JP3754503B2 - 風呂・給湯装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、風呂の自動湯張り機能を備えた風呂・給湯装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
給湯源の給湯熱交換器で作り出した湯を追い焚き循環路に送り込み、この追い焚き循環路を介して浴槽内に落とし込んで自動湯張りを行う、いわゆる湯張りモードの制御機能をもった風呂・給湯装置としての湯張り機能付き給湯器が広く採用されている。
【0003】
図16には、この種の湯張り機能付給湯器の配管システムが示されている。同図において、風呂バーナ6の上側に追い焚き熱交換器7が設けられ、その追い焚き熱交換器7の入口側には管路17の一端側が接続され、管路17の他端側は循環ポンプ18の吐出側に接続されている。この管路17には通水の温度を検出するサーミスタ等の風呂温度センサ9が設けられている。
【0004】
循環ポンプ18の吸込側には追い焚き循環路14の戻り管15が接続されており、循環口である戻り管15の戻り口側(入口側)は浴槽1の側壁に循環金具2を介して接続されている。この戻り管15には通水を検知してオン信号を出力する流水検出センサとしての追い焚き流水スイッチ16が設けられている。追い焚き熱交換器7の出口側には追い焚き循環路14の往管20の入口側が接続されており、往管20の出口側は循環金具2を介して浴槽側壁に接続されている。
【0005】
なお、図16では、配管システムが分かり易いように、往管20の出口側を戻り管15の戻り口側よりも下側に示したが、往管20の出口側と戻り管15の戻り口側とは、ほぼ同じ高さとなるように、循環金具2に取り付け配設してもよい。
【0006】
給湯バーナ4の上側には給湯源としての給湯熱交換器5が設けられ、この給湯熱交換器5の入口側には給水管11が接続され、この給水管11は水道等の水供給源に接続されており、この給水管11にはメインの流量センサ10が介設されている。給湯熱交換器5の出口側には給湯管12が接続されており、この給湯管12は台所等の所望の給湯場所に導かれている。
【0007】
前記給湯管12には湯張り用通路としての湯張り用管21が分岐されており、この湯張り用管21には、注湯制御弁としての注湯電磁弁24と、湯張りの流量を検出する流量検出センサ19とが設けられている。また、湯張り用管21には、注湯電磁弁24よりも下流側に、浴槽水位を検出する水位検出センサとしての圧力センサ13が設けられている。なお、図中、33はガス管、42は入水温度センサ、43は出湯温度センサをそれぞれ示している。
【0008】
この湯張り機能付給湯器の給湯運転と、追い焚き運転と、注湯湯張り運転とは制御装置34によって行われており、この制御装置34にはリモコン35が接続されている。このリモコン35の水位設定ボタン等により、設定水位を指定して湯張りを行うことにより、指定した設定水位の湯張りが可能となっている。
【0009】
この種の湯張り機能付給湯器では、リモコン35により湯張りの設定水位と設定温度を指定し、リモコン35の自動運転スイッチがオンされると、注湯電磁弁24が開けられ、給水管11から水が給湯熱交換器5に入り込む。この給水管11の通水をメインの流量センサ10が検出することにより給湯バーナ4が燃焼し、この燃焼火力でもって給湯熱交換器5を通る水が熱せられて湯になり、この湯は湯張り用管21を通って追い焚き循環路14内に入り、さらにこの追い焚き循環路14の戻り管15と往管20を通して浴槽1内に注湯される。
【0010】
通常、給湯熱交換器5からの湯の落とし込みは予め与えられた所定の水量ずつ断続的に行われ、この断続の湯の落とし込みが終了する毎に、循環ポンプ18が短時間だけ起動され、追い焚き流水スイッチ16の信号により、浴槽1の水位が循環金具の高さ位置に達したか否かが判断される。追い焚き流水スイッチ16からオン信号が加えられたときに、浴槽水位が循環金具2に達したものと判断され、次に、指定された設定水位の水量が一気に落とし込まれて指定した設定水位の湯張りが終了する。
【0011】
この注湯湯張り動作を的確に行うために、制御装置34は、湯張りの条件データを作成記憶する動作を行う記憶モードのシーケンスプログラムをもち、このシーケンスプログラムに従って記憶モードの湯張り動作を制御する。また、制御装置34は、この記憶モードの動作によって作成記憶された湯張りの条件データを用いて、実際の湯張りを行う実行モードのシーケンスプログラムも内蔵しており、このシーケンスプログラムに従い実際に湯張りを行う制御をする。
【0012】
図17には、前記シーケンスプログラムに従って行われる記憶モードでの湯張り動作がフローチャートにより示されており、以下、このフローチャートに基づいて、図16に示したようなシステム構成を有する湯張り機能付き給湯器の動作を説明する。まず、図17のステップ101 で、リモコン35等に設けられている自動スイッチをオンすると、ステップ102 で、図14に示す如く、最初にaリットル(例えば40リットル)の呼び水が浴槽1に落とし込まれ、次に、ステップ103 で、循環ポンプ18を短時間駆動させたときに、ステップ104 で、追い焚き流水スイッチ16がオフとなることを確認する。なお、オフとならないときには記憶エラーとなる。
【0013】
次に、ステップ105 で、予め定められた所定量の注湯、すなわち、図14に示す単位水量のbリットル(例えば10リットル又は浴槽1が大きい場合には20リットル)の湯水を断続的に落とし込む動作が行われ、この単位水量の湯水が落とし込まれた後に、ステップ106 で、循環ポンプ18の短時間の駆動が行われて、ステップ107 で、追い焚き流水スイッチ16がオンとなるか否かが判断される。
【0014】
