JP3713089B2

JP3713089B2 - 自動湯張り器具および自動湯張り器具を用いた自動湯張り方法

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Publication number: JP3713089B2
Application number: JP03901396A
Authority: JP
Inventors: 幸伸野口
Original assignee: 株式会社ガスター
Priority date: 1996-02-01
Filing date: 1996-02-01
Publication date: 2005-11-02
Anticipated expiration: 2016-02-01
Also published as: JPH09210465A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、風呂の自動湯張り機能を備えた自動湯張り器具および自動湯張り器具を用いた自動湯張り方法に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
給湯源の給湯熱交換器で作り出した湯を追い焚き循環管路に送り込み、この追い焚き循環管路を介して浴槽内に落とし込んで自動湯張りを行う、自動湯張り器具としての湯張り機能付給湯器が広く採用されている。
【０００３】
図４には、この種の湯張り機能付給湯器の配管システムが示されている。同図において、風呂バーナ６の上側に追い焚き熱交換器７が設けられ、その追い焚き熱交換器７の入口側には管路17の一端側が接続され、管路17の他端側は循環ポンプ18の吐出側に接続されている。この管路17には通水の温度を検出するサーミスタ等の風呂温度センサ９が設けられている。
【０００４】
循環ポンプ18の吸込側には追い焚き循環路14の戻り管15が接続されており、循環口である戻り管15の戻り口側（入口側）は浴槽１の側壁に循環金具２を介して接続されている。この戻り管15には通水を検知してオン信号を出力する流水検出センサとしての追い焚き流水スイッチ16が設けられている。追い焚き熱交換器７の出口側には追い焚き循環路14の往管20の入口側が接続されており、往管20の出口側は循環金具２を介して浴槽側壁に接続されている。
【０００５】
なお、図４では、配管システムが分かり易いように、往管20の出口側を戻り管15の戻り口側よりも上側に示したが、その逆でも良いし、往管20の出口側と戻り管15の戻り口側とは、ほぼ同じ高さとなるように、循環金具２に取り付け配設してもよい。また、最近の装置においては、戻り管15の戻り口の高さは例えば浴槽１の底面から約15cmとなっている。
【０００６】
給湯バーナ４の上側には給湯源としての給湯熱交換器５が設けられ、この給湯熱交換器５の入口側には給水管11が接続され、この給水管11は水道等の水供給源に接続されており、この給水管11にはメインの流量センサ10が介設されている。給湯熱交換器５の出口側には給湯管12が接続されており、この給湯管12は台所等の所望の給湯場所に導かれている。
【０００７】
前記給湯管12には湯張り用管21が分岐されており、この湯張り用管21には、注湯制御弁としての注湯電磁弁24と、湯張りの流量を検出する流量検出センサ19と、浴槽水位を検出する水位検出センサとしての圧力センサ13とが設けられている。なお、図中、33はガス管、42は入水温度センサ、43は出湯温度センサをそれぞれ示している。
【０００８】
この湯張り機能付給湯器の給湯運転と、追い焚き運転と、注湯湯張り運転とは制御装置34によって行われており、この制御装置34にはリモコン35が接続されている。このリモコン35の水位設定ボタン等により、設定水位を指定して湯張りを行うことにより、指定した設定水位の湯張りが可能となっている。
【０００９】
