JP3755194B2 - 放電灯点灯装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、放電灯点灯装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、無負荷状態或いは放電灯の寿命末期状態を検出する回路を備えた放電灯点灯装置があった。この放電灯点灯装置は、図4に示すように、交流電源ACを直流電圧VDCに変換して出力する直流電源1と、直流電圧VDCを高周波電圧に変換して放電灯負荷に供給するインバータ回路2と、インバータ回路2の発振を制御する制御回路3と、放電灯の寿命を検出して制御回路3に寿命検出信号を出力する寿命検出回路4と、フィラメントの断線等の無負荷状態を検出して制御回路3に無負荷検出信号を出力する無負荷検出回路5とを備えている。
【0003】
直流電源1では、整流回路DBが交流電源ACの交流電圧を整流した後、コンデンサC1 が平滑して、直流電圧VDCを出力する。
インバータ回路2はFETからなるスイッチング素子Q1 ,Q2 を備え、コンデンサC1 の両端間にスイッング素子Q1 ,Q2 の直列回路が接続される。スイッチング素子Q2 の両端間には、直流カット用のコンデンサC2 とインダクタL1 とを介してトランスTr1 の1次巻線n1 が接続される。一方、トランスTr1 の2次巻線n2 の両端間には、直流カット用コンデンサC3 を介して、放電灯La1 の一端側のフィラメント電極F1 と、コンデンサC4 及び抵抗R2 からなる並列回路と、放電灯La2 の一端側のフィラメント電極F4 とが直列に接続されている。さらに、放電灯La1 ,La2 の他端側のフィラメント電極F2 ,F3 はトランスTr1 の2次側の巻線に直列に接続されている。
【0004】
また、直流カット用コンデンサC3 と放電灯La1 のフィラメント電極F1 との接続点は抵抗R1 を介して直流電源1の高電位側に接続され、トランスTr1 の2次巻線n1 と放電灯La2 のフィラメント電極F4 との接続点はインピーダンス素子たる抵抗R3 と、ダイオードD1 と、充電要素たるコンデンサC5 及び放電用インピーダンス素子たる抵抗R4 からなる並列回路とを介して直流電源1の低電位側に接続される。トランスTr1 の2次側には検出用巻線n3 が設けられ、検出用巻線n3 の両端間には、ダイオードD2 とコンデンサC6 及び抵抗R5 からなる並列回路が接続される。この時、インダクタL1 及びコンデンサC4 からなる共振回路によって、放電灯La1 ,La2 に高周波電圧が発生し、放電灯La1 ,La2 が始動点灯される。尚、放電灯La1 ,La2 の点灯中はインダクタL1 が電流安定要素として働く。
【0005】
ここで、無負荷検出回路5の動作について説明する。放電灯La1 ,La2 のフィラメント電極が断線する等の無負荷状態が発生していない場合、直流電源1から抵抗R1 →放電灯La1 のフィラメント電極F1 →抵抗R2 →放電灯La2 のフィラメント電極F4 →抵抗R3 →ダイオードD1 の経路でコンデンサC5 に直流電流が流れて、コンデンサC5 は充電され、コンデンサC5 の充電電圧VC5は無負荷検出回路5に入力される。例えば、放電灯La1 ,La2 のいずれか一方が装着されていない場合、或いは、フィラメント電極が断線した場合、コンデンサC5 に直流電流が流れず、コンデンサC5 に充電された電荷は抵抗R4 を介して放電する。したがって、無負荷検出回路5は、コンデンサC5 の充電電圧VC5が所定の電圧値以下になることから無負荷状態を検出し、制御回路3に無負荷検出信号を出力する。そして、制御回路3が無負荷検出信号に基づいてスイッチング素子Q1 ,Q2 の発振動作を停止させる。
【0006】
