JP3751777B2 - 工程剥離紙用の基材シート及びそれを用いた工程剥離紙 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、合成皮革やマーキングシート等を製造する際に使用される工程剥離紙に用いられる基材シート及びそれを用いた工程剥離紙に関する。
【0002】
【従来の技術】
屋内外に配置される看板や表示板では、ペンキに代えてマーキングシートを貼り付けることにより、文字や図形等を表示するようになってきた。この種のマーキングシートは、一般に、樹脂フィルム/粘着剤/剥離紙の3層構造からなる。使用に当たっては、樹脂フィルム層から粘着剤層の深さまで所望の文字や模様の形に切れ目を入れて、これを剥離紙から剥し、被着物に貼り付けることで所望のマーキング効果を得ている。その製造方法には大きく2つの方法が提案されている。
【0003】
第1の方法は、剥離紙に粘着剤を塗布、乾燥し、先ず粘着剤層を形成する。この上に、溶剤に分散された熱可塑性樹脂の着色ゾルを一定厚さで塗布し、このゾルを予備加熱した後、これをベースロールとバックアップロールとの間に通し、その後加熱乾燥し樹脂フィルム層を形成する方法である。上記ベースロールが鏡面仕上げしてあればロールを通して得られる樹脂フィルムの表面は高光沢となり、一方、該ベースロールに凹凸が施されていればロールを通して得られる樹脂フィルムの表面はマット調になる。
【0004】
第2の方法は、溶剤に分散された熱可塑性樹脂の着色ゾルを工程剥離紙(a)の上に一定厚さで塗布し乾燥して先ず樹脂フィルム層を形成する。この際、マーキングシートのおもて面つまり我々が看板などで直接目にする面は工程剥離紙(a)と接している面となる。一方、別の剥離紙(b)へ粘着剤を塗布して、先の樹脂フィルム層の片面、言い換えれば工程剥離紙(a)と接していない残りの面と貼り付ける。その後、工程剥離紙(a)から樹脂フィルム層のおもて面を剥しマーキングシートを得る。工程剥離紙(a)の表面が高光沢であればマーキングシートも高光沢になる。一方、工程剥離紙(a)の表面がマット調であれば、マーキングシートもマット調になる。
【0005】
第2の方法による場合、その工程剥離紙に要求される性能として、剥離性が良いこと、塗工ムラがないこと、光沢のコントロールが容易であること、耐熱性に優れること、繰り返し使用に耐えることなどが挙げられる。
【0006】
この第2の方法の工程剥離紙表面を剥離性にするための樹脂組成物としては、ポリプロピレン系樹脂、シリコーン系樹脂、アルキド系樹脂の3種が代表的なものとして知られており、これら樹脂組成物を基材シートへ塗工することによって工程剥離紙が得られる。ポリプロピレン系樹脂は繰り返しの使用に優れているが、耐熱性が悪く高温での使用に限界があり表面も傷つきやすいという欠点があった。シリコーン系の樹脂は剥離性には優れているが剥離力や光沢のコントロール、塗膜の均一性に難点があった。また、アルキド系樹脂は耐熱性や光沢のコントロールに優れるが剥離性が乏しいという欠点があった。
【0007】
特公平2ー8078号、特開平7ー242829号等には、アルキド系樹脂の上記特徴を活かしなおかつ剥離性を良くするため、シリコーン変性アルキド樹脂とアルカノール変性アミノ樹脂とからなる樹脂組成物をトップコート層とすることによって、耐熱性、剥離性、光沢のコントロールに優れる工程剥離紙の製造方法が提案されている。
【0008】
ところが、本発明者らがこの方法で工程剥離紙の製造を検討したところ、所望の工程剥離紙の表面光沢が得られない、また工程剥離紙の表面の均一性に欠ける等の問題が発生した。その結果、得られた工程剥離紙上にウレタン系樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリアミド系樹脂、アミノ酸系樹脂等を塗工、剥離して合成皮革やマーキングシートを製造しても、得られた合成皮革やマーキングシートには所望の光沢度や表面の均一性が得られなかった。そこで本発明者らが検討した結果、工程剥離紙の基材シートの物性が重要であることが判明した。工程剥離紙を製造するに当たっては、当然のことながらその基材シートに色々な特性が要求されるが、従来これらについては詳細な検討がなされてこなかった。
【0009】
更に本発明者らが検討した結果、仮に耐熱性、剥離性、光沢のコントロールに優れる工程剥離紙用の樹脂を使用しても、ある特定の基材シートを選択しなければ所望の外観を有する工程剥離紙およびそれから製造される合成皮革やマーキングシートが得られない、つまり、工程剥離紙およびそれから得られる合成皮革やマーキングシートの外観の特性は、工程剥離紙用の基材シートの特性に負うところが甚大であることを見出し本発明を完成させた。
【0010】
一方、上記工程剥離紙は繰り返し使用されるが、複数回使用するとエッジ部分から破断するという問題があった。本発明者らが検討した結果、基材シートの抄紙条件によってこの問題を回避できることを見いだし本発明を完成させた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、アルキド系樹脂を主成分とする樹脂組成物を基材シートへ塗工し硬化させることによって製造される工程剥離紙に用いられる基材シート、およびこれを使用して得られるところの表面にムラやうねりが無い工程剥離紙を提供することを課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、アルキド系樹脂を主成分とする樹脂組成物を基材シートへ塗工し硬化させることによって製造される工程剥離紙用の基材シートにおいて、該基材シートがキャスト塗工紙であって、表面のJIS K 6768に準じた濡れ指数が35dyne/cm以上、TAPPI T 458 m−48に準じた水との接触角が100゜以下、JIS Z 8741に準じた60度鏡面光沢度が65%以上、JIS P 8119に準じたベック平滑度が500秒以上、JIS B 0601に準じた中心線平均粗さが0.3μm以下であることを特徴とする工程剥離紙用の基材シートを提供する。
【0013】
【発明の実施の形態】
基材シート表面の濡れ指数、接触角は、剥離層を形成するとき、すなわちアルキド系樹脂を基材シートに塗工するときに重要である。本発明で基材シートへ塗工し硬化されるアルキド系樹脂は、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶剤、および/またはメタノールのようなアルコール系溶剤、および/またはメチルエチルケトンのようなケトン系溶剤に溶解した溶液で基材シートに塗工される。この際、基材シート表面の濡れ指数が小さすぎるか接触角が大きすぎると、該樹脂組成物を塗工したときにムラ、ハジキという問題が起こる。そのため、基材シート表面のJIS K 6768に準じた濡れ指数が35dyne/cm以上、TAPPI T 458 m−48に準じた水との接触角が100゜以下であることが好ましい。
