JP3704181B2 - 排ガス脱硫方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、石炭等の燃焼排ガスのような硫黄酸化物および塩化水素を含有する各種排ガスの脱硫方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
各種の排ガスの脱硫方法の一つとして、脱硫剤に水酸化マグネシウムや軽焼酸化マグネシウム等のマグネシウム系化合物を用いる方法が知られている。この方法はまず脱硫工程において上記の脱硫剤を含む処理液に排ガスを接触させ硫黄酸化物を処理液中に吸収させ、次いでこの処理液を酸化工程に導いて空気等の酸素を含むガスにより酸化して硫酸マグネシウムと硫酸の水溶液とし、この水溶液をマグネシウム系化合物で中和する。中和後の硫酸マグネシウムの水溶液は、これを海や河川等へそのまま放流するとマグネシウム源や硫酸根の消費につながり、また放流自体が環境に及ぼす影響を考えると望ましくない場合もある。
【0003】
上記方法において硫酸マグネシウム水溶液を放流しない方法が望まれるが、これに関する従来技術としては、川崎マグネシウム石膏法が知られている(実用公害防止技術集覧(1)、化学工業社出版、p.14)。この方法は脱硫剤に水酸化マグネシウムと水酸化カルシウムの混合スラリーを用いて脱硫工程で硫黄酸化物を吸収させ、次いでこの処理液を硫酸によりpHを2.0−4.0に調整しつつ空気等により酸化することにより硫酸マグネシウムと二水石膏を生成させ、次いで沈降分離工程と遠心分離器により二水石膏と硫酸マグネシウム水溶液とに分離する。分離された硫酸マグネシウム水溶液は水酸化マグネシウムと水酸化カルシウムの混合スラリーを含む原料調整工程に循環供給され、こゝで混合スラリー中の水酸化カルシウムの一部と複分解反応により水酸化マグネシウムと二水石膏が生成し、これと残部の水酸化カルシウムを含む混合物は脱硫剤として吸収工程へ循環供給される。しかし、この方法では脱硫液に水酸化カルシウムおよび二水石膏が混合されてくるため脱硫工程内循環用ポンプや配管のスケール付着が起こり易い欠点がある。
【0004】
硫酸マグネシウム水溶液を放流しない他の従来技術として次の方法が開示されている(特公平5−7045号)。酸化工程で生成した硫酸マグネシウムの水溶液を複分解槽へ導き、これに水酸化カルシウムや生石灰等を加えて反応させることにより、二水石膏と水酸化マグネシウムを生成し、これら混合物を湿式分級器等に導き、ここで水酸化マグネシウムを主とした微粒子スラリーと、二水石膏を主とし水酸化マグネシウムを含む粗粒子スラリーとに分離する。分離した前者の微粒子スラリーは脱硫剤として脱硫工程に循環供給し、後者の粗粒子スラリーには少量の随伴されてくる水酸化マグネシウムが含まれているので、これを別工程に導き、ここに脱硫工程より硫黄酸化物を吸収した処理液の一部を供給して、スラリー中の水酸化マグネシウムと反応させて亜硫酸マグネシウムに変換し、この亜硫酸マグネシウムを含む液を沈降分離工程等により二水石膏と分離し、脱硫工程へ循環供給し脱硫剤として再利用する方法である。
【0005】
石炭等の燃焼排ガス中には、硫黄酸化物だけでなく海水等に由来する塩化水素ガスも20〜100ppmのオーダーで含まれることがある。マグネシウム系化合物を脱硫剤として用いる上記方法においては、硫黄酸化物は二水石膏として系外へ排出されるが、塩化水素由来の塩である塩化カルシウムや塩化マグネシウムは溶解度が高いため固体として取り除くことはできず、ブロー水として系外に放出される。しかし、この脱硫方法では、マグネシウム系化合物からなる脱硫剤は基本的には循環利用が前提とされるので、塩化物は濃縮されつつ系内を循環することになる。