JP3754076B2 - ねじ付きアルミニウム缶およびその製造方法 - Google Patents

Description

この発明は、金属缶を製造するための方法に関し、特に、容器の中に内容物を密封するためにねじ付きクロージャを受けるためのねじ付き首部を有する缶の製造に関する。この発明によって作った缶は、ねじが付いた円錐蓋があってもよく、または直径を短縮した部分があってそこにねじを作り、若しくはそれにねじ付きスリーブを取付けてもよい。このねじ付き部は、プラスチックまたは金属のクロージャを受けるようになっている。
ビール、ソフトドリンク、油、およびその他の液体を入れるために使う、および種々の製品用のエアゾール容器としても使う缶をアルミニウムおよび鋼から絞り、または絞りとしごきで作ることが知られている。ビールおよび飲物用の大抵の金属缶は、二重継ぎ合せ等によって缶に固着した、比較的平たい蓋または端で閉じるようにされている。これらの蓋に注ぎ口を作るのを容易にするために、これらの蓋に引裂きストリップを作り、それに引張りタブを付けてもよい。米国特許第４，２６２，８１５号；第４，５７４，９７５号；第４，７９３，５１０号および第４，９１１，３２３号に開示されているように、缶に円錐蓋端を設けることも知られている。更に、米国特許第３，８４４，４４３号に開示されているように、直径が小さくなった円筒形部とこの円筒形部上の角度的に離れたねじ部を備え、容易に開けられる容器を設けることも知られている。その特許は、そのような容器を作るための方法も開示し、それに絞りおよびしごき作業のような一つ以上の成形作業を含む。
米国特許第５，２９３，７６５号は、深絞り、深絞りと追加の延伸、または押出し、および容器の端のくびれ部でのねじの転造によってねじ付きアルミ容器を製造するための方法および装置を開示している。これらのねじは、第１ねじ転造工具および第２ねじ転造工具を容器の内側および外側に隣接して配置し、これらの工具を表面に当てて回転することによって作る。この特許は、容器の肉厚がこの容器に使用するねじのピッチの２０％以下でなければならないと記述している。
ねじ付きアルミ容器は、典型的には比較的厚い金属で、即ち少なくとも厚さ０．５ｍｍで作られている。このアルミは、そのような首にねじを転造できるようにするために比較的柔らかかった。
厚さの薄いハードテンパー金属、好ましくはアルミ合金から、ねじ付き首部を有する缶を作るための改良された方法が望まれている。その上、缶にクロージャを固着するためのねじ付き首を有する、改良された金属缶が望まれている。厚さが約０．１８ないし０．３８ｍｍのハードテンパーアルミ合金シート材からねじ付き缶を作るための方法が望まれている。ねじ付きクロージャで閉じたとき、２．８ないし７．７ｋｇ／ｃｍ²の範囲の正圧を缶の中に保持できる、ねじ付きアルミ缶が望まれている。
この発明は、厚さの薄いハードテンパー金属、例えばハードテンパーアルミ合金または鋼からねじ付き缶を作るための方法を提供する。この発明に従って作った缶は、直径の小さい円筒形部があり、ねじがそのような円筒形部にまたはこの円筒形部の周りに固着したスリーブに作られている。一つの実施例では、ねじを、円筒形缶本体に二重継ぎ合せ、接着またはその他の方法で固着した缶蓋に作る。その代りに、円筒形缶本体の一端の直径を絞りおよび再絞りによってまたは連続ネッキングによって縮小して直径の小さな一体の円筒形部を作り、そこにねじを作り、またはねじ付きの金属またはプラスチックのスリーブを取付ける。この発明は、缶にクロージャを固着するためのねじを有する軽量ハードテンパー金属缶を作るための方法を提供する。
従来技術の容器より軽量のねじ付き金属容器を作るための方法を提供することは有用であろう。
ねじ付きクロージャで閉じるようにされた、改良された金属飲物容器を提供することも有用であろう。
本発明の一観点による具体例によれば、
厚さが０．１８〜０．３８ｍｍの薄いハードテンパーアルミニウムで作られた軽量の再密閉可能な金属缶であって、
該金属缶が、絞り且つしごき加工された缶本体と、円錐蓋とを含み、
前記円錐蓋が口部を含み、該口部が切頭円錐形部に続いており、該切頭円錐形部は環状溝に続いており、該環状溝は外側周囲のフランジに続いており、
前記円錐蓋が、複数回の再成形によって金属ブランクから形成されており、
前記フランジが前記缶本体に継ぎ合わされており、
前記口部は、直径が減縮された首部、および前記首部の端に配置されたビードを有し、前記口部には、
ねじが前記ビードの下方に位置し、クロージャを受けて前記金属缶を密封するようになっており、
リング(46)が前記ねじ(11,44)の下方に設けられている再密閉可能な金属缶が提供される。
本発明の他の観点による具体例によれば、
軽量の再密閉可能な金属缶を作る方法において、
絞り且つ壁しごきされた缶本体(4)を作る方法において、
厚さが０．１８〜０．３ｍｍの薄いハードテンパーアルミニウムのシートから金属円板(30)を打抜く段階と、
前記円板(30)を、ボス(31)に絞る段階と、
前記ボス(31)に複数の絞り加工を施してその高さを増加させる段階と、
前記ボス(31)の端壁の一部を除去して、前記端壁に開口部を形成する段階と、
前記開口部の端にビード(2,38)を形成する段階と、
前記ボス(36)を口部(39)に再形成する段階であって、該口部(39)が直径の減縮された首部を有し、首部が切頭円錐形部(7,41)に続いており、該切頭円錐形部(7,41)が環状溝(6,40)に続いており、該環状溝(6,40)が外側周囲のフランジ(5,42)に続いている、口部に再形成する段階と、
