JP3751340B2 - 排ガスの脱硫方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、石油や石炭等の燃焼排ガスのような硫黄酸化物を含有する排ガスや更に塩化水素も含有する各種排ガスの脱硫方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
各種の排ガスの湿式脱硫方法の代表的なものとして、石灰石膏法が知られている。この方法は、脱硫塔へ炭酸カルシウムや水酸化カルシウムを吸収剤として直接加えるため、処理液中にカルシウムイオンが溶解している。そのため、これが脱硫塔内で硫黄酸化物等と反応すると、二水石膏、二水亜硫酸カルシウム、炭酸カルシウム等の析出物からなるスケールが脱硫塔や配管内で生じるため、円滑な運転の維持が困難であるとともにその除去に大変手間がかかった。また、水酸化カルシウムは本来二分子の亜硫酸ガスを吸収可能な脱硫剤であるが、一分子の亜硫酸ガスを吸収した脱硫剤である亜硫酸カルシウムは、同様な脱硫剤である亜硫酸マグネシウムと比較すると大幅に溶解度が低いため、処理液の硫黄酸化物の吸収効率が低く、脱硫塔や循環ポンプ等設備の大型化を招き、経済性の面でも問題があった。
【0003】
一方、脱硫塔での硫黄酸化物の吸収を塩基性ナトリウム、アンモニアあるいは塩基性マグネシウム等の塩基性脱硫剤を使用して行い、脱硫塔外で生石灰を用いて複分解を行なって脱硫剤を再生するダブルアルカリ法も知られている。ダブルアルカリ法はスケールの発生が生じにくく、特に塩基性マグネシウムを脱硫剤として用いる方法は、硫黄酸化物の吸収効率もよく、生成した亜硫酸マグネシウムの溶解度が大きく、吸収塔でのスケールの発生の少ない方法の一つである。しかし、塩基性脱硫剤を用いるこの方法では、複分解工程で二水石膏と水酸化マグネシウムという二種類の結晶が析出し、その分離が容易ではないため、装置が複雑になるという問題点があった。
【0004】
また、石灰石膏法とダブルアルカリ法との折衷的な方法として川崎マグネシウム石膏法が知られている(実用公害防止技術集覧(1)、化学工業社出版、p.14)。この方法は脱硫剤に水酸化マグネシウムと水酸化カルシウムの混合スラリーを用いて脱硫工程で硫黄酸化物を吸収させ、次いでこの処理液を硫酸によりpHを2.0−4.0に調整しつつ空気等により酸化することにより硫酸マグネシウムと二水石膏を生成させ、沈降分離工程と遠心分離器により二水石膏と硫酸マグネシウム水溶液とに分離する。分離された硫酸マグネシウム水溶液は水酸化マグネシウムと水酸化カルシウムの混合スラリーが加えられるマグネシウム再生工程に循環供給され、ここで混合スラリー中の水酸化カルシウムの一部と複分解反応により水酸化マグネシウムと二水石膏が生成し、これと残部の水酸化カルシウムを含む混合物は脱硫剤として吸収工程へ循環供給される。しかし、この方法は脱硫塔内に水酸化カルシウムおよび二水石膏を導く点では石灰石膏法と同じであり、脱硫塔内や循環ポンプ・配管へのスケール付着が起こりやすいという問題点は解消していない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、処理液の硫黄酸化物の吸収効率が高く、簡略かつ小型の設備で実施可能な排ガスの脱硫方法を提供することにある。
【0006】
本発明の他の目的は、脱硫塔内や循環ポンプ・配管へのスケールの付着や閉塞を阻止し、円滑な運転が維持できる排ガスの脱硫方法を提供することにある。
【0007】
本発明の更に他の目的は、排ガスが硫黄酸化物だけでなく塩化水素を含む場合にも上記の目的が達成できる排ガスの脱硫方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、マグネシウム系脱硫剤を使用するダブルアルカリ法におけるプロセスの簡略化につき鋭意検討した結果、従来は複分解工程で得られた二水石膏と水酸化マグネシウムを分離した後、水酸化マグネシウムだけを脱硫塔へ戻していたが、処理液中に溶解したカルシウムイオンを脱硫塔内に持ち込みさえしなければ、二水石膏と水酸化マグネシウムを分離せずに操作できることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち、本発明は、硫