塩化マグネシウムは脱硫工程で反応しないが、塩化カルシウムに由来するカルシウムイオンが脱硫工程へ戻されると、亜硫酸イオンと反応して水への溶解度の低い亜硫酸カルシウム等が析出してポンプや配管へのスケール付着が生じるおそれがあるため、カルシウムイオンを脱硫工程へ循環させないことが必要である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、カルシウムイオンが脱硫工程へ戻されるのを防止して、脱硫システムの循環系内におけるスケールの付着や閉塞を阻止し、円滑な運転を維持することのできる硫黄酸化物および塩化水素を含む排ガスの脱硫方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、複分解工程での塩基性カルシウムの添加量を二水石膏の生成反応に必要な丁度の量だけ添加するか、あるいは複分解工程を出る混合物スラリー中の塩基性カルシウムの過剰な添加分に対し、これを消費させる量の酸化工程処理液を添加した後、分離工程へ供給してやると、脱硫工程へ循環される処理液中のカルシウムイオンが除去できることを見い出した。
【0008】
すなわち本発明は、硫黄酸化物および塩化水素を含む排ガスをマグネシウム系脱硫剤を含む処理液と接触させ排ガス中に含まれる硫黄酸化物および塩化水素を処理液中に吸収させる脱硫工程と、脱硫工程処理液を酸素を含むガスと接触させ処理液中のマグネシウム塩を硫酸マグネシウムに変換する酸化工程と、酸化工程処理液に塩基性カルシウム化合物を添加し、処理液中の硫酸マグネシウムを水酸化マグネシウムと二水石膏とに分解させる複分解工程と、複分解工程で得られた混合物スラリーを水酸化マグネシウムスラリーと二水石膏スラリーとに分離する分離工程とを有し、水酸化マグネシウムスラリーは脱硫工程に戻し、二水石膏は系外に取り出し、処理液中に蓄積する塩化マグネシウムは系外に放流する排ガスの脱硫方法において、複分解工程では塩化カルシウムが混合物スラリー中に溶解するまで塩基性カルシウム化合物を添加し、かつ複分解工程で得られた混合物スラリーに対して酸化工程処理液の一部を添加し、混合物スラリー中のカルシウムイオンを二水石膏に変換させた後、分離工程へ供給することを特徴とする排ガスの脱硫方法である。
【0009】
また、もう一つの観点からの本発明は、硫黄酸化物および塩化水素を含む排ガスをマグネシウム系脱硫剤を含む処理液と接触させ排ガス中に含まれる硫黄酸化物および塩化水素を処理液中に吸収させる脱硫工程と、脱硫工程処理液を酸素を含むガスと接触させ処理液中のマグネシウム塩を硫酸マグネシウムに変換する酸化工程と、酸化工程処理液に塩基性カルシウム化合物を添加し、処理液中の硫酸マグネシウムを水酸化マグネシウムと二水石膏とに分解させる複分解工程と、複分解工程で得られた混合物スラリーを水酸化マグネシウムスラリーと二水石膏スラリーとに分離する分離工程とを有し、水酸化マグネシウムスラリーは脱硫工程に戻し、二水石膏は系外に取り出し、処理液中に蓄積する塩化マグネシウムは系外に放流する排ガスの脱硫方法において、複分解工程における混合物スラリーの塩素イオン濃度を測定し、この濃度を基準として複分解工程での塩基性カルシウム化合物の添加量を調整することを特徴とする排ガスの脱硫方法である。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に、先ず本発明の方法が適用されるマグネシウム系脱硫剤を用いる排ガスの脱硫方法について説明する。
【0011】
本発明にいうマグネシウム系脱硫剤とは、海水中のマグネシウムを原料とした水酸化マグネシウム、マグネサイト鉱石を焼成して得られる酸化マグネシウム及び該酸化マグネシウムを消化して得られる水酸化マグネシウム等の酸化マグネシウムや水酸化マグネシウムを主成分とする塩基性マグネシウム化合物をいう。
【0012】
この排ガスの脱硫方法においては、硫黄酸化物および塩化水素を含む排ガスは、脱硫工程において、上記マグネシウム系脱硫剤を含む水溶液からなる処理液と接触して、硫黄酸化物および塩化水素が処理液に吸収される。