【0014】
基材シートの濡れ指数と接触角を前記特定範囲に設定する手段としては、基材シートをキャスト塗工紙とする方法が採用できる。この際、キャスト塗工層は顔料とバインダーを主成分とし、顔料/バインダーの割合を固形分換算で100/15重量部〜100/40重量部、特に好ましくは100/20重量部〜100/30重量部とする方法が採用できる。顔料/バインダーの割合が上記範囲から外れ顔料分が少なくなると、濡れ指数が35dyne/cmを下回り、接触角が100°を上回り、アルキド系樹脂を塗工した際にムラ、ハジキの原因となって均一な剥離層が得られない。顔料/バインダーの割合が上記範囲から外れ顔料分が多くなると、キャスト層の原紙に対する接着強度が低下する。
【0015】
上記濡れ指数の上限、接触角の下限は際限がないわけではなく顔料/バインダーの割合及び種類から決まってくるが、いずれにしても顔料/バインダーの割合を上記範囲に設定することで、濡れ指数の下限、接触角の上限が決まってくる。
【0016】
一方、合成皮革やマーキングシートへ所望の光沢度を付与するためには、工程剥離紙表面の光沢度をコントロールする必要がある。なぜならば、工程剥離紙表面の光沢度が、そのまま合成皮革やマーキングシートへ転写されるからである。ただし、合成皮革やマーキングシートに要求される光沢度が高光沢であると艶消しであるとにかかわらず、基材シートの表面を高光沢とする必要がある。なぜならば、基材シートの光沢度が低いと、基材シートへアルキド系樹脂を塗工しても所望の光沢度が得られないからである。そのため、基材シートのJIS Z 8741に準じた60度鏡面光沢度が65%以上、JIS P 8119に準じたベック平滑度が500秒以上であることが好ましい。特に、JIS Z 8741では、「紙その他」の鏡面光沢度選定方法として75度鏡面光沢が挙げられているものの、本発明者らが検討した結果、工程剥離紙用の基材シートを60度鏡面光沢によって管理すると、できあがった合成皮革やマーキングシートの光沢度がコントロールしやすいことを見いだした。できあがった合成皮革やマーキングシートの表面が高光沢タイプ、艶消しタイプのいずれであっても、工程剥離紙用の基材シートの60度鏡面光沢を65%以上にすることが重要である。
【0017】
一方、合成皮革やマーキングシートの表面は、高光沢タイプであっても艶消しタイプであっても、均一な風合いが要求される。しかし、工程剥離紙表面の平滑性が低かったり、表面粗さが大きかったり、うねりがあったりすると、基材シートへアルキド系樹脂を塗工しても、工程剥離紙の表面が均一な風合いにならず、そのためそれから転写されて得られる合成皮革やマーキングシートの表面も不均一になり微妙なうねりが発生し、見た目に心地よい平滑性や均一性が得られない。それらを回避するためには、基材シートのJIS B 0601に準じた中心線平均粗さが0.3μm以下であることが重要である。
【0018】
基材シートの60度鏡面光沢度とベック平滑度、中心線平均粗さを前記特定範囲に設定する手段としては、基材シートをキャスト塗工紙とする方法が採用できる。
【0019】
一方、アルキド系樹脂を、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶剤、および/またはメタノールのようなアルコール系溶剤、および/またはメチルエチルケトンのようなケトン系溶剤に溶解した溶液で基材シートに塗工する際、基材シート表面に耐溶剤性がないと該樹脂組成物の均一性が得られず、うねり等の発生の原因となる。これは、アルキド系樹脂を基材シートへ塗工する際、基材シートの表面層が上記溶剤によって溶け出すからである。これを解決するために本発明者らが検討した結果、基材シートであるキャスト塗工紙のキャスト塗工層のバインダーの組成が重要であることが判明した。すなわち、キャスト塗工層が、顔料とバインダーを主成分とし、顔料/バインダーの割合が、固形分換算で100/15重量部〜100/40重量部であること、さらに、前記バンダーがラテックスとカゼインを主成分とし、ラテックス/カゼインの割合が、固形分換算で100/100重量部〜100/200重量部であることが重要であることがわかった。顔料/バインダーの割合が上記範囲からはずれ、顔料分が多くなると接着強度度が低下し、バインダー量が多くなると所望の濡れ指数と接触角が得られずまたブロッキングが発生しやすくなる。一方、バインダー中のラテックス/カゼインの割合が上記範囲からはずれ、ラテックス量が多くなると耐溶剤性に劣りアルキド系樹脂を塗工する際に溶け出して均一な剥離層が得られない。一方、カゼイン量が多くなるとキャスト塗工層が硬くなり折り割れ等のトラブルの原因となる。
【0020】
キャスト塗工層に使用される顔料としては、カオリン、タルク、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、サチンホワイト、酸化チタン、水酸化アルミなどの無機顔料、およびプラスチックピグメントなどの有機顔料が挙げられる。
【0021】
キャスト塗工層のバインダーに使用されるラテックスとしては、スチレン−ブタジエン系、メチルメタクリレート−ブタジエン系、アクリル酸エステル系、酢酸ビニル系等が挙げられる。
【0022】
キャスト塗工層を形成する方法として、上記顔料、バインダー(ラテックス及びカゼイン)の他に、分散剤、湿潤剤、離型剤、耐水化剤、消泡剤などを適宜処方した塗工液を、ウエットキャスト法、ゲル化キャスト法、リウェットキャスト法等従来公知の方法によってキャスト塗工用原紙へ塗工する。
【0023】
塗工量は特に限定されるものではないが、5〜30g/m2であることが好ましい。
【0024】
上記キャスト塗工用原紙は、pH6〜9の中性領域で抄紙された中性紙であることが好ましい。工程剥離紙は、コストの点から繰り返し複数回使用されるのが通例であるが、キャスト塗工紙すなわち基材シートの原紙が酸性領域で抄紙された酸性紙であると、繰り返し使用に伴ってエッジ部分から破断が起こることがわかった。この原因は主として、溶剤に分散された熱可塑性樹脂の着色ゾルを塗布し乾燥するときの製紙用繊維の加熱劣化によると推測される。破断が起こる工程は、上記マーキングフィルムの製造で説明したいくつかの工程のうち特に限られるものではなく、どの工程でも起こり得るものである。
