JP3770220B2 - ハイブリッド自動二輪車及びハイブリッド自動二輪車用動力伝達装置 - Google Patents

ハイブリッド自動二輪車及びハイブリッド自動二輪車用動力伝達装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、二輪車の駆動輪を駆動するエンジンと、エンジンのクランク軸に動力伝達装置を介して回転軸が連結された回転電機とを備えて、エンジンの始動時には回転電機をエンジン始動用電動機として運転し、エンジンが始動した後は回転電機を電動機として運転して該回転電機によりエンジンをアシストするか、またはエンジンにより回転電機を駆動して該回転電機をバッテリ充電用の発電機として運転するハイブリッド自動二輪車、及び該ハイブリッド自動二輪車に用いる動力伝達装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
エンジンを始動するために用いる始動用電動機と、エンジンアシスト用の電動機とでは、必要とされる動作特性が相違する。始動用電動機によりエンジンを始動する際には、エンジンをクランキングするために大きなトルクを発生させる必要があるが、エンジンを始動させることができればよいため、電動機の回転速度は、それほど高くなる必要はなく、その無負荷回転速度は、エンジンのアイドリング速度よりも低くてよい。
【0003】
一方、エンジンが始動した後、電動機によりエンジンをアシストする(エンジンによる負荷の駆動を助ける)際には、電動機の無負荷回転速度をエンジンのアイドリング速度よりも十分に高くして、電動機をアイドリング速度よりも高い速度で運転することができるようにしておく必要がある。一般には、エンジンアシスト時の電動機の無負荷回転速度をエンジンの出力がピークに達する回転速度付近の速度に設定することが多い。
【0004】
図8は、エンジンを始動する際、及びエンジンをアシストする際に電動機に要求される回転速度対出力トルク特性を示したもので、同図の曲線aは、エンジンを始動する際に要求される特性を示し、曲線bはエンジンをアシストする際に要求される特性を示している。
【0005】
またエンジンのクランク軸と1台の電動機の回転軸とを減速比1:1で連結して、該電動機によりエンジンの始動と、アシストとの双方を行わせようとすると、電動機は、エンジンの始動時に要求される特性とアシスト時に要求される特性との双方を満足する図8の曲線cのような特性を有していることが必要とされる。
【0006】
電動機として運転した際に、図8の曲線cのような特性を有する回転電機を発電機として動作させて、該回転電機の出力によりバッテリを充電するようにした場合、発電出力が大きくなるため、バッテリに流れる充電電流が過大になるおそれがあり、またバッテリの過充電を防止するための出力電圧の調整も容易ではない。回転電機が磁石回転子を備えた磁石界磁回転形のものである場合には、発電出力が過大になったときに回転電機の出力を短絡することにより電圧調整を行うことができるが、この場合、回転電機の電機子巻線に大きな短絡電流が流れるため、巻線からの発熱が多くなり、好ましくない。また図8の曲線cのような特性を有する回転電機は、大形で重量が重くなる上にコストが高くなるのを避けられない。
【0007】
そこで、図9に示すように、エンジン(E/G)1のクランク軸と回転電機2の回転軸との間に、例えば、回転速度の上昇に伴って減速比が小さくなるCVT(ベルト式無断変速機)3を介在させて、エンジンを始動する際には、回転電機の回転を大きな減速比で減速してエンジンのクランク軸に伝達し、エンジンをアシストする際には、回転電機の回転を小さな減速比で減速してエンジンのクランク軸に伝達することが考えられる。
【0008】
図9に示した回転電機は、磁石界磁を備えた回転子と、電機子鉄心に3相の電機子コイルを巻回してなる固定子とを備えた磁石界磁回転形のもので、エンジン始動用の電動機として運転する際、及びエンジンアシスト用の電動機として運転する際には、ブラシレス直流電動機と同じように駆動される。そのため、バッテリ4の出力がインバータ5を介して回転電機2の電機子コイルに印加され、回転電機2の回転子の回転角度位置を検出する位置センサから得られる位置検出信号と、アクセルグリップの位置を検出するアクセルポジションセンサ6の出力とに応じてインバータ5を制御するコントローラ7が設けられている。
【0009】
図9に示した例では、エンジンを始動する際に回転電機2の回転子の回転角度位置に応じて転流する駆動電流をバッテリからインバータ5を通して回転電機の3相の電機子コイルに流すように、コントローラ7によりインバータ5を制御して、回転電機2をブラシレス直流電動機として動作させる。これにより、回転電機の出力トルクをCVTの減速比倍にしてエンジンのクランク軸に伝達し、エンジンをクランキングして始動させる。
【0010】
コントローラ7はまた、自動二輪車の走行時に回転電機を電動機として動作させてエンジンをアシストする際に、回転電機をブラシレス直流電動機として運転するようにインバータを制御するととともに、回転電機の駆動電流の平均値を、アクセルポジションセンサ6により検出されるアクセルポジションに適合した値とするように、アクセルポジションに応じて、インバータ5を通して回転電機に供給する駆動電流をPWM制御する。
【0011】