この種の湯張り機能付給湯器では、リモコン35により湯張りの設定水位と設定温度を指定し、リモコン35の自動運転スイッチがオンされると、注湯電磁弁24が開けられ、給水管11から水が給湯熱交換器５に入り込む。この給水管11の通水をメインの流量センサ10が検出することにより給湯バーナ４が燃焼し、この燃焼火力でもって給湯熱交換器５を通る水が熱せられて湯になり、この湯は湯張り用管21を通って追い焚き循環路14内に入り、さらにこの追い焚き循環路14の戻り管15と往管20を通して浴槽１内に注湯される。
【００１０】
この注湯湯張り動作を的確に行うために、この種の自動湯張り器具の制御装置34には、図５に示すように、注湯制御部26とメモリ部27とが設けられており、メモリ部27は初期注湯量記憶部28を有して構成されている。
【００１１】
注湯制御部26は、湯張りの条件データを作成記憶する動作を行う湯張りのシーケンスプログラムをもち、このシーケンスプログラムに基づく注湯動作手順に従い、記憶モードの湯張りの動作を制御する。また、注湯制御部26は、前記記憶モードの動作によって作成記憶された湯張りの条件データを用いて、実際の湯張りを行うシーケンスプログラムも内蔵しており、このシーケンスプログラムに従い、実際に湯張りを行う実行モードでの湯張り動作を制御する。
【００１２】
初期注湯量記憶部28は、前記記憶モードの湯張り動作開始時に初めに注湯する設定初期注湯量を記憶するものであり、この設定初期注湯量はａリットル（例えばａ＝40）に設定されている。なお、メモリ部27には、この初期注湯量記憶部28の他に、注湯制御部26による湯張り動作制御に必要な様々な値やデータ等を記憶する記憶部（図示せず）が設けられている。
【００１３】
図６には、前記シーケンスプログラムに従って行われる記憶モードの湯張り動作がフローチャートにより示されている。以下、このフローチャートに基づいて、図４に示したようなシステム構成を有する従来の湯張り機能付き給湯器の動作を説明する。まず、記憶モードでの動作時に、ステップ101 で、リモコン35等に設けられている自動スイッチをオンとすると、ステップ102 で、図３に示す如く、最初に前記設定初期注湯量としてのａリットルの呼び水が浴槽１に落とし込まれ、次に、ステップ103 で、循環ポンプ18を短時間駆動させたときに、ステップ104 で、追い焚き流水スイッチ16がオフとなることを確認する。
【００１４】
なお、このとき、追い焚き流水スイッチ16がオフとならず、オンとなったときには、この湯張り動作が、浴槽１に残水がある状態で開始されたと判断され、この状態で湯張りの条件を設定することは的確でないために、ステップＳ１で記憶エラーとされ、湯張りの条件設定がキャンセルされて、ステップ116 に進む。
【００１５】
前記ステップ104 で、追い焚き流水スイッチ16がオフとなることが確認されたときには、ステップ105 で、図３に示す単位水量のｂリットルの湯水が断続的に落とし込まれていき、この単位水量の湯水が落とし込まれるごとに、ステップ106 で、循環ポンプ18の短時間の駆動が行われて、ステップ107 で、追い焚き流水スイッチ16がオンとなるか否かが判断され、浴槽水位が循環金具２を越えた水位に達して、追い焚き循環路14の湯水循環の検知が行われたときには、ステップ108 で、このときの水位を圧力の値Ｐａとして、圧力センサ13により検出する。
【００１６】
次に、ステップ109 で、図３の水量ｃリットルの湯水の給湯が行われ、ステップ110 で、このときの水位を圧力の値Ｐｂとして圧力センサ13により検出する。そして、ステッップ111 で、前記ｃリットルを圧力差Ｐｂ−Ｐａの値で割ることにより、浴槽１の開口面積Ｓを計算によって求める。なお、前記ステップ101 からステップ111 までの動作により作成された湯張りの条件データは注湯制御部26に記憶される。
【００１７】