【0013】
脱硫工程に適した装置としては、これら気液を効率良く接触させるような構造を持つ塔からなり、水溶液をノズルで噴霧し、これに対し向流または並流でガスを流す型式が挙げられる。気液接触の効率向上のために充填物や棚段等を内部に設置してもよい。
【0014】
脱硫工程を出る処理液(以下、「脱硫工程処理液」と略)は、マグネシウム系脱硫剤水溶液と硫黄酸化物が反応して生成した亜硫酸マグネシウム、亜硫酸水素マグネシウム、硫酸マグネシウムおよび塩化マグネシウムが混在した組成の水溶液である。
【0015】
脱硫工程では、通常、処理液の温度を50〜60℃として運転される。また、脱硫工程処理液のpHは5.0〜7.5が好ましく、5.5〜6.5がより好ましい。
【0016】
脱硫工程では、亜硫酸マグネシウムの水への溶解度が低いので、その析出を防止するため、空気等を吹き込み酸化して水への溶解度の高い硫酸マグネシウムとし、亜硫酸マグネシウムの濃度をある値以下に制御するのが一般的である。
【0017】
脱硫工程処理液は、次いで酸化工程へ導かれる。酸化工程では処理液に対して酸素を含むガスを接触させ、処理液中の亜硫酸マグネシウムや亜硫酸水素マグネシウムが酸化されて硫酸マグネシウムおよび硫酸を生成する。通常、処理液中の硫酸マグネシウムの濃度は3〜10重量%であり、pHは2〜3である。酸化工程では、通常槽型反応器が用いられ、処理液は攪拌混合してもよいし、しなくてもよい。
【0018】
酸化工程で供給される酸素を含むガス中の酸素以外のガス成分は、脱硫工程処理液に対して不活性なものであればその種類は問わない。酸素を含むガスとしては、通常空気が用いられる。
【0019】
酸化工程を経た処理液は、次いで複分解工程へ導かれる。複分解工程では、酸化工程で生成した硫酸マグネシウムと硫酸とを主成分とし、塩化マグネシウムを含有する処理液に対して、塩基性カルシウム化合物が添加され攪拌混合される。ここでは、先ず硫酸が塩基性化合物と反応して二水石膏が生成するとともに、硫酸マグネシウムと塩基性カルシウムが反応し二水石膏と水酸化マグネシウムが生成する。また、過剰に添加された塩基性カルシウム化合物は、二水石膏の生成反応に引き続き、塩化マグネシウムと反応して水酸化マグネシウムと塩化カルシウムを生成するのに消費される。但し、塩化カルシウムは溶解度が大きいので、通常は沈殿を生じない。
【0020】
複分解工程では、通常槽型反応器を用いられ、反応温度は高い程好ましいが、操作・運転上からは脱硫工程と同程度の温度でよく、4〜5時間以上の反応時間をとれば、生成する二水石膏は、一般に平均粒子径(長径)が70μm以上、通常は200μmまでの粗大粒子に成長し、一方水酸化マグネシウムは1μm以下、通常0.3〜1μm程度の微小粒子となって、これらが粒子間で凝集して、みかけ上10〜20μm程度の大きさとなる。
【0021】
複分解工程で使用する塩基性カルシウム化合物としては、水酸化カルシウム、酸化カルシウム、炭酸カルシウムまたはこれらの混合物が好ましく、反応槽に供給する形状としては粉末でもよいが、これらの水スラリーが作業性の点で最も好ましい。
【0022】
塩基性カルシウム化合物の供給量は、二水石膏の粒子径を大きくする観点からは複分解工程での混合液のpHが11前後になるよう調整するのが好ましい。しかし、本発明においては、塩基性カルシウム化合物の供給量は後述するように調節する。
【0023】
複分解工程で得られた混合物スラリーは、次いで分離工程において、水酸化マグネシウムを主とする微粒子スラリーと二水石膏を主とする粗粒子スラリーとに分離される。分離された微粒子スラリーは、脱硫剤として脱硫工程へ循環供給される。一方、ここで得られる二水石膏を主とする粗粒子スラリーには10〜30重量%の水酸化マグネシウムが随伴されている。
【0024】
