリである。作業用バッテリ部15は、高所作業車1が作業をする時に前記電動モータに給電する作業用バッテリを内蔵している。
クランク軸直結式発電機6は、その回転軸をエンジンのクランク軸に直結した構造の発電機であり、エンジンにより駆動される発電機の一種である。このクランク軸直結式発電機6は、エンジンが低回転でも(言い換えれば、エンジンをかけたとしても低騒音の回転状態で)、作業用バッテリ部15内の作業用バッテリを充電したり、油圧ポンプの作動用の電動モータを駆動したりするのに充分な電力を発電するような構造(仕様)としておく。
【0016】
図4に、そのようなクランク軸直結式発電機6の構造を示す。図4において、21−1はエンジンのクランク軸、6−1は回転軸、6−2はロータ、6−3は永久磁石、6−4はステータコイル、6−5は電機子鉄心である。発電機の回転軸6−1は、クランク軸21−1に直結されている。ロータ6−2の円周上には、外周にN極,S極の磁極が現れるように永久磁石6−3が交互に配設される。永久磁石6−3と間隙を挟んで対向する位置には、電機子鉄心6−5が設けられており、それに巻回されているステータコイル6−4から、発電電力が取り出される。
【0017】
図1は、本発明の実施形態のブロック図であり、符号は図3のものに対応し、9−1はインバータ、9−2は電動モータ、9−3は油圧ポンプ、10−1は整流回路部、10−2は制御回路部、15−1は作業用バッテリ、15−2は充電量検出センサ、15−5はバッテリ接続部、20はオルタネータ、21はエンジン、22はスタータ、23は吸気カットバルブ、24はスタータリレー、25は整流器、27は作業スイッチ、28は作業装置制御ユニット、29は作業装置部、29−1は切換バルブ、30はエンジン回転数センサ、31は車速センサ、32はニュートラルセンサ、33はパーキングブレーキセンサ、34はキャブティルトセンサ、36はDC−DCコンバータである。
作業用バッテリ15−1の電圧は、通常、車両用バッテリ12の電圧より高い(例えば、288〜300V)。
【0018】
インバータ9−1は、作業用バッテリ部15または整流回路部10−1から供給される直流を交流に変換して、電動モータ9−2に供給する。電動モータ9−2は油圧ポンプ9−3を駆動し、油圧ポンプ9−3は作業装置部29に作動油を供給する。作業装置部29に供給された作動油は、切換バルブ29−1により、伸縮シリンダ4,旋回油圧モータ14,起伏シリンダ11,ジャッキシリンダ8のうち、必要とする油圧機器へ切り換えられ、供給される。
【0019】
オルタネータ20は、車両に通常搭載されている小容量の三相発電機であり、エンジン21のクランクプーリよりベルトを介して駆動される。オルタネータ20の発電電力は、整流器25を経て車両用バッテリ12を充電する他、図示しない車載負荷へ供給される。その電圧は、車載負荷や車両用バッテリ12に供給するのに適した電圧に制御されている(通常、12Vか24V)。
クランク軸直結式発電機6からの発電電力は、整流回路部10−1で直流に変換され、電動パワー部9へ給電したり、作業用バッテリ15−1を充電したりするのに用いられる。
作業用バッテリ15−1からの給電で電動モータ9−2を駆動出来る間は、低騒音での作業を実現するため、エンジン21は停止しておき、作業用バッテリ15−1からの給電により駆動される。
【0020】
作業用バッテリ15−1の放電が進行し、電動モータ9−2を駆動するに充分でなくなると、エンジン21を自動的に始動させ、クランク軸直結式発電機6の発電を開始させる。そして、クランク軸直結式発電機6の発電電力により、電動モータ9−2を駆動すると共に、作業用バッテリ15−1を充電する。作業用バッテリ15−1の充電が所定の程度まで行われると、エンジン21を自動的に停止させ、クランク軸直結式発電機6の発電を停止させる。電動モータ9−2は、再び作業用バッテリ15−1からの給電により駆動される。
エンジン21の自動始動は、スタータリレー24をオンさせスタータ22を起動することによって行われる。自動停止は、吸気カットバルブ23を作動させ、エンジン21への吸気を停止させることによって行われる。
【0021】