また自動二輪車の走行中にエンジンの回転速度が回転電機の無負荷回転速度を超えたときには、エンジンにより回転電機を駆動して該回転電機を発電機として動作させ、該回転電機の電機子コイルから出力される交流電流をインバータ5内に設けられている整流回路を通してバッテリ4に供給する。
【0012】
このように、回転電機を発電機として運転している状態でバッテリ4の両端の電圧が目標値を超えたときには、コントローラ7がインバータ5を構成する所定のスイッチ素子をオン状態にすることにより、該インバータ内に回転電機の出力を短絡する短絡回路を形成する。これにより、回転電機の出力を抑制して、バッテリ4の過充電を防止する。
【0013】
上記のように回転電機の回転軸をCVTを介してエンジンのクランク軸に結合するようにすると、エンジンの始動時に回転電機の出力トルクと、CVTの大きな減速比との積により決まる大きなトルクをクランク軸に伝達することができるため、回転電機2として、小形で、出力トルクが小さいものを用いてもエンジンの始動を行わせることができる。回転電機2として小形のものを用いることができるため、該回転電機を発電機として運転する際に発電機の出力が過大になるのを防ぐことができる。
【0014】
しかしながら、エンジンの回転速度に応じて減速比が変化するCVTは、構造が複雑で高価であるため、上記のような構成をとると、ハイブリッド自動二輪車としては、動力伝達装置がコストに占める割合が大きくなりすぎ、好ましくない。
【0015】
ハイブリッド自動二輪車に用いる動力伝達装置は、できるだけ構造が簡単でコストが安く、しかも小形に構成できるものであることが好ましい。
【0016】
車両用の回転電機に係わる従来技術としては、例えば特許文献1に示すように、回転電機の回転軸とエンジンのクランク軸との間に遊星歯車機構を介在させることにより、回転電機を始動用電動機とバッテリ充電用の発電機として運転することができるようにしたものがあるが、遊星歯車機構は複雑で高価であるため、簡便で安価であることを重視する二輪車用の変速機としては不向きである。
【0017】
また特許文献1に示された回転電機は、始動用電動機及びバッテリ充電用の発電機として運転することはできるが、エンジンをアシストするアシスト用の電動機として運転することはできない。
【0018】
【特許文献1】
特開2001−298900号公報
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1に示された従来の動力伝達装置は、構造が複雑で高価であるため、自動二輪車に用いる動力伝達装置としては不向きであった。
【0020】
また従来の動力伝達装置は、エンジンを始動した後、回転電機をもっぱら発電機として運転させるようにしていたため、バッテリの充電を行う必要がない状態でも回転電機がエンジンの負荷となるという問題があった。
【0021】
本発明の目的は、小形の回転電機と構造が簡単な動力伝達装置とを用いて、回転電機をエンジン始動用の電動機と、エンジンアシスト用の電動機と、バッテリ充電用の発電機との3つの形態で運転することができるようにしたハイブリッド自動二輪車を提供することにある。
【0022】
本発明の他の目的は、エンジンの始動時には回転電機の回転を大きな減速比をもってエンジンのクランク軸に伝達して、小形の回転電機でエンジンを始動することを可能にし、エンジンが始動した後は回転電機とエンジンのクランク軸との間を始動時よりも小さい減速比をもって結合して、回転電機をエンジンアシスト用の電動機として運転したり、バッテリ充電用発電機として運転したりすることを可能にするハイブリッド自動二輪車用の動力伝達装置を提供することにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】
本発明は、二輪車の駆動輪を駆動するエンジンと、発電機と電動機とに兼用される回転電機と、エンジンのクランク軸と回転電機の回転軸との間に設けられた動力伝達装置とを備え、回転電機は、エンジンの始動時にエンジンのクランク軸を駆動するスタータモータとして運転され、自動二輪車の運転時に必要に応じてエンジンをアシストするアシスト用モータとして運転され、また二輪車に搭載されたバッテリを充電する際にはエンジンを駆動源としてバッテリ充電用の発電機として運転されるハイブリッド自動二輪車に係わるものである。
【0024】
本発明においては、前記動力伝達装置が、第1の動力伝達部と、第2の動力伝達部とにより構成される。第1の動力伝達部は、回転電機の回転軸の回転を減速する減速機と回転電機側からエンジンのクランク軸側への動力の伝達のみを行わせるワンウェイクラッチとを備えて、回転電機の回転軸の回転を減速機とワンウェイクラッチとを通してエンジンのクランク軸に伝達するように構成される。また第2の動力伝達部は、動力伝達機構と電磁クラッチとを備えていて、動力伝達機構と電磁クラッチとを通して回転電機の回転軸とエンジンのクランク軸との間で動力の伝達を行うように構成される。
【0025】
上記第1の動力伝達部の減速機の減速比は、回転電機をエンジン始動用電動機として運転した際に該回転電機から前記エンジンのクランク軸に、クランキングを行うために必要なトルクを伝達するために必要な大きさ(例えば4:1)に設定される。
【0026】
また第2の動力伝達部の動力伝達機構は、回転電機側からみた減速比が第1の動力伝達部の減速機の減速比よりも小さくなるように構成される。
【0027】
なお上記「減速比」は、動力伝達機構の回転電機側の回転軸の回転速度N1と該動力伝達機構のエンジン側の回転軸の回転速度N2との比N1:N2である。