黄酸化物を含む排ガスをマグネシウム系脱硫剤を含む処理液と接触させ排ガス中に含まれる硫黄酸化物を処理液中に吸収させる脱硫工程と、脱硫工程処理液を酸素を含むガスと接触させて処理液中のマグネシウム塩を硫酸マグネシウムに変換する酸化工程と、酸化工程処理液に塩基性カルシウム化合物を添加し、処理液中の硫酸マグネシウムを水酸化マグネシウムと二水石膏とに分解させる複分解工程とを有し、複分解工程で得られた混合物スラリーを二水石膏を分離することなく脱硫工程に戻すとともに、脱硫工程処理液または酸化工程処理液から二水石膏を系外に取り出す排ガスの脱硫方法において、複分解工程で得られた混合物スラリーに対して、該混合物スラリー中のカルシウムイオンが亜硫酸カルシウムに変換されるように脱硫工程処理液を添加した後、脱硫工程に戻すことを特徴とする排ガスの脱硫方法である。
【0010】
また、もう一つの観点からの本発明は、硫黄酸化物および塩化水素を含む排ガスをマグネシウム系脱硫剤を含む処理液と接触させ排ガス中に含まれる硫黄酸化物および塩化水素を処理液中に吸収させる脱硫工程と、脱硫工程処理液を酸素を含むガスと接触させて処理液中のマグネシウム塩を硫酸マグネシウムに変換する酸化工程と、酸化工程処理液に塩基性カルシウム化合物を添加し、処理液中の硫酸マグネシウムを水酸化マグネシウムと二水石膏とに分解させる複分解工程とを有し、複分解工程で得られた混合物スラリーを二水石膏を分離することなく脱硫工程に戻すとともに、脱硫工程処理液または酸化工程処理液から二水石膏を系外に取り出し、処理液中に蓄積する塩化マグネシウムは系外に放流する排ガスの脱硫方法において、複分解工程では塩化カルシウムが混合スラリー中に溶解し始めるまで塩基性カルシウム化合物を添加し、複分解工程で得られた混合物スラリーに対して酸化工程処理液の一部を添加し、混合物スラリー中のカルシウムイオンを二水石膏に変換させ、次いで混合物スラリーに対して、該混合物スラリー中のカルシウムイオンが亜硫酸カルシウムに変換されるように脱硫工程処理液を添加した後、脱硫工程に戻すことを特徴とする排ガスの脱硫方法である。
【0011】
更に別の観点からの本発明は、硫黄酸化物および塩化水素を含む排ガスをマグネシウム系脱硫剤を含む処理液と接触させ排ガス中に含まれる硫黄酸化物および塩化水素を処理液中に吸収させる脱硫工程と、脱硫工程処理液を酸素を含むガスと接触させて処理液中のマグネシウム塩を硫酸マグネシウムに変換する酸化工程と、酸化工程処理液に塩基性カルシウム化合物を添加し、処理液中の硫酸マグネシウムを水酸化マグネシウムと二水石膏とに分解させる複分解工程とを有し、複分解工程で得られた混合物スラリーを脱硫工程に戻すとともに、脱硫工程処理液または酸化工程処理液から二水石膏を系外に取り出し、処理液中に蓄積する塩化マグネシウムは系外に放流する排ガスの脱硫方法において、複分解工程で得られた混合物スラリーに対して、該混合物スラリー中のカルシウムイオンが亜硫酸カルシウムに変換されるように脱硫工程処理液を添加した後、脱硫工程に戻すとともに、複分解工程における混合物スラリーの塩素イオン濃度を測定し、この濃度を基準として複分解工程での塩基性カルシウム化合物の添加量を調整することを特徴とする排ガスの脱硫方法である。
【0012】
本発明にいうマグネシウム系脱硫剤とは、海水中のマグネシウムを原料とした水酸化マグネシウム、マグネサイト鉱石を焼成して得られる酸化マグネシウム及び該酸化マグネシウムを消化して得られる水酸化マグネシウム等の酸化マグネシウムや水酸化マグネシウムを主成分とする塩基性マグネシウム化合物をいう。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の排ガスの脱硫方法について説明する。
【0014】
本発明の排ガスの脱硫方法においては、硫黄酸化物を含む排ガスあるいはこれに更に塩化水素も含む排ガスは、脱硫工程においてマグネシウム系脱硫剤を含む水溶液からなる処理液と接触して、硫黄酸化物および塩化水素が処理液に吸収される。
【0015】
複分解工程から脱硫工程に戻される処理液は、水酸化マグネシウムと二水石膏と微量の亜硫酸カルシウムとの混合スラリーなので、脱硫工程における処理液は、二水石膏の粗粒子と微量の亜硫酸カルシウム粒子を含む懸濁液である。処理液中の水酸化マグネシウムは、脱硫剤、脱塩化水素剤として消費されるので、脱硫工程では水酸化マグネシウム微粒子は消失している。