次に、寿命検出回路4の動作について説明する。コンデンサC6 はトランスTr1 の検出用巻線n3 に流れる電流によって充電され、その充電電圧VC6が寿命検出回路4に入力される。寿命検出回路4は充電電圧VC6が所定の電圧値を超えた場合、放電灯La1 ,La2 が半波点灯する寿命末期状態を検出して、寿命検出信号を制御回路3に出力する。制御回路3は寿命検出信号に基づいてスイッチング素子Q1 ,Q2 を周期的に停止させる(以下、間欠発振動作と言う)。
【0007】
この放電灯点灯装置の動作波形図を図5に示す。放電灯La1 ,La2 の正常時(図5のT1 )は、制御回路3がインバータ回路2を発振動作させる。放電灯La1 ,La2 が装着されていない場合やフィラメント電極が断線した場合等の無負荷状態(図5のT3 )では、コンデンサC5 の充電電圧VC5が所定の電圧値以下となり、無負荷検出回路5が無負荷状態を検出して、制御回路3がインバータ回路2の発振を停止させる。また、フィラメント電極が断線していなくても、放電灯La1 ,La2 の寿命末期時(図5のT2 )は、コンデンサC6 の充電電圧VC6が所定の電圧値を超えるので、寿命検出回路4が寿命末期状態を検出し、制御回路3がインバータ回路2を間欠発振動作させる。
【0008】
尚、インバータ回路2が放電灯La1 ,La2 を予熱始動させる間、放電灯La1 ,La2 が正常であってもコンデンサC6 に高電圧が発生して、寿命検出回路4が誤検出する恐れがあるので、予熱始動期間中は寿命検出回路4の検出動作を停止させ、予熱期間(図5のT4 )及び始動期間(図5のT5 )が終了した後に寿命検出回路4は検出動作を行っている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記構成の放電灯点灯装置では、図6に示すように、放電灯La1 ,La2 が半波点灯する寿命末期状態になると、寿命検出回路4が寿命検出信号を出力し、制御回路3はこの寿命検出信号に基づいてインバータ回路2を間欠発振動作させており、発振停止期間中はインバータ回路2は発振動作を停止する。この時、放電灯La1 のフィラメント電極F1 に直列接続された直流カット用コンデンサC3 の両端間に高い直流電圧が印加される場合があり、放電灯La1 ,La2 の管電圧が高い程、直流カット用コンデンサC3 に印加される電圧値は高くなる。直流カット用コンデンサC3 の両端間の電圧VC3が直流電源1の直流電圧VDCよりも高く、且つ、放電灯La1 に接続されている側が高電位になると(図6の時刻t1 )、直流電源1から放電灯La1 のフィラメント電極F1 →抵抗R2 →放電灯La2 のフィラメント電極F4 を介してコンデンサC5 へ直流電流が流れなくなる。したがって、コンデンサC5 に充電された電荷は抵抗R4 を介して放電し、コンデンサC5 の電圧VC5は除々に低下して所定の電圧値V1 以下になると(図6の時刻t2 )、無負荷検出回路5が誤って無負荷状態を検出し、制御回路3がインバータ回路2の発振動作を停止させる。
【0010】
その後、直流カット用コンデンサC3 に充電された電荷が放電灯La1 のフィラメント電極F1 と、抵抗R2 と、放電灯La2 のフィラメント電極F4 と、トランスTr1 の2次巻線n2 とを介して放電し、直流カット用コンデンサC3 の電圧VC3が直流電圧VDCよりも低くなると、直流電源1から抵抗R1 →放電灯La1 のフィラメント電極F1 →抵抗R2 →放電灯La2 のフィラメント電極F4 →抵抗R3 →ダイオードD1 の経路でコンデンサC5 に再び電流が流れ、コンデンサC5 が充電される。そして、コンデンサC5 の充電電圧VC5が所定の電圧値V1 を超えると、無負荷検出回路5は無負荷検出信号を停止し、制御回路3がインバータ回路2の発振動作を再開させる。インバータ回路2が発振を再開すると、放電灯La1 ,La2 は寿命末期状態にあるので、寿命検出回路4は寿命検出信号を出力し、制御回路3は寿命検出信号に基づいてインバータ回路2を間欠発振動作させている。
【0011】