作業スイッチ27は、電動作業装置を使用して作業をしようとする時にオンするスイッチである。これがオンされると、車両用バッテリ12から制御回路部10−2および作業装置制御ユニット28に動作電源が供給され、それらが動作状態とされる。作業装置制御ユニット28には、電動作業装置を操作する各種ボタン,パネル等が含まれている。作業装置制御ユニット28からは、制御回路部10−2へ電動モータ9−2を起動せよとの信号が送出されたり、切換バルブ29−1へ作動油切り換え信号が送出されたりする。
【0022】
制御回路部10−2には、そのほか充電量検出センサ15−2、エンジン回転数センサ30,車速センサ31,ニュートラルセンサ32,パーキングブレーキセンサ33,キャブティルトセンサ34等からの検出信号も入力される。
そして、破線で示すように、整流回路部10−1,電動パワー部9内のインバータ9−1,バッテリ接続部15−5,吸気カットバルブ23,スタータリレー24等に制御信号が送出される。
【0023】
充電量検出センサ15−2は、作業用バッテリ15−1の充電の程度を検出するためのものである。バッテリの充電量を検出する方法としては、バッテリの起電力から充電量を検出する方法,電解液の密度から検出する方法等いくつか公知の方法があるが、いずれの方法を採用してもよい。
【0024】
DC−DCコンバータ36は、オルタネータ20の出力が入力される整流器25の出力側と、作業用バッテリ部15との間の給電経路を構成している。この給電経路は、必要に応じて作業用バッテリ15−1を充電するに適した電圧に変換する電圧変換回路を含む。通常、作業用バッテリ15−1の電圧はオルタネータ20の出力電圧より高いので、直流電圧変換により昇圧する必要があるからである。直流電圧変換回路としてはDC−DCコンバータが知られているので、この例ではそれを用いている。
【0025】
この給電経路の役割は、エンジン回転数がクランク軸直結式発電機6の発電を停止しなければならない程に高い時、車両に通常搭載されているオルタネータ20から作業用バッテリ15−1に給電し得るようにするためである。
なお、オルタネータ20から作業用バッテリ15−1への充電は、作業用バッテリから負荷(電動作業装置)への給電が行われていない時(後述する図2のゲート15−3オフ時。)に行う。給電が行われている時に行うと、オルタネータ20からの電力は電動作業装置へも供給されることになるが、供給される電力は電動作業装置を駆動するにはあまりにも少ないので、電動作業装置を駆動することもできず、作業用バッテリ15−1を速やかに充電することも出来ないということになってしまうからである。
【0026】
DC−DCコンバータ36は、オルタネータ20から作業用バッテリ15−1への給電が指令された時、オルタネータ20からの直流電圧を、作業用バッテリ15−1を充電するのに適した直流電圧に変換する。
もし、作業用バッテリ15−1の電圧が車両用バッテリ12の電圧と同じであれば昇圧する必要はないから、給電経路としてDC−DCコンバータ36を接続する代わりに、単なるスイッチを接続しておけばよい。
【0027】
図2は、電動パワー部9への給電回路を示す図である。符号は図1のものに対応し、10−4は整流回路、10−5はゲート、15−3はゲート、15−4はダイオード、36−1はゲート、36−2は昇圧トランス、36−3はダイオード、36−4はコンデンサである。
バッテリ接続部15−5は、ゲート15−3とダイオード15−4とで構成されている。ゲート10−5,15−3としては、例えば複数のパワーMOSFETから構成されるIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor )を用いることが出来る。
【0028】
作業用バッテリ15−1から電動モータ9−2に給電する場合は、ゲート10−5がオフ,ゲート15−3がオンとされる。バッテリ電圧はゲート15−3を経てインバータ9−1に印加され、交流に変換されて電動モータ9−2に供給される。
作業用バッテリ15−1が所定の程度まで放電した時には、エンジンを始動し、クランク軸直結式発電機6から発電出力を取り出すが、その時にはゲート10−5をオン,ゲート15−3をオフとする。発電出力は、インバータ9−1に供給されると共に、ダイオード15−4を経て作業用バッテリ15−1に供給される。ゲート15−3がオフしているため、作業用バッテリ15−1からインバータ9−1へ電流が流れ出ることはない。