ねじにクロージャを固着させるために、前記ビード(2,38)の下方の口部(39)にねじ(11,44)を形成する段階と、
前記ねじ(11,44)の下方にリング(46)を設ける段階と、
前記缶本体(4)の前記フランジ(5,42)を継ぎ合わせる段階とを含む、再密閉可能な金属缶を作る方法が提供される。
この発明の方法およびこの発明の製品を図面に関してここに例示的方法で説明する。これらの図面で：
第１図から第２図は、この発明に従って作った円錐蓋を付けた二つの缶を通る垂直断面図であり；
第３図および第４図は、ねじ付きクロージャを付けた、この発明の缶蓋を通る拡大垂直断面図であり；
第５図から第１０図は、この発明による缶用の缶蓋を作るために、この蓋にねじを作る前準備に、金属薄板を成形するための進行過程を示し；
第１１図は、ねじを作った後の、第１０図の円錐蓋を通る拡大垂直断面図であり；
第１２図から第１４図は、この発明のねじ付き缶の口用の幾つかの代替ビードを示し；
第１５図は、絞り／再絞りの連続によって作った首部を有し、この首部にねじが作られ、底端壁が缶本体に継ぎ合された、この発明の缶本体の代替形を示し；
第１６図および第１７図は、ねじ付きスリーブを首部に固着した、この発明の缶の上端首部の代替実施例の破断図であり；
第１８図から第２７図は、この発明に従って、底端壁を缶本体に継ぎ合せた、第１５図のねじ付き缶本体を作るための金属薄板の絞りおよび再絞りの進行過程を示し；
第２８図は、絞り且つしごき加工した缶本体の開放端を型ネッキングして作り、ねじを首部の上端に作った、この発明のねじ付き缶の更なる代替形を示し；
第２９図は、第２８図の缶の首部左側の拡大で、その首が次第に細くなるのを示し；
第３０図は、第２８図に示したもののようなねじ付き缶本体を作るために型ネッキングするようにされた、絞り且つしごき加工した缶本体を通る垂直断面図であり；
第３１図は、段付き首部の代りに滑らかな首を有することを除いて、第２８図の缶に類似する、型ネッキングした缶の首部を示す破断断面図であり；
第３２図は、首部に約１１の別々の段を有することを除いて、第２８図および第３１図のものに類似する缶本体の破断断面図であり；
第３３図および第３４図は、ねじが首部に二重継ぎ合せした別のスリーブにある、ねじ付き缶本体の代替形を示し；
第３５図から第３７図は、第３３図および第３４図に示すものに類似する組立体を作るために、缶または缶蓋のテーパ付き首部にねじ付きスリーブを二重継ぎ合せにするために使える連続ステップを示す。
第３８図は、ねじ付きスリーブをドーム形蓋に接着した、この発明のねじ付き缶用ドーム形蓋の代替形を通る断面図であり；および
第３９図は、ねじ付の長い首を缶本体に接着し、その本体に底端壁が二重継ぎ合せされている、この発明のもう一つの代替実施例を通る概略図である。
幾つかの図面では、材料が薄過ぎて二本線で適正に示せないので、断面で二本線の替りに一本線を使用する。
ここで使用する、“上方”、“下方”、“内方”、“外方”、“水平”、“垂直”等の語は、口を上向きに開いて直立位置に配置した缶または缶蓋に関する。
第１図は、金属缶１を示し、それには缶本体４およびその上のねじ付き円錐蓋１０があり、その蓋は、この発明に従って、ハードテンパーの厚さの薄い金属シートから作られている。缶本体４の金属は、３０００シリーズのアルミ合金であるのが好ましく、円錐蓋１０の金属は、３０００または５０００シリーズ合金のアルミ合金、例えば、米国アルミニウム協会に登録されている合金および焼戻しで、Ｈ−１９またはＨ−３９焼戻しした５０４２合金が好ましい。缶本体４のアルミニウムの金属厚さは、典型的に絞り加工およびしごき加工したビールおよびソフトドリンク缶用である。円錐蓋１０のアルミは、厚さが約０．１８ないし０．３８ｍｍでよく、好ましくは、直径７６．２ｍｍの缶に対し約０．３４ｍｍである。これらの缶は、種々の高さおよび直径でよく、例えば、直径約７６ｍｍ、高さ約１８０ｍｍで約５９０ｍｌ入るように設計される。この発明の他の缶は、直径が約５１ｍｍないし８３ｍｍ、高さが約８９ｍｍないし２５４ｍｍの範囲で、大体２０７ｍｌから９４６ｍｌ以上入ってもよい。この発明は、これまで知られている方法および装置で作った厚さの厚いねじ付きアルミ缶とは違って、ねじ付き軽量缶を製造するために、厚さの薄いハードテンパー金属を容易に使えるようにする。
円錐蓋１０を作る金属は、少なくともその内面がポリマーまたはエポキシのような保護被膜で被覆され、この金属の腐食およびこの蓋を固着する容器の内容物の風味に悪影響を与える可能性を避けることが好ましい。この被膜は、ロール塗布、吹付け（液体または粉末）塗布、電着またはその他の類似の技術で付けることができる。この発明の成形プロセスは、成形作業中に金属シートおよびその被膜を損傷する可能性を最小にするように設計されている。しかし、ある場合には、蓋１０を成形してからその内側に修理被膜を付けてもよい。
円錐蓋１０（第１図の）は、缶本体４の開放端の周縁に継ぎ合せる外周フランジ５を含む。この蓋は、更に継ぎ合せ工具を受け入れて、継ぎ合せ作業を容易にする環状溝６を含む。この環状溝６は、蓋１０の金属が約２．８ないし７．７ｋｇ／ｃｍ²の範囲の内圧に曝されたとき、外方への座屈に対する抵抗も与え、７．７ｋｇ／ｃｍ²がビールおよび炭酸ソフトドリンク用容器の最大圧力である。この蓋１０は、更に、これも圧力保持強度を与えるために有利な切頭円錐部７、環状ビードの下の外方に突出する肩８、ねじ１１、およびこの円錐蓋の口の周りのカールしたビード２を含む。
