JP3748598B2 - 残水量の演算を行なう給湯器付き風呂釜 - Google Patents

残水量の演算を行なう給湯器付き風呂釜 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、給湯器用の給湯熱交換器と浴槽の水を追焚する風呂熱交換器とを備えた給湯器付き風呂釜に係り、浴槽内の残水量の演算を確実に且つ正確に行なうことができる風呂釜に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の給湯器付き風呂釜では、風呂用のバーナーに風呂用の電磁弁を接続し、給湯用のバーナーに給湯用の電磁弁を接続し、両電磁弁に共通に比例弁を接続して、元ガス電磁弁からのガス量を制御している。このように、比較的能力の大きい比例弁を共通に設けることでコストダウンを図ることができると同時に、比例弁の開閉制御を利用して所望の温度の給湯を可能にすることができる。また、比例弁のガバナー機能を利用して一定の圧力のガスを風呂バーナーに供給することもできる。
【0003】
一方、近年においては、給湯器付き風呂釜の多機能化に伴い、設定温度の湯を設定水位まで注湯する自動湯はり機能を持つものが販売されている。このような機能を実現するためには、浴槽に残っている水量を検知した上で残りの水量を演算して注湯する必要がある。その場合、コストアップにつながる圧力センサー等を使用することなく、浴槽内の残水量を測定する方法として、風呂バーナーからの追焚を行い残水の温度が所定温度上昇した時の投入熱量を測定し、風呂釜のシステム効率などを参照して演算することが提案されている。
【0004】
かかる演算式は、
残水量(Qz)=(I×Δt)×ηs /(ΔT×c×γ)
Qz:残水量(リットル)
I :燃焼量(Kcal/h)
Δt:追焚時間(h)
I×Δt:投入熱量(Kcal)
ηs :システム効率
(I×Δt)ηs:供給熱量(Kcal)
ΔT:上昇温度(℃)
c :水の比熱(Kcal/Kg・℃)
γ :水の比重(Kg/リットル)
である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
図9に、従来の追焚き運転のタイムチャート図を示す。横軸に時間(t)、縦軸に浴槽の温度(T)がとってある。従来の追焚き運転では、追焚き開始温度Ta(aの時点)から設定温度Ts(cの時点)まで追焚きにより浴槽内の残水を上昇させ、設定温度に至る所定の上昇温度ΔT分低い時点(bの時点)から設定温度Tsになる時点(cの時点)の間に浴槽内の残水に供給した熱量と上昇温度ΔTから、残水量Qz(=供給熱量/ΔT)を演算により求めていた。即ち、図中のcの時点に至った後に、それまでに図中のb−c間で供給された熱量と上昇温度ΔTにより残水量の演算を行っていたのである。そしてその後、設定水量までに足りない分を給湯器側から設定温度で注湯していた(図中c−dの間)。この点は、例えば、特開平1−28447号公報に記載されている。
【0006】
かかる追焚き運転による残水量の演算方法によれば、追焚き回路が十分安定した後の最後の温度上昇の期間のデータを採用しているので、より正確な残水量の演算を行うことができる。
【0007】
しかしながら、上記の様な演算方法の場合は、追焚き運転の途中で設定温度が何らかの理由で使用者により変更された場合(図中の矢印参照)、演算用の測定開始時点(図中bの時点、温度Tb)から変更された設定温度Ts1に上昇するまでの上昇温度がΔT1と非常に少ない値となり、十分に精度の高い残水量の演算を行うことができないという問題がある。また、変更後の設定温度Ts1が、温度Tbよりも低くなると演算自体が不可能になる。
【0008】
勿論、追焚きを開始した時の温度Taと設定温度Tsとの差が僅かしかない場合も、同様に精度の高い残水量の演算ができないが、図9に示したように従来例の場合は、追焚き開始の温度Taと設定温度Tsとの差が十分ある場合であっても、上記のように演算の測定に入る直前に設定温度が下げられる等すると正確な演算ができないことになる。
【0009】