【0028】
即ち、第2の動力伝達部の動力伝達機構は、回転電機によりエンジンをアシストするときに回転電機の回転を第1の動力伝達部の減速機の減速比よりも小さい減速比で減速するか、若しくは増速するか、または減速も増速もすることなく(減速比1:1で)クランク軸に伝達するように構成される。
【0029】
本発明においてはまた、エンジンの始動時に電磁クラッチをオフ状態にし、エンジンが始動した後に必要に応じて電磁クラッチをオン状態にするように電磁クラッチを制御するコントローラが設けられる。
【0030】
上記のように構成すると、第1の動力伝達部の減速比を十分に大きく設定しておくことにより、小形の回転電機を用いてエンジンを始動することができる。 またエンジンが始動した後は、電磁クラッチをオン状態にして、第1の動力伝達部の減速機の減速比よりも減速比が小さい第2の動力伝達部を通して回転電機の回転をエンジンに伝達することができるため、該回転電機を電動機として運転することによりエンジンをアシストしたり、回転電機を発電機として動作させて、該回転電機の出力でバッテリを充電したりすることができる。
【0031】
上記のように、本発明によれば、回転電機を小形に構成することができるため、回転電機を発電機として動作させる際に、発電出力が過大になることがない。従って、回転電機の出力を短絡して電圧調整を行う際に、大きな短絡電流が流れるの防ぐことができ、電圧調整時の電機子コイルの温度上昇を抑えることができる。
【0032】
また本発明の好ましい態様においては、エンジンが始動した後回転電機を電動機として動作させてエンジンをアシストする際、及び回転電機を発電機として動作させて該発電機の出力によりバッテリを充電する際に電磁クラッチをオン状態にし、エンジンの運転中であっても回転電機によりエンジンをアシストする必要がなく、かつ回転電機によりバッテリを充電する必要がないときには電磁クラッチをオフ状態にするように電磁クラッチを制御するようにコントローラが構成される。
【0033】
このように、バッテリの充電が完了したときに電磁クラッチをオフ状態にして回転電機をエンジンから切り離すようにすると、回転電機の発電出力の調整を行う必要がなくなるため、回転電機の電機子コイルの温度が上昇するのを防ぐことができる。また上記のようにコントローラを構成すると、バッテリが満充電状態にあって、回転電機を電動機として動作させてエンジンをアシストする必要がないときに電磁クラッチをオフ状態にして回転電機をエンジンから切り離すことができるため、エンジンの燃費を節約することができる。またバッテリの満充電時に、エンジンの回転速度が回転電機の無負荷回転速度を超える範囲にあるときには、電磁クラッチをオフ状態にして回転電機をエンジンから切り離すことにより、エンジンの負荷を軽くすることができるため、エンジンの加速性能を向上させることができる。
【0034】
本発明はまた、二輪車の駆動輪を駆動するエンジンと、エンジンの始動時にエンジンのクランク軸を駆動するスタータモータとして運転され、自動二輪車の運転時に必要に応じてエンジンをアシストするアシスト用モータとして運転され、二輪車に搭載されたバッテリを充電する際にはエンジンを駆動源としてバッテリ充電用の発電機として運転される回転電機とを備えたハイブリッド自動二輪車のエンジンのクランク軸と回転電機の回転軸との間に設ける動力伝達装置に適用される。
【0035】
本発明に係わる動力伝達装置は、回転電機の回転軸の回転を減速する減速機と回転電機側からエンジンのクランク軸側への動力の伝達のみを行わせるワンウェイクラッチとを備えて、回転電機の回転軸の回転を減速機とワンウェイクラッチとを通してエンジンのクランク軸に伝達するように構成された第1の動力伝達部と、動力伝達機構と電磁クラッチとを通して回転電機の回転軸とエンジンのクランク軸との間で動力の伝達を行わせるように構成された第2の動力伝達部とを備えている。上記第2の動力伝達部の動力伝達機構は、回転電機側からみた減速比が第1の動力伝達部の減速機の減速比よりも小さくなる(減速比が1:1の場合、及び増速する場合を含む。)ように構成される。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照して本発明の実施形態を説明する。図1は本発明の第1の実施形態の構成を概略的に示したもので、同図において1はエンジン、2は回転電機である。
【0037】
回転電機2は、磁石界磁を備えた磁石回転子と、回転子の磁極に対向する磁極部を有する電機子鉄心に3相の電機子コイルLu,Lv及びLw(図2参照)を巻装して該3相の電機子コイルを星形結線した固定子とにより構成されている。
なお回転電機2は、アウタロータ形のものでもよく、インナーロータ形のものでもよい。
【0038】
4はバッテリで、バッテリ4の出力はインバータ5を通して回転電機2に供給されている。インバータ5は、例えば図2に示したように、オンオフ制御が可能な6個のスイッチ素子Qu,Qv,Qw,Qx,Qy及びQzを3相ブリッジ接続して構成したスイッチ素子のブリッジ回路と、該ブリッジ回路を構成するスイッチ素子Qu,Qv,Qw,Qx,Qy及びQzにそれぞれ逆並列接続された帰還用ダイオードDu,Dv,Dw,Dx,Dy及びDzとを備えた周知のブリッジ形のインバータで、該インバータ5の直流側端子5a,5b間にはコンデンサCaが接続されている。図示の例では、インバータを構成するスイッチ素子Qu,Qv,Qw,Qx,Qy及びQzとしてMOSFETが用いられ、これらのスイッチを構成するFETのドレインソース間に形成された寄生ダイオードが帰還用ダイオードDu,Dv,Dw,Dx,Dy及びDzとして用いられている。