分離工程で用いる湿式分級器としては、湿式サイクロン、遠心沈降器、ドルシックナー等があり、特に湿式サイクロンが好ましい。
【0025】
粗粒子スラリーから分離された二水石膏は系外へ取り出され、セメント用や石膏ボード用等に広く用いることができる。
【0026】
一方、脱硫工程で処理液に吸収された塩素イオンは、固体としては排出されずに系内を処理液とともに循環するが、通常、塩化マグネシウム水溶液の形でブロー水として適宜系外へ排出し、その蓄積が所定濃度以上となるのを防止する。
【0027】
本発明の脱硫方法は、上記のマグネシウム系脱硫剤を用いる脱硫方法において、脱硫工程へ戻されるマグネシウム系脱硫剤中に、カルシウムイオンが溶解性の高い塩化カルシウムとして含まれた状態で循環するのを防止するための改良方法である。
【0028】
前述したように、複分解工程では、処理液に対して塩基性カルシウム化合物が添加されるが、処理液が塩化物を含む場合には、複分解工程での反応は、下式(1)、(2)のように表わせ、先ず二水石膏と水酸化マグネシウムが生成する。そして、二水石膏の生成反応に引き続き、過剰に添加された塩基性カルシウム化合物は、塩化マグネシウムと反応して水酸化マグネシウムと塩化カルシウムを生成するのに消費される。
【0029】
MgSO4 +Ca(OH)2 +2H2O→CaSO4・2H2O+Mg(OH)2 (1)
MgCl2 +Ca(OH)2 →CaCl2 +Mg(OH)2 (2)
図1は、複分解工程における塩基性カルシウム化合物の添加量とPHの関係を示す模式図であり、式(1)の反応の終点付近ではPHの変化が小さいことが示されている。したがって、この複分解反応において、PHの変化に基づいて式(1)の反応が終了した時点に塩基性カルシウム化合物の添加を停止することは極めて困難である。塩基性カルシウム化合物の添加量が過剰で式(2)の反応が進むと、生成した塩化カルシウムは溶解度が大きいので混合物スラリー中に溶解する。このため、脱硫工程へ帰還する水酸化マグネシウムスラリーにカルシウムイオンが含有されることになる。本発明では、このために複分解工程から排出される混合物スラリー中にカルシウムイオンが含有されるのを極力防止している。
【0030】
本発明の第1の方法は、複分解工程で得られた混合物スラリーに対して酸化工程処理液の一部を添加して、混合物スラリー中のカルシウムイオンを二水石膏に変換させた後、分離工程へ供給する方法である。
【0031】
前述したように、複分解工程での反応を前記の式(1)の反応だけに留めるのは困難なため、十分な量の塩基性カルシウム化合物を添加して、二水石膏の結晶粒子の生長を進める。したがって、この方法では複分解工程で式(2)の反応がある程度進む。そして、塩化カルシウムが溶解した状態になった混合物スラリーに対して、酸化工程処理液の一部を添加して、カルシウムイオンを酸化工程処理液中の硫酸イオン反応させて、二水石膏として沈殿させる。すなわち、過剰に添加された塩基性カルシウム化合物に対して、再度式(1)の反応が生ずるように酸化工程処理液を加える。このスラリー中に溶解している塩化カルシウムを塩化マグネシウに変換させる工程(以下、塩化カルシウム変換工程という)は、複分解工程と同様に、槽型反応器を用いて実施することが好ましい。
【0032】
塩化カルシウム変換工程における酸化工程処理液の添加量とPHの関係は、図1の変化を逆にたどるため(添加量の増加が横軸の値を右から左へ移動させるのに相当するため)、反応の終点は容易に検出でき、酸化工程処理液の適正供給量の調整は容易である。この塩化カルシウム変換工程により、複分解工程で発生した塩化カルシウムは全て塩化マグネシウに変換され、カルシウムイオンは二水石膏として結晶化され、混合物スラリー中のカルシウムイオンの濃度は二水石膏の溶解度のレベルまで低下される。
【0033】
