JP2004320861A - 車両用3相電動発電機の制御装置 - Google Patents

車両用3相電動発電機の制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】PWM制御方式を廃止し、3相インバータにおいて電流の通電角と進相角を制御することにより、MOSトランジスタと制御回路を低コスト化し、安価な3相電動発電機の制御装置を提供する。
【解決手段】回転位置検出センサ16a〜16cの情報により、車両用3相電動発電機の電機子巻線4a〜4cと直流電源13との間に介在するスイッチング手段6a〜6fの駆動方法として120度通電角制御方式または180度通電角制御方式を選択する簡易な構成としている。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両に搭載される車両用3相電動発電機の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動アイドルストップ後の再始動のために、オルタネータにインバータを接続し再始動時のみ電動機として作動させる考え方がある。
インバータは通常インバータから電動機に流れる3相電流を検出して所定電流以上流れないようにMOSトランジスタをPWM制御して、始動動作中の極低回転時の過電流によりMOSトランジスタが過熱して破壊することから防止するようにしている。
特許文献1には、3相電動発電機の制御に関して、PWM制御により始動中、過電流が流れないよう電機子巻線に流れる電流を一定に保ち、かつ、始動期間中は120度通電方式とし、始動以外の電動時及び発電時には180度通電方式を選択することが開示されている。これは、電流一定という条件下では180度通電方式よりも120度通電方式の方が3相電動発電機の出力トルクが大きいとの知見に基づいた方法である。
【0003】
また、その他の方法としては、一般車の自動アイドルストップでは、電源として12Vを使用するため高電圧を使用するハイブリッド車ほど大電流は流れない。従って、電流検出とフイードバック制御によるPWM制御を行わない方法も原理的には考えられる。
【0004】
【特許文献1】
特開平8−116699号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のように3相電動発電機の始動動作時は120度通電方式とし、始動以外の電動時及び発電時には180度通電方式とするためには、インバータをPWM制御して3相電動発電機に流れる電流を一定値に制御する必要がある。そのためには、電流値検出のための電流センサとフイードバックによるPWM制御回路が必要となるのでコストが高くなるという問題がある。
また、電源として12Vを使用する一般車等でPWM制御を廃止してコスト抑制を図る方法については、電流センサとPWM制御回路が不要になるという利点があるものの、一方、3相電動発電機に流れる電流はバッテリの充電状態や3相電動発電機のステータ抵抗の温度変化により異なってくる。
従って、MOSトランジスタの最大電流容量や最大許容損失は、最も厳しい条件である「バッテリは満充電されている。」と「電動発電機の使用温度は最も低い温度」で選定する必要があり、通常の使用状態にくらべ過大定格となりコストアップの要因となるという問題がある。
【0006】
そこで、本発明においては、3相電動発電機に流れる電流の最大値を制限するPWM制御方式を廃止し、3相インバータにおいて3相電動発電機を作動させる電流の通電角と進相角を制御することでMOSトランジスタの最大電流容量や最大許容損失を低減してMOSトランジスタと制御回路を低コスト化し、安価な3相電動発電機の制御装置を提供することを課題としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために本発明の請求項1の車両用3相電動発電機の制御装置は、車両用3相電動発電機の電機子巻線と直流電源との間に介在し、スイッチング手段の断続により、前記電機子巻線に交流を供給する3相インバータにおいて、前記スイッチング手段を電気角で略180度区間通電駆動する180度通電角制御方式および電気角で略120度区間通電駆動する120度通電角制御方式の2つの通電方式と、始動時に前記スイッチング手段に流れる電流を推定する電流推定手段を備え、前記3相電動発電機による始動動作中、前記電流推定手段により電流が所定値より大きく流れると推定した時は前記120度通電角制御方式を選択し、前記電流推定手段により電流が所定値より小さく流れると推定した時は前記180度通電角制御方式を選択する構成としている。