【0029】
オルタネータ20からDC−DCコンバータ36を経て作業用バッテリ15−1を充電することが指令されると、制御回路部10−2からの制御信号によりゲート36−1を所定の周波数でオン,オフし、交流を発生する。その交流は昇圧トランス36−2で変圧され、ダイオード36−3とコンデンサ36−4とで平滑直流にされ、作業用バッテリ15−1を充電する。トランス36−2での昇圧は、平滑直流が作業用バッテリ15−1を充電するのに適した電圧となる程度に行われる。
【0030】
なお、作業用バッテリ15−1の代わりに、小型で大容量のコンデンサ(例えば、電気2重層コンデンサ)を使用してもよい。コンデンサであれば、充電を短時間(例、数秒)で行うことが出来ると共に、充放電を繰り返し行っても、なかなか劣化しないという特徴を有している。
【0031】
次に動作を、作業中の動作と走行中の動作とに分けて説明する。
〔作業中の動作〕
まず、動作の概要を説明する。作業スイッチ27がオンされると、作業用バッテリ15−1からインバータ9−1を経て電動モータ9−2に給電される。電動モータ9−2に駆動される油圧ポンプ9−3は、作業装置部29に作動油を供給する。作業装置部29の中の所望の装置を使っての作業が行われる。
【0032】
バッテリ充電量検出センサ15−2により、作業用バッテリ15−1の充電量が第1の所定値まで低下して来たことが検出されると、制御回路部10−2はエンジンを自動始動し、クランク軸直結式発電機6に発電を開始させる。発電出力は、整流回路部10−1で整流され、一部は電動パワー部9に供給され、作業用バッテリ15−1に代わって作業装置部29の装置を動作させると共に、一部は作業用バッテリ部15に供給されて作業用バッテリ15−1を充電する。
作業用バッテリ15−1の充電量が第2の所定値まで回復すると、エンジンは自動停止され、クランク軸直結式発電機6の発電も停止される。そして、再び作業用バッテリ15−1から電動作業装置への給電が再開される。
以下、エンジンの自動始動,自動停止について詳細に説明する。
【0033】
図6は、作業用バッテリの充電量によりエンジン自動始動,自動停止を説明する図である。充電量の第1の所定値H1 ,第2の所定値H2 は、次のように設定しておく。
H1 …作業用バッテリ15−1で電動モータ9−2を駆動し得る最低限の充電状態にある時の充電量
H2 …作業用バッテリ15−1が充分に充電された時の充電量
従って、充電量が第1の所定値H1 (即ち、A点)より小になれば、充電をしてやる必要がある。そこで、エンジンを自動始動してクランク軸直結式発電機6に発電をさせる。作業用バッテリ15−1の充電が進行すれば、充電量は破線矢印のように上昇し、やがて、第2の所定値H2 のB点に至る。
充電量が第2の所定値H2 より大になれば、もはや充電する必要はないから、エンジンを自動停止してクランク軸直結式発電機6の発電を停止させる。
【0034】
図7は、エンジンの自動始動動作を説明するフローチャートである。
ステップ1…作業用バッテリ15−1の充電量が、前記した第1の所定値H1 より小となったかどうか調べる。小でなければまだ充電する必要はない。
ステップ2…バッテリの充電量が第1の所定値H1 より小となっていれば、電動作業装置を駆動し得る限界以下であるから、充電してやる必要がある。そこで、クランク軸直結式発電機6に発電させるため、エンジンを始動するに先立ち、次の(1)〜(6)のような条件が整っているかどうか調べる。(3)〜(6)の条件は始動した場合の安全性を考慮しての条件であり、当然満たされている筈の条件だが、念のために確認している。
【0035】
まず、(1)作業スイッチ27がオンされているかどうか調べる。オンされていなければ、電動作業装置を使おうとはしていないということであるから、作業用バッテリ15−1を充電する必要もない。
(2)エンジン回転数センサ30からの信号で、回転数がゼロかどうか調べる。既に回転していれば、今更始動する必要はないからである。
【0036】
(3)パーキングブレーキセンサ33からの信号で、パーキングブレーキが作動させられているかどうか調べる。作業をする場合は、作業車が動かないようにパーキングブレーキがかけられている筈であるが、それを確認するためである。