そして、浴槽水位が循環金具2を越えた水位に達して、追い焚き循環路14の湯水循環の検知が最初に行われたときには、ステップ108 で、このときの水位を圧力の値Pa として、圧力センサ13により検出する。制御装置34は、この検出水位値を追い焚き循環路14の浴槽1への接続部(戻り管15の戻り口)よりも少し上側の基準水位として決定し、その浴槽水量(最初に流水検出センサが流水を検出するまでに浴槽1に注湯された積算流量)を浴槽1の基準水量QA として決定する。
【0015】
次に、ステップ109 で、cリットル(例えば30リットル又は浴槽1が大きい場合には60リットル)の注湯が行われ、ステップ110 で、このときの浴槽1の水位を圧力のPb として、圧力センサ13により検出する。そして、ステップ111 で、cリットル/(Pb −Pa )の演算により、浴槽1の開口面積Sを計算し、例えば図13の実線に示すような湯張りの条件データ、すなわち、浴槽水位(P)と浴槽水量(Q)とのP−Q関係データを作成して記憶する。なお、同図において、PS は設定水位、QS は設定水位に対応する水量を示している。
【0016】
次に、ステップ112 で、浴槽水位が設定水位未満か否かの判断を行い、浴槽水位が設定水位未満のときには、ステップ113 で設定水位までの注湯を行い、その後、ステップ114 で、圧力センサ13による圧力検出を行うことにより浴槽水位を検出し、浴槽水位が設定水位となるまでこの動作を繰り返す。また、ステップ112 で、浴槽水位が設定水位以上と判断されたときには、ステップ115 で、循環ポンプ18を駆動し、ステップ116 〜118 までの動作により、浴槽湯温が設定温度となるようにし、沸き上げブザーを鳴らす。
【0017】
一方、実行モードでの動作は、例えば図10に示されるフローチャートに基づいて行われる。まず、同図のステップ301 で、実行モードでの自動スイッチがオンされると、ステップ302 で循環ポンプ18の駆動が行われ、ステップ303 で、追い焚き流水スイッチ16がオフとなることが確認され、ステップ304 に進む。ステップ304 では、10リットルといった少量の注湯が行われ、ステップ305 での循環ポンプ18の駆動と、ステップ306 での追い焚き流水スイッチ16のオフ確認が順次行われ、追い焚き流水スイッチ16がオフのときにはステップ307 に進む。なお、ステップ303 で、追い焚き流水スイッチ16がオンとなったときおよび、ステップ306 で、追い焚き流水スイッチ16がオンとなったときにはステップ315 に進み、ステップ315 での追い焚きおよび、ステップ316 での圧力検出後にステップ317 に進む。
【0018】
ステップ307 では、記憶モードの動作によって作成されたP−Q関係データに基づいて、図15に示すように、浴槽水位が追い焚き循環路16の戻り管15の戻り口よりも下側となるようにXリットルの注湯が行われる。そして、ステップ308 での循環ポンプ18の駆動と、ステップ309 での追い焚き流水スイッチ16のオフ確認が順次行われ、追い焚き流水スイッチ16がオフのときには、ステップ310 に進む。なお、追い焚き流水スイッチ16がオンのときにはステップ315 に進む。
【0019】
ステップ310 では、前記P−Q関係データに基づいて、図15に示すように、浴槽水位が戻り管15の戻り口よりも少し上側の水位となるようなYリットルが求められ、Yリットルの注湯が行われる。そして、この注湯後に、ステップ311 で、圧力センサ13によって、前記基準水位に対応するA点水位(図15)の圧力検出が行われる。その後、ステップ312 で、循環ポンプ18の駆動が行われ、ステップ313 で、追い焚き流水スイッチ16がオンとなることが確認される。
【0020】
そして、前記ステップ310 〜313 までの動作が1回以上繰り返し行われ、ステップ313 で、追い焚き流水スイッチ16のオン信号を確認されたときには、ステップ314 で、圧力センサ補正(水位センサ補正)が行われる。
【0021】
この圧力センサ補正は、図11のフローチャートに基づいて行われるものであり、まず、同図のステップ401 で、循環口上までの注湯が1回か否かの判断が行われる。そして、この注湯が1回のときにはステップ402 へ進み、それ以外のきには、図10のステップ317 へ進んで圧力センサ補正は行わないことになる。図11のステップ402 では、図10のステップ311 で検出したA点水位(基準水位の実測検出水位)が、前記記憶モードの動作時検出した基準水位Pa (P−Q関係データ上の基準水位に対応する水位データ)に対して予め与えられた許容範囲を外れたか否か、すなわち、|A点水位−Pa |は許容範囲を越えたか否かの判断を行い、A点水位と基準水位Pa との差(|A点水位−Pa |)が許容範囲を越えたときには、ステップ403 に進み、この差が許容範囲を越えないときには、図10のステップ317 へ進む。
【0022】
図11のステップ403 では、|A点水位−Pa |が許容範囲を越えたのは、連続して同方向に2回(設定回数)か否かを判断し、同方向に2回のときには、図13の補正線aに示すように、前記P−Q関係データの基準水位Pa を今回の検出値Pa ′に書き替え、この書き替え後の基準水位に対応させて、P−Q関係データを平行移動させて書き替える。なお、図11のステップ403 で、|A点水位−Pa |が許容範囲を同方向に越えた回数が2回ではないと判断されたとき、すなわち、許容範囲を1回越えたときには、ステップ405 で1回目のカウントが行われる。
【0023】
以上のようにして圧力センサ補正動作が行われると、次に、図10のステップ317 〜319 までの動作(図17のステップ112 〜114 までの動作と同様の動作)により設定水位まで注湯が行われ、その後、図17のステップ115 〜118 までの動作と同様の動作により、浴槽湯水温度が設定温度とされる。
【0024】