【0016】
脱硫工程に適した装置としては、これら気液を効率良く接触させるような構造を持つ塔からなり、脱硫剤を含む水溶液をノズルで噴霧し、これに対して向流または並流でガスを流す型式のものが挙げられる。処理液は二水石膏粗粒子を含んでいるので、ノズルは詰りが生じないようなものであることが必要とされる。なお、気液接触の効率向上のために充填物や棚段等を内部に設置してもよい。
【0017】
脱硫工程を出る処理液(以下、「脱硫工程処理液」と略)は、マグネシウム系脱硫剤水溶液と硫黄酸化物が反応して生成した亜硫酸マグネシウム、亜硫酸水素マグネシウム、硫酸マグネシウムおよび塩化マグネシウムが混在した組成の水溶液であり、二水石膏および微量の亜硫酸カルシウムが懸濁物として含まれている。
【0018】
脱硫工程では、通常、処理液の温度は50〜60℃とされる。また、脱硫工程処理液のpHは5.0〜7.5が好ましく、5.5〜6.5がより好ましい。脱硫工程では、亜硫酸マグネシウムの水への溶解度が低いので、その析出を防止するため、空気等を吹き込み酸化して水への溶解度の高い硫酸マグネシウムとし、亜硫酸マグネシウムの濃度をある値以下に制御するのが一般的である。空気等の吹き込みをせずに、脱硫工程での亜硫酸マグネシウム濃度をある値以下に制御する方法として、後述の酸化工程を出る処理液の一部を脱硫工程に循環し、脱硫工程での亜硫酸マグネシウム濃度を希釈する方法も知られている。
【0019】
本発明の方法においては、処理液中に含まれる二水石膏の系外への取り出しは、脱硫工程処理液あるいは後述する酸化工程処理液から二水石膏を分離することにより行われる。これら処理液では、固型分としては二水石膏および微量の亜硫酸カルシウム以外の成分を殆ど含まないので、容易に分離が可能である。なお、石膏の除去に伴なって亜硫酸カルシウムも系外に除去される。
【0020】
脱硫工程処理液からの二水石膏の分離除去は、脱硫工程処理液を脱硫塔から別途取り出して実施して残液を脱硫塔へ戻してもよいし、あるいは次の酸化工程へ導く途中の脱硫工程処理液に対して実施してもよい。二水石膏の分離除去には、湿式サイクロン、遠心沈降器、ドルシックナー等の湿式分級器が使用でき、特に湿式サイクロンが好ましい。分離された二水石膏は系外へ取り出され、セメント用や石膏ボード用等に広く用いることができる。
【0021】
脱硫工程処理液は、次いで酸化工程へ導かれる。酸化工程では処理液に対して酸素を含むガスを接触させ、処理液中の亜硫酸マグネシウムや亜硫酸水素マグネシウムが酸化されて硫酸マグネシウムおよび硫酸を生成する。通常、処理液中の硫酸マグネシウムの濃度は3〜10重量%であり、pHは2〜3である。酸化工程では、通常槽型反応器が用いられ、処理液は攪拌混合してもよいし、しなくてもよい。
【0022】
酸化工程で供給される酸素を含むガス中の酸素以外のガス成分は、脱硫工程処理液に対して不活性なものであればその種類は問わない。酸素を含むガスとしては、通常空気が用いられる。
【0023】
なお、酸化工程を出る処理液(以下、「酸化工程処理液」と略)についてもその中に含まれる固型分は二水石膏だけなので、処理液からの二水石膏の系外への取り出しは、酸化工程処理液に対して実施することもできる。
【0024】
酸化工程処理液は、次いで複分解工程へ導かれる。複分解工程では、酸化工程で生成した硫酸マグネシウムと硫酸とを主成分とし、場合により塩化マグネシウムも含有する処理液に対して、塩基性カルシウム化合物が添加され攪拌混合される。ここでは、先ず硫酸が塩基性カルシウム化合物と反応して二水石膏が生成するとともに、硫酸マグネシウムと塩基性カルシウム化合物が反応し二水石膏と水酸化マグネシウムが生成する。また、過剰に添加された塩基性カルシウム化合物は、二水石膏の生成反応に引き続き、塩化マグネシウムと反応して水酸化マグネシウムと塩化カルシウムを生成するのに消費される。但し、塩化カルシウムは溶解度が大きいので、通常は沈殿を生じない。
【0025】