第２図は、缶３の代替実施例を示し、それは、この発明に従って作り、絞り加工およびしごき加工したアルミ缶本体１２の頂部に接着した、ねじ付き円錐蓋２１を有する。この缶本体１２は、その上端に直径の小さくなった部分１３を有する。円錐蓋２１は、そのような直径の小さくなった部分１３に嵌め、そこに接着する。円錐蓋２１は、その他の点では第１図の円錐蓋１０と本質的に同じである。
この発明のねじ付き缶は、第３図および第４図に示すように、金属またはプラスチックのクロージャ（closures）を受け、それで閉ざされおよび／または密封されるようにされている。これらのクロージャは、缶に付ける前にねじを付けるのが好ましいが、金属クロージャは、ロールフォーミング中に容器に加える天井荷重がこの容器の柱強度を超えなければ、またはこの缶のねじ部を、例えば缶の首に付けた転移リングによって、そのような天井荷重に抗して支持できれば、この発明のねじ付き缶上でロールフォーミングすることもできる。第３図は、第１図の缶蓋１０に固着する、Ｈ−Ｃインダストリ社に譲渡された米国特許第４，９３８，３７０号が記載し且つ図示する種類のプラスチッククロージャ１４を示す。このクロージャ１４は、天井壁１５、内ねじ付きスカート１６、およびいたずら証明バンド１７を有し、そのバンドは、複数の内方に突出する柔軟なタブ１８を備え、それらは、このクロージャ１４の残りの部分をこの缶からねじって外したとき、このバンドをこの缶上に保持するようになっている。クロージャ１４は、そのスカートといたずら証明バンドの間に、スロットと連結ブリッジ（図示せず）のようなもろい連結部を有する。このもろい連結部は、このクロージャを缶のねじから外したときに壊れて、このいたずらバンドをこの容器に残す。その代りに、このいたずらバンドは、このクロージャを容器から外したときに壊れて、例えば、Ｈ−Ｃインダストリ社に譲渡された米国特許第４，７２０，０１８号に開示されているように、このバンドが容器に残るのではなくクロージャに付いたままであるように、一つ以上の垂直の弱化線を有することもできる。米国特許第４，７２０，０１８号および第４，９３８，３７０号に含まれる開示を参考までにこの出願に援用する。
クロージャ１４は、内容物および炭酸を容器の中に保持するために、このクロージャを缶に密封する密封ライナ１９を含むのが好ましい。このライナは、密封の忠実度を与えるために、容器ビード２の上面と外側面の両方に対して密封してもよい。この発明のねじ付き缶のカールしたビードは、特に精密な公差で作るのに適し、従ってこの缶をねじ付きクロージャで閉じるとき、高い密封忠実度を与える。このカールしたビードは、本質的にしわまたは凹凸のない滑らかな表面を提供し、もしそれがあればクロージャと缶の間を効果的に密封する妨げとなる。
第４図は、この発明の円錐蓋１０（第１図）に固着した金属クロージャ２０を示す。このクロージャは、３０００または５０００シリーズのアルミ合金で作るのが好ましく、厚さは、約０．２０ないし０．３８ｍｍであってもよい。米国特許第２，９９４，４４９号；第３，１０６，８０８号；第３，１２７，７１９号；第３，４６０，７０３号；第３，４６４，５７６号；第３，７５０，８２１号および第４，５１９，５１６号は、この発明のねじ付き缶を閉じるために使うことができる種類の金属クロージャを開示している。第４図に示すクロージャ２０は、天井壁２２、スカート２３、並びに、このスカートの底にあってこのクロージャを容器からねじり外したとき壊れる刻み目およびブリッジの線２５によってそれに連結された、いたずら証明バンド２４を含む。クロージャ２０は、そのスカート２３にねじ２６が作られていて、缶に回転しまたはねじ込むことができるようになっている。いたずらバンド２４の底縁２７は、刻み目線２５の破壊および／またはいたずらバンドの垂直弱化線（図示せず）を破壊せずにいたずらバンドをこの容器から取外すのを防ぐために、缶のビードの肩の下に巻かれまたは作られるようになっているのが好ましい。クロージャの設計によって、いたずらバンドは、クロージャを缶からねじり外したとき、容器に残ることも、クロージャと共に取除かれるようにもできる。
クロージャ２０は、缶のビード２の上面および外面に対して密封するようにされた密封ライナ２８を含む。ライナ２８は、クロージャに挿入した円板ライナか、この技術で知られるように埋込ライナである。クロージャ２０は、米国特許第４，００７，８５１号に開示されているように、この缶からクロージャを外すとき缶からガスを排出するために、上部外角の周りに複数の抽気スロット２９を有するのが好ましい。
ある用途に対しては、クロージャを付けたままの缶のリサイクルを容易にするために、この発明の缶を密封するためにはアルミクロージャが好ましいかも知れない。そのようなクロージャのプラスチックライナおよびアルミ上の被膜は、この容器のわずかな部分であり、この容器全体のリサイクルの邪魔にならない。事実、そのような少量のプラスチックは、リサイクリング中に燃焼され、リサイクリングに有用な熱エネルギーを提供する。アルミクロージャは、充填プロセス中に高温殺菌、低温殺菌または加熱すべき缶にも好ましいかも知れない。
第５図ないし第１３図は、この発明による円錐蓋の生産を行う、厚さの薄いハードテンパー金属のシートの形状の進行過程を示す。そのような過程で使用する工具は、この技術で知られているので、図示しない。この発明は、主としてこの蓋を成形するための作業の順序およびそのような成形で採られる縮小率にあるのであって、特定の工具にあるのではない。この発明は、被膜の無欠性への損傷を最小にし且つアルミニウムの成形性を最高に利用しながら、所望の形状を成形することを指向する。