そこで、本発明の目的は、途中で設定温度Tsを下げるように変更されても、精度の高い残水量の演算結果を出すことができる給湯器付き風呂釜を提供することにある。
【0010】
また、本発明の目的は、演算用の追焚き開始直後に循環回路の不安定な温度上昇があっても、精度の高い残水量の演算を行うことができ、しかも、追焚きの出来るだけ早い時期に残水量の演算結果を出すことにより、追焚き途中で設定温度Tsが下げられても十分に対応することができる給湯器付き風呂釜を提供することにある。
【0011】
上記目的は、第一の発明によれば、風呂熱交換器と、給湯熱交換器と、該風呂熱交換器に熱量を投入する風呂側熱量投入手段と、該給湯熱交換器に熱量を投入する給湯側熱量投入手段とを有する給湯器付き風呂釜において、前記風呂側熱量投入手段から熱量を投入することで追焚して浴槽内の残水に熱量を供給し、所定の温度上昇した時の供給熱量と当該上昇温度から前記残水の量を演算するにあたり、該浴槽内の残水の温度が所定の単位温度上昇する毎に、該残水量の演算を行い、演算により求められる残水量にばらつきがあるときから残水量の演算を開始する制御部を有することを特徴とする給湯器付き風呂釜を提供することにより達成される。
【0012】
この第一の発明により、演算の為の追焚運転の出来るだけ早い時期から繰り返し残水量の演算を行なうようにし、追焚中に設定温度が低い方に変更されても、確実に演算を行なうことができ、また出来るだけ高い上昇温度まで演算を行なうことにより、より正確な演算値を得ることができる。
【0013】
上記目的は、第二の発明によれば、上記第一の発明において、
該制御部は、前記の浴槽内の残水の温度が所定の単位温度上昇する毎に行なった演算により求められた残水量の変動が、所定の許容範囲内に入った時に、当該残水量が確定したと認識することを特徴とする給湯器付き風呂釜を提供することにより達成される。
【0014】
上記目的は、第三の発明によれば、上記第一の発明において、
前記制御部は、前記の残水量の演算を開始してから該残水の温度が所定の最低上昇温度分上昇した後に、前記演算により求められた残水量を確定された残水量として認識するようにしたことを特徴とする給湯器付き風呂釜を提供することにより達成される。
【0015】
これら第二及び第三の発明によれば、演算用の追焚当初の誤差が大きい間は、演算値として確定していないと認識するので、より正確な演算を行なうことができる。
【0016】
上記目的は、第四の発明によれば、上記第二または第三の発明において、
前記制御部は、前記演算により求められた残水量が、確定されたと認識されなかった場合は、設定水量になるまでの該浴槽への注湯を行なわないことを特徴とする給湯器付き風呂釜を提供することにより達成される。
【0017】
上記目的は、第五の発明によれば、上記第一の発明において、
前記制御部は、前記演算の為の追焚運転による残水の温度上昇が、所定の最大上昇温度に達したら、当該追焚運転を停止して、設定水量になるまでの該浴槽への注湯を所定の温度で行なうことを特徴とすることを特徴とする給湯器付き風呂釜を提供することにより達成される。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に従って説明する。
【0019】
[給湯器付き風呂釜の概要]
図7は、本発明の実施の形態の給湯器付き風呂釜の全体構成図である。給湯器付き風呂釜100には、風呂燃焼室1と給湯燃焼室2とが設けられている。それぞれの燃焼室には、風呂熱交換機10と給湯熱交換機20が設けられている。さらに燃焼室には、熱量投入手段としての風呂バーナー11と給湯バーナー21、風呂イグナイター13と給湯イグナイター23、風呂フレームロッド14と給湯フレームロッド24が設けられている。また両燃焼室1、2に対して共通の燃焼ファン30が設けられており、それぞれで燃焼した空気は排気口を通じて排気される。燃焼ファン30により供給される風量は、風量センサ42により検出されて、燃焼制御のパラメータとして利用される。
【0020】
