JP4069687B2 - 放電灯点灯装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は放電灯を高周波で点灯させる放電灯点灯装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
直流電源を高周波に変換し、放電灯負荷を点灯させる放電灯点灯装置において、放電灯負荷のフィラメントの予熱電流を、共振負荷回路のコンデンサに流れる電流より確保するコンデンサ予熱方式が広く用いられている。
(従来例1)
第1の従来例を図6に示す。以下、その回路構成について説明する。直流電源Eは交流電源を整流平滑したものであり、この直流電源Eにはインバータのスイッチング素子Q1,Q2の直列回路が接続されている。スイッチング素子Q1,Q2は駆動回路2により交互にオン・オフ駆動される。スイッチング素子Q2の両端には、直流カット用コンデンサC0と共振用(限流用)のインダクタL1を介して放電灯laのフィラメントA,Bの各一端が接続されている。放電灯laのフィラメントA,Bの非電源側端子間には、共振用コンデンサC1が並列接続されている。放電灯laのフィラメントAとインダクタL1の接続点は抵抗R1を介して直流電源Eの正極に接続されている。放電灯laのフィラメントBとスイッチング素子Q2の接続点は直流電源Eの負極に接続されており、直流電源Eの負極は接地されている。放電灯laのフィラメントAの非電源側端子と直流電源Eの負極の間には、抵抗R2とツェナーダイオードZD1の直列回路が接続されている。ツェナーダイオードZD1の両端には、ダイオードD1を介してコンデンサC4と抵抗R5の並列回路が接続されている。直流電源Eから抵抗R1、放電灯laのフィラメントA、抵抗R2、ツェナーダイオードZD1、ダイオードD1、コンデンサC4、抵抗R5からなる直流電流ループは無負荷検出回路を構成している。コンデンサC4に得られる検出電圧Vkは、コンパレータCPに入力されて基準電圧Vrefと比較される。コンパレータCPの出力は制御回路1に入力されている。制御回路1は駆動回路2に他励制御信号を入力する。
【0003】
インバータ回路は他励式であり、駆動回路2からスイッチング素子Q1,Q2に与えられる駆動信号により、スイッチング素子Q1,Q2が交互にオン・オフ動作し、インダクタL1、コンデンサC1、放電灯laからなる共振負荷回路に矩形波状の高周波電圧を印加し、放電灯laを正弦波状の高周波で点灯させるものである。このように他励式で且つ共振用コンデンサC1によりフィラメント予熱を行うコンデンサ予熱方式のインバータ回路では、フィラメントを予熱するための特別な予熱回路を必要としないので、部品点数の削減が可能な回路方式である。
【0004】
本回路には、無負荷検出回路が構成されており、インバータ回路の起動前には、直流電源Eから抵抗R1、フィラメントA、抵抗R2、コンデンサC4、抵抗R5からなる直流電流ループに直流電流が流れて、コンデンサC4の電位Vkにより、フィラメントAが装着されているかどうかを判断している。フィラメントAが装着されている場合は、コンデンサC4の電位Vkは、RCの時定数で所定の分圧比で決まる電圧まで上昇し、それがコンパレータCPの基準電圧Vrefを上回ることで、インバータ回路が動作開始する。フィラメントAが装着されていない場合は、フィラメントAがオープンとなっているため、直流電源EからコンデンサC4への充電が遮断され、コンデンサC4の電位Vkが上昇しない。これにより、コンデンサC4の電位VkがコンパレータCPの基準電圧Vrefを下回ることでインバータ回路は停止する。また、放電灯laの点灯中に、フィラメントAが断線した場合には、コンデンサC4の電位VkがコンパレータCPの基準電圧Vrefを下回り、インバータ回路は発振停止する。
【0005】
この従来例1では、フィラメントAが断線し、インバータ回路が発振停止するまでに、図8のように、コンデンサC4の電位VkがコンパレータCPの基準電圧Vrefを下回るまでに遅れ時間Tdが発生する。遅れ時間Tdの間はスイッチング素子Q1,Q2が発振しているため、フィラメントAが断線した直後には、インダクタL1とコンデンサC1の共振により過渡的に高電圧が短時間ではあるものの断線したフィラメント両端に印加されてしまう。この時のインバータ回路は、図7に示すように、所定の点灯時の動作周波数finvで動作していることから、瞬間的にはインダクタL1とコンデンサC1の無負荷共振曲線に沿った高い電圧まで上昇する。