この発明の第１ステップは、金属シートから丸い円板３０を打抜きまたは切断して、その円板の中央に低い円筒形のボス３１を絞ることである。環状フランジ３２がこのボス３１を取囲む。この打抜きと絞りは、単一作業で行うのが好ましいが、二つの作業で行ってもよい。この発明にとっては、ボス３１を成形する際のこの第１の絞り縮小が約４５％を超えず、厚さの薄いハードテンパーアルミ合金を成形する際は約３０ないし４０％が好ましいことが重要である。この縮小率は、次の式で計算する：

４０％の縮小では、ボス３１の直径が円板の直径の約６０％だろう。３０％の縮小は、円板の直径の約７０％の直径のボスを作るだろう。この発明を鋼製の円錐蓋および缶の製造に適用するためには、アルミに比べて鋼の性質、例えば、強度および成形性が異なるので、異なる縮小率が必要かも知れない。
第６図ないし第８図に示す、次のステップは、ボス３１を再び絞ってその高さを増しその直径を減ずることである。この発明によれば、金属を裂きまたはしわを寄せることなく、次第に小さな直径で次第に高いボス３４および３６を作るために、少なくとも２回ボス３１を再び絞ることが重要である。再絞りの最適回数は、この金属の厚さ、焼戻し、および成形性、金属上の被膜、この円錐蓋の直径およびその上の首部、並びに作るべきねじ付き首の直径を含む幾つかの要因に依るだろう。この漸進的再絞りが、厚さの薄い、ハードテンパーの金属を成形して、ねじ付きクロージャを受けるに十分な長さと適当な直径を有する、径の細い首部を作る際に重要である。厚さの薄いハードテンパーアルミ合金の第１再絞り作業に於ける縮小率は、金属の厚さ、焼戻し、強度、成形性および被膜に依って、約３５％以下、好ましくは３０％以下であるべきである。第２再絞りの縮小率は、約３０％以下、好ましくは約２５％以下であるべきである。もし、第３縮小を望むなら、それは約２５％以下、好ましくは１８ないし２０％以下であるべきである。この縮小率は、連続する再絞りの間のボス３４および３６の直径の変化に基づく。フランジ３２の外径は、再絞り作業に影響されないのが好ましい。再絞り作業の回数を最小にするために、各再絞りで行う縮小を最大にすることが望ましい。逆に、縮小率は、そのような再絞り中に金属の裂けまたはしわ寄せを生ずるほど大きくてはならない。
第８図は、ボス３６の端に切頭円錐ビード傾斜部３５を作るための再成形ステップ後の円板３０を示す。
第９図は、ボス３６の端壁の中心部（第１０図）をこの技術でよく知られる方法で打抜きまたは孔抜き作業によって除去し、この開口の周りの切断した縁を上方にこすってボス３６の長さを伸して、ボスのこの開口の周りの上方に突出するフランジ３７に外方にカールしたまたは折曲げたビードを作れるようにした後の物品３０を示す。その代りに、ボス３６の切断した縁を、後に内方にカールしたまたは折曲げたビードを作るために、下方にこすることもできる。図示するために選択した実施例では、ボス３６の端壁の中央の７０ないし７５％が切断され、残りの３０ないし２５％が上方にこすってフランジ３７が作られている。
第１０図は、物品３０の下外周縁の周りを縁取りして注ぎ口３９に再成形した後の物品を示し、それには切頭円錐部４１、環状溝４０、およびこの口部の下外周縁の周りの外方に伸びる曲線のフランジ４２を有する。フランジ４２と溝４０は、取扱いを容易にし、典型的な平らな缶端を缶本体に付けるのと同じ方法で、この缶蓋を缶本体に容易に取付けられる様に設計されている。
第１０図は、更にこの物品上の口部の上縁の周りのカールしたビード３８を示す。ビード３８は、外方にカールするように図示されているが、第１４図に示すように、ある用途に対しては内方にカールすることもできる。外方のカールは、このビードの金属の末端または切断した縁が、缶蓋を固着する容器の内容物と接触する可能性を最小にするだろう。この外方カールは、この容器の中の飲物がこのビードに閉込められる可能性も最小にする。内方にカールしたビードは、成形性、審美性等のような利点をもたらすだろう。
第１１図は、円錐蓋３０の上部の拡大断面図で、それにねじ４４およびこれらのねじの下の外方に突出する環状ビードまたはロックリング４６を設けるために更に再成形した後を示す。ビード４６は、下方および外方に向いた肩部４８を有し、その下にクロージャのいたずら証明バンドを作ることができる。
ロックリング４６と切頭円錐部４１の間のこの口の首部４９の直径は、ロックリングのそれより小さい。この円錐蓋を作る好適部方法に於いて、この首部４９は、ねじ４４を作ってしまってからこの部分を半径方向に内方にロール掛けすることによって作る。ビード３８は、注ぎ孔の直径を最大にし、この円錐蓋に付けるクロージャのねじとの干渉を避けるため、約１．２７ないし２．０３ｍｍの比較的小さな直径にカールするのが好ましい。ビード３８の直径は、首の金属の厚さの約３ないし７倍の範囲内にあるべきである。第１２図、第１３図および第１４図に示すような、その代りのビードまたは折曲げ縁をこの缶に使うこともできる。
ビード３８は、首部にねじ４４を作る前または後のどちらで作ってもよい。ある用途では、ねじを作る前にビードを作るのが好ましい。何故なら、ビードが首部を強化して、ねじの成形中に首が望ましくない歪みに抗するのを支援するからである。ねじを作る前にビードを作ることは、ねじの同心度を維持するのを助け、ビード３８と円錐蓋３０のベースの間の平行関係を維持するのを助けるだろう。
ねじ４４は、瓶の蓋にねじを転造するために米国特許第２，４０９，７８８号に示すものと類似のねじローラによる等種々の技術によって作ることができる。