(4)ニュートラルセンサ32からの信号で、ギヤがニュートラルかどうか調べる。万一、走行ギヤ等に入っていれば、始動した途端に走行し始め、危険だからである。
(5)キャブティルトセンサ34からの信号で、図3のキャブ5がティルトされていないことを確認する。キャブ5を傾けてエンジンの点検を行っている時などに自動始動すると、危険だからである。
(6)車速センサ31からの信号で、車速がゼロかどうか調べる。作業のための操作は、作業車が停止して行っている筈であるが、それを確認するためである。
【0037】
ステップ3…ステップ2の条件を全て満たしている時、エンジンの自動始動処理を行う。即ち、制御回路部10−2から、スタータリレー24をオンする制御信号を送出する。スタータリレー24がオンすると、車両用バッテリ12からスタータ22へ電流が流れ、エンジン21を始動する。そして、クランク軸直結式発電機6は発電を開始する。
【0038】
電動作業装置は給電され、作業用バッテリ15−1は充電される。クランク軸直結式発電機6は、低回転でも作業用バッテリ15−1を充電するに充分な電力を発電する仕様とされているから、エンジンは低回転状態で運転すればよい。従って、エンジンをかけたといってもその音は小さく、低騒音で作業をすることが出来る。
【0039】
なお、制御回路10−2から何回か制御信号を送っても始動しない場合は、図示しない警告装置により、そのことを作業者に報知する。
ステップ4…ステップ2の条件の一部でも満たすことが出来ない時は、条件が満たされなかったから始動出来ない旨の警告処理をする。例えば、ブザーやランプで作業者に知らせる。
【0040】
ところで、前記のステップ3では、エンジン自動始動処理について簡単にしか述べなかったが、その処理においては、クランク軸直結式発電機6からの給電開始時点(具体的には、図2のゲート10−5をオンする時点)は、慎重に選定する必要がある。以下、そのことについて説明する。
エンジンを始動したからといって、直ちにクランク軸直結式発電機6から所要の電力が取り出せるとは限らない。回転数がまだ上がらないうちは発電電力は小さいから、その時にいきなり大きい電力を必要とする負荷を接続すると、エンジンは負担に耐えきれず、停止してしまう。
【0041】
そのような事態になるのを避けたいというのであれば、クランク軸直結式発電機6から電動作業装置への給電開始は、現時点でのエンジン出力でクランク軸直結式発電機6が発電可能な出力が、現に要求されている電力(現に作動している電動作業装置が必要とする電力)より大となってから行うようにすればよい。それを、図5,図9によって説明する。
【0042】
図5は、エンジン出力およびクランク軸直結式発電機の発電可能出力を示す図である。横軸はエンジン回転数,縦軸は出力である。曲線aはエンジン出力を示し、曲線bは、該エンジン出力によって駆動されるクランク軸直結式発電機の発電可能出力である。
作業用バッテリ15−1の充電量が低下して、エンジンが自動始動された際、電動作業装置のために必要とされる電力は、幾つかの電動作業装置の内、どの電動作業装置が作動させられているかによって異なる。
【0043】
現に作動している電動作業装置に必要とされる電力が、仮にP1 であるとすると、発電可能出力曲線b上の動作点は、少なくとも(P1 に対応する)点K1 より上の点であることが必要である。クランク軸直結式発電機6の発電可能出力は、エンジン回転数と共に上昇するから、エンジン回転数で言えば、(点K1 に対応する)N1 より大になってから給電する。そうすれば、エンジン停止が避けられる。同様に、電動作業装置から要求されている電力がP2 であった場合には、その電力P2 と発電可能出力曲線bとから割り出したエンジン回転数N2 より大になってから給電する。
なお、アイドリング状態の回転数まで上昇して来ると、いずれの電動作業装置から要求される電力でも発電可能な状態となるように、クランク軸直結式発電機6は製作しておく。
【0044】
図9は、エンジン自動始動処理(図7のステップ3の処理)の仕方の詳細を説明するフローチャートである。
ステップ1…エンジンを自動始動することが決定されたら、まず、制御回路部10−2内に設定されているタイマー(図示せず)による計時をスタートさせる。
ステップ2…ついで、スタータリレー24をオンする。これにより、スタータ22が作動し、エンジン21の始動が開始される。