【0025】
キャスト塗工紙用原紙は、サイズ剤として中性ロジンやアルキルケテンダイマー、アルケニル無水コハク酸を使用し、定着剤としてカチオン性のポリアクリルアミドやカチオン性デンプン等を使用し製造することができる。硫酸バンドレスが最も好ましいが、硫酸バンドを使用してpH6〜9の中性領域で抄紙することも可能である。後の工程のキャスト塗工におけるキャスト塗工面の均一性を得るためには、サイズ剤として中性ロジン、アルケニル無水コハク酸を使用するのが特に好ましい。
【0026】
キャスト塗工前の原紙は、針葉樹未晒クラフトパルプ(NUKP)、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)、広葉樹未晒クラフトパルプ(LUKP)、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)、針葉樹サルファイトパルプ(NBSP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、砕木パルプ(GP)等の木材パルプ、または麻、竹、ワラ、ケナフ、楮、三椏、雁皮、コットンなどの非木材パルプ、またはポリオレフィン等の合成パルプ、またはレーヨン、ビニロン、ナイロン、ポリエステル等の合成繊維、脱墨パルプ(DIP)等の製紙用繊維を単独でもしくは混合して使用し、フリーネス100〜500mlC.S.F.に叩解し、円網抄紙機、長網抄紙機、傾斜型抄紙機、ツインワイヤー抄紙機などを使用して通常坪量40〜200g/m2で抄造して得られる。その際、必要に応じてマシンカレンダーやスーパーカレンダー処理を施すことができる。
【0027】
この際、必要に応じて上記のような、サイズ剤や定着剤の他、製紙用各種填料、歩留向上剤、乾燥紙力増強剤、湿潤紙力増強剤、結合剤、分散剤、凝集剤、可塑剤、接着剤を適宜使用しても良い。
【0028】
このようにして得られたキャスト塗工紙すなわち基材シートへアルキド系樹脂を塗工することによって工程剥離紙を得ることができる。該アルキド系樹脂は公知のものが使用でき、これにはオクチル酸、ラウリン酸、パルミチン酸などの飽和脂肪酸、ヤシ油、ヒマシ油、大豆油などの不飽和油と、エチレングリコール、プロピレングリコール、ペンタエリスリトールなどの多価アルコールとの反応によって得られる。また、酸触媒として、アルキド樹脂の硬化に通常使用されるパラトルエンスルホン酸、塩酸などを使用すればよい。さらに、艶消しタイプの工程剥離紙にあっては、合成非晶質シリカ等の粒径0.01〜10μmの中性あるいは弱酸性の無機質充填剤や、ポリエチレンワックスなどの艶消しワックスを、樹脂組成物100重量部に対して1〜50重量部添加することが必要である。
【0029】
このアルキド系樹脂は、通常、有機溶剤の溶液として塗工される。使用される溶剤としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、メタノール、エタノール、イソブタノール、ノルマルブタノール、メチルエチルケトン、アセトンなどの1種類以上が使用され、樹脂固形分が10〜60重量%となるようにすればよい。
【0030】
前記樹脂の有機溶液を基材シートへ塗工する手段としては、ブレードコーター、エアーナイフコーター、ロールコーター、カーテンロールコーター等の公知の塗工機を使用することができる。
【0031】
塗工量は、通常0.2〜5g/m2であり、アルキド系樹脂工程剥離紙製造で通常行われている量でよい。
【0032】
上記アルキド系樹脂の塗工は、基材シートの表面にあらかじめアンカーコート層を設けた後行ってもよい。アンカーコート層は、バインダー単独もしくは無機顔料とバインダーとを混合した塗工液を塗工することで得られる。たとえば、アルキド系樹脂を基材シートへ塗工し硬化させることによって得られる工程剥離紙において通常使用されるアンカーコート剤を塗工することで得られる。具体的には、特公平2ー8078号に開示されているように、(a)アルキド樹脂またはアクリル樹脂、(b)アルカノール変性アミノ樹脂またはイソシアネート化合物、(c)酸触媒、の3成分を主成分とする樹脂組成物をアンカーコート剤として塗工することができる。
【0033】
特に、高光沢のマーキングフィルムを得るためには、工程剥離紙の60度鏡面光沢度及び20度鏡面光沢度を管理することが重要であり、夫々90%以上かつ65%以上であると、工程剥離紙から転写して得られるマーキングフィルムの光沢度及びその表面の風合い、均一性が優れる。このような工程剥離紙を得るためには、工程剥離紙に用いられる基材シートが特定の濡れ指数、接触角、60度鏡面光沢度、ベック平滑度、中心線平均粗さを満たし、なおかつその上層にアルキド系樹脂をクリヤーコートすれば良いことは、上記説明してきたとおりである。
【0034】
また、マット調のマーキングフィルムを得るためには、工程剥離紙の60度鏡面光沢度を管理することが重要であり、これが5〜30%であると優れたマット感が得られ、工程剥離紙から転写して得られるマーキングフィルムのマット感及びその表面の風合い、均一性が優れる。このような工程剥離紙を得るためには、工程剥離紙に用いられる基材シートが特定の濡れ指数、接触角、60度鏡面光沢度、ベック平滑度、中心線平均粗さを満たし、なおかつその上層にアルキド系樹脂をクリヤーコートすれば良いことは、上記説明してきたとおりである。
【0035】
このようにして得られた工程剥離紙は、耐熱性、剥離性、光沢のコントロールに優れ、表面にムラやうねりが無く、合成皮革やマーキングシート等を製造する際に好適に使用される。
【0036】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。なお、実施例に示す部数は固形分換算である。
【0037】
[原紙1の製造]
広葉樹晒クラフトパルプ60重量部、針葉樹晒クラフトパルプ40部を400mlC.S.F.に叩解し、これに重質炭酸カルシウム10重量部、アルケニル無水コハク酸0.2重量部、カチオン化デンプン0.5重量部を加えて、pH8.5の紙料を長網抄紙機を使用して坪量130g/m2の原紙を得た。
【0038】
[原紙2の製造]
広葉樹晒クラフトパルプ60重量部、針葉樹晒クラフトパルプ40部を400mlC.S.F.に叩解し、これに軽質炭酸カルシウム10重量部、中性ロジンサイズ剤0.4重量部、硫酸バンド1重量部、カチオン化デンプン0.5重量部を加えて、pH7の紙料を長網抄紙機を使用して坪量130g/m2の原紙を得た。
【0039】
[原紙3の製造]