ねじのあるマンドレルを最初に缶の首に配置し、ローラをこの首の外面に当て、この首の回りに回転してこの金属をマンドレルのねじの中へ半径方向に内方に動かす。好適方法に於いては、首部４９を作る前にねじ４４を作り、マンドレルをこの缶蓋の底の大きい開口から挿入し且つ取出す（それをねじ戻すことによって）ことができるようにする。このマンドレルは、折畳めてそれを缶のねじ付き首から取出せるようにすることもできる。その代りに、ねじ４４を、米国イリノイ州シカゴのブリスインダストリー社またはコネチカット州チェシアのル・ジャンツールアンドダイ社から市販されているものに類似するねじ転造盤および工具によって作ってもよい。ナスバウムの米国特許第５，２９３，７６５号もねじ転造作業を開示し、それによると支持工具またはローラを口の中に配置し、もう一つの工具またはローラをこの口の外面に当てて回転して二つのローラ間の金属を成形する。
第１１図に示す缶蓋３０は、もう、第１図に示すような缶を作るために缶本体の開放端に継ぎ合せまたはその他の方法で固着する準備ができている。これは、従来の二重継ぎ合せによって行うことができる。その代りに、この円錐を第２図に示すもののように成形し、それを缶本体に接着してもよい。この缶本体は、３０００シリーズのアルミ合金で作った、絞り加工してしごき加工したアルミ缶本体であるのが好ましい。この缶は、口部から充填し、第３図および第４図に示すように、その上にねじ付きプラスチックまたは金属のクロージャを密封するようになっている。
開口のビードまたは折曲げ縁は、幾つかの理由で重要で、それらには、密封面、金属の縁の遮蔽、開口の強度、および開口の大きさの最大化を提供する機能が含まれる。所望の性能要件を最大にするために、この発明に幾つかの代替ビードまたは縁処理を設けることができ、それらには、第１２図に示すような外方に折曲げた縁５０（内方に折曲げることもできる）、第１３図に示すように平たいビード５１、および第１４図の内方にカールしたビード４７がある。折曲げた縁５０および平たいビード５１は、第１１図のカールしたビード３８より口の直径を大きくできる。カールしたビード３８は、折曲げた縁５０または平たいビード５１より厚く、従ってこの円錐蓋に固着するクロージャのねじとの干渉を避けるため、ビードの内面の直径が小さい結果となる。
第１５図、第１６図および第１７図は、この発明に従って作ったねじ付き缶の代替実施例を示す。これらの缶は、第１８図ないし第２７図に示すように、絞り、再絞り、および側壁しごき加工の連続によって作る。第１５図の缶５２は、ねじ付きクロージャ（第３図および第４図）を受けるためにその首部に一体のねじ付き口部５３を有し、この缶に二重継ぎ合せされた、内方にドーム形の底端壁５４を有する。第１６図および第１７図の缶５５および５６は、ねじ付きスリーブ５７および５８がこれらの缶の口に固着されていることを除いて類似である。第１６図の缶５５は、首部に金属のスリーブ５７を有し、第１７図の缶５６は、首部にプラスチックのスリーブ５８を有する。スリーブ５７は、環状の外方に突出するビード５９、任意の環状の折曲げたリップ６０、およびねじ付きクロージャを受けるためのねじ６１を含む。折曲げたリップ６０は、輸送中または充填ラインでこの缶にクロージャを付ける間、この缶をリップで支持することが望ましい用途に対して、ある缶に任意である。第１６図および第１７図に示すねじ付きスリーブは、円錐蓋の一体のねじの代りに、第１図および第２図に示すような缶蓋に使用するためにも適用される。
スリーブ５７は、このスリーブに重なる、外方に突出する曲線のフランジ６２によって缶５５に固着する。缶５５を製造する際、最初にスリーブ５７をこの容器の円筒形の首の上に嵌め込み、フランジ６２をスリーブの上端に押付けるように外方および下方にローラを掛けまたはカールさせて、このスリーブを切頭円錐形の首部に締付け、このスリーブをその位置に保持する。スリーブが缶上で回転するのを防ぐため、小さなくぼみ、リブ、スロット等を缶および／またはスリーブに設けることができる。フランジ６２をカールさせまたは成形すると、このフランジの金属がそのようなリブまたはスロットの中または周りに流れてスリーブを缶上の非回転位置にロックするだろう。相対回転を防ぐため、スリーブを缶に接着することもできる。フランジ５７は、クロージャまたはクロージャライナ（図示せず）を密封できる上端面を提供する。
第１７図は、金属スリーブの代りにプラスチックスリーブ５８を使う類似の缶５６を示す。プラスチックスリーブ５８は、外方に曲ったフランジ６３で第１６図の金属スリーブと殆ど同様に缶の口または首に固着する。プラスチックスリーブ５８は、スリーブ５７のリップ６０に類似する搬送リップ４５を任意に含む。
第１８図ないし第２７図は、第１５図に示すような、上に一体の口蓋を有する缶を作るための成形進行過程を示す。缶に一体のねじを作るのではなく缶に別のねじ付きスリーブを固定することを除いて、同じ順序を第１６図および第１７図の缶５５および５６を作るために使うことができる。一体の口蓋を備えた缶を作るための順序は、この進行過程が容器側壁の形成を含むことを除いて、別の円錐蓋を作るための順序に類似する。再び、工具は、この技術で知られている普通の工具であるので図示しない。この発明は、主として成形作業の順序、採用する縮小率、およびこれらの工具によって作られる特定の形状にある。