風呂バーナー11、給湯バーナー21へのガスの供給をオン・オフ制御する風呂電磁弁12、給湯電磁弁22が設けられ、それらの電磁弁12、22に対して共通に燃料制御手段として比例弁31、元ガス電磁弁32が設けられている。これらの電磁弁や比例弁、イグナイター、フレームロッド、燃焼ファン、更に後述する各種センサー等は、電装基板41に搭載されるマイクロコンピュータ等の制御部(後で説明)により制御される。また、制御部は浴室や台所のリモコン40に接続され、メモリに記憶されたプログラムに従って操作信号を受信し制御信号を出力する。
【0021】
給湯器側の動作の概略は以下の通りである。まず、給湯栓が開かれると水量センサー25が給水28の流量を感知し、燃焼ファン30によるプリパージの後、給湯イグナイター23の放電と共に元ガス電磁弁32、比例弁31、給湯電磁弁22が開き給湯バーナー21が着火し、所定温度の湯が給湯口29から供給される。給湯温度を設定温度に保つために、入水サーミスタ26、出湯サーミスタ27及び水量センサー25の出力から演算された値に比例弁31の電磁弁駆動電流が制御され、燃焼ファン30の回転が制御される。
【0022】
一方、風呂側では、元ガス電磁弁32、比例弁31、風呂電磁弁12を開くことで、風呂バーナー11を燃焼させ、循環ポンプ17により浴槽43内の湯を循環させながら追焚運転を行っている。44は、往き管18と戻り管19と浴槽43を接続する取り付け金具である。
【0023】
自動湯はり運転では、残水がある場合はその残水量を演算し、設定水量に足りない分については、給湯側の燃焼で得られた湯を注湯電磁弁34を開くことで風呂側の循環通路に供給し、往き管18と戻り管19経由で浴槽に設定した温度での注湯を行っている。自動湯はり運転についてのフローを以下に更に詳細に説明する。
【0024】
[自動湯はり運転のフロー]
図4は、自動湯はり運転のフローチャートである。後で説明する残水量の演算が自動湯はり運転中にどの様な段階で行われるのかについて簡単に説明する。
【0025】
まず、浴槽43内の湯の温度と水量が設定されて自動スイッチがオンされる(ステップ51)。最初に浴槽43内に残水があるかどうかを検知するために、循環ポンプ17を作動させ、風呂水流スイッチ15がオフかどうかがチェックされる(ステップ52)。風呂水流スイッチ15がオンする場合は、浴槽43内に取付け金具44より上まで残水があることを意味するので、残水量の演算フローに進む。風呂水流スイッチ15がオフの場合は、浴槽43が空であると仮定した時に取付け金具44の直ぐ下までに必要な水量の湯を設定温度で注湯する(ステップ53)。この水量は、風呂釜を設置した最初の記憶モード運転の時に記憶されている。そして、循環ポンプ17を作動させて風呂水流スイッチ15がオフかどうかのチェックが行われる(ステップ54)。ここで、スイッチがオンする場合は、最初に浴槽43内に多少の残水があったことを意味し、残水量の演算フローに進む。また、スイッチがオフの場合は、最初から残水が無かったことを意味し、更に注湯して取付け金具の上まで湯が来るようにする(ステップ55)。
【0026】
そこで、循環ポンプ17を作動の上、風呂水流スイッチ15がオンするかどうかをチェックし(ステップ56)、オンの場合は、間違いなく最初の浴槽43には残水がなかったことを意味し、設定された水量になるよう残りの湯を設定温度で注湯する(ステップ57)。風呂水流スイッチ15がオフの場合は、何らかのエラーの原因があることを意味し、ステップ63にて水流スイッチ15がオンするまで注湯を続け、一定量注湯しても水流スイッチがオンしない場合はエラー信号を発する。
【0027】
最初の浴槽43内に残水があった場合には、上述した動作フローに従って、循環金具44より上まで残水があることを確認した上で、残水量の演算フローに進む。残水量の演算は、ステップ64から67により行われる。
【0028】