複分解工程では、通常槽型反応器が用いられ、反応温度は高い程好ましいが、操作・運転上からは脱硫工程と同程度の温度でよい。滞留時間は4〜5時間以上とするのが好ましく、これによって生成する二水石膏は、一般に平均粒子径(長径)が70μm以上、通常は200μmまでの粗大粒子に成長する。一方、水酸化マグネシウムは1μm以下、通常0.3〜1μm程度の微小粒子であり、これらが粒子間で凝集してみかけ上10〜20μm程度の大きさとなる。
【0026】
複分解工程で使用する塩基性カルシウム化合物としては、水酸化カルシウム、酸化カルシウム、炭酸カルシウムまたはこれらの混合物が好ましく、反応槽に供給する形状としては粉末でもよいが、これらの水スラリーが作業性の点で最も好ましい。塩基性カルシウム化合物の供給量は、二水石膏の粒子径を大きくする観点からは複分解工程での混合液のpHが11前後になるよう調整するのが好ましい。但し、処理液が塩化マグネシウムを含有する場合には、塩基性カルシウム化合物の供給量は後述するように調節する。
【0027】
本発明の方法においては、複分解工程で得られた二水石膏と水酸化マグネシウムの混合物スラリーをその二種類の固型分を分離することなく脱硫工程に戻すが、脱硫工程に戻す混合物スラリー中のカルシウムイオンの溶解量は極力低減する必要がある。その理由は、二水石膏(硫酸カルシウムとして)の溶解度は共存する硫酸マグネシウムの濃度によって図1に示すように変化する。複分解工程では、硫酸マグネシウムは塩基性カルシウム化合物と反応して二水石膏と水酸化マグネシウムに変換されるため、硫酸マグネシウムの濃度はほぼ0であるから、そこでの硫酸カルシウムの溶解度は2000〜2200ppm程度と比較的高い。しかし、複分解工程は二水石膏が析出しつつある過程であるため、硫酸カルシウムは飽和濃度以上溶解しており、その過飽和度は1.4〜1.8程度と考えられ、混合物スラリー中の硫酸カルシウムの実際の濃度は2800〜3960ppmと推定される。これに対して脱硫工程における硫酸マグネシウムの濃度は3〜10重量%程度であるから、そこでの硫酸カルシウムの溶解度は約1500ppm程度である。したがって、複分解工程で得られた混合物スラリーをそのまま脱硫工程へ供給すると、硫酸カルシウムの過飽和度は1.87〜2.64とかなり大きな値となり、二水石膏が脱硫工程で生成・生長し、すなわちスケールとして析出することになるためである。
【0028】
そこで、本発明では混合物スラリー中のカルシウムイオンの溶解量を低減させるために、混合物スラリーに対して、脱硫工程処理液の一部を添加し、混合物スラリー中のカルシウムイオンを固体の亜硫酸カルシウムに変換して固定するカルシウムイオン変換工程を適用する。
【0029】
上述したように、混合物スラリー中には硫酸カルシウムが0.3〜0.4重量%溶解しているので、カルシウムイオンとしては約0.1重量%溶解している。この混合物スラリーに、亜硫酸マグネシウム、亜硫酸水素マグネシウム、水酸化マグネシウムを含む脱硫工程処理液を添加して攪拌混合すると、カルシウムイオンは下式(1)〜(3)のように反応して不溶性の亜硫酸カルシウム(溶解度:0.0051g/100g水溶液)が生成し固定化されるので、スラリー中のカルシウムイオンは大幅に減少することになる。なお、pHが6未満では、亜硫酸水素マグネシウムは溶解カルシウムイオンのみならず共存している水酸化マグネシウムとも反応するので、pHは6以上が好ましく、6〜11とするのがより好ましく、反応温度は80℃以下が好ましく、60℃以下がより好ましい。
【0030】
Ca+++MgSO3 +2H2O →CaSO3・2H2O+Mg++ (1)
Ca+++Mg(HSO3)2 +Mg(OH)2 →CaSO3・2H2O+Mg++ (2)
Ca+++MgSO4 +2H2O →CaSO4・2H2O+Mg++ (3)
カルシウムイオン変換工程における上記反応のうち(1)、(2)は相当に反応速度が速いため、混合物スラリーの滞留時間は10分程度で十分であり、したがって、本工程は小型の槽型反応器を用いて実施することができる。すなわち、上記(1)〜(3)の反応を、脱硫工程における閉ざされた脱硫塔内ではなく小型の槽型反応器内で実施するところに本発明の方法の意義がある。この反応器の内壁にスケールが付着する場合には、反応器を二基設けて切り替えて使用すればよい。
【0031】