また、この種の自動湯張り機能付き給湯器において、浴槽湯水の温度を風呂の設定温度に保つ保温モードの制御機能をもった給湯器においては、例えば図12に示すフローチャートに基づいて保温モードの動作が行われる。すなわち、タイマをセットしておいて例えば30分といった予め定められた設定時間毎に、ステップ501 で、循環ポンプ18の駆動を行い、ステップ502 で、このときの浴槽湯温の検出を行い、ステップ503 で、浴槽検出湯温が設定温度以上か否かの判断を行う。そして、浴槽検出湯温が設定温度未満のときには、ステップ504 で、風呂の追い焚きを行い、浴槽検出湯温が設定温度以上となったときには、ステップ505 で、循環ポンプ18をオフし、ステップ506 で、タイマのリセットを行う。
【0025】
なお、このような保温モードの制御機能をもった給湯器においては、一般に、浴槽水位を設定水位に保つ保水モードの制御機能を有しており、この保水モードの制御機能を備えた給湯器においては、前記保温モードの動作中(例えば浴槽湯温の保温を24時間連続して行う、いわゆる24時間風呂においては24時間)、予め定められた設定時間毎に圧力センサ13によって検出される検出圧力(浴槽1の検出水位)を制御装置34によって監視し、浴槽水位が設定水位よりも予め与えられた許容範囲を越えて小さくなったときには、足し湯を行って、浴槽水位がほぼ設定水位となるように制御動作が行われる。
【0026】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のような自動湯張り器具において、湯張り動作および保水モードの動作等は圧力センサ13等の水位センサによる検出水位(検出圧力)に基づいて行われるために、水位の検出は非常に重要であり、仮に、圧力センサ13のセンサ出力に狂いが生じたとき(水位センサ異常のとき)には、その異常検出を的確に行い、対処することが必要となる。そこで、この異常検出および対処のために、従来は、図10に示したように、実行モードの動作において圧力センサ補正を行っていた。
【0027】
しかしながら、最近では、前記24時間風呂等のような保温モードを備えた自動湯張り給湯器が普及され、この種の風呂・給湯装置においては、例えば保温モードの動作を長い間連続して行うようにすると、圧力センサ13等の水位センサの異常検出等が長い間行われないことになり、水位センサ補正が長い間行われないことになる。そうすると、仮に圧力センサ13等の水位センサ出力に狂いが生じたとしても、その状態で風呂・給湯装置が使用されることになり、正確な水位キープ動作や自動湯張り動作が行われずに、足し湯による湯水の溢れ等が起こることもあり、非常に問題であった。
【0028】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、24時間風呂のような保水機能を備えた風呂・給湯装置において、保水機能を有する保温モードの動作が長い間連続して行われたとしても、圧力センサ等の水位センサの異常検出を的確に行うことが可能であり、それにより、湯張りや水位キープ動作を正確に行うことができる風呂・給湯装置を提供することにある。
【0029】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は次のような構成により課題を解決するための手段としている。すなわち、本第1の発明は、湯張りモードと保温モードの制御機能をもち、浴槽水位を検出する水位センサを備え、湯張りモードの動作においては、予め与えられる浴槽水位(P)と浴槽水量(Q)とのP−Q関係データに基づき設定水位まで浴槽への湯張りを行う風呂・給湯装置において、湯張り後の保温モードの動作中に水位センサの出力を監視する水位監視部と、水位監視部により許容変化値を越えた水位変化が検出されたときにその水位変化の前後の予め与えられる設定時間中に水位変動が生じたか否かを判断し前記設定時間中に水位変動が生じていないときには水位変化分だけ前記P−Q関係データを水位変化方向に補正するP−Qデータ補正部とを有することを特徴として構成されている。
【0030】
また、本第2の発明は、湯張りモードと保温モードの制御機能をもち、浴槽水位を検出する水位センサを備え、湯張りモードの動作においては、予め与えられる浴槽水位(P)と浴槽水量(Q)とのP−Q関係データに基づき設定水位まで浴槽への湯張りを行う風呂・給湯装置において、湯張り後の保温モードの動作中に水位センサの出力を監視する水位監視部と、水位監視部により許容変化値を越えた水位変化が検出されたときにその水位変化の前後の予め与えられる設定時間中に水位変動が生じたか否かを判断し前記設定時間中に水位変動が生じていないときには水位データが前記許容変化値を越えて変化する毎に水位データを更新記憶する水位データ記憶部と、保温モード動作後の次の湯張り動作時に浴槽が空の状態から予め与えられる基準水位まで湯張りされた後に水位センサの出力を検出し、基準水位の実測検出水位がP−Q関係データ上の基準水位に対応する水位データに対して許容範囲を外れて同じ方向にずれている現象が湯張り動作毎に1回以上の設定回数連続的に生じ、かつ、水位データ記憶部の水位データが前記基準水位に対応する実測検出水位の初回のずれ検出前の保温モードの動作中に更新されていたときにはP−Q関係データを基準水位に対応する実測検出水位のずれ分だけずれ方向に補正するP−Qデータ補正部とを有することを特徴として構成されている。
【0031】
さらに、前記P−Qデータ補正部は基準水位に対応する実測検出水位のずれ方向と水位データ記憶部で更新された水位データの水位変更方向とが同方向のときのみP−Q関係データを補正する構成としたことも本第2の発明の特徴的な構成とされている。
【0032】