広葉樹晒クラフトパルプ60重量部、針葉樹晒クラフトパルプ40部を400mlC.S.F.に叩解し、これにカオリン10重量部、ロジンサイズ剤0.3重量部、硫酸バンド2.0重量部を加えて、pH5の紙料を長網抄紙機を使用して坪量130g/m2の原紙を得た。
【0040】
[実施例1〜5]、[比較例1〜3]
表1に示した重量部数のカオリン(商品名「ULTRA WHITE 90」、エンゲルハード社製)、軽質炭酸カルシウム(商品名「タマパールTP−123」、奥多摩工業社製)、スチレン-ブタジエン(SBR)ラテックス(商品名「スマーテックス750」、日本エイ アンド エル社製)、カゼイン、及び離型剤としてステアリン酸カルシウム3重量部からなる固形分濃度40%の塗料を、表1に示した原紙に、固形分で25g/m2となるようにリウェット法にてキャストコートを行って工程剥離紙用の基材シートを得た。
【0041】
【表1】
【0042】
[比較例5]
カオリン(商品名「ULTRA WHITE 90」、エンゲルハード社製)80重量部、軽質炭酸カルシウム(商品名「タマパールTP−123」、奥多摩工業社製)20重量部、リン酸エステル化デンプン(商品名「MS−4600」、日本食品加工社製)5重量部、スチレンブタジエンラテックス(商品名「スマーテックス750」、日本エイ アンド エル社製)13重量部からなる固形分50%の塗料を、ブレードコーターを使用して原紙1へ、塗工量15g/m2に塗工し、次いでスーパーカレンダー処理して工程剥離紙用の基材シートを得た。
【0043】
実施例及び比較例で得られた工程剥離紙用の基材シートについて、下記の測定を行った。測定結果を表2に示す。
(1) JIS K 6768に準じた濡れ指数(dyne/cm)
(2) TAPPI STD T−458−omに準じた水との接触角(゜)
(3) JIS Z 8741に準じた60度鏡面光沢度(%)
(4) JIS Z 8741に準じた20度鏡面光沢度(%)
(5) JIS P 8119に準じたベック平滑度(秒)
(6) JIS B 0601に準じた中心線平均粗さ(μm)
【0044】
次いで、実施例及び比較例で得られた基材シートに次の剥離性樹脂を固形分で5g/m2となるようにグラビアコーターで塗工後、乾燥硬化させ、工程剥離紙を得た。
(A)アルキド系樹脂
(B)粒径1μmの合成非晶質シリカをアルキド系樹脂100重量部に対して20重量部添加して調整したアルキド系樹脂
【0045】
この工程剥離紙について下記物性を測定した。
(7)JIS Z 8741に準じた60度及び20度鏡面光沢度(%)
(8)目視による風合い。
○:表面にムラがなく均一である、×:表面にムラ、不均一性がある。
【0046】
次いで、この工程剥離紙に、溶剤に分散した熱可塑性樹脂の塩ビ性着色ゾルを30μmの厚さで塗布後乾燥して樹脂フィルム層を形成し、次いで、樹脂フィルム層の残りの片面にアクリル系粘着剤を塗布し乾燥後、別のシリコーン系剥離紙へ貼り付けながら先の工程剥離紙から塩ビ性樹脂フィルムの表面を剥しマーキングフィルムを得た。得られたマーキングフィルムについて下記の測定を行った。
(9)マーキングフィルムの剥離の可否。
○:塩ビ製樹脂フィルムを工程剥離紙から剥がす際きれいに剥がれる。
×:塩ビ製樹脂フィルムを工程剥離紙から剥がす際、工程剥離紙から剥がれずにキャスト面が剥がれてしまう。
(10)繰り返し使用時の破断の有無。
6000mの工程剥離紙のロールを3回繰り返して使用したときの破断回数で評価した。
○:0回
△:1回
×:2回以上
【0047】
【表2】
【0048】
表2の結果により、以下のことが判明した。
(1)実施例より、本発明の基材シートを使用すれば、光沢のコントロールに優れる表面均一な工程剥離紙が得られることがわかった。特に、60度かつ20度鏡面光沢度、表面の風合いに優れる高光沢の工程剥離紙が得られることがわかった。また、60度鏡面光沢度が所望の値で、表面の風合いに優れるマット調の工程剥離紙が得られることがわかった。
(2)比較例1より、基材シートのキャスト塗工層の顔料/バインダーの割合が100/10重量部であると、すなわちバインダーの割合が少ないと、キャスト塗工層の原紙に対する接着力が弱く、マーキングシート製造の際、樹脂フィルム層をアルキド系樹脂からなる剥離層から剥がそうとすると、剥離不良を起こすことがわかった。
(3)比較例2より、基材シートのキャスト塗工層の顔料/バインダ−の割合が100/50重量部であると、すなわちバインダーの量が多いと、濡れ指数が35dyne/cm未満、接触角が100°を超え、アルキド系樹脂からなる剥離層が塗工ムラとなることがわかった。
(4)比較例3より、基材シートのキャスト塗工層の顔料/バインダーの割合が、100/30重量部で適性であっても、バインダー中のラテックス/カゼインの割合が100/20重量部であってカゼインの割合が少ないと、耐溶剤性に劣り、アルキド系樹脂からなる剥離層を塗工するときにキャスト塗工層が溶け出して塗工ムラとなることがわかった。
(5)比較例4より、基材シートとしてキャスト塗工紙でなく通常のコート紙を使用すると、基材シートの光沢度に劣り、その結果アルキド系樹脂からなる剥離層を設けても均一な面が得られないことがわかった。
(6)実施例2、実施例5、実施例6の比較から、中性抄紙した中性紙を基材シートの原紙として使用すると、より一層、繰り返し使用に耐えることがわかった。
【0049】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の基材シートによれば、表面にムラやうねりが無い工程剥離紙が得られ、その結果、所望の光沢度の表面が均一なマーキングフィルム等が得られる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、合成皮革やマーキングシート等を製造する際に使用される工程剥離紙に用いられる基材シート及びそれを用いた工程剥離紙に関する。
【0002】
【従来の技術】
屋内外に配置される看板や表示板では、ペンキに代えてマーキングシートを貼り付けることにより、文字や図形等を表示するようになってきた。この種のマーキングシートは、一般に、樹脂フィルム/粘着剤/剥離紙の3層構造からなる。使用に当たっては、樹脂フィルム層から粘着剤層の深さまで所望の文字や模様の形に切れ目を入れて、これを剥離紙から剥し、被着物に貼り付けることで所望のマーキング効果を得ている。その製造方法には大きく2つの方法が提案されている。
【0003】