【0008】
また、請求項2の発明は、請求項1に記載された車両用3相電動発電機の制御装置において、アイドルストップ後の車両用3相電動発電機の起動時の通電角は、初期値として前記120度通電角制御方式に設定されていることを特徴としている。
【0009】
請求項1及び請求項2に記載の車両用3相電動発電機の制御装置では、起動時の通電角は、初期値として120度通電を設定しておき、起動時を除く始動動作中は、電流推定手段により電流が所定値より大きく流れると推定した時は120度通電角制御方式でスイッチング手段であるMOSトランジスタを駆動し、電流が所定値より小さく流れると推定した時は180度通電角制御方式でMOSトランジスタを駆動する。
ここで、始動動作中120度通電角制御方式と180度通電角制御方式を電流値により使い分ける理由を以下に述べる。
例えば、電機子巻線に電流を供給する3相インバータを介して3相電動発電機を制御する場合を考えて、
バッテリ起電圧:12V
バッテリの電源インピーダンス:10mΩ(バッテリの内部抵抗、ハーネスを含む)
ステータコイル1相分抵抗値:10mΩ
MOSトランジスタのON抵抗値:2mΩ
とすると、3相インバータのMOSトランジスタに流れる電流は次のようになる。
120度通電時:電源からみてステータコイルが直列に接続された状態になる(図10参照)。
12V/(0.01+(0.01×2)+(0.002×2))Ω=352A
180度通電時:電源からみてステータコイルの片側が並列に接続された状態になる(図11参照)。
12V/(0.01+(0.01×1.5)+(0.002×1.5))Ω=428A
すなわち、ステータコイルに印加される実効電圧を有効に使うために、起動時を含めて180度通電とすると、逆起電力のない起動時には428A流れることとなる。
一方、120度通電とした場合は、352Aである。
従って、180度通電では120度通電に比較して電流で1.22倍、損失(MOSトランジスタでの発熱量に関係する。)で約1.5倍となり、それだけ最大電流容量や最大許容損失の大きなMOSトランジスタを選択することが必要となる。
さらに、低温時のステータコイルの抵抗値が低い時など最悪条件を考慮するとその差はさらに大きくなる。
一方、起動時は逆起電圧がない状態で大電流が流れるのであるが、発生トルクの面から考えると上記の電流は必要とされる電流値よりかなり大きい。
例えば、上記の例では、必要トルクからの電流値は250A程度である。
従って、起動時の通電角の初期値としては、120度通電を選択しておき、起動状態を脱した始動状態においてはスイッチング手段に流れる電流値に基づいて180度通電あるいは120度通電を選択する。そして、電動発電機が起動して過電流が流れないような回転域に達したら、出力パワーを優先した180度通電に切り替える。
以上の構成とすることで、PMW制御を用いず、かつ、120度通電角制御と180度通電角制御を電流値により使い分け、MOSトランジスタに必要とされる定格を低く抑えながら、12V〜36Vといった比較的低い車両電源電圧を使用する3相インバータ制御の電動発電機において、高い出力パワーと短時間始動が可能となる。
【0010】
請求項3及び請求項4の発明は、請求項1に記載された車両用3相電動発電機の制御装置において、電流推定手段は、スイッチング手段の駆動パルス幅あるいは3相電動発電機の回転数に基づき判定する。