【0006】
このようにフィラメント断線時にピン間に高電圧が発生すると、ピン間が絶縁破壊し、絶縁破壊箇所をフィラメントの代わりとして電流が流れることによりフィラメント断線検知回路が誤検知し、インバータ回路は発振を継続する。この結果、管端部の絶縁破壊箇所が異常加熱する問題があった。
【0007】
この従来例1のように、他励式で且つ共振用コンデンサC1によりフィラメント予熱を行うコンデンサ予熱方式のインバータ回路では、フィラメント断線時に即時にインバータ回路が停止しないため、フィラメント極間に過大な電圧が発生し、管端部が異常加熱する問題があった。
【0008】
(従来例2)
第2の従来例を図9に示す。この従来例は、上述の第1の従来例において、スイッチング素子Q1,Q2の駆動をインダクタL1の2次巻線電圧により行う自励駆動式としたものである。放電灯laのフィラメントの予熱は、従来例1と同様に、コンデンサ予熱方式としている。インバータの動作は従来例1と同じであり、違いはスイッチング素子Q1,Q2を自励で駆動しているところだけが異なる。本従来例では、フィラメントが断線した場合には、共振用コンデンサC1が回路上外れるため、スイッチング素子Q1,Q2の駆動電圧も即座に無くなるので、インバータ回路はフィラメント断線と同時に停止するため、フィラメントピン間に過渡的に過大な電圧が印加されることなく停止する。このように、自励駆動式で且つコンデンサ予熱方式の場合には、従来例1に示すような、管端部の異常加熱の問題は生じない。つまり、従来例1に示すような、他励駆動式で且つコンデンサ予熱方式の場合に、管端部の異常加熱の問題が生じるものである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、放電灯負荷を高周波で点灯させる放電灯点灯装置で、コンデンサ予熱方式で且つ他励制御を有するものにおいて、フィラメント断線時にフィラメントの断線検出が働きインバータが発振停止するまでにフィラメントピン間に発生する過大な過渡電圧を比較的安価で部品点数の少ない回路構成にて低減できる手段を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明によれば、上記の課題を解決するために、図1に示すように、交流電源を直流電源Eに変換する直流電源回路と、前記直流電源Eを高周波に変換して放電灯負荷laに高周波電力を供給するインバータ回路と、インバータ回路を構成するスイッチング素子Q1,Q2を他励制御によりオン・オフさせる制御手段とを備え、前記インバータ回路は、少なくとも放電灯負荷laと限流用インダクタL1および共振用コンデンサC1からなる共振負荷回路を備え、前記共振用コンデンサC1に流れる電流を放電灯負荷laのフィラメントA,Bの予熱電流とした放電灯点灯装置において、フィラメント断線時に共振負荷回路の共振周波数を変化させるインピーダンス要素を放電灯負荷laのフィラメントA,Bと並列に接続し、前記インピーダンス要素は、フィラメント断線時に共振負荷回路の共振周波数を、インバータ回路の動作周波数の2倍より大きくかつ限流用インダクタL1と共振用コンデンサC1により決定される無負荷共振周波数よりも高い周波数に変化させるように選定されていることを特徴とするものである。
【0011】
請求項2の発明によれば、前記インピーダンス要素は、フィラメント断線時に共振負荷回路の共振周波数を、スイッチング電流の位相が遅相モードとなる周波数に変化させるように選定されていることを特徴とする。
【0012】
請求項3の発明によれば、フィラメントに並列接続されるインピーダンス要素はコンデンサであることを特徴とする。
【0013】
請求項4の発明によれば、フィラメントに並列接続されるインピーダンス要素のインピーダンスは、フィラメントのインピーダンスの100倍以上の大きさであることを特徴とする。
請求項5の発明によれば、フィラメント断線時に放電灯負荷が消灯することを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
(実施形態1)
本発明の第1の実施形態を図1に示す。以下、その回路構成について説明する。直流電源Eは交流電源を整流平滑したものであり、この直流電源Eにはインバータのスイッチング素子Q1,Q2の直列回路が接続されている。各スイッチング素子Q1,Q2は駆動回路2により交互にオン・オフ駆動される。スイッチング素子Q1,Q2の接続点には、直流カット用コンデンサC0と共振用(限流用)のインダクタL1を介して放電灯laのフィラメントAの一端が接続されており、このフィラメントAの一端は抵抗R1を介して直流電源Eの正極に接続されている。