【0045】
ステップ3…現に動作している電動作業装置から要求される電力(つまり、その電動作業装置の消費電力)Pを求める。電力Pの求め方の1例を示すと、次の通りである。図2の作業用バッテリ15−1の電位をEとし、ゲート15−3の両端の電位差をVdとし、ゲート15−3のオン抵抗をRとすると、要求電力Pは、 P=E×Vd/R
として求めることが出来る。
ステップ4…求めた電力Pを図5に当てはめて、その電力Pを発電することが可能なエンジン回転数NP (これを説明の便宜上「目標回転数」と言うことにする)を求める。もし、求めた電力がP1 なら、目標回転数はN1 と求められる。
【0046】
ステップ5…現在のエンジン回転数は、図1のエンジン回転数センサ30から検出されて来るが、それが目標回転数NP より大になったかどうか調べる。
ステップ6…まだ目標回転数NP より大になっていない場合、タイマー値が所定時間Tを越えたかどうか調べる。越えていれば、ステップ3に戻る。所定時間Tは、始動が完了したとされる回転数に上昇するまで通常かかると思われる時間より、僅かに大きな時間に設定しておく。例えば3秒程度の時間である。つまり、この時間Tだけ経過してもエンジン回転数が上昇して来ない場合は、エンジンは正常ではなく、なんらかの故障があると判断するのである。
【0047】
ステップ7…エンジン回転数が目標回転数に上昇して来ないまま、所定時間Tが経過した場合は、クランク軸直結式発電機6から給電できない旨を作業者に警告したり、スタータリレー24をオフにしたりするといった処理をする。
ステップ8…ステップ5でYESの場合には、クランク軸直結式発電機6から首尾よく給電し得るということであるから、ゲート10−5をオンすると共に、ゲート15−3をオフにする。ゲート10−5オンにより発電出力が取り出され、ゲート15−3オフにより作業用バッテリ15−1からの放電が停止される(そして、ダイオード15−4を通っての充電が開始される)。
【0048】
図8は、エンジンの自動停止動作を説明するフローチャートである。
ステップ1…作業用バッテリ15−1の充電量が、図6で示した第2の所定値H2 より大になったかどうか調べる。大でなければ充電を続行する必要がある。
ステップ2…充電量が第2の所定値H2 より大となれば、エンジンを停止して充電を停止してやる必要がある。そこで、停止に先立ち、次の(1)〜(3)のような条件が整っているかどうか調べる。(2),(3)の条件は走行中にエンジンを停止させたりしないようにするための条件である。
【0049】
まず、(1)作業スイッチ27がオンされているかどうか調べる。オンされていなければ、電動作業装置を使おうとはしていないということであるが、その時にエンジンが回転しているということは、走行中であることも考えられる。
(2)パーキングブレーキセンサ33からの信号で、パーキングブレーキが作動させられているかどうか調べる。作業をしている時なら、作業車が動かないようにパーキングブレーキがかけられている筈であるが、その確認をするためである。
(3)車速センサ31からの信号で、車速がゼロかどうか調べる。車速がゼロでなくエンジンが回転しているというのであれば、走行中ということであるから、エンジンを停止してはならない。
【0050】
ステップ3…ステップ2の条件を全て満たしている時、エンジンの自動停止処理を行う。即ち、制御回路部10−2から、吸気カットバルブ23を作動させる制御信号を送出する。吸気カットバルブ23が作動すると、エンジン21へ吸気が入らなくなり、エンジン21は停止する。クランク軸直結式発電機6は発電を停止し、作業用バッテリ15−1の充電も停止される。これ以後の作業は、充電された作業用バッテリ15−1からの給電で続行される。従って、作業は、エンジン始動前の元の低騒音で行われる。
【0051】
ステップ4…ステップ2の条件の一部でも満たすことが出来なかった時は、作業スイッチ27がオンで且つパーキングブレーキが非作動となっているかどうか調べる。パーキングブレーキが解除されていれば、電動作業装置を使っての作業は終えたものの、作業スイッチ27をオフにするのを忘れ、走行を開始したということが考えられる。