本発明の第2の方法は、前記の式(1)の反応が終了した時点で塩基性カルシウム化合物の添加を停止して、複分解工程を出る混合物スラリー中にカルシウムイオンを含有させないようにする方法である。具体的には、先ず複分解工程における混合物スラリーの塩素イオン濃度を測定する。塩素イオン濃度の測定は種々の方法により実施できるが、ここでは混合物スラリーの一部を計測槽に導き、比重測定から求める方法について説明する。すなわち、混合物スラリーの一部を計測槽に導き、ここで式(2)の反応が完了するまで(スラリーのPHが10〜11になるまで)塩基性カルシウム水溶液を添加する。このとき、混合物スラリーの液部分に溶解しているのはほぼ塩化カルシウムだけなので、その比重を測定して塩化カルシウム水溶液の濃度−比重曲線と対照すれば、計測槽の混合物スラリー中の塩化カルシウムの濃度が求められる。ここで、複分解槽と計測槽の間には塩素イオンの出入はないので、計測槽の塩化カルシウムの濃度から計測槽で添加した塩基性カルシウム化合物水溶液の添加量を差し引けば、複分槽中の混合物スラリーの塩素イオン濃度が求められる。
【0034】
このようにして求めた塩素イオン濃度を基準として、複分解工程における塩基性カルシウム化合物の添加量が式(1)の反応が丁度終了するだけの量となるように制御する。この添加量の調整は、例えば次のようにして実施できる。すなわち、複分解槽に塩基性カルシウム化合物を、式(1)の反応が丁度終了し式(2)の反応が始まらない理想的な量だけ添加した場合には、複分解槽中の混合物スラリーの液部分に溶解しているのはほぼ塩化マグネシウムだけである。したがって、先に求めた塩素イオン濃度を基にして、式(1)の反応完了時の複分解槽内の塩化マグネシウム濃度が算出できる。そこで、複分解槽のスラリーの水溶液部分の比重を測定し、この比重が上記算出した塩化マグネシウム濃度の水溶液の比重となるように、塩基性カルシウム化合物の複分解槽への添加量を調節して制御する。このようにすれば、複分解工程における反応を式(1)の反応だけに留めることができるので、混合物スラリー中のカルシウムイオンは二水石膏の溶解度のレベルまで低下する。
【0035】
本発明の方法においては、種々の変形が可能である。例えば複分解工程で得られた混合物スラリーあるいは更に塩化カルシウム変換工程を経た混合物スラリーに対して、脱硫工程処理液の一部を添加し、混合物スラリー中のカルシウムイオンを亜硫酸カルシウムに変換するカルシウム変換工程を適用してもよい。混合物スラリー中には二水石膏(溶解度:硫酸カルシウムとして0.208g/100g水溶液)が溶解しているので、カルシウムイオンとして約0.06重量%溶解している。この混合物スラリーに、亜硫酸水素マグネシウムを含む脱硫工程処理液を添加し攪拌混合すると水不溶性の亜硫酸カルシウム(溶解度:0.0051g/100g水溶液)が生成するので、スラリー中のカルシウムイオンは約0.002重量%へと1/30に減少する。pHが6以下では、亜硫酸水素マグネシウムは溶解カルシウムイオンのみならず共存している水酸化マグネシウムとも反応するので、pHを6以上、好ましくは6〜11とするのが望ましく、反応温度は80℃以下、好ましくは60℃以下が望ましい。この工程も、槽型反応器を用いて実施するのが好ましい。生成した亜硫酸カルシウムは、二水石膏ととも系外に排出除去される。
【0036】
また、本発明の脱硫方法においては、分離工程で得られた水酸化マグネシウムを随伴する二水石膏の粗粒子スラリーを更に処理することもできる。一つの処理方法は、前述した特公平5−7045号の方法である。
【0037】
もう一つの処理方法は、粗粒子スラリーを第2の酸化工程に導き、ここで二水石膏スラリーに脱硫工程処理液の一部を添加し、これを酸素を含むガスと接触させる。その結果、スラリーに随伴された水酸化マグネシウムは、脱硫工程処理液が空気等の酸素を含むガスにより酸化されて生成した硫酸マグネシウムおよび硫酸の水溶液と攪拌混合され反応して硫酸マグネシウムとなり、スラリー中に溶解する。この場合、脱硫工程処理液に代えて、脱硫工程処理液を酸化処理した先の酸化工程処理液ももちろん使用できる。そして、この第2の酸化工程を経た二水石膏スラリーを沈降分離工程へ導き、ここで二水石膏を沈降分離し、その上澄み液を複分解工程へ循環供給する方法である。