上述のように、制御回路3が寿命検出回路4の寿命検出信号に基づいてインバータ回路2を間欠発振動作させている状態で、無負荷検出回路5が無負荷状態を検出し、制御回路3がインバータ回路2の発振を一旦停止させた後に、無負荷検出回路5が無負荷状態ではないことを検出し、制御回路3がインバータ回路2の発振を再開しているので、間欠発振動作時の発振停止期間(図6のT6 )が本来設定された期間よりも非常に短くなる。したがって、インバータ回路2の構成部品に加わるストレスが大きくなり、その温度上昇が大きくなるために、放電灯点灯装置の信頼性が低下するという問題点があった。
【0012】
この問題点は、寿命検出回路4の寿命検出信号に対して無負荷検出回路5の無負荷検出信号を優先させたために発生しているので、寿命検出信号に対して無負荷検出信号を優先させないようにすれば、この問題点を解消できる。しかしながら、この場合には以下のような問題点が発生する。
すなわち、寿命末期状態において間欠発振動作時の発振停止期間を長く設定した場合、寿命末期状態になった放電灯La1 ,La2 を正常な放電灯と交換しても、発振停止期間が終了するまで放電灯La1 ,La2 は点灯しない。従って、放電灯La1 ,La2 を交換したにも関わらず、放電灯La1 ,La2 が暫くの間点灯しないため、ユーザに不安感や不快感を与えるという問題点もあった。
【0013】
本発明は上記問題点に鑑みて為されたものであり、請求項1乃至4の発明の目的は、信頼性の高い、安定した動作を行う放電灯点灯装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明では、上記目的を達成するために、直流電源と、直流電源の直流電圧を高周波電圧に変換するインバータ回路と、インバータ回路の出力端に直流カット用コンデンサを介して接続される放電灯と、インバータ回路の発振を制御する制御回路と、直流カット用コンデンサと放電灯のフィラメント電極との接続点に直流電源を供給して直流電源からフィラメント電極を介して流れる直流電流によって充電される充電要素を備え充電要素の充電電圧が所定の電圧値以下となることから無負荷状態を検出して無負荷検出信号を出力する無負荷検出回路と、放電灯が半波点灯する寿命末期状態を検出して寿命検出信号を出力する寿命検出回路とを備え、制御回路は、無負荷検出回路から無負荷検出信号が入力されるとインバータ回路の発振を停止させるとともに、寿命検出回路から寿命検出信号が入力されるとインバータ回路の発振を周期的に停止させており、寿命検出回路から寿命検出信号が入力される間、充電要素に充電電流を流して充電要素の充電電圧を所定の電圧値よりも高い電圧に充電する補助充電回路を設けているので、寿命検出回路が放電灯の寿命末期状態を検出した際に、無負荷検出回路の検出動作を強制的に停止させることにより、無負荷検出回路が誤って無負荷検出信号を出力するのを防止することができる。
【0015】
請求項2の発明では、請求項1の発明において、寿命検出回路が放電灯の寿命末期状態を検出した時に、直流カット用コンデンサの両端間の電圧が直流電圧以下になるまでの時間よりも、充電要素の充電電圧が所定の電圧値以下となるまでの時間が長くなるように設定しているので、請求項1の発明と同様に、寿命末期状態検出時において、無負荷検出回路が誤って無負荷検出信号を出力するのを防止することができる。
【0016】
請求項3の発明では、請求項1の発明において、充電要素は放電用インピーダンス素子が並列に接続されたコンデンサからなり、直流電源の両端間に、インピーダンス素子と、放電灯のフィラメント電極と、コンデンサ及び放電用インピーダンス素子からなる並列回路とを接続し、コンデンサが直流電源の両端間に流れる直流電流によって充電され、無負荷検出回路がコンデンサの充電電圧を所定の電圧値と比較することによって無負荷状態を検出しているので、簡単な回路構成で実現することができる。
【0017】