前記駆動パルス幅が所定値以上のとき、あるいは前記回転数が所定回転数以下では120度通電角制御方式に切替え、前記駆動パルス幅が所定値以下のとき、あるいは前記回転数が所定回転数以上では180度通電角制御方式に切替えることを特徴とする。
【0011】
請求項5の発明は、請求項1に記載された車両用3相電動発電機の制御装置において、電流推定手段は、始動時に回転ロック状態が解除されたことに基づいて判定し、始動開始から3相電動発電機の回転角度を検出する回転角度検出手段を持ち、始動開始から所定の回転角度を超えた時に、120度通電角制御方式から180度通電角制御方式への切替えをすることを特徴とする。
【0012】
また、請求項6に記載の前記回転角度検出手段は、請求項5に記載された車両用3相電動発電機の制御装置において、前記回転位置検出センサ出力のパルス数をカウントし、所定回転数カウントしたことを検出して、180度通電角制御方式に切替えることを特徴としている。
【0013】
請求項7では、請求項6に記載された車両用3相電動発電機の制御装置において、始動開始した後も、前記回転位置検出センサ出力のパルス幅が所定値以上になったことを検出した場合は、120度通電角制御方式に戻すことを特徴としている。
本発明によれば、起動して180度通電角制御方式に切替えられた後、シリンダの上死点を載り越すことができなくなり、エンストした場合は特定のMOSトランジスタに電流が集中することになる。
そこで、回転センサのパルス幅を監視していて120度通電角制御方式に戻すことによりインバータのMOSトランジスタに流れる電流を180度通電時の約75%に減らすことができるという効果がある。
【0014】
請求項8では、請求項1〜請求項7に記載された車両用3相電動発電機の制御装置において、前記回転位置検出センサの出力信号は、各相とも前記回転位置検出センサに誘起された電圧をもとにデジタル変換された電気角180度の矩形波信号であり、前記3相電動発電機の回転にともないそれぞれ位相差120度のずれをもって、各相が順に発生する。前記120度通電角駆動信号は、前記回転位置検出センサ出力である180度矩形波信号の後半の120度とすることを特徴としている。
請求項8の発明では、起動時の120度通電角駆動信号の位相を180度通電角駆動信号に対してパルス幅の中心値換算で30度遅れるように設定しているので前記電機子巻線に誘起される線間電圧に対しては進相角0度となり、起動時の進相角としては最適で高い出力パワーを得ることができる。
【0015】
請求項9では、請求項8記載の車両用3相電動発電機の制御装置において、前記120度通電角駆動信号は、120度進んだ隣接相の前記回転位置検出センサの出力信号と自相の前記回転位置検出センサの出力信号とで生成することを特徴としている。
【0016】
請求項10では、請求項1〜7記載の車両用3相電動発電機の制御装置において、前記3相インバータの始動動作は、他の車載装置からの外部信号である始動指令で作動し、該始動指令が所定時間以上継続、またはMOSトランジスタ駆動信号のパルス幅が所定時間以上継続する時は、前記3相インバータの電動動作を中止し、発電動作に切り替えることとしている。
エンジンが停止したままの状態の時は、特定のMOSトランジスタに電流が流れ続ける状態となり温度が上昇して破損の恐れがあるので、同一相に通電したまま所定時間以上停止した場合は、通電を遮断して故障を未然に防止している。
【0017】
請求項11では、請求項4記載の車両用3相電動発電機の制御装置において、前記所定回転数は、始動時に最初のエンジン上死点を超える時の回転数以下に設定することを特徴としている。
【0018】
請求項12では、請求項1〜11記載の車両用3相電動発電機の制御装置において、エンジン始動中に前記3相電動発電機の前記回転数が所定回転数を超えた時の180度通電角駆動信号は、120度遅れた隣接相の前記回転位置検出センサの出力信号を反転した信号とすることを特徴とする。