最初のステップは、厚さの薄い、ハードテンパー金属のシートから絞ったカップ６４を作ることである。そのように作ったカップ６４を第１８図に示す。この成形作業は、この技術でよく知られている、単純な打抜きおよび絞り作業であるのが好ましい。カップ６４は、端壁６５および側壁６６を含む。カップ６４は、厚さが約０．１８ないし０．３８ｍｍの範囲内、好ましくは約０．３２ｍｍの３００４−Ｈ−１９合金のような、ハードテンパーアルミ合金から絞るのが好ましい。このシート金属は、保護被膜で被覆されていてもいなくてもよい。これは、このカップを後にその薄い側壁にしごき加工するかどうか、およびこの被覆した材料がこの金属または被膜にそれほど損傷無くそのようなしごき作業を耐え抜くことができるかどうかに依るだろう。大抵の用途に対し、この金属はプレコートせず、その代りにカップの側壁をしごき加工してから被覆する。
第１９図は、端壁６５の中央に低いまたは浅いボス６７を作った、再成形したカップ６４を示す。ある場合には、ボス６７を最初の打抜きおよび絞り作業で作ることがある。第５図ないし第１１図の円錐蓋の成形同様に、ボス６７は、第２０図ないし第２２図に示すように、次第に高く、小さい直径のボス６８、７０および７２を作るために、少なくとも２回、好ましくは３回以上再成形しなければならない。ボス７２は、ねじ付きクロージャを受けるためにそこに作るべきねじに十分な金属を与えるために十分な長さおよび適当な直径でなければならない。この発明を実施する際に、最初の絞り作業（第１８図）が４５％の縮小率を超えず、好ましくは約３５ないし４０％の縮小率であること、および次の再絞り作業が約２０ないし３０％の縮小率を与えることが重要である。第２３図に示す５番目の再成形は、ボスの直径を減じ、その高さを増し、ボスの突出する端７７も再成形してこのボスの外方に突出する端部に少なくとも２段に減少した直径を作る。
ボス７４を再成形して小さな直径の端７７を作ってから（第２３図）、このカップを再成形して第２４図に示すように切頭円錐部７６を作る。次にボスの円形端壁７８の主要部を孔抜きしまたは切抜く。抜いた孔の切断縁も上方にこすって、第２５図に示すように、ボスの端の開口の周りに上方に突出するフランジ７５を作ってもよい。
口の上縁にビードを作るステップと口にねじを作るステップは、第１図ないし第１１図の円錐蓋１０にビードとねじを作るのと本質的に同じである。ビード７９（第２６図）は、上に説明した円錐蓋のビードのように外方にカールしても内方にカールしてもよい。第２６図および第２７図に示す口は、第１図および第１１図の円錐蓋１０と殆ど同様に、外方に突出する環状ビードまたはロックリング８２、下方且つ外方に向いた肩８０、並びにそれに作られたねじ８４を有する。
カップ６４を缶本体８７にする成形を仕上げるため、この技術でよく知られた手法を使って、カップ６４の側壁８６を薄くしごき、それを長くする。この側壁に、それをしごく前に、追加の絞り作業も加えてその直径を減じ、それを長くしてもよい。絞ってしごき加工した缶本体８７は、後被覆してそれをこの缶に入れる飲物またはその他の製品に対して保護するのが好ましく、底端をこの缶本体に付けてすぐ充填できる缶を作る。充填後、予めねじを付けたプラスチックまたは金属のクロージャ（第３図および第４図）をこのねじ付の口にねじ込んでこの缶の内容物を密封する。
第２８図および第２９図は、この発明に従って作ったねじ付きアルミニウム缶９０のもう一つの実施例を示す。この缶９０は、完全に、３００４、３１０４、または３２０４Ｈ−１９アルミ合金のような薄いハードテンパー金属の単体で作る。首部を作り且つねじを付ける前の、この缶本体９１は、缶９０の首部にできるようにされた上端“厚肉”部９２を有することを除いて、典型的な絞り且つしごき加工した（Ｄ＆Ｉ）缶本体９１（第３０図）である。この厚肉部９２は、この側壁の下部９３ほどにはしごかず、従ってそれより厚い。厚い金属は、しわまたはその他の望ましくない変形が少なくて成形できるので、この厚肉上端部９２は、第２８図および第２９図に示す首部９４に成形し易い。この缶本体９１の厚肉部９２は、側壁と首部にした上端部の間の第１半径８８の間の接触点で始るのが好ましい。この厚肉部は、缶本体の上端まで伸び、それがこの首部の長さである。この発明に使用する、典型的な絞り且つしごき加工した（Ｄ＆Ｉ）缶本体（第３０図）は、金属の厚さが底部断面９５で約０．３４ｍｍ、薄肉部９３で約０．１４ｍｍ、および厚肉部９２で約０．１９ｍｍであってもよい。そのような缶本体は、直径が約７６．２ｍｍで、高さが５９１ｍｌ入れるために約１８７ｍｍ、または８８７ｍｌ入れるために約２１６ｍｍであってもよい。この発明に使用するための他のＤ＆Ｉ缶本体は、金属の厚さが底部断面９５で約０．２５ないし０．３８ｍｍ、薄肉部９３で約０．１１ないし０．１７ｍｍ、および厚肉部９２で約０．１７ないし０．２２ｍｍであってもよい。そのような缶は、直径が約６３．５ないし８８．９ｍｍ、高さが約１２７ないし２５４ｍｍであってもよい。
この発明によれば、絞り又はしごき加工した缶本体９１を、１９９４年１０月１８日発行の米国特許第５，３５５，７１０号に図示し且つ説明されているのと同様な方法によって、内方にくびれさせて首部９４に形成し、その特許を参考までにこの出願に援用する。一体のアルミ缶９０を作るためには、直径約７６．２ｍｍのアルミ缶本体９１を３８ｍｍのクロージャを受けるようにされた首まで縮めるために少なくとも２０回、好ましくは２５ないし２８回以上のネッキング（necking）作業を要する。直径７６．２ｍｍの缶本体９１に４３ｍｍのクロージャを受ける首を作るためには、小さい３８ｍｍのクロージャに要するよりは少ないネッキング作業でよい。全体として切頭円錐形首部９４は、真っ直ぐな切頭円錐首ではなく、複数の凹凸段またはリブ９６があるのが好ましい。この首の段９６は、審美的に好まれると考えられ、複数のネッキング作業中にできるかも知れないしわの外観を最小限にするかも知れない。この効果は、米国特許出願第０７／９２２，９１３号に開示されているように、ネッキングの組合せによって処理することで得られ、その出願は、一様なまたは直線テーパと段付き型のネッキングを行い、それが複数の円周リブを作る。米国特許第４，５１９，２３２号；第４，６９３，１０８号および第４，７３２，０２７号参照。