第1の方法は、剥離紙に粘着剤を塗布、乾燥し、先ず粘着剤層を形成する。この上に、溶剤に分散された熱可塑性樹脂の着色ゾルを一定厚さで塗布し、このゾルを予備加熱した後、これをベースロールとバックアップロールとの間に通し、その後加熱乾燥し樹脂フィルム層を形成する方法である。上記ベースロールが鏡面仕上げしてあればロールを通して得られる樹脂フィルムの表面は高光沢となり、一方、該ベースロールに凹凸が施されていればロールを通して得られる樹脂フィルムの表面はマット調になる。
【0004】
第2の方法は、溶剤に分散された熱可塑性樹脂の着色ゾルを工程剥離紙(a)の上に一定厚さで塗布し乾燥して先ず樹脂フィルム層を形成する。この際、マーキングシートのおもて面つまり我々が看板などで直接目にする面は工程剥離紙(a)と接している面となる。一方、別の剥離紙(b)へ粘着剤を塗布して、先の樹脂フィルム層の片面、言い換えれば工程剥離紙(a)と接していない残りの面と貼り付ける。その後、工程剥離紙(a)から樹脂フィルム層のおもて面を剥しマーキングシートを得る。工程剥離紙(a)の表面が高光沢であればマーキングシートも高光沢になる。一方、工程剥離紙(a)の表面がマット調であれば、マーキングシートもマット調になる。
【0005】
第2の方法による場合、その工程剥離紙に要求される性能として、剥離性が良いこと、塗工ムラがないこと、光沢のコントロールが容易であること、耐熱性に優れること、繰り返し使用に耐えることなどが挙げられる。
【0006】
この第2の方法の工程剥離紙表面を剥離性にするための樹脂組成物としては、ポリプロピレン系樹脂、シリコーン系樹脂、アルキド系樹脂の3種が代表的なものとして知られており、これら樹脂組成物を基材シートへ塗工することによって工程剥離紙が得られる。ポリプロピレン系樹脂は繰り返しの使用に優れているが、耐熱性が悪く高温での使用に限界があり表面も傷つきやすいという欠点があった。シリコーン系の樹脂は剥離性には優れているが剥離力や光沢のコントロール、塗膜の均一性に難点があった。また、アルキド系樹脂は耐熱性や光沢のコントロールに優れるが剥離性が乏しいという欠点があった。
【0007】
特公平2ー8078号、特開平7ー242829号等には、アルキド系樹脂の上記特徴を活かしなおかつ剥離性を良くするため、シリコーン変性アルキド樹脂とアルカノール変性アミノ樹脂とからなる樹脂組成物をトップコート層とすることによって、耐熱性、剥離性、光沢のコントロールに優れる工程剥離紙の製造方法が提案されている。
【0008】
ところが、本発明者らがこの方法で工程剥離紙の製造を検討したところ、所望の工程剥離紙の表面光沢が得られない、また工程剥離紙の表面の均一性に欠ける等の問題が発生した。その結果、得られた工程剥離紙上にウレタン系樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリアミド系樹脂、アミノ酸系樹脂等を塗工、剥離して合成皮革やマーキングシートを製造しても、得られた合成皮革やマーキングシートには所望の光沢度や表面の均一性が得られなかった。そこで本発明者らが検討した結果、工程剥離紙の基材シートの物性が重要であることが判明した。工程剥離紙を製造するに当たっては、当然のことながらその基材シートに色々な特性が要求されるが、従来これらについては詳細な検討がなされてこなかった。
【0009】
更に本発明者らが検討した結果、仮に耐熱性、剥離性、光沢のコントロールに優れる工程剥離紙用の樹脂を使用しても、ある特定の基材シートを選択しなければ所望の外観を有する工程剥離紙およびそれから製造される合成皮革やマーキングシートが得られない、つまり、工程剥離紙およびそれから得られる合成皮革やマーキングシートの外観の特性は、工程剥離紙用の基材シートの特性に負うところが甚大であることを見出し本発明を完成させた。
【0010】
一方、上記工程剥離紙は繰り返し使用されるが、複数回使用するとエッジ部分から破断するという問題があった。本発明者らが検討した結果、基材シートの抄紙条件によってこの問題を回避できることを見いだし本発明を完成させた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、アルキド系樹脂を主成分とする樹脂組成物を基材シートへ塗工し硬化させることによって製造される工程剥離紙に用いられる基材シート、およびこれを使用して得られるところの表面にムラやうねりが無い工程剥離紙を提供することを課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、アルキド系樹脂を主成分とする樹脂組成物を基材シートへ塗工し硬化させることによって製造される工程剥離紙用の基材シートにおいて、該基材シートがキャスト塗工紙であって、表面のJIS K 6768に準じた濡れ指数が35dyne/cm以上、TAPPI T 458 m−48に準じた水との接触角が100゜以下、JIS Z 8741に準じた60度鏡面光沢度が65%以上、JIS P 8119に準じたベック平滑度が500秒以上、JIS B 0601に準じた中心線平均粗さが0.3μm以下であることを特徴とする工程剥離紙用の基材シートを提供する。
【0013】
【発明の実施の形態】
基材シート表面の濡れ指数、接触角は、剥離層を形成するとき、すなわちアルキド系樹脂を基材シートに塗工するときに重要である。本発明で基材シートへ塗工し硬化されるアルキド系樹脂は、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶剤、および/またはメタノールのようなアルコール系溶剤、および/またはメチルエチルケトンのようなケトン系溶剤に溶解した溶液で基材シートに塗工される。この際、基材シート表面の濡れ指数が小さすぎるか接触角が大きすぎると、該樹脂組成物を塗工したときにムラ、ハジキという問題が起こる。そのため、基材シート表面のJIS K 6768に準じた濡れ指数が35dyne/cm以上、TAPPI T 458 m−48に準じた水との接触角が100゜以下であることが好ましい。
【0014】
基材シートの濡れ指数と接触角を前記特定範囲に設定する手段としては、基材シートをキャスト塗工紙とする方法が採用できる。この際、キャスト塗工層は顔料とバインダーを主成分とし、顔料/バインダーの割合を固形分換算で100/15重量部〜100/40重量部、特に好ましくは100/20重量部〜100/30重量部とする方法が採用できる。顔料/バインダーの割合が上記範囲から外れ顔料分が少なくなると、濡れ指数が35dyne/cmを下回り、接触角が100°を上回り、アルキド系樹脂を塗工した際にムラ、ハジキの原因となって均一な剥離層が得られない。顔料/バインダーの割合が上記範囲から外れ顔料分が多くなると、キャスト層の原紙に対する接着強度が低下する。