【0039】
なおインバータに用いるスイッチ素子はFETに限られるものではなく、バイポーラトランジスタやIGBTなどでもよい。
【0040】
インバータ5の直流側端子5a,5b間にバッテリ4が接続され、該インバータ5の3相の交流側端子5u,5v及び5wにそれぞれ回転電機2の3相の電機子コイルLu,Lv及びLwから引き出された3相の端子が接続されている。
【0041】
7はマイクロプロセッサとインバータのドライブ回路とを備えたコントローラで、該コントローラ7のドライブ回路からインバータ5の6個のスイッチ素子Qu,Qv,Qw,Qx,Qy及びQzの制御端子(図示の例ではFETのゲート)に駆動信号(スイッチ素子をオン状態にするための信号)U,V,W,X,Y及びZが与えられるようになっている。
【0042】
コントローラ7には、回転電機2の回転子の磁石界磁の回転角度位置を検出する位置センサhu,hv及びhwの出力Hu,Hv及びHwと、アクセルグリップのポジションを検出するアクセルポジションセンサ6の出力とが入力されている。
【0043】
回転電機の回転子の磁石界磁の回転角度位置を検出する位置センサhu〜hwは、通常ホールICからなっていて、回転電機の3相の電機子コイルのそれぞれに対して設けられ、3相の位置センサhu〜hwは、3相の電機子コイルLu〜Lwに対してそれぞれ設定された所定の検出位置で図示しない回転子の磁極の極性を検出して、検出している磁極の極性に応じて高レベルまたは低レベルを示す矩形波状の位置検出信号Hu,Hv及びHwを出力する。
【0044】
コントローラ7は、回転電機を電動機として運転する際に、上記位置検出信号から、回転電機の回転子を所定の方向(エンジンを始動させる方向またはエンジンをアシストする方向)に回転させるために励磁する必要がある相(励磁相)を決定して、決定した励磁相の電機子コイルに駆動電流を流すべく、ドライブ回路からインバータ5の所定のスイッチ素子(オン状態にするスイッチ素子)に駆動信号を与える。
【0045】
アクセルポジションセンサ6はアクセルグリップに入力軸が連結されたポテンショメータからなっていて、アクセルポジションに比例した電気信号を発生する。コントローラ7は、回転電機を電動機として運転する際に、該電動機の電機子電流の平均値をアクセルポジションに見合った大きさとするように、インバータ5のブリッジの上辺または下辺を構成するスイッチ素子を所定のデューティ比でオンオフ制御して、バッテリ4からインバータ5を通して回転電機2に供給する駆動電流をPWM制御する。
【0046】
図1に示されているように、エンジン1のクランク軸1aと、回転電機2の回転軸2aとの間に、第1の動力伝達部10Aと、第2の動力伝達部10Bとからなる動力伝達装置10が設けられている。
【0047】
第1の動力伝達部10Aは、回転電機2の回転軸の回転を減速する減速機11と、回転電機2側からエンジン1のクランク軸側への動力の伝達のみを行わせるワンウェイクラッチ12とを備えていて、回転電機2の回転軸2aの回転を減速機11とワンウェイクラッチ12とを通してエンジン1のクランク1a軸に伝達するように構成されている。
【0048】
図示の減速機11は、回転電機2の回転軸2aに取りつけられた減速機用小平歯車11aと、エンジン1のクランク軸1aにワンウェイクラッチ12を介して連結されて小平歯車11aに噛み合わされた減速機用大平歯車11bとからなっている。
【0049】
また第2の動力伝達部10Bは、動力伝達機構13と、電磁クラッチ14とを備えていて、動力伝達機構13と電磁クラッチ14とを通して回転電機2の回転軸2aとエンジン1のクランク軸1aとの間で動力の伝達を行うように構成されている。
【0050】
図示の動力伝達機構13は、互いに噛み合わされた第1及び第2の平歯車13a及び13bからなっていて、第1の平歯車13aは、回転電機2の回転軸2aに電磁クラッチ14を介して連結された回転軸15に取りつけられている。また第2の平歯車13Bは、エンジン1のクランク軸1aに直結された回転軸16に取りつけられている。
【0051】
上記第2の動力伝達部10Bに設ける動力伝達機構13は、回転電機2側から見た減速比が第1の動力伝達部10Aの減速機11の減速比よりもちいさくなるように構成される。
【0052】
図示の例では、減速機11の減速比が4:1に設定され、動力伝達機構13の減速比が1:1に設定されている。
【0053】
電磁クラッチ14は、エンジンが停止している状態ではオフ状態にあり、回転電機2の回転軸2aと、動力伝達機構13との間の動力の伝達を断っている。
【0054】
コントローラ7は、回転電機2を電動機として動作させる際に前記のようにインバータ5を制御する手段の外に、更に、エンジン1の始動時に電磁クラッチ14をオフ状態に保ち、エンジン1が始動した後に必要に応じて電磁クラッチ14をオン状態にするように電磁クラッチ14を制御する電磁クラッチ制御手段を備えている。
【0055】
図3は、コントローラ7のマイクロプロセッサが、位置センサhu,hv及びhwを構成するホールICから順次出力される一連の出力Hu,Hv及びHwのそれぞれの立ち上がりまたは立下がりのレベルの切り替わりを検出する毎に実行する電磁クラッチ制御ルーチンの一例を示したものである。