始動動作中、3相電動発電機の回転数が上昇した時に電動機としての出力トルクを高めておくには、回転上昇に伴い180度通電角駆動信号の位相を進ませる必要がある。請求項12の発明では、図6に示すように電動機としての回転数が約800回転で進相角60度の180度通電角駆動信号に切り替える構成としていて、その進相角60度の180度通電角駆動信号は、上記のように隣接相の回転位置検出センサの出力信号から作成している。
【0019】
【発明の実施の形態】以下に図面に基づいて本発明の車両用3相電動発電機の制御装置の実施の形態について実施例により説明する。
【実施例】
図1は、本発明の車両用3相電動発電機の制御装置の全体構成を示すものである。
図1において、本実施例の車両用3相電動発電機の制御装置1は、界磁巻線2aを有するロータ2、電機子巻線4a、4b、4cを有する電機子4(図示せず)、電機子巻線4a、4b、4cに流す電流をコントロールするスイッチング手段であるMOSトランジスタ6a〜6f、MOSトランジスタ製造時に生成される寄生整流用ダイオード、ロータ2と同一の回転軸に設けられロータ2と一体に回転するセンサ磁極15とセンサ磁極15の磁束の変化を検出して電圧を誘起し、ロータ2と電機子巻線4a、4b、4cとの相対的な回転位置を検出する回転位置検出センサ16a、16b、16c、この回転位置検出センサの出力をデジタル変換するデジタル変換回路7、インバータを構成しているMOSトランジスタ6a〜6fを制御するインバータ制御装置9、及び励磁電流制御用MOSトランジスタ11を制御している制御装置10、で構成されている。
【0020】
ロータ2は、界磁巻線2aが励磁電流制御用MOSトランジスタ11を介して流れる電流により界磁として働く。そしてエンジン(図示せず)とは双方向の動力伝達系で連結されており、3相電動発電機が電動モードとして機能する時はエンジンに回転動力が伝達される。エンジンの回転数が上昇し発電モードとして機能する時はエンジンの回転動力を受けて回転駆動される。
電機子巻線4a、4b、4cは、図1に示すようにY結線されていて、ロータ2の回転にともなって電機子巻線4a、4b、4cの順に電気角で120度の位相差を持った誘起相電圧が発生する。
【0021】
スイッチング手段である6個のMOSトランジスタ6a〜6fは、インバータ制御装置9からの指示に基づいてONあるいはOFFのスイッチング操作を行うことでバッテリ13から電機子巻線4a、4b、4cに通電する電流を通電角と位相の面から制御して本発明の120度通電あるいは180度通電を行う。
【0022】
3個の回転位置検出センサ16a〜16cは、センサ磁極15の回転に伴い各回転位置検出センサに順に電圧が発生する。そして、電機子巻線4a〜4cに対してそれぞれ同位相となる位置に配置している。すなわち、電機子巻線4aに対して回転位置検出センサ16aを、電機子巻線4bに対して回転位置検出センサ16bを、電機子巻線4cに対して回転位置検出センサ16cを電気角で120度間隔で配置している。
電機子巻線4a〜4cに誘起される電圧と回転位置検出センサ16a〜16cに誘起される電圧の位相関係は、本実施例では次のように設定されている。
すなわち、ロータ2の回転に伴って電機子巻線に誘起される誘起線間電圧の位相に対して回転位置検出センサ出力の位相は30度進んだ状態となるように回転位置検出センサ16a〜16cが取り付けられている。
これは、電動モードの時、3相電動発電機を最大トルクで動作させるためには、回転数が上昇するとともに駆動信号の位相を進角させる必要があるが、通常は特定の回転数で最大トルクが得られるように設定し、全域をカバーする方法が取られる。
そして、その回転数としては、始動中の全回転域でのトルク発生と、始動時にエンジンのシリンダ内の空気を圧縮して上死点を載り越すときの回転数近傍で特に出力パワーが出るように200rpm付近が選定されている。そして、この回転数に該当する進相角が30度であるため、回転位置検出センサは電機子巻線に誘起される誘起線間電圧に対して30度進んだ出力が得られるような位置に取り付けられている。これにより、始動中インバータの各MOSトランジスタの駆動は回転位置検出センサのデジタル変換出力の論理に従いON/OFFするだけでよく、簡易な構成となる。