請求項4の発明では、請求項1の発明において、直流カット用コンデンサの両端間或いは直流カット用コンデンサと直流電源との間に、直流カット用コンデンサの放電用のスイッチ素子を設けているので、寿命末期検出時にスイッチ素子を介して直流カット用コンデンサの電圧を放電させることにより、直流カット用コンデンサの両端間の電圧が直流電源の直流電圧よりも高くなるのを防止できる。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
(実施形態1)
本実施形態の放電灯点灯装置の基本的な構成は、図4に示した従来の放電灯点灯装置と同様であるので、その説明は省略し、図4の放電灯点灯装置と異なる点について説明する。
【0019】
この放電灯点灯装置は、図1及び図4に示すように、コンデンサC6 の充電電圧VC6から蛍光灯のような放電灯La1 ,La2 が半波点灯する寿命末期状態を検出して制御回路3に寿命検出信号を出力する寿命検出回路4と、充電要素たるコンデンサC5 の充電電圧VC5からフィラメント電極の断線等の無負荷状態を検出して制御回路3に無負荷検出信号を出力する無負荷検出回路5と、寿命検出回路4が寿命検出信号を出力する間、コンデンサC5 を充電する補助充電回路6とを備えており、放電灯La1 ,La2 交換時の不具合を防止するために、寿命検出回路4に対して無負荷検出回路5の動作を優先させている。
【0020】
ここで、寿命検出回路4はコンパレータIC1 と基準電圧Vref1とから構成されている。コンパレータIC1 の非反転入力端子には基準電圧Vref1が入力されており、その反転入力端子にはコンデンサC6 の充電電圧VC6が入力されている。トランスTr1 の検出用巻線n3 が、ダイオードD2 を介して抵抗R5 及びコンデンサC6 からなる並列回路に接続されており、コンデンサC6 は検出用巻線n3 を流れる電流によって充電される。コンパレータIC1 はコンデンサC6 の充電電圧VC6と基準電圧Vref1とを比較し、充電電圧VC6が基準電圧Vref1を上回ると、放電灯La1 ,La2 が寿命末期状態であると判断し、ローレベルの寿命検出信号を制御回路3に出力し、制御回路3は寿命検出信号に基づいてインバータ回路2を間欠発振動作させている。
【0021】
また、無負荷検出回路5はコンパレータIC2 と基準電圧Vref2とから構成されている。コンパレータIC2 の反転入力端子には基準電圧Vref2が入力され、その非反転入力端子にはコンデンサC5 の充電電圧VC5が入力されている。トランスTr1 の2次巻線n2 が接続された放電灯La2 のフィラメント電極F4 は抵抗R3 及びダイオードD1 を介してコンデンサC5 及び抵抗R4 からなる並列回路に接続されており、直流電源1から放電灯La1 ,La2 のフィラメント電極F1 ,F4 を介して流れる直流電流によってコンデンサC5 は充電される。コンパレータIC2 は充電電圧VC5と基準電圧Vref2とを比較して、充電電圧VC5が基準電圧Vref2を下回ると無負荷状態を検出して、制御回路3にローレベルの無負荷検出信号を出力し、制御回路3は無負荷検出信号に基づいてインバータ回路2の発振動作を停止させる。
【0022】
一方、補助充電回路6はトランジスタQからなり、トランジスタQのベースは抵抗Rを介してコンパレータICの出力端子に、エミッタは制御電源VCCに、コレクタはコンパレータICの非反転入力端子に接続されている。ここで、放電灯La,Laが寿命末期状態となり、寿命検出回路4が寿命末期状態を検出すると、寿命検出回路4のコンパレータICの出力がローレベルになる。この時、補助充電回路6ではトランジスタQがオンして、制御電源VCCからトランジスタQを介してコンデンサCに充電電流が流れ、コンデンサCの充電電圧VC5が基準電圧Vref2以下にならないようにしている。而して、寿命検出回路4が寿命検出信号を出力する間、無負荷検出回路5が動作しないようになっている。また、無負荷状態の発生時は、コンデンサCが充電されず、その充電電圧VC6が基準電圧Vref1以下であり、コンパレータICの出力はハイレベルとなり、トランジスタQがオフして、無負荷検出回路5は無負荷状態の検出動作を行うことができる。