ステップ5…ステップ4でYESであれば、信号待ち等でエンジンが自動停止する可能性があるので、作業スイッチ27をオフにするようドライバーに警告する。これは、ブザーやランプあるいはメッセージ表示パネル等の警告装置により行う。
【0052】
さて、電気回路部品を高耐圧のものにしなくともよいという点だが、高耐圧の部品を使用せずに構成した電気回路が耐えられる範囲の電圧で使用限界の電圧を定め、その電圧を「限界電圧VH 」と言うことにすると、クランク軸直結式発電機6の発電電圧が限界電圧VH に上昇したら、発電を停止してしまうということが、動作の大前提となる。クランク軸直結式発電機6の発電電圧は、エンジン回転数と対応関係にあるから(図5参照)、言い換えれば、エンジン回転数が限界電圧VH に対応する回転数(それを「限界回転数NH 」と言うことにする)に上昇したら、発電を停止する必要がある。なお、限界回転数NH は、アイドリング状態の低回転を脱する程度の回転数である。
【0053】
上述のように、クランク軸直結式発電機6で発電中に、エンジン回転数が何らかの原因により限界回転数NH より大となれば、その発電を停止する(エンジンを停止するのではなく発電を停止する)が、具体的には、エンジン回転数センサ30からの検出信号が限界回転数NH より大となったら、制御回路部10−2から整流回路10−1に制御信号を発してゲート10−5をオフとする。即ち、クランク軸直結式発電機6の発電電圧が大になろうとすると発電が停止されるので、関連する電気回路は高電圧にさらされることがない。そのため、コストの安い低耐圧の部品を使用して電気回路を構成していても、破壊されることがない。
【0054】
発電が停止されると、電動作業装置へは、充電不足ではあるが作業用バッテリ15−1から給電せざるを得ない。そこで、発電停止(ゲート10−5のオフ)と同時に、作業用バッテリ15−1からの給電経路であるゲート15−3をオンする。
エンジン回転数が限界回転数NH より少し小に低下すれば(発電停止,再開が頻繁にならぬよう、ヒステリシスを持たせるため少し小に)、クランク軸直結式発電機6の発電を再開する(ゲート10−5オン,ゲート15−3オフ)。
【0055】
しかし、エンジン回転数が低下して来なければ、作業用バッテリ15−1からの給電が継続されるから、やがて電動作業装置を駆動し得ない程に充電量が低下して来る(図6の第1の所定値H1 )。そうなると、ゲート15−3をオフし、電動作業装置への給電は一旦停止する。そして、オルタネータ20からの充電を開始する。即ち、DC−DCコンバータ36を作動させる。
【0056】
オルタネータ20からの充電で、充電量が第2の所定値H2 まで回復すれば、作業用バッテリ15−1から電動作業装置への給電を再開する(DC−DCコンバータ36の動作停止,ゲート15−3オン)。
電動作業装置は一時停止することがあるが、それは、電気回路部品を安価な部品で構成したための代償ということになる。なお、作業中に何らかの原因でエンジン回転数が限界回転数NH より大に上昇して来るのは、滅多に起こることではないので、上記のような一時停止もたびたび起こることではなく、実際には、殆ど問題にならない。
【0057】
〔走行中の動作〕
次に、走行中での作業用バッテリ15−1の充電について述べる。
作業を終えた後、バッテリ充電量検出センサ15−2で検出される充電量が、図6の第2の所定値H2 より小であれば(例えば、第1の所定値H1 より僅かに大という程度)、次に作業を開始した時、直ぐに充電量不足に陥る可能性がある。
作業を終えて走行中のエンジン回転数は、通常、限界回転数NH よりも大である。従って、クランク軸直結式発電機6は発電を停止させられた状態となっている(従って、走行中に、クランク軸直結式発電機6によって作業用バッテリ15−1を充電しておくことは出来ない)。他方、オルタネータ20からDC−DCコンバータ36を経ての充電は、行い得る。
【0058】
そこで、前回の作業を終えた後、作業用バッテリ15−1の充電量が図6の第2の所定値H2 より小であれば、DC−DCコンバータ36を作動させてオルタネータ20からの充電を行う。そして、充電量が第2の所定値H2 に達すれば、DC−DCコンバータ36を不作動として充電を停止する。
これにより、次回の作業を開始する場合、作業用バッテリ15−1は常に第2の所定値H2 に充電された状態としておくことが出来る。
【0059】