脱硫の対象となる排気ガスが石油等の燃焼ガスのように主に硫黄酸化物を含有する場合には、本発明の脱硫方法は上述の方法で実施される。しかし、排気ガスが石炭等の燃焼ガスのように硫黄酸化物だけでなく塩化水素も含む場合には、脱硫工程へ戻される混合物スラリー中に、カルシウムイオンが溶解性の高い塩化カルシウムとして含まれた状態で戻されるのを防止する必要がある。
【0032】
すなわち、複分解工程では、処理液に対して塩基性カルシウム化合物が添加されるが、処理液が塩化物を含む場合には、複分解工程での反応は、下式(4)、(5)のように表わせ、塩基性カルシウム化合物の添加によって先ず二水石膏と水酸化マグネシウムが生成する。そして、二水石膏の生成反応に引き続き、過剰に添加された塩基性カルシウム化合物は、塩化マグネシウムと反応して水酸化マグネシウムと塩化カルシウムを生成するのに消費される。
【0033】
MgSO4 +Ca(OH)2 +2H2O→CaSO4・2H2O+Mg(OH)2 (4)
MgCl2 +Ca(OH)2 →CaCl2 +Mg(OH)2 (5)
図2は、複分解工程における塩基性カルシウム化合物の添加量とPHの関係を示す模式図であり、式(4)の反応の終点付近ではPHの変化が小さいことが示されている。したがって、この複分解反応において、PHの変化に基づいて式(4)の反応が終了した時点で塩基性カルシウム化合物の添加を停止することは極めて困難である。塩基性カルシウム化合物が過剰に添加されて式(5)の反応が進むと、生成した塩化カルシウムは溶解度が大きいので混合物スラリー中に溶解する。このため、脱硫工程へ帰還する混合物スラリーにカルシウムイオンが含有されることになる。
【0034】
複分解工程から排出される混合物スラリー中に塩化カルシウムに起因するカルシウムイオンが含有されるのを防止する一つの方法は、複分解工程で得られた混合物スラリーに対して酸化工程処理液の一部を添加して、混合物スラリー中のカルシウムイオンを二水石膏に変換させた後、カルシウムイオン変換工程へ供給する方法である。
【0035】
前述したように、複分解工程での反応を前記の式(4)の反応だけに留めるのは困難なため、十分な量の塩基性カルシウム化合物を添加して、二水石膏の結晶粒子の生長を進める。したがって、この方法では複分解工程で式(5)の反応がある程度進む。そして、塩化カルシウムが多少溶解した状態になった混合物スラリーに対して、酸化工程処理液の一部を添加して、そのカルシウムイオンを酸化工程処理液中の硫酸イオン反応させて、二水石膏として沈殿させる。すなわち、過剰に添加された塩基性カルシウム化合物に対して、下記式(6)の反応が生ずるように酸化工程処理液を加える。このスラリー中に溶解している塩化カルシウムを塩化マグネシウに変換させる工程(以下、塩化カルシウム変換工程という)は、複分解工程と同様に、槽型反応器を用いて実施することが好ましい。
【0036】
CaCl2 +MgSO4 +2H2O→MgCl2 +CaSO4・2H2O (6)
塩化カルシウム変換工程における酸化工程処理液の添加量とPHの関係は、図の変化を逆にたどるため(添加量の増加が横軸の値を右から左へ移動させるのに相当するため)、反応の終点はPH測定で容易に検出でき、酸化工程処理液の適正供給量の調整は容易である。この塩化カルシウム変換工程により、複分解工程で生成し混合物スラリー中に溶解している塩化カルシウムは全て塩化マグネシウに変換され、カルシウムイオンは二水石膏として結晶化され、混合物スラリー中のカルシウムイオンの濃度は二水石膏の溶解度のレベルまで低下される。
【0037】
もう一つの防止方法は、前記の式(4)の反応が終了した時点で塩基性カルシウム化合物の添加を停止して、複分解工程を出る混合物スラリー中にカルシウムイオンを含有させないようにする方法である。具体的には、先ず複分解工程における混合物スラリーの塩素イオン濃度を測定する。塩素イオン濃度の測定は種々の方法により実施できるが、ここでは混合物スラリーの一部を計測槽に導き、比重測定から求める方法について説明する。すなわち、混合物スラリーの一部を計測槽に導き、ここで式(5)の反応が完了するまで(スラリーのPHが10〜11になるまで)塩基性カルシウム水溶液を添加する。このとき、混合物スラリーの液部分に溶解しているのはほぼ塩化カルシウムだけなので、その比重を測定して塩化カルシウム水溶液の濃度−比重曲線と対照すれば、計測槽の混合物スラリー中の塩化カルシウムの濃度が求められる。ここで、複分解槽と計測槽の間には塩素イオンの出入はないので、計測槽の塩化カルシウムの濃度について計測槽で添加した塩基性カルシウム化合物水溶液の添加量分だけ薄まったのを補償すれば、複分槽中の混合物スラリーの塩素イオン濃度が求められる。