第２９図は、ねじおよびビードを作る前の、缶９０のくびれた上端部９４を通る部分断面図である。第２９図に示すように、この上端部９４は、ねじ９９（第２８図）を作るべき円筒形部９７、および缶本体の上端周りのビード１００（第２８図）にカールするようにされた第２円筒形部９８を含む。第２９図の左側は、６８．３ｍｍ直径の缶に首部９４を作るために使用する２７のネッキング作業の各々から生ずる逐次縮小を示す。厚さ約０．３４ｍｍのハードテンパー（hardtemper）アルミ合金で作った缶本体をネッキングする際、最初のネッキング縮小は、缶直径の約２．２８ｍｍ未満であるべきこと、並びに次の縮小の各々は、７６．２ｍｍ直径の缶に対して缶直径の約１．４０ｍｍ、および６８．３ｍｍ缶に対して約１．２７ｍｍ未満であるべきことが重要である。６８．３ｍｍ直径の缶に対するネッキング順序の一例で、最初の縮小は、約２．２１ｍｍであるのが好ましく、次の縮小の各々は、約１．２５ないし１．３０ｍｍである。この発明を実施する際、大きな直径の缶に対する金属の厚さは、各ネッキング作業で大きい縮小ができるようにするため、小さな直径の缶に対するより厚くてもよい。
この発明による缶本体の上端のネッキング加工は、首部の金属を次第に厚くし、従ってこの首部の構造的強度を増す。ねじおよびビードを作る、第１円筒部９７および第２円筒部９８は、厚さが６８．３ｍｍ直径の缶に対し、元の厚さの約０．１７ｍｍから約０．２３ないし０．２５ｍｍの範囲の最終厚さまで増す。７６．２ｍｍ直径の缶に対しては、元の厚さが約０．１９ｍｍで、最終厚さが約０．２８ｍｍだろう。
第２８図は、第１１図の円錐蓋を参照し上記して説明したように、ビード１００、ねじ９９、環状ビード１０１および肩１０２を作った後の缶の上端部を示す。
その代りに、円筒部９７にねじを転造するのではなく、第１６図および第１７図に示すもののようなねじ付き金属またはプラスチックのスリーブを缶本体９０に固着してもよい。
第３１図および第３２図は、この発明に従ってねじ付きクロージャを受けるようにされた、テーパ付き首部を有する缶の代替実施例１０４および１０６の破断拡大図である。第３１図の缶１０４は、一般的に１９９２年７月３１日出願の米国特許出願第０７／９２２，９１３号に開示されているのと類似の方法および工具によって作った、滑らかなまたは均一なテーパ付き首１０５を有する。第３２図の缶１０６は、例えば、米国特許第４，５１９，２３２号；第４，６９３，１０８号および第４，７３２，０２７号に開示されている手法に類似の型ネッキングによって作った、１１の凹凸段または円周ビード１０８を備える段付き首１０７を有する。当業者には、第３２図のテーパ付き首の段を多くも少なくもできることが明白だろう。段の数は、もしあれば、作るべき所望の形状、金属の厚さ、缶の直径、作るべき首の長さおよび使用するネッキングの回数に依る選択の問題である。テーパ付き首に段を作ることは、均一なテーパ付き首に比べて各ステップの縮小が大幅でなくてもよいし、従って与えられた量のテーパを達成するために要する作業回数を少なくする。
第３３図および第３４図は、ねじ付きスリーブ１１１および１１３を缶の開放端に二重継ぎ合せした、この発明の缶の更なる実施例１１０および１１２の破断断面図である。これらの缶のテーパ部は、第１図および第２図に示すものに類似する缶蓋、第１５図に示すものに類似する絞り／再絞りした缶、または第２８図、第３１図および第３２図に示すものに類似する型ネッキングした缶のどれでもよい。
第３５図ないし第３９図は、缶本体１１５上にねじ付きスリーブ１１４を継ぎ合せるための方法および工具を示す。缶本体１１５の開放端の周りに外方に突出するフランジ１１６を設け、スリーブ１１４の底にＬ形フランジ１１７を設ける。フランジ１１６と１１７を、第３６図および第３７図に示すように、２段継ぎ合せ作業によって連結する。重なったフランジ１１６および１１７は、これらのフランジを下方に部分的に折曲げる第１継ぎ合せステップで再成形する。第３７図に示す第２ステップで、内支持ローラ１１８を缶の中に配置し、第２継ぎ合せローラ１１９がこれらのフランジ１１６および１１７を内支持ローラに対して押付ける。ドライバチャック１２０がこの継ぎ合せ作業中スリーブ１１４を然るべき位置に保持する。
第３８図および第３９図は、この発明に従って作ったねじ付き円錐蓋１２２およびねじ付き缶の更に他の実施例を示す。缶蓋１２２は、ねじ付きスリーブ１２３がこの円錐缶蓋の中央開口に接着、溶接またはその他の方法で固着されている。缶１２４は、先長ねじ付き口１２５がこの缶の上端の中央開口に固着されている。缶１２４は、第１８図ないし第２５図に示すのと類似の絞り／再絞り方法によって作り、底端壁１２６がそれに継ぎ合されている。この缶は、第２８図、第３１図および第３２図に示す缶に類似する型ネッキングした、Ｄ＆Ｉ缶でもよい。