さらにまた、前記P−Q関係データを補正するP−Qデータ補正部の代わりに、P−Q関係データを補正するときと同じタイミングで水位センサの出力をその変化分又はずれ分だけ修正する方向に補正する水位センサ出力補正部を設けたことも本発明の特徴的な構成とされている。
【0033】
上記構成の本第1の発明において、湯張り後の保温モードの動作中に、水位監視部によって水位センサの出力が監視され、許容変化値を越えた水位変化が検出されときには、その水位変化の前後の予め与えられる設定時間中に水位変動が生じたか否かの判断が行われ、前記設定時間中に水位変動が生じていないときには、予め与えられる浴槽水位(P)と浴槽水量(Q)とのP−Q関係データが、P−Qデータ補正部によって前記水位変化分だけ水位変化方向に補正される。
【0034】
このように、本第1の発明においては、湯張り後の保温モードの動作中に、水位センサ出力の監視が行われてP−Q関係データの補正が行われるために、たとえ保温モードの動作が連続して長く行われたとしても、P−Q関係データ補正等による水位センサ補正が的確に行われることになり、上記課題が解決される。
【0035】
また、上記構成の本第2の発明においても、上記本第1の発明と同様に、水位監視部による水位センサ出力の監視が行われて水位変化および水位変動の検出が行われ、この水位データが許容変化値を越えて変化する毎に、水位データ記憶部によって水位データの更新記憶が行われ、この記憶データに基づいて、P−Q関係データの補正等による水位センサ補正が行われるために、上記課題が解決される。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、本実施形態例の説明において、従来例と同一名称部分には同一符号を付し、その重複説明は省略する。まず、本発明に係る風呂・給湯装置の第1実施形態例について説明する。本実施形態例の風呂・給湯装置は、従来例と同様に、図16に示したようなシステム構成を備えた自動湯張り機能付き給湯器であり、湯張りモードと保温モードの制御機能を有している。本実施形態例が従来例と異なる特徴的なことは、図1に示す本実施形態例に特有な制御回路を制御装置34に設け、保温モードの動作中に圧力センサ補正動作を行うように構成したことである。この制御回路は、同図に示すように、動作制御部23、水位監視部24、データ格納部25、P−Qデータ補正部26、時計機能27を有して構成されており、圧力センサ13に接続されている。
【0037】
動作制御部23は、予め与えられるシーケンスプログラムに従って、湯張りモードの動作や保温モードの動作制御を行うものであり、本実施形態例においても、記憶モードでの自動湯張り動作制御は従来例と同様であるので、その説明は省略する。なお、記憶モードでの動作時に作成されるP−Q関係データは、データ格納部25に格納され、動作制御部23は、データ格納部25に格納したP−Q関係データに基づいて実行モードでの自動湯張り動作および保温モードの動作制御を行う。
【0038】
水位監視部24は、湯張り後の保温モードの動作時に、水位センサとしての圧力センサ13の出力を監視するものであり、圧力センサ13の検出圧力を検出水位として監視し、この検出水位値を時々刻々とP−Qデータ補正部26に加える。また、水位監視部24には、予め水位変化の許容変化値が与えられており、圧力センサ13による検出水位がこの許容変化値を越えて変化したときには、水位変化信号をP−Qデータ補正部26に加える。
【0039】
P−Qデータ補正部26は、時計機構27によって検出される時間を取り込み、さらに、水位監視部24から加えられる圧力センサ13の検出水位の値と水位変化信号とを受けて、水位監視部24により許容変化値を越えた水位変化が検出されたとき(水位変化信号が加えられたとき)にその水位変化の前後の予め与えられる設定時間中に水位変動が生じたか否かを判断し、前記設定時間中に水位変動が生じていないときには、水位変化分だけ、データ格納部25に格納されているP−Q関係データを水位変化方向に補正するものである。
【0040】
具体的には、例えば、水位監視部により監視される水位が、例えば図4の特性線aに示すように、許容変化値を越えた変化値ΔP0 だけ変化したときに、その前後の予め与えられる設定時間tA ,tB 中に水位変動が生じているか否かを判断し、水位変動が生じていないときには、圧力センサ13の異常(センサ出力に狂いが生じている)と判断されるため、図3に示すように、水位変化ΔP0 分だけP−Q関係データを水位変化方向に平行移動させて補正する。また、図4の特性線bに示すように、許容変化値を越えた水位変化が検出されても、その前後の設定時間tA ,tB 中に水位変動が生じているときには、圧力センサ13の異常ではなく、例えば風呂の利用者による浴槽湯水の汲み出し等によって浴槽水位変化が生じたものと考えられるために、P−Qデータ補正部26による前記P−Q関係データの補正は行われないことになる。
【0041】
前記動作制御部23は、P−Q関係データの補正が行われたときには、補正後のデータに基づいて前記動作制御を行う。
【0042】
本実施形態例は以上のように構成されており、次に、本実施形態例の自動湯張り機能付き給湯器における保温モードでの制御動作について、図5に示すフローチャートに基づいて説明する。まず、同図のステップ202 で、自動湯張り後の保温モードの動作が開始されると、ステップ204 で、圧力センサ13による浴槽水位検出が行われてこの圧力センサ13の出力が水位監視部24によって監視され、ステップ205 で、検出水位変化の有無が判断され、水位変化があるときにはステップ206 に進む。
【0043】