【0015】
上記濡れ指数の上限、接触角の下限は際限がないわけではなく顔料/バインダーの割合及び種類から決まってくるが、いずれにしても顔料/バインダーの割合を上記範囲に設定することで、濡れ指数の下限、接触角の上限が決まってくる。
【0016】
一方、合成皮革やマーキングシートへ所望の光沢度を付与するためには、工程剥離紙表面の光沢度をコントロールする必要がある。なぜならば、工程剥離紙表面の光沢度が、そのまま合成皮革やマーキングシートへ転写されるからである。ただし、合成皮革やマーキングシートに要求される光沢度が高光沢であると艶消しであるとにかかわらず、基材シートの表面を高光沢とする必要がある。なぜならば、基材シートの光沢度が低いと、基材シートへアルキド系樹脂を塗工しても所望の光沢度が得られないからである。そのため、基材シートのJIS Z 8741に準じた60度鏡面光沢度が65%以上、JIS P 8119に準じたベック平滑度が500秒以上であることが好ましい。特に、JIS Z 8741では、「紙その他」の鏡面光沢度選定方法として75度鏡面光沢が挙げられているものの、本発明者らが検討した結果、工程剥離紙用の基材シートを60度鏡面光沢によって管理すると、できあがった合成皮革やマーキングシートの光沢度がコントロールしやすいことを見いだした。できあがった合成皮革やマーキングシートの表面が高光沢タイプ、艶消しタイプのいずれであっても、工程剥離紙用の基材シートの60度鏡面光沢を65%以上にすることが重要である。
【0017】
一方、合成皮革やマーキングシートの表面は、高光沢タイプであっても艶消しタイプであっても、均一な風合いが要求される。しかし、工程剥離紙表面の平滑性が低かったり、表面粗さが大きかったり、うねりがあったりすると、基材シートへアルキド系樹脂を塗工しても、工程剥離紙の表面が均一な風合いにならず、そのためそれから転写されて得られる合成皮革やマーキングシートの表面も不均一になり微妙なうねりが発生し、見た目に心地よい平滑性や均一性が得られない。それらを回避するためには、基材シートのJIS B 0601に準じた中心線平均粗さが0.3μm以下であることが重要である。
【0018】
基材シートの60度鏡面光沢度とベック平滑度、中心線平均粗さを前記特定範囲に設定する手段としては、基材シートをキャスト塗工紙とする方法が採用できる。
【0019】
一方、アルキド系樹脂を、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶剤、および/またはメタノールのようなアルコール系溶剤、および/またはメチルエチルケトンのようなケトン系溶剤に溶解した溶液で基材シートに塗工する際、基材シート表面に耐溶剤性がないと該樹脂組成物の均一性が得られず、うねり等の発生の原因となる。これは、アルキド系樹脂を基材シートへ塗工する際、基材シートの表面層が上記溶剤によって溶け出すからである。これを解決するために本発明者らが検討した結果、基材シートであるキャスト塗工紙のキャスト塗工層のバインダーの組成が重要であることが判明した。すなわち、キャスト塗工層が、顔料とバインダーを主成分とし、顔料/バインダーの割合が、固形分換算で100/15重量部〜100/40重量部であること、さらに、前記バンダーがラテックスとカゼインを主成分とし、ラテックス/カゼインの割合が、固形分換算で100/100重量部〜100/200重量部であることが重要であることがわかった。顔料/バインダーの割合が上記範囲からはずれ、顔料分が多くなると接着強度度が低下し、バインダー量が多くなると所望の濡れ指数と接触角が得られずまたブロッキングが発生しやすくなる。一方、バインダー中のラテックス/カゼインの割合が上記範囲からはずれ、ラテックス量が多くなると耐溶剤性に劣りアルキド系樹脂を塗工する際に溶け出して均一な剥離層が得られない。一方、カゼイン量が多くなるとキャスト塗工層が硬くなり折り割れ等のトラブルの原因となる。
【0020】
キャスト塗工層に使用される顔料としては、カオリン、タルク、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、サチンホワイト、酸化チタン、水酸化アルミなどの無機顔料、およびプラスチックピグメントなどの有機顔料が挙げられる。
【0021】
キャスト塗工層のバインダーに使用されるラテックスとしては、スチレン−ブタジエン系、メチルメタクリレート−ブタジエン系、アクリル酸エステル系、酢酸ビニル系等が挙げられる。
【0022】
キャスト塗工層を形成する方法として、上記顔料、バインダー(ラテックス及びカゼイン)の他に、分散剤、湿潤剤、離型剤、耐水化剤、消泡剤などを適宜処方した塗工液を、ウエットキャスト法、ゲル化キャスト法、リウェットキャスト法等従来公知の方法によってキャスト塗工用原紙へ塗工する。
【0023】
塗工量は特に限定されるものではないが、5〜30g/m2であることが好ましい。
【0024】
上記キャスト塗工用原紙は、pH6〜9の中性領域で抄紙された中性紙であることが好ましい。工程剥離紙は、コストの点から繰り返し複数回使用されるのが通例であるが、キャスト塗工紙すなわち基材シートの原紙が酸性領域で抄紙された酸性紙であると、繰り返し使用に伴ってエッジ部分から破断が起こることがわかった。この原因は主として、溶剤に分散された熱可塑性樹脂の着色ゾルを塗布し乾燥するときの製紙用繊維の加熱劣化によると推測される。破断が起こる工程は、上記マーキングフィルムの製造で説明したいくつかの工程のうち特に限られるものではなく、どの工程でも起こり得るものである。
【0025】
キャスト塗工紙用原紙は、サイズ剤として中性ロジンやアルキルケテンダイマー、アルケニル無水コハク酸を使用し、定着剤としてカチオン性のポリアクリルアミドやカチオン性デンプン等を使用し製造することができる。硫酸バンドレスが最も好ましいが、硫酸バンドを使用してpH6〜9の中性領域で抄紙することも可能である。後の工程のキャスト塗工におけるキャスト塗工面の均一性を得るためには、サイズ剤として中性ロジン、アルケニル無水コハク酸を使用するのが特に好ましい。
【0026】