図2に電機子巻線に誘起される誘起線間電圧(E)と回転位置検出センサ出力(U)の位相関係が示されていて回転位置検出センサ出力(U)の位相が誘起線間電圧(E)に対し30度進んでいることがわかる。
なお、回転位置検出センサとしては、ホール素子を用いた磁気センサ等が使われている。
【0023】
デジタル変換回路7は、増幅器及びデジタル変換回路で構成されていて、回転位置検出センサ16a、16b、16cの出力であるアナログ信号(図2のセンサ出力U、V、W)を入力し増幅した後、デジタル信号(図2のセンサ出力U、V、W)に変換してインバータ制御装置9に送り出す。
【0024】
インバータ制御装置9は、図5及び図6に示すように、120度通電角信号生成回路9a、180度通電角信号生成回路9b、通電角切替回路9c、MOSドライブ回路9d、回転数検出手段9e、進相角切替回路9f、及びインバータ回路9gより構成される。
デジタル変換回路7からインバータ制御装置9に入力した回転位置検出センサ出力のデジタル変換された信号(例えば、図2のセンサ出力U、V、W)は、120度通電角信号生成回路9a及び180度通電角信号生成回路9bで電気角及び位相の処理がなされ、120度通電角信号及び180度通電角信号はそれぞれ通電角切替回路9cに送られる。
通電角切替回路9cでは、回転数検出手段9eの判定に基づいて120度通電角信号あるいは180度通電角信号を選択する。MOSドライブ回路9dでは通電角切替回路9cからのU相、V相、W相の通電角信号を受けてMOSトランジスタ6a〜6fを駆動するための信号を作成し、出力する。
【0025】
制御装置10は、バッテリ13の電圧を検出するS端子、Keyスイッチ17を介してバッテリ13に接続しているIG端子、インバータ制御装置9にECU18からの始動指令を伝えるK端子、及びECU18に接続されていてECU18から電動モードあるいは発電モードの指令を受けるC端子から構成されている。
【0026】
次に、本発明に係わる120度通電角信号及び180度通電角信号の生成について、本実施例に基づき説明する。
120度通電角信号は、請求項8に対応するもので図5に示されている120度通電角信号生成回路9aで生成される。回転位置検出センサ出力のデジタル変換後の信号入力、すなわち、U、V、Wに対してそれぞれ論理回路が設けられている。
ここで、U相の120度通電角信号について説明すると、図3に示されている図で自相であるU信号とW信号を図5に示すように論理回路に入力するとW信号が反転された後、論理積出力として図3に示すUG120のデジタル信号が出力される。
UG120は通電角が120度で、位相はUに対して−30度であり、先に述べたように起動時の駆動信号としては最適である。
V相及びW相の120度通電角信号も同様に図5の論理回路で生成される。
【0027】
次に、180度通電角信号の場合は、本発明ではMG回転数800rpmを境に進相角を変えている。MG回転数100〜800rpmでは進相角0度、800rpm以上は進相角+60度としている。
180度通電角信号は、インバータ制御装置9内に構成されている図6の回路により生成される。
図6の回路において、回転位置検出センサ出力のデジタル変換後の信号、U、V、Wが入力する。切替信号が進相角0度を選択しているときは、進相角0度切替回路9fがONとなり、進相角60度切替回路9gがOFFとなって進相角0度の入力信号U、V、Wはそのまま出力される。
進相角60度が選択されている時は進相角0度切替回路9fはOFFとなり、進相角60度切替回路9gがONとなるので入力信号U、V、Wはインバータ回路9hを通り進相角60度、通電角180度の信号に加工された後、進相角60度切替回路9gを通って出力される。
インバータ回路9hでは、入力信号VがU相のインバータ回路に入力し、反転しU相の出力信号となる。
この入力信号と出力信号の関係は、図4に示されており、例えば、U相の場合は入力信号はセンサ出力Vであり、生成された出力信号はUG2180である。