ステップ206 では、この水位変化は、水位監視部24に与えられている前記許容変化値を越えたか否かの判断が行われ、水位変化が許容変化値を越えたときには、ステップ207 で、P−Qデータ補正部26により、この水位変化の前後の設定時間tA ,tB 中に水位変動が生じたか否かの判断が行われる。そして、例えば図4の特性線aに示したように、設定時間tA ,tB 中に水位変動が生じていないときには、ステップ208 で、P−Qデータ補正部26によるP−Q関係データの補正が、例えば図3に示した如く、補正前のP−Q関係データの水位変化方向への平行移動によって行われる。なお、このP−Q関係データの補正により、補正後のP−Q関係データにおいては、水量QS に対応する水位がPS ′となるため、動作制御部23は圧力センサ13によって検出される検出水位がPS ′のときに設定水位であると判断することができる。そして、このP−Q関係データ補正後に、図5のステップ209 へ進む。
【0044】
なお、同図のステップ205 で、水位変化がないと判断されたときや、ステップ206 で、その水位変化が前記許容変化値以下であると判断されたときや、ステップ207 で、水位変化前後の設定時間tA ,tB 中に水位変動が生じたと判断されたときには、いずれも前記P−Q関係データの補正は行われずにステップ209 へ進む。
【0045】
ステップ209 では、圧力センサ13による検出圧力(検出水位)が設定水位以上か否かの判断が行われ、設定水位未満のときには、ステップ210 で足し湯が行われた後、ステップ204 に戻り、一方、ステップ209 で、圧力センサ13による検出水位が設定水位以上であると判断されたときには、ステップ211 へ進む。そして、ステップ211 で、例えば30分といった予め与えられた時間が経過したことが確認されるまでは、前記ステップ204 〜211 までの動作が繰り返し行われ、ステップ211 で、30分経過したことが確認されたときには、図12のステップ501 へ進み、浴槽湯水の保温動作が行われる。
【0046】
なお、図6には、本実施形態例における実行モードでの自動湯張り動作のフローチャートが示されており、同図において、図10に示した従来例の自動湯張り機能付き給湯器における実行モードでの自動湯張り動作と同様の動作には同一のステップ番号が付してあるが、本実施形態例では、前記の如く、保温モードの動作中にP−Q関係データの補正を行って水位センサ補正を行うために、実行モードでの自動湯張り動作時には水位センサ補正は行わない。
【0047】
また、図10に示したように、従来の自動湯張り機能付き給湯器においては、図10のステップ307 〜313 までに示したように、循環口の下までのXリットルの注湯と、循環口の上までのYリットルの注湯とに分けて基準水位となるA点水位までの注湯を行ったが、本実施形態例では、実行モードでの自動湯張り動作時に水位センサ補正を行わないため、図6のステップ306 での追い焚き流水スイッチオフ確認動作の後に、同図のステップS1で、図7に示すような循環口の上(戻り管15の戻り口の上)までのZリットルの注湯を一気に行う。そして、その後、ステップS2で、循環ポンプ18を起動し、ステップS3で、追い焚き流水スイッチ16がオンされたときには、ステップ316 に進むようにしており、その後、ステップ316 〜321 までの動作により、従来例とほぼ同様の湯張りおよび追い焚き動作を行う。
【0048】
本実施形態例によれば、上記動作により、湯張り後の保温モードの動作中に圧力センサ13の出力を監視し、その水位変化が予め与えられた許容変化値を越え、かつ、その水位変化前後の予め与えられる設定時間tA ,tB 中に水位変動が生じていないときには、圧力センサ13の異常、すなわち、圧力センサ13による検出圧力に狂いが生じたと判断するために、保温モードの動作が長い間連続して行われた場合にも、圧力センサ13の異常検出を的確に行うことができる。
【0049】
そして、本実施形態例によれば、前記の如く、保温モードの動作中に圧力センサ13の検出圧力に狂いが生じたと判断されたときには、この狂いによって生じたと判断される水位変化分だけP−Q関係データを水位変化方向に補正することにより、圧力センサ13の検出出力に応じて補正したP−Q関係データに基づいて、動作制御部23による自動湯張り動作および保温モード動作を正確に行うことができる。
【0050】
さらに、本実施形態例によれば、実行モードでの湯張り動作時に水位センサ補正を行わないために、従来の実行モードでの自動湯張り動作における循環口下までの注湯動作を省略し、循環口の上側までの注湯を一気に行うことができるために、実行モードでの湯張り動作を簡略化することができる。
【0051】
図2には、本発明に係る風呂・給湯装置の第2実施形態例に特有な制御回路の要部構成が示されている。本実施形態例の風呂・給湯装置も、上記第1実施形態例の風呂・給湯装置と同様のシステム構成を備えた自動湯張り機能付き給湯器であり、図2において、上記第1実施形態例と同一名称部分には同一符号が付してある。
【0052】
同図に示すように、本実施形態例の特有な回路は、動作制御部23、水位監視部24、データ格納部25、水位データ記憶部28、P−Qデータ補正部26、時計機構27を有して構成されており、P−Qデータ補正部26にはカウンタ回路30が設けられている。また、本実施形態例でも、圧力センサ13が接続されている。
【0053】
動作制御部23、水位監視部24、データ格納部25の構成および機能は、上記第1実施形態例と同様であるので、その重複説明は省略する。なお、本実施形態例では、水位監視部24は、圧力センサ13による検出圧力(検出水位)値を水位データ記憶部28、P−Qデータ補正部26に加え、また、圧力センサ13によって前記許容変化値を越えた水位変化が検出されたときには水位変化信号をP−Qデータ補正部26に加えると共に、この水位変化信号を水位データ記憶部28に加える。
【0054】