次に、ステップ112 で、このときの水位が、リモコン35等により予め指定された設定水位に達したか否かを判断し、ステップ113 およびステップ114 の動作により、浴槽水位が設定水位に達するまで注湯を行い、設定水位に達したときには、ステップ115 に進む。そして、ステップ115 で、注湯電磁弁24が閉じられている状態で循環ポンプ18を駆動させ、ステップ116 で、予めリモコン35等により指定された設定温度に風呂温度が達すると判断されるまで、ステップ117 による追い焚き動作を行い、風呂温度が設定温度なったときにはステップ118 で沸き上げブザーを鳴らす。
【００１８】
この追い焚き動作は、循環ポンプ18が起動されることにより、追い焚き循環路14を通して浴槽湯水が循環したときに、この循環湯水を追い焚き流水スイッチ16が検出して、風呂バーナ６の燃焼が行われ、この燃焼火力でもって追い焚き熱交換器７を通る湯水を加熱して浴槽１の湯を追い焚きすることにより行われる。風呂温度センサ９により、循環湯水の温度が風呂の設定温度に達したことが検知されたときに、循環ポンプ18が停止されて追い焚き動作は終了となる。
【００１９】
一方、実行モードでの動作は、記憶モードの動作時に注湯制御部26に記憶した条件データに基づいて、循環ポンプ18を短時間駆動したときに、追い焚き流水スイッチ16がオンとなるまで注湯が繰り返し行われ、追い焚き流水スイッチ16がオンとなることが確認されたときには、圧力センサ13による圧力検出（浴槽水位の検出）が行われる。そして、以下、記憶モードでの湯張り動作におけるステップ112 からステップ118 までの動作と同様の動作が行われる。
【００２０】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来、図４に示した循環ポンプ18を備えた装置とは異なり、浴槽湯水の自然循環を利用して浴槽湯水を追い焚き循環路14に循環させて追い焚きを行う自然循環式の風呂装置が用いられている。この種の風呂装置においては、追い焚き循環路14の戻り管15の浴槽１への各取り付け高さが往管20の浴槽１への取り付け高さよりもかなり低くなっており、例えば風呂装置の買い換え等により、その風呂装置の戻り管15の浴槽１への取り付け部側に、図４に示した構成の自動湯張り装置の追い焚き循環路14を接続すると、追い焚き循環路14は、例えば浴槽１の底面から約10cmといった低い高さに取り付けられることになった。
【００２１】
しかしながら、図４に示したような自動湯張り付き給湯器において、記憶モードの湯張り動作開始時に初めに注湯する設定初期注湯量は、予め定められているａリットルといった一定の値であるために、追い焚き循環路14の浴槽１への取り付け高さがどのような高さであっても、一律的に、図６のステップ102 で、ａリットル（例えばａ＝40）の設定初期注湯量の注湯が行われる。そのため、上記の如く、追い焚き循環路14の取り付け位置が低く、例えば戻り管15が図３の破線部分に取り付けられると、ａリットル注湯後の浴槽水位が戻り管15の取り付け高さよりも高くなり、この注湯後に循環ポンプ18を駆動して追い焚き流水スイッチ16によって浴槽１内の湯水の流れを検出したときに、追い焚き流水スイッチ16によって浴槽１内の湯水の流れが検出されてしまうことになる。そうすると、浴槽１内に残水がない状態で記憶モードを開始させたにもかかわらず、必ずステップ104 からステップＳ１に進み、記憶エラーとなり、記憶モードによる湯張りの条件設定ができなくなってしまう。
【００２２】
なお、このような問題は、風呂装置や自動湯張り付き給湯器の買い換えのときだけではなく、追い焚き循環路14の戻り管15の接続が、施工図面通りに行われず、図面で指定された高さ位置よりも下側にずれて接続された場合にも生じた。
【００２３】
そこで、このような問題が生じたときには、従来は、技術者が浴室や自動湯張り機能付き給湯器の配設場所に出向いて、その制御装置34の基板のジャンパーやディップスイッチ等の切り替えを行い、記憶モードの湯張り動作開始時に初めに注湯する注湯量を設定初期注湯量よりも少量にするようにしていたが、このように、技術者が必ず浴室や自動湯張り機能付き給湯器の配設場所に行って上記のような切り替えを行うことは手間が掛かり、大変であった。