残水量の演算のステップ66に進む前に、浴槽の残水の温度Tを風呂サーミスタ16により測定し(ステップ64)、浴槽温度Tが設定温度近傍まで高くないかどうかの判定を行なう(ステップ65)。T1は、残水量を演算するのに最低限必要な上昇温度(最低上昇温度)で、例えば数℃である。従って、ステップ65では、浴槽温度Tが設定温度Tsに最低上昇温度T1を加えた温度より低いことを確認して残水量の演算ステップ66に入る。浴槽温度Tがその温度以上である場合は、残水量の演算ができないため、直ちに自動湯はり運転を終了する。
【0029】
浴槽内の残水が設定温度近傍より高くなる追焚運転を行なうことは、入浴中又は入浴してくる人体にとって危険であるため、安全性を最優先して自動湯はり運転を終了するのである。
【0030】
[残水量演算の追焚運転]
図5は、本発明による残水量の演算の追焚運転のフローチャート図である。フローチャート図に従って説明する前に、残水量演算の追焚運転の考え方について、図1乃至図3に従って説明する。
【0031】
図1は、本発明の実施の形態を説明するためのタイムチャート図である。図9と同様に横軸に時間(t)、縦軸に浴槽内の残水の温度(T)をとっている。残水量の演算の為の追焚開始の温度がTaであることは従来例と同じである。本発明による残水量の演算の違いは、残水量演算の追焚が開始されて残水の温度が所定の単位温度上昇する毎に残水量の演算を行なう点である。即ち、図中のaの時点から設定温度Tsになるcの時点までの間、図中のQz1,Qz2,Qz3,Qz4,Qz5,Qz6,Qz7,Qz8の様に、温度が単位温度上昇する毎にそれまでの供給熱量と上昇温度から残水量の演算を行なうのである。従って、図中eの時点での残水量Qz8の演算は、図中a−e間に供給した熱量と上昇温度ΔTにより求められる。
【0032】
ここで、所定の単位温度は、設計者により任意に決められる単位温度でよい。最も望ましいのは、デジタル信号により各種の演算処理を行なうマイクロコンピュータよりなる制御部内での、デジタル化された残水温度の1デジット分を単位温度にすることである。そうすることで、別途本出願人から出願している明細書に記載された通り(特願平7−225491、平成7年9月1日出願)、温度のデジタル値が1デジット上昇した時点から更に別の1デジット上昇した時点までの供給熱量と上昇温度を利用することにより、より正確な残水量の演算を行なうことができる。
【0033】
図2と図3は、上記の様に、残水の温度が単位温度上昇する毎に残水量Qzの演算を行なった場合の、上昇温度と残水量演算値との関係を表したグラフである。図2は、残水量を比較的多くして追焚を行いながら単位温度上昇毎に演算を行なった例であり、図3は、残水量を比較的少なくして行なった例である。図2では、5回行なったデータをプロットし、図3では3回行なったデータをプロットした。このグラフの例では、0.6℃を単位温度としている。
【0034】
これらのグラフから明らかな様に、残水の温度が上昇してしばらくの間は、演算値に大きなバラツキがあり、ある程度温度上昇した後は、演算値の変動は少なくなることが判明した。例えば、図2、図3いずれの場合もT1℃程度上昇した後は、演算値の変動は少なくなっている。従って、これらの実験結果から、所定の最低上昇温度を設定しておいて、残水量の演算値は当該最低上昇温度(T1)以上上昇した場合に確定値として取り扱うことが正確な残水量演算には望ましい。或いは、実際の残水量の演算値を監視し、その変動が所定の許容範囲に入った時点以降の演算値を確定値として取り扱うことでも同様の効果が期待できる。
【0035】
再び図1に戻ると、図中のT1が、上記した最低上昇温度である。従って、図1の例では、演算値Qz1,Qz2は最低上昇温度T1上昇する前の値であるから、確定値としては取り扱わないようにする。そして、T1分上昇した時点以降の演算値Qz3,Qz4...を確定した残水量として取り扱うようにするのである。
【0036】
或いは、演算値Qzn(n=1,2...)の履歴を取って置き、その演算値の変動幅が、所定の許容範囲内に入った時点で、演算値を確定値として取り扱うようにすることもできる。こうすれば、風呂釜が設置される外的な環境に応じて演算値の変動が少なくなるまでに要する上昇温度が変わる場合でも、それに対応することができる。尚、確定値としては、許容範囲に入った演算値の平均値を採用することにより、より正確な値を求めることができる。