【0023】
上述のように、寿命検出回路4が放電灯La1 ,La2 の寿命末期状態を検出すると、その寿命検出信号によってコンデンサC5 を強制的に充電して、コンデンサC5 の充電電圧VC5を基準電圧Vref2以上とすることにより、無負荷検出回路5の検出動作を停止させている。従って、寿命末期状態において、無負荷検出回路5の誤検出により、間欠発振動作時の発振停止期間が短くなることがないので、インバータ回路2の構成部品にストレスを与えたり、高い温度上昇が発生することがなく、安定した回路動作を行うことが可能となる。
【0024】
尚、本実施形態では、充電要素としてコンデンサを使用したが、コンデンサ以外の充電要素を用いてもよい。
また、寿命検出回路4と無負荷検出回路5及び補助充電回路6以外の回路構成は従来の放電灯点灯装置と同様であるので、その説明は省略する。
(実施形態2)
本実施形態の放電灯点灯装置は、実施形態1の放電灯点灯装置と同様の回路構成であるが、本実施形態では、放電灯La1 ,La2 の寿命末期時に発生する直流カット用コンデンサC3 の電圧VC3が直流電圧VDC以下になるまでの時間T1 よりも、コンデンサC5 の充電電圧VC5が抵抗R4 を介して放電して、基準電圧Vref2以下になるまでの時間T2 の方が長くなるように(T1 <T2 )、コンデンサC5 及び抵抗R4 によって定まる時定数を設定している。
【0025】
放電灯La1 ,La2 の寿命末期時において、寿命検出回路4がインバータ回路2を間欠発振動作させており、直流カット用コンデンサC3 の電圧VC3が直流電源1の直流電圧VDCよりも高くなる場合がある。この時、上述したように、コンデンサC5 に一旦充電電流が流れなくなり、直流カット用コンデンサC3 に充電された電荷が放電して、直流カット用コンデンサC3 の電圧VC3が直流電圧VDCよりも低くなった後に、再び、コンデンサC5 に充電電流が流れるようになる。ところで、時間T1 よりも時間T2 が長くなるように設定しているので、コンデンサC5 に再び電流が流れる迄の間に、コンデンサC5 の充電電圧VC5が所定の基準電圧Vref2以下となることがないので、無負荷検出回路5が動作することがない。したがって、放電灯La1 ,La2 の寿命末期状態において、無負荷検出回路5が誤って無負荷状態を検出することが無く、インバータ回路2が間欠発振動作する際に発振停止期間が短くなることがない。よって、インバータ回路2の構成部品にストレスを与えることがなく、高い温度上昇も発生しないので、安定した回路動作を行うことが可能となる。
【0026】
尚、放電灯点灯装置の回路構成は実施形態1と同様であるので、その説明は省略する。
(実施形態3)
本実施形態では、実施形態1の放電灯点灯装置において、図2に示すように、直流カット用コンデンサC3 が接続された放電灯La1 のフィラメント電極F1 と直流電源1の高電位側の出力端との間にダイオードD3 を挿入し、トランスTr1 の2次巻線n2 が接続された放電灯La2 のフィラメント電極F4 と直流電源1の低電位側との間にダイオードD4 を挿入している。
【0027】
ここで、放電灯La1 ,La2 が半波点灯する寿命末期時において、直流カット用コンデンサC3 の電圧VC3が、直流電源1の直流電圧VDCよりも高くなった場合、直流カット用コンデンサC3 に蓄えられた電荷が、ダイオードD3 と直流電源1及びダイオードD4 を介して放電し、直流カット用コンデンサC3 の電圧VC3は直流電源VDCに等しくなる。したがって、実施形態2と同様に、直流カット用コンデンサC3 の放電時間がコンデンサC5 の放電時間に比べて著しく短くなるため、直流カット用コンデンサC3 の電圧VC3が直流電圧VDC以下となってコンデンサC5 に再び電流が流れる迄の間に、コンデンサC5 の電圧が所定の基準電圧Vref2以下となることがなく、この間に無負荷検出回路5が動作することがない。よって、実施形態1,2と同様に無負荷検出回路5の誤検出による不具合を防止することができる。