【0038】
このようにして求めた塩素イオン濃度を基準として、複分解工程における塩基性カルシウム化合物の添加量が式(4)の反応が丁度終了するだけの量となるように制御する。この添加量の調整は、例えば次のようにして実施できる。すなわち、複分解槽に塩基性カルシウム化合物を、式(4)の反応が丁度終了し式(5)の反応が始まらない理想的な量だけ添加した場合には、複分解槽中の混合物スラリーの液部分に溶解しているのはほぼ塩化マグネシウムだけである。したがって、先に求めた塩素イオン濃度を基にして、式(4)の反応完了時の複分解槽内の塩化マグネシウム濃度が算出できる。そこで、複分解槽のスラリーの水溶液部分の比重を測定し、この比重が上記算出した濃度の塩化マグネシウム水溶液の比重となるように、塩基性カルシウム化合物の複分解槽への添加量を調節して制御する。このようにすれば、複分解工程における反応を式(4)の反応だけに留めることができるので、混合物スラリー中のカルシウムイオンは二水石膏の溶解度のレベルまで低下する。
【0039】
本発明の方法においては、脱硫工程で処理液に吸収された塩素イオンは、固体としては固定され排出されることはないので処理液とともに系内を循環するが、その蓄積が所定濃度以上となるのを防止するために、通常、塩化マグネシウム水溶液の形でブロー水として適宜系外へ排出する。ブロー水としての系外へ排出は、処理液中のマグネシウムイオン濃度が最も低い、脱硫工程へ帰還する混合物スラリーについて実施することが好ましい。
【0040】
本発明の方法においては、種々の変形が可能である。例えば、酸化工程処理液の一部を脱硫工程(脱硫塔)に戻してもよい。脱硫塔に酸化工程処理液を加えると、脱硫塔内の処理液中の硫酸マグネシウムの割合が増加し、亜硫酸塩の割合が減少することになり、亜硫酸マグネシウムの析出を生じにくくすることができる。
【0041】
【実施例】
以下、本発明の排ガスの脱硫方法を図面を参照しつつ実施例に従い説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。
実施例1
本実施例は、重油だきボイラーの排ガス(塩化水素を含まない排ガス)の脱硫処理の例であり、図3にこのプロセスの概要を示した。
【0042】
マグネシウム系脱硫剤が溶解し、二水石膏粗粒子を懸濁物として含む処理液を、脱硫塔1の上方からシャワー状に流下させ、下方より導入した硫黄酸化物を含有する排ガスG1と気液接触させ、硫黄酸化物は亜硫酸マグネシウム、亜硫酸水素マグネシウム等として処理液中に吸収・固定し、硫黄酸化物が除去された排ガスG2を上方より塔外へ排出した。
【0043】
脱硫塔に供給された排ガスは、高温のため工水をノズルで噴霧し冷却した。排ガス流量は105 Nm3 /hr、SO2 濃度は2000ppmであった。
【0044】
脱硫塔1の底部に流下した硫黄酸化物を吸収した脱硫液は、水酸化マグネシウムスラリー供給タンク7より新たに供給された処理液とともにポンプP1と配管L1を介して塔上部へ送り流下させ、この繰り返しによって脱硫塔1内を連続的に循環させた。塔底には、亜硫酸マグネシウムの析出を防止するために、空気を吹き込んだ。また、配管L1から一部の処理液を30t/hrで石膏分離機2へ導き、処理液中に懸濁していた二水石膏を分離して1.6t/hrで系外に排出し、残液は脱硫塔へ戻した。脱硫塔内の処理液の塩濃度は硫酸マグネシウム換算で7.50重量%、亜硫酸マグネシウムと亜硫酸水素マグネシウムの合計濃度は硫酸マグネシウム換算で1.50重量%であり、pHは5.8−6.0であった。排ガスG2のSO2 濃度は100ppmで脱硫率は95%であった。
【0045】
脱硫工程処理液をポンプP2と配管L2により脱硫塔から酸化槽3へ11t/hrで供給し、空気を曝気して酸化して硫酸マグネシウムと硫酸の水溶液とした。この酸化工程処理液を、ポンプP3と配管L3によって複分解槽4へ供給した。複分解槽4には、水酸化カルシウム供給タンク5から配管L4により30重量%の水酸化カルシウムの水スラリーを1.8t/hrで加え、攪拌機により攪拌混合しながら硫酸マグネシウムおよび硫酸と水酸化カルシウムとの反応を行わせ、二水石膏と水酸化マグネシウムの固体粒子を生成した。反応温度は50℃であった。