【0037】
また、図1中に破線で示した様に、追焚の開始温度がTfの様に設定温度Tsにかなり近い場合でも、本発明によれば、T1以上離れていれば残水量の演算を行なうことができる。
【0038】
次に図5のフローチャート図に従って、残水演算の追焚運転について説明する。図4で説明した様に、浴槽43内の取付け金具44より上まで残水があることが確認され、残水の温度が設定温度付近より低いことが確認された後、図5の残水量演算のための追焚き運転に入る。先ず、循環ポンプ17をオンにし風呂バーナー11をオンにして追焚きを開始する(ステップ72)。
【0039】
そして、マイクロコンピュータよりなる制御部(後述)内での風呂サーミスタ16からの出力のデジタル信号が、1デジット上昇するのを待つ(ステップ73)。これは既に説明した通り、正確な温度上昇を測定するために、デジタル値が1デジット上昇した時点から温度の上昇と供給熱量の測定を始めるのである。そこで、ステップ74にて、浴槽温度Taを記憶し、上述した通り、演算により残水量が確定するのに最低必要な上昇温度T1を加えた温度Tθを演算し、追焚き時間の計測を開始する。尚、供給熱量が一定である場合は時間の計測だけで足りるが、風呂バーナー11からの投入熱量や風呂側回路のシステム効率が変動する場合は、正確に測定する為には単位時間毎に供給熱量を測定して積算していく必要がある。
【0040】
ステップ75から84が、残水量演算の為の追焚き運転のフローである。このフローの中では、浴槽温度が設定温度Tsより低い間に(ステップ76)、浴槽温度が最低必要な上昇温度Tθまで上昇したかどうか(ステップ78)の判定が行われる。そして、浴槽温度がTθを越えた後、浴槽温度が1デジット上昇して(ステップ79)区切りの良い時点で、浴槽温度を測定しTθとする(ステップ80)。
【0041】
そして、残水量Qzの演算を行う(ステップ81)。残水量Qzの演算は、供給された熱量と上昇温度から前述の数式に従って求められる。この演算は、浴槽内の残水の温度がデジタル値で1デジット上昇する毎に行なわれ、適宜メモリ内に記憶される。
【0042】
ステップ82では、浴槽温度Tθと最初の浴槽温度Taとの差が、最大上昇温度TMAX に達したかどうかのチェックが行われる。もし、達したとすると、図1中のesの時点になっていることを意味し、追焚きを中止し(ステップ84)、図1の破線es−dsの様に注湯を開始する。この点については、本出願人から別途出願した特願平7−250646(平成7年9月28日出願)に詳しく説明してあるが、追焚バーナーの燃焼能力が低い場合に、ある程度温度が上昇して正確な残水量が演算により得られた後は、一気に注湯側から残りの湯を注湯することで湯はり運転の時間を短くするためである。
【0043】
ステップ82が省略されても、本発明を利用していることになる。その場合は、浴槽内の残水の温度が設定温度になるまで(ステップ76)、単位温度上昇する度に上記した残水量の演算が行なわれることになる。つまり、図1中のa−c−dのルートである。
【0044】
上記の追焚き運転中に、浴槽の温度が設定温度付近よりも高くなると、ステップ77にて追焚きを終了することになる。そしてステップ75で追焚きを終了し、上昇温度が最低上昇温度T1あったかどうかのチェックが行われ(ステップ85)、T1に満たない場合は、残水量の演算が行なわれておらず残水量が不確定として残水フラグを1にする(ステップ87)。また、最低上昇温度T1以上の上昇があった場合でも、注湯量が注湯最小値(例えば数リットル)以上ない場合も、残水フラグを1にする。
【0045】
ステップ82にて最大上昇温度TMAX まで上昇していることが確認され、注湯量が最低注湯量以上の場合は、残水フラグが0にされる(ステップ88)。また、最大上昇温度TMAX まで上昇しない内に浴槽温度が設定温度Tsまで上昇した場合(ステップ75でYES)であって、最低上昇温度T1以上の追焚きが行われていた場合(ステップ85でYES)にも、残水フラグが0にされる。この残水フラグが0にされることは、残水量が確定していると制御部が認識していることを意味する。