【0056】
図3に示したアルゴリズムによる場合には、位置検出信号Hu,Hv及びHwの立ち上がりまたは立下がりのレベルの切り替わりが検出されると、図3のステップ1が実行され、前回のレベルの切り替わりが検出されてから、今回のレベルの切り替わりが検出されるまでの時間が、ホールIC切替時間T(回転電機の回転軸が120°回転するのに要した時間)として読み込まれる。次いでステップ2において時間Tから回転電機2の回転速度Nが演算され、ステップ3で回転速度Nがエンジンの始動が完了したことを判定するための判定回転速度Niと比較する。その結果、Ni>Nであると判定されたときには、ステップ4に進んでエンジンが未始動であると判定し、電磁クラッチ14をオフ状態のままにしてこのルーチンを終了する。またステップ3においてNi≦Nであると判定されたときには、ステップ5に移行してエンジンの始動が完了したと判定し、電磁クラッチ6をオン状態にする。
【0057】
コントローラ7はまた、二輪車に搭載されたバッテリの両端の電圧を目標値に保つようにインバータ5を制御する電圧調整手段を備えている。この電圧調整手段は、バッテリの電圧を検出して、その検出電圧が目標値より低く、かつ回転速度が無負荷回転速度以下のときにチョッパ制御またはドライブ制御を行ってバッテリの充電を行い、検出電圧が目標値より低く、回転速度が無負荷回転速度以上のときには、ドライブ制御を行ってバッテリの充電を行うか、または整流モード(インバータのすべてのスイッチ素子をオフ状態にするモード)でバッテリの充電を行う。上記電圧調整手段はまた、検出電圧が目標値より高く、かつ回転速度が無負荷回転速度以下であるときには、インバータのすべてのスイッチ素子をオフ状態にし、検出電圧が目標値よりも高く、かつ回転速度が無負荷回転速度を超えているときには、ドライブ制御または短絡制御を行って、バッテリの両端の電圧を目標値に保つように制御する。
【0058】
上記ドライブ制御は、磁石界磁回転形の回転電機において、電機子コイルの誘起電圧に対して所定の位相角を有する交流制御電圧をバッテリからインバータを通して電機子コイルに印加するように、インバータを構成する各スイッチ素子の駆動期間(スイッチ素子をオン状態にする期間)と非駆動期間(スイッチ素子をオフ状態にする期間)とを定めて、定められた駆動期間の間各スイッチ素子をオン状態にするための駆動信号を各スイッチ素子に与えるスイッチ制御装置を設けて、出力(回転電機の出力電圧または出力電流)対回転速度特性を所期の特性とするべく、電機子コイルの誘起電圧に対する交流制御電圧の位相を変化させる制御である。
【0059】
磁石界磁回転形の回転電機においては、電機子コイルの誘起電圧に対する交流制御電圧の位相を変化させることにより、電機子コイルに作用する磁界を制御することができるため、該回転電機が発電機として運転される際の出力対回転速度特性や入力トルク対回転速度特性などを適宜に変化させることができる。
【0060】
一般に電機子コイルの誘起電圧に対する交流制御電圧の位相を進み側に変化させると、回転電機の発電機としての出力を小さくしてバッテリの充電電流を小さくすることができ、該位相を遅角側に変化させると、発電機としての出力を増加させて、バッテリの充電電流を増加させることができる。
【0061】
従って、上記のドライブ制御を行うと、回転速度が回転電機の無負荷回転速度以下のときであっても、電機子コイルの誘起電圧に対する制御電圧の位相を遅れ側に変化させることにより、電機子コイルからバッテリに充電電流を供給することができ、回転速度が無負荷回転速度を超えていて、バッテリの電圧が目標値を超えているときには、電機子コイルの誘起電圧に対する制御電圧の位相を進み側に変化させることにより、バッテリの充電電流を抑制してバッテリの過充電を防ぐことができる。
【0062】
なお上記のドライブ制御は、特開平11−46456号に示されているように既に公知である。
【0063】
また上記チョッパ制御は、インバータのブリッジの下辺を構成するすべてのスイッチ素子Qx,Qy及びQzを同時にオンオフさせることにより、電機子コイルを流れる電流を断続させて、電機子コイルの誘起電圧を昇圧する制御である。回転速度が無負荷回転速度以下の状態でバッテリの両端の電圧が低く、その充電を必要としているときに、上記のようなチョッパ制御を行うと、回転速度が無負荷回転速度以下の状態でもバッテリを充電することができる。
【0064】
なお回転電機のチョッパ制御は、例えば特開昭59−35538号に示されているように既に公知である。
【0065】
また上記短絡制御は、エンジン1の回転速度が回転電機2の無負荷回転速度を超えている状態で、バッテリ4の両端の電圧が目標値を超えたときに、インバータのブリッジの下辺を構成するスイッチ素子Qx,Qy及びQzを同時にオン状態にしてこれらのスイッチ素子といずれかの帰還用ダイオードとを通して回転電機2の端子間を短絡し、バッテリ4の両端の電圧が目標値以下になったときにスイッチ素子Qx,Qy及びQzをオフ状態にして回転電機の端子間の短絡を解除するように、バッテリの両端の電圧に応じてインバータのブリッジの下辺のスイッチ素子Qx,Qy及びQzのオンオフを制御するものである。
【0066】
このような制御を行うことにより、回転速度が無負荷回転速度を超えている状態でバッテリに過大な電圧が印加されたり、過大な充電電流が流れたりするのを防いで、バッテリの両端の電圧を目標値に保つことができる。