キャスト塗工前の原紙は、針葉樹未晒クラフトパルプ(NUKP)、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)、広葉樹未晒クラフトパルプ(LUKP)、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)、針葉樹サルファイトパルプ(NBSP)、サーモメカニカルパルプ(TMP)、砕木パルプ(GP)等の木材パルプ、または麻、竹、ワラ、ケナフ、楮、三椏、雁皮、コットンなどの非木材パルプ、またはポリオレフィン等の合成パルプ、またはレーヨン、ビニロン、ナイロン、ポリエステル等の合成繊維、脱墨パルプ(DIP)等の製紙用繊維を単独でもしくは混合して使用し、フリーネス100〜500mlC.S.F.に叩解し、円網抄紙機、長網抄紙機、傾斜型抄紙機、ツインワイヤー抄紙機などを使用して通常坪量40〜200g/m2で抄造して得られる。その際、必要に応じてマシンカレンダーやスーパーカレンダー処理を施すことができる。
【0027】
この際、必要に応じて上記のような、サイズ剤や定着剤の他、製紙用各種填料、歩留向上剤、乾燥紙力増強剤、湿潤紙力増強剤、結合剤、分散剤、凝集剤、可塑剤、接着剤を適宜使用しても良い。
【0028】
このようにして得られたキャスト塗工紙すなわち基材シートへアルキド系樹脂を塗工することによって工程剥離紙を得ることができる。該アルキド系樹脂は公知のものが使用でき、これにはオクチル酸、ラウリン酸、パルミチン酸などの飽和脂肪酸、ヤシ油、ヒマシ油、大豆油などの不飽和油と、エチレングリコール、プロピレングリコール、ペンタエリスリトールなどの多価アルコールとの反応によって得られる。また、酸触媒として、アルキド樹脂の硬化に通常使用されるパラトルエンスルホン酸、塩酸などを使用すればよい。さらに、艶消しタイプの工程剥離紙にあっては、合成非晶質シリカ等の粒径0.01〜10μmの中性あるいは弱酸性の無機質充填剤や、ポリエチレンワックスなどの艶消しワックスを、樹脂組成物100重量部に対して1〜50重量部添加することが必要である。
【0029】
このアルキド系樹脂は、通常、有機溶剤の溶液として塗工される。使用される溶剤としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、メタノール、エタノール、イソブタノール、ノルマルブタノール、メチルエチルケトン、アセトンなどの1種類以上が使用され、樹脂固形分が10〜60重量%となるようにすればよい。
【0030】
前記樹脂の有機溶液を基材シートへ塗工する手段としては、ブレードコーター、エアーナイフコーター、ロールコーター、カーテンロールコーター等の公知の塗工機を使用することができる。
【0031】
塗工量は、通常0.2〜5g/m2であり、アルキド系樹脂工程剥離紙製造で通常行われている量でよい。
【0032】
上記アルキド系樹脂の塗工は、基材シートの表面にあらかじめアンカーコート層を設けた後行ってもよい。アンカーコート層は、バインダー単独もしくは無機顔料とバインダーとを混合した塗工液を塗工することで得られる。たとえば、アルキド系樹脂を基材シートへ塗工し硬化させることによって得られる工程剥離紙において通常使用されるアンカーコート剤を塗工することで得られる。具体的には、特公平2ー8078号に開示されているように、(a)アルキド樹脂またはアクリル樹脂、(b)アルカノール変性アミノ樹脂またはイソシアネート化合物、(c)酸触媒、の3成分を主成分とする樹脂組成物をアンカーコート剤として塗工することができる。
【0033】
特に、高光沢のマーキングフィルムを得るためには、工程剥離紙の60度鏡面光沢度及び20度鏡面光沢度を管理することが重要であり、夫々90%以上かつ65%以上であると、工程剥離紙から転写して得られるマーキングフィルムの光沢度及びその表面の風合い、均一性が優れる。このような工程剥離紙を得るためには、工程剥離紙に用いられる基材シートが特定の濡れ指数、接触角、60度鏡面光沢度、ベック平滑度、中心線平均粗さを満たし、なおかつその上層にアルキド系樹脂をクリヤーコートすれば良いことは、上記説明してきたとおりである。
【0034】
また、マット調のマーキングフィルムを得るためには、工程剥離紙の60度鏡面光沢度を管理することが重要であり、これが5〜30%であると優れたマット感が得られ、工程剥離紙から転写して得られるマーキングフィルムのマット感及びその表面の風合い、均一性が優れる。このような工程剥離紙を得るためには、工程剥離紙に用いられる基材シートが特定の濡れ指数、接触角、60度鏡面光沢度、ベック平滑度、中心線平均粗さを満たし、なおかつその上層にアルキド系樹脂をクリヤーコートすれば良いことは、上記説明してきたとおりである。
【0035】
このようにして得られた工程剥離紙は、耐熱性、剥離性、光沢のコントロールに優れ、表面にムラやうねりが無く、合成皮革やマーキングシート等を製造する際に好適に使用される。
【0036】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。なお、実施例に示す部数は固形分換算である。
【0037】
[原紙1の製造]
広葉樹晒クラフトパルプ60重量部、針葉樹晒クラフトパルプ40部を400mlC.S.F.に叩解し、これに重質炭酸カルシウム10重量部、アルケニル無水コハク酸0.2重量部、カチオン化デンプン0.5重量部を加えて、pH8.5の紙料を長網抄紙機を使用して坪量130g/m2の原紙を得た。
【0038】
[原紙2の製造]
広葉樹晒クラフトパルプ60重量部、針葉樹晒クラフトパルプ40部を400mlC.S.F.に叩解し、これに軽質炭酸カルシウム10重量部、中性ロジンサイズ剤0.4重量部、硫酸バンド1重量部、カチオン化デンプン0.5重量部を加えて、pH7の紙料を長網抄紙機を使用して坪量130g/m2の原紙を得た。
【0039】
[原紙3の製造]
広葉樹晒クラフトパルプ60重量部、針葉樹晒クラフトパルプ40部を400mlC.S.F.に叩解し、これにカオリン10重量部、ロジンサイズ剤0.3重量部、硫酸バンド2.0重量部を加えて、pH5の紙料を長網抄紙機を使用して坪量130g/m2の原紙を得た。
【0040】
[実施例1〜5]、[比較例1〜3]
表1に示した重量部数のカオリン(商品名「ULTRA WHITE 90」、エンゲルハード社製)、軽質炭酸カルシウム(商品名「タマパールTP−123」、奥多摩工業社製)、スチレン-ブタジエン(SBR)ラテックス(商品名「スマーテックス750」、日本エイ アンド エル社製)、カゼイン、及び離型剤としてステアリン酸カルシウム3重量部からなる固形分濃度40%の塗料を、表1に示した原紙に、固形分で25g/m2となるようにリウェット法にてキャストコートを行って工程剥離紙用の基材シートを得た。
【0041】
【表1】
【0042】
[比較例5]