【0038】
この方法では、上澄み液である硫酸マグネシウム水溶液は、更に複分解反応により水酸化マグネシウムに変換され脱硫工程に循環供給されて再利用される。脱硫工程では次の反応により、1モルの水酸化マグネシウムは1モルの亜硫酸ガスを吸収し、生成した亜硫酸マグネシウムは更に1モルの亜硫酸ガスを吸収する。すなわち、水酸化マグネシウムは、亜硫酸マグネシウムに比べ2倍の亜硫酸ガス吸収能力を持っている。
【0039】
Mg(OH)2 +SO2 → MgSO3
MgSO3 +SO2 → Mg(HSO32
このように、この方法では沈降分離工程で分離した硫酸マグネシウムを、複分解槽で2倍の亜硫酸ガス吸収能力を持つ水酸化マグネシウムに変換した後に脱硫工程に供給するため、沈降分離工程で分離された亜硫酸マグネシウム水溶液を脱硫工程に直接循環供給する特公平5−7045号の方法に比べてマグネシウム系脱硫剤の利用率は高い。なお、この方法においては、第2の酸化工程を先の酸化工程と同一の反応器内で同時に実施することもできる。その場合には、酸化工程処理液は、直接複分解工程へは導かれずに、沈降分離工程を経た上でその上澄み液の形で複分解工程へ導かれる。
【0040】
【実施例】
以下、本発明の排ガスの脱硫方法を図面を参照しつつ実施例に従い説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。
実施例1
本実施例は、塩化カルシウム変換工程を設けた例であり、図2にこのプロセスの概要を示した。マグネシウム系脱硫剤を含む処理液を脱硫塔1の上方からシャワー状に流下させ、下方より導入した硫黄酸化物および塩化水素を含有する排ガスG1とを気液接触させ、硫黄酸化物は亜硫酸マグネシウム等として、また塩化水素は塩化マグネシウムとして処理液中に吸収・固定し、硫黄酸化物および塩化水素が除去された排ガスG2を上方より塔外へ排出した。
【0041】
脱硫塔に供給された排ガスは、高温のため工水をノズルで噴霧し冷却した。排ガス流量は100Nm3 /hr、SO2 濃度は1000ppm、塩化水素濃度は40ppmであった。
【0042】
脱硫塔1の底部に流下した硫黄酸化物および塩化水素を吸収した脱硫液は、水酸化マグネシウムスラリー供給タンク10より新たに供給された処理液とともにポンプP1と配管L1を介して上部へ送り、この繰り返しによって脱硫塔1内を連続的に循環させた。この処理液の塩濃度は硫酸マグネシウム換算で7.50重量%、亜硫酸マグネシウムと亜硫酸水素マグネシウムの合計濃度は硫酸マグネシウム換算で1.50重量%、塩化マグネシウム換算で0.1重量%であり、pHは5.8−6.0であった。排ガスの脱硫率は95%で、脱塩化水素率は94%であった。
【0043】
脱硫工程処理液をポンプP2と配管L2により脱硫塔から第1酸化槽2へ供給し、空気を曝気して酸化して硫酸マグネシウムと硫酸の水溶液とした。この酸化工程処理液を、ポンプP4と配管L3によって複分解槽3へ供給した。また、複分解槽3には、後述する沈降槽9から分離供給される硫酸マグネシウム水溶液と、水酸化カルシウム供給タンク4から配管L9により30重量%の水酸化カルシウムの水スラリーとを加え、攪拌機により攪拌混合しながら硫酸マグネシウムおよび硫酸と水酸化カルシウムとの反応を行わせ、二水石膏と水酸化マグネシウムとの固体粒子を生成した。反応温度は50℃であった。ここで過剰に添加された水酸化カルシウムは、塩化マグネシウムと反応して、水酸化マグネシウムと水溶性の塩化カルシウムを生成するのに消費された。
【0044】