【００２４】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、追い焚き循環路の戻り管の浴槽への取り付け位置がどのような高さであっても、技術者の手間をわずらわせることなく確実に湯張りの条件設定を行うことができる自動湯張り器具および自動湯張り器具を用いた自動湯張り方法を提供することにある。
【００２５】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は次のような構成により課題を解決するための手段としている。すなわち、本発明の自動湯張り器具は、給湯源の湯を浴槽側壁に接続された追い焚き循環路を通して浴槽に落とし込む配管システムを備え、追い焚き循環路には浴槽内の湯水を循環させる循環ポンプと湯水の流れを検出する流水検出センサが設けられており、湯張りの条件を設定するための記憶モードの湯張り動作開始時に初めに注湯する設定初期注湯量を記憶する初期注湯量記憶部を有し、該初期注湯量記憶部に記憶されている設定初期注湯量の湯水を前記記憶モードの湯張り動作開始時に注湯した後前記循環ポンプを駆動したときに、前記流水検出センサによって浴槽内の湯水の流れが検出されないことを確認してから予め定められた注湯動作手順に従って設定水位までの注湯を行う注湯制御部を備えた自動湯張り器具であって、前記記憶モードの湯張り動作開始時に前記設定初期注湯量の湯水を注湯した後前記循環ポンプを駆動したときに、前記流水検出センサによって浴槽内の湯水の流れが検出されたときには前記初期注湯量記憶部に記憶されている設定初期注湯量をより小さい水量値に更新して次回の記憶モードの湯張り動作に備える初期注湯量変更部が設けられていることを特徴として構成されている。
【００２６】
また、本発明の自動湯張り器具を用いた自動湯張り方法は、給湯源の湯を浴槽側壁に接続された追い焚き循環路を通して浴槽に落とし込む配管システムを備え、追い焚き循環路には浴槽内の湯水を循環させる循環ポンプと湯水の流れを検出する流水検出センサが設けられている自動湯張り器具を用い、湯張りの条件を設定するための記憶モードの湯張り動作開始時に予め定められた設定初期注湯量の湯水を注湯した後に前記循環ポンプを駆動させて前記流水検出センサによって浴槽内の湯水の流れが検出されないことを確認し、然る後に予め定められた注湯動作手順に従って設定水位までの注湯を行う自動湯張り器具を用いた自動湯張り方法であって、前記記憶モードの湯張り動作開始時に前記設定初期注湯量の湯水を注湯した後前記循環ポンプを駆動したときに、前記流水検出センサによって浴槽内の湯水の流れが検出されたときには前記設定初期注湯量をより小さい値に更新して次回の記憶モードの湯張り動作に備えることを特徴として構成されている。
【００２７】
上記構成の本発明において、記憶モードの湯張り動作開始時に設定初期注湯量の湯水を注湯した後循環ポンプを駆動したときに、流水検出センサによって浴槽内の湯水の流れが検出されたときには、初期注湯量記憶部に記憶されている設定初期注湯量がより小さい水量値に更新されて次回の記憶モードの湯張り動作に備えられる。
【００２８】
そのため、予め設定された設定初期注湯量の湯水が注湯された場合に、追い焚き循環路の戻り管の取り付け高さが低いことにより、浴槽水位が追い焚き循環路の戻り管の浴槽への取り付け位置よりも高くなって流水検出センサによって浴槽内の湯水の流れが検出されても、そのときには、前記設定初期注湯量がより小さい水量値に更新されて次回の記憶モードの湯張り動作に備えられることにより、次回、あるいはそれ以降に行われる記憶モードの湯張り動作時には、更新後の設定初期注湯量の湯水が注湯されて、浴槽水位が追い焚き循環路の戻り管の浴槽への取り付け位置よりも低い高さとなり、循環ポンプを駆動したときに流水検出センサによって浴槽内の湯水の流れが検出されない状態となる。
【００２９】