上述した動作をまとめると、次のようになる。
(1)作業中
(1)作業用バッテリ15−1から電動作業装置に給電する。
(2)作業用バッテリ15−1の充電量が第1の所定値H1 より小に低下すると、クランク軸直結式発電機6の発電を開始し、電動作業装置に給電すると共に作業用バッテリ15−1を充電する。
エンジン回転数が限界回転数NH より大にならない限り、クランク軸直結式発電機6からの充電が続行され、第2の所定値H2 まで充電される。すると、クランク軸直結式発電機6は発電停止され、作業用バッテリ15−1から電動作業装置への給電が再開される。
【0060】
(3)クランク軸直結式発電機6の発電中に、もし、エンジン回転数が限界回転数NH より大になれば、クランク軸直結式発電機6の発電は停止され、作業用バッテリ15−1からの給電に切り換えられる。充電量が第1の所定値H1 まで低下すれば、電動作業装置への給電は一旦停止する。そして、オルタネータ20から作業用バッテリ15−1への充電を開始する。充電量が第2の所定値H2 まで回復すると、オルタネータ20からの充電を停止し、作業用バッテリ15−1から電動作業装置への給電を再開する。一旦停止されていた電動作業装置は、動作を再開する。
なお、この間にエンジン回転数が限界回転数NH より少し低い回転数まで下がって来れば、その時点でクランク軸直結式発電機6の発電を再開する(オルタネータ20からの充電等は停止する)。
【0061】
(2)走行中
(1)作業用バッテリ15−1の充電量が第2の所定値H2 より小であれば、オルタネータ20からの充電を行う。
(2)充電量が第2の所定値H2 に回復すれば、オルタネータ20からの充電を停止する。
【0071】
前記した実施形態では、電動作業装置搭載車として、車両としては電動モータで駆動される油圧ポンプを搭載した高所作業車を例にとり、エンジン駆動発電機としては発電機の回転軸をエンジンのクランク軸に直結したクランク軸直結式発電機を例にとって説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。
電動作業装置搭載車は、電動モータで駆動される油圧ポンプを搭載した車両であれば何でもよい。また、エンジン駆動発電機としては、エンジンにより駆動される発電機であれば何でも良く、例えば、フライホイールPTO(PTO…Power Take Off)により駆動される発電機であってもよい。
【0062】
【発明の効果】
以上述べた如く、本発明の電動作業装置搭載車によれば、次のような効果を奏する。
(1)請求項1,2の効果
作業中に、可能な限りエンジンをかけていなくとも良いようにし、エンジンの始動,停止が自動的に行われるので、作業者の手を煩わせることなく、電動作業装置搭載車の作業を低騒音にて行うことが出来る。
低騒音は、次のことによって実現される。電動作業装置を、作業用バッテリで駆動できる間は作業用バッテリで駆動する。
電動作業装置を駆動し得ないほどに作業用バッテリが放電した時には、エンジンを自動始動し、クランク軸直結式発電機を発電させて電動作業装置を駆動すると共に、作業用バッテリも充電する。クランク軸直結式発電機は、所要の発電をするのにアイドル回転程度の低回転でよいように設計しておくので、エンジン音は発生するものの低騒音である。
【0063】
作業用バッテリが所定程度まで充電されると、エンジンを自動停止し、再び作業用バッテリによる駆動に切り換え、低騒音での作業を続けることが出来る。
また、作業用バッテリが放電したままとはならないので、作業用アクチュエータが元に戻らなくなったり、車両が走行できなくなったりするということが無くなる。エンジンが自動始動できるようにしてあるため、作業用バッテリの放電を気にせずに作業を行うことが出来る。
そして、クランク軸直結式発電機の発電電圧が関連する電気回路の部品に、高耐圧のものを使用しなくともよい。
【0064】
(2)請求項3の効果
走行中に充電されるので、次回に作業を開始する際、作業用バッテリを常に充分充電された状態にしておくことが出来る。
(3)請求項4,5の効果
エンジンを自動始動する際、始動しても安全上差し支えない状態であることを、一層確実にする。
(4)請求項6の効果