カオリン(商品名「ULTRA WHITE 90」、エンゲルハード社製)80重量部、軽質炭酸カルシウム(商品名「タマパールTP−123」、奥多摩工業社製)20重量部、リン酸エステル化デンプン(商品名「MS−4600」、日本食品加工社製)5重量部、スチレンブタジエンラテックス(商品名「スマーテックス750」、日本エイ アンド エル社製)13重量部からなる固形分50%の塗料を、ブレードコーターを使用して原紙1へ、塗工量15g/m2に塗工し、次いでスーパーカレンダー処理して工程剥離紙用の基材シートを得た。
【0043】
実施例及び比較例で得られた工程剥離紙用の基材シートについて、下記の測定を行った。測定結果を表2に示す。
(1) JIS K 6768に準じた濡れ指数(dyne/cm)
(2) TAPPI STD T−458−omに準じた水との接触角(゜)
(3) JIS Z 8741に準じた60度鏡面光沢度(%)
(4) JIS Z 8741に準じた20度鏡面光沢度(%)
(5) JIS P 8119に準じたベック平滑度(秒)
(6) JIS B 0601に準じた中心線平均粗さ(μm)
【0044】
次いで、実施例及び比較例で得られた基材シートに次の剥離性樹脂を固形分で5g/m2となるようにグラビアコーターで塗工後、乾燥硬化させ、工程剥離紙を得た。
(A)アルキド系樹脂
(B)粒径1μmの合成非晶質シリカをアルキド系樹脂100重量部に対して20重量部添加して調整したアルキド系樹脂
【0045】
この工程剥離紙について下記物性を測定した。
(7)JIS Z 8741に準じた60度及び20度鏡面光沢度(%)
(8)目視による風合い。
○:表面にムラがなく均一である、×:表面にムラ、不均一性がある。
【0046】
次いで、この工程剥離紙に、溶剤に分散した熱可塑性樹脂の塩ビ性着色ゾルを30μmの厚さで塗布後乾燥して樹脂フィルム層を形成し、次いで、樹脂フィルム層の残りの片面にアクリル系粘着剤を塗布し乾燥後、別のシリコーン系剥離紙へ貼り付けながら先の工程剥離紙から塩ビ性樹脂フィルムの表面を剥しマーキングフィルムを得た。得られたマーキングフィルムについて下記の測定を行った。
(9)マーキングフィルムの剥離の可否。
○:塩ビ製樹脂フィルムを工程剥離紙から剥がす際きれいに剥がれる。
×:塩ビ製樹脂フィルムを工程剥離紙から剥がす際、工程剥離紙から剥がれずにキャスト面が剥がれてしまう。
(10)繰り返し使用時の破断の有無。
6000mの工程剥離紙のロールを3回繰り返して使用したときの破断回数で評価した。
○:0回
△:1回
×:2回以上
【0047】
【表2】
【0048】
表2の結果により、以下のことが判明した。
(1)実施例より、本発明の基材シートを使用すれば、光沢のコントロールに優れる表面均一な工程剥離紙が得られることがわかった。特に、60度かつ20度鏡面光沢度、表面の風合いに優れる高光沢の工程剥離紙が得られることがわかった。また、60度鏡面光沢度が所望の値で、表面の風合いに優れるマット調の工程剥離紙が得られることがわかった。
(2)比較例1より、基材シートのキャスト塗工層の顔料/バインダーの割合が100/10重量部であると、すなわちバインダーの割合が少ないと、キャスト塗工層の原紙に対する接着力が弱く、マーキングシート製造の際、樹脂フィルム層をアルキド系樹脂からなる剥離層から剥がそうとすると、剥離不良を起こすことがわかった。
(3)比較例2より、基材シートのキャスト塗工層の顔料/バインダ−の割合が100/50重量部であると、すなわちバインダーの量が多いと、濡れ指数が35dyne/cm未満、接触角が100°を超え、アルキド系樹脂からなる剥離層が塗工ムラとなることがわかった。
(4)比較例3より、基材シートのキャスト塗工層の顔料/バインダーの割合が、100/30重量部で適性であっても、バインダー中のラテックス/カゼインの割合が100/20重量部であってカゼインの割合が少ないと、耐溶剤性に劣り、アルキド系樹脂からなる剥離層を塗工するときにキャスト塗工層が溶け出して塗工ムラとなることがわかった。
(5)比較例4より、基材シートとしてキャスト塗工紙でなく通常のコート紙を使用すると、基材シートの光沢度に劣り、その結果アルキド系樹脂からなる剥離層を設けても均一な面が得られないことがわかった。
(6)実施例2、実施例5、実施例6の比較から、中性抄紙した中性紙を基材シートの原紙として使用すると、より一層、繰り返し使用に耐えることがわかった。
【0049】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の基材シートによれば、表面にムラやうねりが無い工程剥離紙が得られ、その結果、所望の光沢度の表面が均一なマーキングフィルム等が得られる。
Claims (7)
- アルキド系樹脂を主成分とする樹脂組成物を基材シートへ塗工し硬化させることによって製造される工程剥離紙において、該基材シートがキャスト塗工紙であって、表面のJIS K 6768に準じた濡れ指数が35dyne/cm以上、TAPPI T 458 m−48に準じた水との接触角が100゜以下、JIS Z 8741に準じた60度鏡面光沢度が65%以上、JIS P 8119に準じたベック平滑度が500秒以上、JIS B 0601に準じた中心線平均粗さが0.3μm以下であることを特徴とする工程剥離紙用の基材シート。
- 前記キャスト塗工紙のキャスト塗工層が、顔料とバインダーを主成分とし、顔料/バインダーの割合が、100/15重量部〜100/40重量部であることを特徴とする請求項1に記載の工程剥離紙用の基材シート。
- 前記キャスト塗工層のバインダーが、ラテックスとカゼインを主成分とし、ラテックス/カゼインの割合が、100/100重量部〜100/200重量部であることを特徴とする請求項2に記載の工程剥離紙用の基材シート。
- 前記キャスト塗工紙の原紙が、pH6〜9の中性領域で抄紙された中性紙であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の工程剥離紙用の基材シート。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の工程剥離紙用の基材シートへアルキド系樹脂を主成分とする樹脂組成物を塗工し硬化させることによって得られることを特徴とする工程剥離紙。
- 前記工程剥離紙のJIS Z 8741に準じた60度鏡面光沢度が90%以上且つ20度鏡面光沢度が65%以上であることを特徴とする請求項5に記載の工程剥離紙。
- 前記工程剥離紙のJIS Z 8741に準じた60度鏡面光沢度が5〜30%であることを特徴とする請求項5に記載の工程剥離紙。
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