このようにして得られた二種の固体粒子を含む混合物スラリーは、次いで配管L4により塩化カルシウム変換槽5へ導いた。ここで配管L3を介して酸化工程処理液の一部を供給し、混合スラリー中に溶解している塩化カルシウムのカルシウムイオンを硫酸イオンと反応させて、二水石膏として沈殿させた。
【0045】
塩化カルシウム変換槽5で処理された混合物スラリーは、次いで配管L5によりカルシウムイオン変換槽6に導き、ここで脱硫塔1よりポンプP3および配管L6を介して供給した硫黄酸化物を吸収した脱硫工程処理液の一部と攪拌機により均一に攪拌混合し、水中に二水石膏の溶解度レベルで溶解しているカルシウムイオンが上記処理液中の主として亜硫酸マグネシウムや亜硫酸水素マグネシウムと反応して、亜硫酸カルシウムの沈澱が生成した。
【0046】
次いでこれらの二水石膏、水酸化マグネシウムおよび亜硫酸カルシウムの固体粒子を含む水スラリーを、ポンプP5により湿式分級器7に導いて、水酸化マグネシウムを主とする微粒子スラリーと、二水石膏、亜硫酸カルシウムおよび一部の水酸化マグネシウムを含む粗粒子スラリーとに分離した。
【0047】
水酸化マグネシウムを主とする微粒子スラリーは配管L7を介して脱硫塔に循環供給した。二水石膏を主とする粗粒子スラリーは第2酸化槽8へ導き、ここで脱硫塔1よりポンプP3及び配管L6を介して供給された脱硫工程処理液の一部と、空気を吹き込みながら攪拌機により均一に攪拌混合し、二水石膏に同伴された水酸化マグネシウムは、水溶性の硫酸マグネシウムに転化された。
【0048】
この硫酸マグネシウムおよび塩化マグネシウムを溶解した二水石膏スラリーを沈降槽9に導入し、ここで二水石膏を含まない液部分と、二水石膏の濃縮スラリーに分離し、下部の二水石膏の濃縮スラリーを配管L9により系外に取り出して二水石膏を回収するとともに、系内に蓄積する塩化マグネシウムを廃棄するために液部分はブロー水として放水した。一方、上部の硫酸マグネシウムおよび塩化マグネシウムの水溶液は、配管L8を介して複分解槽3へ循環供給した。
【0049】
この実施例における配管L7を流れる水酸化マグネシウムを主とする処理液中のカルシウムイオン濃度は、0.005重量%であった。
実施例2
この実施例では、塩化カルシウム変換工程を設けずに、複分解槽3で得られた混合物スラリーを塩化カルシウム変換槽5をバイパスさせてカルシウムイオン変換槽6へ導いたことを除けば、実施例1とほぼ同様にして脱硫を実施した。ただし、複分解槽3には、実施例1と同様に沈降槽9からの硫酸マグネシウム水溶液と、水酸化カルシウム供給タンク4からの水酸化カルシウムスラリーとを加えたが、水酸化カルシウムスラリーは以下に述べるように制御して添加した。
【0050】
すなわち、図3に示すように、複分解槽内の混合物スラリーの一部を計測槽11に導き、スラリーのPHが10〜11になるまで水酸化カルシウムスラリーを添加した。このときの液部分の比重を比重計14で測定し、これを塩化カルシウム水溶液の比重−濃度曲線と対照してこの液部分を塩化カルシウム水溶液とみなして塩化カルシウムの濃度を求めた。この濃度の値から水酸化カルシウムスラリーの添加量を差し引いて、複分解槽の塩素イオン濃度を求めた。そして、その塩素イオン濃度と同じ濃度の塩化マグネシウム水溶液の比重を塩化マグネシウム水溶液の比重−濃度曲線から求めるとともに、複分解槽3のスラリーの水溶液部分の比重を比重計13で測定し、この測定比重が上記算出した比重となるように水酸化カルシウムの複分槽への添加量を調節した。
【0051】
この実施例における配管L7を流れる水酸化マグネシウムを主とする処理液中のカルシウムイオン濃度は、0.005重量%であった。
実施例3
この実施例では、図4に示されるように、第1酸化槽と第2酸化槽を一つの酸化槽で共用させたことを除けば、実施例2とほぼ同様にして脱硫を実施した。この実施例における配管L7を流れる水酸化マグネシウムを主とする処理液中のカルシウムイオン濃度は、0.005重量%であった。