【0067】
なおこのようにインバータを構成するスイッチ素子を制御して発電機からインバータ内の整流回路を通してバッテリに印加される電圧を調整する方法は既に公知である。
【0068】
コントローラは、エンジンの点火時期を制御したり、エンジンの燃料を供給するインジェクタからの燃料噴射量を制御したりする手段等、エンジンを動作させるために必要な各種の制御手段を更に備えているが、これらの手段は従来のものと同様であるので、その説明は省略する。
【0069】
図1に示したハイブリッド自動二輪車において、コントローラ7は、エンジン1の始動時に、図示しないキースイッチなどにより始動指令が与えられたときに電磁クラッチ14をオフ状態に保ったままの状態で回転電機2をスタータモータとして運転するようにインバータ5を制御する。
【0070】
回転電機2がスタータモータとして運転されると、回転電機2の出力トルクが図4に示す矢印Aのように、回転軸2A−平歯車11a−平歯車11b−ワンウェイクラッチ12−クランク軸1aの経路でエンジンのクランク軸に伝達される。これによりエンジンのクランキングが行われ、エンジンが始動させられる。
【0071】
エンジンを始動する際には、回転電機の出力トルクが減速機11の減速比倍に増幅されてクランク軸に伝達されるため、回転電機2として小形のものを用いても、エンジンのクランキングを支障なく行わせることができる。
【0072】
モータとして運転されている回転電機の回転速度が始動完了速度に達すると、図3の電磁クラッチ制御ルーチンにより電磁クラッチ14がオン状態にされる。電磁クラッチ14がオン状態にされると、回転電機2の回転軸が電磁クラッチ14を通して1:1の減速比を持つ動力伝達機構13に連結されるため、回転電機2の回転速度はエンジンの回転速度と同じになる。このときワンウェイクラッチ12がエンジン1側から減速機11への動力の伝達を断つため、エンジンから第1の動力伝達部10Aを通して回転電機の回転軸に動力が伝達されることはない。また回転電機の回転速度がエンジンの回転速度と減速機11の減速比との積により与えられる回転速度以下であれば、回転電機2から第1の動力伝達部10Aを通してエンジンに動力が伝達されることはない。
【0073】
この状態で回転電機2を電動機として運転すると、図5に矢印Bで示したように、回転軸2a−電磁クラッチ14−第2の動力伝達部10B−クランク軸1aの経路で回転電機2の出力トルクがエンジン1のクランク軸1aに伝達され、エンジンが回転電機によりアシストされる。この状態では、二輪車の駆動輪がエンジン1と回転電機2との双方により駆動される。
【0074】
このように、回転電機2をエンジンアシスト用の電動機として運転する際には、回転電機の出力トルクを増大させるように、回転電機の励磁相の切替位相を、位置検出器の出力Hu,Hv及びHwの出力により決まる理論的な切替位相よりも進ませる制御進み角制御を行わせるのが好ましい。
【0075】
上記のようにして電磁クラッチをオンにした状態で、バッテリの充電が必要なときには、図6に矢印Cで示したように、エンジン1の出力トルクが第2の動力伝達部10Bと電磁クラッチ14とを通して回転電機2の回転軸2aに伝達されるため、エンジン1が回転電機2を駆動する状態になり、回転電機2は発電機として運転されるようになる。
【0076】
このように、回転電機2が発電機として運転されるようになると、回転電機2の電機子コイルLu〜Lwからインバータ5内の帰還用ダイオードDu,Dv,Dw,Dx,Dy及びDzと、スイッチ素子Qu,Qv,Qw,Qx,Qy及びQzにより構成された回路を通してバッテリ4に充電電流が流れ、該バッテリ4が充電される。このようにバッテリ4を充電している状態で、バッテリ4の充電が完了してその両端の電圧が目標値を超え、バッテリ4の両端の電圧が目標値を超えると、コントローラ7がインバータ5のブリッジの下辺のスイッチ素子Qx〜Qzを同時にオン状態にして回転電機の出力を短絡する短絡制御を行うか、または前記ドライブ制御を行い、これによりバッテリ4の充電を停止させるかまたは抑制して、バッテリ4の過充電を防止する。
【0077】
上記の実施形態では、エンジンを始動した後、電磁クラッチ14を常時オン状態にするように電磁クラッチ制御手段を構成しているが、回転電機を電動機として動作させてエンジンをアシストする必要がないとき(例えば、運転者により回転電機によるエンジンのアシストを停止させる運転モードが選択されているとき)に、エンジンが回転電機を発電機として動作させる必要がない間電磁クラッチ14をオフ状態にし、バッテリの充電が必要なときには、回転電機を発電機として動作させるために電磁クラッチ14をオン状態にするように、電磁クラッチ制御手段を構成してもよい。このように電磁クラッチを制御する場合には、エンジンの始動が完了した時点で、回転電機を電動機として運転するためのインバータ5の制御を終了させる。
【0078】
またエンジン1により回転電機2を駆動して該回転電機を発電機として運転している状態で、バッテリ4の充電が完了してその両端の電圧が目標値以上になったとき(回転電機2を発電機として運転する必要がなくなったとき)に電磁クラッチ14をオフ状態にし、バッテリ4が放電してその両端の電圧が目標値未満になったときに電磁クラッチ14をオン状態にして回転電機を発電機として運転するように、バッテリ4の両端の電圧に応じて電磁クラッチ14をオンオフ制御するように電磁クラッチ制御手段を構成してもよい。このように構成した場合には、コントローラ7による電圧調整を省略することができる。また電磁クラッチ14をオフ状態にしている間は、エンジン1から回転電機を切り離すことができるため、エンジンの負荷を軽くして加速性能を向上させることができる。