【0028】
尚、ダイオードD3 ,D4 以外の回路構成は、実施形態1又は2と同様であるので、その説明は省略する。
(実施形態4)
本実施形態では、実施形態1の放電灯点灯装置において、図3に示すように、放電灯La1 のフィラメント電極F1 に接続された直流カット用コンデンサC3 と並列にリレー接点からなるスイッチ素子SW1 を接続している。
【0029】
この放電灯点灯装置では、寿命検出回路4が放電灯La1 ,La2 の寿命末期状態を検出すると、制御回路3に寿命検出信号を出力するとともに、スイッチ素子SW1 をオンして、直流カット用コンデンサC3 の電圧を放電させている。
したがって、放電灯La1 ,La2 の寿命末期状態において、直流カット用コンデンサC3 の電圧VC3が直流電源1の直流電圧VDCよりも大きくなることがなく、無負荷検出回路5が誤動作することがないので、実施形態1乃至3と同様に、無負荷検出回路5の誤検出による不具合を防止することができる。
【0030】
尚、スイッチ素子SW1 はリレー接点に限定する趣旨のものではなく、サイリスタ等のスイッチ素子を用いても良いことは言うまでもない。
また、本実施形態では、スイッチ素子SW1 を直流カット用コンデンサC3 と並列に接続しているが、スイッチ素子SW1 を直流カット用コンデンサC3 と直流電源1との間に配置してもよい。
【0031】
尚、スイッチ素子SW1 以外の構成は実施形態1,2又は3と同様であるので、その説明は省略する。
【0032】
【発明の効果】
請求項1の発明は、上述のように、直流電源と、直流電源の直流電圧を高周波電圧に変換するインバータ回路と、インバータ回路の出力端に直流カット用コンデンサを介して接続される放電灯と、インバータ回路の発振を制御する制御回路と、直流カット用コンデンサと放電灯のフィラメント電極との接続点に直流電源を供給して直流電源からフィラメント電極を介して流れる直流電流によって充電される充電要素を備え充電要素の充電電圧が所定の電圧値以下となることから無負荷状態を検出して無負荷検出信号を出力する無負荷検出回路と、放電灯が半波点灯する寿命末期状態を検出して寿命検出信号を出力する寿命検出回路とを備え、制御回路は、無負荷検出回路から無負荷検出信号が入力されるとインバータ回路の発振を停止させるとともに、寿命検出回路から寿命検出信号が入力されるとインバータ回路の発振を周期的に停止させており、寿命検出回路から寿命検出信号が入力される間、充電要素に充電電流を流して充電要素の充電電圧を所定の電圧値よりも高い電圧に充電する補助充電回路を設けており、寿命検出回路が放電灯の寿命末期状態を検出した際に、無負荷検出回路の検出動作を強制的に停止させることにより、無負荷検出回路が誤って無負荷検出信号を出力するのを防止することができるので、インバータ回路の構成部品に発生するストレスや温度上昇を低減できるとともに放電灯交換時の不具合を防止でき、信頼性が高く安定した回路動作を行う放電灯点灯装置を提供できるという効果がある。
【0033】
請求項2の発明は、寿命検出回路が放電灯の寿命末期状態を検出した時に、直流カット用コンデンサの両端間の電圧が直流電圧以下になるまでの時間よりも、充電要素の充電電圧が所定の電圧値以下となるまでの時間が長くなるように設定しており、請求項1の発明と同様に、寿命末期状態検出時において、無負荷検出回路が誤って無負荷検出信号を出力するのを防止できるので、インバータ回路の構成部品に発生するストレスや温度上昇を低減できるとともに放電灯交換時の不具合を防止でき、信頼性が高く安定した回路動作を行う放電灯点灯装置を提供できるという効果がある。
【0034】