走行中にエンジンが自動停止されることがないことを、一層確実にする。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態のブロック図
【図2】 電動パワー部への給電回路を示す図
【図3】 高所作業車を示す図
【図4】 クランク軸直結式発電機の構造を示す図
【図5】 エンジン出力およびクランク軸直結式発電機の発電可能出力を示す図
【図6】 作業用バッテリの充電量とエンジン自動始動,自動停止を説明する図
【図7】 エンジンの自動始動動作を説明するフローチャート
【図8】 エンジンの自動停止動作を説明するフローチャート
【図9】 エンジン自動始動処理の仕方の詳細を説明するフローチャート
【符号の説明】
1…高所作業車、2…バケット、3…ブーム、4…伸縮シリンダ、5…キャブ、6…クランク軸直結式発電機、7…ジャッキ、8…ジャッキシリンダ、9…電動パワー部、10…制御装置部、11…起伏シリンダ、12…車両用バッテリ、13…旋回台、14…旋回油圧モータ、15…作業用バッテリ部、20…オルタネータ、21…エンジン、22…スタータ、23…吸気カットバルブ、24…スタータリレー、25…整流器、27…作業スイッチ、28…作業装置制御ユニット、29…作業装置部、29−1…切換バルブ、30…エンジン回転数センサ、31…車速センサ、32…ニュートラル位置センサ、33…パーキングブレーキセンサ、34…キャブティルトセンサ、36…DC−DCコンバータ
Claims (6)
- 停車して使用する電動作業装置と、該電動作業装置専用に給電するための作業用バッテリとを具えた電動作業装置搭載車において、
該作業用バッテリの充電量を検出する充電量検出手段と、
エンジンにより駆動され、アイドリング状態での低回転で前記作業用バッテリを充電すると共に前記電動作業装置に給電し得る電力を発電するエンジン駆動発電機と、
電動作業装置を使用しての作業中に、前記作業用バッテリの充電量が第1の所定充電量以下になるとエンジンを始動して前記エンジン駆動発電機を発電させ、充電量が前記第1の所定充電量より大なる第2の所定充電量以上になるとエンジンを停止させる制御装置と、
車両搭載のオルタネータより前記作業用バッテリへの給電をなし得る給電経路とを具え、
エンジン駆動発電機の発電中にエンジン回転数がアイドリング状態での低回転を脱する第1の所定回転数以上となった状況下においては、エンジン駆動発電機の発電を停止して作業用バッテリからの給電に切り換え、作業用バッテリの充電量が前記した第1の所定充電量以下になれば、給電を停止して前記オルタネータから前記給電経路を経て作業用バッテリの充電を行い、前記した第2の所定充電量に回復すれば作業用バッテリからの給電を再開する如くすると共に、
エンジン回転数が前記第1の所定回転数より小さい第2の所定回転数以下に復帰した場合には、エンジン駆動発電機による発電を再開するようにした
ことを特徴とする電動作業装置搭載車。 - オルタネータより作業用バッテリへの給電経路として、オルタネータの発電電圧を作業用バッテリを充電するのに適した電圧に変換するDC−DCコンバータを用いたことを特徴とする請求項1記載の電動作業装置搭載車。
- 走行中に、オルタネータから前記給電経路を経て作業用バッテリに給電し、作業用バッテリを第2の所定充電量まで充電することを特徴とする請求項1または2記載の電動作業装置搭載車。
- エンジン回転数センサおよびニュートラル位置センサを具え、
電動作業装置を使用しての作業中にエンジンを始動する条件として、エンジン回転数がゼロで且つギヤ位置がニュートラルであるという条件を加えたことを特徴とする請求項1または2記載の電動作業装置搭載車。 - パーキングブレーキセンサまたは車速センサまたはキャブティルトセンサを具え、
電動作業装置を使用しての作業中にエンジンを始動する条件として、パーキングブレーキ作動中または車速がゼロまたはキャブがティルトされていないことという条件を加えたことを特徴とする請求項1または2記載の電動作業装置搭載車。 - パーキングブレーキセンサまたは車速センサを具え、
電動作業装置を使用しての作業中にエンジンを停止する条件として、パーキングブレーキ作動中または車速がゼロという条件を加えたことを特徴とする請求項1または2記載の電動作業装置搭載車。
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