【0079】
また、回転電機を発電機として運転する回転速度領域で、加速性能を必要とする状況が検出されたときに、電磁クラッチ14をオフ状態にしてエンジンの負荷を軽くするように、エンジンの運転状況に応じて電磁クラッチ14をオンオフ制御するように電磁クラッチ制御手段を構成することもできる。
【0080】
図1に示した例では、ワンウェイクラッチ12をエンジン側に設けているが、回転電機2側、例えば回転電機の回転軸2aと平歯車11aとの間に、回転電機側からエンジン側への動力の伝達のみを行うワンウェイクラッチを設けてもよい。
【0081】
本発明に係わる動力伝達装置10の具体的な構成例を図7に示した。図7において20はエンジンのクランクケースの接続されたフレームで、フレーム20に機構カバー21が適宜の手段により固定され、フレーム20と機構カバー21とにより動力伝達装置の機構ケース22が構成されている。
【0082】
フレーム20に軸受け23を介してクランク軸1aの先端が支持され、該クランク軸の先端が機構ケース22内に導入されている。フレーム20にはまた、回転電機2のハウジング24が取りつけられ、ハウジング24の端部に軸受け25を介して支持された回転電機の回転軸2aの先端がフレーム20を通して機構ケース22内に導入されている。
【0083】
機構ケース22内に導入された回転軸2aのフレーム20寄りの部分に小平歯車11aが固定され、クランク軸1aのフレーム20寄りの部分に軸受け26を介して大平歯車11bが、クランク軸1aに対して回転自在に取りつけられている。小平歯車11aと大平歯車11bとが噛み合わされ、これらの平歯車により回転電機2側から見た減速比が4:1の減速機11が構成されている。
【0084】
またクランク軸1aの先端に平歯車13bが固定され、平歯車11bのボス部11b1と、平歯車13bとがワンウェイクラッチ12を介して連結されている。ワンウェイクラッチ12は、平歯車11b側から平歯車13b側への動力の伝達のみを行い、平歯車13bから平歯車11bへの動力の伝達は行わないように構成されている。ワンウェイクラッチ12としては、公知のものを用いることができる。
【0085】
回転電機の回転軸2aの先端には、平歯車13bと歯数が等しい平歯車13aが軸受け27を介して取りつけられ、平歯車13a及び13bが噛み合わされて動力伝達機構13が構成されている。
【0086】
回転軸2aの先端にはまた電磁クラッチのロータ14aが僅かにスラスト可能な状態で取りつけられ、平歯車13aの端面に固定されたアーマチュア14bがロータ14aに対向させられている。またロータ14aに対向するカバー21の内面に電磁コイル14cが巻装されたステータ鉄心14dが固定され、ステータ鉄心14dに形成された磁極部がロータ14aに対向させられている。ロータ14aと、アーマチュア14bと、電磁コイル14cと、ステータ鉄心14dとにより電磁クラッチ14が構成されている。
【0087】
この電磁クラッチにおいては、電磁コイル14cが非励磁状態にあるときにロータ14aがアーマチュア14bに吸着されない状態にある。このとき、ロータ14aは、アーマチュア14bにより拘束されない状態にあり、電磁クラッチ14はオフ状態にある。電磁コイル14cが励磁されると、電磁コイル14cから生じる磁束がステータ鉄心とロータ14aとアーマチュア14bとを通して流れるため、ロータ14aがアーマチュア14bに吸着され、電磁クラッチ14がオン状態になる。
【0088】
図7に示した動力伝達装置において、電磁クラッチ14がオフ状態にあるときには、回転軸2aと歯車13aとの間の動力の伝達が断たれるため、回転軸2aは第2の動力伝達部10Bから切り離された状態にある。この状態で回転電機2を電動機として運転すると、その出力トルクが回転軸2aから歯車11a,11bとワンウェイクラッチ12とを通してクランク軸1aに伝達される。
【0089】
また電磁クラッチ14がオン状態にされると、回転軸2aが歯車13aに結合されるため、回転電機2の出力トルクが第2の動力伝達部10Bを通してクランク軸1aに伝達される。
【0090】
上記の実施形態では、第2の動力伝達部10Bの動力伝達機構の回転電機側から見た減速比を1:1としたが、該動力伝達機構の回転電機側から見た減速比は、第1の動力伝達部の減速機の減速比よりも十分に小さければよく、必ずしも1:1でなくてもよい。
【0091】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、回転電機の回転軸とエンジンのクランク軸との間に設ける動力伝達装置を、回転電機の回転を減速する減速機と回転電機側からクランク軸側への動力の伝達のみを行わせるワンウェイクラッチとを備えた第1の動力伝達部と、回転電機側から見た減速比が第1の動力伝達部の減速機の減速比よりも小さい動力伝達機構と始動時にオフ状態に保たれる電磁クラッチとを通して回転電機の回転軸とエンジンのクランク軸との間で動力の伝達を行う第2の動力伝達部とにより構成したので、第1の動力伝達部の減速比を十分に大きく設定しておくことにより、小形の回転電機を用いてエンジンを始動することができる。
【0092】