【0046】
得られた混合物スラリーは、次いで配管L5によりカルシウムイオン変換槽6に導き、ここで脱硫塔1より配管L1およびL6を介して供給した硫黄酸化物を吸収した脱硫工程処理液の一部を1.3t/hrで加え、攪拌機により均一に攪拌混合し、水中に二水石膏の溶解度レベルで溶解しているカルシウムイオンが上記処理液中の亜硫酸マグネシウムや亜硫酸水素マグネシウムと反応して、亜硫酸カルシウムの沈澱が生成した。
【0047】
次いでこれらの二水石膏、水酸化マグネシウムおよび亜硫酸カルシウムの固体粒子を含む水スラリーを配管L7を介して脱硫塔1に循環供給した。
実施例2
本実施例は、塩化水素を含む排ガスを脱硫処理するために、塩化カルシウム変換工程を設けた例であり、図4にこのプロセスの概要を示した。
【0048】
本実施例も脱硫塔から複分解槽へ至る過程は、実施例1と全く同様である。ここでは複分解槽で得た含む混合物スラリーを、配管L8により塩化カルシウム変換槽8へ導いた。そこへ配管L3を介して酸化工程処理液の一部を供給し、混合スラリー中に溶解している塩化カルシウムのカルシウムイオンを硫酸イオンと反応させて、二水石膏として沈殿させた。酸化工程処理液の供給量の調整は、pHコントロールによった。
【0049】
塩化カルシウム変換槽8で処理された混合物スラリーは、次いで配管L9によりカルシウムイオン変換槽6に導き、実施例1の場合と同様に、ここで脱硫工程処理液の一部と攪拌混合し、水中に二水石膏の溶解度レベルで溶解しているカルシウムイオンを亜硫酸カルシウムとして沈澱させた。
【0050】
次いでこれらの二水石膏、水酸化マグネシウムおよび亜硫酸カルシウムの固体粒子を含む混合物スラリーを配管L7を介して脱硫塔に循環供給するとともに、処理液中に蓄積する塩化マグネシウムを除去するために、液部分の一部をブロー水として系外に排出した。
実施例3
本実施例も塩化水素を含む排ガスを脱硫処理するものであり、図5にこのプロセスの概要を示した。本実施例は、複分解槽4に添加する水酸化カルシウムスラリーを以下に述べるように制御して添加したことを除けば、実施例1とほぼ同様である。
【0051】
すなわち、本実施例における水酸化カルシウムスラリーの添加量の制御は、図6に示すように、複分解槽内の混合物スラリーの一部を計測槽に導き、このスラリーのPHが10〜11になるまで水酸化カルシウムスラリーを計測槽9に添加した。このときの液部分の比重を比重計12で測定し、これを塩化カルシウム水溶液の比重−濃度曲線と対照してこの液部分を塩化カルシウム水溶液とみなして塩化カルシウムの濃度を求めた。この濃度の値について水酸化カルシウムスラリーの添加量分だけ薄まったのを補償して、複分解槽の塩素イオン濃度を求めた。そして、その塩素イオン濃度と同じ濃度の塩化マグネシウム水溶液の比重を塩化マグネシウム水溶液の比重−濃度曲線から求めるとともに、複分解槽3のスラリーの水溶液部分の比重を比重計11で測定し、この測定比重が上記算出した比重となるように水酸化カルシウムの複分解槽への添加量を調節した。
【0052】
なお、本実施例においても、処理液中に蓄積する塩化マグネシウムを除去するために、実施例2と同様に配管L7の脱硫塔へ戻す混合物スラリーの液部分の一部を、ブロー水として系外に排出した。
【0053】
【発明の効果】
本発明の排ガスの脱硫方法により、マグネシウム系脱硫剤を用いるダブルアルカリ法の脱硫プロセスが、簡略かつ小型の設備で実施可能となった。また、二水石膏が処理液とともに系内を循環するが、これは不活性なSSとして扱えばよく、脱硫塔や配管等にスケールが付着することはない。
【0054】
また、塩化水素を含む排ガスの脱硫においても脱硫塔へ戻される処理剤中にカルシウムイオンが含有されるのを防止できるので、循環系のスケール付着や閉鎖の要因となる残査の沈積が完全に防止でき、安定運転が維持され、効率の良い排ガス脱硫が実施できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】液中に溶解している硫酸マグネシウムの濃度と硫酸カルシウムの溶解度との関係を示す図である。