【0015】
放電灯laのフィラメントAの非電源側端子と直流電源Eの負極の間には、抵抗R2とツェナーダイオードZD1の直列回路が接続されている。ツェナーダイオードZD1の両端には、ダイオードD1を介してコンデンサC4と抵抗R3の並列回路が接続されている。直流電源Eから抵抗R1、放電灯laのフィラメントA、ツェナーダイオードZD1、ダイオードD1、コンデンサC4、抵抗R3にいたる直流電流ループは第1の無負荷検出回路を構成している。コンデンサC4に得られる検出電圧Vkは、コンパレータCPに入力されて基準電圧Vrefと比較される。コンパレータCPの出力は制御回路1に入力されている。制御回路1は駆動回路2に他励制御信号を入力する。
【0016】
放電灯laのフィラメントA,BにはそれぞれコンデンサC2,C3が並列接続されている。また、フィラメントA,Bの非電源側端子間には共振用のコンデンサC1が並列接続されている。フィラメントBの一端は直流電源Eの負極に接続されて接地されている。また、フィラメントBの他端(非電源側端子)は、抵抗R4を介して直流電源Eの正極に接続されると共に、抵抗R5,R6の直列回路を介して直流電源Eの負極に接続されている。抵抗R6の両端にはコンデンサC5が並列接続されている。抵抗R5とコンデンサC5の両端に生じる電圧はトランジスタQ3のベース・エミッタ間に印加されている。トランジスタQ3のコレクタは抵抗R7を介してコンパレータCPの−入力端子に接続されている。抵抗R4〜R7とコンデンサC5およびトランジスタQ3は第2の無負荷検出回路を構成している。
【0017】
インバータ回路は他励式であり、駆動回路2からスイッチング素子Q1,Q2に与えられる駆動信号により、スイッチング素子Q1,Q2が交互にオン・オフ動作し、インダクタL1、コンデンサC1、放電灯laからなる共振負荷回路に矩形波状の高周波電圧を印加し、放電灯laを正弦波状の高周波で点灯させるものである。このように他励式で且つ共振用コンデンサC1によりフィラメント予熱を行うコンデンサ予熱方式のインバータ回路では、フィラメントを予熱するための特別な予熱回路を必要としないので、部品点数の削減が可能な回路方式である。
【0018】
本回路には、第1および第2の無負荷検出回路が構成されており、インバータの起動前には、直流電源Eから抵抗R1、フィラメントA、抵抗R2、ツェナーダイオードZD1、ダイオードD1、コンデンサC4、抵抗R3の経路でコンデンサC4に直流電圧が印加され、コンパレータCPには基準電圧Vrefより高い検出電圧Vkが印加され、フィラメントAが接続されていると判断している。また、フィラメントAが外れた場合には、直流電源Eから抵抗R1、フィラメントA、抵抗R2を介する直流バイアスが遮断されるため、コンデンサC4の電位である検出電圧Vkが基準電圧Vrefを下回り、コンパレータCPの出力が反転し、制御回路1の信号を停止させ、インバータ回路を停止させる。
【0019】
一方、抵抗R4、R5、R6、コンデンサC5、トランジスタQ3からなる第2の無負荷検出回路では、フィラメントBが接続されている状態においては、直流電源Eから抵抗R4を介して抵抗R5、R6に印加される電圧は極めて低く、トランジスタQ3はオフしている。これは抵抗R5,R6の直列回路と並列にフィラメントBが接続されているからであり、フィラメント抵抗は一般的には数Ω〜数十Ωと非常に小さいため、直流電源Eからの直流電圧成分はほとんど抵抗R4に印加されるからである。また、フィラメントBが外れると、直流電源Eより抵抗R4,R5,R6の分圧比で決まるバイアスがトランジスタQ3のべース・エミッタ間に印加されるため、トランジスタQ3がオンする。そうすると、検出電圧Vkは小抵抗R7を介してトランジスタQ3に引抜かれるため、検出電圧Vkが基準電圧Vrefを下回り、コンパレータCPの出力が反転し、制御回路1の信号を停止させ、インバータ回路を停止させる。
【0020】