また本発明によれば、エンジンが始動した後は、電磁クラッチをオン状態にして第1の動力伝達部の減速機よりも減速比が小さい第2の動力伝達部を通して回転電機の回転をエンジンに伝達することができるため、該回転電機を電動機として運転することによりエンジンをアシストしたり、回転電機を発電機として動作させて、該回転電機の出力でバッテリを充電したりすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わるハイブリッド自動二輪車の構成を概略的に示した構成図である。
【図2】図1に示したインバータの具体的な構成例を示した回路図である。
【図3】図1に示したコントローラのマイクロプロセッサが電磁クラッチを制御するために実行するタスクのアルゴリズムを示したフローチャートである。
【図4】図1に示したハイブリッド車両において回転電機をエンジン始動用電動機として動作させる際の動力の伝達経路を説明する説明図である。
【図5】図1に示したハイブリッド車両において回転電機をエンジンアシスト用の電動機として運転する際の動力の伝達経路を説明する説明図である。
【図6】図1に示したハイブリッド車両において回転電機を発電機として動作させる際の動力の伝達経路を説明する説明図である。
【図7】本発明で用いる動力伝達装置の具体的な構成例を示した断面図である。
【図8】エンジンを始動する際及びエンジンをアシストする際に回転電機に要求される回転速度対出力トルク特性を示したグラフである。
【図9】既提案のハイブリッド車両の構成を概略的に示した構成図である。
【符号の説明】
1:エンジン、2:回転電機、4:バッテリ、5:インバータ、7:コントローラ、10:動力伝達装置、10A:第1の動力伝達部、10B:第2の動力伝達部、11:減速機、12:ワンウェイクラッチ、13:動力伝達機構、14:電磁クラッチ。

Claims (3)

  1. 二輪車の駆動輪を駆動するエンジンと、発電機と電動機とに兼用される回転電機と、前記エンジンのクランク軸と前記回転電機の回転軸との間に設けられた動力伝達装置とを備え、前記回転電機は、前記エンジンの始動時に前記エンジンのクランク軸を駆動するスタータモータとして運転され、前記自動二輪車の運転時に必要に応じて前記エンジンをアシストするアシスト用モータとして運転され、前記二輪車に搭載されたバッテリを充電する際には前記エンジンを駆動源としてバッテリ充電用の発電機として運転されるハイブリッド自動二輪車であって、
    前記動力伝達装置は、
    前記回転電機の回転軸の回転を減速する減速機と前記回転電機側から前記エンジンのクランク軸側への動力の伝達のみを行わせるワンウェイクラッチとを備えて、前記回転電機の回転軸の回転を前記減速機とワンウェイクラッチとを通して前記エンジンのクランク軸に伝達するように構成された第1の動力伝達部と、
    動力伝達機構と電磁クラッチとを備えていて、前記動力伝達機構と電磁クラッチとを通して前記回転電機の回転軸と前記エンジンのクランク軸との間で動力の伝達を行うように設けられた第2の動力伝達部と、
    前記エンジンの始動時に前記電磁クラッチをオフ状態にし、前記エンジンが始動した後に必要に応じて前記電磁クラッチをオン状態にするように前記電磁クラッチを制御するコントローラとを具備し、
    前記第2の動力伝達部の動力伝達機構は、前記回転電機側からみた減速比が前記第1の動力伝達部の減速機の減速比よりも小さくなるように構成されているハイブリッド自動二輪車。
  2. 前記コントローラは、前記エンジンが始動した後前記回転電機を電動機として動作させて前記エンジンをアシストする際、及び前記回転電機を発電機として動作させて該発電機の出力によりバッテリを充電する際に前記電磁クラッチをオン状態にし、前記エンジンが運転中であっても前記回転電機により前記エンジンをアシストする必要がなく、前記回転電機によりバッテリを充電する必要がないときには前記電磁クラッチをオフ状態にするように前記電磁クラッチを制御するように構成されている請求項1に記載のハイブリッド自動二輪車。
  3. 二輪車の駆動輪を駆動するエンジンと、前記エンジンの始動時に前記エンジンのクランク軸を駆動するスタータモータとして運転され、前記自動二輪車の運転時に必要に応じて前記エンジンをアシストするアシスト用モータとして運転され、前記二輪車に搭載されたバッテリを充電する際には前記エンジンを駆動源としてバッテリ充電用の発電機として運転される回転電機とを備えたハイブリッド自動二輪車の前記エンジンのクランク軸と前記回転電機の回転軸との間に設ける動力伝達装置であって、
    前記回転電機の回転軸の回転を減速する減速機と前記回転電機側から前記エンジンのクランク軸側への動力の伝達のみを行わせるワンウェイクラッチとを備えて、前記回転電機の回転軸の回転を前記減速機とワンウェイクラッチとを通して前記エンジンのクランク軸に伝達するように構成された第1の動力伝達部と、
    動力伝達機構と電磁クラッチとを通して前記回転電機の回転軸と前記エンジンのクランク軸との間で動力の伝達を行わせるように構成された第2の動力伝達部とを具備し、
    前記第2の動力伝達部の動力伝達機構は、前記回転電機側からみた減速比が前記第1の動力伝達部の減速機の減速比よりも小さくなるように構成されているハイブリッド自動二輪車用動力伝達装置。
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