したがって、記憶モードの湯張り動作を１回以上行うことにより、追い焚き循環路の戻り管の浴槽への取り付け（接続）高さがどのような高さであっても、必ず、記憶モードの湯張り動作開始時に、設定初期注湯量の湯水の注湯後循環ポンプを駆動したときに、浴槽内の湯水の流れが検出されないことが確認され、その後、予め定められた注湯動作手順に従って注湯が行われ、上記課題が解決される。
【００３０】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、本実施形態例の説明において、従来例と同一名称部分には同一符号を付し、その重複説明は省略する。図１には、本発明に係る自動湯張り器具の一実施形態例の制御構成がブロック図により示されている。本実施形態例の自動湯張り器具は、従来例と同様に、図４に示した配管システムを備えた湯張り機能付き給湯器であり、本実施形態例が従来例と異なる特徴的なことは、制御装置34に、初期注湯量変更部29を設けたことである。
【００３１】
なお、注湯制御部26は、記憶モードの湯張り動作開始時に、初期注湯量記憶部28に予め設定されている設定初期注湯量の湯水を注湯した後、循環ポンプ18を駆動したときに、追い焚き流水スイッチ16によって浴槽１内の湯水の流れが検出されたときには、従来例と同様に記憶エラーとするが、本実施形態例では、記憶エラーの出力に加えて、失敗フラグをオンし、初期注湯量変更部29に失敗フラグオン信号を加えるようになっている。
【００３２】
初期注湯量変更部29は、この失敗フラグオン信号を受けて、初期注湯量記憶部28に記憶されている設定初期注湯量（例えば40リットル）をより小さい水量値に更新して次回の記憶モードの湯張り動作に備えるようになっている。この初期注湯量の更新に際し、初期注湯量変更部29には、初期注湯量記憶部28に記憶されている設定初期注湯量よりも小さい水量値として、例えば10リットルといった水量値が予め与えられている。
【００３３】
初期注湯量変更部29は、この値に基づき、注湯制御部26から失敗フラグオン信号が加えられたとき、すなわち、初期注湯量記憶部28に設定されていた設定初期注湯量の湯水を記憶モードの湯張り動作開始時に注湯した後循環ポンプ18を駆動したときに、追い焚き流水スイッチ16によって浴槽１内の湯水の流れが検出されたときには、前記初期注湯量記憶部28に記憶されている設定初期注湯量を40リットルから10リットルに更新して次回の記憶モードの湯張り動作に備える。
【００３４】
本実施形態例は以上のように構成されており、次に、本実施形態例の動作について図２のフローチャートに基づいて説明する。なお、図２のフローチャートにおいて、図６の動作と同様の動作には図６のステップ番号と同じステップ番号が付してある。
【００３５】
図２において、ステップ101 で、従来例と同様に、リモコン35等に設けられている自動スイッチをオンすると、ステップＳ２で、注湯制御部26により失敗フラグがオフか否かが判断される。初めに湯張り機能付き給湯器の自動スイッチがオンとされたときには失敗フラグはオフであるので、ステップ102 に進み、ステップ102 からステップ104 までの動作を図６と同様にして行う。そして、ステップ104 で、追い焚き流水スイッチ16がオフとなったときには、図６のステップ105 へ進み、ステップ105 以降の動作を従来例と同様に行う。
【００３６】
一方、図２のステップ102 でａリットルの注湯を行った後、ステップ103 で循環ポンプ18を駆動したときに、ステップ104 で追い焚き流水スイッチ16がオンとなったときには、ステップＳ１に進み、注湯制御部26は記憶エラーとする。その後、図６のステップ116 からステップ118 までの動作と同様の動作を行い、ステップＳ４で失敗フラグをオンとし、失敗フラグオン信号を初期注湯量変更部29に加える。
【００３７】
ステップＳ５では、初期注湯量変更部29により、初期注湯量記憶部28に予め記憶されていた設定初期注湯量ａリットル、すなわち40リットルを、ａ′リットル、すなわち10リットルに更新し、ステップＳ２に戻る。
【００３８】