以上のように、フィラメントA,Bには共にフィラメントの有無を判別する回路が接続されている。しかし、何れの検出回路においても、コンパレータCPの出力信号が反転し、インバータ回路が発振停止するまでには遅れ時間が発生する。例えばフィラメントAが外れた場合は、コンデンサC4の電荷を抵抗R3で消費し、検出電圧Vkが基準電圧Vrefを下回るまでの時間と、コンパレータCPの反転信号を受けてインバータ回路が停止するまでの制御回路1の応答時間が遅れ時間となる。フィラメントBが外れた場合は、トランジスタQ3がオンするまでのコンデンサC5の充電時間と、トランジスタQ3がオンして検出電圧Vkが基準電圧Vrefを下回るまでのコンデンサC4の電荷の放出時間と、コンパレータCPの反転信号を受けてインバータ回路が停止するまでの制御回路1の応答時間が遅れ時間となる。
【0021】
本実施形態においては、フィラメントA,Bには並列にコンデンサC2,C3が接続されており、フィラメントAもしくはBが断線した場合には、共振負荷回路の共振特性は、コンデンサC2もしくはコンデンサC3とコンデンサC1およびインダクタL1から決定される共振特性に変化する。具体的には負荷が無い場合の共振周波数f0はf0=1/(2π√(L1・C1))となるが、本実施形態ではフィラメントAが断線した場合には、共振回路のインダクタL1とコンデンサC1にコンデンサC2が追加されるため、共振周波数f0’はf0’=1/(2π√(L1・C1・C2/(C1+C2))となり、図2に示すように、断線時共振特性の共振周波数f0’は、無負荷共振特性の共振周波数f0よりも高い周波数に変化する。フィラメントBが断線した場合にも、同様に共振回路にコンデンサC3が追加されるため、共振周波数は高い周波数に変化する。
【0022】
そうすると、所定の点灯時動作周波数finvでオン・オフを繰り返す他励式のインバータ回路を用いた本実施形態においては、フィラメント断線後に無負荷検出が働き、インバータ回路が停止するまでの遅れ時間の間に共振カーブが図2に示すように高い共振周波数f0’を有する断線時共振特性に変化するため、インバータ回路の動作周波数finvで発生する共振電圧が大幅に減衰し、フィラメント断線直後にフィラメントA,B間に発生する電圧を大幅に低減することができる。
【0023】
コンデンサC2,C3の容量は、フィラメントA,Bのインピーダンスに対して例えば100倍以上となるような容量に選定すれば、通常動作時にはコンデンサC2,C3への予熱電流の回り込みもほとんど無視できるため、フィラメント正常時は共振回路には特性的な影響は与えない。
【0024】
本実施形態によれば、他励式のインバータ回路で且つコンデンサ予熱方式の放電灯点灯装置において、フィラメントが断線してインバータ回路が停止するまでの間にフィラメント極間に印加される過大な電圧の発生を抑えることが可能となる。また、フィラメント断線時においてインバータ回路の動作周波数が共振周波数から遠くに離れるので、共振回路に発生する電圧も抑制することが可能となり、部品へのストレスも軽減することが可能になる。
【0025】
(実施形態2)
本発明の第2の実施形態を図3および図4に示す。回路構成は第1の実施形態と同じである。本実施形態は、第1の実施形態の構成において、フィラメントAもしくはBが断線し、インダクタL1とコンデンサC1の共振系にコンデンサC2もしくはC3が入った場合の共振周波数f0’をインバータの動作周波数finvの2倍超となるようにコンデンサC2,C3の容量を設定したものである。この場合、フィラメントが断線し、インバータ回路が停止するまでのインバータに流れる共振電流は、図3のように3倍共振の遅相で動作することになる。図3において、Id(Q2)はスイッチング素子Q2のドレイン電流、Vgs(Q2)はスイッチング素子Q2のゲート・ソース間の駆動電圧である。
【0026】
本実施形態においても、第1の実施形態と同様の効果が得られるほか、さらに、フィラメント断線時のインバータ回路を流れる電流位相が3倍共振の遅れ位相で動作するので、スイッチング素子Q1,Q2へのストレスも進相モード時に比べて軽減することが出来るという効果がある。
【0027】
(実施形態3)
本発明の第3の実施形態を図5に示す。本実施形態は、インバータ回路のフィラメントAと並列にインダクタL2とコンデンサC2の直列回路を接続し、フィラメントBと並列にインダクタL3とコンデンサC3の直列回路を接続したものである。
【0028】