【0046】
そして、図4のステップ67に戻り、残水フラグが0の場合のみ、設定水量までの注湯が行われる。この場合、最大上昇温度TMAX 上昇したが浴槽が設定温度Tsに達していない場合(図1中のesの時点)は、別途演算で求めた注湯温度Tkにより注湯が行われ、最終的に浴槽が設定温度、または設定温度付近になるよう制御される。また最大上昇温度TMAX 上昇せずに浴槽が設定温度付近になっている場合は、設定温度またはその付近の温度で注湯が行われる。
【0047】
注湯後は、必要に応じて浴槽温度が設定温度、またはその付近になるまで最後の追焚きを行う(ステップ61)。尚、残水フラグが0でなく1の場合は、残水量は不確定として注湯は行われず、自動湯はり運転は終了する。
【0048】
[別の残水量演算の追焚運転]
次に図6にて、別の残水量演算の追焚運転のフローについて説明する。図5の例では、残水量の確定の判断は、最低上昇温度T1より浴槽内の残水温度が上昇したかどうかにより行なわれた。しかし、図6の別の例では、残水量の演算値の変動が所定の許容範囲になった時点で、確定値として取り扱うようにしている。図6中、図5と同じ部分については同じステップ番号を付している。
【0049】
追焚を開始して浴槽温度が1デジット上昇するまで待機することは図5の場合と同じである(ステップ72、73)。そこで、浴槽温度Taを記憶すると共に、残水量Qz0の初期値として0を、nの初期値として1を、残水量確定フラグの初期値として0をそれぞれ記憶する。そして、追焚時間の計測を開始する(ステップ74)。
【0050】
残水量演算の追焚運転中に、浴槽温度が設定温度Ts以上にならないかをステップ76にて監視する点も図5の場合と同様である。そして、浴槽温度が1デジット上昇する度に(ステップ79)、残水量Qzが演算され、それがQznとしてメモリに記憶される。ここではn=1であるためQz1として記憶される。
【0051】
そして、このQznの値の変動が所定の許容範囲に入ったかどうかの判定がステップ91にて行なわれる。この判定は、様々な方法が考えられる。例えば、所定期間の間、演算値Qznの履歴をメモリに取っておいて、それらの最大値と最小値との差が許容範囲以下になったかどうかを判定したり、演算値QznとQzn+1の差が許容範囲以下になったかどうかを判定したりしてもよい。そして、許容範囲内になるまでステップ76乃至81のフローが繰り返される。
【0052】
一旦許容範囲内になったと判断されると、その許容範囲内になった残水量Qznの平均値が、確定値としてQz0を記憶していたメモリ領域に記憶され、残水量確定フラグが1に変更される(ステップ92)。この結果、以降の残水量の演算後はステップ90にてステップ92に飛ぶことになる。
【0053】
ここでの追焚運転の例では、浴槽温度が設定温度Tsに達するまで、浴槽温度が1デジット上昇する度に残水量の演算が繰り返される。そして、設定温度に達すると追焚が終了し(ステップ77)、残水量確定フラグが1の場合は残水フラグを0にし(ステップ88)、0の場合は残水フラグを1にして(ステップ87)図4のフローに戻る。後は、前述と同様にして自動湯はり運転を終了する。
【0054】
上記の一連の動作フローは、電装基板41に搭載されたマイクロコンピュータからなる制御部80内のメモリに記憶された動作プログラムに従って制御される。図8は、その制御部80の構成の概略と各センサやスイッチとの関係を示すブロック図である。
【0055】
制御部80は、一般的な8ビットのマイクロコンピュータで構成され、内部は、CPU81、レジスタ82、書換え可能な記憶装置(RAM)83、読み出し専用の記憶装置(ROM)84とインターフェース86とが、共通のバス85を介して互いに接続されている。また、電装基板41には、電気的に書換え可能な読み出し専用メモリ(EEPROM)87も搭載され、制御部41に接続されている。