そうすると、ステップＳ２では、前記の如く、注湯制御部26により失敗フラグがオフか否かの判断が行うが、前記ステップ104 で、追い焚き流水スイッチ16がオンであると判断されたときには、ステップＳ４で失敗フラグがオンとされているために、このときには、ステップＳ２からステップＳ３に進む。そして、ステップＳ３では、初期注湯量変更部29によって更新された後の設定初期注湯量、すなわちａ′リットルの注湯を行い、ステップ103 に進み、ステップ103 以降の動作を前記の如く行う。
【００３９】
本実施形態例によれば、上記動作により、初期注湯量記憶部28に予め設定された設定初期注湯量の湯水を記憶モードの湯張り動作開始時に注湯した後、循環ポンプ18を駆動したときに追い焚き流水スイッチ16によって浴槽１内の湯水の流れが検出されたときには、初期注湯量変更部29によって、前記初期注湯量記憶部28に記憶されている設定初期注湯量（40リットル）をより小さい水量値（10リットル）に更新して次回の記憶モードの湯張り動作に備えるようにしたために、追い焚き循環路14の戻り管15の浴槽１への接続位置（取り付け位置）が低い高さであったときには、自動的に設定初期注湯量がより小さい水量値に更新され、その接続位置に対応させて技術者が設定初期注湯量の変更を行わなくとも、記憶モードの湯張り動作がスムーズに行われる。
【００４０】
そのため、技術者がいちいち浴槽１の残水の確認と戻り管15の取り付け位置の確認を行って設定初期注湯量の変更を行うといった面倒な手間を省くことが可能となり、また、技術者が設定初期注湯量の変更を行わない限りエラーが生じて湯張り動作の記憶が行われないといった問題も解消することができる。
【００４１】
なお、本発明は上記実施形態例に限定されることはなく、様々な実施の態様を採り得る。例えば、上記実施形態例では、初期注湯量変更部29に、設定初期注湯量の変更水量値として10リットルを与え、注湯制御部26から失敗フラグオン信号が加えられたときには、設定初期注湯量を40リットルから10リットルに更新するようにしたが、初期注湯量変更部29に与えられる設定初期注湯量の変更水量値は特に限定されるものではなく、例えば20リットルとしてもよいし、15リットルとしてもよい。
【００４２】
また、初期注湯量変更部29に、例えば30リットル、20リットル、10リットルといった複数の設定初期注湯量の変更水量値を与え、注湯制御部26から初めに失敗フラグオン信号が初期注湯量変更部29に加えられたときには、設定初期注湯量を40リットルから30リットルに変更し、前記失敗フラグオン信号が２度目に加えられたときには、設定初期注湯量を30リットルから20リットルに変更するといったように、順次、段階的に設定初期注湯量をより小さい水量値に更新してもよい。
【００４３】
さらに、初期注湯量変更部29に、30リットル、20リットルといったような設定初期注湯量の変更水量値を与える変わりに、例えば、ａ_n＝ａ_n-1−５（ｎは整数）といったような演算式を与え、この演算式に基づいて、初めに注湯制御部26から失敗フラグオン信号が初期注湯量変更部29に加えられたときには、設定初期注湯量を40リットルから35リットルに更新し、２回目に失敗フラグオン信号が加えられたときには設定初期注湯量を30リットルに更新するといったように、自動的に設定初期注湯量をより小さい水量値に更新して次回の記憶モードの湯張り動作に備えるようにしてもよい。
【００４４】
さらに、上記実施形態例では、自動湯張り器具は、ガス燃焼式の湯張り機能付き給湯器としたが、本発明の自動湯張り器具は石油燃焼式の自動湯張り器具としてもよい。
【００４５】
【発明の効果】
本発明によれば、初期注湯量記憶部に記憶されている設定初期注湯量の湯水を記憶モードの湯張り動作開始時に注湯した後循環ポンプを駆動したときに、流水検出センサによって浴槽内の湯水の流れが検出されたときには、前記初期注湯量記憶部に記憶されている設定初期注湯量をより小さい水量値に更新して次回の記憶モードの湯張り動作に備えるようにしたものであるから、たとえ追い焚き循環路の戻り口が浴槽の底面から低い高さの浴槽側壁に接続されていたとしても、設定初期注湯量の更新後の設定初期注湯量の湯水が注湯された後には、浴槽に残水がなければ循環ポンプを駆動したときに流水検出センサによって浴槽内の湯水の流れが検出されないことを確認できる。