水位データ記憶部28は、水位監視部24から加えられる水位変化信号を受けて、時計機構27により検出される時間に基づき、上記第1実施形態例のP−Qデータ補正部26と同様に、水位変化前後の予め与えられる設定時間tA ,tB 中に水位変動が生じたか否かを判断し、設定時間tA ,tB 中に水位変動が生じていないときには、水位データが許容変化値を越えて変化する毎に水位データを更新記憶するものである。なお、この更新記憶の方法は適宜設定されるものであり、例えば、1つのメモリ部を有し、水位データが更新される毎に更新前のデータを消去して新しいデータに書き替えるものであってもよいし、複数のメモリ部を有し、各メモリ部に順々に水位データを記憶し、全てのメモリ部が一杯になったときには古いデータから消去して順に書き替えるタイプのものであってもよい。
【0055】
P−Qデータ補正部26は、本実施形態例では、保温モード動作後の次の湯張り動作時にP−Qデータ補正を行うものであり、保温モード動作後の次の実行モードでの湯張り動作時に、浴槽1が空の状態から予め与えられる基準水位まで湯張りされた後に、圧力センサ13の出力を検出する。そして、それによって検出される基準水位の実測検出水位(A点水位の実測値)が、記憶モードの動作時に作成されてデータ格納部25に記憶されているP−Q関係データ上の基準水位に対応する水位データに対して許容範囲を外れて同じ方向にずれている現象が、湯張り動作毎に例えば2回といった1回以上の設定回数連続的に生じ、かつ、水位データ記憶部28の水位データが基準水位に対応する実測検出水位の初回のずれ検出前の保温モードの動作中に更新されていたときには、P−Q関係データを基準水位に対応する実測検出水位のずれ分だけずれ方向に補正するものである。
【0056】
なお、本実施形態例では、P−Qデータ補正部26は、基準水位に対応する実測検出水位のずれ量と水位データ記憶部28で更新された水位データの水位変更方向とが同方向のときのみP−Q関係データを補正する構成と成している。
【0057】
具体的には、P−Qデータ補正部26は、保温モード動作後の次の実行モードでの湯張り動作時に検出される基準水位の実測検出水位(例えばPa ′)が、P−Q関係データ上の基準水位に対応する水位データ(例えばPa )よりも小さく(Pa >Pa ′)、その差が許容範囲を外れていて、しかも、このずれ検出前の保温モードの動作中に水位データ記憶部28の水位データが水位を小さくする方向に変更されていたときには、P−Q関係データを例えば図3に示すように、浴槽水量に対する浴槽水位が小さくなる方向に補正する。また、その逆に、前記水位Pa ′,Pa の関係が、Pa ′>Pa となり、かつ、このずれ検出前の保温モードの動作中に、水位データ記憶部28によって水位を大きくする方向に水位データが補正されていたときには、前記とは逆に、浴槽水量に対する浴槽水位が大きくなる方向にP−Q関係データの平行移動を行ってデータ補正を行う。
【0058】
なお、このようなP−Qデータ補正部26によるP−Q関係データの補正に際し、カウンタ回路30は、実行モードでの湯張り動作時に、基準水位の実測検出水位が、P−Q関係データ上の基準水位に対応する水位データに対して許容範囲を外れて同方向へずれた回数をカウントする。
【0059】
本実施形態例は以上のように構成されており、次に本実施形態例の自動湯張り機能付き給湯器における保温モードでの動作および実行モードでの自動湯張り動作について説明する。なお、本実施形態例においても、記憶モードでの自動湯張り動作は、上記第1実施形態例および従来例と同様であるので、その説明は省略する。
【0060】
本実施形態例においては、保温モードの動作は、図8に示すフローチャートに基づいて行われるものであり、同図において、図5に示した上記第1実施形態例における保温モードでの動作と同様の動作には同一のステップ番号が付してある。図8に示すように、本実施形態例における保温モードの動作は、上記第1実施形態例における保温モードの動作とほぼ同様に行われるが、本実施形態例では、保温モードの動作中にP−Q関係データの補正は行われずに、その代わり、まず、図8のステップ202 での保温開始後に、ステップ203 で、このときの基準水位を基準とした水位(通常は実行モードでの湯張り動作後の水位であるので、例えば、図3のPK に示すような、基準水位から設定水位までの水位となる)が保温キープ水位として水位データ記憶部28に記憶される。
【0061】
そして、その後、ステップ204 〜207 までの動作が上記第1実施形態例と同様にして行われ、ステップ207 で、設定時間tA ,tB 中に水位変動が生じていないと判断されたときには、ステップSA で、水位データ記憶部28により、前記ステップ203 で記憶した保温キープ水位の更新記憶が行われる。この更新記憶された保温キープ水位のデータは、保温モード動作後の次の実行モードでの湯張り動作時の圧力センサ補正(P−Q関係データ補正)に備えられるものであり、以下、図8のステップ209 以降の動作は、上記第1実施形態例と同様に行われる。
【0062】
次に、本実施形態例の実行モードでの自動湯張り動作について説明する。本実施形態例における実行モードでの自動湯張り動作は、従来例と同様に、図10に示したフローチャートに基づいて行われるものであり、本実施形態例における実行モードでの自動湯張り動作が従来例における実行モードでの自動湯張り動作と異なることは、図10のステップ314 での圧力センサ補正動作を、本実施形態例では図9に示すフローチャートに基づいて行うようにしたことである。なお、図9において、図11に示した従来の自動湯張り機能付き給湯器における圧力センサ補正動作と同様の動作には同一のステップ番号を付してある。
【0063】