V相、W相についても、同様に入力信号Wから出力信号VG2180が生成され、入力信号Uから出力信号WG2180が生成される。
【0028】
図2は、本発明の電機子巻線に誘起される誘起線間電圧、回転位置検出センサ出力とMOSトランジスタの駆動信号の通電角と位相の関係を示している。
例えばU相について見てみると、電機子巻線に誘起される誘起線間電圧(E)に対して、回転位置検出センサ出力(U)は30度進んでいる(図2のδ1)。
MOSトランジスタの駆動信号である120度通電角信号(UG120)は、回転位置検出センサ出力(U)に対しては、30度遅れている(図2のδ2)。これは、電機子巻線に誘起される誘起線間電圧(E)に対しては、進相角0度ということであり起動時のMOSトランジスタの駆動信号としては、最適条件である。
低速回転時の180度通電角信号(UG1180)は、回転位置検出センサ出力(U)に対しては、進相角0度となっている(図2のδ3)。
また、高速回転時の180度通電角信号(UG2180)は、回転位置検出センサ出力(U)に対しては、進相角60度となっている(図2のδ4)。
なお、低速回転時とは、図7の進相角と回転数の関係に示すようにMG回転数で約100〜800(rpm)とし、高速回転時とは、800(rpm)以上としている。
【0029】
図8は、始動時のエンジン回転数の推移を示すもので、120度通電角駆動信号と180度通電角駆動信号の切替回転数は、初回上死点乗越え回転数であるN1点(100rpm程度)以下に設定されている。
【0030】
図9は、始動中のエンジン回転数と電動トルクの関係を示すもので、本実施例の電動トルクは実線で表されている。一方、従来のPMW電流制御による電動トルクは起動時にP点にあり、本発明の3相電動発電機の制御装置によれば特に起動時に高い電動トルクを得ることができる。
【0031】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の車両用3相電動発電機の制御装置は、PMW制御を用いないで、MG回転数およびMOSトランジスタの駆動信号の情報をもとに電動発電機の起動時及び始動中の制御を行う簡易な構成としたので、起動時の過電流を抑制しインバータを低コスト化できるとともに、始動中の電動機出力を高く保ちながら起動する効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の車両用3相電動発電機の制御装置の全体構成図である。
【図2】本発明の電機子巻線誘起電圧、回転位置検出センサ出力、120度通電角信号及び180度通電角信号の説明図である。
【図3】本実施例の120度通電角(進相角ー30度)信号の生成方法説明図である。
【図4】本実施例の180度通電角(進相角60度)信号の生成方法説明図である。
【図5】本実施例のインバータ制御装置の説明図である。
【図6】本実施例の180度通電角信号の生成回路図である。
【図7】本実施例の始動時の回転数と進相角及び通電角の関係図である。
【図8】本実施例の始動中のエンジン回転数の推移と通電角切替回転数の説明図である。
【図9】本実施例のエンジン回転数−電動トルクのグラフである。
【図10】120度通電角制御方式の説明図である。
【図11】180度通電角制御方式の説明図である。
【符号の説明】
1:車両用3相電動発電機の制御装置 9a:120度通電角信号生成回路
2:ロータ 9b:180度通電角信号生成回路
2a:界磁巻線 9c:通電角切替回路
4a、4b、4c:電機子巻線 9d:MOSドライブ回路
6a〜6f:MOSトランジスタ 9e:回転数検出手段
7:デジタル変換器 9f:進相角0度切替回路
9:インバータ制御装置 9g:進相角60度切替回路
10:制御装置 9h:インバータ回路
11:励磁電流制御MOSトランジスタ
13:バッテリ
14:電気負荷
15:センサ磁極
16:回転位置検出センサ
17:Keyスイッチ
18:アイドルストップを指令するECU

Claims (12)

  1. 車両用3相電動発電機の電機子巻線と直流電源との間に介在し、スイッチング手段の断続により、前記電機子巻線に交流を供給する3相インバータにおいて、