上記の説明および添付の図面から、この発明は、ねじ付きクロージャを受けるための成形ねじ付き金属缶に幾つかの選択肢を設けていることが分る。これらの各選択肢は、種々の利点をもたらす。缶の金属の重さは、所望の選択肢を選ぶ際に重要問題である。第２８図の単体瓶または缶が最軽量選択肢となる。例えば、容量５９１ｍｌの単体アルミ瓶（第２８図）は、１０００缶当り正味重量が約１．３３ないし１．３６ｋｇだろう。第１５図の一体にねじ付き蓋を有する缶は、容量５９１ｍｌの１０００缶当り正味重量が約１．５６ないし１．５９ｋｇだろう。第１図の二体の円錐蓋付き缶は、１０００缶（容量５９１ｍｌ）当り正味重量が約１．６２ないし１．６４ｋｇで、第２図の接着した円錐蓋付き缶は、１０００缶（容量５９１ｍｌ）当り正味重量が約１．５０ないし１．５３ｋｇである。別のねじ付きスリーブを有する缶は、一体のねじ付き缶より１０００個当り約１９８ｇ重い。
この発明の缶は、従来技術にあるどの単一容器でも得られない、利点と特徴の組合せを提供する。この発明の缶は、熱い中身、冷たい中身、無菌の中身、低温殺菌、および高温殺菌に適し、金属のバリヤ性のために保管寿命が長く、２．８ないし７．７ｋｇ／ｃｍ²の内圧を保持するために適した、軽量、低コスト、経済的にリサイクル可能、再密封可能／再密閉可能、不飛散、破砕可能の容器を提供する。この発明の缶は、ねじ付きクロージャを受けるようにされたねじ付き首部を含み、このクロージャをねじで保持するための、およびこの缶とクロージャの間の密封忠実度を与えるための性能要件を満たす。これらの缶は、特に、そのような性能要件を満たすために寸法的に正確なねじを設けるようにされている。
この発明の缶が提供するような多くの利点を備えた容器に対する長年に亘る要求があった。
この発明の具体化の幾つかの例および方法を図示し説明してきたが、この発明を以下の請求項の範囲内で別に種々に具体化し、実施してもよいことが分るだろう。例えば、この発明は、ねじ付きクロージャの代りに、ラグキャップ（lugcap）を缶蓋の上に固着するために、首付き容器にまたはそれに取付けるスリーブに、傾斜したラグを作ることを含む。

Claims (8)

1. 厚さが０．１８〜０．３８ｍｍの薄いハードテンパーアルミニウムで作られた軽量の再密閉可能な金属缶(1)であって、
   該金属缶(1)が、絞り且つしごき加工された缶本体(4)と、円錐蓋(10)とを含み、
   前記円錐蓋(10)が口部(39)を含み、該口部(39)が直径を縮小した首部(49)を経て切頭円錐形部(7,41)に続いており、
   該切頭円錐形部(7,41)は環状溝(6,40)に続いており、該環状溝(6,40)は外側周囲のフランジ(5,42)に続いており、
   前記円錐蓋(10)が、ブランクの複数回の再成形によって金属ブランクから形成され、前記フランジ(5,42)が前記缶本体(4)に継ぎ合わされており、
   前記口部(39)は、直径が減縮された首部と、前記口部(39)の端に配置されたビード(2,38)を有し、
   ねじ(11,44)が前記ビード(2,38)の下方に位置し、クロージャを受けて前記金属缶(1)を密封するようになっており、
   リング(46)が前記ねじ(11,44)の下方に設けられている再密閉可能な金属缶。
2. 金属缶は、前記ねじに螺合したクロージャを含む請求項１に記載された再密閉可能な缶。
3. 前記ねじ(11,44)とリング(46)は、傾斜したラグであり、前記クロージャはラグキャップである請求項１に記載された再密閉可能な缶。
4. 軽量の再密閉可能な金属缶(1)を作る方法において、
   絞り且つ壁しごきされた缶本体(4)を作る段階と、
   厚さが０．１８〜０．３８ｍｍの薄いハードテンパーアルミニウムのシートから金属円板(30)を打抜く段階と、
   前記円板(30)を、ボス(31)に絞る段階と、
   前記ボス(31)に複数の絞り加工を施してその高さを増加させる段階と、
   前記ボス(31)の端壁の一部を除去して、前記端壁に開口部を形成する段階と、
   前記開口部の端にビード(2,38)を形成する段階と、
   前記ボス(36)を口部(39)に再形成する段階であって、該口部(39)が直径の減縮された首部を有し、該首部が切頭円錐形部(7,41)に続いており、該切頭円錐形部(7,41)が環状溝(6,40)に一体に続いており、該環状溝(6,40)が外側周囲のフランジ(5,42)に続いている、口部に再成形する段階と、
   ねじ(11,44)上にクロージャを固定するために、前記ビード(2,38)の下方の口部(39)にねじ(11,44)を形成する段階と、
   前記ねじ(11,44)の下方にリング(46)を設ける段階と、
   前記缶本体(4)上へ前記フランジ(5,42)を継ぎ合わせる段階とを含む、再密閉可能な金属缶を作る方法。
5. 前記金属缶にクロージャを取り付ける段階を更に含む、請求項４に記載された再密閉可能な金属缶を作る方法。
6. ねじ(11,44)とリング(46)は、口部に嵌め固定したスリーブ(57,58)上に形成されていてビードによってスリーブ(57,58)を口部に固定している、請求項１に記載された再密閉可能な金属缶。
7. ねじ(99)は、口部に形成されている、請求項１に記載された再密閉可能な金属缶。
8. 前記金属缶が更にクロージャを含み、該クロージャがロールフォーミングによってねじに装架されて前記金属缶を閉じて密封し、
   絞り且つ壁しごき加工された缶本体が、ロールフォーミングの際、前記金属缶にかかる天井荷重を支える強度を有している、請求項１に記載された再密閉可能な金属缶。

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