【0052】
【発明の効果】
本発明の排ガスの脱硫方法によれば、二水石膏の分離回収とマグネシウム系脱硫剤の利用率の向上が図れ、しかも塩化水素を含む配ガスの脱硫においても脱硫塔へ戻される処理剤中にカルシウムイオンが含有されるのが防止されるので、循環系のスケール付着や閉鎖の要因となる残査の沈積を完全に防止され、低コストで安定運転が維持され、効率の良い排ガス脱硫が実施できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の脱硫方法の複分解工程における塩基性カルシウムの添加量とpHの関係を示す模式図である。
【図2】本発明の脱硫方法に用いた装置の一つの構成例を示す模式図である。
【図3】本発明の脱硫方法における、複分解工程での塩基性カルシウムの添加量の制御をするための模式図である。
【図4】本発明の脱硫方法に用いた装置の他の構成例を示す模式図である。
【符号の説明】
1 脱硫塔
2 (第1)酸化槽
3 複分解槽
4 水酸化カルシウム供給タンク
5 カルシウムイオン変換槽
6 塩化カルシウム変換槽
7 湿式分級器
8 第2酸化槽
9 沈降槽
10 水酸化マグネシウムスラリー補給タンク
11 計測槽
12 PH計
13、14 比重計
15 コンピュータ
G1 脱硫前排ガス
G2 脱硫後排ガス
P ポンプ
L 配管

Claims (3)

  1. 硫黄酸化物および塩化水素を含む排ガスをマグネシウム系脱硫剤を含む処理液と接触させ排ガス中に含まれる硫黄酸化物および塩化水素を処理液中に吸収させる脱硫工程と、脱硫工程処理液を酸素を含むガスと接触させて処理液中のマグネシウム塩を硫酸マグネシウムに変換する酸化工程と、酸化工程処理液に塩基性カルシウム化合物を添加し、処理液中の硫酸マグネシウムを水酸化マグネシウムと二水石膏とに分解させる複分解工程と、複分解工程で得られた混合物スラリーを水酸化マグネシウムスラリーと二水石膏スラリーとに分離する分離工程とを有し、水酸化マグネシウムスラリーは脱硫工程に戻し、二水石膏は系外に取り出し、処理液中に蓄積する塩化マグネシウムは系外に放流する排ガスの脱硫方法において、複分解工程では塩化カルシウムが混合物スラリー中に溶解するまで塩基性カルシウム化合物を添加し、かつ複分解工程で得られた混合物スラリーに対して酸化工程処理液の一部を添加し、混合物スラリー中のカルシウムイオンを二水石膏に変換させた後、分離工程へ供給することを特徴とする排ガスの脱硫方法。
  2. 硫黄酸化物および塩化水素を含む排ガスをマグネシウム系脱硫剤を含む処理液と接触させ排ガス中に含まれる硫黄酸化物および塩化水素を処理液中に吸収させる脱硫工程と、脱硫工程処理液を酸素を含むガスと接触させて処理液中のマグネシウム塩を硫酸マグネシウムに変換する酸化工程と、酸化工程処理液に塩基性カルシウム化合物を添加し、処理液中の硫酸マグネシウムを水酸化マグネシウムと二水石膏とに分解させる複分解工程と、複分解工程で得られた混合物スラリーを水酸化マグネシウムスラリーと二水石膏スラリーとに分離する分離工程とを有し、水酸化マグネシウムスラリーは脱硫工程に戻し、二水石膏は系外に取り出し、処理液中に蓄積する塩化マグネシウムは系外に放流する排ガスの脱硫方法において、複分解工程における混合物スラリーの塩素イオンを測定し、この濃度を基準として複分解工程での塩基性カルシウム化合物の添加量を調整することを特徴とする排ガスの脱硫方法。
  3. 複分解槽中の混合物スラリーの水溶液部分の比重が、測定した前記塩素イオン濃度に相当する濃度の塩化マグネシウム水溶液の比重と一致するように塩基性カルシウム化合物を添加する請求項2記載の排ガスの脱硫方法。
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