図9に示すように、本実施形態例でも、ステップ401 〜403 までの動作が従来例と同様にして行われ、本実施形態例では、図9のステップ403 で、|A点水位−Pa |が許容範囲を越えたのが連続して同方向に2回(設定回数)となったと判断されたとき、すなわち、P−Qデータ補正部26のカウンタ回路30によるカウント数が2回となったときには、ステップSB で、この許容範囲を越えた方向(すなわち、基準水位に対応する実測検出水位のずれ方向)は、前記保温モードでの動作時に水位データ記憶部28によって更新記憶された水位更新方向と同方向か否かの判断が行われる。そして、前記ずれ方向と保温キープ水位の更新方向とが同方向のときにのみ、ステップ404 に進み、P−Q関係データの補正が行われ、前記ずれ方向と保温キープ水位の更新方向とが異なるときにはP−Q関係データの補正は行われずに図10のステップ317 へ進む。
【0064】
本実施形態例によれば、上記第1実施形態例と同様に、湯張り後の保温モードの動作中に圧力センサ13の出力を監視して圧力センサ13によって検出される検出水位変化が水位監視部24に与えられている許容変化値を越え、かつ、この水位変化前後の予め与えられる設定時間tA ,tB 中に水位変動が生じていないときには、圧力センサ13の出力に狂いが生じていると判断するために、保温モードの動作中に圧力センサ13の異常検出を的確に行うことができる。
【0065】
そして、本実施形態例によれば、保温モードの動作中に保温キープ水位をもち、前記のように圧力センサ13の異常検出が行われたときには、この保温キープ水位を更新し、保温モードの動作後の次回の実行モードでの自動湯張り動作時にP−Q関係データの補正による水位センサ補正を行うために、P−Q関係データを的確に補正することが可能となり、自動湯張り動作および水位キープ動作を正確に行うことができる。
【0066】
なお、本発明は上記実施形態例に限定されることはなく、様々な実施の態様を採り得る。例えば、上記第2実施形態例では、P−Qデータ補正部26は、図9のステップSB の動作を行うことにより、基準水位に対応する実測検出水位のずれ方向と水位データ記憶部28で更新された水位データの水位更新方向とが同方向のときのみP−Q関係データを補正する構成としたが、P−Qデータ補正部26は、前記ずれ方向と保温キープ水位の更新方向とが異なる方向であっても、基準水位の実測検出水位がP−Q関係データ上の基準水位に対応する水位データに対して許容範囲を外れて同じ方向にずれている現象が湯張り動作毎に1回以上の設定回数連続的に生じ、かつ、この初回のずれ検出前の保温モードの動作中に水位データ記憶部28の水位データが更新されていたときにはP−Q関係データの補正を行うようにしてもよい。
【0067】
なお、このようなときには、図9のステップSB の動作の代わりに、例えば、保温キープ水位の更新が行われたか否かを判断する動作を行うことになる。
【0068】
また、このようなP−Q関係データの補正に際し、水位データ記憶部28の水位データ更新が行われ、かつ、実行モードでの湯張り動作時に検出される基準水位の実測検出水位がP−Q関係データ上の基準水位に対応する水位データに対して許容範囲を外れて同じ方向にずれている現象が起こる回数が2回となったときにP−Q関係データの補正を行う代わりに、前記現象が起こる回数が1回以上の別の設定回数連続的に生じたときにP−Q関係データの補正を行うようにしてもよい。
【0069】
さらに、図1,2の破線に示すように、P−Qデータ補正部26の代わりに、P−Q関係データを補正するときと同じタイミングで圧力センサ13等の水位センサの出力をその変化分又はずれ分だけ修正する方向に補正する水位センサ出力補正部29を設け、この水位センサ出力補正部29によって補正した水位センサ出力に基づいて、動作制御部23による湯張りモードの制御動作および保温モードの制御動作を行うようにしてもよい。
【0070】
さらに、本発明の風呂・給湯装置は、必ずしも図16に示したようなシステム構成を有する自動湯張り機能付き給湯器とするとは限らず、圧力センサ13等の浴槽水位検出用の水位センサを備え、湯張りモードと保温モードの制御機能をもった風呂・給湯装置であれば、そのシステム構成は適宜設定されるものである。
【0071】
【発明の効果】
本発明によれば、湯張り後の保温モードの動作中に水位センサの出力を監視し、検出される水位変化が許容変化値を越えたときにその水位変化前後の予め与えられる設定時間中に水位変動が生じたか否かを判断するようにしたものであるから、例えば浴槽湯水の汲み出し等による水位変動が生じていないにもかかわらず、水位変化が許容変化値を越えたときには、水位センサの出力に狂いが生じたものであると的確に判断することができる。
【0072】
そして、本発明によれば、このように、保温モードの動作中に、水位センサの異常検出を的確に行うことができるために、この検出結果に基づいて、例えば本第1の発明においては、保温モードの動作中に予め与えられた浴槽水位と浴槽水量とのP−Q関係データを前記水位変化分だけ水位変化方向に補正することにより、水位センサの出力に応じてP−Q関係データの補正を行い、この補正後のP−Q関係データに基づいて正確な湯張り動作および水位キープ動作を行うことができる。
【0073】
また、本第2の発明においては、前記判断結果に基づいて、保温モード中に水位データの更新記憶を行い、この更新が行われ、かつ、次回の湯張り動作時に基準水位の実測検出水位がP−Q関係データ上の基準水位に対応する水位データに対して許容範囲を外れて同じ方向にずれている現象が設定回数連続的に生じたときにP−Q関係データを前記ずれ量分だけずれ方向に補正することにより、上記本第1の発明と同様に、水位センサの出力に応じて的確にP−Q関係データを補正し、この補正後のデータに基づいて正確な湯張り動作および水位キープ動作を行うことができる。
【0074】
さらに、本第2の発明において、P−Qデータ補正部は基準水位に対応する実測検出水位のずれ方向と水位データ記憶部で更新された水位データの水位変更方向とが同方向のときのみP−Q関係データを補正する構成としたものにおいては、前記ずれ方向と水位データの水位更新方向とが同方向のときのみP−Q関係データを補正することにより、より一層確実に、水位センサの検出出力のずれに応じた正確な湯張り動作および水位キープ動作を行うことができる。