フィラメントAもしくはBが断線すると、共振回路はインダクタL1とコンデンサC1にインダクタL2とコンデンサC2もしくはインダクタL3とコンデンサC3が加わるため、通常の無負荷共振周波数f0に対してインダクタL2とコンデンサC2(もしくはインダクタL3とコンデンサC3)が加わることにより、断線時共振周波数はf0’に変化する。この時、断線時共振周波数f0’が通常の無負荷共振周波数f0より遥に高いところに変化するように、インダクタL2とコンデンサC2(もしくはインダクタL3とコンデンサC3)を設定する。これにより、フィラメント断線時に共振回路で発生する電圧は低下する。つまり、断線時に発生するフィラメント極間に発生する過大な電圧を抑制することができる。
【0029】
本実施形態によれば、他励式のインバータ回路で且つコンデンサ予熱方式の放電灯点灯装置において、フィラメント断線時にフィラメント極間に印加される過大な電圧の発生を抑えることが可能となる。その結果、フィラメント極間の絶縁破壊を未然に防止することができ、管端部の異常加熱は発生しない。
【0030】
また、フィラメント断線時においてインバータ回路の動作周波数が共振周波数から離れるので、共振回路に発生する電圧も抑制することが可能となり、部品へのストレスも軽減することが可能になる。
また、フィラメント断線時の共振電圧は点灯時の電圧以下になるようにインダクタL2とコンデンサC2(もしくはインダクタL3とコンデンサC3)の値を設定すれば、より効果が大きい。
【0031】
【発明の効果】
本発明によれば、他励式のインバータ回路で且つコンデンサ予熱方式の放電灯点灯装置において、フィラメントが断線してインバータ回路が停止するまでの間にフィラメント極間に印加される過大な電圧の発生を抑えることが可能となる。また、フィラメント断線時においてインバータ回路の動作周波数が共振周波数から遠くに離れるので、共振回路に発生する電圧も抑制することが可能となり、部品へのストレスも軽減することが可能になる。また特に、請求項2の発明によれば、フィラメント断線時のインバータ回路を流れる電流位相が3倍共振の遅れ位相で動作するので、スイッチング素子へのストレスも進相モード時に比べて軽減することが出来るという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態の回路図である。
【図2】 本発明の第1の実施形態の共振特性を示す周波数特性図である。
【図3】 本発明の第2の実施形態の動作説明のための波形図である。
【図4】 本発明の第2の実施形態の共振特性を示す周波数特性図である。
【図5】 本発明の第3の実施形態の回路図である。
【図6】 第1の従来例の回路図である。
【図7】 第1の従来例の共振特性を示す周波数特性図である。
【図8】 第1の従来例の動作波形図である。
【図9】 第2の従来例の回路図である。
【符号の説明】
A フィラメント
B フィラメント
C2 コンデンサ
C3 コンデンサ
la 放電灯
E 直流電源
1 制御回路
2 駆動回路
Claims (5)
- 交流電源を直流電源に変換する直流電源回路と、前記直流電源を高周波に変換して放電灯負荷に高周波電力を供給するインバータ回路と、インバータ回路を構成するスイッチング素子を他励制御によりオン・オフさせる制御手段とを備え、前記インバータ回路は、少なくとも放電灯負荷と限流用インダクタおよび共振用コンデンサからなる共振負荷回路を備え、前記共振用コンデンサに流れる電流を放電灯負荷のフィラメントの予熱電流とした放電灯点灯装置において、フィラメント断線時に共振負荷回路の共振周波数を変化させるインピーダンス要素を放電灯負荷のフィラメントと並列に接続し、前記インピーダンス要素は、フィラメント断線時に共振負荷回路の共振周波数を、インバータ回路の動作周波数の2倍より大きくかつ限流用インダクタと共振用コンデンサにより決定される無負荷共振周波数よりも高い周波数に変化させるように選定されていることを特徴とする放電灯点灯装置。
- 請求項1において、前記インピーダンス要素は、フィラメント断線時に共振負荷回路の共振周波数を、スイッチング電流の位相が遅相モードとなる周波数に変化させるように選定されていることを特徴とする放電灯点灯装置。
- 請求項1において、フィラメントに並列接続されるインピーダンス要素はコンデンサであることを特徴とする放電灯点灯装置。
- 請求項3において、フィラメントに並列接続されるインピーダンス要素のインピーダンスは、フィラメントのインピーダンスの100倍以上の大きさであることを特徴とする放電灯点灯装置。
- 請求項1〜4のいずれかにおいて、フィラメント断線時に放電灯負荷が消灯することを特徴とする放電灯点灯装置。
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