    前記スイッチング手段を電気角で略180度区間通電駆動する180度通電角制御方式および電気角で略120度区間通電駆動する120度通電角制御方式の2つの通電方式と、始動時に前記スイッチング手段に流れる電流を推定する電流推定手段を備え、前記3相電動発電機による始動動作中、前記電流推定手段により電流が所定値より大きく流れると推定した時は前記120度通電角制御方式を選択し、前記電流推定手段により電流が所定値より小さく流れると推定した時は前記180度通電角制御方式を選択することを特徴とする車両用3相電動発電機の制御装置。
  2. アイドルストップ後の起動時の通電角制御方式は、初期値として前記120度通電角制御方式が選択されていることを特徴とする請求項1記載の車両用3相電動発電機の制御装置。
  3. 前記電流推定手段は、前記スイッチング手段の駆動パルス幅に基づき判定し、前記駆動パルス幅が所定値以上では前記120度通電角制御方式に切替え、所定値以下では前記180度通電角制御方式に切替えることを特徴とする請求項1記載の車両用3相電動発電機の制御装置。
  4. 前記電流推定手段は、前記3相電動発電機の回転数に基づき判定し、前記回転数が所定回転数以下では前記120度通電角制御方式に切替え、所定回転数以上では前記180度通電角制御方式に切替えることを特徴とする請求項1記載の車両用3相電動発電機の制御装置。
  5. 前記電流推定手段は、始動時に回転ロック状態が解除されたことに基づいて判定し、始動開始から前記3相電動発電機の回転角度を検出する回転角度検出手段を持ち、始動開始から所定の回転角度を超えた時に、前記120度通電角制御方式から前記180度通電角制御方式への切替えをすることを特徴とする請求項1記載の車両用3相電動発電機の制御装置。
  6. 前記回転角度検出手段は、前記電機子巻線とロータとの相対的な回転位置を検出する回転位置検出センサのパルス数をカウントし、所定回転カウントしたことを検出して、前記120度通電角制御方式から前記180度通電角制御方式に切替えることを特徴とする請求項5記載の車両用3相電動発電機の制御装置。
  7. 始動開始した後も、前記回転位置検出センサのパルス幅が所定値以上になったことを検出した場合は、前記120度通電角制御方式に戻すことを特徴とする請求項5記載の車両用3相電動発電機の制御装置。
  8. 前記回転位置検出センサの出力信号は、各相とも前記回転位置検出センサに誘起された電圧をもとにデジタル変換された電気角180度の矩形波信号であり、前記3相電動発電機の回転にともないそれぞれ位相差120度のずれをもって、各相が順に発生する。前記120度通電角駆動信号は、前記回転位置検出センサ出力である180度矩形波信号の後半の120度とすることを特徴とする請求項1〜7記載の車両用3相電動発電機の制御装置。
  9. 前記120度通電角駆動信号は、120度進んだ隣接相の前記回転位置検出センサの出力信号と自相の前記回転位置検出センサの出力信号とで生成することを特徴とする請求項8記載の車両用3相電動発電機の制御装置。
  10. 前記3相インバータの始動動作は、他の車載装置からの外部信号である始動指令で作動し、該始動指令が所定時間以上継続、またはMOSトランジスタ駆動信号のパルス幅が所定時間以上継続する時は、前記3相インバータの電動動作を中止し、発電動作に切り替えることを特徴とする請求項1〜7記載の車両用3相電動発電機の制御装置。
  11. 前記所定回転数は、始動時に最初のエンジン上死点を超える時の回転数以下に設定することを特徴とする請求項4記載の車両用3相電動発電機の制御装置。
  12. エンジン始動中に前記3相電動発電機の前記回転数が所定回転数を超えた時の180度通電角駆動信号は、120度遅れた隣接相の前記回転位置検出センサの出力信号を反転した信号とすることを特徴とする請求項1〜11記載の車両用3相電動発電機の制御装置。
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