請求項3の発明は、充電要素は放電用インピーダンス素子が並列に接続されたコンデンサからなり、直流電源の両端間に、インピーダンス素子と、放電灯のフィラメント電極と、コンデンサ及び放電用インピーダンス素子からなる並列回路とを接続し、コンデンサが直流電源の両端間に流れる直流電流によって充電され、無負荷検出回路がコンデンサの充電電圧を所定の電圧値と比較することによって無負荷状態を検出しており、簡単な回路構成で実現できるという効果がある。
【0035】
請求項4の発明は、直流カット用コンデンサの両端間或いは直流カット用コンデンサと直流電源との間に、直流カット用コンデンサの放電用のスイッチ素子を設けており、寿命末期検出時にスイッチ素子を介して直流カット用コンデンサの電圧を放電させることにより、直流カット用コンデンサの両端間の電圧が直流電源の直流電圧よりも高くなるのを防止できるので、無負荷検出回路が誤動作することがなく、信頼性が高く安定した回路動作を行う放電灯点灯装置を提供できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1及び2の放電灯点灯装置を示す一部省略せる回路図である。
【図2】実施形態3の放電灯点灯装置を示す一部省略せる回路図である。
【図3】実施形態4の放電灯点灯装置を示す一部省略せる回路図である。
【図4】従来の放電灯点灯装置を示す回路図である。
【図5】同上の動作を示す波形図である。
【図6】同上の別の動作を示す波形図である。
【符号の説明】
3 制御回路
4 寿命検出回路
5 無負荷検出回路
5,6 コンデンサ
CC 制御電圧
C5,VC6 電圧
ref1,Vref2 基準電圧
3 トランジスタ

Claims (4)

  1. 直流電源と、前記直流電源の直流電圧を高周波電圧に変換するインバータ回路と、前記インバータ回路の出力端に直流カット用コンデンサを介して接続される放電灯と、インバータ回路の発振を制御する制御回路と、前記直流カット用コンデンサと前記放電灯のフィラメント電極との接続点に前記直流電源を供給して前記直流電源から前記フィラメント電極を介して流れる直流電流によって充電される充電要素を備え前記充電要素の充電電圧が所定の電圧値以下となることから無負荷状態を検出して無負荷検出信号を出力する無負荷検出回路と、前記放電灯が半波点灯する寿命末期状態を検出して寿命検出信号を出力する寿命検出回路とを備え、前記制御回路は、無負荷検出回路から無負荷検出信号が入力されるとインバータ回路の発振を停止させるとともに、寿命検出回路から寿命検出信号が入力されるとインバータ回路の発振を周期的に停止させており、前記寿命検出回路から寿命検出信号が入力される間、前記充電要素に充電電流を流して前記充電要素の充電電圧を前記所定の電圧値よりも高い電圧に充電する補助充電回路を設けて成ることを特徴とする放電灯点灯装置。
  2. 前記寿命検出回路が前記放電灯の寿命末期状態を検出した時に、前記直流カット用コンデンサの両端間の電圧が前記直流電圧以下になるまでの時間よりも、前記充電要素の前記充電電圧が前記所定の電圧値以下となるまでの時間が長くなるように設定したことを特徴とする請求項1記載の放電灯点灯装置。
  3. 前記充電要素は放電用インピーダンス素子が並列に接続されたコンデンサからなり、前記直流電源の両端間に、インピーダンス素子と、前記放電灯のフィラメント電極と、前記コンデンサ及び前記放電用インピーダンス素子からなる並列回路とを接続し、前記コンデンサが前記直流電源の両端間に流れる直流電流によって充電され、前記無負荷検出回路が前記コンデンサの充電電圧を前記所定の電圧値と比較することによって無負荷状態を検出することを特徴とする請求項1記載の放電灯点灯装置。
  4. 前記直流カット用コンデンサの両端間或いは前記直流カット用コンデンサと前記直流電源との間に、前記直流カット用コンデンサの放電用のスイッチ素子を設けて成ることを特徴とする請求項1記載の放電灯点灯装置。
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