【図2】本発明の脱硫方法の複分解工程における塩基性カルシウムの添加量とpHの関係を示す図である。
【図3】本発明の脱硫方法に用いた装置の一つの構成例を示す模式図である。
【図4】本発明の脱硫方法に用いた装置の他の構成例を示す模式図である。
【図5】本発明の脱硫方法に用いた装置の他の構成例を示す模式図である。
【図6】本発明の脱硫方法における、複分解工程での塩基性カルシウムの添加量の制御方法を示すための模式図である。
【符号の説明】
1 脱硫塔
2 石膏分離機
3 酸化槽
4 複分解槽
5 水酸化カルシウム供給タンク
6 カルシウムイオン変換槽
7 水酸化マグネシウムスラリー補給タンク
8 塩化カルシウム変換槽
9 計測槽
10 PH計
11、12 比重計
13 コンピュータ
G1 脱硫前排ガス
G2 脱硫後排ガス
P ポンプ
L 配管

Claims (3)

  1. 硫黄酸化物を含む排ガスをマグネシウム系脱硫剤を含む処理液と接触させ排ガス中に含まれる硫黄酸化物を処理液中に吸収させる脱硫工程と、脱硫工程処理液を酸素を含むガスと接触させ処理液中のマグネシウム塩を硫酸マグネシウムに変換する酸化工程と、酸化工程処理液に塩基性カルシウム化合物を添加し、処理液中の硫酸マグネシウムを水酸化マグネシウムと二水石膏とに分解させる複分解工程とを有し、複分解工程で得られた混合物スラリーを二水石膏を分離することなく脱硫工程に戻すとともに、脱硫工程処理液または酸化工程処理液から二水石膏を系外に取り出す排ガスの脱硫方法において、複分解工程で得られた混合物スラリーに対して、該混合物スラリー中のカルシウムイオンが亜硫酸カルシウムに変換されるように脱硫工程処理液を添加した後、脱硫工程に戻すことを特徴とする排ガスの脱硫方法。
  2. 硫黄酸化物および塩化水素を含む排ガスをマグネシウム系脱硫剤を含む処理液と接触させ排ガス中に含まれる硫黄酸化物および塩化水素を処理液中に吸収させる脱硫工程と、脱硫工程処理液を酸素を含むガスと接触させて処理液中のマグネシウム塩を硫酸マグネシウムに変換する酸化工程と、酸化工程処理液に塩基性カルシウム化合物を添加し、処理液中の硫酸マグネシウムを水酸化マグネシウムと二水石膏とに分解させる複分解工程とを有し、複分解工程で得られた混合物スラリーを二水石膏を分離することなく脱硫工程に戻すとともに、脱硫工程処理液または酸化工程処理液から二水石膏を系外に取り出し、処理液中に蓄積する塩化マグネシウムは系外に放流する排ガスの脱硫方法において、複分解工程では塩化カルシウムが混合スラリー中に溶解し始めるまで塩基性カルシウム化合物を添加し、複分解工程で得られた混合物スラリーに対して酸化工程処理液の一部を添加し、混合物スラリー中のカルシウムイオンを二水石膏に変換させ、次いで混合物スラリーに対して、該混合物スラリー中のカルシウムイオンが亜硫酸カルシウムに変換されるように脱硫工程処理液を添加した後、脱硫工程に戻すことを特徴とする排ガスの脱硫方法。
  3. 硫黄酸化物および塩化水素を含む排ガスをマグネシウム系脱硫剤を含む処理液と接触させ排ガス中に含まれる硫黄酸化物および塩化水素を処理液中に吸収させる脱硫工程と、脱硫工程処理液を酸素を含むガスと接触させ処理液中のマグネシウム塩を硫酸マグネシウムに変換する酸化工程と、酸化工程処理液に塩基性カルシウム化合物を添加し、処理液中の硫酸マグネシウムを水酸化マグネシウムと二水石膏とに分解させる複分解工程とを有し、複分解工程で得られた混合物スラリーを脱硫工程に戻すとともに、脱硫工程処理液または酸化工程処理液から二水石膏を系外に取り出し、処理液中に蓄積する塩化マグネシウムは系外に放流する排ガスの脱硫方法において、複分解工程で得られた混合物スラリーに対して、該混合物スラリー中のカルシウムイオンが亜硫酸カルシウムに変換されるように脱硫工程処理液を添加した後脱硫工程に戻すとともに、複分解工程における混合物スラリーの塩素イオン濃度を測定し、この濃度を基準として複分解工程での塩基性カルシウム化合物の添加量を調整することを特徴とする排ガスの脱硫方法。
    である。
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