上記の動作を制御する動作プログラムはROM84内に記憶されている。また、必要に応じて、風呂釜が設置される環境に応じて変動する各種パラメータは、外付けのROM87に記憶される。動作プログラムに応じて制御するマイクロコンピュータ80内の動作は、一般的に知られたものと同じであり、ここでの説明を省略する。
【0056】
尚、本発明の実施の形態を、ガスを使ったバーナーによる熱量の供給をする場合で説明したが、本発明では、燃料はガスに限定されず、灯油や軽油等でも適用でき、その場合は比例弁の代わりに電磁ポンプが使用される。また、熱量の供給手段として、熱交換機の回りに触媒層を設けそれにガスと空気を供給することで直接熱量を供給する場合でも本発明は適用できる。
【0057】
【発明の効果】
以上説明した通り、本発明によれば、自動湯はり運転において、浴槽内の残水の温度が所定の単位温度上昇する毎に残水量の演算を行なうようにしているので、追焚中に設定温度を低く変更されても残水量の演算を行なうことができる。しかも、設定温度または最大上昇温度に出来るだけ近づくまで残水量の演算を行なうので、より正確な残水量を求めることができる。
【0058】
また、演算のための追焚を開始した直後の演算値の変動が大きい間は、残水量が不確定とするようにしたため、精度の高い演算を保証することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態のタイムチャート図である。
【図2】上昇温度と残水量演算値の関係を示すグラフ(1)である。
【図3】上昇温度と残水量演算値の関係を示すグラフ(2)である。
【図4】自動湯はり運転のフローチャート図である。
【図5】本発明による残水量演算の追焚き運転のフローチャート(1)である。
【図6】本発明による残水量演算の追焚き運転のフローチャート(2)である。
【図7】本発明の実施の形態の風呂釜の全体構成図である。
【図8】制御部のブロック図である。
【図9】従来技術のタイムチャートである。
【符号の説明】
10 風呂熱交換器
11 風呂バーナー(風呂熱量投入手段)
20 給湯熱交換器
21 給湯バーナー(給湯熱量投入手段)
31 比例弁
41 電装基板
43 浴槽
80 制御部

Claims (5)

  1. 風呂熱交換器と、
    給湯熱交換器と、
    該風呂熱交換器に熱量を投入する風呂側熱量投入手段と、
    該給湯熱交換器に熱量を投入する給湯側熱量投入手段とを有する給湯器付き風呂釜において、
    前記風呂側熱量投入手段から熱量を投入することで追焚して浴槽内の残水に熱量を供給し、所定の温度上昇した時の供給熱量と当該上昇温度から前記残水の量を演算するにあたり、該浴槽内の残水の温度が所定の単位温度上昇する毎に、該残水量の演算を行い、演算により求められる残水量にばらつきがあるときから残水量の演算を開始する制御部を有することを特徴とする給湯器付き風呂釜。
  2. 請求項1において、
    該制御部は、
    前記の浴槽内の残水の温度が所定の単位温度上昇する毎に行なった演算により求められた残水量の変動が、所定の許容範囲内に入った時に、当該残水量が確定したと認識することを特徴とする給湯器付き風呂釜。
  3. 請求項1において、
    前記制御部は、
    前記の残水量の演算を開始してから該残水の温度が所定の最低上昇温度分上昇した後に、前記演算により求められた残水量を確定された残水量として認識するようにしたことを特徴とする給湯器付き風呂釜。
  4. 請求項2または3において、
    前記制御部は、
    前記演算により求められた残水量が、確定されたと認識されなかった場合は、設定水量になるまでの該浴槽への注湯を行なわないことを特徴とする給湯器付き風呂釜。
  5. 請求項1において、
    前記制御部は、
    前記演算の為の追焚運転による残水の温度上昇が、所定の最大上昇温度に達したら、当該追焚運転を停止して、設定水量になるまでの該浴槽への注湯を所定の温度で行なうことを特徴とすることを特徴とする給湯器付き風呂釜。
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