【００４６】
そのため、例えば技術者が浴槽内の残水確認と追い焚き循環路の戻り管の取り付け高さの確認とを行って、必要に応じて設定初期注湯量の変更を行わなくとも、必要に応じて自動的に設定初期注湯量の変更が行われ、その後の記憶モードの湯張り動作をスムーズに行うことができる。そして、追い焚き循環路の浴槽への接続位置が低いために、技術者が浴室や自動湯張り器具の配設場所に出向いて設定初期注湯量の変更を行わない限り記憶モードの湯張り動作による湯張りの条件設定が行われないといった従来の問題を解消することが可能となり、技術者がいちいち浴室に出向いて設定初期注湯量の変更を行うといった手間も省くことができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明に係る自動湯張り器具の一実施形態例の制御部要部構成を示すブロック図である。
【図２】上記実施形態例の自動湯張り器具を用いた自動湯張り方法の一例を示すフローチャートである。
【図３】自動湯張り器具の記憶モードの湯張り動作における各段階での注湯量の説明図である。
【図４】自動湯張り器具としての湯張り機能付き給湯器のシステム構成例の説明図である。
【図５】従来の自動湯張り器具の制御部要部構成を示すブロック図である。
【図６】従来の自動湯張り器具の記憶モードでの湯張り動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
14 追い焚き循環路
15 戻り管
16 追い焚き流水スイッチ
26 注湯制御部
28 初期注湯量記憶部
29 初期注湯量変更部
34 制御装置

Claims

給湯源の湯を浴槽側壁に接続された追い焚き循環路を通して浴槽に落とし込む配管システムを備え、追い焚き循環路には浴槽内の湯水を循環させる循環ポンプと湯水の流れを検出する流水検出センサが設けられており、湯張りの条件を設定するための記憶モードの湯張り動作開始時に初めに注湯する設定初期注湯量を記憶する初期注湯量記憶部を有し、該初期注湯量記憶部に記憶されている設定初期注湯量の湯水を前記記憶モードの湯張り動作開始時に注湯した後前記循環ポンプを駆動したときに、前記流水検出センサによって浴槽内の湯水の流れが検出されないことを確認してから予め定められた注湯動作手順に従って設定水位までの注湯を行う注湯制御部を備えた自動湯張り器具であって、前記記憶モードの湯張り動作開始時に前記設定初期注湯量の湯水を注湯した後前記循環ポンプを駆動したときに、前記流水検出センサによって浴槽内の湯水の流れが検出されたときには前記初期注湯量記憶部に記憶されている設定初期注湯量をより小さい水量値に更新して次回の記憶モードの湯張り動作に備える初期注湯量変更部が設けられていることを特徴とする自動湯張り器具。
給湯源の湯を浴槽側壁に接続された追い焚き循環路を通して浴槽に落とし込む配管システムを備え、追い焚き循環路には浴槽内の湯水を循環させる循環ポンプと湯水の流れを検出する流水検出センサが設けられている自動湯張り器具を用い、湯張りの条件を設定するための記憶モードの湯張り動作開始時に予め定められた設定初期注湯量の湯水を注湯した後に前記循環ポンプを駆動させて前記流水検出センサによって浴槽内の湯水の流れが検出されないことを確認し、然る後に予め定められた注湯動作手順に従って設定水位までの注湯を行う自動湯張り器具を用いた自動湯張り方法であって、前記記憶モードの湯張り動作開始時に前記設定初期注湯量の湯水を注湯した後前記循環ポンプを駆動したときに、前記流水検出センサによって浴槽内の湯水の流れが検出されたときには前記設定初期注湯量をより小さい値に更新して次回の記憶モードの湯張り動作に備えることを特徴とする自動湯張り器具を用いた自動湯張り方法。