【0075】
さらに、前記P−Q関係データを補正するP−Qデータ補正部の代わりに、P−Q関係データを補正するときと同じタイミングで水位センサの出力をその変化分又はずれ分だけ修正する方向に補正する水位センサ出力補正部を設けた本発明によれば、P−Q関係データの補正の代わりに、水位センサ出力をその変化分又はずれ分だけ修正する方向に補正することにより、この補正後のセンサ出力を利用して、予め与えられたP−Q関係データに基づく湯張り動作および水位キープ動作を正確に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る風呂・給湯装置の第1実施形態例の制御部要部構成を示すブロック図である。
【図2】本発明に係る風呂・給湯装置の第2実施形態例の制御部要部構成を示すブロック図である。
【図3】上記第1、第2実施形態例の風呂・給湯装置によって行われるP−Q関係データ補正動作の説明図である。
【図4】上記第1、第2実施形態例の風呂・給湯装置水位センサ出力監視動作によって検出される浴槽水位の時間的変化の例を示すグラフである。
【図5】上記第1実施形態例の風呂・給湯装置によって行われる保温モードの動作を示すフローチャートである。
【図6】上記第1実施形態例の風呂・給湯装置によって行われる実行モードでの湯張り動作を示すフローチャートである。
【図7】図6に示した実行モードでの自動湯張り動作時の注湯水量を示す説明図である。
【図8】上記第2実施形態例の風呂・給湯装置における保温モードでの動作を示すフローチャートである。
【図9】上記第2実施形態例の風呂・給湯装置における実行モードでの動作中の水位センサ補正(圧力センサ補正)動作を示すフローチャートである。
【図10】上記第2実施形態例の風呂・給湯装置および従来例の風呂・給湯装置における実行モードでの自動湯張り動作を示すフローチャートである。
【図11】従来の風呂・給湯装置における実行モードでの動作中の水位センサ補正(圧力センサ補正)動作を示すフローチャートである。
【図12】従来の風呂・給湯装置における保温モードの動作を示すフローチャートである。
【図13】従来の風呂・給湯装置におけるP−Q関係データの補正動作の一例を示す説明図である。
【図14】風呂・給湯装置の記憶モードでの自動湯張り動作中の注湯水量の一例を示す説明図である。
【図15】風呂・給湯装置における実行モードでの自動湯張り動作中の注湯水量の一例を示す説明図である。
【図16】一般的な風呂・給湯装置としての自動湯張り機能付き給湯器のシステム構成図である。
【図17】風呂・給湯装置の記憶モードでの自動湯張り動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 浴槽
13 圧力センサ
23 動作制御部
24 水位監視部
25 データ格納部
26 P−Qデータ補正部
27 時計機構
28 水位データ記憶部
29 水位センサ出力補正部
30 カウンタ回路
Claims (4)
- 湯張りモードと保温モードの制御機能をもち、浴槽水位を検出する水位センサを備え、湯張りモードの動作においては、予め与えられる浴槽水位(P)と浴槽水量(Q)とのP−Q関係データに基づき設定水位まで浴槽への湯張りを行う風呂・給湯装置において、湯張り後の保温モードの動作中に水位センサの出力を監視する水位監視部と、水位監視部により許容変化値を越えた水位変化が検出されたときにその水位変化の前後の予め与えられる設定時間中に水位変動が生じたか否かを判断し前記設定時間中に水位変動が生じていないときには水位変化分だけ前記P−Q関係データを水位変化方向に補正するP−Qデータ補正部とを有する風呂・給湯装置。
- 湯張りモードと保温モードの制御機能をもち、浴槽水位を検出する水位センサを備え、湯張りモードの動作においては、予め与えられる浴槽水位(P)と浴槽水量(Q)とのP−Q関係データに基づき設定水位まで浴槽への湯張りを行う風呂・給湯装置において、湯張り後の保温モードの動作中に水位センサの出力を監視する水位監視部と、水位監視部により許容変化値を越えた水位変化が検出されたときにその水位変化の前後の予め与えられる設定時間中に水位変動が生じたか否かを判断し前記設定時間中に水位変動が生じていないときには水位データが前記許容変化値を越えて変化する毎に水位データを更新記憶する水位データ記憶部と、保温モード動作後の次の湯張り動作時に浴槽が空の状態から予め与えられる基準水位まで湯張りされた後に水位センサの出力を検出し、基準水位の実測検出水位がP−Q関係データ上の基準水位に対応する水位データに対して許容範囲を外れて同じ方向にずれている現象が湯張り動作毎に1回以上の設定回数連続的に生じ、かつ、水位データ記憶部の水位データが前記基準水位に対応する実測検出水位の初回のずれ検出前の保温モードの動作中に更新されていたときにはP−Q関係データを基準水位に対応する実測検出水位のずれ分だけずれ方向に補正するP−Qデータ補正部とを有する風呂・給湯装置。
- P−Qデータ補正部は基準水位に対応する実測検出水位のずれ方向と水位データ記憶部で更新された水位データの水位変更方向とが同方向のときのみP−Q関係データを補正する構成とした請求項2記載の風呂・給湯装置。
- P−Q関係データを補正するP−Qデータ補正部の代わりに、P−Q関係データを補正するときと同じタイミングで水位センサの出力をその変化分又はずれ分だけ修正する方向に補正する水位センサ出力補正部を設けたことを特徴とする請求項1又は請求項2又は請求項3記載の風呂・給湯装置。
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